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2022年9月

2022年9月18日 (日)

ザ・ドアーズ『L.A.ウーマン』(L.A. Woman)1971、エレクトラ・レコード

やっぱりドアーズ。絶対ドアーズ。
 これが最高であり他に比べるものが無いワケですよ。まず、そこを強調しておきたい。

でもね、いきなり期待裏切りますけれども、私の場合、LP時代から全アルバムを当然コレクトしギンギン愛聴しまくり、ライブ音源や海賊盤まで手あたり次第収集しとかいった、そういうわかりやすい行動をまったくしません。皆無。伝わりにくいんですよ、私の場合。根幹から。共感得にくい。
 ストーンズの好きな人が全員中野D児な訳ではないし、収集物を開陳する本も出版しませんし、ではザッパファンはみな八木康夫なのかウンチクくっちゃべるのか、鳥井賀句そしてジョニー・サンダースは、とかしょうもない話はもういいでしょ。みんな故人なんだし。そういう時代は葬ろうよ。あ、でも鳥井賀句、まだ生きてるのか。「現在はミュージシャンとして活動する傍ら、中国算命占星学師範として、占い師としても活動している」。
 ドアーズ、私がLP時代に持ってたのは三枚目『太陽を待ちながら』だけで、なんか当時¥2,000の廉価版で安かった気がする。中学のとき。
 おっと、その前に当時NHK FMで日曜夕方6時、洋物映画のサントラばかりをリクエストに応じてギンギンにかけまくる狂った番組があり、そこで『地獄の黙示録』の主題歌だった「ジ・エンド」を初めて聴いた。やばい。これ、やばいことになってる。やたら長いし、聴くと頭悪くなりそ。
 実際アルバムを聴くとこれがまた、強烈な違和感。不快感。吐き気とめまい。漂う不潔感。生ける不吉の象徴。
 アカペラで汚い飲み屋で騒ぐどん底オヤジを活写した「マイ・ワイルド・ラブ」には大感動。こういう表現があったのかと影響を受ける。
 これぞドアーズ。ぼくらのドアーズ。曲の途中で名もなき兵士が銃殺されちゃったりしてもう最高。なんか指先についた精液匂ってる感じなんですよ。たとえがキモくて申し訳ないが、音も歌も生々しくてね。えぐかった。
 本能に訴えかけてくる音楽。
 衝動が暴走していくあの感じ。諦念と弛緩。キレキレの歌と演奏。言い切りの快感。
 ♪おまえは行方知れずだリトルガール。神隠しにあったのだ♪
 中学生はこれ一枚聴いては充分満足し、時は流れ。その後ファースト、『まぼろしの世界』はCDで購入し、大学一年目の時だから1987年くらいか。ま、絶対文句ない。ある意味ちゃんとしてます。有名な曲しか入ってないし。
 それからさらに10年後。1997年未発表音源多数の4枚組ボックスセットを購入。最高。4枚のうち1枚はベスト盤ってのは詐欺だと思ったけど。ヒットラー感満載の「ファイブ・トゥ・ワン」のライブテイクなんか凄かった。もうアジるアジる。
 ♪5対1だよ、1ふくむ5♪
 『ソフトパレード』『モリソンホテル』は40周年記念エディションの年だから、2007年。このとき、ファースト、セカンド、サードも新ミックスで買い直してる。(新ミックス?大差ないね。やる価値なかったねブルース・ボトニック。)
 こうして亀の歩みを繰り返して全オリジナルアルバム制覇したのがなんと今年8月ですよ。2022年ですね。最後に控えていたのが、最大のヒット作『L.A.ウーマン』。ジム・モリスンが完成後フランスへ行って麻薬で野垂れ死んだんで、ラストになってしまった曰くつきの一枚。そしてこの時かつての中学生は55歳になっていた。

ラ・ウーマン
収録曲
1.チェンジリング
2.彼女を狂ったように愛する
3.こんなに長い間ダウンしていた
4.私の窓辺の車ヒス
5.ロサンゼルス・ウーマン
6.アメリカ
7.ヒヤシンスハウス
8.這うキングスネーク
9.The Wasp (Texas Radio And The Big Beat)
10.嵐のライダー
11.オレンジカウンティスイート(ボーナス)
12.(肉が必要です)Don't Go No More (Bonus) シングル

この傑作アルバムの発売50周年を記念して、3CD+LP仕様となる『L.A. WOMAN [50TH ANNIVERSARY DELUXE EDITION]』が発売されることとなった。(邦題Google翻訳)

 特にコメントすべきことはないけど、LPはさすがにいらねんじゃね?商売感まる出し。
 「嵐のライダー」のリフって「大地に触れないで」と同じ。もともと蜥蜴王の祝典の一部なんですよ、そのチャリティの一環です。トカゲ王の墓なんです。実はその完結編。
 そういう残務整理の中でかかると「ヒヤシンスの家」がえらくいい曲に聴こえてしまうのが不思議。異様に盛り上がる。心に刺さります。
 わずか6枚のアルバムコンプリートに40年かかってしまいましたが、どのアルバムがどうこうとか、せこい話はもういいでしょ。どれも最高でしたよ。疑いなく。真顔で断言できる。
 ここまで来るのに長い、長い、長い時間が本当かかったが、実はほんの一瞬だったんだ。結局(IN THE END)。

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