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2020年10月 4日 (日)

小日向由衣『明日咲く』(’20、なりすレコード/こっこっこレコードNRSD-2282)

 うちの嫁がまったく効かないダイエットサプリを飲んでるんですけれども。食前にね。安いやつ。スギ薬局とかでポイントで貰えるみたいな。で、たまに俺に「飲め」と勧めてくるんですけど。
 まったくバカじゃないかと思うし、「そんなんで効果あれば苦労しないよ」と本人に何度も言っとるんですが、全然聞かない。結婚前から維持してる習慣らしくて。時々ポストに無料サプリの試供品が届く。仕方なく渡すと「水持ってきて」
 意味はまったく無いけど、可愛いですよね。そういうの。

 小日向由衣さんの新譜は、まぁなんというか、そういう説明しにくい可愛さが詰まった名作となっております。
 小日向さんの楽曲は、どれもがすべて、実はしっかりしたサビと耳馴染みのいいアレンジで構成されたクラシカルな構造を持つ王道作品でありまして、色物などでは決してない。世間一般メディアの扱いは違うかも知れませんが。本当よ。
 ちょっと実証してみましょうか。(以下各曲解説)

M-1 ブランコ
 これ、ちょっとした名曲ですよね。毎度おなじみ「ロビンソン」リフと、フジファブリック「若者のすべて」要素が入って、最終的に小日向メロでしかないものになってる。そんな大ヒットソングを踏襲しておいて、基本普段着で地味なのがいい。
M-2 雨の予感
 ベースラインがUB40。スクリッティの初期シングルみたい。とはいえ、八神純子の昔から「雨といえばストリングス」の故事がございます通り、バカラック並みに後追いで美しいサビメロを追いかけてくる弦楽器がいい感じ。
M-3 グッバイキャンディー
 チャラっす。チャラっすが、果たしてどのチャラなのか。具体的にはどの曲なのか。デジポップ?デジロック?謎は深い。
M-4 チューリップ
 これ、わかりにくいと思いますが、私にとってはLioの「バナナ」に通じるラテンソング。誤ってチューリップの球根百個を発注。かなりホラーなシチュエーションです。
M-5 秋空
 いい曲ですね。それしか言えなくてごめんなさい。サビがなんか相対性理論ですけれども。いいんです。
M-6 恋の呪文
 ジュディマリっす。ジュディマリ並みに売れるべきだと思いますよ。小日向さんは。百万枚です。
M-7 玄米
 テーマとしては、絵恋ちゃんなんですよ。木魚もそうですが。そこにゴーストバスターズとヒューイルイスが襲いかかってくる。YESのロンリーハートから、オーケストラルヒットも聞こえるね。
M-8 咲く
 これは名曲。なんとなく矢野顕子「花のように」の残響を感じますが、たぶん勘違い。矢野さんの評価って、今となっては微妙なものになってしまいました。
M-9 ラブユー
 めちゃ相対性理論ですけれども。テレ東ですけども。チャイナアドバイスですけれども。いいんだ、こっちの方が可愛いんだい!と強気に言い張り胸を張れ。
M-10 誓います
 イントロがブルハで、サビが戸川純でヤプーズで死にます。この歌詞は徳マル付きでいい。「死ねばいい」
M-11 明日
 地味ですけどいい曲ですよ。眉村の「大丈夫」へのアンサーなんでしょうが、端正なんですよ。小日向さんのはしっかりしている。ちゃんと王道の、安心してカラオケで歌える感じが凄くいいと思います。
M-12 猫みたいに
 性愛をテーマにした危険な楽曲。なのに曲調は「オブラディオブラダ」。あー、コレコレ。
M-13 手紙
 やばいっすよ。最凶っすよ。弾き語りチューンですけど、これ泣かされますよ。オレ、通勤電車で泣きましたもん。やばいっすよ。 
以上。

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