美里真理『 巨乳コレクション Vol.1』(1994、黒田出版興文社)
(深夜のラジオ放送より抜粋)
『ヘィ、ミスDJ!オイラの望みをかなえておくれ!』
「なにが〜〜〜?」
『・・・うわ、“おくれ”だけに、オクレにいやん。
すんません、堪忍してください。今回はごっつサービスして記事を書きますよってに。だいたいが、毎回辛気臭くてあかんよ、このブログ。ハヤカワの宣伝部かっつーの。
ページを景気よくするためには、ハダカ!やっぱハダカが載っとらんとあかんのよ。夏目雅子風に言えば、「あかんぜよ!」(突然全開でキレる)
人気あるページはさ、セクシーかつエロティックでお色気むんむんな若い子のハダカでてんこ盛りですよ!『FRIDAY』『文春』売れてる雑誌はみんな載せてますやん。
・・・え、雑誌って今売れてないの?え、『奇想天外』も?・・・ナニ、潰れた?潰れて、最近傑作選が出た?じゃ、『SFアドベンチャー』はどうなった?『SF宝石』は?アシモフマガジン特約やぞ。アシモフごっつ怒るでしかし』
「アシモフならとっくに死んでるよ、おバカさん!」
『誰や、おまえ?』
「平井和正・イズ・デッド。とことん間抜けなキミを超能力でコバラサポートするために、39世紀の未来世界から電動チャリに乗りやってきた、アニメ系BLくんです!」
『んーーー、本当かなぁー』
「頼む、信じてください!ニューギニアの火力発電所から10万ボルトの電流に跨りやって来るよか、まだ多少は信じやすいじゃないですか。どうですか」
『あれは、でも一応電線括りで繋がってるからなー。しかも全身電流マークだし。そう、ヒーローだって政治家だって犬だって、キミ、首尾一貫性ってのは大事だよ。勢いだけで行っても選挙は勝てないもんだよ、小池』
「あ、時事ネタだ」
『遠藤賢司さんが胃がんで亡くなったってのに、アホな記事を書いてちゃいけませんよ。史上最長寿のロックンローラーのわりに享年70歳とか突っ込んじゃダメなんですよ。前日ファッツ・ドミノさんが亡くなってたのが痛かった』
「89歳。天寿を全うされたんじゃないですか。チャック・ベリーは90歳でしたけどね!」
『長生きしてれば偉いのか。へーーー、そうか。
そういえばD、今度おまえの誘いで観に行くライブの人、69歳なんだよなー。日本って高度高齢化社会なんだと実感するよなー』
「それ、どんだけ高いねん。いつの間にか、ボク、Dになっとるし。ヒューストン」
『ヒューストン了解。貴様とエロ記事で共演だけはしたくなかったが、ま、「ぼくは大人になった(佐野元春)」ってことなんだろう』
「まさにアウト!な名盤『TIME OUT!』の一曲目ですね。佐野さんではこのアルバムが一番好きかも。本物のパブロッカー勢が多数参加した『ナポレオン・フィッシュと泳ぐ日』よりも、逆説的にパブロックの本質に接近してるんですよ。詳しくは、僕自身のブログでも取り上げておりますので、興味のある方はそちらをご参照・・・・・・」
『おっと、リンク貼ってんじゃねーよ』
「コード譜はこちらに・・・・・・」
『だから、コード譜いらねぇって!
しかし貴様、中学からずっとそんな感じで、やり続けてるんだもんな。それが全日本勝手に採譜委員会理事の現在に繋がってるってんだから、支離滅裂で実行力に乏しいオレよか、よっぽど首尾一貫、初志貫徹の見上げた男なのかも知れんなー。
って、ま、そんなワケないけどな!』
「Dよりヒューストン。持ち上げるのか、落とすのか態度ハッキリしてください。そもそも、僕ぐらいのレベルでコードに詳しいとか抜かしていたら、敬愛すべきコードに詳しい諸先輩方に対し、メチャメチャ失礼じゃないですか」
『その敬虔な姿勢が胡散臭いってんだよ。本人は意外とマジメに言ってるのかも知れんが。それって詐欺師の常道・・・・・・・』
(ヒューストン、Dに胸倉をつかまれる)
(大いにもめる)
(遠くからディレクターの声が響く、「ダメだダメ、いったん画像いけ。画像出して誤魔化しちまえ!」)
『・・・うわ』
「なにこれ、ババアじゃん!」
『美里 真理(みさと まり、1973年3月7日 - )は、静岡県出身の元AV女優。今回取り上げる文庫版写真集が出た時点では、御年21歳というカウントになる』
「って、これ、どう見ても40過ぎてる熟しかたじゃないですか。どうすんですか、これ」
『公称プロフィールがそうなってんだから仕方ないんだよ。書かれていることはすべて真実だ、と信じて生きていけ』
「Dよりヒューストン。無理。」
『紹介記事を適当にググってみてよ。どれも“整った容姿とジム通いで鍛えたプロポーションから一躍人気女優となり、程なくロングヘアの「ロリ系」女優からショートカットの「妖艶で淫乱」な女優へのイメージチェンジをはかり、人気を更に不動のものとした。”って書いてあるよ』
「僕はGS出身者にも詳しいけど、ロリ系にも詳しいんですよ。断言しますが、こんなのロリじゃないですよ!」
『いや、もともと無理ある設定でデビューしちゃったもんで、ドサクサ紛れに実年齢に近い路線にシフトし直したんじゃないの。俺は、おっぱいでかいのマル、ババァ臭いのマル、って高評価だったけどねー』
「でも当時観てないですよ。どっからデビューしたんですか?」
『宇宙企画。
でも半年程度で移動してる。ま、“宇宙少女”には向かなかったってことだね』
「なんですか、その名称?めっちゃ胡散臭いけど」
『よくぞ聞いてくれました。ま、こんな感じだね・・・・・・』
「・・・・・・あの、これってどこの店ですか?」
『錦糸町の店の看板じゃねーよ!これはだな、宇宙少女 (うちゅうしょうじょ、우주소녀 (ウジュソニョ)、WJSN、Cosmic Girls)、韓国出身10人・中国出身3人で構成された韓国の13人組女性アイドルグループだよ!』
「なんで13人もいるんですか?あと微妙な国籍混合の比率にはなんか意味あるんですか?」
『うるせぇな、マネージャーさんの都合なんだよ!
実際韓国行くとCD屋なんか全然なくてさ、ダウンロード販売ばっかりみたいだな。ソウル一番の品揃えってフレコミの店舗なんか、巨大ビルの本屋の隅っこにあって、地下の角のワンコーナーでした。わかりにくいんだよ!嫁がブチキレ寸前でこわかったよ!』
「知りません。ってことは、そこで発見したんですか、この方たち?」
『いや、そうじゃなくて、確かにK-POPしか置いてなくって困った挙句、ルイ・アームストロングの初期盤を買って帰りましたー』
「なんでそんなもん買ってんですか。普段絶対聴かないでしょうが。バカじゃないですか、あなた?」
『旅に出ると、人は、わけのわからないものを買ってしまうもんなんだよ!
ペナントとか、絵ハガキとか。郷土民具コロボックルおこしとかな!』
「そんな民具ねーよ!
もー、話が逸れすぎでしょ。ここで言う“宇宙少女”ってのは、いったい何なのか、視聴者の諸先輩方にもわかるように説明しなくちゃダメでしょ?!」
『気持ち悪い喋り方だな。林先生かよ。ま、あんなやつ、林で充分だけどな!“宇宙少女”ってのは、AVメーカー宇宙企画よりデビューした美少女系AV女優の総称である』
「で、それってどんな人がいたんですか?」
『オカズよしこ。』
「絶対ウソだね!そんなアホなやついるもんか!」(事後注釈・そりゃ実際いないのだが、この人名でサーチすると不敬罪な記事がヒットします。決してやらないように。あぁ、なるほど、そういう解釈あるのか。)
『あと、秋元ともみ、かわいさとみ、小森愛などなど多数。ま、存在自体しょーもないっちゃあ、しょーもない』
(遠い目で呟く)「秋元ともみ、可愛かったなー・・・・・・」
『気持ち悪いから、遠い目はやめろ!きさまの甘酸っぱい青春の思い出など、どうでもよいわ。
問題は美里さんのロリ時代ですよ。論より証拠、現物を見てもらおうじゃないか?』
「おい!山田くん、パンツ見えてんぞー!」
『似てない円楽のモノマネ披露、ご苦労様。(急に超ドヤ顔になって)・・・どや、画家さん帽子に女子高生風チェックのスカート、白のシャツに微妙に太めのネクタイ結んで、ベストに清楚な笑顔で大股開き(ジャン=コクトー)。とどめはめっちゃ生地の薄ぅいパンティーで、いやん、陰毛透けちゃう〜〜〜』
「・・・こんなロリ、やだ(泣)」
『“大股開き”と書くとどう見てもインリンで、“大胯びらき”だと渋澤龍彦になるのか。日本語っておもしろいな!
まー、あれですな、この顔の熟し具合を端正と捉えるか、老け顔と見るか、それによってこの人の評価は180度変わってしまうだろうな。その辺の制作サイド側の迷いが、せっかくの初写真集の表紙なのにファッションがちぐはぐ、という残念な現象に結実しているようである。
だってコレ、年齢設定まったくわかんねーよ、女子大生?女子高生?まさか女子中学生の路線なの?』
「うん、表層的な“若い子”って記号を集めてきて、あわよくば好意的に見逃してもらおう、って肚が見え隠れしてます」
『実際に幾つなのかが重要なんじゃなくて、幾つとして売るのか。風俗の世界ではそこが重要なんだよ。ザッツ・ファンタジー。要は、コスプレ。すべてが、ま・ぼ・ろ・し!
さて再び、現物を取り出しますが・・・・・・・』
「うわ〜〜〜、熟女写真集やん!」
『ブルセラの翌年にはもう、こうなってますからね!フリーザ三段階変身の最終形態みたいなもんですよ。
なんか悲しくなってきた。ヒューストンより、D。まだ続けるか?』
「Dよりヒューストン。もう少し。公式プロフィールによれば、93年にデビューし、95年に引退となっているが、その間の変遷の歴史をもう少し細かくお願いします」
(以上台本読まされてる感丸出しの、棒読みで)
『おまえはどっかの掲示板の飛び込み客か。ヤフ知恵のベストアンサーか?』
(ニタリ)
「(無視して画面の外に向かって)言うまでもないことですが、親愛なる読者の皆様におかれましては、この不愉快極まるクソブログにおける僕の行動・発言などはすべて、旧くからの友人であり、無礼かつ頭のちょっと不自由な禁治産者ウンベルケナシくんの、サッパリ盛り上がらず誰からも無視され続けている呪われた執筆活動の励みにでもなれば、という公共ボランティア精神に基づく考えから、台本ありーの、稽古ありーの、リハありーの、本番ありーの、つまりは完全なお芝居による演出ということをまずご理解いただきまして、今後一層の指導・鞭撻をいただければ幸いと思うのであります、パチパチロックンロール」
『(無視して)女優としての変遷の話ね。そんなの出演作品のタイトルだけで充分だろ。まず1993年のデビュー作からイキますが』
「微妙に漢字エロ変換を使いこなしてるところが、スーパー写真塾みたいでイカスね!」
『で、記念すべき第一作“絶叫しちゃったの(93年2月、宇宙企画)”だが、ウェス・クレイブンへのオマージュ作品だな!(断言)』
「えッ?・・・・・・あの、スクリームってこと?」
『結構続いたあのシリーズもエルム街シリーズも、どっちもオレは大嫌い!ホラーをなめんなよ!この件についてはいつか別記事を書きます(嘘)。
続く“乙女のひねり腰(同4月、宇宙企画)”は、いつの世にも大人気の大相撲をイメージ。このへん、清純派AV女優としてのセオリーに忠実だよな。ま、AVやってて清純もないもんだけどな!(笑)』
「う〜〜ん、“腰”しか合ってないんでコメントしづらい。跳ね腰、払い腰とか柔道でもいいじゃん。他どんな作品があるんですか?」(すでに投げやり)
『“思いっきりエクスタシー(同6月、宇宙企画)”!』
「うわ、思いっきりこの時代のネーミング精神やわ〜!『Motto!チェッカーズ』ですわ〜」
『“セーラー服を着たままで(同7月、明文社)”!』
「脱がさへんのかい!着たままがええんかい!ま、本当に脱いでしまいますってーと、未成年じゃない安心感が画面に溢れすぎて、ドラマ部分のクソ青春芝居が心底どうでもよくなりますもんね!映研の尺かせぎだよね、アレ」
『“性感ビンビン娘(同8月、宇宙企画)”!』
「いいじゃん!このタイトルには、パブロックを感じますよ。具体的には、グラハム・パーカー」
『ニッチなとこにヒットしすぎ。これも実は“教師びんびん”のもじりですが、要はエロビデオなんて、ハダカとカラミさえあれば、タイトルなんか当然どうでもいいので、その時の流行りネタをもじって適当につけちまうんですわー。企画会議とかムダなもん省いて、やくざ上がりの恐い上司が若手に、「おい、適当につけといて」って、勝手にソープへ行っちゃう』
「また、見てきたようなことを」
『・・・・・・と、まァ、ここまでは女優としては胎動期と申しますか、お子様ランチ。若くて可愛い子扱いで、ソフトフォーカスのオープニングがくっ付いていて、スタジオのブルースクリーンの前で、気だるくフルーツいじったり、ガラスに唇寄せたり、挑発的なまなざしでアンサンを見つめてたりしてますわ。毎度おなじみ、おおきに。
しかしですよ、なにせ、この時代のAV業界はバブル続いてますからなー、とにかくギャラがいいんで、毎月毎月何百人の新人がデビューする。札束目がけてぱっこんぱっこん。愚息もたまらず昇天、ですわ。
そうすると、若手の供給過剰。ビジュアルや人気が一定線以上の少数を除いて、物凄い勢いでがんがん飛んでく。期待の大型新人が、三か月後には企画物に出てます。
つい先日は着エロまがいの疑似フェラ、疑似パコをかましてた女優さんも、人気が出ませんと、ハードコアな本番行為に挑まざるを得なくなってくる。
具体的には、いきなり浣腸、海辺の洞窟で拘束具つけて2人引きで犬歩きフェラですわー』
「それ、菊池エリ“シスターL2”じゃないか。あんた、本当に好きなんだなー」
『といった過酷な業界の潮流がありまして、かくて81年創業、83年美少女もので大ヒットを飛ばした宇宙企画さんも、1989年にはより本番志向の「バズーカ」レーベルを始動、混迷の時代に入っていきます。
・・・・・・と、ここでニュースが入りました。“小銃等携行の陸曹が行方不明”やて!』
「エーーーーーーッ?!」
『大分県で演習に参加していた第16普通科連隊の男性2等陸曹(32)が、小銃と銃剣、空包20発を携行したまま行方不明。自衛隊は2,800人体制で捜索しているが、まだ見つかっていないそうです』
「まるっきし“野性の証明”か“ランボー”やなー。・・・・・・って、この方、先刻森の中で首吊り遺体で発見されました。高倉健にはなれなんだ」
『慎んでお悔み申し上げます』・・・・・・・。
『スペルマの嵐(10月、バズーカ)』
「・・・ゲボ!なにこのタイトル・・・?」
『バズーカ出演第一弾は過激かつアグレッシヴ!嵐が来るのはナヴァロンやドルロイだけやないんや!むせ返る栗の花の臭いに窒息しちゃいそう!敵は複数だね。ハッキリ言って。軍団相手だよ、既にこれは』
「どこの軍団ですか?大門?石原?」
『それ、同じだよ!』
『びしょ濡れ弁天(12月23日、バズーカ)』
「うわ、こんな日付でリリースすんなよ!しょっ引かれんぞ!」
『このころは国民の休日じゃないんだよ。まだ金無垢バブルの真っ只中だから。
当時の典型的なタイトルだよね。制作の皆さんもまだまだオヤジだから。昨今のコスパいいだけの題名とは意味合いも重みが全然違う。コンビニと専門店。男優の精子の濃さ、量すら違ってると思うよ。同年「魔性の美乳」ってのも撮影してます』
「確かに流行った、魔性の女。葉月里緒菜!」
『極度に貧乳なのがいいんだよ。パイないのもありはありですから。そう来るか〜!?って感じでね。うまいよね。ハダカって本当面白いよなー。
で、これにてロリ系、アイドル系の要素は完全に抜け落ちちゃって、肉弾相搏つ1994年に突入!』
『電撃のシビレ!(1月、セシル)』
「沈黙シリーズみたい。よくわからんが、カッコイイことになりました(笑)」
『デカパイクィーン そしてエロスは続く(2月、クリスタル映像)』
「で、やっぱ出演しちゃったよ、クリスタル映像(笑)」
『きみは村西とおるの小宇宙(コスモ)を感じたことがあるか?・・・ご存知1984年創業、裏本業界からの転向組ビデオメーカーさんなわけですが、泥臭くてあんまし抜けないイメージだニャー。Dさんはどうですか?』
「知らねーよ!でもある意味、クリスタルなら上がりでしょ」
『当然の成り行き。出ちゃったら最後、ジ・エンド。でもこれは結構売れたんでしょーね。“デカパイクイーン2 胸がいちばん愛おしい (3月)”“デカパイクイーン3 たわわな乳房は蜜の味(5月)”と連続リリース!ほぼ月刊デカパイクイーン状態となっております』
「僕は良識あるいちブロガーとしてイマイチですけど、キミ、好きでしょデカパイ?」
『うん。胸はあってしかるべきです(断言)。
・・・そして、シリーズはさらなる進化を遂げる!』
『デカパイボンバー(6月、クリスタル映像)』
『デカパイボンバー2 美乳をきつく抱きしめたい(7月、クリスタル映像)』
『デカパイボンバー3 君の素肌に溺れたい(10月、クリスタル映像)』
『デカパイボンバー4 お乳がアチチ(95年2月、クリスタル映像)』
「あの、こうもデカパイ、デカパイと連呼されるとさすがに嫌気がさしてくるでしょ?」
『いや、全然。おかわりちょうだい。しかし、お乳がアチチ!最悪ですなー(笑)
シリーズは最終作“ラストデカパイボンバー(3月、クリスタル映像)”で一応打ち止めとなるのだがるのだが、並行して第二のライフワークとも云うべき「デザイアー」シリーズを出している。
『デザイアー 美里真理 オッパイでいかせて(94年11月、クイーン)』
『デザイアー2 危険なボイン(12月、クイーン)』
『デザイアー3 濡れたチクビに御用心(95年1月、クイーン)』
謂わば、小林旭における“マイトガイ”と“渡り鳥”シリーズの関係みたいなもんだね。三部作だけど。内容は十年一日、ピサの斜塔を大工が建て直すみたいなもんです』
「たとえの意味がイマイチわからんが、とにかくチチ!悟空の嫁方面で売っていこうという果敢な冒険精神は感じる」
『“そうさ、いまこそアドベンチャー!”ってね』
「しかし、前半のアイドル時代とのギャップ凄いですね。しかもこれって特殊な事例ってワケでもないですよね?』
『清純派からハード系へ。その落差、強烈なギャップが客のエロごころをそそる。最初はそれにてビデオ屋の回転率をぐいぐい上げてくんだけど。でも、“清純”なんて虚像がいつまでも通用する訳がない。そもそもその虚像自体が、メディアへの短期集中型売り込み戦略、一方通行イメージトレーニング(=刷り込みと誤読)によって出来上がってるんだしね。自己申告なんだよ』
「あぁ、S.O.D.の有名人戦略と同じ。そもそも、そんな有名タレント、知らねぇし〜(笑)」
『YoutubeやらSNSの普及により、いまや誰でもスターで、誰もが有名人なんだろ?歴史上こんなふざけた時代は前代未聞だと思うが、まぁいいや。文句を言っても仕方ない。この超適当ブログだって、同じ流れの延長線にあるんだ。
話が逸れたが、バブル期のAV女優は続けてくと、必ず工場大量産の時代にイキつく。決め手は発売本数。短期間に何本の本数をこなせるか。話題性としてホットな間に何本撮れて、発売できるか。これで勝負は決まるんだよ。
この時代、女優さんにとっては、毎日が本土決戦だったんだよ!』
「そりゃ、全員玉砕しますね(笑)」
『この写真集、当時のAVのパケ写も載っまして、じゃコレもかの山岸伸先生の撮影だったのかー、あ、コレも?って地味に感慨深い。先生も最近のお仕事じゃ、「北海道遺産 ばんえい競馬」だの、宝塚スターの写真だの、文化人仕事がやたら目に付きますが、基本はアイドルと水着でブイブイいわしてたお方ですから。
そういう意味でご健在で頑張ってください!』
「どういう意味だよ!」
撮影:山岸伸。
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