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2014年11月16日 (日)

『初音ミクsingsハルメンズ』 ('10、ビクター・エンタテインメント株式会社)

 「会田我路って本気で少女が好きなんだなぁ~」と、変わらぬ熱意の総量に慄然とする今日この頃であるが、いや無駄口はいい。今回はボカロP(※Pはペニスの意)のお話である。私の周辺にもPと化した人物がいるぐらいなので、国民全体に占めるP人口は昨今相当に高いと思われる。まったく無駄なことをする。

 コンピューター・ミュージックに対する批判というのは大昔からあって、要は生理的に不快だ、せっせと打ち込む暇があったら楽器練習しろ、といったような本質的に言いがかりに近い悠長なレベルのものなのだが、人声を模したクリプトン社のソフト「初音ミク」に対する言い知れぬ不愉快感はこれとちょっと違う。

 キャラクターデザインが嫌だ、だいたい髪型が変だ、コンセプトがいちいちむかつく、といった原初的レベルではなく、どうもデジタルが人間を模倣するときに生じる根本的な“違ってる感”に原因があるような気がする。(そういう意味では不自然な楽曲ばかりが並ぶハルメンズを歌わせるというのはアイディア勝ちだ。)
 事情がややこしいのは、わざと人間の声を機械っぽく加工するソフトまで一般に普及していることであって、音楽業界におけるメカ声はZAPの昔からまったく珍しくないとはいえ、ここまでメカだらけだとなると、甲児くんも乗るメカに困る事態に。しかし、コンピューターが歌っちゃまずいっていうんだったら、ゲーム業界はどうするんだ。ニセギターニセ太鼓の立場は?あれはFFⅥだったと思うが、主人公がオペラ風の曲を歌って進む展開があったぞ。8ビットや16ビットの時代に比べれば初ミクって進化しましたなぁー、確かに。

 ドラクエは現実に冒険していないからダメだ、という批判が成り立たないのと同様に、本当に歌っていないからダメだと初ミクを貶めることは決してできない。
 できないが、でもなんかムーブメント自体が異様にむかつく気がするのは、私の知り合いも同じくで、音楽業界的に負け犬の人間に対して甘い一発逆転のドリームを囁く蠱惑を秘めているからじゃないのか。売女め。
 お前ら、親切心から言っとくぞ。そこに夢はねぇ。

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