ヨウコ・ヌオラ『カウガール・ナニの冒険』 ('14、峠の地蔵出版)
いま本当にエロいマンガはどこにあるのか。
われわれは真剣に議論を突き詰めなくてはならない。口角に泡を飛ばし机を叩き相手の人格を全面否定してでも勝利を掴み取るべき時だ。
「たとえば・・・」
きみは不敵な笑みを漏らしながらワイングラスを片手に宣言する。
「それは、スウェーデンのジャングルにある!」
北欧か、確かにそれは気づかなかった。見落としていた。性の開放地帯。永遠に続く白夜とオーロラ。代償ナシのフリーセックス。金曜スペシャル。喪われたリビドーが咆哮する。自由をわれらに。国境線を飛び越えてカメラもそこに行ってみようじゃないか。
丘の上に、髭もじゃの大男が酒樽に跨り米国の雑誌を読んでいる。干し葡萄を掴み取り貪り、ジョッキでビールをがぶ飲みしながらTVを流しっ放しでポテトチップスを喰っている。
男は言う。
「かつて日本の裏ビデオは局部のアップ描写だけを延々と繰り返す退屈なシロモノだった。
抜き差しされる怒張した逸物と、陰唇のはみ出したまんこのコンビネーションは確かにショッキング。だが、慣れてしまえばどうってことはない。そこに神は宿らない。ビヨン・ボルグはいねえのさ!HA-HA-HA-HA!!!」
ことさらに北欧出身を強調しながら、
「
(つづく)
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