東史郎・小川保雄『悪少女②』 ('79、日本文芸社ゴラクコミックス)
「悪い。
悪すぎるぜ、悪(ワル)少女!!!」
ホラ、悪い。」
「確かに。」
古本屋のカウンターに肘を突いて、怪奇探偵スズキくんは溜め息をついた。
ガラス戸の向こうは春先の穏やかな日差しが落ちている。先週まで咲き誇っていた桜は根こそぎ風に攫われて葉桜となり、淡い緑の影を残すのみとなってしまった。空気は乾いて日陰はまだ肌寒い。それでも宴会し足りない集団が一升瓶を持ち込み公園に集う、浮かれた季節、町は気ぜわしげに行きかう者達の活気で満ちている。
「絶対に笑かしに入ってますね、コレ。そもそも全然少女じゃねぇし。しかしボクは決して甘くないですよ!」
「ところがどっこい。すっとこどっこい」
今回のおやじは珍しく自信に溢れているようだ。「予想以上に楽しい物件だったんだよ、これが。テレンス・マリック『地獄への逃避行』とかさ、ま『丑三つの村』とか、殺しまくり実録モノに見識を持つ人にお勧めです。」
「間口狭すぎ。いますか、そんな人?」
「意外と大勢いるんだよ!
まして殺人鬼の設定は、高校生で年齢は18歳。ギリでアウト。『タクシードライバー』『プリティベイビー』に連なる未成年売春モノとして観ることだって可能だし、情夫がダメヤクザなことからくる覚醒剤ダメぜったいジャンルへの言及もある。要は、負の因子の集大成。これが面白くならないワケがない!」
「・・・あんた、そんなもんばかり観過ぎて露骨に人生棒に振ってますな~。
では、怖いもの見たさに野次馬根性でゴー!」
「ゴー!!!」
【あらすじ】
地元ヤクザにレイプされ情婦として連日売春を強制される、もと清純派女子高生・風見火子(ひのこ)。名前が劇画チックに軽くやばいですが、乙女薄幸、愛したヤクザは交通事故であっさり死亡。疼くまんこを抱えて場末のアパート(和室6畳)に引きこもりの自堕落な生活を送っております。
(と、ここまでが前巻までのあらすじ)
今日も今日とて窓枠に凭れ物憂げにタバコをふかす火子のもとへ、死んだヤクザの舎弟分・室伏がフラリと訪ねてくる。
また売春家業に戻らないかと、かき口説きに来たのだ。
「どうだい、あんたさえよけりゃ、組の世話になってみちゃあ?
第一、身体がこんだけ火照っちゃ一人や二人の男じゃ我慢できねぇと思うがな!」
背後から薄いブラウスの胸元に手を突っ込み、まだ未成熟な固い乳房を揉みしだく世界の室伏。さすがハンマーで鍛えた鋼鉄の筋肉は本物。
無抵抗となり、カタナ傷のある幅広い背中に指先を這わせる火子。
「あんた、この傷は・・・?」
「出入りで、と言いてぇところだが実は違う。昔しつこい女がいてな、ザックリ斬られた。ソッコー逃げ出したんで、なんとか無事でした。」
なんか残念な感じ。前の情人(イロ)より格下感は否めない。ファーストクラスからエコノミーへ。だが操るには好都合。素早く脳内ソロバン弾いた火子、
「なる!アンタの情婦(イロ)になるわ!!!」
「おぉ、こりゃたまんねぇ。高校生にしちゃ熟れてやがんなー!!」
献身的な愛人志願に感極まった室伏、ドクドクと内部で射精。世界記録をメーター越え。
ほくそ笑む火子は、この運命的な日から残念ヤクザのマインドコントロールを開始する。標的は全世界の破滅。あたしを残念な運命に落とし込んだ世間に、考え付く限り最大級の嫌がらせを続々仕掛け、いっぱい殺して殺して殺して復讐してやるのだ。行き着く先はどうせ破滅だから、中出しされたってまったく平気。ノー・フューチャーってホント無敵。ジョニー・ロットンさんありがとう。
股間から白濁液をダラダラ溢しながら高笑いする女子高生に、胡乱な視線を向けながら、それでもジゴロを気取りたいハンマー投げ選手、
「おぅ、じゃ気晴らしにドライブでも行くべぇ~」
と、あくまで知能は低かった。
黒塗りのカローラで出かけた先で、高校時代(※現在、自主退学決行中)の友人である三年B組角田友子を見掛けた火子は、甘言を弄し車中へ誘い込む。室伏に命じ人気のない河川敷にこっそり停車させるやレイプ。先刻中出ししたばかりだというのに、さすが下賎なスポーツ選手、体力が違う。
「あ!イヤ!イヤ!助けてー」
救いの手を求めジタバタ足掻く友子を足蹴にすると、諸葛孔明張りの冷徹な計算で今後の方策を定める。前情人のコネクションがある東北の鄙びた温泉旅館街までハイウェイをかっ飛ばし、地元のゴロツキどもに泣き叫ぶ級友を売り飛ばす。軽く人身売買。血も涙もない処置とはこのことだ。
「おいおい、あの女、半年もしないうちにヤクとおマンコの両責めでボロボロになっちまうぜ・・・」
帰路、ニヒルにタバコ咥えて呟く室伏に、火子、自らの経験則を踏まえた名台詞で返す。
「女はしぶといものよ。
どんな風に生きたって、生きることだけは忘れないわ!」
根性面で彼女に遥かに劣る三一ヤクザは、黙ってハンドルを握るしかなかった。
その後二名は一攫千金に味をしめ、再び火子の女性クラスメイト3名を一気に拉致。廃工場を舞台に華麗なる性の狂宴を繰り広げるも、その後が作戦的に杜撰すぎ。東北への長いロードの途中で尿意を催したとセーラー服からズロース降ろし集団連れションの最中に(室伏曰く「最高の眺めだぜ」)、ちょっとの油断で大脱走されそうになる。
ここ一番意を決した火子、
「拳銃貸して、室伏!」
怯えるヤクザの腕からもぎ取ったリボルバーで、卑怯にも背後からズキュン、ズキュンと劇画撃ち。これは酷い。
二名はたちまち仰け反り仕留めるも、撃ち損ねた一名が対向車線のクルマを止めようと必死に両手を大きく振るのを目にするや、
「当てて!迷わず当てるのよ!」
と、ドライバーへ即時轢き逃げを指示。
思わずビビった室伏がアクセルを踏み損ねると、最大限の罵りが飛んだ。
「ヘタレ!!!人間のクズ!!!山崎邦正!!!」
生き残った運のいい少女は親切なドライバーに辛うじて救われ、悪辣な殺人カップルは尻に帆を掛けひたすら逃亡する他なかったのだった。
ホテル・アンダルシア。
闇夜に輝くネオンサインは淫靡なピンク色。18世紀無敵艦隊の威容を偲ばせる。
この、どう見ても悪の巣窟にしか見えない大人の隠れ家で、小悪党二名は熱い素肌を絡ませていた。はふぃはふはふ。噛んだり吸ったり舐めたり、忙しい。
室伏は、スポーツ選手にあるまじき血管注射をキめて白目を剥いてテンパっている。
「ぐげげ、ロッシュの限界が見えるようだぜ~!うっくっ、こりゃたまらんぜぇぇぇ~~~」
熱い肉棒を受け入れる火子は冷めた態度で、クールに天井を見つめながら、
「・・・殺しとけばよかった。
やっぱ、あのとき、完全に息の根を止めておけばよかった・・・」
なにやら物騒なことを口走っている。
それが逃した標的のクラスメイトのことなのか、覆い被さり間抜けに腰を使い続ける男のことなのか。知らず室伏は薬物的に過度の怒張を果たした逸物を抜き取り、二三度手早くしごきまくると、ドプドプと女子高生の腹の上に射精してしまった。三回目。この男、隙あらば精子ばかりをそこらに撒き散らしている。
警察では生き延びた少女の事情聴取が続いていた。
「えーーー?!
マジ、ムカつく。マジ。ムカつく。
ゲロきもち悪い。」
取調官はアタマを抱えていた。
「だってキミ、それだけしか言わないんだものなァ~!もっと犯人の手掛かりになりそうなこと、喋ってくんないと、本官、逮捕しちゃうぞォ~~~」
少女はなおも白痴のように繰り返した。
「マジ、ムカつく。マジ。ムカつく。」
---闇の中。
「・・・とにかくお金が要るわね。
それにもっと銃が欲しいわ。」
火子は男の胸に指を這わせながら呟いた。傍らに横たわっていた室伏の身体がビクリと震える。薄暗い室内には饐えた甘い香りが漂っている。
「おい、一体なにをやらかす気だよ?」
女は鋭い視線を向け、
「室伏、そろそろ腹を括ったほうがいいんじゃない?
さっき逃したコ、今ごろ警察に駆け込んでるわよ。私達の顔写真が新聞に載るのも時間の問題。いまさらガタガタ言ったってしょうがないんじゃない。」
「・・・おまえ・・・」
「もう私達はおしまいよ。誘拐、暴行、監禁、人身売買、売春、そのうえ傷害に殺人とくれば死刑とまでいかないかも知れないけど、終身刑は免れないでしょ。」
室伏、あらためて事態の重大さに慄いた。
確かに。
「おい・・・じゃ、これからどうするんだ・・・?」
「あんた、本当に銀バッチつけてるヤクザの幹部なの?」
火子は鼻で笑って、
「逃げるのよ。決まってるじゃない。それともあんた、刑務所入りたい?」
黙りこむ室伏。
その目前で違法物質の溶液を収めた細い注射器を摑み上げ、向き直った火子、大声で叫んだ。
「さぁ、飛ばすわよ!悪の果てまで!!!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「むむむ・・・ないでしょ、これ。酷すぎ。」
ここまで記事を読んできた“薬物ダメぜったい”でお馴染み怪奇探偵スズキくんは、思わず突っ込みを入れる。
「ちょっと急速に堕ちすぎですよ。読んでないけど、第一巻では100%生娘だったに違いない女子高生がヤクザ幹部相手にに殺人教唆とか、東北にクラスメイトを売り飛ばすとか、現実にそこまでいきますか、わずか数十ページで?!」
「貞操観念に関するハードルが現代と比べ物にならないほど高いんだよ。ヤクザに何発もやられた娘は自暴自棄になり、なんでもしでかすってことなんだろ。」
おやじは投げ遣りに説明する。
「・・・にしても、狂って血に飢えとるよな~~~、劇画は。」
「飢え過ぎ。
逃走資金が必要、もっと銃が必要って完璧にテロリストの発想じゃないすか。 」
「さすがだ、スズキくん。いいところに気がついたね。
この時点で、このマンガは思春期売春モノの仮面をかなぐり捨て、虐殺カップル逃亡モノと化すのだ!
したがって、本番はこれからだ!!!」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
峠のドライブイン。遅い朝食をとっていたふたりは、流れるニュース番組の画面に思わず釘付けに。
『・・・東北自動車道、××SA付近で発生した銃撃事件で被害者の一名は依然重態、一名は駆けつけた救急車内での死亡が確認されました。
唯一通りがかった乗用車に救助され無事だった女生徒の証言から、犯行にはクラスメイトの18歳A子が重大な関与をしているものと判明。警察では逃げた車の持ち主、神奈川県に住む暴力団構成員・室伏狂市(36)と共に、その行方を追っています・・・』
流れる二名の拡大顔写真。
「ゲッ、人権無視かよ!」
「ひどい!日本の警察報道にモラルはないの!」
マスコミの圧倒的な暴力を目の当たりにして勝手に憤るふたりだったが、一緒にそのテレビを観ていたおばちゃん、カウンター向こうに凶悪犯罪者が並んで飯を喰っているのに今更ながら気づいたから堪らない。ヒィッと竦み上がり床に尻餅をついちゃった。
「あっ・・・!あっ・・・!」
慌てる室伏を尻目に、冷静に拳銃を構えた火子、
「とっとと金を出せ。ババァ。」
レジから奪った札束二三十枚をかかえて駐車場を走りながら、
「ふっはっ、おまえ、すげぇな!全然度胸あんじゃんよ!」
室伏は完全に呑まれて、中学生みたいなコメントしか出てこない。
「あんた、呑気すぎ。
もう顔(メン)も割れちゃってるし、そこらに非常線張られまくってて、捕まるのも時間の問題。」
急速発進したカローラは山を降り出した。
「どこへ・・・?!」
ハンドルを握る室伏は最早火子の言うがままだ。
「前にも既に言いましたが、頭の悪い室伏クンのために先生がもう一度だけ説明しましょう。こんなチャチな拳銃、」
くるくると指先でリボルバーを廻す火子。
「なんかじゃない、もっと強力な火器が必要です。一発で人間の頭なんか吹っ飛ばせるやつ。なまじ目撃者なんかつくるからマズイのよ。消してしまえば問題ありません。
それから、高飛びするには資金が必要。金さえあれば飛ばない飛行機はありません。
ボギーもカサブランカから脱出したじゃないの。あの故事に見習って、あたし達も明日への逃亡を図るべきなのよ!
どんな虫ケラだって生きる権利は正々堂々と主張していいんだわ!それがあたし発、世界へ贈るメッセージ。
ドゥ・ユー・アンダースタン’、ミスターオオヒラ?!
ドゥ・ユー・アンダースタン’?!」
気勢を呑まれた室伏、小声で「はい。」とだけ言った、
その後、農協を襲撃したふたりは、遂に巨額の札束の山を手にする。農協には世界の富の50分の32が集まると謂われている。フォートノックスより堅牢な農業信用金庫の特殊合金製の鉄扉を破壊し、重たい金塊を次々と運び出そうと企てるも室伏、持病の腰痛で敢え無く断念。札束をボストンバックいっぱい詰め込み往復リレーで手を打った。
ルパン・カーの如く札ビラで膨れ上がった黒カローラを飛ばし、次に二名が向かった先はどこの市内にも一軒や二軒はある銃砲店。銃器屋のあるじは“鉄砲おやじ”として地元小学生から畏れられている。全身をガンベルトで隈なく固め、アクセサリーには空の薬莢、3時のおやつにガンパウダーを生で貪り食うという、とてつもない狂人だ。
そんなおやじを手刀であっさり片付けると、壁に掛かったライオンの首(サファリの成果)には目も呉れず、アサルトライフル・マシンガン・ウージー軽機関銃をがんがん掴み取る。
「バカね、室伏!弾丸がなくちゃ幾ら銃があったって同じよ!」
堅実派の火子は、ガラスケースをこじ開け、銃弾の詰まった重たい箱を続々放り投げる。
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
「ちょっと待った。」
ガバと伏せていた顔を上げ、スズキくんが食いついた。
「なんで昨日まで処女だった女子高生が銃火器の取り扱いにやけに詳しいんですか?まさかサバゲーかましてた、ってんじゃないでしょうね?」
「細かいことはいいんだよ!」
おやじは机を叩きまくりながら叫ぶ。
「父親が自衛隊の殺人教官だったりでもいいし、兵器会社の社長の娘かも知れん。あるいは若くして秘密組織に誘拐され四十八種の殺人技と性技を叩き込まれた設定だってありうる。エンターティメントなんてデタラメかましてなんぼだろーが!」
「・・・あんた、かましすぎですけどね。」
「ウサギにツノと書いて兎に角、こっから飛ばすぜ、悪のハイウェイ!嬉しい限りだ!」
「記事の進行ももう少し早いとありがたいんですが。季節もG.W.を過ぎましたよ。」
※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※
大量の銃器を手に入れた二名は、行きがけの駄賃とばかり店の床に灯油を撒いて火を点ける(余罪に放火が追加)。マッチ一本走る火線は積み上げられた弾薬にやがて導かれ、周囲を揺るがす大音響と共に猛烈に爆発。ガラスの破片を夜空にとび散らせ建物が根こそぎ吹っ飛ぶ頃には、犯人を乗せた乗用車は町を抜けるルートを加速している。
背後に上がる真っ赤な火の手をサイドミラー越しに眺めながら、少女は乾いた笑いを漏らす。
「火子だけに、真っ赤な火の玉。アハハハ!!!」
さすがに呆れる室伏だったが、最早このキチガイ女に全面的に頼る以外、進路を定めることができない。完全に依存症体質が全開だ。
夜道をひた走り、追っ手の来ないところまで。幹線道は避けて適当な山へ逃げ込んだ。
「このクルマは既にマークされてると見て間違いなし。」
火子は冷静に言う。
「そりゃ、そうだろ。」
「ということは、逆に安全ってことだわ!このまま行くわよ!」
拍子抜けした室伏、
「・・・そうなのか?」
「根拠がない自信でもなけりゃ逃亡者なんかやってられないわよ。さぁ、このあたりは人も来ないし、射撃訓練でもして夜明かしよ。一定時間経過すればいつまでも非常線封鎖なんてやってられないわ。」
「・・・やけに詳しいんだな・・・」
そのまま二名は奪った武器の検品と試し撃ちに時間を費やし、くたびれると媾って山中に潜伏を続けた。主な食料品としてはカロリーメイト※註などである。
※註・大塚製薬から発売されている栄養調整食品群の商品名。不運にも火子のハンドバックに常備されていた。
再び日も暮れて、そろそろ安全も確保されたと勝手に判断した二名は薄暗い農道に慎重にクルマを出し、適当な番号の割り振られている県道をどこかに向かって走り出した。
背後で鎌のような月が口を開けて笑っている。
「あはは、はは、ごらん。月も笑ってらァ~。はは、愉快ね。最高よ。いい夜になりそうだわ~。
ね、どこか、高いところに行きたいわ、室伏!」
「はァ・・・?」
この女の気まぐれに振り回されるのに、いい加減うんざりしている室伏、胡乱な声を出す。
「ビルもツリーもここにはねェぞ!」
「世界貿易センタービルも、ドバイの白い巨塔も所詮は人の手の造りしもの。どこか甘いわよ。※註2真の男らしさを求めるなら、やはり天然モノ。大いなる自然が鍛え、風雪に晒されながらも逞しく生きる、そうアレよ!」
※註2・おおきな御世話である。
都市の明かりも届かない、闇の彼方を指差す。
「山よ・・・!おぉ、大いなる山の王よ!」
さすがに室伏、ちょっと呆れて、
「おいおい、連載長過ぎてキャラ設定すっかり変わってんじゃんよ。ついてけねェよ!」
「富士山へ。富士山へクルマを飛ばしてちょうだい!」
そう叫ぶと、シートに深く身を埋め黙った。完璧なガイキチ女である。
(つづく)
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