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2013年10月 3日 (木)

「さまざまな原因が考えられる」

 電車が停まる理由はいくつもある。

 「気分の悪くなったお客様を救護しておりました。」
 「××駅のホームの非常停止ボタンが押されたため、安全確認を行っておりました。」


 順当なところである。
 これは緊急停止せざるを得ない突発事態だ。そういう思わせる説得力がある。

 ほか、「落雷のため」「強風のため」「大雨の影響で」 などはあまりに堂々たる王道であり、理解力に乏しい老人や子供でも充分附いてこられるだろう。
 運行ダイヤの乱れとの因果関係が、単純でわかりやすい。
 わかりやすいというのは、実に重要なことである。
 
 「ホームから転落したお客様を救助しておりました関係で」
 「人身事故が発生し・・・」
 「線路内立ち入りがありました影響で・・・」


 これらとて、どす黒い想像は働きはするものの、非常に明快である。要は困った客が出た、ということなのだ。

 だから、電車が運行を停止する状況とは、ある種の決まったルーティンにのっとっている。そう思って油断していたのだ。
 これまでは。

 首都圏エリアにお住まいの皆さんはご記憶だろう、昨日の夜、車内の電光掲示板で流れた情報には度肝を抜かれた。

 「【京浜東北線遅延】大宮駅で、乗務員が乗客による暴力行為を受けた影響で」

 え。
 慌てて情報をフォローすると、運転士が暴行を受け病院に搬送されたのだという。代わりの運転手が最寄り駅から到着するまでのあいだ、電車は出発できないのだった。
 暴力を振るった客は、現場で即刻逮捕。
 なんだかよくわからない状況になっているのだった。

 「戦えよ、乗務員!」
 そう思った人もいれば、「だったら勝てよ、乗務員!」と檄を飛ばした人もいたらしい。
 とにかくそういう話だ。
 しかし、乗客と乗務員がバトルする電車ってどんなんだ。ポン・ジュノ監督の新作がそういう内容らしいが。(前方車両にいくほど支配階級。バカ映画。)

 さすがに、これを越える異常事態はそうそうないだろうと思っていたら、
 本日、中央本線がシカと正面衝突して運行停止。
 

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