『盲坊主対空飛ぶギロチン』 (’77、ドラゴンフィルム)
(SKYPE経由のYさんとの会話。)
「盲坊主ってわかる?座頭市のことなんだけど。」
『・・・ひでぇね。』
「座頭市のくせに、中国人って設定なんだよ。5年前に日本の海賊に攫われて行方不明になった男。そいつが故郷の鳳凰村に帰ってくると、すっかり盲の按摩姿になってるの。変わり過ぎ。
そんな変人が兄の仇やら義理の姉やらと擦った揉んだの末、空飛ぶギロチンと対決するんだ。』
『あんた、その映画の存在、どこで知ったわけ?』
「ドラゴン系の雑誌やムックに情報だけは載ってたんですよ。でも、確かに、現物が国内発売されるとは予想してなかったなぁー。遭遇したらもう観るしかない。そういうことになるじゃないですか。」
『ふーーーん。で、結局面白かったんだ?』
「微妙。
画質も音声も最悪だし。そもそも、市のコスプレして無理やり白目剥こうとしてる(でも結構黒目がちな)男、そもそも勝新太郎じゃないですし。」
『・・・へ?!』
「日本のそっくりさんが主演。クレジット表記は“勝新太郎(そっくりショー)”。」
『えっ?ソレってありなの?』
「中国のディズニーランド方式ですよ。昔、台湾版のドラえもん単行本とか見たことない?手描きで模写が酷くて、オリジナルと化しているという。」
『フツウ知らねぇよね、そういうの。普通に生きてるとね。』
「あ、そう。
話は30分のTV番組レベルだし、でもアクションシーンは割りとちゃんと演出してるし。飽きずに観終えることができました。ジャンル映画の残り滓の底力を感じる。お馴染み、空飛ぶギロチンもちゃんと出てきて活躍するし。鳩を落としたりとか。」
『空飛ぶギロチン、お馴染みじゃないよね。明らかに。』
「そう?
赤い中国帽の内側に刃物がザクザク仕込んであるキテレツ兵器なんだけど。投げつけて、スポッと相手に被せて、首を捥ぐっていう。内気な鎖鎌みたいなもんですよ。」
『見たことないね。
俺は武侠派の出身だけど、そんな武器使うやつ、まず見たことない。』
「でも、一番びっくりしたのは、このDVD、売れ残りが中古屋に流出してきたのを拾ったんだけど、シュリンクかかってて未開封だったの。
開けたら、ケースの内側に真樹日佐夫先生の小型ブロマイドが二枚も混入してあったんだよねー。思わずびびった。」
『Oh、マキ!!×クザ!!』
「普通なら絶対出せない筈のこういう映画のDVDがポロッと出てくるところに、未だ衰えを知らない、マキ先生の底知れぬ黒いフォースをビシビシ感じるよねー。
素晴らしい。」
(こういう会話が明け方5時まで続くのであった。以下略。)
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