『グラインドハウス予告編集Vol.1』 ('13、HIGH BURN VIDEO)
世の中には知らなくていい映画というのが山とあるのであって、例えば大量に予告編を詰め込んだこのDVDを観れば、きみにもそれが伝わる筈だ。
例えば3人の赤タイツ姿のスーパーマン達がトランポリンを駆使してぴょんぴょん飛び回りながら敵を倒す、という人間の忍耐の限界を越えて愉快な映画。
笑いながらアクションする彼らのバカ丸出しの姿を実際に観て貰えれば、私の疲労感も多少お分かりいただけるのではないか。馬鹿げたトリック撮影で天井を得意げに歩いたり、にせカンフーを披露したり、敵が安いゴールドフィンガーっぽいのもがっかりポイント。見事だ。絶対観たくない。
あるいは、クリストファー・リーが「徹子の部屋」よろしく、われわれに直接語りかけてくるスペシャル映像も収録されている。なにをって、怖いことをだ。決まってるじゃないか!アホタレ!
そういう間抜けな諸君を救済するために、本ディスクは豪華日本語字幕を特別収録!!まさに画期的な仕様である。これほど訳しがいのない内容はない。
編集者の無駄に深い愛情を感じる。
あたしはかつて「SOMETHING WEIRD」が出した予告編集で、動くモール・ピープルやら世界に挑戦したカタツムリやらを実際に観て感激したことを憶えている。考えてみればあれもVHSだったのだな。
時間はいつの間にか経ってしまうってことだ。
これらは本当に心の底から碌でもないが、われわれの血肉の重要な一部だ。
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