ドリヤス工場『あやかし古書庫と少女の魅宝②』 ('13、一迅社)
あらゆる期待にすべて応えた素晴らしい第二巻である。
展開が不自然だ、話を端折りすぎ、等々批判する声はあろうかと思う。第一巻での能力者対能力者で一話完結という構成はあっさり無くなり、最大の敵は二巻の途中から登場し、そのまま大長編マンガの如き盛り上がりで最終決戦にもつれ込む。国際神秘骨董協会はむしろ味方といえる立場にシフトし、主人公を援護する。
第二巻でより色濃くなるのは、水木というより川崎ゆきおとの類似だ。コマ割りなんかそっくり。古色蒼然たるメカのディテールや、櫻画報からの明らかな引用である協会側の機動隊風キャラ、そして往年の冒険小説を思わせる王道なストーリー展開。パロディーの多用と、微妙に感じるゼロ年代風味。本家ゆきおよりエンタティメントに徹することにためらいがない。
これで文句を言うやつは人でなしだと断言する。
あっけなく終わってしまったことを不満に思うなら、確かに作者の意図は達成されたのだ。
物語の目的は、見事完結し、かつまた続いていくものだから。
※こんなに有り難味のないヒロインのヌードは近年貴重だ!
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