「ウンベル、大海の精霊と無断交信」
先日某総合病院の医師の手により鼻腔粘膜をググッと採取され、インフルエンザA型と判定された。会社の上司同僚達からは「ウツスナ!」「クルンジャネェ!」等々の暖かい励ましのお言葉を頂戴し、晴れて自宅軟禁状態となったのである。
お医者の見立てによれば、菌が死滅するまであと5日。発症が確認されたのが1月23日だったから、日曜日まではどこに出しても恥ずかしくない立派な保菌者。危険人物。人間核弾頭。いや、そんないいもんではない。だが世間の迷惑を考えるなら、極力外界をうろつかないに越したことはなかろう。勘違いして射殺されるかも知れない。ベンだって撃たれたんだし。
ということで今日が籠城3日目。自室から一歩も出ていない。
これはちょっと珍しい記録だ。たいてい食料品が尽きて、穴倉からすきっ腹で這い出していってしまうからだ。
初日まったく食欲がなかったのでカラムーチョのみ食べた。お湯とカラムーチョ。40℃近い熱があっても、カラムーチョは変わらずカラムーチョの味がするので感動的だ。お試しあれ。(応用編として、MAXコーヒーのやたらしつこい甘さが挙げられる。)
この日、実は病院の帰りにコンビニで「鮭とコーンポタージュのおにぎり」という意味不明の商品を買ってあったのだが、病んだ舌にはその斬新なコラボを受け止めるだけのパワーがなかった。鮭とポタージュは組み合わせとしてまだ理解できるが、そこになぜおにぎりが。この謎を解かないうちは死ねない気がする。
二日目には熱が下がり出し、異様に腹が減ってきた。当然のリアクションである。とりあえずご飯を炊いた。おかずはどうしようか。選択肢はあまり無かったが、その中でもとりわけ貧乏臭いものを選んだ。かつお削り節パックに醤油数滴たらし。大根おろしが欲しいところだが、手の届く範囲にはなかった。しかし、空腹とは恐ろしいもので、こんなチープすぎる組み合わせで軽くお茶碗四杯を食す。
そして三日目。完全に平熱に戻り、からめるだけのパスタソースで、パスタ100gを茹でて食べた。半分使って残っていたそのソースの袋には、「鮭と白ごまのり」と書いてあった。またも、鮭が。オレは潜在意識レベルでやつの存在を求めていたのだろうか。憎い。憎いけれど、憎みきれないあいつ。
次に買出しに出るときには、鮭の切り身を忘れずに。心のメモ帳に刻んだのだった。
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コメント
大丈夫ですか?熱が下がってみたいなので、一安心です。とにかく栄養に勤める。明日も1日安静にしてることが慣用化と......
投稿: 師匠 | 2013年1月26日 (土) 22時55分
へへ~師匠~、ありがとうございます!
今気づいたのですが、このブログ、身辺雑記は必ず不幸ネタなんですね。自慢か。
投稿: UB | 2013年1月27日 (日) 00時49分