『人類SOS!』 ('63、TRASH MOUNTAIN VIDEO)
人類は未知の何かに脅かされている。考察を深める為に映画を観るのは有効な手段である。あるいは、単なる暇潰しか。でも同じことだ。
三連休、たいした外出もせずに自宅で映画を観まくった。リストアップしてみよう。
①松井良彦『どこいくの?』
人類はゲイの危機に晒されている。育ての親の工場長(おっさん)によるセクハラ。嫌気がさして飛び出したが、バイクで撥ねた彼女がニューハーフだった。取調べの刑事までチンコをしゃぶってくれと迫る。悪循環が止まらない。死ぬしかない。
②ラルフ・バクシ『クール・ワールド』
アニメキャラとセックスしたら死刑!ラルフ爆死の危険な妄想炸裂!マンガで出してるきみ!萌え系抱き枕を持ってるきみ!爆死が殺しに行くぞ!要注意だ!
③ヴィンセント・プライス『地球最後の男』
ロケーションが最高。ミュータントの新人類が単なるビート族にしか見えないあたり、時代である。町外れのゴミ焼き場で死体をガンガン焼きまくる。火葬場はやはり家から離れているに越したことはない。
④『人類SOS!』
今回いろいろ書いているすべてのテーマが内包された超問題作!これ一本で六本分くらいのおいしさ!『SOS』といってもピンクレディーではないのだ。波止場に飛行機が墜落する。電車が停止位置で止まれずに駅舎に激突する。すべて運転手が盲だったから!なんて当然すぎる結果なんだ!院長が突然窓から落ちて死ぬシークエンスが大好き。
⑤『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』
実写じゃなくちゃいけない。呪われてなくちゃいけない。で、実話じゃなくては。なんかないか。よりリアルな実話怪談を求める観客のニーズに応えたこの映画、説明があんまり下手くそなのが却って本物っぽい、という人の盲点を突いてヒットしたのである。魔女裁判で処刑されたババア。水から青白い手が出て少女が攫われた。内臓くり抜きの猟奇死体5名。変質者による十代少年少女の大量虐殺。三名の大学生が行方不明。脈絡なさ過ぎ。載せすぎのケーキみたいだ。
⑥『28日後・・・』
やっぱりゾンビが全力で走ってはいけない。まして、ここでのゾンビの呼び名は“患者さん”である。あんな元気な病人があるものか。主人公が病院で覚醒すると、廊下に車椅子が転がっている。そこが『人類SOS!』へのオマージュになっている。さらなる続編『28年後・・・』の完成を待っているぞ。
⑦黒沢清『回路』
ひたすら泣ける映画である。やはり波止場に飛行機が墜落する。そこが『人類SOS!』へのオマージュだ。きみたちは、間違っちゃいない。
・・・さすがに疲れた。
だが、まだまだ未見のDVDは山と積まれている。いい加減同じ映画を何度も観るくせは辞めたらどうだ、と自分を叱咤してみる。そしたら全部レンタルで済むだろうに。
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