諸星大二郎『西遊妖猿伝・西域篇④』 ('12、講談社)
へい、まいど馬鹿馬鹿しい西遊記のお笑いで。
前回の話・・・?
悪い、忘れた。
だけど、問題ないよ。大唐篇の真ん中辺りでも、こういうことはよくあった。気がつくと、玄武門の変が平定されてたりしてねー。
ともかく、西へ向かうんだ。それさえ押さえてりゃいい。
今回の敵は、サソリ女です。
仮面ライダー1号かってくらい、ベタなネーミングですが、これってアレでしょ。C.G.やらワイヤーやらで戦う、昨今のハリウッド女闘美アクションに対する諸星先生流の回答でしょ。
『チャーリーズ・エンジェル』でも『バイオハザード』でもなんでもいいよ。
とにかく、アクションをやりたいんだ。もはや『アクション』連載じゃないけど。
・・・ってことでしょ?
サソリ女の攻撃はとにかく下品。基本、軟体。人間の関節の構造を極力無視。
足技。大開脚。大股開き。つま先の刃物で敵兵を斬り倒す。
結果、アングルがケツ舐めで股間背後突き出しポーズを捉えたりとか、とても業界でも広く尊敬と支持を集める巨匠の作品とは思えない。えらいことになってる。
偉いです。ハッキリいって。
描きたくて、描いてる。茶目っ気。
サソリ女のコスチュームと殺し方が『殺し屋1』そのものなのも、なんか凄いです。
『西遊妖猿伝』は、本来カッチリ話を纏める能力に長けた諸星先生が、ここぞとばかりに無駄口のようなギャグを入れたり、アクション場面を無理やり投入したりのドタバタを楽しむものであります。
いつの間にか、そうなってた。
それでも、やはり『暗黒神話』最高とかおっしゃる諸君。
そのうち無支奇が再登場すれば、またそっちへ話のベクトルがいきますから、それまで黙って観てらっしゃい。
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