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2012年8月19日 (日)

ウォルフガング・ペーターゼン『アウトブレイク』 ('95、ワーナー)

 感染アクションというジャンルの重要な分水嶺。
 『アンドロメダ・・・』『クレージーズ-細菌兵器に襲われた街-』、それにあの『カサンドラクロス』。パニック映画の変種として発展した感染映画は、観ると身体が痒くなるという、大いなるハンディーキャップを乗り越えて、エイズ・エボラ禍の時代に当然の如く復活を遂げる。
 その内容は、お猿さん探し。一言で完全に要約できる。
 これは、ダスティー・ホフマンと相棒の黒人がヘリでお猿さんを探す映画だ。いわば、「サルゲッチュー」劇場版。主演のお猿さんが可愛いので、そんなに騙された気はしない。
  
 しかし、これは実は意外と影響力のある映画である。
 ダニー・ボイルは、「そうか、やばい奴は感染者って呼べば問題ないのか!いただきだぜ!」と『二十八日後・・・』を思いついたのだし、松尾スズキの傑作長編『宗教が往く』になんか、まんま、猿が媒介する病原菌で人類滅亡寸前のパニックが捲き起こる。
 『感染列島』だって何だって、似たような病気関連映画はゴマンとある。
 私見によれば、『CURE』の両腕をX字に交差させた猿ミイラだって、この映画が発信源であること間違いなし。だって顔が似てるから。ね?

 そう考えると、『キングコング』を始祖とするお猿さん映画の系譜というのも実は重要ではないかと思えてきて、いよいよ連想が止まらない事態に。
 『猿人ジョーヤング』『2001年宇宙の旅』の猿、『猿の惑星』、『猿の軍団』、『北京原人の逆襲』『北京原人WHO ARE YOU?』、宇宙猿人ゴリやらラー、そうそう大島渚『マックス・モナムール』・・・・・・
 なんかもう、すべて傑作揃い。ある意味。

 「猿の出る映画にハズレなし。」
 
・・・というアバウトなまとめで、今回勘弁してくれ。なんか、もう。

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