10CC「二度目の最後の晩餐」 ('75、Mercury)
「なに、二度目・・・?最後の晩餐じゃないじゃん!」
浅い諸君の得意げに突っ込む顔が見えるようだ。
愚かも、愚か。英語題をよく見て欲しい。“The Second Sitting of the Last Supper”、最後の晩餐二度目の着席、なのである。
過去二千年間、最後の晩餐は続いているのだ。これは、そういう恐ろしい認識に立った歌だ。
われわれはいい加減待ちくたびれた。状況を変えるには奇跡が必要だ。精霊の再度の訪れ。席を温めテーブルを用意して待っているのに、あなたはまだ現れない。
そういう重苦しいテーマを、落ち着きの悪いロックに載せて歌い飛ばしてしまうこと。
なに、不謹慎?よく考えてみろ。
ここまでの事の経緯を紐解けば、途轍もなくバカげた状況ではないか?再び最後の晩餐に参加することを希望して待ち続けているのだ。誰もが。聖書に書かれているのは間違いない。間違いないです。
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