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2012年6月19日 (火)

ナカタニD.『リバーシブルマン①』 ('11、日本文芸社)

 劇画は相変わらず元気だ。なんだろう、この変わらなさは。

 都内各所で、人体が内臓から裏返ったような死体が続々発見される。すわ猟奇事件かと警察も動き出すのだが、真相は違った。
 裏返った人間は数日で皮膚をつくり、元と同じ姿で蘇生する。但し、心は魔人。欲望のままに暴走する、本能が剥き出しになった冷酷無類の悪魔と化すのだ。
 かいつまんで云えば、ひとり魔界転生。
 現状に深い不満や恨みを募らせ、いつキレてもおかしくないギリギリの精神状態の者だけが転生できる資格を有する点も、本家に同じ。違うのは、転生する奴が歴史的に有名な人物ではなく、地味で平凡な一般人だということくらいか。そりゃそうだろ。

 この悪役に、姉の復讐に燃える女子高生恋人を嬲り殺しにされたヤクザ者などが絡むんですけどね。
 どうです、意外性に乏しいでしょ?
 でも、そこそこ楽しく読めるんですよ。手堅いですよ。駅前の立ち蕎麦が結構人気あるみたいな感じですよ。ピーク時は行列だもんね。絵柄も安定して読めます。

 そんな職人芸に無粋を承知で突っ込みますが、主役格のヤクザ者は怒りが沸点を越えると、内蔵を剥き出しにして四方八方へ飛ばし、敵のヤクザの大群を始末してしまうんですが。
 いくらなんでも、臓器は武器にならないだろ。
 ※1.腸が捲きついて首を絞める『ZOMBIO死霊のしたたり』や神田森莉の一部作品を除く。但しいずれもコミックで最悪な反則として自覚的に描かれている。
 
 襲い掛かられたら確かに気持ち悪いだろうけど。でも、所詮内臓だもんね。
 自分から弱点をさらしてどうする?

 
あと、ヒロインは体内にマシンガンやら物騒な武器を隠し持っていて、危急時はそれを取り出して活用するんですが、人体の内部構造が変化しても収納面積が増えた訳じゃないんだから、絶対それ入らねぇよ!ムリムリ!体に悪いって!
 どこかでこれに似た能力あを持ってる奴を見たことあるな、と思ったら、四次元ポケットを持ったあいつでした。ほのぼの。

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