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2012年6月24日 (日)

山上たつひこ/いがらしみきお『羊の木②』 ('12、講談社イブニングKC)

 基本、連載中の作品は読まない主義の私が、珍しく新刊で買ってしまったのがこれである。
 ①に引き続き、相変わらず面白かった。
 ここはひとつ、誰でも知ってる有名作家二人によるコラボレーションであることは忘れて貰って、まァいいからちょっと読んでみてよ。
 いがらしの絵が生理的に駄目な人(いるいる)以外は楽しめると思うよ。

 凶悪犯罪者の社会復帰プログラムを受け入れた地方都市があって、過去を抹消された新住人として重罪人達が転入してくる。もちろん秘密裏に。
 レイプ・強盗・殺人・詐欺。だいたい誰もが一度は人を殺してる。
 複数の殺人者がいる日常ってどんなものだろう。見慣れた地方都市の風景が少し違って見えて来ないか。
 もちろん、われわれは恒久的に犯罪者とその予備軍に取り囲まれて集団生活を送っている訳ではあるが、それが表面化しないからこそ辛うじて秩序が維持出来ているのである。
 あすこのダンナは昔、人を殺している。
 そんなことが解ったら、たいへんだ。
 単なるゴミ出しで擦れ違ったってだけでも、スリルに満ちた体験に成り変ってしまうだろう。
 不謹慎な言い方だが、殺人者ってスターなんだよ。全員が。だから、これは人殺し版「夜のヒットスタジオ」だ。歌いながら出てくるアタマのあれ。
 そんな嫌な番組にいつの間にか出演していることに周囲は誰も気づいていない。(事実関係を知っているのは市の有力者3名のみ。)

 お説教なんかよりも日常に持ち込まれた違和感、異物感をたいせつにしている点が好感度高め。
 この二名の組み合わせでは、当然そうなるんだけど。
 山たつのアイディアは相変わらず違和感バリバリで、すごいよなァ。

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