『カーズ』 ('06、PIXAR)
人を思いやる気持を持つというのは、とても大切なことだと思うのだが、どうだろうか。
実は『カーズ』という映画の中では、特別なことは何も起こらない。ライトニン・マックィーン(この名前最高)がレースに優勝し世界が変わったりしない。アメリカはアメリカであり続ける。ジミヘンの国歌を流すヒッピーおやじも相変わらずだし、メーターは心底くだらない男である。多少客も増えて、町が慌しくなるだろうが、まぁそれだけっちゃー、それだけだ。
それだけのことだが、登場人物達の気持は、ほんの少し変化した。彼らは登場したときよりも、ちょっとだけ解放され、楽になっているように見える。
そういうのが、実は非常に重要だ。
ジョン・ラセターは地味で堅実な作業を通じて、一見派手派手で空疎になりがちなC.G.アニメに一本ビシッと筋を通してみせてくれた。
私は昔からランディ・ニューマンが大好きなので、彼の音楽が流れてノスタルジックな場面が展開すると、滝のように鼻水が出る。今回も大量に鼻水が出てしまいました。
| 固定リンク
« ドン・ドーラー『俺だって侵略者なんだぜ!!(ギャラクシー・インベーダー)』 ('85、WHDジャパン) | トップページ | ナカタニD.『リバーシブルマン①』 ('11、日本文芸社) »
「超・神秘・映画」カテゴリの記事
- 怪獣ウラン (1956、X THE UNKNOWN、ハマー・プロ)(2022.06.19)
- 雨穴「とある一軒家で見つかった、不気味なビデオテープの真相」 2,050,876 回視聴2021/09/24(2021.10.26)
- ウィリス・H・オブライエン『黒い蠍』 ('57、ワーナー)(2018.08.12)
- リドリー・スコット『プロメテウス』 ('12、20世紀フォックス)(2014.09.15)
- 『盲坊主対空飛ぶギロチン』 (’77、ドラゴンフィルム)(2013.09.21)
コメント