『悪魔のような女』 ('55、VERA FILMS)
ヒロインの立派な透け乳首に感動した。
これは谷崎潤一郎も取り上げているくらい有名なサスペンス映画の古典で、二時間ワイド的にベタ過ぎるどんでん返しがある。正直そこは、今となっては人口に膾炙し過ぎて割りと普通に見えてしまう筈だ。
あぁ、『シャイニング』の風呂桶ババアの原点はこれか、と妙な感慨は抱くけれど、まぁ、それだけっちゃぁ、それだけのことである。その辺はシネマの好きな人限定で語り合って耄碌して死んでいけばいい。ジジイの囲炉裏話だ。
という訳で、断言する。
この映画を忘れ難くしているのは、クライマックス、ネグリジェから透けっぱなしのヒロインの乳首なのである。固そうな台形乳房も含めて。立派である。
初め目を疑いましたもん。
クライマックス、殺した筈の旦那が蘇ってきたんじゃないかと、病気で寝ているヒロインがズーッと裸同然の格好で怯え続ける。ベッドの中で。ホント、延々と恐怖に震える描写が続いて、ネグリジェを押し上げてツンと隆起する乳首。
なんだ、この映画?何を見せたいんだ。
谷崎は変態だから、どうも悪女役のシモーヌ・シニョレ(短髪、女教師、鞭が似合う系)に手酷く苛め貫かれたい不埒な妄想を抱いていた形跡があるが(実はよく知らない)、男ならここは絶対、ヴェラ・クルーゾーのスケ下着でしょう。そうでない奴は、絶対おかしい。なんか怪しい。
ま、クルーゾー警部(監督)の奥さんなんですけどね。この人。
だいたい、製作会社名がVERA FILMSって。警部、ベタ惚れやん。
しかも、扮装といい体形といい、この人なんかさー、朝岡美嶺に似てるんだよね。ヴェラが。ヴェラちゃんがね。例えが古くて申し訳ないけど、往年のAV女優さんね。エロカワ。エロカワイイいよなー。
(ちなみに、シモーヌ・シニョレは、清水ミチコに似ている。)
それにしても、しつこいようだが、こういう映画だとはまったく思わなかった。皆んな、ラストがこわいこわいって馬鹿の一つ覚えのように言うから、ホラーかサスペンスの一種かと勘違いしていたぞ。
本当に、現物にあたらないと解らないこともあるもんだ。
どんでん返しについては声高に話すのに、乳首の話をしない奴らの欺瞞。
なるほど、これはHDリマスター版も出るワケですわ。必要。充分条件。オールクリア。
偉いぞ、紀伊国屋書店。このどスケベ。
この映画は、間違いなく、乳首のお陰で歴史に残ったに違いない。そう確信させる底知れぬパワーに満ち満ちた傑作であります。
邦題もわかりやすく、『ヴェラちゃんの生下着』にするとよいと思う。
風呂桶から出てくるゾンビの死体ごっこも含め、エクスプロイテーション映画だと思って見ると、そう見えるから不思議だ。
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