『ランゴ』 ('11、パラマウント)
店頭でこの映画の設定画集を立ち読みし、即「これは絶対好きかも」と思って、観たい観たいと朝昼晩も唱えていたら、ようやく念願かなって観ることが出来た。
デザイン画の何が良かったかというと、小汚くて気持ち悪い小動物たちが可愛くデフォルメされることなく、中世の諷刺画風にカリカチュアライズされ、さらに薄汚れて気色悪く濃く描かれていたところである。
ピクサーの諸作は勿論観ているし、『Mr.インクレディブル』と『ウォーリー』は手放しに賛辞を贈るに吝かでないのだが、基本ピクサーのアニメってツルツルじゃないですか。昆虫の世界という気色悪い題材を扱った『バグズ・ライフ』ですら、そうなのである。
この点で、『ランゴ』はある程度満足のいく成果を出してくれた。
ダンゴムシの再現具合なんて、笑っちゃうぐらいリアルだし。貧乏臭いビジュアルを再現する為に莫大なハリウッド・マネーを使うってのは、かなり倒錯した贅沢趣味だ。有り難いことである。
お話は、まァなんつーか、メル・ブルックスの『ブレイジング・サドル』から『サボテン・ブラザース』まで、使い古された履古しのソックスみたいな悪臭漂うもんなんだけど、ま、いいじゃない。『モンスターVS.エイリアン』の時も思ったが、これ、絶対同じ学年に居た奴が造ってるなー。
「夜空の星を見上げるとき、俺を思い出せ」って、マッドマックスの台詞だし。
ロス・ロボスの手掛けた、モリコーネ風のいかにもな主題歌がやたら景気よくてノリノリ。当面これを歌って頑張ろう。
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