サガノヘルマー『牝奴隷の園 PURPLE BRAIN』 ('11、サン出版)
いつの間にか単行本になってた、『BLACK BRAIN』の続編。慌てて購入。
触手拘束された主人公の人妻・月村みゆき(23)を、左右から乳房責めにする(株)荒木製薬の女子社員2名、経理課A並びに人事部B。
さらに正面よりドリル回転方式の極太バイブを膣内に叩き込み、至極ご満悦な舌舐りをする、社長の現役愛人にして経理課課長・花村あずさ(29)。
以上の表紙だけ見てますと、今時の十八禁コーナーにある普通のマンガと区別がつかない仕様なのでございます。
(ちなみに裏表紙は、開脚コーマンおっぴろげで縛られた花村課長と社長。この社長、自社で開発した勃起率400%の違法薬物をセルフで投与するは、金属バット片手に登場するや否や、その場の女子を全員犯しまくるなど、いい感じに狂ってます。異常に手際のいい退場の仕方も含め、完璧です。)
という訳で、パッと見ますと“本当にコレ、『BLACK BRAIN』の続編だよな〜?”と一見躊躇する造本になっておりますので、まだお済みでない方はご注意ください。幸い、ヤンマガでリアルタイムで『BLACK BRAIN』を読んでいた連中は、全員立派にいい歳こいてる(さもなくば死んでる)筈なので、つまらぬ年齢規制に抵触する可能性はありますまい。
でも、ご安心召されよ。というか、ここは編集者の愛の力なんでしょうなー!
表紙を捲った、扉1のカラー口絵は、ジャーン、オリジナルKC版と同じデザインを露骨に施した『PURPLE BRAIN』カバー!
一同、号泣。
いいから、泣いとけ。さもないと、先生はお前を殴らにゃならん。
カバーを外した本体表紙絵は、普通に触手レイプされる主人公と花村課長なのですが、その手前を受波脳(ジュパノー)が、もとい魅香脳(ミカノー)が飛んでる!例の、目玉一個に尻尾が長いアレね。
これはキテるぞと裏返しますと、豪快な仁王立ちでE.T.サインを決める、快心の笑顔にヨダレが糸引くアガサ森田と、41世紀人の新キャラ・ハミルトン植草の姿が!
なんだかわからんが、おめでとう!そして、ありがとう!アガサ!
あんたに逢えて、こんな気持ちになるなんて、出会った当時クソ学生だった俺には、到底見当もつかなかったよ!
【あらすじ】
みんな知っての通り、この物語は一応SFでいういところの歴史改変テーマに属するものでありまして、邪悪な方向に人類の進化を誘導しようとする勢力があって、それを阻止する為に未来人と組んだ主人公が、ヌメヌメ・ドペドペの活躍を繰り広げるという。
痛快無比だが、そのアクションの方向性が100%完全に偏って人体改造方面のみを向いているお蔭で、永遠にオーバーグラウンドに浮上し損ねる。報われない人生の典型みたいな作品。
明らかに面白いのに。
新婚の人妻・月村みゆき(23)は、アメリカ転勤(ユタ州!)で旦那と離れ離れ、今夜も一発オナニーかまして寝っか!と自宅のマンションでゴロゴロしていると、「お待たせッ!」って感じで、未来人が登場。
敵の人体イメージを自由に改変できる秘密装置・魅香脳(ミカノー)を授かる。基本スペックは受波脳(ジュパノー)に同じ。たぶん。細かく比較してないけど。
邪進化とか、ホモ・デジタリアンとか、以前の敵も意味不明だったが、今回の敵は女をすべて肉奴隷にしようと企む未来の団鬼六一派。全身に生えた無数のチンコが触手と化して襲いかかって来る!
非常に困った相手だ。
だが、サガノヘルマーの作品世界において、いきなり本命の敵とバトルする!なんて都合のいい事態は発生しようもなく、まずは旦那を転勤に追いやった底意地悪い上司が、置いてけぼりの妻をレイプしようと深夜にわざわざタクシーで参上!
非常にご苦労様、かつ不自然過ぎる展開に、胸躍るね!
マンガって、やっぱりこうでなくちゃね!
案の定、哀れな上司は装着されたばかりの魅香脳(ミカノー)の実験台となり、自慢の巨根を尿道だけが辛うじて残るレベルまでガリガリに削られてしまうのでありました。
(ちなみに尾てい骨の先に装着された魅香脳(ミカノー)はケツから飛びます。前作からの読者には重要な情報です。)
翌朝。みゆきは、今時の想像力貧困なギャルなので、「これは、マジ、あたしヤバイかも〜」ってんで翌日、精神科医の診察を受けに行く。
しかし、サガノ世界に於いて、医者がまともだった験しはない。案の定この善人顔の医者も狂っていて、やばかった。
彼が精神科医になった真の理由は、性的抑圧を溜め込んで妄想で頭パンパンになっている若い女(美女限定)をフロイト理論実践の名のもとに、思う存分責め尽くしイキ狂わせてやる為だったのだ!
なんて親切な人だ!クムジャだ!リアル・クムジャさんだ!
例によって自ら開発した電動拘束椅子でみゆきを捕獲した変態医師は、この為に巨費を投じてつくった防音式の重い鉄扉をガチャリと閉めると、ごく普通の電マを片手に、執拗に股間方面をマッサージ開始!
チュバチュバ、ジュージューごく普通の舌舐めも加え、この日の為にコツコツ開発していたオリジナル・バイブを実戦配備!いよいよ辛抱耐まらなくなったみゆきは、本物の肉棒投入をちゃっかり懇願!この都合のいいノリのよさ、これぞまさにヘルマー節!
ここまで自制していた医者の逸物は、驚くべし、幼稚園児並みのサイズと強度を誇る余りなシロモノであった!
ならば、と魅香脳(ミカノー)を打ち込むみゆき、リビドー劣情域に存在する身体イメージを操作し、馬並みの巨根に仕立て上げ、一気に頂上へと駆け上る!さすが!
超技術を自分の都合のいいようにしか使わない!
これも、『BLACK BRAIN』経由の正しいお約束だ!
事が済んで、溜まりきった精液を吐き出して、ゴムホースのように床に垂れている医者の馬並みチンコを片手で拝んで、
「ゴメンね!却ってプレイ相手に困る身体にしちゃったね!」
キマった!
デタラメ過ぎて美しい領域にまで手が届く。
コレですよ!これこれ・・・!
【解説】
業界人気の決して悪くないヘルマー先生の単行本がなかなか出せないというのだから、やはり世の中は狂っておる。
マンガというものが、常に正しいお題目を唱え続けなくてはならない修身の教科書レベルのものであったなら、とっくに滅び去っていたことだろう。
逸脱とご都合主義。妄想とデタラメこそ、マンガの本質により近いことを知れ。
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