コーエン兄弟『ノーカントリー』 ('08、パラマウント)
(承前)
「あれ・・・?この記事、続きですか?」
古本好きの好青年スズキくんは、不思議そうに呟いた。
対する怪しい古本屋のおやじ、深く頷き、
「左様。前出記事『地球爆破作戦』から直接繋がっておる。まァ、たいして熱く語る必要のない映画が連続しておるのでな。そういうことになっておる。」
「中継ぎ投手にでもなった気分。ちょっといいかも。」
「ときに映画に無知なきみ、コーエン兄弟は知っとるかね?」
「公園兄弟。永井豪ですか?ちばてつやでしたっけ?」
「みつはしちかこの『マーガレット』連載じゃ。公園に産み捨てられた兄と弟が周囲の無理解と偏見に苦しめられながら、立派に成長していく姿を描く。
“なぁお前、公園に住んだっていいじゃないか。”
“住めば、地獄さ!”
“違うよ・・・この街が地獄なんだ”
“都条例って一体なんだよ?”
“公園に生まれ、公園に死す。俺たちに他にどこへ行けってんだよ・・・?”
等々、やたら熱い台詞が満載!
人類に残された最後の開拓地・公園を舞台に、人の生と死、愛、ロマンを語る前代未聞の大河公共施設叙情詩!最終的に、未来の人類は公園で進化する!色々な意味で問題ありまくりの展開に、P.T.A.から抗議殺到で連載休止に・・・」
「軽いボケでそれだけ大嘘並べられりゃ立派です。見事に真実が一行も書いてない。」
「ところで、コーエン兄弟の映画だがな、髪型の変な殺し屋が大活躍する話だと聞いたんで、期待して観たんだよ。」
「どうでした?」
「たいして変な髪型じゃなかったよ。中年まで生き延びたブライアン・ジョーンズみたいな奴だったよ。コインの裏表で生死を決めるのは、トゥーフェイスが既にやってるしな!
まぁ、退屈はしないけど、無理やり普通の映画に収めた感じ。もう少し、頑張って欲しい。この話、実は黒沢清『地獄の警備員』と同じ話だし。」
「でも、アカデミー4冠ですよ?」
「アカデミー会員が推す映画なんて、みんな普通の映画に決まってるじゃないか。普通の映画か、『トランスフォーマー/リベンジ』しかないから、偏った評価が下るんだよ。
髪型の変な殺し屋がトランスフォーマーに変形したら、もう10点はプラス出来たね!」
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