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2012年1月21日 (土)

序文、「エロイ族の襲撃」

 そう、それでも事情を知っている人は問うかもしれない。
 襲撃してくるのは、モーロックであり、エロイ族ではないのではないか、と。
 甘い。甘すぎる。
 ときに、エロイ族は人を襲って喰うことだってあるのだ。

 私は奴らに喰われた経験のある人間だ。その凶悪さ、獰猛さはよく理解しているつもりだ。エロイ族に拉致され、不可知の森の深奥へと連れ去られ遂には行方知れずになった者すらいる。
 彼の自室には二段ベッドの上段まで、無数の市販アダルトビデオ(そういう時代でした)がうず高く積まれ、思わず「全部観てんのか、これ?」と来訪者を呆れさせるレイアウトが施されていた。
 かくもエロスは、おそろしい。
 鵺の啼く夜より、こわいぐらいだ。

 いまこそ、われわれは防備を固め反撃の狼煙をあげるべき刻ではないのか。国が、自治体が進める生ぬるい規制の嵐を飛び越えた抜本的対策を講じる必要があるのではないのだろうか。インターネットが情報を蔓延し、親達がケチなソフトウェアをインストールする以外、子供たちを溢れ返る不適正画像の猛攻から守ることが出来ない現在の状況っておかしくないか。
 狂信的クリスチャンのように、業火に焼かれてみないか?

 われわれの未来を守るのは、われわれ自身である。
 そんなことは、サラ・コナーに言われるまでもなく、解りきっている。

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