ジョディー・フォスター『フライトプラン』 ('05、ブエナビスタ)
※注意!この映画はネタ振りとオチのみで構成されています!
従って、以下の記事を読むと自動的にオチがわかってしまいます!
「だから、なんだ?」ありがとう!
ジョディーさんによる、ジョディーさん映画。
なにしろ、犯人の動機が「ジョディーさん(年増)の困った顔をもっといっぱい見たい!」だったりするのだから。
【あらすじ】
ベルリンに住むアメリカ人、ジョディーさん一家は6歳の娘を持つ幸せ家族。ところがある日、夫が家の三階の屋上から原因不明の転落死。ジョディーさんは泣く泣く幼い娘を連れ、夫の遺体をニューヨークまで搬送する任務に就くことに。
ところが、飛び立った飛行機内でジョディーさんがうたた寝してる間に、娘が消えた!
脱出不可能な密閉空間で、どうやって?渋る機長を説得し、必死の捜索を続けるもさっぱり手掛かりがない。
おまけに、いつの間にか乗客名簿から娘の名前が消えていることが判明!
目撃者もいないし、娘の荷物もそっくり消えてる!
ベルリンに無線で照会してみると、娘は夫と一緒に無理心中ということになっていた!そんな馬鹿な!娘の遺体は、貨物室に、夫と並んで安置されてるというのか?
実は飛行機の構造にめっちゃ詳しい(エンジニア)ジョディーさんは、機内全員を敵に回し、孤独かつ超絶に地味な闘いを開始するのであった。
手始めに、頭上備え付けの酸素マスクを全部落としてやるぜ!機内上映の映画は、即刻、中止だ・・・!
【解説】
ミステリーのためのミステリー、解決不可能な謎を合理性のためではなく、まさに謎解きのためだけに提出すること。
この映画の発端は、ヒッチコック『バルカン超特急』そのものだ。場所と人物が違うだけ。脱出不可能な空間から人がひとり消失し、誰もその人物を見た者がいない。
しかし、その解決は、驚くほどの不自然さと辻褄あわせに満ちている。
犯人は、実は500万ドルをせしめようと画策し、まずジョディーさんの夫を事故に見せかけて殺害。遺体を運ぶ棺に爆薬一式を隠して機内に持ち込む。(遺体安置所に仲間が一名居る。)
次に、娘を誘拐。薬を嗅がせて貨物室の隅に閉じ込める。コンピュータの乗客名簿から娘の搭乗履歴を削除する(客室乗務員に仲間が一名。)
ジョディーさんの扱いに困惑する機長に耳打ちし、「実は、彼女はハイジャッカー。500万ドルを要求してますよ!」
断ると仕掛けた爆弾で機体を爆破する、と言ってると告げる。
なんだ、この穴だらけの計画・・・?!
最大の疑問点は、犯人側にはこんな面倒なことをする必然性がまったくないことである。
爆薬を機内に持ち込むために棺を利用したいのなら、他にそういう該当者を捜したら?わざわざ殺人罪まで犯す必要はまったくない。それこそ、遺体安置所に仲間が居るってんだからさ。(ちなみに、こいつは映画中顔すら出しません。)
だいたい、なんで娘をさらうのよ?
傍から見て不審な行動に走る彼女に、全部の罪をなすりつけたいから?でも、なんで?
これはもう、熱狂的なジョディーさんファンが“彼女をもっと困らせたい!”と思ってやってるとしか考えられない。ひでぇなぁー。
というわけで、ジョディーさん=少女売春婦(『タクシードライバー』)、ジョディーさん=小娘捜査官(『羊たちの沈黙』)に続く、衝撃の完結篇、ジョディーさん=ババアがまさかの誕生!
夫の不慮の死に苦悶するジョディーさん。
言うこと聞かない娘にマジ切れするジョディーさん。
悪と対決し、ブルース・ウィリスみたいなTシャツ一枚で天井裏を這うジョディーさん。
ジョディーと聞いただけで、もう、抜けて抜けて辛抱たまらん方のみ、ご覧ください。
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