スーザン・ピット「アスパラガス」 ('79、AmericanFilmInsttitutes.)
スーザン・ピット?※1あらすじだって?
何を考えてるんだ、お前は。というか、俺に何を喋らせたいんだね?例えば、
夜こっそり女の部屋を覗き見すると、ケツからアスパラガスを出す女。
女は窓から野生の畑を見る。彩りあざやかな庭。
生えているアスパラガスを素足で弄び、やがて跨る女。
こういう調子か。
ここでのスーザン・ピットのイマジネーションは、なるほど、性的なものと結び付いている。具体的には野菜。ちょいとネットを検索して貰えれば、野菜オナニーの動画は腐るほどある。きみが食傷しそうなほど。だが、私が話題にしたいのは、ディルドー代わりのアスパラガスについてではない。
メタファー。暗喩。
そいつは、芸術の範疇に属する問題なんだ。
外出。劇場。
舞台裏に廻った女は、かばんに詰め込んだ花や昆虫、蛇を書き割りの空間に解き放つ。感嘆し、息を呑む観客。
帰宅。
顔のない女は、唯一ある唇にアスパラガスを含んでしゃぶる。
※1 アメリカの女性インディーズアニメ作家・画家。「アスパラガス」は彼女のデビュー作で、N.Y.ではリンチの長編『イレイザーヘッド』の併映だったという。
| 固定リンク
「もっと、あらすじが読みたいきみへ」カテゴリの記事
- ウィルソン・タッカー『長く大いなる沈黙 』(1951、早川書房、矢野徹訳、<ハヤカワ・SF・シリーズ>3279)(2022.07.10)
- ジャック・ウィリアムスン『宇宙軍団』The Legion of Space (1934) 野田昌宏訳 早川書房(ハヤカワ・SF・シリーズ、1968年。のち1977年1月ハヤカワ文庫収録)(2022.01.23)
- 『リーグ・オブ・エクストラオーディナリー・ジェントルメン:センチュリー』(アラン・ムーア / ケビン・オニール、ヴィレッジブックス 2019/1/31)(2019.05.12)
- ミケル・ブレネ・サンデモーセ『ラグナロク オーディン神話伝説』(2013年、ノルウェイの森プロ)(2018.10.07)
- ジーン・ウルフ『書架の探偵』 ('17、早川書房新 ハヤカワ・SF・シリーズ)(2017.09.03)
コメント