『宇宙水爆戦』 ('55、ユニヴァーサル)
あまり実際的でない方法で、地球人科学者を星間戦争に協力させようとする宇宙人。数々の奇跡を見せたり、正体不明のデバイスを匿名で送りつけたり、効率の悪いこと夥しい。
われわれは、こういう困った人たちをどのように扱うべきなのだろうか。
a.徹底的に無視する。
b.とことん忌み、嫌う。
そういう常識的な反応を敢えてせずに、この映画の主人公達は宇宙人の秘密計画にボケーッと乗せられて、破滅間際のどこかの星に拉致されてしまう。実に夢のある展開だ。
その惑星では、脳がふたつに割れた昆虫顔のミュータントを奴隷に使っていて、つまりこれぞかの有名なメタルーナ・ミュータントなのであるが、こいつが主人公達の周りをうろうろする。いや、本当、襲って来こない。うろうろするだけ。デザインは最高なのに、行動は最低。誰だ、演出家。
他にも、三角形のTVスクリーンがついた惑星間電話とか簡素すぎて素敵なUFOとか、デザインセンスは一流なのに、使い方が三流以下の場面が続出するのには辟易した。頭悪いんじゃないのか。いい加減にしろ。
という訳で、即座に「金返せ」と叫びたくなる筈が、最後まで楽しく観れてしまうのは、ヒロイン、フェイス・ドマーグのおっぱいの魅力である。川に飛び込んでズブ濡れになる場面もあるぞ。わかってるじゃないか、監督。
私は慌てて、どこかに仕舞い込んである『水爆と深海の怪物』のDVDを探しにかかった。買ったもののまだ観ていなかったのだ。抜かった。
この映画で、なんと彼女はハリーハウゼンの操る大蛸と共演している。大ダコ。おぉ、いいもんがあるじゃないか。
それにしても、水爆、水爆とうるさい女優である。もしやスイカップとはこれか?
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