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2011年7月18日 (月)

レイ・ハリーハウゼン『シンドバッド虎の目大冒険』 ('77、コロンビア)

 友よ。
 北方謙三よ。


 俺たちは、こういうぬるい映画を観て育ったのだったなぁ、友よ。
 ひさびさに観たが、まさか113分あるとは知らなかったぞ。
 まったく、長いよなぁ。
 友よ。

 そのとおり。
 お前の意見は正しい。
 映画編集のプロじゃなくても、この映画、はしょれるカットが幾つもある。
 冒険活劇にしちゃあ、やたらテンポが悪くてイライラする。

 テンポが悪くなる主な理由として、主人公のグループが無駄に人数多すぎるというのがあるようだ。
 どんな怪異が襲ってきても、十人くらいが同時に驚き、団体行動する。
 馬鹿の集団にしか見えない。もしくは、川口浩探検隊か。
 ・・・あ、同語反復だったか。
 失礼を詫びるぜ。
 友よ。

 シンドバッド・シリーズの最高傑作はやはり『黄金の航海』だと思うが、その点、あれはテキパキ進むからなぁ。
 「未知の世界を怖れる者は、闇に怯える愚か者だ!」の名セリフもあるし。
 あと、なんたってキャロライン・マンローがヒロインだからな!
 
 しかも、奴隷役
 
 とびきりいい女が出演していて、さらに、その女が奴隷役であるなら、これ以上、映画になにを望むというのか?

 答えてみろ。

 どうだ?

 だが、ジェーン・シーモアとて悪かろう筈がない。
 イエス。イエス。
 確かに、『007死ぬのは奴らだ』は酷い作品だった。
 だがあれは、あの黒人が全面的に悪いのだ。クカマンガだっけ。(うろおぼえ。)奴だ。

 『ある日どこかで』を想い出そう。
 おぉ、最高ではないか。
 しかし、あちらはビクトリア朝の英国が舞台だったから、登場シーンの大半は普通に衣裳を着て芝居していたな、って。

 ・・・当然だけどな!

 (ハリーハウゼンの特撮の仕上がりから普通に考えれば最高作、
 『七回目の航海』のパリサ姫も同様だ。
 お陰で彼女は、普通のヤンキー娘にしか見えなかった。)

 そこへいくと、こちらは、いつでも水着だぜ。
 アラブのお姫様役なのに、常時、水着着用。扱いが奴隷以下の最低レベル。
 毎日が芸能人水泳大会。

 そして、この映画屈指の名場面、ハイパーボリアの滝壺で見せる、側面オールヌードは文句なく素晴らしい。
 映画はやっぱり、こうでなくっちゃ。
   
 これがわからなくて、映画のなにを理解しろ、と言うのか?

 
 友よ。
 北方謙三よ?


 かつて映画が、中学生でも入れるキャバクラだった時代があったのだ。

 最近、サービスの悪い店が増えたよ。嘆かわしいことだ。
 

 

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