レイ・ハリーハウゼン『シンドバッド虎の目大冒険』 ('77、コロンビア)
友よ。
北方謙三よ。
俺たちは、こういうぬるい映画を観て育ったのだったなぁ、友よ。
ひさびさに観たが、まさか113分あるとは知らなかったぞ。
まったく、長いよなぁ。
友よ。
そのとおり。
お前の意見は正しい。
映画編集のプロじゃなくても、この映画、はしょれるカットが幾つもある。
冒険活劇にしちゃあ、やたらテンポが悪くてイライラする。
テンポが悪くなる主な理由として、主人公のグループが無駄に人数多すぎるというのがあるようだ。
どんな怪異が襲ってきても、十人くらいが同時に驚き、団体行動する。
馬鹿の集団にしか見えない。もしくは、川口浩探検隊か。
・・・あ、同語反復だったか。
失礼を詫びるぜ。
友よ。
シンドバッド・シリーズの最高傑作はやはり『黄金の航海』だと思うが、その点、あれはテキパキ進むからなぁ。
「未知の世界を怖れる者は、闇に怯える愚か者だ!」の名セリフもあるし。
あと、なんたってキャロライン・マンローがヒロインだからな!
しかも、奴隷役。
とびきりいい女が出演していて、さらに、その女が奴隷役であるなら、これ以上、映画になにを望むというのか?
答えてみろ。
どうだ?
だが、ジェーン・シーモアとて悪かろう筈がない。
イエス。イエス。
確かに、『007死ぬのは奴らだ』は酷い作品だった。
だがあれは、あの黒人が全面的に悪いのだ。クカマンガだっけ。(うろおぼえ。)奴だ。
『ある日どこかで』を想い出そう。
おぉ、最高ではないか。
しかし、あちらはビクトリア朝の英国が舞台だったから、登場シーンの大半は普通に衣裳を着て芝居していたな、って。
・・・当然だけどな!
(ハリーハウゼンの特撮の仕上がりから普通に考えれば最高作、
『七回目の航海』のパリサ姫も同様だ。
お陰で彼女は、普通のヤンキー娘にしか見えなかった。)
そこへいくと、こちらは、いつでも水着だぜ。
アラブのお姫様役なのに、常時、水着着用。扱いが奴隷以下の最低レベル。
毎日が芸能人水泳大会。
そして、この映画屈指の名場面、ハイパーボリアの滝壺で見せる、側面オールヌードは文句なく素晴らしい。
映画はやっぱり、こうでなくっちゃ。
これがわからなくて、映画のなにを理解しろ、と言うのか?
友よ。
北方謙三よ?
かつて映画が、中学生でも入れるキャバクラだった時代があったのだ。
最近、サービスの悪い店が増えたよ。嘆かわしいことだ。
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