和知三平『たんけんはかせ』 ('56、小学館)
和知三平が学習雑誌に描いた付録を買ってきた。発売は昭和三十一年、『小学二年生』十一月号。
ふろく、ふろくと舐めてはいかん。
厚手の紙で綴じられた絵本風の立派な造本である。
和知先生といえば、のちのギャグマンガ「火星ちゃん」。さる高貴な身分の方がモデルだという、お笑いなのに下品になりようがない、やんごとなき作品だ。
「たんけんはかせ」の頃は、もろに「新宝島」の波をかぶって中々にきれいな絵を描いている。
模写してみよう。
鉛筆描きなのでわかりにくい。
本家初期の手塚先生も勿論そうだが、実は難易度が高いのだ。この絵柄。
一見単純な線で纏められているように見えて、内包する空間の密度が異様に濃い。
意外や、これ動かしにくいのである。
相当練習して、法則性を手に覚え込ませないとダメだ。丸っこい線というのが得意な人もいるけど、私は根っからカクカクのギザギザが好きなので、頑張らないとふんわりした線が引けない。
ちょっと残念だ。
あぁ、ラクチンだ。
ところで、「たんけんはかせ」の内容ですが、「ほら男爵の冒険」そのものでしたよ。
はかせが、大砲の弾に乗って戦場を往ったり来たりするので、かなり不自然な翻案になっておりました。
| 固定リンク
「マンガ!マンガ!!マンガ!!!2」カテゴリの記事
- いけうち誠一/原作・中岡俊哉『マクンバ』(『呪いの画像は目が三つ』) ('85、立風書房レモンコミックス)(2017.12.02)
- 諸星大二郎『BOX〜箱の中に何かいる➌』('18、講談社モーニング KC)(2017.11.04)
- 大童澄瞳『映像研には手を出すな!』('17、小学館月刊スピリッツ掲載)(2017.03.26)
- 高遠るい『みかるんX①』 ('08、秋田書店チャンピオンREDコミックス)(2017.02.26)
- 白木まり奈『犬神屋敷』('16、ひばり書房)(2017.01.08)
コメント