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2011年3月28日 (月)

音楽の無力さについての短い声明

 音楽のピュアな側面というのは確かにあって、人を感動させもするし踊らせたりする。
 だから、危険だ。
 希望を持たせたり、生き延びさせたりする力は。すべからく根絶され、封印されるべきである。それは人を不安にする。全ての心の病の根源。それは絶望ではなく、希望だ。
 退避壕から顔を出し、鉛色に濁った空を見たまえ。われわれは寒空の下、死にかけている。都市は既に廃墟でしかない。顔の見えない幽霊のような観客達。喝采は死へのフィナーレ。
 記憶はいい具合にきみを誤魔化すだろう。偉大な一日を過ごした幸運を恋人達の元へ。
 
 「まったく、俄かには信じがたい
  そこに何もない、だなどと
  かくも興奮に満ちているのに
  かくも喜びに溢れているのに」

      (トーキングヘッズ「ヘヴン」) 

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