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2010年12月 8日 (水)

影丸譲也『悪魔が来たりて笛を吹く』('79、東スポ劇画)

[あらすじ]

 いまさら、こんな有名作品の筋立てを紹介するのも馬鹿げているので適当に書くが、昭和九年。ある町にバカが笛を吹きながらやって来る。(笛はもちろん、リコーダーだ)
 そのバカを巡って陰惨な殺人事件が巻き起こり、隠されていた元貴族の金持ち連中の秘密がひっそり明るみに出る。

 兄と妹がつがって生まれた子供は、甥なの?姪なの?

 伯爵は、事態収拾のため火炎太鼓を叩いて踊る。
 一方で独自の推理で事件を調査していた探偵は、謎の答えを求めて淡路島へ。しかし、事件の鍵を握る尼は既に殺されていてガッカリ。読者も濃厚な尼プレイを期待していただけに、ガッカリ。空ら手で下宿に帰ると、熊が待ちうけていて、強烈な張り手をされた。
 すぽーーーん、と飛んでいく探偵の生首。
 ドブ川に落ちて消えた。
 
[解説] 

 国文学者として有名な金田一ものの一篇。
 影丸譲也のマンガ版は、松竹が映画化したときにタイアップとして出版されたものである。
 ご丁寧に配役写真まで載っていて、松竹特有の泥臭いどんよりした気分が読者の意欲を見事なまでに削いでくれる。
 (具体的には、池波信乃だ。)

 結論を先に述べるが、このマンガ、手堅い。
 原作のイメージに忠実なキャラクター造形、派手ではないが達者な構成。ただし、新聞連載だったせいで、ちょっとコマ割りが平板。
 アラをさがせば、金田一が池中玄太であることか。(そこは似せなくていいのに)

 それよりなにより、この本、紙質が極めて悪く、ちょっと力を入れると、簡単に破ける。
 おまけに変色して、露骨にまっ黄色だ。発行は江戸時代かと思った。

 ということで、電話帳を破くのが趣味だが最近ちょっと体力の衰えを感じている人向け。

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