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2010年12月11日 (土)

白石晃士『オカルト』 ('09、クリエィティブ゙アクザ)

[あらすじ]

 どっかの岬で連続殺傷事件が起こり、犯人は海に飛び込み失踪。
 事件に興味を持ったドキュメンタリー作家の白石晃士は、生き延びた被害者の青年に密着取材するうち、数々の怪奇現象を目撃する。
 ポルターガイスト、心霊写真、UFO。
 連鎖する手掛かりを繋ぎ合わせていくにつれ、白石は自分自身、一連の事件に対しある種の役割を背負わされていることに気づく。それは人間の意志など遥かに越える、超常世界からの呼び声だった。
 すべての事象が渋谷スクランブル交差点での自爆テロ決行へとなだれ込み、レポーター役の女優、東美伽の生首が転がる・・・。

[解説]

 いいよね、生首。

 結局、テロの陰惨さを生首一個に象徴させてしまうあたり、予算の限界があるんでしょうけど。
 生首は、非常に信頼できる。
 本当のところ、作者にしてみりゃ、手足バラバラで、死屍累々になった渋谷の繁華街を舐めるように撮りたかった筈なんで、そういう意味では決定的なワンカットを欠いているんでしょうが。
 努力賞。
 がんばれば、生首の出る映画は撮れる!

 
 劇中最後に登場する死後の世界の映像は、タコやイカの泳ぐサイケ調の背景に複数の人間の生首が大回転!
 もちろん、怨詛のうめきや恐怖の悲鳴もブレンド!

 
 たいへんサービスのいい店だと思います。

 ちょっと料金高めですが、愚痴っちゃあいけません。
 酒なんか飲めば消えてしまうわけですし、精子も出したら終わり。
 そこへいくと、厭な気分というのは映画を観終わったあともずっと持続するわけですから。
 明らかに、お得です。

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