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2010年9月20日 (月)

トビー・フーパー『ツール・ボックス・マーダー』(’05)

きみも、そろそろ分別をつけていい歳頃だ。
ドアの外をうろつく怪人なんていないし、秘密の隠し部屋があるホテルなんてない。子供っぽい空想だよ、すべて。
われわれは、どれほどの殺人鬼をフィルムの中に作り出し、幾人の死体を輪切りにして放り出したことだろう。知ったかぶりの奴らは「ふふん」と云って、背中を向ける。
観客はもっとエキサイティングなものを観たがっているし、どのみち、この“残虐皮剥ぎショー”は続くんだ。残酷とエロは滅びたことがないんだからね。

トビー・フーパー?
あぁ、彼は素敵さ。欠陥構造だらけの映画の中で、輝いているのはその名前さ。
凡人がどんなに持てる知恵を尽くしても、彼の立っている場所には届かないだろう。この映画のスタッフ達は図らずもそいつを証明しちまったって訳さ。
大工道具殺人なんて、相当にバカげたアイディアだよ。次はドリルか、トンカチか?額に釘でも打ってみるか?
まったく、正気の大人の考えることじゃないよ。

それでも、ちょいと考えてみて。2005年の時点で、ヒロインが電気のこぎりにまっぷたつにされかける、なんて古式ゆかしいクライマックスを撮る男の胸のうちを。
あんたがどんなに通ぶった持論を吐こうと、ホラーってのは結局それだし、それ以外の何物でもないんだよ。

つまりは・・・愛情という奴さ。

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