CG④『モンスターVSエイリアン』 ('09、ドリームワークス)
デート中の車の中で、ジャーニー『クライング・ナウ』がかかる。
エンディングに流れるのは、B-52's『惑星クレア』だ。
劇中のモンスター誕生エピソードは『絶対の危機』や『半魚人の逆襲』や『モスラ』(!)の引用。白黒のCGというのは、なんかカッコイイな。
おまけに主人公が『妖怪巨大女』である。だいぶ若いが。いいのか、こんなの。
絶対、同い年くらいの連中がつくっている。それも、バカうけしながら。
「こんな企画ありえんなー!」とかお互い云い合って。でも、CGで、ファミリー向けで、ドリームワークスだから、これが通ってしまうんだよ。スゲエだろ?
果たして子供にウケるかはわからないが、同伴のパパには大ウケ。ちゃんと、モンスター同士の友情とか描かれるしね。ひとつ、深刻ぶらずに楽しく行きましょう。
アダルト度数、『ロボコップ3』。ということで。
お話は、まぁ、アレな、『マーズ・アタック!』や『Mr.インクレディブル』の達成を踏まえた上での、決して嫌いになれないタイプのコメディなので、問題ない。引いた路線の枠を1ミリもはみ出さないが仕方あるまい。これは、アラン・ムーアの脚本じゃないんだ。
それよか、問題なのは、われわれがCGに慣れてしまい、どんなサービス過剰な破壊や変形が出てきても、易々受容してしまうようになったことだろう。“夢の映像”の拡大生産だ。
それはCGの活用方向として、まったく正しいが、こうなると議論は「なにを見せるか?」ではなく、「なにを見せないか?」の方向へ行きそうな気がする。
例えば、結婚式の教会での最初の巨大化シーンで、ヒロイン、スーザン(いい名前だ)の白のサマードレスは延びて破れはするが、脱げない。
「破れる」で留めるところにギリギリの嘘があるのね。
これはなかなか興味深い事態だと俺は思うね。
映画は嘘をついていいが、それは観客がその嘘を受け入れたときだけなんだ。
CG映画全般に同じことが言えると思うね。
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