CG②『アバター』 ('09、20世紀FOX)
まぁ、あれだ。
酷評されても世界興収は記録更新一位だし、相変わらずだな。キャメロン。
カット割りはタメ排除の予告編みたいな造りだし、チャカチャカうるさいCGだし、いろいろ問題点は山積しているのだが、最後までちゃんと観れましたよ。
(ま、正確にはあんまり長尺なんで、飽きて、DVD止めて寝て、翌日ようやく完走したんだが。)
なんかね、ジャパニメーションみたいな話だなー、と思って観てたら、偶然、鑑賞途中で田舎の甥っ子六歳から電話が掛かってきて、
「いまねー、おーむのDVD、観てるのー。」って、云う。
「鸚鵡?」
子供がオウム真理教(『A』とか)観るわけねーしなー。と思ったら、これが『ナウシカ』。
(家にDVDがあるのに、なぜかレンタル屋で借りる、って云い張って聞かない、と弟が愚痴ってた。)
これは偶然の一致だが、なるほど、この『アバター』って、単なるジブリアニメだって思って観ると、疑問点がいろいろ、スッキリするんだわー。
エコで、森林伐採に反対、とかね。
『もののけ』+『ナウシカ』。これは、たぶん、多数のブログで同様意見が頻出してるかな、と。
あと、空中要塞を撃破する展開はギガントだよね。『コナン』。
実際、過去ログ調べたら、キャメロン、「宮崎監督へのオマージュ」って、プレス相手に著作権問題の予防線張る発言、かましてるし。アメリカさんは、凄いねー。
エイリアン対宇宙海兵隊、って図式は自作の『エイリアン2』ね。
(そういう意味で、あたしは人類頑張れ、とずっと思ってましたけど。)
これに、『アラビアのロレンス』足して、空中に岩が浮いてる奇景はロジャー・ディーン、光りモノ多用の背景はラッセンのエアブラシ。うけそうな要素、総動員。
でも、新しくはないんだ。どっかで見たことあるヴィジョン。
途方も無く金かかってるんで、見応えあるけど。別に、どってことない。
キャメロンに関しては、『ターミネーター2』がターニングポイントだった、って気がするな。
あそこで、あの人、完全に方向性を確信したでしょ。
普通の意味での映画を撮るのを、完全にやめた。
映画の進行を妨げる狭雑物は、一切、排除。観客を飽きさせないために、手をかえ品をかえ。
映画自体の、徹底したアトラクション化。ある意味、スピルバーグより徹底した。
それでも、最後まで観れるってのは、キャメロンの映画的実力ってことで、例えば、『アバター』のクライマックスで、主人公の足が萎えている、って設定がちゃんと活かされている。
こういう、抜け目ないとこはいいなー、と思うんですけど。
さすがに、あの青い馬人間はねーよなー、って気がする。
当然ペニスも馬並みなのか、と思ったら、まるで無性生物みたいなおとなしい描写だし。
『ロード・オブ・ザ・リング』の時も感じたんですが、CGって生物描写に向いていないよ。
がんばって造り込むほどに、ありえない感が増大する。
無臭。しかも、なんかテカテカしてんだよね。生き物でテカってんのは、ローション塗った女優だけでいいよ。
あと、あの岩の島。どうやら“磁力の渦”に乗っかって空中に浮いているらしいんですが、てことは反撥力?
そういう物質が内部にある、ってことでしょ。
普通に考えても、木より、そっちの方がよっぽど掘り出す価値のある貴重な資源じゃないですか。
「会社」のピーター・バラカンさん?
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