神聖かまってちゃん「ロックンロールが鳴り止まないッ」('10、PERFECT MUSIC )
(突然、ラジオ放送が始まる。)
「あー、あー、どうも。NHKです。いや、違う、NHKじゃありません。
集金です。集金じゃないです。
ウンベルケナシの、“おっぱい、いっぱいニッポン”!!」
(テーマ音楽、ワンノート・サンバ。)
「まぁ、そんな訳で、勝手に始まっちゃうワケですけども。
皆さん、食えてますか?!喰えない?まぁ、そうでしょうねぇー。平成不況の真っ只中ですからね。厳しいですよ。厳しい。どこもね。
あ、でも知り合いの経済学者が言ってましたけどね、今続いてるのは不況じゃないらしいですよ、企業の皆さん。いままでが好況過ぎただけの、揺り返しですって。ゆっくりと、昭和三十年代の経済水準へ退行して行く過程に過ぎないんですって。
なに、バカ云ってんだ、ってことで、胃を蹴ってやりましたけどね。
経済学者とか、システム部の連中とかは、全員、胃を蹴ってやるべきですね。
と、いうことで、“おっぱい、いっぱい、ニッポン”、この番組はダイナマイト生産でお馴染み、ニッポン発破の提供でお送りしません。します。
(曲、かかる。)
「え~、今日の一曲目、DE-BE-SOで『おまえのかぁちゃん』!」
♪おまえのかぁちゃん、おまえのかぁちゃん Yeah!!
からだを洗わないから、とても臭い
オールナイトロング~、オールナイトロング~
♪髪の後ろがわから、目が出て、歯が出たよ
腐ったじじいには、従わなくちゃならなーいー
ボクはそれがつらい、とてもそれがつらい
オールナイトロング~、オールナイトロング~
(曲、終わり。拍手と共に、ゲスト登場。)
「ま、そういうことで、今日のゲスト、蟹です。」
「シャキ、シャキ。」
「おお、こりゃ、シオマネキさんですね。見事な甲羅ですね。」
「シャキ、シャキ。プクプク。」
「あ、泡吹いた。誰か、タオル!!
で・・・蟹さんは、普段どんな音楽を聴きますか?ロックとか、聴きますか?」
「・・・・・・プププッ。」
「そうですか!そりゃ、すげぇ。
今日はそんな蟹さんを喜ばせようと思って、神聖かまってちゃんの新譜を持って来たんですけど。聴きます?聴かない?
どうせ、JASRACがケチをつけて来るだろう?あぁ、鋭い読みですねぇー。海でもきっと、切れ者で通ってるんでしょうねぇー。渚で、さなぎに大当たり。
あ、こりゃ、吾妻ひでおのパクリか。すいません。新人なもので。
かまってちゃんは、ネットでうけて大ヒットらしいんで、さっそく取り上げてみました。ニコニコ動画でゲリラライブの中継とかしてるらしいんですよ。そういうのは、アリですね。平日働いてるんで、観ないけど。
蟹さんは、どうですか?」
「シャキ、シャキ、シャカ。」
「あっ、横歩きしやがった。最低。誰か、とらえろ!!」
(気の利くスタッフが、曲を流す。)
「今日の二曲目、アンドレイ・ルヴィルコフで『木目』!!」
♪(静かなピアノのイントロで)
いつもいつも、退屈な空の下、バスは行き交う
流し目したり、ながら勉強で、怒声が飛んで
きみーが思うよりー、ずーーっと、京王線は長いーよー
シャバ、ダバ、はしごを登ればもう現場!
愛している、ってなんのことだよ?
現金書留にしてくれよー
日付の変わらぬ時計が欲しいね、壊れてるやつでいいからー
さくらの季節は長者が多すぎて、ホラ、も~く~め~
(曲、フェイド。スタッフの話す声、オフマイクで聞える。)
「・・・潰した?潰しちゃった、ってどういうことだよ?」
「ゴニョゴニョゴニョ・・・。」
「替わり持って来いよ、責任とってさ。どうすんのよ、ナマだよ?!」
「ゴニョゴニョゴニョ・・・。」
「CM?これ、NHKだよ。いや、NHKじゃありません。OK!!」
「・・・ということで、誰かの超適当な曲でしたー!!
超うける!!超うける!!
こりゃ、CD産業も廃れるワケですねッ!!
来週は、イカのみんなが遊びに来てくれる予定です、お楽しみに!
以上、ゲストの蟹でした~!!」
(ムーディーな音楽。除夜の鐘。)
「それじゃ、お便りのコーナーです。
ビルマ郡サッカリン町の、ペンネーム南船北馬ちゃん。」
『オーッス!!
ウンベル先生、元気か?!俺は、脈打ってマーーース・・・!』
「あぁ、納得ですね。」
『先生、聞いてくれ。俺のクラスでは、今日も不良がうんこしてるんだ。
なのに、誰も片付けやしねぇ。生徒も、先公も見てみぬ振りだ。
結局、一日うんこ臭かった。奴らは、ケツにくそが付いても洗わねぇし、じゃんけんやっても後出しだし。人生、なめてるとしかいいようがありません。
しかし、そんな奴らにいいように使われてる俺自身はなんだろう。ボクっていったい、どういう存在?きみにとって?マジパン?マジパンでいいの?
てなことを考えてたら、エヴァに乗りたくなりました。じゃッ!!』
「以上、南船北馬ちゃんでしたー!!
警告しておく。
エヴァには、乗るな。いいですね?」
(音楽、流れる。)
「じゃ、今日の三曲目!狩人ジュンで、『夜更けのバランバ』!!」
♪バラン、バランと陽が暮れて
バラン、バランと朝が来る~
しょせん、叶わぬ夢な~らば~、
見ないで済まそう、巨人戦~
| 固定リンク
「テーブルの隅の音楽」カテゴリの記事
- ザ・ドアーズ『L.A.ウーマン』(L.A. Woman)1971、エレクトラ・レコード(2022.09.18)
- 戸川純+Vampillia『わたしが鳴こうホトトギス』 ('16、VirginBabylonRecords)(2017.01.14)
- 相対性理論『ハイファイ新書』 ('09、みらいレコーズ)(2013.11.25)
- ポール・マッカートニー&ウィングス『レッド・ローズ・スピードウェイ』 ('73、東芝EMI)(2013.08.14)
- スティーヴ・ライヒ『MUSIC FOR 18 MUSICIANS』 ('97、Nonesuch)(2013.07.23)
コメント