« 神聖かまってちゃん「ロックンロールが鳴り止まないッ」('10、PERFECT MUSIC ) | トップページ | トビー・フーパー『スペースインベーダー』 ('86、キャノン・フイルム) »

2010年4月22日 (木)

ヴィクター・サルヴァ『ジーパーズ・クリーパーズ』 ('01、ゾエロトロープ)

 どうにも、面白くない。
 面白くなりそうだが、決定的に面白くない映画の登場だ。

 この映画の紹介に(確か『映画秘宝』だ)、監督がホモで、都市伝説にかこつけてホモの遭遇する「こんな目に会いたくない!」恐怖を描く、とあったので、そりゃ面白そうだ、と私は乗ってみた訳である。

 私の考えるそれは、例えば、ニール・ゲイマンの傑作『サンドマン』だ。
 (『ウォッチメン』がまがりなりにも、メジャーになったのだから、次はサンドマンをよろしく頼む。)
 日本版第三巻、「ドールズ・ハウス」に登場するシリアルキラー、“コリント人”のことだ。
 こいつは、ありえないぐらい悪いやつで、少年とナイフと監禁が大好き。
 
(おまけに、少年ナイフも好き。って、それじゃニルヴァーナの死んだバカだな。
 あぁ、ついでに明言しておくが、あいつはバカだ。
 曲も良くない。

 みんな、どこに目をつけているんだろうか。
 彼の唯一の功績は、レインコーツの再発に尽力したことだが、それだけだ。)

 で、“コリント人”がどんなに恐ろしい奴かは、多少面倒だろうが、「サンドマン」を探して読んでくれ。
 BLのマンガを描いてる奴と、読んでる奴は、厳重チェックせよ。
 諸君の成長には期待している。


 あぁ、話が逸れた。
 なんで『ジーパーズ・クリーパーズ』は良くないのか。
 丁寧なつくりだ。
 美術も、撮影も頑張っているし、ジャンルの古典『悪魔のいけにえ』への目配りも感じられる。しかし、あの、万分の一パーセントもまがまがしくないが。
 この映画、なんで、まったく呪われた感じがしないのか。
 ひょっとして、喰えてるんじゃないか。
 必要な箇所には、必要な予算が供給されている。コッポラが金を出しているからだ。
 コッポラ。
 『コットン・クラブ』。『ドラキュラ』。
 そりゃ、ダメだろ。

 結論が出てしまったので、そろそろ、終わりにしたいが、(正直、掘り下げても疲れるだけの作品というのはある。)
 あぁ、ところで、どのへんが「ホモの恐怖」だったのだろうか。
 最初に出てくる連続殺人鬼の犠牲者が、ゲイメイクで、ホモっぽい、という点が挙げられる。
 ほか、特になし。
 確かに弟が空中に拉致されて、目玉刳り貫かれてましたけど、そんだけじゃん。それで怖がれといわれても、二丁目の皆さんも困るだろ。
 
 身軽な殺人鬼が、轢きに来た自動車を何度も飛び越える、それこそ、こっちがうんざりするまで、というシーンの意味は何だったのか。

 コッポラには、納得のいく説明を仰ぎたいと思う。

|

« 神聖かまってちゃん「ロックンロールが鳴り止まないッ」('10、PERFECT MUSIC ) | トップページ | トビー・フーパー『スペースインベーダー』 ('86、キャノン・フイルム) »

映画の神秘世界」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ヴィクター・サルヴァ『ジーパーズ・クリーパーズ』 ('01、ゾエロトロープ):

« 神聖かまってちゃん「ロックンロールが鳴り止まないッ」('10、PERFECT MUSIC ) | トップページ | トビー・フーパー『スペースインベーダー』 ('86、キャノン・フイルム) »