Pray

2013年7月 7日 (日)

2013.6.28東京国際フォーラムA 沢田研二『Pray』セットリスト&完全レポ

註:
7月7日、無事執筆を終えました。
例によりまして、更新日を執筆完成日に移動させて頂きます。『Pray』ツアーにつきましては、こちらside-BでのLIVEレポートは、今回執筆の初日公演のみとなります(次回参加予定の和光市公演のレポートは、本館に書きます)。
今回も長々とおつき合い頂きまして、ありがとうございました。

☆    ☆    ☆

行ってまいりました。『Pray』ツアー初日、東京国際フォーラムA。

20130704news


『東京新聞』2013年7月4日付芸能欄より

僕は1階後方席での参加となり、開演前にホール最後方から見渡しますと、ビッシリとお客さんで埋まったホールが圧巻でしたね。近くの席にいらした年輩のご夫婦が「うわ、お客さん入ってるじゃない~」とお話していらっしゃいました。

先に言ってしまうと、僕としてはとても意表を突かれたセットリストでした。
新譜4曲以外、すべて「一度は生で聴いたことのある曲」という構成。いや、長いジュリーファンの先輩方にとってそれは珍しいことではないんでしょうけど、僕は初のジュリーLIVEが5年前の東京ドームですからね。
いつかはそういうセットリストを体感するだろう、とは考えていましたが、まさかこんなに早く・・・。

全22曲中『ジュリー祭り』との重複が15曲、さらに今年のお正月コンサート『燃えろ東京スワローズ』との重複曲が11曲。
普段から、セットリストに新鮮味を求めがちな僕はジュリーの狙いを掴みきれないままだったのですが、終演後にお会いしたベテランのジュリーファンの先輩方が、すごく喜んでいらしたんです。
「どうだ、これがジュリーだ!」という歓びがヒシヒシと感じられるんですよね。いつもお世話になっている先輩(普段、LIVE直後は結構辛口のお方)が感激して、「もっと行く、他も行く!」と仰っていたのがとても印象的でした。
また、久しぶりにピーファンの先輩ともお会いすることができたのですが、「知ってる曲が多くて嬉しい!」と、こちらも大変楽しまれたご様子でした。

なるほどなぁ、と思いました。
僕は、年末のザ・タイガース再結成へのジュリーの中での繋がりとして、TEA FOR THREEの「
君を真実に愛せなければ他の何も続けられない」とか、「青い鳥」へのオマージュを盛り込んだ「ブルーバード ブルーバード」あたりを予想してしまったわけですが、ジュリーはもっとストレートにその点を考えたのでしょうか。
タイガース再結成を知って、「その前にジュリーのソロも見てみよう」という巷多くのタイガース・ファン復活組のみなさまが、「沢田研二」の名前から連想する名曲の数々・・・それが今回のセットリストには幾多バランス良く散りばめられている、というわけです。

また、意外性ということで言えば、これから過酷なまでの暑さの中をくぐり抜けていこうとするツアーのセットリストに、クリスマス・ソングが2曲も混ざっているという。
これは、ステージ上でせめて気持ちだけでも涼しく感じようというジュリーの工夫・・・なのかなぁ。
僕としては、この2曲はまったく予想できなかったと同時に、とても嬉しいセットリスト入りでしたがみなさまはいかがだったでしょうか。

開演前には(終演後も)、何人もの先輩やJ友さんにお会いすることができました。広い広いフォーラムで、初日のこの独特の雰囲気を共有できましたこと、本当に嬉しく思います。

売店で、プラケース・ヴァージョンの『忘却の天才』や『明日は晴れる』のCDを「これはこれで良いよなぁ・・・」と指を加えて眺めたりしながら過ごし、開演10分ほど前に着席。やっぱりちょっと遠いかなぁ・・・。
ブザーが鳴り、いよいよ2013年、記念すべき『Pray』ツアーのスタートです。
開演!

1曲目「
あなたに今夜はワインをふりかけ

Omoikirikiza

何と、本館の”全然当たらないセットリスト予想”シリーズで最近書いたばかりの曲がいきなり初っ端に!
心が沸き立ちましたね~。

初日に参加していないJ友さんが、「ネタバレ無しで、1曲目の衝撃度とレア度を教えて」と尋ねるので、とりあえず「衝撃度はMAX、レア度無し!」とお答えしました。
僕にとっては、本当にそうだったものですから・・・。

僕はいつも”会場の誰もセットリストを知らない”ツアー初日には、場内の照明が落ちて「いよいよ」となったところで、鉄人バンドと一緒にジュリーが入場してくるのかそうでないのか、ということを注意して観ています。
バンドに少しだけ遅れてジュリーがドラムセットの後ろから入場してきたら、セットリスト1曲はバラード(『BALLAD AND ROCK'N ROLL』での「いくつかの場面」や、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』での「SPLEEN~六月の風にゆれて」など。『歌門来福』の「光線」のような例外もありますが)で、最初にバンドのみが入場し演奏が始まった場合は、1曲目はロック・ナンバー(『奇跡元年』の「奇跡」、『Pleasure Pleasure』『秋の大運動会~涙色の空』の「ROCK'N ROLL MARCH」、『燃えろ東京スワローズ』の「everyday Joe」など)で、ジュリーはイントロの途中に舞台袖からカッ飛んで来るパターンだと区別できるからです。

今回は、鉄人バンドがスタンバイするやいなや、「ジュリーは?」と僕が確認する間もなくすぐさまGRACE姉さんがスティック・カウント。
いやぁ、カウントの途中で「おっ、結構アップテンポ!」ということを考える時間があった、というのも驚きですが、なにせ次の瞬間

♪ レ、ファ~ソ、ミ、ファ、ソ、ラ、ド~ ♪
  B♭       C   A  Dm   C   B♭C

の、あのイントロですよ!
「うわ、いきなり!」と、セットリスト予想が当たってむしろビビるDYNAMITE。
記事には書かなかった(と思う)けど、僕はこの曲、自信を持って予想はしていたけれど、セットリストの配置は後半ラストくらいだと思っていたのです。そういう意味では、すごく意表を突かれました。

でも・・・この曲が初っ端って凄く良いですね!
先の記事のコメントにも書いた通り、僕は今ツアー、「最初からスタンディング曲」というのはまったく考えていなくて・・・「ジュリーも年齢や体力を考えて、落ち着いて歌う曲、激しく歌う曲の変化をハッキリつけてくる時期にきてる。今回もセトリ前半は全曲座って聴く、くらいの出だしになるんじゃないか」と漠然と予想していました。
見事に覆されました。
いきなり「立てコラ~!」とばかりに飛ばすジュリー。「これが立たずにいられるかい!」と盛り上がるお客さん。まさに掴みはOK!

この日のジュリーは、最初の数曲まではかなり声がかすれていて、高音で苦しそうにしていました。ただ、ノッケからバンバン動き回って元気いっぱい。
「仮面をぬいで~♪」は下手前方で何か面白いアクションをやっていたようでしたが、細かいところまでは見えず残念。

エンディングのバンド・アレンジがこれまでとは変わりましたね。尺が短めになったかな?次回詳しく確認したいと思います。
いずれにせよ、ツアー初日は鉄人バンドにもまだまだ手探り感があります。それが初日の醍醐味と言えばそうなんですけどね。
そのエンディングのコーラス部では、直前ジュリーが「(次は)ラララ!」とリードする場面もありました。『Pleasure Pleasure』ツアー同様、今ツアーでもお客さんに「一緒に歌って!」と言ってくれてるようですよ!

・・・ということで、「こりゃ、今回はセトリ予想が相当当たるんじゃないか」と調子に乗ってしまったDYNAMITEですが、結果は言うに及ばず。結局予想記事が的中したのはこの1曲目だけでございました・・・。

2曲目「つづくシアワセ」

Boukyaku

僕は毎回、ツアーが終了したら”セットリストを振り返る”シリーズということで数曲をお題に採り上げて考察記事を書くことにしていますが、今回の『Pray』ツアー・・・初日を終えた時点で「書こう」という曲が3曲固まりました。
そのひとつがこの「つづくシアワセ」。

昨年のびわ湖公演で最前列を共にした若き男性ジュリーファンの先輩から、この曲の別ヴァージョンを教えてもらって、一時期激リピしていたことがありました。
この日ジュリーが「つづくシアワセ、平和な時を♪」と歌いだした時には思わず脳内で「ね~~すか、ふぇ~♪」とコーラスつけてしまいましたよ。

とにかくこれは、ドーム堕ち組としては特に嬉しい、”『ジュリー祭り』ポカン曲のリベンジ!”ナンバー。
5年前、あれほどの贅沢なセットリストの中で「知らんなぁ・・・」とポカ~ンと聴き流してしまった(いや、真面目に聴いていましたよ!ただ、今から思えば「あの曲やあの曲でグワ~ッと盛り上がれなかった自分」への情けなさから、そういう表現になってしまうのです)大名曲達。
その後参加するツアーで毎回のように「ドーム以来」の選曲でリベンジの機会を与えてくれるジュリー・・・今回まずはコレですか~!

そんなに激しい曲想ではないはずなんだけど、ジュリーの動きはかなりパワフル。この時点では声がまだ今ひとつ出ていないので、身体を振り絞る感じだったのでしょうか。
そして改めて確認する、サビ前の何とも言えない最高にパワーポップな胸キュン・メロディーと、2002年にしてハッキリと「日常の尊さ」を歌い始めたジュリーの歌詞の素晴らしさ。
”「個」から「マス」へのメッセージ”、とはロックでよく使われる言葉だけど、こんなふうに生活感から昇華させた手法でそれをやってのけたのはジュリーだけでしょう。キャリアの無い人が歌っても届かないテーマだし、輝かしいキャリアを持つ人は、逆にここまで己を晒せないのが普通。
「つづくシアワセ」という、何の屈託も無い楽曲タイトルこそがジュリーという人を象徴しているのだ、と思います。

この曲をはじめ、『ジュリー祭り』の映像を復習して次の会場に臨むと新たな発見がありそうなセットリストなんですよね、今回は。
初日はとにかくジュリーの歌に身を託しました。演奏の細かいところまでは見ていません(てか、見えませんでした泣)。
お楽しみはこれからですよ!

3曲目「
ハートの青さなら 空にさえ負けない

Atarasiiomoide

『歌門来福』『燃えろ東京スワローズ』に続き3度目の体感となる、情熱のロッカ・バラード。
まずGRACE姉さんのフィル・インにパ~ッと照明が当てられ、スリリングなイントロとなりました。

ド迫力のヴォーカルでしたが、高音部はまだまだ苦しそうです。「Wow、Wow、い~い、よね♪」の「Wow Wow♪」は、ジュリー言うところの「別の喉」を使ってファルセット気味に歌うことで乗り切っていました。

さて、この曲の定番アクションと言えば、ジュリーの激しい腰ひねりですね。
今回も1番は下手、2番は上手とキチンと分けて前方席のお客さんを喜ばせてくれましたが
「け~がれ知らないから~、オゥオゥ♪」
の「オゥオゥ♪」で腕をグルングルンと振り回していました(1番も2番も両方ともやってた)!
これ、お正月もやってましたっけ?僕はすごく新鮮に見えたんですけど・・・。

あとね、これも「初めて?」と思ったんですけど・・・エンディングのコーラス・アレンジが以前と変わっていませんか?
ジュリー渾身のヴォーカルのバックで「ら~びゅ!」と何度も連呼していたのは、柴山さんとGRACE姉さん?このコーラス・パターンは少なくとも僕はこれまでの2ツアーでは記憶が無い・・・単にこれまで不注意だっただけかなぁ。
みなさまのご意見を伺いたいです。

ちなみにこの曲、これまで一度もお正月LIVEに参加したことのないYOKO君にとっては「ダイブ曲」です。無論YOKO君は、今年も長期に渡ってセットリストのネタバレを我慢します(鋼鉄の意志を持つ男)。
大宮では、この曲のイントロで彼に殴られる予定です!

~MC~

「お待たせしました~!」
が第一声だったでしょうか。
『探偵2』以来の沢田研二コンサートです、と。

ここまで3曲、激しく動き回ったのですでに汗ダクダクだったのでしょうか
「5キロは痩せたかな~?」
と言って笑わせるジュリー。
シメは
「とにかく、歌うぞ~!!」
の絶叫でございました。

4曲目「カサブランカ・ダンディ」

Royal

『ジュリー祭り』『燃えろ東京スワローズ』に続く3度目の体感です。
「えっ、お正月から続いて連発?」と僕はちょっと意表を突かれましたが、いやぁお客さんの反応が良い!
前方のお客さんがキレイに16ビートに乗りながら手拍子をしているのがよく分かります。これが同じ16ビートでも例えば「睡蓮」とかだと、お客さんの動きがマチマチになるんですよね。この曲にはそういう感覚がまったくありません。「誰もが知るヒット曲」の凄みなのでしょう。

霧吹きも豪快にやってくれましたよ~。

ジュリーの高音が「ちょっと苦しそうだなぁ」と感じたのは、この4曲目まで。
「ボギ~、ボギ~♪」で声が裏返るシーンもありました。高い方の「ソ」の音ですからねぇ・・・。この音に苦心する様子は昨年のツアーでの「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でも見られましたが、今回のこれは、初日ならでは、の光景だったのかもしれません

富岡ではどうだったでしょうか。

5曲目「
勝手にしやがれ

Omoikirikiza_2

間髪入れずの大ヒット曲降臨。会場はやっぱり「ウワ~ッ!」となりますよね。
これは、お正月に続いてのセトリ入りは予想していました。去年のツアーで「来年はやる!」とジュリーがタイトルを挙げていましたから。

サビからお客さんがジュリーのフリを真似するのはお約束。僕はそれはやらずに、後ろからお客さんの揃い具合を観察(?)するというのが最近のパターンです。というのは、「もしジュリーの高速阿波踊りが出た時、どういう眺めになるのだろう」と楽しみにしてるから・・・すみません。
でも、お正月に続いてこの曲でジュリーのおフザケは無し。ストレートな、有無を言わせぬ「勝手にしやがれ」でした。

後で気づいたことなんですけど、僕はこの曲からジュリーの高音の苦労を感じなくなっていました。ということは、ここでジュリーの喉は絶好調モードに回復していたということでしょう。
それに気づいたのは7曲目「サムライ」のヴォーカルが素晴らしかったからなんですが、そのお話はまたすぐ後で。

6曲目「
”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

「勝手にしやがれ」のラストをバシッ!と決めた後、ジュリーはマイクスタンドを後方によけて、ハンドマイクでスタンバイするやいなや、「ちゅるるるっ♪」とすぐに始まりました。
歌い始めたジュリーが上着を脱いでドラムセットの前に引っかけたような記憶がありますが・・・自信ありません。次の「サムライ」では確実に羽織ってますもんね。ってことはこの曲ではまだ上着着てたってこと?
でも、この曲でガンガン走りまくりクルクル回りまくるジュリーの姿に、白いシャツのイメージが残ってるんだよな~。僕の記憶違いでしょうか。

ちなみにここで僕は、「ありゃっ、ヒット曲連発コーナーを随分お正月のセトリと重ねてきたな~。サムライが抜けてるだけじゃん」と考えたりしております。まさかこの後「サムライ」も来るとは、予想だにしていませんでした。

「勝手にしやがれ」の壁塗りはやらないのに、この曲の「ほみたい、うん!」には嬉々として積極的に参加するDYNAMITE。周囲のお客さん、誰もやってません。完全アウェーです。
まぁ、ジュリーの「うん!」はさほど大きなアクションではなく控え目でしたけどね。1度でいいから、『greenboy』ツアーDVDで観た”キバリ腰闊歩ヴァージョン”を体感したいものですが・・・先輩方にその話をすると必ず「やめてよ~!」と怒られてしまいます・・・。

7曲目「
サムライ

Omoikirikiza_3

ツアー初日はいつもそうなんですけど・・・僕の場合、曲並びは後で思い出すとして、曲数だけは律儀に数えているんです。
僕は今回、前半10曲で休憩、という構成を予想していましたから、「ここまで6曲・・・もし新譜4曲を前半ラストに配するなら、ここからが新曲だ」と心の準備をしました。

しかし始まったのは、これまたお正月に引き続いての大ヒット・ナンバー「サムライ」。またまた意表を突かれましたよ。
「片手に、ピストル♪」から始まるジュリーのアクションに右手を上げて応えるお客さん。これまた壮観です。

曲が進み、ここで僕は「あっ、ジュリーの声が凄くイイ!」と気づきました。最初の数曲で高音に苦労していた様子はすっかり無くなり、いつもの美しく艶のあるジュリーのヴォーカルが、この「サムライ」では完全に戻っていました。
「サムライ」はお正月以上に良かった!と今でも思い出します。ジュリーの声が絶好調な時・・・その分かり易いバロメーターは「あぁ♪」の発声なんですね。この日の「サムライ」は、艶っぽい「あぁ♪」が次々に繰り出されました。

Aメロの柴山さんと下山さんのカッティング・コンビネーションももちろん健在。まず左(下山さん)から「じゃら~ん♪」と鳴って、右(柴山さん)が「チャッ!」と刻むステレオ効果
(後註:配置は左右逆のようです。BAT OUT OF HELL LOVE様、ご指摘ありがとうございます!)。その上で、ジュリーのあのヴォーカルと、GRACE姉さんの美しいコーラスが泳いでいるかのように伝わってくるのです。

最後のサビではお約束の”ジャケット落とし”も。
お正月の初日
「サムライの最後で、偶然ジュリーの上着がハラッと落ちちゃってさ~、それがメチャクチャかっこ良くてさ~」
と何も分からず興奮してまくし立てていた僕ですが、今はちゃんと、それがジュリー一流の演出だと心得ていますよ!

~MC~

ここで短いMCです。
まずは、4曲続いた大ヒット曲コーナーを受けての

「今回は、一般ピーポーも知っている曲を歌う、と決意いたしました!」

と高らかに宣言するジュリーに大きな拍手。
続いて

「しかし・・・こうして(客席を)見渡しても、どなたが一般ピーポーで、どなたがそうでないのか、まったく分かりません!」

には、お客さんも大爆笑です。

そして・・・新曲の話。
「今回も、鉄人バンド4人に1曲ずつ作曲してもらい、私がそれに歌詞をつけました」

話を聞きながら僕は、「ここまで7曲やって、これから新譜4曲をやる、ってことは・・・休憩は無しかな?」と、そんなこと(せっかくジュリーが新譜への思いを話してくれているのにね・・・)に頭が回ってしまいました。反省。

今年もまた、すべての被災地に祈りを込めて歌います、と話してくれたジュリー。
新譜を聴き込んでこの日に臨んだほとんどのジュリーファンが、ここでCD1曲目の「Pray~神の与え賜いし」の荘厳なコーラスを待ち構えたことと思います。

しかし!

8曲目「
Uncle Donald

Pray

流れたイントロは、印象的なギター・リフ。
「ええっ!ドナルドから?!」
と、僕は少し慌ててしまいました。

後で話を伺うと、今回の新譜4曲、LIVEでは「Pray~神の与え賜いし」を最後に持ってくるんじゃないか」と予見していらした先輩も・・・。
いや~凄い!そこまで読める人がいらっしゃるとは。僕などの及ぶところではありません。
とにかくビックリしました。

ところが、そんな「ビックリ」は序の口でした。

曲が始まってまず注目したのは、下山さんです。
ご存知のかたもいらしゃるかな・・・しょあ様のブログで「この曲で下山さんはアコギとエレキとどちらを弾くか」ということが、初日を前にちょっと話題になっていまして・・・。
しょあ様は、「下山さんはアコギ。CDでの下山さんのエレキギター・トラックは柴山さんが兼任する」と予想されました。対して僕は、「下山さん、柴山さん両方がエレキを持ち、アコギのトラックを割愛して演奏する、エメラルド・アイズ体制」と予想。

(後註:しょあ様のブログでの最終的な配置予想は、「下山さんエレキ、柴山さんアコギ」というものでした。大変失礼いたしました・・・)

これを要するに、「この曲の下山さんのトラックは、アコギもエレキもどちらも欠かせない。でも・・・まさか一人で両方弾くわけにはいかない。一体どうするんだろう?」という話だったわけですよ。

その「まさか」が実現してしまいました。
Aメロの美しい突き放し。BメロのアルペジオはCD通りではなく、時折コード・ストロークを交えながらの熱演・・・下山さんのアコギが心地よく鳴り響き、僕は「あぁ、しょあさんの言う通り、この曲はやっぱりアコギなんだなぁ・・・」と考えていました。
そして、曲がサビへと移行した、その瞬間。

いきなり、アコギが宙に浮いた!!

いや、遠目には本当にそう見えたんです。下山さんが定位置を離れた時、いつの間にかその手にはエレキが握られていて。
「ええええっ?!」と見ると、あのアコギが「ど~ん!」と空中で固まって浮いているものですから、もうビックリしたの何の!

れ、霊力?公衆の面前で?

というのは冗談ですが、よ~く見ると、スタンドにアコギが固定されているんですよね。
僕もまぁ、ああいうスタンドが世に存在するのは知っていましたが・・・さすがに生演奏でそれを使っているのをこの目で見るのは初めてのことです。いやぁ驚いた!今でもまだ、アコギが浮かんだその瞬間がまざまざと脳裏に甦ってきます。

ところが・・・どうも色々なかたにお話を伺っていると、この下山さんの神技に気づいた人は意外と少ないみたいで。
やはり霊力?見える人にしか見えない?
僕、そんな霊感とか強い方じゃないけどなぁ・・・。

などと、このネタでいくらでもレポを引っ張れそうな気がしますが、さすがにこの辺りでやめておきます。とにかく本当にビックリしました~。

あまりの予期せぬ事態に、ジュリー・ヴォーカルの細かいところまでよく覚えていないのですが・・・素晴らしかったことは間違いないです。
曲中で一番好きな、「忘れちゃいけないぃぃ♪」の箇所のヴォーカルは聴き逃してしまったけど・・・。

そして、新譜唯一のフェイド・アウトをLIVEではどう演奏するか、というポイントを最後の最後に思い出すことには成功。幾度か「Esusu4→E」を回した後、「Esus4」のコード突き放しでのエンディングでしたね。
「Esus4→E」をどのくらい循環させていたのかは把握できていません。エンディングはエレキ2本体制ですから、CD通りに柴山さんのジェット・サウンドが炸裂していた可能性も高いけど、まったく覚えていません。

次回、リベンジ!・・・できるかなぁ。また下山さんばかり見てしまいそうだ・・・(汗)。



追記:ドナルドおじさんの言葉の続き・・・『東京新聞』毎月第1日曜日連載の『ドナルド・キーンの東京下町日記』(題字はキーン氏直筆)

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2013年7月7日付『東京新聞』より


9曲目「
Fridays Voice

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泰輝さんのピアノから穏やかに始まった「Fridays Voice」。
斎藤美奈子さんと吉田照美さんのおかげで、ツアー直前、その存在を「一般ピーポー」にも多く知られるようになったこの曲以降、ジュリーのヴォーカルは無垢に、伸びやかに、そして変な言い方かもしれないけれど「軽やかに」(生き生きと、と言い換えても良いかもしれませんが)なっていったように感じました。
もう、聴いていてジュリーの高音の苦労を心配することなどまったくありません。

斎藤さんと吉田さんのことがあってから、僕のこの曲の記事にも一層多くのアクセスを頂いています。「あの沢田研二が、反原発ソングを歌っているらしい」という興味や驚きからくるものなのでしょうが、さぁ実際この日この曲を生で体感したお客さんは、そこに果たして社会性のテーマのみを感じるに終わったでしょうか。
もちろん答は「否」です。

力強くも瑞々しいバラードが、そこにありました。本当に良い曲だ、と実感できる「Fridays Voice」のヴォーカル、そして鉄人バンドの演奏。ただ、歌に共感する・・・そんな空気にグッと熱いものが込み上げてきました。

出だしの1番Aメロでは、オリジナルとは2音だけジュリーがメロディーを変えて歌うシーンもありました。余計なことは考えず、ただ純粋に歌に向かった結果でしょう。ジュリーの本懐、ここにあり!
あとね、この曲はAメロの音域がとても低いんですね。そのジュリーの低音の艶が素晴らしいのです。
確かにジュリー自身が言うように、もう昔のようには高音が出にくくなった、という現状はあるでしょう。しかしその代わりにこんなにゾクゾクする低音が聴けるのですから・・・後に「あなたへの愛」の項でも触れますが、昔のバラード名曲群、これからはどんどんキーを下げて歌っていってもいいんじゃないかなぁ。
今回の「Fridays Voice」や「あなたへの愛」のようなヴォーカルが聴けるのなら、ファンはそれも大歓迎だと思うのですが・・・。

初日の「Friadys Voice」に関しては、ジュリーが2番の「止めるしか原発」の部分を、1番の歌詞「決めてしまう問題」と歌ってしまって・・・一番肝心なところですからジュリーも痛恨、まぁ初日ならではのアクシデントだったとも言えますが、これもジュリーが無心で歌っていたからこそ、なのかもしれません(富岡に参加した先輩が、「今日はその歌詞部大丈夫でした!」とお知らせくださいました。ありがとうございます!)。

鉄人バンドの演奏も、本当に素晴らしかった。
2番Aメロ、「放射能に罪なし」から噛んでくる柴山さんの「ガッガッガッガッ」というギター・アレンジ、生で聴くと一層ズシンと胸に響いてきます。軽くミュート気味のダウン・ピッキング・・・これは、もし鉄人バンドにベーシストがいたら、LIVEではほとんど聴こえない「影の音」のはずなんです。プロのギタリストが出す音というのが、一見地味なバッキングをとってもこんなにも肉厚でドッシリとしているんだ、と再確認させられます。

そして・・・今一度念を押しておきますが、エンディング・リフレインの歌詞が「Fridays Fridays」の連呼に変わったら、みなさまGRACE姉さんのドラムスに是非注目してください。過去最高の”鬼姫ロール”が炸裂します!
(その次の、スネア裏打ち連打のフィルもとてつもなく凄いんですけどね・・・)

10曲目「
Deep Love

Pray_3

この曲は何と言っても泰輝さんのピアノに尽きます。
正直、僕の席から一番見え辛い位置にいたのが泰輝さん。先輩の話によると、今回はキーボード3台体制で臨んでいたんですって!
神の両手”を持つ泰輝さんが、どの曲でどんなふうにそれぞれのキーボード、音色設定を使い分けていたのか・・・初日ではその辺りをまったく確認できなかったのですが、「Deep Love」のピアノは後方席にいた僕の身体にも真っ直ぐに飛び込んできました。

泰輝さんのピアノの素晴らしさ・・・それを証明するのは他でもない、ジュリーのヴォーカルなのです。
ジュリーが、演奏の入魂度にとても敏感な歌い手であることは確かだと思います。特に、「ピアノとヴォーカル」という、歌い手にとって最も剥き出しのシチェーションでは、それが大きな影響をジュリーにもたらします。2008年以降何度も歌われている「我が窮状」のヴォーカルが、何故年々良くなっていくのか・・・それを考えた時、どうしても泰輝さんの存在を思わずにはいられません。

例えば初日の「Deep Love」。
1番の「帰らぬ君を理解すれば」のあたりで、早くもジュリーのヴォーカルに嗚咽が混ざり、僕は「あぁ、この後どんどんジュリーは感極まっていくのかな・・・」と安易に考えてしまいました。
ところが、ジュリーの声はむしろどんどん涼やかになっていきました。歌詞は明瞭に発声され、サビでは透き通るように伸びあがる、光のようなヴォーカルで曲が進みました。
無論、慟哭の表現はあります。ジュリーの半端でない思いも感じとることができます。しかしそれは「Deep Love」という大名曲の重いテーマそれ自体を理屈で表現しようというものではありません。濁り無い「歌」の表現なのです。
ヴォーカリスト・ジュリーが「Deep Love」という歌と一体化した・・・このことについては、普段ジュリーの考察について師のように仰いでいる先輩がまったく同じことを仰っていたので、もはや確信ですね。

そして、奇跡の歌い手・ジュリーをしてそれを為させたのが泰輝さんの魂のピアノである、というのが僕の考えです。
魂の演奏があればこそ、ジュリーは純粋に曲に同化できます。僕の席からは泰輝さんの身体の動きはほとんど見えなかったけど、”ナナメ45度奏法”が炸裂していたのかな・・・。
いやいや、身体が動いていようが動いていまいが、それはさほど関係ないかもしれない・・・この曲の作曲者である泰輝さんがどれほどの思いを込めたか、それはCD音源の演奏やアレンジを聴いた時点で分かっていたことです。
他収録曲では異なった音色の複数の演奏トラックを担った泰輝さんが、自作のこの曲だけは「ピアノ1本」でのレコーディングに拘ったこと。その厳然たる答が、初日のステージにはありました。

これがもし、音符通りに淡々と弾くピアノだったら(それこそ現代は、機械の力でそれらしいリアルなピアノ演奏をも打ち込むことができてしまう時代ですし)ね・・・ジュリーは演奏から響くだけの波動では物足りず、楽曲に入りこむために自ら感情を作らないといけません。もちろん
ジュリーならばそれもできる・・・それはそれで凄いことですしジュリーの才能の証ではあるけれど、鉄人バンドのメンバーが曲を作り、ジュリーが歌詞を載せて歌うということの意味、そこから成る「人曲一体」のジュリーのヴォーカルを、昨年同様に僕は今年も深く心に刻むことになりそうです。
僕は、「ジュリーと一緒に演奏する」とはそういうことだ、と思っています。鉄人バンドの演奏は昨年から・・・いや、ひょっとしたら2010年の『涙色の空』の時点から、その域に達しているのです。

さて、しょあ様から伺ったところによれば、この曲のリード・ギターはCDの左サイドのトラック含め、すべて柴山さんが弾いていたそうです。最後のサビに絡む箇所では下山さんが弾くかも、と予想していたんだけどなぁ・・・。

間奏の柴山さんのリード・ギターが素晴らしいのは当然ですが、ここではGRACE姉さんのドラムスにも注目して欲しいです。泰輝さんのピアノ・アレンジと合わせるように跳ねるキックの音が、心地よく効いていましたよ!

11曲目「
Pray~神の与え賜いし

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僕のような者では思いもしなかった、しかし深慮ある人にとっては至極当然、いざ体感してみれば、「これしかない!」という新譜のLIVE演奏順配置。
「Uncle Donald」に始まり、「Pray~神の与え賜いし」で締めくくったジュリーの感性に、ただただ感動するばかりです。

言葉で表現できないくらい、素晴らしいジュリーのヴォーカルでしたよ・・・。
これからツアー参加なさる方々すべてが、それを体感できるはずです。この曲こそが今ツアー最大の見せ場。正に、ツアー・タイトルにふさわしい!

今ツアーで新曲が歌われるに際して2つのポイントがある、ということだけは、僕にも事前に理解できていました。

まずひとつ目。これはしょあ様がブログに書いていらしたことで、「Pray~神の与え賜いし」の冒頭の、あの厳かなコーラスが始まる前にMCは不要ではないか、ということ。
この点僕はとても共感し、「新譜4曲は休憩明けに歌われるのではないか」と、改めてしょあ様と同じ予想を立てました。

ふたつ目は、悲しみや重さが直接お客さんに響くであろう「Deep Love」に続く曲をどうするのか、ということ。

僕は、いくばくかの歌詞の連動性と、ジュリーとお客さんの気持ちの切り替えに着目して「神々たちよ護れ」を候補に挙げ記事も書きましたが、バラードでの”憑き物落とし”・・・良い意味での「重さ」を洗い流す清らかなナンバーが続くのではないか、という考えも捨て切れず、その場合は「Don't be afraid to LOVE」を予想していました。

ところが、その2つのポイントを同時に、完璧に解決する方法があったのですね。
本当に、これしかない、これこそ!という「Pray~神の与え賜いし」。ジュリーの「真理への純朴な近しさ」には、感銘以外ありません。

1番のコーラスは、下山さん以外の3人だったそうです。稽古、大変だっただろうなぁ・・・。
ただ僕は、下山さんはこの曲でコーラスはやらないと予想はしていました。その代わりアコギを弾くんじゃないか、と・・・。
見事、外れましたね。
外れついでに、僕は以前書いたこの曲の考察記事で、泰輝さんがストリングス系、鉄琴系、オルガンの3種のキーボードを弾いている、と解説してしまったのですが、どうやら鉄琴系の音はGRACE姉さんのビブラフォンだったようです。
考えてみれば、「Pray~神の与え賜いし」はGRACE姉さんの作曲作品なのでしたね・・・。

1番が終わっての間奏部。柴山さんの唸るリード・ギター。泰輝さんの情念のオルガン。
そして・・・不穏で激しいスネア・ドラムのリズムを影で支え、ユニゾンでGRACE姉さんに寄り添うギター・カッティングは、LIVEでは下山さんがしっかりと担っていました。これ、CDでは右サイドの音ですから柴山さんのトラックだと思われますが、さすがにリード・ギターとカッティングを同時に演奏することは不可能。でもこのアレンジは、この曲には絶対に必要なんですよ!そこで下山さんの出番、となったのではないでしょうか。

返す返すも初日、鉄人バンドの演奏の細かい部分が見えなかったのは残念です。
柴山さん、この曲でワウ・ペダル踏んでました?「greenboy」でもワウ系のエフェクトが聴けましたが、2曲の鳴りがまったく違ったんですよ。どちらかが(たぶん「greenboy」の方)
オート・フィルターみたく、ペダル無しのエフェクト設定なんじゃないかと思ったのですが・・・。

12曲目「溢れる涙」

Hello

『歌門来福』以来2度目の体感となります。
マニアックなファンとしても嬉しい選曲でしたね。そしてこれは、今ツアー・セットリストに組み込まれたジュリーの猛暑対策(?)真冬ナンバー・・・その第一矢となる曲です。

改めて生で聴いて・・・クールなアレンジの中にも起伏に富む展開と構成、「やり直す」というキーワードなどから、同じアルバム『HELLO』収録の「YOKOHAMA BAY BLUES」との比較考察意欲をそそるジュリーの歌詞・・・今回のツアーが終わったら是非”セットリストを振り返る”シリーズで採り上げ、その魅力を深く掘り下げてみたい名曲ですね。

「Pray~神の与え賜いし」からは結構すぐにこの曲のイントロへと移行しました。
新曲の後はもう少し余韻を持たすかと思ったけど、これも新譜収録の4曲がこの曲順で披露されたからこそできたことでしょう。「Deep Love」の次に「溢れる涙」だったら、違和感はさほど無いにせよ、「間髪入れず」とはいかなかったんじゃないかな・・・。
この曲にはイントロに2つの山があり(柴山さんと下山さんのツイン・リード部が第2の山)、ジュリーのヴォーカルの出だしまでに粘り強い時間経過を感じさせる構成であることも、新曲の後を受けるには適していたかも。

ただ、先の「Uncle Donald」演奏前のMCで「次は新曲を・・・」と紹介したままここまで自然に流れて来ていますので、ジュリーの言う「一般ピーポー」なみなさまは、この曲も新曲だと思ってしまったかもしれないなぁ・・・。

13曲目「
greenboy

Greenboy
これは2曲目「つづくシアワセ」と同じく、ドーム堕ち組にとっては「ポカン曲」リベンジ・ナンバー。『ジュリー祭り』以来の久々の体感となります。

過去に記事を書いているので一応リンクは貼りましたけど・・・とにかく僕が記事執筆した時点での楽曲考察は浅い・・・浅すぎます(恥)。「Long Good-by」に登場する「きれいな大人」という共通フレーズを発見して喜んでいるという、そんな程度のレベルで書いている状態です。タイガース時代のサリーの言葉とジュリーの思いを、まったく噛み砕けていません。
いや、タイガースのことだけではありません。本当につい最近お話させて頂いたのですが、いつもお世話になっている先輩はこの曲に、1985年独立期の状況と、そこからの20年(「grrenboy」のリリースは2005年)の長い荒波の航海をも重ねて思う、と仰います。

ここでちょっと話が逸れますが・・・みなさまはもうほとんどご存知でしょうか、6月30日付の『日刊ゲンダイ』の記事。
読んだ時は憮然としてしまいました。何、この適当にとってつけたような文章・・・いや、ジュリーの昨年からの創作スタンスを考えれば、「脱原発」のみがクローズアップされるのはまぁ仕方ないとは思います。
でもね、この記事では「脱原発」を切り口にしておきながら、「Fridays Voice」への言及は無し。『Pray』という新作CDを「脱原発メッセージソング集」と括ったのも論外なら、「試しに聴いてみた」という「Pray~神の与え賜いし」について、歌詞の「不公平」を「不幸」と誤記。これは酷いです。
この方・・・歌詞カードもキチンと読んでいなければ、CD1枚通して聴いてすらいませんね。
しかも、「復活」と来ましたよ。
「最近名前を聞かなかったが、今こんな歌を歌っていたとは驚いた」とか、そういうふうに素直に書けば良かったものを・・・。
これでは、記事中でお名前を出された斎藤美奈子さんが気の毒にすら思えてしまいます。

などとプンスカしていましたら、スージー鈴木さんがこの記事を一喝していらっしゃることを、優しき先輩が教えてくださいました。

「沢田研二はもう、あなた方マスコミが浮き沈みを論じる地平にいないのだ。勉強して出直してほしい」

スージーさん、痛烈にして痛快。
さすがは言葉のプロフェッショナル。ジュリーの現在の立ち位置を、こんなにも的確に、男らしい言葉で表現できるとは・・・。
僕は一気に機嫌をなおしてしまいました。

「greenboy」をリリースした2005年、ジュリーには数年後に自分が立っている場所が見えていたのでしょうか。それは僕には分かりません。
でも、今回改めて生で聴いた「greenboy」は本当に力強い名曲でした。今、ジュリーが歌うにふさわしい曲。詞も曲構成も決して分かり易くはないのだけれど、もっと根のところから響いて伝わってくるものがあります。長いファンのみなさまにとってはなおさらでしょう。

「溢れる涙」との繋がりも良かったと思います。みなさまお気づきの通り、新譜4曲から引き続いて、しばらくジュリーの自作詞曲が並ぶセットリスト構成になっているんですよね。

『ジュリー祭り』での演奏とはギターのアプローチを変えてきているな、と感じましたが、なにせ柴山さんの細かい所作がほとんど見えない席・・・音だけの判断では心もとないんです。
今後参加する会場でその辺りも再確認できると良いんだけどなぁ・・・。

14曲目「
若者よ

Namidairo

『秋の大運動会~涙色の空』『BALLAD AND ROCK'N ROLL』『燃えろ東京スワローズ』に続き4度目。「LIVEで結構聴いてる」と感じる曲の仲間入りですかね~。
「お正月から連続になるけど、これは今回もやるかな?」とは考えていました。ツアー中に参院選挙がありますから。
「君たちがボスを選べよ♪」の箇所ではいつも通りに客席を何度か指さしてくれるジュリー。ああいう時ジュリーは、若者っぽい人を見つけてやっているのかな・・・いや、さすがにそこまでは無理か。

初日はちょっとしたアクシデント・・・というほどでもないですけど、柴山さんが間奏ソロに出遅れるシーンがありました。
「ジャラララッ、チャッ、チャ~♪」とキメのバッキングが来ましたがそこで一瞬の空白が。
本当に一瞬でしたが、柴山さんが「いけねっ、俺だ!」と少し慌て気味にサササッとせり出します。でも、途中からCD通りのフレーズに合流することは断念したようで、急遽スケールアドリヴの速弾きで対処していました。聴いている側としては、ちょっと得した気分です。

聞いた話ですと、間奏後にジュリーと柴山さんが目を合わせていたのだそうです。
「珍しいな、カズ!」
「あ、やっぱバレました?」
な~んてテレパシーで会話していたのでしょうか・・・。

この曲のサビは、頭打ちの手拍子のお客さんと、ジュリーに合わせて拳を上げるお客さんと2通りに分かれていますね。みなさまはどちらでしょうか。

15曲目「ROCK'N ROLL MARCH」

Rocknrollmarch

イントロのドラム・ソロで「えっ?!」と思いました。これは全然予想してなかったなぁ。
アルバム『ROCK'N ROLL MARCH』から僕は「神々たちよ護れ」を予想記事に採り上げていましたが、正直自信は無く・・・今回はこのアルバムからは「我が窮状」1曲だけでも仕方ないかな、と思っていたので嬉しいんだけど、それにしても「若者よ」~「ROCK'N ROLL MARCH」の流れはお正月の『燃えろ東京スワローズ』の記憶がまだ強く残っていて、「こんなセットリストの続け方もあるんだなぁ」と、まぁこの時点では呑気にそんなことを考えていました。まさか次に「A・C・B」も来ることになるとはね~。

遠目でよくは見えないんですけど、柴山さん、もう完全にこの曲は「目つぶっても弾ける」くらいの指の感覚になっているのでしょうか。細かい単音を弾く際にもフレットに目を落とさず、ニコニコと正面を見ているシーンが多いんですよね。立ち位置での動きも、この曲が一番激しかったんじゃないかな。

今回のセットリストは「ヒット曲満載」ということが話題になっています。そんな中、「一般ピーポー」のみなさまが「知らない曲」と認識するであろうナンバーの中で、この曲については
「おっ、会場が凄く盛り上がってる。きっとファンの間では定番の曲なんだろうな」
と興味を持ち、見よう見真似で拳振り上げにも参加、帰り際にはアルバムを購入してみる、というそんなスタンスになっているのではないでしょうか。
ジュリーの代表曲であることは、もう間違いないのですからね!

16曲目「A・C・B」

Kitarubeki

この曲は『ジュリー祭り』『歌門来福』『燃えろ東京スワローズ』に続き4度目のツアー体感・・・で合ってるかな?

イントロが始まると、「え、え~っ?!」と思わず脳内で『燃えろ東京スワローズ』の後半セットリスト曲順を必死に思い出そうとするDYNAMITE。え~と、「睡蓮」からロックなナンバーが続いたんだった。「若者よ」「RRM」「ACB」・・・え~っ、まったく同じ進行?!
こんなパターンもあるのか、ジュリー・・・。

『ジュリー祭り』以降ずっとツアーに参加して体感したり、幾多のDVD作品などで勉強する中で、ジュリーは時に過去のツアー・セットリストを踏襲したような選曲をすることがある、ということは分かってきていました。例えば『秋の大運動会~涙色の空』は、『生きてたらシアワセ』のセットリストがベースにあるような感じ。
ただ、同年のお正月、夏からのツアーと連続でこのパターンがあるとは・・・予想だにできませんでしたね。

とまぁビックリはしたんですけど、「A・C・B」を歌ってくれたのは嬉しかったです。
(ちなみにこれはYOKO君にとってのドーム「ポカン曲」リベンジ・ナンバー。お正月に「やったよ」と言ったら相当羨ましがってました)

この「A・C・B」は、ツアー終了後の”セットリストを振り返る”シリーズと、毎年『ジュリー祭り』のセットリストを採り上げることにしている記念日と、両方を兼ねて12月3日に記事のお題としよう、と決めました。
今年の12月3日はほら、特別な日で忙しいじゃないですか。だからとても簡単な記事にはなっちゃうと思うんですけど、せめてザ・タイガースに関連した曲を書きたい、と(『ジュリー祭り』で歌われたタイガース・ナンバーはすべて過去に記事執筆済)。
『音楽倶楽部』2000年のバックナンバーの資料が手元にあり、ジュリーがインタビューで「A・C・B」について語ったりしていますから、その辺りを紹介させて頂く記事になるかと思います。

ということで当然ゴキゲンなヴォーカルと演奏の「A・C・B」でした。
「2013年でも酔っぱらってなかった♪」とジュリーが歌ったように聴こえたのですが、どなたもそんなことは仰っていないので、僕の空耳だったようです・・・。

曲が終わりそうになった頃、「それにしても」と僕は思ったわけです。
「ひょっとして次、あの曲だったりして・・・いや、まさかそこまでは無いよねぇ」
と・・・。


17曲目「愛まで待てない」

Aimadematenai

ここも、「間髪入れず」でしたね。
「うわ、本当にこの曲が来たよ~」
と、正直驚きました。そう、『燃えろ東京スワローズ』後半セットリストとまったく同じ曲順進行が続いたのです。

大宮に無事参加できれば、YOKO君にとってはこれも「ポカン曲」リベンジ・ナンバーになるなぁ。彼は2010年、ジュリワンのみの参加でしたから、この曲は『ジュリー祭り』以来。ビビッドな反応が期待できそうです。

イントロから左右に走り回るジュリーです。立ちっ放しの僕等見ている側ですらこの辺りではもう足が棒のようになっているのですから・・・一体どれだけ元気なんだ、ジュリー。
イントロの最後、ギターのダウン・ピッキング連打が残る箇所でジュリーはちょうど下山さんのすぐ近くで立ち止まり、下山さんに見せつけるように”高速ガブリその場駆け足”を披露!
その激しい動きが感化しましたかね・・・会場のあちらこちらから「きゃ~!!」という悲鳴が。この日、お客さんが一番声を上げたシーンはここでしたね。
ジュリーのガブリ攻めに逢い、つられてテンションが上がったのか・・・ぴょんぴょん跳び始める下山さん。ジュリーが定位置に戻り歌い始めてからも、しばらくの間その場跳びを続けていました。

お約束の「ダーリン・ユ~!」の指差しはちょっと控え目でしたか?お客さんは激しく反応していましたけどね!

さぁ・・・ガンガンに走り回った「愛まで待てない」が終わり、「そろそろバラードが来るだろう」と予測する安易なDYNAMITE。『燃えろ東京スワローズ』方式に当てはめるならば、次は「ヤマト」なのか?そうなのか・・・?

18曲目「
TOKIO

Tokio

・・・という僕の現在進行直前予想は外れ、まだまだ続くジュリー大暴れコーナー。
この「TOKIO」と「気になるお前」の2曲は、ジュリー自身にもステージ・マジックがかかるみたい・・・どんな状況でも、自然にジュリーの身体が動いているように感じます。

柴山さんが「どや顔」でズンズン前にせり出してくるお約束のイントロで、一般ピーポーのハートも沸き立つのでしょうか、「愛まで待てない」のイントロとはまた違った会場の盛り上がり。

ブレイク部のジュリーの動きは・・・みなさまもお話では、太極拳という見解が多いようですね。おそらくそうなのでしょうが、空手の型の練習もあれくらいゆっくりやる場合がありますよ(一応経験者)。
だから僕は「あぁ、ジュリーって空手部だったんだっけ」とか考えながら観ておりました。
そんな動きにお客さんがじっと見入っているのを肌で感じ、ジュリーも思わず熱中してしまったのか、次の歌の出だしにほんの少し遅れてしまいました。

僕は”おいっちに体操”は敢えて2番からの参加。それまでは、会場の隅々でお客さんがどんな動きになっているかを観察します。
前方席はほぼ拳交互突き上げ状態。1階後方は・・・おぉ、こちらもほとんど”おいっちに体操”参加です。
そう言えば、”おいっちに体操”ナンバーは今回のセットリストではこの1曲のみでしたね。

これから周る地方会場の造りによっては、この曲で左右袖の花道ステージにジュリーが進出するシーンがあるかもしれません。次参加となる和光市の会場の構造を調べてみようかな・・・。

19曲目「
君をのせて

Acollection

さて、ここまでジュリーが歌った曲数だけは律儀に数え続けていて、ここで19曲目だということは分かっていました。もう、いつ本割が終わっても不思議ではありません。
ちなみに、全22曲となったのは『燃えろ東京スワローズ』からでした(昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』までは全23曲)ので、今回いきなり全体の曲数が変化することはないだろう、とは思っていました。それでも、この先徐々に減らしていく方針ではあるんでしょうけど・・・。
で、「君をのせて」のイントロが流れた時、「あぁ、これが本割ラストだな」と思いました。ということはアンコールは3曲だろう、と。ですから(後述する)あのジュリーの愉快な小芝居が倍楽しめたんですけどね。

それにしても、ジュリーはいつも「暴れまわった後の」バラードが特に素晴らしい。押し引きが効いているというのか、転換の妙というのか・・・でもこういう時には「したたる汗がそのままバラードを物語る」というジュリーの必殺技にいつもやられてしまいます。いや、僕の席からそこまでは見えなかったんですけどね。今回の「君をのせて」がそういうジュリーであることは分かります。
これは、初めて観たDVD作品『REALLY LOVE YA !!』の「幻の恋」で勉強したこと。

そこでハタと気がつきます。
「そうだ・・・僕はここまで『ジュリー祭り』や『燃えろ東京スワローズ』のセットリストとの関連ばかりに気をとられていた。ここまで1曲たりとも『3月8日の雲~カガヤケイノチ』とは重複曲が無く進んで、この「君をのせて」でやっと1曲重なるんだ」
と。
大都市限定のお正月コンサートとは違い、全国各地を回るツアー。年に一度だけのジュリーLIVEを楽しみにして待つそれぞれの町の人達。
「被災地に祈りを込める」というテーマは変わっていないけれど、昨年とはまた違ったハッピーなセットリスト。そうか、きっとそういうこともジュリーは考えているんだなぁ。
そこで、本割ラストまで来て、昨年とは配置と役割を変えた「君をのせて」が歌われる・・・なんともニクい選曲構成ではありませんか。

変わらないのはジュリーの歌声の素晴らしさと、鉄人バンドの安定した演奏、そしてエンディングの優雅なジュリーのお辞儀です。
昨年も考えたこと・・・ジュリーのソロ・デビュー・シングルにして、最も「歌らしい」歌「君をのせて」。
ここまで1曲目から休むことなく疾走してきたセットリストは、そんな「君をのせて」でひとまず締めくくられるのでした。

~MC~

手を振ってジュリー退場。多くのお客さんと同じく、僕はここまでずっと立ちっ放しでした。
あ、足が痛い・・・。
「トシかなぁ」なんて言ったらジュリーのどやされますけどね。椅子を立てた状態でちょっと座ってしまいました。

アンコールの拍手の中を再登場したジュリーは、ストライプのスーツに着替えていました。もとい、着替えていたのだそうです
(←コラコラ)
毎度のことながら衣装の記憶がまったく無い(汗)。この記念すべきツアー初日に、うっかり「ユニクロと桃屋のコラボ・『ごはんですよTシャツ』で参加してしまうようなオッサンに、詳しい衣装レポートを期待してはいけません。
ただ、MCの内容については、断片的にはなりますが記憶を振り絞って書かせて頂きますよ!

「65歳になって、基礎年金が貰える・・・ちょっとしたお小遣い!」
とのことで、最近お約束の楽しい年齢ネタは今回も。
「このトシになると、ステージで浴びるスポットライトが眩しいのよ」
と、宙から照明が当たる感覚を身体を使って表現してくれて
「・・・なんて贅沢を言ってはいけません。(ライトは)選ばれた人しか浴びられないんですから」

何でも「身体が動けるうちに動ける曲をやっておこう」という思いがあるそうで、なるほど今回のセットリスト、その意味でも納得の選曲ですね。
「でも・・・頭で考えた身体の動きと、それが実際に足に伝わるまでに、ものすごい距離感があるんです」
と嘆いてみせます。
いやいや、今回も素晴らしい動きでしたよ、ジュリー。「若者よ」~「愛まで待てない」のあの躍動感。見ている側としては、ジュリーの言う違和感は一切感じませんよね~。

で、年齢のお話と共に毎回付いてくるのが、体型ネタでございます。
「学校で習いました。人は見てくれではない!」
と強調。これは最近よく話してくれてるなぁ・・・。
その前に
「昔は・・・キレイだったんです!」
と言ったものだから、お客さんは大拍手。
「いや、本当なんです。そういう映像がちゃ~んと残ってますから」
・・・ってことはジュリー、『夜ヒット』のDVDとか、或いは『同棲時代』再放送あたりを自宅で鑑賞してるとか?
ジュリーが自分の昔の映像を観ながら「まぁ、この頃はなぁ・・・」なんてツッコんでいたのは『獅子奮迅』でしたっけ?あんな感じのことが、ジュリーの日常でも実際に行われているのでしょうか。

『探偵~哀しきチェイサー2』が終わってから、しばらくの間「一切歌わず」に過ごしていたそうで、いざ今回のツアーのリハが始まったら、最初は声が出なかったんだそうです。
「遂に来たか・・・喉の寿命が!」
と焦ったのだとか・・・でも
「稽古しているうちに、どうにか出るようになってきまして」
と。
毎回思うのですが、ジュリーの「稽古」って表現がイイですねぇ。きっと、体育会系の少年時代のままの感性なんですよ、この表現は。

そして、ファンにとってもジュリーにとってもお楽しみの話題・・・「ザ・タイガース・再結成への道」コーナー。
定期的にミーティングを重ねているようですよ~。

「みんなトシがトシだから、一度話したことを次に会う時にはすっかり忘れていたりするんで、また一から話さなきゃならなかったり・・・そりゃあ大変ですよ」
と・・・なんだかとても嬉しそうに話すジュリーです。
「(例えば)今回衣装はかつみがやる、って決まってたんだけど、次に会ったらピーあたりが「そうだっけ~?」と」

とは言いつつ、衣装は無事完成したようです。
「値段聞いてビックリ!」
と、指で「1」「5」のゼスチャーを作ってくれました。
「そんなんで出来ちゃうなんて・・・いや、それで出来るならいいですよ。いくらワタシがみんなより余計に生地を使うにしてもね!」

これ・・・「1万5千円」ということで多くの先輩方がお話されていたのですが・・・1万5千円じゃ、一介のサラリーマンである僕のスーツすら作れないですよ。15万円じゃないんですかねぇ・・・。でも、そうするとジュリーの普段の衣装って一体いくらくらいの費用で・・・?
などと考えてしまいますが、まぁ住む世界が違うことですしね。深く検証するのは野暮ってものだし、とにかくトッポ作の衣装を12月3日まで楽しみに待つとしましょう!

その他、タイガース絡みでは面白い話もたくさんあったんですけど・・・最後の最後にジュリーに
「ここだけの話ですよ!」
と言われてしまいましたので・・・残念、書けません。

とにかく、ジュリー自身タイガース再結成の進行が楽しくて仕方ない、ということが伝わってくると同時に、しっかり「みんな、行くよね?」「見にきてね」という思いも重ねて感じました。
「あんなに早く発表してしまって(今年のお正月コンサートですね)、みんなそれから必死に1日1円ずつ貯金して・・・全然足らんがな!」
と笑わせてくれましたが、ジュリー曰く「みなさん、ネカチモ!」(かねもち)だから来てくれるだろう、と。
いえいえ、特に僕などは全然ネカチモではありませんが、何とかやりくりして、仕事も都合をつけて・・・行きますとも!
まさか自分のような後追いファンが恩恵に預かれることになろうとは・・・。本当に、奇跡のようなことなのですからね。

MCの最後には、いつものように鉄人バンドを紹介。
昨年からフルネームにお名前を戻した泰輝さんをジュリーが「タイキ~!」と一度紹介した後、「大山泰輝~!」と呼び直すシーンがありました。

それでは、オマケです!

~アンコール~

20曲目「
あなたへの愛

Royal3

これは、たぶん大宮では興奮したYOKO君にボコられる・・・と思う。
正調アレンジによる「あなたへの愛」。ジュリーwithザ・ワイルドワンズ川口公演後の打上げで、「思い入れの強い曲だけに」ということで「あなたへの愛」はやっぱりあのギター・イントロが身体に浸みこんでいる・・・聴けたのは嬉しかったがアレンジを変えていたのが少し残念、と彼は語っていました。

厳密に言えば僕らドーム堕ち組にとってこの曲は、『ジュリー祭り』『僕達ほとんどいいんじゃあない』に続き3度目の体感。でも今回の「あなたへの愛」は『ジュリー祭り』とも違って新鮮で感動的でした。何が『ジュリー祭り』と違ったのか・・・それはもう、ヴォーカルですよ!

「いつもなら自然に つなぎ合う手と手も♪」
の部分に象徴される、低音部の艶と、卓越したメロディーをそのまま素直に発声される安定のヴォーカル。
最後の転調部の高音で確信しました。「あぁ、今回はキーを下げてるんだな」と。(『ジュリー祭り』はオリジナル音源通りのト長調でした)

オリジナル音源は、転調後の最高音は高い「ソ#」の音。そしてサビ部は「鎖があるなら♪」の「ら」が「シ」の音である以外はすべてオクターブ上の音域になっていて、男声としてはとんでもない高さのメロディーなんですよ。
もちろんジュリーならそのままのキーでも歌うことは可能です。しかし「Fridays Voice」の項で書いたように、今のジュリー・ヴォーカルの魅力は、低音域のピュアな艶と、そこから跳ね上がっていく「ファ#」を最高音設定としたメロディー・・・これが最も真価を発揮する状態だと思うのです。

何人かの長いファンの先輩が「あの頃のジュリーが戻ってきたよう」と感じたと仰る今回の「あなたへの愛」・・・これは移調の効果だと僕は思っています。キーを下げたのは大正解だったのではないでしょうか。

ちなみに僕は絶対音感が無いので、ステージ近くでギター・コードを見ない限り、移調の断言はできません。
今回はジュリーのヴォーカルだけで「キー下げてる?」と思うに留まっていましたが、こういう時に頼りに思っているのが、いつも拝見させて頂いているNasia様のブログ。天性の絶対音感をお持ちらしく、最近のツアー・レポでは「この曲はキー下げてた」といくつか書いてくださっていて、とても勉強になります。
お正月も、「いい風よ吹け」のアルペジオが『ジュリー祭り』と全然鳴りが違っていたので、「キー変えたのかな」と考えていたところ、Nasia様がハッキリと「キー下げてました」と書いてくださっていたので、よ~し!と勇躍、ファイナルで下山さんガン見確認したりしました。

そして、今回も「あなたへの愛」が移調されていることはどうやら間違いないようです。
ただ、それが半音下げの嬰ヘ長調なのか1音下げのヘ長調かは僕にはまだ分かっていません。アレンジ違いの参考例としては、ジュリーwithザ・ワイルドワンズではヘ長調でしたが・・・。
この先の参加会場でステージに近い良席に恵まれることがあったら、その辺りも確認したいところです。

ともあれ、こんなに素晴らしいヴォーカル・テイクが聴けるのであれば、過去の任意の曲でキーを下げることは、僕はどんどんやって欲しいと思っています。
例えば、近いうちに「魅せられた夜」をイ短調で、とか・・・どうでしょうかねぇ。

ジュリーのヴォーカルに聴き惚れ、バンド演奏の細かいところにまで耳が行き届かなかった初日でした。
次は、GRACE姉さんのキックや泰輝さんのホーン・セクションの音色作りにも注意して、オリジナル・アレンジの再現度を確認してきたいと思います。


21曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

「あなたへの愛」の演奏が終わると、何とジュリー、にこやかにお客さんに手を振って退場しようとしました。えっ、アンコールは1曲だけ?
「え~~~っ?!」
と、会場が驚く中、ジュリーが舞台袖手前まで歩を進めた時、鉄人バンドのイントロが。「へっ?」と立ち止まりバンドを振り返るポーズのジュリー。なるほどそういう演出か~!
「しょうがないなぁ」といった感じでステージ中央に戻った瞬間が、ちょうどヴォーカルの出だし部という・・・ある意味これは神技です。

この曲は未だに、『燃えろ東京スワローズ』ファイナルでのハスキーなヴォーカルが強く印象に残っています。やっぱりあれは、あの日一夜限りの声の出し方だったんだね、ジュリー・・・。

この日は「通常モード」の「ヤマトより愛をこめて」。もちろん素晴らしいヴォーカルです。
前曲「あなたへの愛」同様、感情を作らずに「歌」に向かっているなぁ、と思いました。
「Deep Love」から「Pray~神の与え賜いし」に象徴されるように・・・初日は新譜についてもそんなヴォーカルだったと思っていますが、その後の会場ではどうなのでしょうか。

22曲目「
さよならを待たせて

Sur_2

「ヤマトより愛をこめて」は、あの『ジュリーマニア』でも大トリだったイメージもありますし、今回も「これで大団円?」感もそれなりに醸し出されていて、演奏が終わると再び手を振りながら退場しようとするジュリー。と言うか、先程とは違って(僕の見ている位置からだと)、ジュリーの身体が一旦舞台から完全に消えたんですよね~。
僕は「あぁ、今回は全21曲にまで減ったか・・・」とすっかり騙されてしまいました。

が、そこで始まる「さよならを待たせて」のイントロ。
これは渋い!アンコールにバラードが3曲続くというのも新鮮ですし、選曲としても渋い!さらに言うと、ジュリーの「引っ込む」芝居と曲が合ってる!
考えてみれば、「ヤマト~」も合ってると言えなくもないのか・・・「今はさらばと言わせないでくれ」ってね。
さらば、さらばと退場しようとしたはずが、「まだやるんかいな・・・」といったゼスチャーを見せながらステージ中央へと戻ってくるジュリーです。
「さよならを待たせて」・・・ジュリー、どうやらこの曲はかなり好きなんですね。

僕にとっては、『ジュリー祭り』『Pleasure Pleasure』に次いで3度目の体感となります。
また、これは今ツアー・セットリスト、「溢れる涙」に引き続き2曲目の”猛暑対策ナンバー”。これから暑い時期を乗り越えていく中で、ジュリーLIVEがこの真冬の雰囲気のバラードで締めくくられる、というのはとても良さそうですね。

この曲ではジュリーのヴォーカルはもちろんですが、柴山さんのリード・ギターが聴きどころです。見せ場は2回。初日は後方席でしたので音だけ・・・それでも充分楽しめましたが、やっぱりこの曲はギターを弾く時の柴山さんの表情がね~。
で、2009年の『Pleasure Pleasure』渋谷2日目では、そんな柴山さんをガン見していてふと視線を戻したらジュリーと目が合ってしまった、という・・・生涯初の「ジュリーと目が合った(ような錯覚)」瞬間を経験したのがこの曲でした。
みなさまも、チャンスがあったら同じ体験をしてみて!


☆    ☆    ☆

初日からあっという間に10日が経ち・・・もう実際に各地のLIVEを体感なさった方がほとんどかと思いますが・・・みなさまはどうお感じでしたか、今回のセットリスト?
僕は、LIVEから数日が経ってから、自分で色々と考えたり先輩方の歓びの声を聞かせて頂いたりして・・・ようやく「なるほど~!」とその素晴らしさに気づき始めています。

今回のセットリスト・・・いくつか目に見えやすいポイントはある、と思うんですよ。その中のひとつ、「お正月コンサートとの重複」ということに、僕は当初囚われ過ぎていました。
少し考えを進めますと、昨年のツアー『3月8日の雲~カガヤケイノチ』との重複曲は「君をのせて」のたった1曲しかない、と気づかされます。震災をテーマに臨んだ初のツアーが昨年だったとすれば、今年は2年目。去年のツアーを観に来てくれた地方各地の方々に、また会いに行くジュリ-・・・そう考えれば、このセットリストは完璧だと分かります。
昨年「知らない曲ばかりでごめんね~」と話していたことも踏まえ、「今年はヒット曲やるよ!」の気合で、全国ツアーがこれから敢行されるのです。

そして・・・僕はちょっと突飛なことも考えました。
『ビバリー昼ズ』で、「タイガースの再結成が終わったらやることがない。徐々にフェイド・アウトしていく」と語ったジュリー。
僕は言葉の表面だけ安易に捉えて「え~っ、そんな~!」なんて思ってしまったわけですが、さぁその後深く考えた時・・・じゃあ、ジュリーの「やることがない」とはどういう意味だろうか、と。

「歌いたい」という気持ちがなくなる、とは絶対に考えられません。
「やることがない」とは、「世間的に」という意味ではないでしょうかねぇ・・・。いわゆる、「ジュリー=沢田研二=スーパースター」と一般メジャー認知されている世界での「やること」を指しているのではないでしょうか。

だいたい、ジュリーがいくら「フェイドアウトする」と言ったところで、僕らジュリーファンが「そうかぁ、じゃあLIVE行くのもほどほどにするかぁ」なんて考えることはあり得ないわけで、もちろんそれが分からないジュリーではないでしょう。
ジュリーの言う「フェイドアウト」は、「世間から」のフェイドアウトですよ、きっと。残された時間は、ついてきてくれる濃密なファンに向けて「歌いたい歌だけを歌っていく」悠々自適、素敵過ぎるジジー・ライフ・・・つまり

「ヒット曲満載のセットリストは、今年で終わり!」

どうでしょうか、この考え方?
まぁ、僕の考えることなんて、ジュリーの神慮の足元にも及びませんから、全然見当外れなのかもしれませんが・・・。

いずれにせよ、年末のザ・タイガース再結成含め、「これがジュリーだ!」というセットリストでのツアーが、冬まで続きます。
暑い真夏を乗り越え、なんとかジュリーについていきたいものです。僕の場合はまず健康でいられること、それが特に大きな課題です。
もう既に夏バテが始まっていますからね・・・情けない。

次回参加の和光市公演から、本館にレポートを書かせて頂きます。こちらside-Bは、ザ・タイガース再結成初日のステージ・武道館公演までしばしのお別れとなります。

ネチネチと少しづつ書き足していくいつものスタイルに今回もおつき合いくださいまして、ありがとうございました。
年末のザ・タイガースの時も、是非またこちらにお越しくださいませ~。

20130628

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2013年6月27日 (木)

『Pray』ツアー、いよいよ開幕!

お正月以来、ご無沙汰のside-Bへようこそ~。

いよいよ始まります。
新譜タイトル『Pray』を掲げての、2013年ジュリー・ツアー。

『Pray』というフレーズに込められたジュリーの思いをファンは知っています。
その一方で、「沢田研二は昔好きだったから知っているけど」というお客さんや、「まったく初めて」という若者も、ツアー各地で参加なさるでしょう。
新譜のことを知らずに会場を訪れたお客さんも、「今ジュリーはこういう曲を歌っているのか~!」と、伝わる、響く・・・そんなツアーになるのではないでしょうか。

例えば。
もうご存知のかたも多いでしょうけど、ツアー開幕を目前にしたこのタイミングで、『東京新聞』(我が家でとっている新聞です)6月26日付のコラムにて、斎藤美奈子さんがこんなことを書いていらっしゃいます。

20130626

さらに、この記事を受けて早速同日のお昼、吉田照美さんの『飛べサルバドール』というラジオ番組で、吉田さんが「今朝の『東京新聞』での斎藤さんからのリクエスト」という形で「Fridays Voice」をかけてくれたのだそうです。

で、ちょっと気になったものですから、夕方に拙ブログ本館のアクセス解析(ブログを読んでくださった方が、どんな検索フレーズで僕の記事をヒットなさったのか、ということが分かります)をしてみたんです。
すると

130626_02

「Fridays Voice」の情報を求めていらした方がこんなに!
検索フレーズから考えて、常連さんでないことは明らかなんです。おそらく、斎藤さんのコラムや吉田さんのラジオで初めてこの曲の存在を知った方が、詳しくその内容を調べようとなさっているのですね。
僕の記事がお役に立てていれば良いのですが・・・。

(え~と、「DYNAMITE 脳内にローラースケートをはいた少年」のフレーズでお越しのかたは、今回のセトリで「素肌に星を散りばめて」をご希望、ということでよろしいでしょうか・・・)

このように、ファン以外はまだまだ、沢田研二という歌手が今どんな曲を歌っているのか全く知らない人が本当に多いと思われるのです。
当然、今回のツアーで初めて新譜の4曲を知る人もたくさんいるのでしょうね。

ですから、そんな方々への「つかみ」として、セットリストが「誰もが知る」大ヒット曲をある程度散りばめた構成になることは、僕はとても良いと思いますし、おそらくそうなるでしょう。
昨年のツアーMCでジュリーが「来年はやります」と具体的にタイトルを挙げた「勝手にしやがれ」「TOKIO」の2曲は、お正月に引き続いてになるけれど、今回も歌われるのではないかと予想します。
また、本館での予想記事として書いた「あなたに今夜はワインをふりかけ」「酒場でDABADA」をはじめ、最近ご無沙汰のヒット曲にも大いに期待したいところ。

あとは、ヒット曲や新曲以外にどんな曲が選ばれるのか・・・みなさまそれぞれに、想いを馳せる曲があるのでしょうね。

年末のザ・タイガース再結成へのジュリーの中での繋がりを考えると、僕は「greenboy」「ブルーバード ブルーバード」を歌ってくれるような気がするなぁ~。
手拍子系だと、毎回心の準備ををしている「Good good day」も聴きたいし、「単純な永遠」もそろそろまた歌うかな?
バラードだと「Don't be afraid to LOVE」。あとは「雨だれの挽歌」の可能性も。
「リハ開始!」の情報以後、本館ブログの記事アクセスで不審な動きをしているのは、「NAPOLITAIN」「グッバイ・マリア」「忘却の天才」といったところだけど、さすがにそれは関係無いかなぁ・・・。

曲を挙げていけばキリが無いのでこの辺にとどめますが・・・とにかく「楽しみ!」のひと言です。

こちらside-Bでは、『Pray』ツアー初日、東京国際フォーラム公演のLIVEレポートを書かせて頂きます。
またまた更新途中のupでネチネチと書き進めていくことになりますが、その最初のupまでには数日かかるかと思いますので、それまでの間、みなさまの初日、続く他会場参加のご感想など、当記事コメント欄にてお待ちしております。

今ツアーも張り切ってまいりましょう。
早々にツアーに参加なさった方、参加に先立ってネタバレしたい方も、みなさまよろしくお願い申しあげます!

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