(2014)三年想いよ

2014年7月23日 (水)

2014.7.13渋谷公会堂 沢田研二『三年想いよ』セットリスト&完全レポ

ネチネチと加筆を重ね、ようやく書き終わりました。
例によりまして、更新日を執筆完了日の本日、7月23日に移行させて頂きました。
毎度のことながら、みなさまには長々とおつき合い頂きまして恐縮です。ありがとうございます!

☆    ☆   ☆

絶賛ギックリ腰発症中で、13日はどうなることかと怯えていた僕ですが・・・『三年想いよ』ツアー初日、渋谷公演に無事参加してまいりました~!

いや~紙一重でした。
今にも降りだしそうな空も心配しながら、腰をかばってヨタヨタと歩幅狭く歩いた渋谷センター街は、何か近くでイベントでもあったのか浴衣姿の若者が多く、いつにも増して大混雑。
それでも何とか食事を済ませ会場に辿り着き、畏れ多いことながらお会いした先輩方には悉く「大丈夫ですか?」とか「お辞儀なんてしなくていいですよ!」とか(遊様、恐縮です)気遣って頂きながら、ありがたくツアー初日のジュリーwith鉄人バンドの歌と演奏を身体いっぱい、胸いっぱいに浴びてきましたよ!

席が2階後方だったこと、あとはやっぱりギックリ腰のこともあって、僕はこの日、いつものジュリーLIVEとは違う鑑賞スタイルを試みたのでした。
”おいっちに体操”は絶対に我慢、それ以外も身体はなるべく動かさないように。その代わり、ジュリーLIVEでは初めて双眼鏡を持参しまして、センスの無い僕としては柄でもないんですけど、たまにはじっくりと衣装チェックとかもしてみようかな~、と。
もちろんジュリーの表情や鉄人バンドの細かい演奏は、ポイントごとにガン見するつもりで。

結果・・・メチャクチャ新鮮だった!
なるほど・・・2階後方席って、こうやって楽しむ方法もアリだったのか~
(←今さら)
このスタイル、今後病みつきになりそうです。

さすがにずっと立っているのは辛く、バラードやMC時には着席しましたが、腰はなんとか最後まで持ちこたえてくれました。何より、CD収録順とは変わり新曲4曲の中ではトリとなったツアー・タイトルチューン「三年想いよ」エンディングでの、被災地の方々の「必死さ」を思わせるジュリーの表情と身体表現を目の当たりにして・・・「たかだか僕のギックリ腰の苦しみなど、一体どれほどのことだと言うんだ!」との思いが強くなりました。
今回の「三年想いよ」のエンディングは、これまで観てきたLIVEでの様々なジュリーの表現の中で、僕にとっては断トツに強烈な印象を残し、考えさせられ、打ちのめされたワンシーンとなったのでした。

ジュリーは何故、こうまでして歌うのか?
明快な説明はできません。ただ、この日のMCで、2つの象徴的な言葉がありました。

アンコール前のMCでは
「この歳になって、また歌うことが好きになった」
と。
嬉しい言葉です。そんなことを参加したLIVEで言ってもらえて、ファン冥利に尽きます。

また、最初の3曲を歌った後の短いMCでは
「危なっかしいこんな世の中だから、(自分は)ちゃんと歌わなければいけない」
・・・これは、「(ツアー初日までの)長い春眠期間を過ごすうち、もうこのままやめちゃってもいいかな、とも思った」と冗談めかして言った直後に「いや」と続け、一転してジュリーの持つあの凄まじい「気」を込めて放たれた言葉でした。

涙が出てくる。
これがジュリーだよ・・・これこそ僕が心底惚れたシンガー、ジュリーだ、と思いました。
世間メディアは、沢田研二があんなこと言った、こんなこと言ったと言葉を切り取って騒いでいるけど(心ない報道もあったようですね)、ジュリーのこの「ちゃんと歌わなければ」という言葉こそが、歌い手として、人としての本道ですから。本道のド真ん中を歩いている人の言葉ですから!

セットリストは「さすが!」と唸ると同時に「やっぱりジュリーは1年単位で歌う曲を決めているのかな」と。多くのみなさまが予想された通り、昨年同様にお正月のセトリからスライドされたナンバーが多かったですね。
直前に予想記事を書いた4曲の中で、「ダーリング」1曲だけは当たりましたが・・・これは「当たった」うちには入らないかな~。従来通り、「予想大ハズレにして大納得」のセットリストだったと言えそうです。

何より嬉しかったのは、全24曲構成の復活です。
『ジュリー祭り』は特殊として、僕は通常のツアー参加は『奇跡元年』から。その後『PLEASURE PLEASURE』『歌門来福』と参加し、「ジュリーは通常のツアーではセットリストを24曲と決めているんだな」と思い込みました。
ところが『秋の大運動会~涙色の空』で23曲、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』で22曲と全体の曲数が徐々に減っていき、今年のお正月は遂に全19曲となりました。もちろんそれらのステージはすべて素晴らしく、不満などはありません。「年齢と共に演奏曲が減っていくのは必然」と思うようになってきました。今回の『三年想いよ』ツアーも、曲数としては最大で20曲だろうと予想していました。
ところが蓋をあけてみれば、新曲4曲、大ヒット曲、ファンにはお馴染みの定番曲、ジュリーがメッセージを託した選曲・・・盛りだくさんだったセットリストは、全開・全力の計24曲。
ジュリー66歳、凄過ぎる!

この曲数を「今後も当然」と考えてはいけません。今はただ、ジュリーへの感謝があるのみです。
でも今にして考えると、『ひとりぼっちのバラード』のセットリストが19曲にまで減ったのは、タイガース・ツアーの直後という準備期間の短さが理由としてあったのかもしれませんね。長いジュリーファンの先輩方は、そうしたジュリーの曲数変遷の呼吸もすべて分かっていらしたのかな?

今年も始まった全国ツアー。
その初日に無事参加できたことに感謝し、僕はいつものように全力でレポを書きます。
時計を7月13日午後6時30分に戻しましょう。

ブザーが鳴り、しばらくしていよいよ場内の照明が落とされました。
暗がりの中、大きな拍手と共にまずは4つの影・・・鉄人バンドの入場。ひと呼吸置いてドラムセットの後ろに5人目の影を捉えたお客さんの拍手はさらに大きく、会場の熱気が高まります。
ツアー初日開演直前のこの独特の雰囲気・・・何度体験しても、素晴らしく幸せな瞬間ですね~。

今ツアーの1曲目は、イントロと同時にジュリーが駆け込んでくるパターンではなく、最初からジュリーがセンターにスタンバイしてのスタートとなりました。
さぁ、何が来る?

開演!

1曲目「そのキスが欲しい」

Reallyloveya

冒頭の「そのキスが欲しい♪」S.E.1発でいきなり総立ちになる渋谷のお客さん。
ギックリ腰をかかえて参加の僕としては、心の何処かでお正月のセットリストのような”前半バラードづくし、後半ノリノリ”な構成を期待していなくもなかったのですが、この曲が来たらそりゃあ先輩のみなさまに負けじと、コンマ1秒で反射的に立ちますよ!
イントロは、もうファンの間では頭拍連打の手拍子と決まっています。歌が始まったらノーマルの2・4拍打ちへと切り替えるのがポイント。

ただ、みなさまと一緒に飛び跳ねたいのを今回はグッと堪え、さてさて初の双眼鏡ジュリー観察タイムへ。
すると・・・

近っ!(笑)

なるほど、今まで周囲のお客さんは遠くの席からでもこんなふうに楽しんでいらしたのですね。

衣装は、青い海の波模様・・・なのかな。スーツなんだけど、ジュリーが激しく動き回っていると、一瞬上下の境目がよく分からなくなる(青と白の柄が身体全体を包んでいる感じ)時もあって、ツナギみたいに見えるなぁ、と。たぶん、スーツの下の同じような柄のシャツをパンツにインしていたから、そんなふうに見えたんじゃないかな。
それでね・・・正直に言っていいですか?


ジュリー、丸くてカワイイ!


と思いました。
終演後カミさん曰く、1着目の衣装は「青い地球って感じ!」だそうですが・・・ならば僕はこう言おう。
「地球は丸かった・・・」
と。
いや、これは悪口ではありませんよ。本当にジュリーらしい「カワイイ”丸かった”」なのですから。

ちなみに着替えて登場したアンコール以降の2着目の衣装は、一転してメチャクチャ体型がスマートに見えましたからね。まぁそちらについてはまた後ほど。

髪はそんなに伸びていなくて、程よい長さだったのでは。後のMCで曰く「年とると髪の毛もなかなか伸びない!ホントですよ~」(「ホントですよ~」は「す」にアクセントで脳内再生してくださいませ)だそうです。
で、その程よい長さの髪にダーク・グレイの帽子が絶妙のバランスです。いやぁ、先輩方にとっては今さらな感想なのでしょうが、ジュリーの帽子ルックは良いですね!
2着目も帽子アリのスタイルだったんですが、そちらは最高にカッコ良かった。対して1着目は(良い意味で)ユーモラスに見えた僕でしたが、みなさまの印象はいかがでしたか?

ヴォーカルは「伸び」「艶」という点では「1曲目から全開」ではありませんでしたが、アップテンポの曲想らしくキレッキレで叩き込んでくる感じです。
「キレイだ~♪」からのリード・ギター・ソロでは早速下山さんがステージ前方にせり出してきました。この日の下山さん、最初から最後までメチャクチャ気合入ってて、とにかく充実していましたよ。
でもこの曲では最初から最後までほとんどジュリー観てたなぁ・・・。なにせ、初体験の双眼鏡距離のジュリーがとにかく新鮮でして(汗)。

最後のキメポーズもピタリと決まりました。
この曲は何度聴いても血が沸き立ちますね。後追いファンの僕にとっては、いつまでも「あの『ジュリー祭り』伝説の1曲目」というイメージがあって、ヒヨッコなりにとても思い入れのあるナンバーです。

2曲目「
彼女はデリケート

Gsiloveyou

矢継ぎ早にこれ!もちろんイントロでは柴山さんも、”恒例・その場駆け足”を炸裂させます。

個人的には、今回の1着目衣装での「キュートなジュリー」はこの曲のサビに極まれり!でした。
サビでは、お客さんはいつもこの曲でやるように拳をグルグルと振り上げるのですが、ジュリー本人はと言うと、「She's so delicate♪」とシャウト気味に歌いながら、横を向いて小刻みに身体を動かしながら小動物のようにチョコチョコと、少しずつステージを右から左、左から右と何度も横断するのです。
僕はこの動き、初めて観た・・・と思う。まるでハムスターみたいな感じ!

天を裂くシャウト、「make me down♪」で駆けながらの腕のアクションも健在。最後の「デリケイ!」もバッチリのタイミングで腕を突き上げたジュリーでした。

で、歌い終わってから更なる見せ場が。
この曲、CDだとヴォーカルに大量のディレイがかかってて(それが更にミックスでPANを振られてネオ・モッズ風の仕上がりになってる)、「デリケイ!」のリピートが残るじゃないですか。
何とジュリー、”一人ディレイ”でそれを再現。
「デリケイ!」
「デリケイ!」
と叫べばそこはもう、渋谷に駆けつけているのはほとんどが百戦錬磨のジュリーファンのお姉さま方ですからね。やるべき事は逃しません。あっという間に”ジュリーとお客さんとのかけ合いディレイ”コーナーになってしまいましたよ~。
ジュリーの「デリケイ!」にお客さんが「デリケイ!」で応えると、さらにジュリーが「デリケイ!」。
このかけ合いがしばし続いて、最後の最後にジュリーが「気をつけ」の体制で顔を上げてひとこと。
「息が整いました・・・」

3曲目「
鼓動

Iikazeyofuke

冒頭のドラム・フィルだけでそれと分かる名曲。やはりお正月セットリストからは”みなさまにも多少は耳馴染みのあるシット曲”だけでなく、ファン垂涎の隠れた名曲達のスライドもあるんだね~。
個人的に「鼓動」はお正月での体感をきっかけに「好き」度が急上昇した曲のひとつでもあったので、嬉しかったです。いきなりアップテンポのロック・ナンバー2曲が続いた後の3曲目、という配置も良かった。

声はこの時点ではちょっと手探り感もあったかな。1曲目として採り上げられたお正月ではいきなり全開でしたが、エンディングの「Oh~♪」のロングトーンなど、この日は少しかすれ気味。でも気持ちはビンビンに感じましたよね。ジュリーの「伝えよう♪」という意志、「歌う」ことへの感謝と、楽曲へのリスペクト。
あと、この曲を筆頭に、この日は柴山さんのシールドを整えるローディーさんが大忙しでした。

で、歌い終わったジュリー。
にこやかにお客さんに向かって「バイバイ」と手を振りながら、袖に引っ込んでしまいました。
「え~~~っ?!」
というお客さんの声に合わせるように、ジュリーは「してやったり」のおすまし顔で再登場。やられた~!

~MC~

「主治医に、あんまり疲れることはするな、と言われているんですよ~(笑)。3曲も歌えば充分やろ」
と言った後

うっそぴょ~ん♪

と来たもんですよ。このハイテンションなおフザケっぷりには、百戦錬磨のお姉さま方もさすがに意表を突かれ、笑うと言うより悶えていらした・・・ように感じましたがいかが?

で、これは多くのメディアが採り上げていますが
「声高には言いませんが・・・アッカン安倍~!」
と。
そのフレーズ自体は親父ギャグのように捉えられがちで、その点一般世間ではずいぶん騒ぎ立てている状況もあるようですが、ジュリーのような人がこうして名指しでもって「ひとことで切り捨てる」というのはね・・・よほど腹に据えかねているのだと思います。

続く
「でも、麻布十番の『あべちゃん』は大好きです!何を言ってるのか、分かる人にしか分からないか~」
との言葉には、近くの2人連れの男性のお客さんが大爆笑していました。知ってるお店だったのでしょうね。

「長い春眠の後、久々の仕事です」と。
『悪名』のお話や、『ビバリー昼ズ』のお話。『ビバリー昼ズ』については後のMCでも触れてくれました。「高田文夫さんとは、同じ誕生日というご縁で、年1回やらせて頂いています」ということだったんですが、この日会場に高田さんがいらっしゃっていたようですね。打ち上げでご一緒した沼津のJ先輩は、席が高田さんのすぐ近くだったのだそうです。

「札幌で『悪名』が終わって、長く休んでいる間に、このままやめてしまってもいいかな、と思ったりしましてね・・・。どうせ世間には知られていないんだし」
と冗談っぽく言った後に表情を変えて
「いや、こんな危なっかしい世の中だからこそ、ちゃんと歌わないといけない!」

男だなぁ。シビレるなぁ・・・最高の頑固親父ですよ。

「この日(全国ツアー初日)を心待ちにしてくれた方々、ありがとうございます」
みたいなことも言ってくれましたよね。
〆は今回も「鉄人バンドと共に張り切って」と・・・高らかな意志表示、頑固親父宣言の最初のMCでした。

4曲目「
a・b・c...i love you

Sinpurunaeienn

ジュリー・ツアーに久々の”エロック”降臨!
僕がこの曲を生で体感するのは2008年『ジュリー祭り』、2011年お正月の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』に続いて3度目ですが、随分長い間聴いていなかったような感覚があって、これまた嬉しい選曲でした。

激しく動き回りバシンバシンと刺激的なフレーズを連続シャウトするジュリー。ふと気がつくと右手首に黄色いリストバンドが。ちなみに僕はいつものように左手首につけて参加していました。

この曲で初めて、鉄人バンドのメンバーを双眼鏡でガン見。泰輝さんの”神の両手”は、シャキシャキしたシンセ・ブラスが右手で、左手は16ビートの低音かな。
力強いアタックとキメ細かいリズムに加え、コーラスでも大活躍のGRACE姉さん。
ギターは、柴山さんが2、4拍に切り込む重厚なディストーション・カッティング、下山さんが16分音符の細かいオブリガートという分担です。
この曲含め、吉田建さんプロデュースのEMI期ジュリー・ナンバーは演奏難易度の高い曲が多いですが、常に果敢にして大磐石の鉄人バンド・・・素晴らしい!

「アイ・ラ~ビュ!」のキメのフレーズでは、お客さんが揃ってジュリーに求愛アクション。この曲では恒例のその光景・・・2階後方から会場全体を見下ろすと、壮観・絶景でございました。

5曲目「海に向けて」

Rocknrollmarch

この日はお留守番組の地方のJ先輩お三方に
「終わったらセトリ速報よろしく~」
とのご依頼を承っておりまして、僕は曲順とか覚えるのは得意な方ですから、終演後ババ~ッと思い出してタイトル羅列したメールを差し上げました。
みなさんすぐに大興奮の返信をくださった中で、お一人の先輩が「海に向けて」と「追憶」には特別な意図があるのかなぁ、と付記しておられて・・・僕は一瞬「はて?」と思ってしまいました。

しばらくして、2つのことを思いました。

まずは、「あぁ、加瀬さんの曲だ」と。
「追憶」については”シット曲”の括りで考えられますが、確かに「海に向けて」は意表を突かれた選曲ではあります。イントロのあのギターで僕も「おおっ、これが来たか!」と思いましたしね。
現在、ワイルドワンズの公演もお休みして療養中と伝えられている加瀬さん。詳しいことは分かりませんが、ジュリーはお見舞いにも行ったでしょうし、いつも気にかけているでしょう。
「今回は観にいけなくてゴメンな」と言う加瀬さんの気持ちに応えたエールとして、ジュリーは「海に向けて」を採り上げたのかもしれません。
ジュリー還暦の年に、加瀬さんとジュリーが特別な思いを込めてリリースしたバラード。歌詞の内容・・・具体的なことは僕は全然分からないんですけど、加瀬さんとジュリー2人の間で共有する色々な思いや出来事、記憶が込められた曲なんだろうなぁ、とは思えます。
ジュリーファンも皆、加瀬さんが元気に復帰しあの笑顔を見せてくれることを心待ちにしています!

もうひとつは、「海」がキーワードという捉え方。これは、「何故ジュリーの歌を聴いている時に気づけなかったのか」と、今とても恥じているところなんですけどね・・・。
歌詞の内容について何の意図もなくジュリーがこの曲を採り上げたとは思えません。「海に向けた」鎮魂歌・・・そう考えると「恨まないよ」のような直接被災地へと響く歌詞ではないけれど、「海に向けて」に、僕のような非・被災者では想像もつかないような具体的な記憶と、ジュリーからのメッセージを受け止める方々が、今ツアーでは多くいらっしゃるのかもしれません。
8曲目「そっとくちづけを」と併せて、今回東北4箇所の公演に向かうジュリーが考えに考えて選んだ、「被災地に寄り添う」セットリストの重要な1曲ではないか・・・そう感じています。

ただ、そんなふうに思えたのはすべて終演後のこと。
「海に向けて」はポップ職人の加瀬さんらしい、肩肘張らない朴訥なバラード。ジュリーもとても自然に、なめらかに歌っています。僕にとって、この先参加する各会場では、さらなる感動がある曲でしょう。
次の大宮では、ジュリーの歌も鉄人バンドの演奏も、初日とは全然違って聴こえるかもしれないなぁ・・・。

この特殊なアレンジの曲でGRACE姉さんがどんなふうに演奏しているのか、というのもこの日は見逃してしまいました。『ジュリー祭り』や『僕たちほとんどいいんじゃあない』のDVDで復習しつつ、大宮に備えます!

6曲目「
憎みきれないろくでなし

Omoikirikiza

イントロで「お~~~っ!」という歓声。
これは嬉しかった!直前に、『ジュリー祭り』以来久々となる大ヒット曲が歌われるとすれば何があるかな~、とは考えていて、「許されない愛」「恋は邪魔もの」「晴れのちBLUE BOY」などを1つ前の記事に記していたけど、大々好きな曲なのに何故か記憶のエアポケットに入っていて思いつけていなかった曲。「そうだ、これがあった、やった~!」と、脳内絶叫でしたよ。

お客さんみんな、ジュリーと一緒に掌アクションから指グリグリまで揃ってやっています。そう言えば、『ジュリー祭り』でお隣だったお姉さんが「グリグリ~」とやっていらっしゃるのを見て、「へぇ~、さすがだなぁ」と思ったっけなぁ。懐かしい。
と、いうくらい「超久々!」に感じたわけです。

ジュリー、オリジナルとは歌い方が微妙に違って、「憎みきれない~♪」ではなく「憎みきれな~ぃ♪」と発音していましたよね。これはいつ頃から?
曲想もそうですが、メロディーのこの粘っこい感じが、今のジュリーの声と風貌にふさわしいではありませんか。

あと、今回のセットリストで柴山さんが最も目立った真紅に染まるのは何とこの曲でした。もちろん身体を縦横にグラインドさせながらの熱演です。
泰輝さんのシンセ・ブラス、GRACE姉さんのキュートにしてセクシーなコーラス、下山さんの仁王立ち単音バッキングなど鉄人バンドの見せ場も多く、今後の各会場のさらなる盛り上がりが目に浮かぶようですね~。

7曲目「追憶」

Julie8

これは「憎みきれないろくでなし」以上に、イントロのお客さんの歓声が凄かったですね。「待ってた!」という気持ちを抑えきれなかったファンが多かったのでしょう。

演奏後の拍手をしながら、カミさんが「(「追憶」を)生で聴いたことあった?」と聞くので、「ドームで」と。
いや、厳密にはジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアーでも聴いていますが、あの時はヴァージョンが全く違いましたから。今回は”『ジュリー祭り』以来の「追憶」”と言っても良いんじゃないかな。

実は僕は『ジュリー祭り』参加の頃はこの「追憶」というヒットチューンや、アルバム『JEWEL JULIE』はジュリー作品としてさほど大きな存在とは感じていませんでした。それが何故だったのか自分でもサッパリ分からないんですけど、今ではもう大好き。
先輩方にお借りして色々なジュリーの雑誌資料などを読んでいると、1974年はいよいよジュリーを「音楽的に評価しよう」とする世間の動きが大きくなってきた頃だったんだなぁと感じます。レコーディングの様子を掘り下げてくれている記事があったり。世界戦略に乗り出した年、というのも関係しているのかもしれませんね。

で、それらの資料で僕が把握した事実として、「追憶」はじめほとんどの当時のジュリー・ナンバーが「曲先」の作業だった、ということがあるのです。まず加瀬さんが良い曲を作り、「これで行こう!」と決定してから安井かずみさんが加瀬さん、井上バンドともどもスタジオ入りし、そこで歌詞とアレンジを煮詰めていく、というのが基本の流れなのですね。
「追憶」が曲先って、僕はとんでもなく凄いと思う・・・今回生でジュリーの歌声を聴いて改めて、こんなに自由で瑞々しい言葉の繋がりが、文字数の制約の下で作られたとは、想像を絶する世界だと思いました。
加瀬さんも井上バンドもそうだけど、若きジュリーがその歌手としての才能を開花させていく過程で、常に物凄い才能が周りにいて、その才能ある人達が皆「ジュリーのためなら」という気持ちを持っていて、その中であの歌声は育まれていったんだなぁと。

「追憶」を歌うジュリーは美しいです。リリース当時はもちろんですが、今もですよ!このツアー初日のジュリーもとても美しかった。後追いファンの僕にフィルターなんてありません。見たまま、感じたままでそう思うのです。
今にも右手の袖口から鳩が飛び出しそう・・・そんな思いでジュリーから目を離せないでいたお客さんはたくさんいらしたはず。僕もこの日、すっかりジュリーばかりを双眼鏡でガン見してしまいました。

大宮では、鉄人バンドも見なければ・・・。
特にこの曲はGRACE姉さんですね。イントロに登場する轟くタムや、静かなAメロの影で絶妙の緊張感を保つあのハイハットを、どんなふうに打っているのか。
始まったばかりの全国ツアー、「追憶」も先々の参加会場での楽しみが多い曲のひとつです。

8曲目「
そっとくちづけを

Ikitetarasiawase

胸を切り刻むような柴山さんのアルペジオ・イントロが始まると、会場は静まりかえりました。
この曲もお正月の『ひとりぼっちのバラード』セットリストからのスライド。しかし、曲に込められたジュリーの思いは不変でも、お正月と今回とでは、二次的な状況は全然違うと思います。
この曲を「東北で歌おう」と決めたんだね・・・ジュリー。

僕がブログで「そっとくちづけを」の考察記事を書いたのは、2012年。『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーのセットリスト予想曲として採り上げたのでした。
予想は外れ、その時思いました。「そうだよなぁ・・・こんな悲しい、被災地の方々にとっては特に、あまりにも身につまされる曲を歌うのは、さすがに無理だよね・・・」と。
では今年・・・3年経ったからもう歌っても大丈夫、とか、そういうことではないんだと、この初日に「そっとくちづけを」のイントロが始まった時思ったんですよね。

「神様お願い。あの人を返してよ」

大丈夫なんだろうか。
被災地の方々の心が痛むんじゃないだろうか。僕らはそれを直視できるのだろうか。
いや。
何という歌声だ・・・ハッキリと、ジュリーの声が変わった!と思いました。
この日、前曲「追憶」までは、ジュリーの喉の調子は絶好調時には及んでいない、と僕は感じていました。この先のツアー、各地のステージを重ねてどんどん良くなっていくんだろうな、と。
ところが、「そっとくちづけを」でいきなり、あのジュリーの全身全霊の素晴らしいヴォーカルが解き放たれました。「突如降りてきた」と言ってもよいでしょう。

凄い。凄すぎます。よく「心を込めて歌う」という言葉を耳にするけれど、こんな歌声はそうそう聴くことはできません。それはもう、ジュリーの気持ちが声に乗り移っている、としか説明できないほどのヴォーカルでした。

実は、腰がしんどくなってきた僕はこの曲のイントロで着席しました。前のお客さんはスタンディングのままでしたから、ステージの様子はまったく見えなくなりました。
でも、そのぶんジュリーの歌声だけに集中することができた、とも言えます。
大丈夫だ、ジュリーの気持ちは東北の会場に駆けつけたお客さんにしっかり届く、と思えました。

次の大宮で、今度はこの歌声を放つジュリーの姿もしっかり見たいです。
もちろん鉄人バンドの姿も。イントロですぐに着席してしまったので、柴山さんのギターもこの目で確認できていないんですよ。やっぱりレスポール・ジュニア(TVイエロー?)だったのかなぁ。
まぁその点は大宮まで待たずとも、近いうちにしょあ様がブログで書いてくださるでしょう!

(後註:すぐにご連絡くださいました。今回柴山さんが使用したのは「基本SG、たまにジャズマスター」の2本だったそうで、この「そっとくちづけを」もお正月とは変わってSGでの演奏だったようです)

9曲目「我が窮状」

Rocknrollmarch_2

僕が初日に参加してセットリストを覚える時のコツとして、ランダムに3曲ほどを曲順を結びつけてしっかり記憶する、というのがあります。毎回、曲数は律儀にカウントしている中で、「この曲が何曲目」というポイントを作って覚え込んでおくと、後から前後のセットリストの繋がりを思い出しやすいんですよね。
この日最初のポイントは、自分で探して決めなくても自然に訪れました。「9曲目=我が窮状」です。
当然、ジュリーの意図があっての曲順配置でしょう。

「そっとくちづけを」に続いて着席だった僕は、ジュリーの表情などステージの様子は見ていません。ただ、歌に、音に集中しました。ジュリーの歌と、泰輝さんのピアノと、鉄人バンドのコーラス・・・聴こえてくる音はそれだけなんだから、全力で集中しよう、と。
しかし、感動的な「音」はそれだけではなかったのです。

ジュリーが1番を歌い終わると、それまで静まりかえっていた会場を大きな拍手が包みました。
「我が窮状」では過去のツアーでも、1番の後にお客さんの拍手は起こっていました。でも、この日のそれはこれまでとは全く違いましたね。熱狂的な、心の底からの拍手。明らかに、ジュリーの志に呼応した拍手でした。
同じ拍手は、2番の歌メロが並行移調の「Am」に着地してから始まる泰輝さん渾身の間奏部でも起こりました。なんだか、とても勇気が沸いてくる瞬間でした。

今この国で、一人一人が黙っていて良いわけないんですよね。いくらなんでも、あんな決め方は無い。
もちろん、無関心な人もいます。「どっちにしろ、自分には何も降りかからない」と思ってしまっている人も。
そうではない。
だから、「関心はあるのに、声を発しないでいる人」(=「声無き声を持っている人」)に対して、まずジュリーは訴えたかった・・・それが2008年にジュリーが「我が窮状」を作詞した最初の意図だったのかなぁと思います。そしてそれは、正に僕のような者が対象である、と。
この切迫した状況で、ようやくそれが分かりました。

僕個人は今、「怖れ」の感覚を軽んじてはダメなんだ、と思っているところです。
「一握り人の罪」の記事でも少し書いたけど、数十年前、原発をテーマとした討論番組で、ズラリと並んだ「専門家」「政治家」「知識人」のディベートに埋もれてしまった、観覧席から小さく声を上げた平凡な一人の「民」のシンプルな「怖れ」への言及こそが結局は正論だったのだ・・・と、僕らは今回の事故でそう思い知らされたばかりじゃないですか。

集団的自衛権の閣議決定を受け、「戦争に巻き込まれるのではないか、と思うと怖い」という女優さん(?)の漠然とした感想に対して、「どういう状況を以って巻き込まれる、巻き込まれないと定義するか」を官房長官が説明していたテレビ番組を初日翌日の14日に観ました。長官は丁寧に説明はしてくれていたけれど、僕などはそこに、人が抱く平凡な「怖れ」の直感を理詰めで緩和しようとすることの危うさを感じずにはいられませんでした。
それに、「官邸前で抗議をされている方々に対してどういう思いを持っていますか?」という問いかけ(”かの人”の息子さんも、なかなか鋭い質問をするじゃないの~。理知派にして純情な心優しきマイコン刑事を思い出したよ!弟さんの方は何やってんだか、という感じですけどね)に対して、「話せば分かってくれる人もいるし、最初から聞く耳持たない人もいる」という説明は、まったく返答になっていないしリアリティも無いな、と僕は思いましたけどね・・・。

今年の『三年想いよ』初日のステージは、聴く側の、平凡な一人のジュリーファンに過ぎない僕にとっても、大きな転機となったかもしれないなぁ・・・。
決めたよ、ジュリー。
僕はこのツアーが終わったら、”セットリストを振り返る”シリーズで「我が窮状」の考察記事を書こうと思います。「今年書くことになるかなぁ」とは、『ひとりぼっちのバラード』の時から予感していましたし、今回のこの初日で、ジュリーの歌とお客さんの熱烈な拍手にそっと背中を押された気持ちです。

それにしても、ジュリーの歌も泰輝さんのピアノも、この曲を歌わなければならない状況が差し迫れば差し迫るほどに素晴らしくなっていく、というのは何とも皮肉なことです。
しっかり受け止めたいと思います。

10曲目「
届かない花々

Croquemadame

平和へのメッセージ・ソングが続きます。
僕は今回のセットリストで、ジュリーが平和を熱唱するナンバーとして「weeping swallow」を切望していましたが、後から考えると新曲への繋がりの中でそうした曲を選ぶなら、やっぱりバラードの方が良いんですね。

「届かない花々」は「我が窮状」にも劣らずLIVE率が高いですね。僕にとっては「そのキスが欲しい」同様に『ジュリー祭り』のイメージが強い曲でもあります。あの時はいわゆるヒヨッコの”ポカン曲”ではあったんですけど。翌日、必死でセットリストのタイトルと収録アルバムを調べましたが、実際にCD『CROQUEMADAME & HOTCAKES』を購入するまで、この曲はタイトルを「届かない花束」と誤って覚えてしまっていたっけ・・・。

いつ何時アップテンポのノリノリの曲が来るのか油断ならないので、腰の状態を考え体力温存。僕はこの曲でも立たず、全神経を耳に集中させます。
ジュリーの声は「そっとくちづけを」から完全に絶好調時のギアが入った模様。ただそんなジュリーのヴォーカルに、これは「素晴らしい」だけの曲ではないんだ、と改めて考えさせられます。
ちょうど僕がこの「届かない花々」の項を書こうとしていた直前、マレーシア機墜落の痛ましいニュースが・・・そもそも事故なのか、それとも?と情報は錯綜し詳細は未だ不明ですが、現地で2つの主張がぶつかり合い、ののしり合いのような様相を呈している現状があります。なんともやりきれないことです・・・。

見えないステージから届くジュリーの熱唱。下山さんのアコギ。何度も体感できている曲なので、脳内にステージの映像が浮かびます。
1着目の衣装には胸に花飾りがあったと思うけど、ジュリーはきっといつもこの曲を歌う時のように、トントン、とそのあたりを叩いて指ししめしていたのかな。

~MC~

あれから3年が経って
「まだ何も変わっていない部分もあるそうです」
と。
「遠く離れたところにいる私達は、ともすれば忘れてしまいがちです。(忘れないように、と)今年も被災地への祈りをテーマに、4曲入りのマキシシングルを作りました。東日本だけでなく、すべての被災地のために歌います」

11曲目「
東京五輪ありがとう

Sannenomoiyo

いよいよ新曲が歌われます。
特にこの3年はそうだと思いますが、ジュリーの全国ツアーの目玉はやっぱり新曲なんですよね。今は、鉄人バンドが作曲し、ジュリーが作詞し、5人でレコーディングした新曲をそのままLIVEで、というスタイルですから、その説得力、密度、志はもう揺るぎないもの・・・比類なき歌と演奏になりますね。

始まったイントロは、予想外の「東京五輪ありがとう」。今年の新曲、LIVEはこの曲からスタート!
昨年の『Pray』ツアーに引き続き、新曲4曲はCD収録順とは違えてのセットリスト配置となりました。なるほど、まずはパワフルに・・・この曲はイントロが短い、ってのが良いんですよね。1音目から一気に高揚する感じ。
柴山さんのSGが全開で唸る!さすがに、ここでは僕も再度立ち上がりました。

ジュリーのヴォーカルは咆哮そのもの。後で思ったけど、確かに目の前が「ころがし」のモニターだらけだったら、こんなヴォーカルにはなり得ないんじゃないかな。
歌い終わったジュリーは
「東京五輪、バンザ~イ!」
と絶叫。続いての「バンザ~イ!」の連呼はお客さんも加わってのコール&レスポンスとなりました。
このジュリーの「万歳」シャウトの真の意味が、どういうふうに全国各地それぞれの会場でお客さんに伝わってゆくのかはまだ分かりませんが、「やるからには被災地のために」というジュリーの思いを、初日のお客さんはしっかり感じたのではないでしょうか。

この日遠征の先輩と開演前、この曲はCDだと「東京驕り」と歌っているように聴こえますよね、とお話しました。


個人的な考えを書くと・・・。
最近東京都議会は、下品なセクハラと言う以前に人として最低な内容の野次問題で騒がれました。怒り呆れる顛末の中、なんだかんだ言っても、直後の石破さんの対応は真っ当だったと僕は思ってます。ただその一方で、舛添さんは何してる?と考えてしまう・・・昔とても好きだった人だけにね。

「招致が決まったからには、被災地のために」・・・舛添さんは本来、それができる人だったと思っています。
数十年前の討論番組で、パネリストとして列席していたお色気タレントの黒○香さんが、皮肉も込めてセクシーな悩殺ポーズで発言をした際、傍聴席で参加していた国会議員が「人選ミスだ!」と野次を飛ばしたことがありました。すると、当時レギュラー・パネリストだった舛添さんがすかさず
「彼女なりの表現で発言しているんだ。人選ミスなんて、そんなレベルの低いことを言ってちゃいかんよ!」
と、一喝したのです。

黒○さんも、一喝された議員も、その時のことは忘れていないと思います。ただ、あんなに理知的で毅然としてカッコ良かった肝心の舛添さん御本人は、果たしてそれを覚えているのかな。
あの頃の舛添さんになら、東京も、被災地のための五輪も託せるはず・・・思い出して欲しいです。


12曲目「
一握り人の罪

Sannenomoiyo_2

新譜から2曲目。前席のお客さんが座られたので、僕も倣って着席。今度は先ほどまでとは違い、座っていてもステージを見ることができます。

アコギが美しい曲です。そう言えば、この曲のCD音源での下山さんのアコギは、「カガヤケイノチ」のそれとは別のものだそうです。違ったアコギで、あのシャキシャキ感が出せるのか・・・凄まじいな下山さんは。

美しい演奏と渾身のヴォーカルを聴いていると、心洗われる・・・しかし言うまでもなく「一握り人の罪」もまた、それだけの曲ではありません。こと最近は、「また”一握り人”のためなのか・・・」と感じてしまう世の中の変化が次々に起こっている気がするんだよなぁ。

それと、今この曲を聴いてどうしても頭をよぎるのは、僕の故郷の状況。
いよいよ九州電力川内原発が再稼働に向けて外堀を埋め始めているのです。地元のニュースばかりではありません。「国も川内原発再稼働に意欲」のニュースを目にしたのは、つい最近のこと。
実は僕にはあの事故の直後から、「原発に賛成とか反対とか言う以前に、あれだけの事故が起こってしまったのだから、間違っても再稼働の話なんか出ないだろう」という安易な思い込みがありました。
ところが世の中はそうではないらしい・・・。いやむしろ真逆に、国や多くの地方自治体には、早急に再稼働すべし、の機運があるようです。

僕は、今年のジュリーのツアーに鹿児島公演が組まれていなかったことが残念でなりません。
でも真夏の九州シリーズはある・・・ならば、これはちょっとあり得ないことかもしれないけど、「一握り人の罪」や「F.
A.P.P」で、ジュリーが「東電」を「九電」と歌詞を変えて歌ってくれることを夢想してしまいます。

それはひとまず置き、初日の「一握り人の罪」の歌と演奏は本当に素晴らしかったです。
ポイントポイントで僕は双眼鏡で下山さんの指をガン見しました。1番が終わって泰輝さんのオルガンが噛む短い伴奏部について、考察記事で書いた通り、僕はここの和音を「G→Am→Bm→C」で拾っていたけど、下山さんは「G→Am→G→C」と押さえていました。「Bm」のルートである「シ
」の音は、泰輝さんが左手で出しているのかな。
また、2番の後の今度は長めのオルガン・ソロ部・・・ここは転調しているんですけど、僕の実力では完全な採譜ができません。下山さんのフォームを見てある程度は「なるほど」と思えましたが、1箇所だけ、物凄いハイ・フレットに移動したフォームで下山さんが弾いたコードがあったなぁ。あれは何の音だろう。
大宮でしっかり確認できると良いのですが・・・。


13曲目「
櫻舗道

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僕はこの曲も着席でじっくりと聴きました。この日、座って聴いた最後の曲です。

新譜の中で個人的には一番好きな曲・・・「櫻舗道」を生で聴いて改めて思いを馳せたのは、数ヶ月先・・・具体的には南相馬公演のことです。
今年のジュリー全国ツアー『三年想いよ』最大のヤマ場は、初日よりもファイナルよりも、10月8日であり、その日歌われる「櫻舗道」だと僕は思っているので・・・。

「南相馬に行く」とジュリーが話してくれた時に、公演が土曜日だったら僕らも行こうとカミさんと話していましたが、スケジュールは平日となっていて断念しました。でも、親しくさせて頂いているJ先輩が3人参加されることが分かっています。
様子を伝え聞くことはできるでしょう。

「3年が経っても何も変わっていない部分がある」という先のジュリーの言葉をそのまま歌にしたような、これも美しい・・・悲しいほどに美しい曲です。

1番では、サビの「櫻舗道♪」の最初の「さくら」のメロディーを、CDとは変えて歌ったジュリー。ただ無心に、ひたむきに歌っているからこそそうなったのではないでしょうか。

下山さんの優しく幻想的なリード・ギターの間奏が終わり・・・アクシデントは2番Aメロで起こりました。
ジュリー、歌い出しの詞が出てきません。しばしの空白に、ハッと息を飲むお客さん。

ジュリーとしては、「この曲は、一語たりとも省くことはできないんだ!」という強い意志があったんだと思います。歌詞を飛ばして伴奏に合わせることよりも、すべての歌詞を口にすることを優先しました。
正確な譜割でピアノ演奏を続ける泰輝さん(まったく乱れないというのは本当に凄い!)の後を追いかけるように、つぶやくように、語りかけるように、噛みしめるように・・・とにかくすべての歌詞を思い出し発声しようと奮闘するジュリー。ようやく歌詞が伴奏に追いついたのは、「五里霧中♪」と歌うサビまであとほんの少しという箇所でした。

そこで、思いが溢れてしまったのでしょうね。
ジュリーは泣きました。

僕もこれまでジュリーの慟哭のヴォーカルは何度か体感しているけど、ここまで心も身体も無防備に晒して、音程を失うほど(音程が「外れる」ではありません。「失う」です)ジュリーが泣いている、と感じたのは初めてのことでした。
ジュリーは、一番最後の「爛漫櫻♪」の「ざくら~」のロングトーンを、音程を失った状態でひたすらに伸ばしました。もはや音階はありません。しかしそれは、まぎれもなくジュリーの「声」であり「歌」でした。

泰輝さんのピアノが終わると、「我が窮状」にも負けないくらいの大きな拍手が起こりましたね。
心臓が止まるかと思えたほどに、この日の「櫻舗道」は素晴らしい「歌」だったと思います。


バリケードに分断された桜並木
(富岡町の桜並木です。ここから北に、双葉町、浪江町・・・そしてジュリーがツアーで訪れる南相馬があります)

14曲目「
三年想いよ

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今年の新曲、LIVEでの演奏順は、CDタイトルでもありツアー・タイトルでもあるこの「三年想いよ」がトリということになりました。こうして実際に歌われてみると、大納得の曲順配置でしたね。

個人的に、この日最も印象に残り最も感激した曲がここでの「三年想いよ」でした。
書きたいことがあり過ぎて困るほどですが、まずは鉄人バンドの演奏面から。

この曲のCD音源には、3つのギター・トラックがあります。それぞれ「リード・ギター」(間奏、エンディング)、「バッキング①」(ディレイ設定によるピッキング・アルペジオ)、「バッキング②」(5、6弦のパワー・コードのダウン・ピッキング)としましょう。
LIVEではギタリストが柴山さんと下山さんの2人しかいませんから、この3つのトラックをステージで再現するには、どちらかが一人二役をこなさなければなりません。
僕は、当然CD音源の担当通りに(ミックス配置での判断)、柴山さんが「リード・ギター」と「バッキング②」を受け持つと予想していました。これは、特にギターを掘り下げて聴いているファンにとっては一致した考えだったかと思います。
ところが今ツアー、柴山さんの一人二役は「リード・ギター」と「バッキング①」を担当。つまり、鉄人バンドのこれまでの歴史の中で、いや下山さん自身の歴史の中でも代名詞とも言うべき奏法・・・ディレイ・アルペジオのバッキング・パートを下山さんの代わりに柴山さんが受け持った、ということになります。

何故、ステージではCDの演奏とは違うパート割りになったのか・・・よく考えてみると、「なるほど」と。
第一に、間奏やエンディングの「リード・ギター」が鳴っている時、その影で必要なバッキング・パートは、パワーコードのエイト・ビートの方なんだ、ということ。
そして第二に、あのリード・ギターの音色は、「バッキング①」のエフェクト設定からの移行がスムーズということ。これが「バッキング②」から「リード・ギター」に移行しようとすると、根底から変更して、まるっきり違う設定に直さなければなりません。

本当に理に叶った、鉄人バンド・ギタリストのステージ担当配置だったわけです。そしてそれは、「この曲は柴山さんがリード・ギターを弾く」という基本前提から導かれたアレンジでもあったことが、今回よく分かりました。
素晴らしい・・・あまりに素晴らしいリード・ギターでした。
難しい運指は一切登場しません。超絶な技術は何ら必要ないリード・ギター・・・音階移動を真似るだけならば、ギターをかじっている者には容易くコピーできます。ただし、柴山さんの「音」には果てしなく遠く及ぶことはないでしょう。
楽器の演奏とは、まず日々の鍛練。それがあってさらに「気持ち」で弾くものなのだ、と柴山さんの「三年想いよ」のギターが教えてくれます。
稽古とハートの両立は、こうしたスロー・ハンドのフレージングでこそ、「本物」として発揮されるのですね。

さらに、どうしても書いておかなければならないのが、そんな素晴らしいエンディングの長尺のスロー・ハンドのリード・ギターをバックに、ジュリーが見せた動きです。

歌メロの出番は終わり、ジュリーとしてはもう、演奏が終わるのを待っていればよい状態。
しかし、どんな曲でもそうですが・・・曲の最初から最後までを自らの身体でもって表現し尽くすことこそ、唯一無二の歌手・ジュリーの真骨頂。ジュリーはこの「三年想いよ」のエンディング部で、顔を(あまり大げさにではなく)歪め歯をくいしばるようにして、スローモーションでの疾走を体現。手をゆっくり大きく振り、膝を曲げて「人が走っている姿」を表現したのでした。
動きをスロー・モーションにしたのは、リード・ギターのスローハンドとも無関係ではないでしょうし、通り過ぎゆく被災地の景色を表したオリジナル音源のアレンジ、ミックスともリンクします。フィルムを見るようなゆっくりとしたその動きでこそ、「切羽詰った、走る人」を思わせてくれます。

ジュリーは何を表現したかったのか。
僕は「必死さ」だったと思ってます。ジュリーが見せた「必死な走り」のシーンから、僕が被災地へと思いを持ち、そこから連想したことは・・・。

必死に逃げる。
必死に耐える。
必死に生きる。

途方も無い恐怖からの逃走。他人には分からない悲しみを耐え、歯をくいしばって前に進んでいかなければならない人達。
そうした人達が、今被災地には必ずいらっしゃる。
国の説明だとか、識者の難しい理屈なんて聞いている余裕など無いでしょう。ジュリーは、そういう人達の必死な「現実」を、あのスローモーションの疾走で伝えようとしたんじゃないかなぁ。

もちろん、歌メロのヴォーカルも素晴らしかった。ジュリーはこの曲でも泣いていたけど、「櫻舗道」とは違い音程を失うことはありませんでした。むしろ、グッと気持ちを抑えて爽快なメロディーを自然体で歌っているようでした。
だからこそ、歌い終わった後のあの動きは、胸に突き刺さりました。それは、ジュリーの思いがあったからこそだし、柴山さんの演奏が素晴らしかったからこそ、ではないでしょうか。

凄まじい曲です。凄まじいLIVEヴァージョンです。正に『三年想いよ』ツアー・タイトルチューンにふさわしい!
また聴けるのか、と思うと涙が出てきます・・・。

15曲目「
F.A.P.P.

38

2012年からはずっとそうですが、新譜の曲を歌い終えた後、ジュリーがどのようにそれ以降のセットリストに繋いでゆくのか、というのが大きな見所となっていると思います。
2012年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーでは、新譜4曲をセットリスト前半に配置。直後に休憩を挟み、後半は「約束の地」から続けざまに崇高なバラード4曲を配し、僕はそのバラード4曲を「憑き物落とし」とレポートに書いたものでした。
昨2013年『Pray』ツアーでは、「涙」のキーワードで繋げたのでしょうか・・・新譜後に知る人ぞ知るナンバー「溢れる涙」を配し、ジュリーは「今は近くにいない」大切な人への思いを新譜から引き継いで歌いました。

そして今年。
ジュリーが新譜を歌い終えて、すかさず流れたイントロは・・・「F.
A.P.P」!なるほど~、と思いました。

まず、反原発がテーマのプロテスト・ソングということで、当然ながら今年の新譜4曲に込めたジュリーの思いとの距離が近く、新曲と続けて歌われることに違和感が全くない、ということ。
さらには、柴山さん作曲によるポップ・ロック・チューンの曲想をここに差し込むことにより、次曲以降の「怒涛のロック→ヒット曲」による大盛り上がりコーナーへの橋渡しがキチンとできるということ。

新曲後の「F.A.P.P」・・・なかなか緻密かつ自然な、素晴らしいセットリストの流れでしたね。

この曲もまた、お正月『ひとりぼっちのバラード』からスライドされたことになります。
遂に、この曲を福島で歌う時が来たね、ジュリー。

大丈夫・・・ジュリーの思いはあの、高い「ラ」の音にすべて表れていましたよ。
下山さんのフォームを双眼鏡で確認しましたが、原曲通りのキーでしたね。ステージ上であのとんでもない最高音を出す、というのが紛れもなくジュリーの気持ちなのですからね・・・。


16曲目「
世紀の片恋

Kitarubeki

ポップな「F.
A.P.P.」で自然に新曲からの流れを繋いだセットリストは、ここから怒涛の畳みかけモード。
まずは、一般的には知られていないとは言え、ファンにとってはLIVE定番のナンバー、「世紀の片恋」。これまた、『ひとりぼっちのバラード』からのスライド選曲です。

僕はとにかく”おいっちに体操”を我慢。
元気に動き回るジュリーと、最前列で大変な状態になっているお客さん達を双眼鏡でガン見(失礼!)・・・気づくと間奏が半分くらい過ぎていて、「いけねっ!」とすぐに下山さんを見ると、ちょうどネックの上からあてがった手が離れるところでした。ボトルネック、確認できなかったなぁ。てか、あんなに前にせり出した状態で、どうやって通常のプレイをスライドに切り替えるんだろう?(ボトルネックを何処から出して何処にしまうのかが謎)
これまた大宮で再確認の必要がありそうです。

歌が終わってからジュリーが
「サンキュ~!」
「ベルマッチ~!」
「グラシア~ス!」
とか何度も叫んでたのは、この曲でしたっけ・・・?

17曲目「
危険なふたり

Acollection

ここから”みなさまお馴染みのシット曲”が続きます。初日には”シット曲”発言は無かったですけどね。

イントロから頭上で手拍子を煽るジュリー。やっぱりこの曲は盛り上がりますね~。
キメのポーズも、ジュリーの「この先できるところまではやろう!」と決意が伝わってくるようでしたね。確か『サーモスタットの夏』ツアーで、「88歳まで歌うことは可能であろうか」みたいな話の流れから、「危険なふたり」の足上げポーズについて「足が上がんなくなってたって、いいじゃない!」と言っていましたけど・・・66歳、まだまだ上がります!
(ただこの日は後のMCで、「昔は88までやる、と言ってたけどそれはさすがに無理、ということで現実的な線に目標修正はしている模様。たぶん77を狙っているんだと思います。そこから先は可能なとことまで、という感じなのかな・・・)

18曲目「
ダーリング

Konndohakareina

続いてこれです。やはりイントロ1発で「うわ~っ!」と歓声が上がりますね。

「危険なふたり」と併せ、お正月に歌われた”シット曲”のスライドが実現し、僕としても事前のセトリ予想記事で、この「ダーリング」1曲だけを辛うじて的中させたわけですが・・・僕、「ダーリング」の記事では、「ジュリーの”腹太鼓”が今度は全国でお披露目されることになるでしょう」な~んて書いてしまいまして・・・そちらは見事予想が外れました。
今回は普通に「ダ~リン、ちゃ、ちゃ、ちゃ、ちゃ!」で、ジュリーが手首をクイッ、としてキメのポーズを作る正調「ダーリング」ヴァージョンです。
と言いますか・・・歌いだしからどうだったかは分からないんですけど、ふと気づくとジュリー、ハンドマイクで歌っているんですよ。そりゃ、腹太鼓は物理的に無理というもの。「ダーリング」のハンドマイクって、かなり珍しいのではないですか?僕は初めて観たような気がするけど・・・どうなんでしょうか。

泰輝さんの”神の両手”もじっくりガン見。
間奏のサックス・ソロは、お正月と同じ音色設定だったかな。そのソロが終わって柴山さんのリード・ギターへと繋げる瞬間、泰輝さんは一瞬の早業で上段で弾くオルガン・パートに移行してますから!素晴らしいいぶし銀の演奏です!

19曲目「ポラロイドGIRL」

Karehanemurenai

こちらもお正月セットリストからのスライド。
『ジュリー祭り』以来毎回ツアー参加している僕はもう「定番曲」として肌に馴染んでいる曲ですが、現在大宮公演まで絶賛ネタバレ我慢中のYOKO君は『ジュリー祭り』以来ということになります(彼はお正月LIVEは不参加、あと、ジュリワンとの二択となった『秋の大運動会~涙色の空』も不参加)。彼にとってはダイブ曲と思われますので、大宮での反応が楽しみです。

僕は”おいっちに体操”こそ我慢したものの、頭上2・1手拍子や、ヒラヒラには強引に参加しました。
3番直前のサイド・ギターのキメ部、下山さんは初日こそ派手なアクションは無かったですが(その場跳び程度)、その後の会場では回転ジャンプも繰り出しているようです。こちらも今後ますますのハジけっぷりが楽しみな1曲ですね。


20曲目「
マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

Samosutatto

これは意外にして最高のサプライズ。2年前のYOKO君のスーパーダイヴ曲で、「しばらくは聴けないのかなぁ」と何となく決め込んでしまっていた大好物のハッピー・ソングです。

今回ジュリーは、「誇り」の気持ちを込めてこの曲をセットリストに選んだように思えます。
実はこの曲も「危なっかしい時代だから・・・」という考えともリンクしているのですね。今、世の中を生きるにあたって大切なことは何か、人間の真の誇りとは何か、ということでしょう。つまらん自尊心は必要無い、という歌なのですから。

さて、ジュリーもお客さんも大いに「カンターレ」「アモーレ」づくしの初日渋谷の公演でしたが、せっかくですからここで「マンジャーレ」な話題にも触れておきましょう。
この日僕らは、渋谷公会堂から徒歩にして数分ほどの距離・・・スペイン坂にある『ホームズパスタ』さんにて食事を済ませてからの参加でした。ここ、メチャクチャ美味しいお店です。
ジュリーの渋谷公演前にこのお店に立ち寄るのは2度目。夕方の開店が午後5時からなので、公演が午後6時半開演の日は、ビフォーのスケジュールとしては最適(この日は4時45分くらいから並んでいたら、定刻より早めに店内に案内して頂きました)。
スープたっぷりの様々なパスタがr楽しめるお店です。

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写真手前が僕の注文した『海鮮(塩)』、左上がこの日はるばる遠征のMママ様ご注文の『きのこのペペロンチーノ』、右上がカミさん注文の『糸ひきチーズとトマト』。

みなさまも、聖地渋公でのジュリーLIVEにご参加の祭は、是非ご利用されてはいかがでしょうか?

21曲目「
いくつかの場面

Ikutuka

またまたお正月からのスライド。これは実は(漠然とですが)ズバリ本割ラストの配置を予想していました。書いておけば良かったなぁ・・・(笑)。
ここまで、いつものように律儀に曲数を数えていて、前の「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」が20曲目だから、「これで終了、アンコールも無し」みたいな構成も覚悟したのですが・・・ステージのジュリーからは「まだまだ歌うぞ!」というオーラを感じました。

「いくつかの場面」のヴォーカルは、いつもジュリーのその時その時で違った感情が引き出されるようで、毎回素晴らしさが違うように感じるのですが、この日僕はこの曲に「歓び」を感じたなぁ。最後の、ゆっくりとした動きで自分を抱きしめる仕草も、とても穏やかなジュリーだと思いました。
みなさまはいかがでしたか?

お正月とは細かい部分でまたアレンジも変わっていたと思う・・・これは大宮で再確認の必要がありそう。
それでなのかどうかは分かりませんが、お正月では間奏で柴山さんと下山さんが揃って前方にせり出して演奏していたのが、この日は定位置での熱演でしたね。

ここまで21曲をノンストップで歌い続けたところで、ジュリーと鉄人バンドは一旦退場です。

~MC~

この日何度目とも知れない熱烈な拍手を受けて、ジュリーは衣裳を替えての再登場。
この2着目の衣装が、メチャクチャ細く見えたんですけど・・・巷ではあんまりそのような話題を見かけません。おっかしいなぁ・・・。

帽子は1着目の”ギャング系”から変わって、より若々しい感じに。しかもそれが似合ってる!
打ち上げでご一緒した先輩によりますと、「もろに”勝手にしやがれ”のイメージで、アンコールを1曲ネタバレしたも同然」のイメージだったとか。ああいう帽子は、「パナマ帽」って言うのだそうですね。

スーツは上下ともダーク・ネイビー(もしかしたらグリーン)にオレンジイエローの水玉っぽい模様が散りばめられていました。カミさん曰く「レモンスカッシュな感じ!」だそうです。
スーツ下のシャツは清潔感のあるイエロー。サイケなスーツにビシッとした感じのシャツが驚くほどカッコ良く、この2着目の衣裳、僕の目には1着目と比べると本当にジュリーが細く見ましたよ~。


まずは
「これ以上歌うと保険が下ろせない、と言われてしまいました・・・うっそぴょ~ん
と、この日2度目のキュートな「うっそぴょ~ん」発言が飛び出しました。

『悪名』での角刈りの話から
「この歳になると、髪もなかなか伸びない!」
とのことで、日々の伸び具合もよく分からない、と。
「自分では毎日(鏡を)見てるじゃん?」
と言った後、よほど「じゃん?」なんて言葉遣いが自分で気に入らなかったのか
「大変失礼いたしました・・・”見ているわけでございましょう?”」
と訂正(笑)。
日々の髪の伸び具合は自分では全然分からず、ある日ハッと「髭と同じくらい伸びている」ことに気がつくのだそうです。

髪が伸びるのも遅ければ、着替えるのも遅い、と。
これはたった今着替えて登場したばかりのタイミングでの話だったので、会場はかなりウケていました。文章にしちゃうと、その時の面白さが伝わりにくいなぁ。

『悪名』が終わって長い間休んでいて、「もうこのままやめてもいいかな、なんて考えた」と冗談っぽく言った後
「どうせもうテレビにも出てないんだし・・・年末のタイガースでは出ましたけど」
「再放送が昨日あったんっだっけ?えっ、今日なの?(会場に来ている)みなさん観られないじゃないですか!まぁ・・・録画で観られるのか」
と。
「テレビには出ないけど、ラジオの仕事は”年に一度のビバリー昼ズ!”ということで同じ誕生日の高田さんが呼んでくれて1年に1回だけやってます。昨年はラジオはタイガースでも出ましたが、あれは特別。かつみがね、「たまにはラジオもやろ~よ~」と言うので、まぁ私一人が反対しても仕方ないんで出ましたけど、これから先は私のことはすべて私一人で決めていけます」

「そういうことですので、私がテレビに写ることがあっても、それは見目麗しい頃の私しか写りません。それを見た人がまかり間違ってコンサートに来たら
誰や?
と・・・バンドに紛れているんじゃないか、と鉄人バンドの中を探したりね(笑)」

「そうやって新たにお客さんが(まかり間違って)来てくれる、というのも作戦のうちですよ(笑)。私もこういう状態(と体型を誇示)になってから随分経ちますが、それでもこうして来てくださるお客さんがいる、というのは・・・みなさまが我慢強いのか(笑)、私が意地っぱりなのか」

体型のことはもう、放棄していると。
その代わり、という感じで話してくれたのが耳の話。イヤモニつけたり、ステージに大量の「転がし」(モニター)置いたり、というのは自分はやらないんですよ、と。あんなに「転がし」置いたりしたら「自分の声がうるさくてしょうがない」そうです。
「ステージから出た音が、お客さんの身体を通ってはね返ってくる・・・私はそれで充分なんですよ」

こうしてジュリーが体型ではなく耳の健康・・・「歌うことの基本」に気をつけてくれていることに、僕らファンは感謝しなければいけないなぁ、と思いました。
今回のジュリー・ツアー初日と時を同じくして、氷○さん引退のニュースがあったじゃないですか。ヴォーカリストにとって「正確な音がとれなくなる」
というのがどれほど辛いことか・・・気の毒です。本当に無念でしょうが、引退の決断はやむを得なかったでしょうね。

はからずもジュリーは、「僕は大丈夫!」と言ってくれたというわけです。

PYGの頃は「転がし」もたくさん使っていたそうです。
「自分の声でさえうるさいのに、他の人の声なんてもっとうるさいですよ(笑)・・・サリーの「ひ~♪」って声とか(サリーの低音ではなく高音での声真似でした)、萩原さんの声とかね」
ジュリーがMCでショーケンに触れたの、僕は初めて聞いたと思うなぁ。何か、それだけで感激が。

「この歳になって、また歌うことが好きになったんですよ」には、場内割れんばかりの大拍手です。
「昔は88歳まで歌う、と言ってたけどそれは無理。でも、続く限りは歌っていきたいと思います!」

最後はいつものように一人ずつ鉄人バンドを紹介。
「こうして歌えるのも、鉄人バンドがいてくれるから!」
と。ジュリーの鉄人バンドへの感謝は、いつもながら的を得たタイミングで、自然に語られます。

「それではみなさま、よろしゅうございますか?」
からの

「オマケです~!!」


~アンコール~

22曲目「
ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

これは『3月8日の雲~カガヤケイノチ』以来2年ぶり。あの時もアンコールの1曲目でしたね。
『ビバリー昼ズ』でかかっていたから、今回歌うんじゃないかな~と思っていて、曲が始まる前にチラッと柴山さんを見たらギターがジャズマスターだったので、もうここは「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」しかないな!と(柴山さん、この曲では絶対アームが必要ですからね)。

実は僕がこの日柴山さんのジャズマスターに気づいたのはこの曲が最初。後でしょあ様に「遅っ!」と笑われてしまいました(汗)。今回のセットリストで柴山さんが最初にジャズマスターに持ち替えるのは、3曲目「鼓動」だったそうです。
言われてみれば・・・といった感じだなぁ。その辺りは、大宮でリベンジしたいと思います!

この曲、2年前もそうだったんですが、最高音部ではなく、サビ部でジュリーの声がひっくり返るシーンがあったんですよね。原キーで歌われた「F.
A.P.P.」(下山さんのフォームでキーを確認)の最高音である高い「ラ」の音はハッキリと出ているわけですから、不思議だなぁとも思いますが、おそらく「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」のサビの場合は、高い音が連続で出てくるメロディーだからだと思うけど・・・。

後にNasia様のブログを拝見しましたら、この曲はキーを下げてるかもしれないのだそうです。絶対音感持ってる人って凄いなぁ・・・調が違うと一体どんなふうに聴こえるんだろう。僕などには一生未知の世界です。
キーを下げているとすれば、ギターのことを考えると1音下げのニ短調にしているんじゃないかなぁ。出だしの下山さんが、たぶん5フレットのパワーコードを押さえるフォームで。
ドミナントが「ラ」の音になりますから、バッキングのギターでは開放弦が有効に使えます。とすれば、「見たい~♪」直前の下山さんの「Am」の突き放しなどは、5弦開放のローコードで、オリジナル・キーの演奏より重厚に鳴っていたのかも。
この点も大宮では要チェックです!


23曲目「
勝手にしやがれ

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「ス・ト・リ・ッ・パ・-」が終わるとジュリーはマイクをスタンドに固定。数歩下がって、スーツの上着を両手でバッと拡げて胸を逸らし、いきなりの”どや顔”
(←僕にはそう見えた)のポーズ。
先程、柴山さんのジャズマスターを見て「次はス・ト・リ・ッ・パ・-」と瞬時に考えた僕ですが、いつもお世話になっている先輩は、この”どや顔ジュリー”を見て「次は勝手にしやがれ!」と当然のように見抜かれたのだそうです。深い・・・。
今にして考えるに、あれは『ジュリー祭り』での「恐縮です!」みたいな感じの、「これからみんな絶対知ってる曲歌うよ!」というジュリーの”間”だったのかな~。

実は僕には、もし今回「勝手にしやがれ」がセットリスト入りしたら・・・と待ち構えていた細かいチェック・ポイントがありました。
最近出逢った、ジュリーのカバーバンドをやっていらっしゃる鍵盤奏者のお姉さん。僕が楽譜関係の仕事をしているということで、ついこの間、「ハッ」とするような質問をくださったのです。それは


「勝手にしやがれ」のAメロ、「やっぱり、おまえは♪」の部分は、世のスコアは目にするものすべて「F→Em」と採譜してありますが、自分の耳にはどうしても「F→C」に聴こえます。変でしょうか。どう思われますか?

というもの。
これには目からウロコでした。僕の場合は元々音感、才能的に優れているわけではありませんから、既存の採譜に違和感が無ければそのまま頭からそれを消化し、深く疑問を持つことはありません。しかし今回、絶対音感を持つ演奏者の方からの素朴な疑問として改めて検討してみますと、僕の耳にも「F→C」に聴こえるのです。CDを聴きながら楽器を併せますと、問題の部分は「Em」どころか「Cmaj7」でも「Em(onC)」でもなく、ハッキリ「C」に聴こえる・・・。
ただ和音的にはそうでも、オリジナル音源のサイド・ギターは「Em」を弾いているようです。だからここの「C」は「勝手にしやがれ」のレコーディングの時点でギター演奏者(水谷公生さんか矢島賢さんのいずれか)の編み出したアレンジメント・コードだったのではないでしょうか。

今までまったく気に留めていなかったポイント・・・さぁ、鉄人バンドはどうしてる?と思い下山さんの手元を双眼鏡でガン見。するとローコードの「Em」を確認。そして、バンド全体の和音も「Em」に聴こえ、CDとは鳴り方が違うんですね。

僕などはたったそれだけのことで、今回「勝手にしやがれ」がとても新鮮に聴こえたんですが・・・こうなると「井上バンド時代はどうなんだろう」「エキゾではどうだったんだろう」と際限なく興味が沸いてきます。
誰もが知る圧倒的な代表曲・・・子供の頃から何度も聴いている大ヒット曲ですらこういうことがあるのですから、ジュリー道の奥深さ、果てしないですね・・・。


24曲目「
ヤマトより愛をこめて

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「勝手にしやがれ」が終わってさすがに「バイバイ」かなぁと思っていたら、ジュリー達に退場の気配はまったく無く、確か下山さんはギター・チェンジもしてたんじゃないかな。
アンコール3曲目、そしてセットリスト全体ではこれで24曲目、ということになりますからさすがに次が大トリだろうと、と思ってイントロを待っていました。始まったのは「ヤマトより愛をこめて」。
最近、特にセットリスト入りが多い曲ですよね。
そして、昨年と違い最後の最後のアンコールはすべて「誰もが知るスーパー・ヒット3曲」で固められました。いつも参加しているファンからすると、一瞬「また?」と思ってしまわないこともないけど、よく考えたらそうじゃないんですよね。
何と言っても今年は東北ツアーがある。ジュリーや鉄人バンドのメンバーが「到着まで片道何時間かかるか」という南相馬公演もある・・・もちろんジュリーはそこでメッセージ・ソングも歌うけど、皆が知ってるヒット曲は絶対必要。

さらに、今年の場合は「セットリスト大トリ」ということで言えば、「TOKIO」はちょっと違う気がします(もちろん、大好きな、大盛り上がりの曲なんですよ!)。東北ツアーのことを考えると、「時の過ぎゆくままに」か、この「ヤマトより愛をこめて」がふさわしいと思います。
「時の過ぎゆくままに」の方は、ピー先生が全国ツアーで採り上げていますからね。ジュリーには事前に話は行っているでしょう。それで「ヤマトより愛をこめて」だったんじゃないかなぁ。
(ちなみに、今回のピーのツアーは本当に素晴らしいです。参加しようかすまいか今も迷っているジュリーファンの方々がいらっしゃるようでしたら、僕はこの場でド~ンと背中を押させて頂きます!)

昨年の『Pray』ツアーでは、高槻公演で超・スペシャルな「完全生音ヴァージョン」の伝説も作った「ヤマトより愛をこめて」。相変わらずの説得力のあるヴォーカルです。
歌詞のメッセージ性が、今ジュリーが歌いたいことにリンクしているようにも聴こえますよね。


☆    ☆    ☆

最後はいつものように再度の鉄人バンドの紹介から、何故かスキップしてステージから消えていったジュリー・・・元気だなぁ。何がジュリーを元気にしているのか、何がジュリーをここまで頑張らせるのか・・・やっぱり薄っぺらい意味ではなく「歌の力」をジュリーが今にして実感し始めているんだと思うのです。
数十年の歌手人生を生きて、今ジュリーは本当に「歌」の真髄を極めたのではないでしょうか。

ケンケンジ姉さんも紹介してくださっているけど、奈良公演のレポートを書いてくださっている、おそらく僕よりも若い新しい男性ファンのかたのブログさんがあるんです。そこでブログ主さんが
「今がキャリアのピークなのでは」
と、何の邪念も無く書いてくださっているんですよ。
もうね、


「誰もが知ってる沢田研二が、誰も唄えないような原発や震災や憲法のことを唄うなんてね」

からの20行くらいの文章は、古今数あるジュリー評の中でも、名文中の名文!今のジュリーを最も的確に、ピュアに表現していらっしゃる。
感性豊かな、志の高い新しい男性ファンがこんなレポを書いてくれて・・・本当に嬉しいなぁ。


☆    ☆    ☆

この先、暑い夏を乗り越えツアーは続きます。
「櫻舗道」の項で書いたように、10月8日の南相馬公演が最大のヤマ場だと僕は思っています。
僕自身は残り3回・・・まずは数日後に迫った大宮、夏を超えて9月に神戸に遠征、そして大トリの東京国際フォーラムと参加予定です。

最近の全国ツアーでは、お盆を挟んで1曲セットリストを替えることが定番化してきていますが、今年はどうでしょうか。また2年ぶりに「コバルトの季節の中で」の出番が颯爽とやってくるかもしれませんし、昨年に引き続いて「Rock 黄 Wind」もあり得ますよ~。なんせ、ジュリーが「もう(今年は)阪神はダメや」と言ってしまった直後くらいから、阪神タイガースはメチャクチャ調子を上げてきています。このままだと本当に巨人に追いついちゃうんじゃないの、というトコまで迫ってきましたからね。

先々の楽しみを胸に、今年もまた全国ツアーが無事に始まったこと・・・ジュリーに感謝したいと思います。きっと各地公演大成功のうちに、アッという間にファイナルがやって来るんでしょうね・・・。

20140715

↑ 7月15日『東京新聞』より

最高のセットリストと男気をありがとう・・・ジュリー!
僕はもうすぐ大宮でまた会えます~。

20140713

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2014年7月12日 (土)

『三年想いよ』開幕!

さぁ、今年もいよいよ、普段は閑散としているこちらside-B限定繁盛の季節がやってまいりました。
ジュリーの全国ツアー『三年想いよ』が遂に明日の渋谷公会堂公演からスタートします!

ギックリ腰発症中という僕の個人的状況はさておき、初日そしてツアーのこれからを思いますと、やっぱり今年の場合はまず南相馬での公演がある、ということ、そして今の社会に放つメッセージとしてジュリーがどんな曲をふさわしいと考えたのか・・・僕の興味と期待は第一にそこに尽きます。
新曲4曲以外で、「これか!」と手を打つような曲が必ず組み込まれてくるはず。

セットリスト予想記事に書いた4曲以外で大いに期待しているのは「weeping swallow」。正に今年こそ、ジュリーが歌ってこれほどカッコイイ曲は無い!と思っています。
平和へのメッセージ・ソングでは他に、『奇跡元年』以来の「希望」も聴きたいなぁ。

バラードだと、「堕天使の羽音」「永遠に」「無事でありますよう」「護られているI Love You」。

また、ジュリー曰く”みなさまにも多少は耳馴染みのあるシット曲”では、お正月のセトリから「危険なふたり」「時の過ぎゆくままに」「ダーリング」のスライドを予想する一方で、『ジュリー祭り』でようやくLIVEデビューしたヒヨッコがまだ生で体感できていないヒット曲の数々・・・「魅せられた夜」「ロンリー・ウルフ」「酒場でDABADA」「渚のラブレター」「麗人」や、『ジュリー祭り』以来久々となる「許されない愛」「あなただけでいい」「恋は邪魔もの」「ウィンクでさよなら」「晴れのちBLUE BOY」などにも期待。
あと、『ビバリー昼ズ』でかかった、という理由でしかないのですが「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は歌うんじゃないかな。こちらは『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアー以来です。

でも、いつものようにジュリーは僕の予想など豪快に吹き飛ばし、「なるほど」という圧巻・感動のステージを見せてくれるのでしょうね。

腰の不調もあり、僕はすぐにはLIVEレポート執筆にとりかかれないかもしれません。
「まさかこの曲が来るとは!」とか「この曲のヴォーカルにシビレた!」など、初日参加組の新鮮なご感想を首を長くしてお待ちのお留守番組のジュリーファンも大勢いらっしゃると思います。
明日の渋谷公演後のみなさまそれぞれの感動の第一声は、こちらの記事でお待ちしております。
熱いコメント、楽しみにしていますよ~。

それでは、長い全国ツアーの成功、ジュリーwith鉄人バンドの無事と健康を祈って・・・。
明日、素晴らしい時間を共にしましょう!
ヘロヘロで這うような状態の僕を会場で見かけましたら、生暖かい目で見守ってやってください・・・。

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