[ 伝授・特別編 ] 9・17 大阪グランキューブ 沢田研二『秋の大運動会~涙色の空』セットリスト&完全レポ
昨年に引き続きましてのこの時期、もはや恒例・・・(なのか?)ジュリーLIVE遠征・イン大阪でございます~。
夏の続きか秋の気配か。
といった按配を予想していったのですが・・・あ、暑い!
ジュリーが「ようやく運動会らしくなってきました」と言っていたように、多少涼しくなったとは言え、それでもまだまだ暑い大阪なのです。
去年と比べたら、一目瞭然。
昨年は9月の18日に大阪で柴山さんの目の前でピョンピョンしていた僕ですが、こんなに暑くはなかったですよ。
何故そう言い切れるかというと。
今だから言えますが、その18日のLIVEの翌19日、僕は初めてカミさんの実家に挨拶に行ってるわけです。つまり、スーツを着ていたのです。
でも全然「暑かった」という記憶が無い。
今年の19日にスーツを着てたら・・・死んでます。
いやいやそんな話はどうでもいい。
新幹線も定刻通りに大阪に着き、余裕を持ってグランキューブに到着。ちょっと交通の便は微妙なのね。
まずはグランキューブ内の2階喫茶店にお呼ばれし、たくさんのJ先輩にご挨拶したり指さされたりしながら、お茶を飲みます。
僕のチケットを見てもらい「Al」の「l」が「i」(アイ)なのか「l」(エル)なのか、みなさまに判別して頂きました。
かすかに点らしきモノがあるから「i」だろう
・・・との鑑定で、「やった~1ケタや~!」と喜んでいますと、「どっちにしても松席には変わりないだろう」とツッコミが。
そこでお隣のレオ丸お姉さまがおもむろにチケットを取り出しながら
「アタシなんかcかoかで悩んだねんで~」
と。
拝見しますと、たたた確かに!
よ~く見れば右側に穴がありますから「c」なんですけどね。パッと見「o」にも見えるんですよ。
年を重ねればその分・・・うあ!すみません!
・・・などという開演前の考察から、グランキューブの座席列番号はもっと分かり易くした方が良いのではないか、という結論が導き出されました~。
で、6時前にせっま~いエスカレーターでホールのある5階へ移動。
エントランス付近でもたくさんの先輩方に声をかけて頂きました。みなさま、僕の最新記事を読んでくださっていて、「はじめまして」とにこやかに仰ってくださいます。嬉しいですね~。
そうこうするうち、超・大物から連絡を頂きまして通路奥で待っておりましたら、颯爽と現れました~。
吉田Qさん!
ジュリーwithザ・ワイルドワンズの大名曲「涙がこぼれちゃう」「いつかの”熱視線ギャル”」の作詞・作曲者として名を馳せ、先月28日には千葉フェスにて1万人の観衆の前で「ジュリ~!」を連呼し存在感を見せつけた、若きシンガーソング・ライターでございます。
この日がジュリーLIVE初体験でだそうで。
一応、「変装してきた方がいいですよ」と伝えていたのですが、完全な素の状態でご登場なさいました~。
「一応メガネかけて来たんですけど」
と、相変わらずの渋い声です。
Qさまのお隣りには、ASAHI SUPER DRY THE LIVEの投票では心をひとつにして共にゴム紐を売り歩いた、関西・Qさま応援団のケンケンジ様がいらっしゃいました。
ケンケンジ様には、その後一旦別れてすぐまた再会した際、写真も撮って頂きまして、それが先頃流出したアレでございます。
結局、開演直前まで入口付近をQさまと二人でウロウロしていたんですが、意外にみなさまこの超大物に気がつきませんねぇ・・・。
それとも、「あの人、Qさんじゃなかった?」って、後からウワサされてるんでしょうか。
さて、いよいよ入場。
今回のお席は通路に面しています。
通路側でしかできないことって、意外と多いんですよ。楽しみ倍増です。
グランキューブ、えっらい縦長ですなぁ・・・。2階席もあまり前方までせり出した作りではないですね。
会場雰囲気に、セットリストへの期待感を感じます。ネタバレを我慢して参加なさっていらっしゃるお客さんが多いのでしょう。
こういう雰囲気は、今ツアーではこの大阪まで・・・でしょうかね。
ブザーが鳴ってからの待ち時間は、渋谷ほど長くありません。
開演!
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1曲目「ROCK' N ROLL MARCH」
イントロのドラムスで「お~っ!」と立ち上がる会場。この瞬間のために、皆必死でネタバレをガマンするんだもんね・・・。
後ろは振り返らなかったけど、スタンディングの割合は、どうだったんでしょ?
2階席のQさまも、「状況が許せば立つ」と言ってたけど・・・。
下山さんのフォーム、バッチリ見えます!
2曲目「BAMBINO EXCUSE」
イントロが終わってヴォーカル導入するタイミングでずずい、と前にせり出してくる両サイドのギター兄弟。
おぉ~、下山さんのジャンプが大きい!
ジュリーは1番から歌詞を間違います。この曲については最早お約束ですが・・・なんですか、伊勢原は完璧だったんですって?信じ難いなぁ。
ジュリー、声自体は渋谷よりも出ているようです。渋谷ではこの曲でも息切れが目立っていましたからね。
3曲目「緑色のkiss kiss kiss」
打上げにていわみ先輩が、この日最も印象に残ったナンバーとして挙げていらっしゃいました。
「DY君、この曲のLIVEは完全にブルースだよ」
と。
で、御本人のブログでは鉄人バンドのインストについて同じことを書いていらっしゃいますが、僕の目の前でグイグイ飲みながら
「ジュリーの横に行ってブルースハープを吹きたかったよ」
といわみ先輩が仰ったのは、この「緑色のkiss kiss kiss」について語っておられた時でしたよ~。
前日の広島公演でジュリーが歌詞を
「ヒロシマの空から~♪」
と変えて歌った、という情報は掴んでいましたが、大阪でもやってくれましたね。その瞬間の会場の「わぁ~っ!」って雰囲気も伝わってきました。
”ヒロシマの空”というのは特別な言葉ですから、限定かなと思っていましたが・・・どうも今後各地で披露されるっぽいですね。
4文字地名の公演は要注意です!
「福岡」は堅いでしょうね。
ひょっとしたら5文字も行けるかもしれません。「館林の空♪」とか・・・。
~MC~
「何度も金使わせてスマンな~!」
という挨拶からしてすでに・・・絶対関東圏では聞けないジュリー節ですよね~。
ジュリーの
「まいど!」
にはすかさず
「おいど!」
と返すお客さん・・・いくら大阪のお約束とは言え、凄い。
もうね、コンマ数秒の反応なのよ。
「9月3日に始まった時はまだまだ暑くて・・・何処が秋や!といった感じでしたが、ようやく運動会らしい気候になってきました」
ということで、「さ~んきゅ~!」と大きく手を振りながらの大阪ご挨拶のシメでございました。
4曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」
ハイハイ、この曲のDYNAMITEはピック弾きのエアベースでございますれば。ちゃんと正しいタイミングで弦楽器横揺れを一緒にやらさせて頂いております。
だって、下山さん一人じゃかわいそうじゃん!
(柴山さんも多少揺れてるけど、実はこの曲のリードギター・パートは難易度が高く、それドコではないのよ)
「俺のすべ~てを~~~♪」
のトコで、ストロークの突き放しがあって横揺れは一瞬止まります。
下山さんがうつむきながら拍を数え、GRACE姉さんの3連符を待っているのが手にとるようにわかりました。
5曲目「ダーリング」
冷静になってみますと、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」~「ダーリング」って凄い流れだよねぇ。YOKO君が羨ましがるワケだ。
プレプレツアーの「勝手にしやがれ」と同じく、長年のファンのお姉さま方のキメポーズが完璧で・・・後追いファンは全部にはとてもついていけず、悔しい思いをしております。
ただ
「だ~~~~~~~~り~~~んぐ♪」
のグー→パーは必ず合わせます。そこはもう意地です!
6曲目「君をのせて」
さぁ、下山さんガン見です!
ジュリーに睨まれたかもしれません。分かりません。僕は畏れ多くもジュリーを見てませんから、この曲だけは。
「君をのせて」・・・コード進行はすべて頭に入っていますが、問題は下山さんがどのようなフォームで弾くか、です。
下山さんの手元を確認しながら、自分も一緒に左手でフォームを追いかけます。ところどころ「ん?」という感じで追いつけなかったり。
「お~!」と思ったのは
肩と肩を ぶつけながら
F F#dim C Am
の「F#dim」。
これを下山さんはハイポジションの7フレットで弾いたんです。
dimというのは特殊な和音で、ルートは違っても和音構成それ自体はすべてのキーを合わせて3種類しかありません。
従って、どのポジションで弾くか、はギタリストの主張であり、楽曲解釈でもあるわけです。
下山さんは
1弦=8フレット
2弦=7フレット
3弦=8フレット
4弦=7フレット
のフォーム。
僕は今まで「君をのせて」を1フレットのフォームで弾いていましたから、これにはビックリ。
「F→F#」の流れよりも「F→A」という鋭角的な表現(しかもハイポジションですからチロリン♪みたいなカン高い響きになる)を下山さんは選んだのですね。
おそらく柴山さんとはずいぶん解釈が違うはずです。
転調後は、A♭を下4弦のみのポジションで弾いたり・・・勉強になりましたね~。
実は・・・10月の渋谷は、この大阪よりもさらに下山さんガン見なお席を賜っておりますので(ああっ石を投げないでください!)、完璧にコピーして参りたいと思っています。
7曲目「I'M IN BLUE」
いわみ先輩曰く
「周りは座っとったけど、俺は一人でノリノリやったで~!」
ということで、会場の反応自体は今ひとつだったようですが、マニア泣かせの素晴らしい選曲でしたね、これは。
「Maybe I'm a loser♪」以降手拍子が頭打ちになるのは渋谷と同じ。
「すべてはこの夜に」の「Hang on me♪」の部分と同じですね。どちらも佐野元春さんのナンバーなのは、偶然かな?
8曲目「”おまえにチェック・イン”」
一転しまして、この曲ではジュリーしか観ていないという。
とにかく、ジュリーのヴォーカルにピッタリなナンバー。62歳にして、「オーマイ・ゴッド♪」や「ハレルヤ♪」のアクションがあまりにもカッコ良過ぎます!
かと思えば、サビは例のキバリ拳炸裂でございますよ~。
張り切ってジュリーと一緒に「うん!」「あっ!」とやっておりましたら、お~!斜め前、Ah14番のお姉さまもバシバシとやってはります。嬉しいですね~。
翌日シネ・ヌーヴォーさんにてお会いしただんぼ様は、グランキューブ2階からDYNAMITEの「ほみたい、うん!」をチェックしまくっていらっしゃったとのこと。
ダメですよ~。ジュリー観てなきゃ~!
9曲目「明日」
えっ、メイ様の「イントロで・・・?」な曲は、これでしたか!
てっきり「ひかり」あたりかと・・・。「ひかり」は以前からお好きだったのですね。
先述しました、通路に面してこそできるアクションとは。
「蹴散らした~♪」
の、キックです!
DVD『ワイルドボアの平和』で初めてこの曲のジュリーのアクションを観た時、是非参加したいなぁ、とずっと思っていたのですが、渋谷初日は(2階席だったこともありますが)とっさに足を出すことができませんでした。
その分、大阪では広い空間に向けて思いっきりやって参りました~。
ギターソロの照明も完璧で、ホッ・・・。
松席で観ていると、イントロのGRACE姉さんのキック連打が凄かったです。
10曲目「我が窮状」
渋谷初日では歌詞が飛んでしまうハプニングがありましたがこの日は大丈夫。
ジュリーはもうすぐ、いつもとは全然違う場所でこの曲を歌うのですね。歌の力を存分に発揮してくれることでしょう。
そういえば、その時の伴奏はどうするんだろう・・・。泰輝さんが駆けつけたりするのかな?
柴山さんはローディーさんから次曲インストのギターを受け取らず、両手フリーの体勢でコーラスに専念。
曲が終わるとすかさずスタンバイ!
11曲目 鉄人バンドによるインスト
渋谷では、イントロで真っ暗な中、泰輝さんにスポットが当たってましたが、この日はさほど強調されてなくて、ステージ全体が明るい感じでした。
僕の前方、ほとんどのお客さんが座ってしまって・・・「こりゃイカン!」と必死で手拍子を続けました。
下山さんの重厚なロングトーンのソロが始まったあたりから、徐々に周囲の方々もノッてきてひと安心。
実は、僕も『奇跡元年』の時はそうだったんです(恥)。
レポにも”休憩”なんてとんでもない書き方してるし・・・。エラそうなこと書いてる割には、集中力が途切れていたのでしょうね・・・。
選曲構成については、ジュリーが「我が窮状」を歌った後でスイッチを入れ替える必要がある、ということなのだと思います。
だから「我が窮状」が前半のトリなんですね。
12曲目「涙色の空」
敢えて書きますが・・・。
柴山さんに痛恨のミスがあったのです。
柴山さんの出番は鉄人バンドの中で最も遅く、2番途中から。
「ちゅくぎゅ~~ん!」(←ごめんねワケわかんない擬音で)
とピックを滑らせた後、最初のタッチで「ソ」の音を出さなきゃいけないのに・・・「ラ」だったか「ラ♭」だったか、少し高いフレット位置で弾いて、不協させてしまいました。
すぐにGmに戻りましたから、それはほんの一瞬のことでした。
僕が敢えてこのことを書くのは、僕のような者でさえそれに気づいた・・・「涙色の空」とは、そこまで後のない究極の形でアレンジされたナンバーなのだ、ということです。
僕には絶対音感がありませんし、純粋に鳴っている音だけでこのようなミスに気づくことは滅多にありません。と言うか、普通この程度のミスは他の音に埋もれて目立たないのです。
鉄人バンドにベースがいれば、気づかなかった。
エレキギターが2本でも、気づかなかったでしょう。
「涙色の空」のアレンジは、完全に各メンバーの役割がパーツとして確立していて、どの音が欠けても成立しませんし、どの音がミスしてもハッキリ全体に影響します。
今回の柴山さんのプレイは珍しいハプニングでしたが、彼等4人がそこまでそぎ落とされた剥き出しの楽曲に立ち向かっているのだ、ということを改めて確認できました。
演奏するのは、長年ジュリーと苦楽を共にした彼等鉄人バンドでなければならない。そういう曲なのですね。
転調前のアコギ弾き語り部では、ジュリーの歌詞が一瞬飛んで早口で追いかける格好になり、そこでは下山さんが一層ストロークを大きくしながら、リズムを乱さぬよう「くっ!」と唇を噛んで気合を入れているのが伝わってきました。
演奏の出来それ自体は渋谷初日(完璧でした)の方が上だったわけですが、素晴らしいお席でこのような不測の事態をいくつか目の当たりにし、「涙色の空」の究極性を垣間見たような気がして、僕はとても感動したのでした。
13曲目「エメラルド・アイズ」
打ち上げでいわみ先輩に
「すまんDY君。この曲はどうやってノッたらいいのか解らんのや」
と頭を下げられてしまいましたが・・・。
確かに、なかなかLIVEでの反応が難しい楽曲です。僕は下山さんのソロから手拍子を始めるつもりでしたが、やってみるとどうも唐突なんですよね。
GRACE姉さんのドラムスは、1番と2番ではAメロでスネアを入れる拍が違うのです。2番から普通に手拍子でいいのかな、とも思いましたが、途中でまたスッと後ノリに移行する箇所がありますし・・・。
渋谷ではほぼCD通りの演奏だった下山さん。この日は1番の1回し目からすでに、ジュリーのヴォーカルに絡むアドリブの単音を弾いてくれました。
ギターを弾きたくて仕方がない・・・そんなステージだったのではないでしょうか。
鉄人バンドの下山さんは、完全に復活いたしました。
(後註:いや、ギターが弾けることへの思い・・・だったのかもしれません。南さんのことがあったばかりでしたね・・・)
14曲目「まほろばの地球」
やっぱりこの曲のLIVEでのジュリーは、エロい・・・。
いわみ先輩と話していて思ったのは、僕の感じる”ロックにおけるエロ”はおそらくミック・ジャガーが基準なんじゃないかと。
僕自身はいわみ先輩とは逆で、どちらかと言うとストーンズよりはビートルズ寄りだったりするのですが、それでも最強にエロいロック・ヴォーカリストと言えば圧倒的にミック・ジャガーなわけです。
では、ジュリーはどういう時にミック・ジャガーばりのエロを発揮するのか。
その答えのひとつが「まほろばの地球」にあると思います。
一例としては、バック演奏の構成がハードなツイン・リードであること。
それによってジュリーは曲が進行していくに連れてどんどん陶酔状態になるのです。ジュリー自身が、ストーンズのツインリードのリフ・ロックを好きなんだと思います。
「エロを振りまいています!」という主張を持つヴォーカリストに、僕は全くエロを感じません。
脳が恍惚となった状態から歌われるメロディーと身体の動き。つまり、”捨身”のヴォーカルにこそ、ロック的エロがある、というのが僕の考えなのですがいかがでしょうか。
大阪のジュリーはエロかった。
そして、いつか「Shangri-la」を生で観たいものだ・・・と思いました。
15曲目「若者よ」
「DY君、この曲はな・・・」(ぐい!)
「はぁ」
「完全にGSなんだよ!分かる?」(ぐい!)
「はぁ、なんとなく・・・」
「いや、分かっていないな・・・。GSと言ってもタイガースじゃない。ジュリーと柴山さんと泰輝さんの3人は、この曲ではスパイダーズだ!そして柴山さんの作曲はジャガーズだ!分かる?」(ぐいぐい!)
「どちらも数曲しか聴いたことが・・・」
「はぁ・・・(溜息)。若者よ!と喝を入れたくなるジュリーの気持ちが分かるわ・・・(ぐいぐいぐい!)、おばちゃん、ボトルもう1本!」
・・・若干ディフォルメされていますが。
僕はこれから本館の方に「若者よ」の記事を書かなければならないのですが、う~ん難しいテーマをいわみ先輩から授かってしまいましたよ。
実は僕はこの曲、CD音源での下山さんのパートはアコギでも良かったのでは、と考えていたくらいですからね・・・。
16曲目「ひかり」
ジュリーのLIVEに参加すると、それまで特に”メチャクチャ好き”というわけでもなかった楽曲にコテンパンにヤラれてしまって唖然とすることがあります。
今回はこの「ひかり」。
なんというスケールの大きな、懐の深いナンバーでしょうか。僕は例によって本館ネタバレ解禁後にはセットリストの中から何曲か復習の記事を書きたいと思っていますが、「ひかり」についてはもう今から書きたいことが次々に溢れ出てしまっている状況です。
しかし、こんな大名曲に気づいていなかったとはね・・・。詞も曲も完璧だし、渋谷・大阪と、ジュリーのヴォーカルは「届かない花々」にも匹敵するサイケデリック・バラードの最高峰たる表現力でした。
こういうナンバーをLIVEでセットリストの隠れた柱にできるアーティストは、そうはいないですよ。
下山さんは終始うつむき加減でガシッ、ガシッと4弦~6弦のバッキング。変わったコード進行の楽曲だから、渋谷でもう一度下山さんの手元をガン見しなきゃ~。
17曲目「太陽」
柴山さんの”ぬお顔”って、2種類あると思うんです。
ひとつは、「オラオラ~!」って感じの、ギターを武器にリスナーの感性を一刀両断してしまう、攻撃系。
もうひとつは、弾いているうちにギターの方に操られ始め、「かんべんしてください~」って感じで大泣き状態になっているという、受身系。
まぁ攻撃だろうが受身だろうが、その時柴山さんが寄り添っているお相手は残念ながら組長ではなく、ご自身のギターなんですけどね。
大阪の「太陽」では、柴山さんは完全に受身系でした。
涙流してるんじゃないかと思うくらいに顔を崩して、口を開いたり閉じたり。渋谷初日は、ここまでではなかったなぁ・・・。
「ひかり」と違い、「太陽」は以前からメチャクチャに好き!という自覚のある1曲でした。
アルバム『生きてたらシアワセ』はファンの間でも好き嫌いが分かれる作品のようですが、僕は今ツアーでこのアルバムから3曲聴けたことに、とても満足しています。
18曲目「世紀の片恋」
みなさま。
イントロでGRACE姉さんが、やかんを叩くような音を出しているのにお気づきかと思います。
「カウベル」と言って、ロックには欠かせない打楽器です。
ビートルズの「ユー・キャント・ドゥ・ザット」やストーンズの「ホンキー・トンク・ウィメン」といった曲において、60年代から数々の伝説を作ってきた音。
『歌門来福』の「SOMEBIDY'S CRYIN'」でも使用されました。
是非この機会に「カウベル」という名称を覚えてくださいね!
下山さん、ボトルネックを絡めた指が・・・長い!
通常サイズのスライドバーだよね、あれ・・・。
ちなみに僕はハーフサイズしか持っていません(つまり、器用じゃないってことね)。
で、下山さん。エンディングで前にせり出してきた時には、左手には何も装着されていないのよ!
いつ外したんだろ?
次回ガン見確認したいところですが、この曲じゃ無理かな・・・。ジュリーのヴォーカルとアクションがスゴ過ぎますし、何といっても試練の「おいっちに体操」がありますからね。
試練、と言ったのは、この曲の「おいっちに体操」はかなりキツいのよ!
「ひかり」「太陽」で身体を休めてたせいなのかなぁ。
で、キツいながらもそこで踏ん張って頑張ってやり遂げれば、次曲「マンジャーレ!~」以降何故だか楽々身体が動くようになるという、不思議。
・・・考えてみれば、長距離走ってそうだよね。一番キツいのは、最初の5キロくらいなんです。そこを頑張れば、何とかそのまま行くんですよね。
まさに”秋の大運動会”。
それを実感するセットリストが、この「世紀の片恋」からなんですよね。
19曲目「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」
先述のように、どういうわけだかこの時点で「おいっちに体操」が余裕の体力でこなせる・・・これが運動会の醍醐味!
ヴォーカル直前のキメの箇所でジュリーはリズムに合わせて掌をパタパタさせるんですけど、このテンポで16分音符の裏拍とか出てくるリズムですよ!
普通そんな器用に動きますかいな(僕は動かない・・・一応ジュリーと一緒に参加はしますけどね)。
間奏は柴山さん→下山さんとリードギター・リレー。
柴山さん、次回の渋谷で”交互足出しリードギター”(神業)やってくれないかなぁ・・・。
20曲目「愛まで待てない」
前曲の最後の音が鳴り終わらないうちに、GRACE姉さんのカウント。走り出すジュリー。
渋谷で一度観てる光景だけど・・・男の僕でも「ジュリー!」と身体が波打つ感じ。
今ツアーではこの曲、「ダーリン・ユー!」って、特定のお客さん狙ってやってるんですかね、やはり。
1度、僕のちょっと後ろに向かってやってました。振り返るわけにもいかず、指されたお客さんの反応が見れず残念~。
今回のセットリスト、リードギター・リレーが多いですね。
21曲目「遠い夜明け」
渋谷初日ではず~っと泰輝さんを観ていました。
で、この日は下山さんガン見、の予定だったのですが・・・歌が始まるやいなや、ジュリーに釘づけ。目を逸らすことができなくなりました。
何なのでしょうねこれは。陳腐な表現になってしまうけど、歌の神か何か、降りてきているように思えます。
あくまで僕の都合の良い想像的解釈ですけど、ジュリーの今回の選曲、覚和歌子さんとGRACE姉さんという、自らを代弁してくれるような作詞をした2人の女性のペンによるメッセージを重要なポイントとして位置づけているのではないでしょうか。
前半の「明日」。後半の「遠い夜明け」でそれを強く感じるんだなぁ。
どちらの曲も、ジュリーの生き方そのものですから。
翌日、azurお姉さまにメールを打ちました。
ジュリーばかり観ていたけど、「遠い夜明け」の下山さんのアコギの音は、ずっと耳に残っていました。
席によって記憶に強く残る音が違う・・・それもまたLIVEの醍醐味なのですね。
~MC~
さすがに日が経って前後の記憶が入り乱れてきてます(汗)。
順不同ということで、よろしくお願い申しあげます。
「『秋の大運動会』ということで・・・毎回、(ツアーが始まる前に)タイトルを考えてくれ、言われるんですよ。
ただシングルCDと同じ『涙色の空』じゃ、意味わかんないでしょ?それが『秋の大運動会』とかつけたら、(みんなに)何が始まるんやろか、と思ってもらえる」
「ジュリーwithザ・ワイルドワンズ(のツアー)がどうも消化不良で・・・いや、あれはあれで楽しいんですよ。
でも、ちょっと動いたら誰かにぶつかったり・・・植田さんが(ドラムセットから)降りてくる曲なんかは、床に置くスピーカー・・・俗に”ころがし”っていうヤツですが、それが邪魔で」
「なんか、”動け”って身体が言うんですよ。”今のうちやで。今のうちに動いて、走っとかなアカンで”って」
「あと8年・・・70歳までは続ける。でも・・・70になった時にまたここ(大阪)へ来てみたら全然(お客さんが)入ってなくて”あぁ、8年前はあんなにたくさん来てくれたのに・・・みんな亡くなってしまったんだなぁ”・・・なんてことにならないよう、みなさんも健康には充分留意して頂きたいと思います」
あと、化粧をやめて何年、というお話に絡んで、お2人ほど政治家をバッサリとやってました。
鉄人バンド登場のタイミングは、渋谷のレポで書いた通りの展開になってましたね。やっぱりギタースタンバイの状態で、立ちつくしたまま漫談終了を待つ柴山さん、下山さんのお二人は相当キツかったのではないかと。
メンバー紹介がありまして
「それではよろしゅうございますか。
オ・マ・ケですぅ~!」
22曲目「ポラロイドGirl」
渋谷初日もそうでしたが、場内に「キタ~!」って雰囲気が充満しました。ネタバレを我慢し続けた関西のみなさま、あっぱれです。僕も来年のお正月は何としても見習わなければなりませ~ん(泣)!
ジュリーの連続ジャンプもスゴかったけど、この日は下山さんでしょう。動きはシャープだし、せり出し率は過去最高だったのでは。
間奏ソロをギンギンにカマしている柴山さんよりさらに前に出てきて、ソロが終わるタイミングを、ステージ中央で待ち構え・・・。
ライトがバ~ン!と当たったと思ったら、2番頭のリフを髪を振り乱し、上体を反らしながら激しく弾いたんですよ!
いつものヘドバンではなく、ランディー・ローズみたいなアクションで。
「俺はここだぜ!」って弾き方は、鉄人バンドでの下山さんにしては相当珍しい。今にして思えば、下山さんの胸の内に、自分の鳴らしている音を伝えたい人がいたのかもしれませんね。
エンディングではお約束・ジュリーの水芸もバッチリ。最前列のお客さんには飛沫がかかったてたんじゃないかなぁ。
23曲目「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」
組長の御記事を読んで気がつきました。
下山さん、「ハッ、ハッ、ハッ!」をやってなかったんだっけ・・・。
確かに記憶がない・・・ジュリーばかり観ていたにしても、たぶんやってたらチラッとでも印象に残ってるはずなんですよね。
だから、やっていなかったのでしょう。
それ、やっぱり演奏上の理由かもしれません。
まぁ、下山さんの場合は恥ずかしがってる説が巷で持ち上がるのも納得はできますけどね・・・。
オリジナル音源だとギター演奏はその部分ミュートですから、ギタリストが右腕を突きかざす事は可能なワケです。
しかしそれはあくまでエキゾティクス編成の話。
オリジナルでは「ハッ、ハッ、ハッ!」のトコはベースがしっかり「ミ~ミミミミ♪」と残っているのですから。
今の鉄人バンドの編成で単純に建さんのパートを抜いたら大変マヌケなことになってしまいます。さすがにドラムだけ残すってのは、この曲の緊張感を削いでしまいかねません。
ですからきっと下山さんがローコードのE7でバッキングをしているんじゃないかと想像できます。
その点、しっかり次回渋谷で確認するぞ~!
ジュリーのカッコ良さは渋谷と変わらず。
最後の「ハイ!」もキレイにお客さんと一緒にキメて、普通なら、ラストはバラードで締めても良いはずですが、そこは・・・運動会ですから。
24曲目「いとしの惑星」
渋谷ではこの曲の目玉をGRACE姉さんの
「だん・だん・だだだ!」(笑顔)
というドラムだって書いたけど、お松な席から観ると、やはりキレイにハモるギター兄弟の同時フレーズ弾きが印象に残りますねぇ・・・。
ベースレスの構成でこんなこと、できないですよ普通。
といった幕切れで、大阪のネタバレ我慢組のお客さんもやっぱり「えっ、終わり?」って言ってました。
すごくイイ曲をトリに選んでると思うのですが、ツアー初参加だと、「もう1曲あるんじゃないか」って考えちゃう人が多いようですね。
--------------------------
そして。
こ、これか・・・噂のエスカレーター地獄!
せっまいエスカレーターに押し寄せる人波。ぐあ~、とかきわけ、カミさんとはぐれたところでメイ様達に見つけて頂きました!
良かった~。開演前にお会いできなかったので、今年はもうお会いできないかな、と思っていましたので・・・。
1階まで降りてしばらく待ち、メイ様にいわみ先輩をご紹介頂きまして、そこからはいわみ先輩に単身連れられ夜の町へ。
いわみ先輩のお話に興味のある方も多いと思うんですけど。
「あ~、そりゃブログにはちょっと書けないっすね・・・」
という話が多かったのです・・・ジュリー絡みは。いや、危ない話とかではなく、ロックをやってる身からすると、ソコは言わぬが華、と申しますかね。
ただ、御本人が覚えていらっしゃるかどうか分かりませんが、僕が圧倒されたのは決して芋焼酎の一気飲みなどではなく、深夜の肥後橋でいきなりミック・ジャガーのアクション真似をご披露なすった、という瞬間でございました。
「DY君、大丈夫だよ。ミックがやってる限りは、ジュリーも大丈夫だ!」
さて翌日は九条シネ・ヌーヴォーさんにて、ジュリー映画特集初日。
僕も「華やかなる招待」を1本観てまいりました。
あらすじは知っていて、部分的には観たことがありましたが、キチンと腰を据えて鑑賞するのは初めてという作品です。
「瀬戸口さんでしたら病院ですよ」というシーンが笑うトコなのかどうかはともかくとして。
「廃墟の鳩」「ジンジン・バンバン」が斬新な別テイクである事に、心底驚いた次第です。
カッコ良過ぎる!僕が60年代サイケデリック・ロック期で一番好きなアレンジ手法じゃないですか~!
・・・というようなことで、本館でのネタバレ禁止期間(まだまだ続くよ!)中に「廃墟の鳩」をお題に書こう!と決めました。
別テイクの音源、探さなくちゃ~。
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