2017年8月 7日 (月)

2017.7.16NHKホール 沢田研二『50周年記念LIVE 2017-2018』セットリスト&完全レポ

3週間もかかってしまいましたが、本日8月7日、ようやくレポを書き終えることができました。
例によって、更新日付を執筆完了日に移動させて頂きます。
今回も長々とおつき合い頂きありがとうございました~。

☆    ☆    ☆

行ってきました!

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↑ 遠征の長崎の先輩に頂いたフライヤー

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↑ 『東京新聞』7月20日朝刊


この歴史的ツアーの、しかも初日・・・本当に仕掛け満載の「これぞツアー初日の醍醐味!」というステージを、とんでもなく素晴らしい席で体感させて頂きました。
端っこの方とは言え、最前列ですよ。どんだけスクリーンが近すぎて見にくかったことか(違)。
もうね、この望外の巡り合わせに感謝しかありません。今年の席運はこの1公演ですべて使い果たしました。そのくらい幸せで、素敵な神席でした。

セットリストの構成については様々な受け取り方ができると思うけど、ジュリーのMCから解釈すると、2曲目の演奏となった「君だけに愛を」から、ジュリーがワイルドワンズのメンバー許可を得て自ら編集作成したという「渚でシャララ」のスクリーン映像までを、ジュリーが今回用意した「シングル(A面)50曲」と考えたいところ。
1曲目に演奏された「あなたに今夜はワインをふりかけ」とアンコールの「いくつかの場面」が、ジュリーの言葉通り「オマケ」のプラスαとして50曲を包んでいると。

で、今回もこれから長々と時間をかけてレポートを加筆していきますが、初日については曲順不同で書かせて頂きます。やっぱり曲順までは覚えられませんでした・・・。本館に書く8月の大宮公演レポートは、なんとか自力で「セトリ順」とできるよう頑張ります。
以下、オープニングとアンコール以外の演目は「リリース年順」に列記いたします。
例によって執筆途中の更新でネチネチと時間をかけて完成させます。呆れずおつきあいのほどを・・・。


☆    ☆    ☆

僕がツアー初日の参加に拘るのは「会場の誰もセットリストを知らない」独特の雰囲気が好きだからなのですが、今回はそれ以外に、ジュリーがお正月に話してくれていた「趣向を凝らした」演出もね、これはやっぱり初日ならではの「お~~っ!」というお客さんの空気を体感できたこと・・・感動しました。

まず入場するとBGMに流れていたのが「シングルB面」特集。僕が入場した時には「君を許す」がかかっていたんですが、タイガースでデビュー以来のシングルB面曲がリリース順に流れていたそうです。
「美しい予感」(「許されない愛」B面)まで流れたところでブザーが鳴ってBGMは終了。
しばらくして場内の照明が落ちると「わ~っ!」という歓声。まぁここまではいつも通りと言えばそうでしたが・・・皆がジュリーを迎えようと身を乗り出して大拍手を始めたのと同時に、スルスルと巨大なスクリーンが降りてきてステージを隠します。
「なんだなんだ?」と思う間もなく最初に「産まれたて」のジュリーのショットがスクリーンに「どど~ん!」と大映しされた時点でお姉さま方は「きゃ~~!」と。
さすが、反応早い!
次々に写真が切り替わっていき、『水の皮膚』の時には会場の後方から「ギャ~~ッ!」という悲鳴が最前列まで異様な圧となって押し寄せてきて(笑)。
そんなわけで僕としては、どの写真でみなさまがどんな声を上げるのか、と確認しながら映像を追っていくのが楽しかったなぁ。

後のMCでジュリーは「さっき(スクリーンに)映ってたのは親戚の子達です」と言って笑わせてくれましたが、写真はジュリー自身が選び編集までやってくれた(静止映像の足をバタバタ動かしたりとかね)そうで。
これは間違いなく、デビュー50周年という特別なツアーで計らわれた、ジュリーから長いファンの先輩方へのプレゼントですよね。
デビューから50年休まずに歌い続けているジュリーも当然凄いですが、50年ファンを続けている先輩方というのも本当に凄いわけです。この日の(そしておそらくツアー中ずっと)ジュリーは、そんな偉大なジュリーファンの先輩方に心から感謝を表している・・・歌のステージの様子も含めてそんなふうに感じられました。

ジュリー自選の写真はギターを弾いているショットが2パターン選ばれていたのが興味深く、新規ファンの僕もとても嬉しいサプライズな演出でした。
で、最後に今年撮影したっぽいジュリーの貴重なショットでスライドショーは締めくくられ、スクリーンが上がって再びステージが見えると、ジュリーもバンドも定位置にスタンバイしていて・・・その瞬間はもう、今まで聞いたことがないくらいの凄まじい拍手でしたね。

それでは、開演です!



~オープニング~

あなたに今夜はワインをふりかけ

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後のMCでジュリー曰く「最初の1曲はオマケ」とのことで、「シングルB面」の中でおそらく最も有名なこの曲からスタート。
いきなり斬新なアレンジで、イントロの「レ、ファ~ソ~ミ~ファ、ソ、ラ、ド~♪」が数回繰り返され、ジュリーがチラッとGRACE姉さんの方を確認して歌メロに入るまでの間、結構引っ張っていた印象です。
ジュリーの声、初っ端から出てましたよ!

この初日は『大悪名』のマルガリータからまだひと月。今回のツアーは皆さん事前に「頭はどうするんだろう」と心配される声が多く、「ハット希望」の声をよく聞きましたが、いやいやさすがはジュリー&タケジさん、「隠す」なんて野暮はしませんでした。
ほぼ丸刈りに近い髪型、これが本当にカッコ良かったんですよ。エメラルドグリーンのジャケットを着ていると「王者」の風格があってね~。

僕の席は柴山さんの定位置よりさらに上手寄りの端っこでしたから、サビで左右に出張してくれるのがお約束のこの曲でも(この時点では)ジュリーはあと数メートルで真ん前、のところまで来て止まって、という感じ。
でも、曲が進んでセットリスト中盤あたりからだんだん接近度が上がってきて、何度も正面に来てくれましたけどね。「差し向かいで完全に目を合わせて」な最接近は「こっちの水苦いぞ」と「サーモスタットな夏」の2曲でした。まぁその話はまた後で。

それにしても柴山さんの髪はジュリーのそれとは対照的で、史上最高級にモリモリでしたな~。



~50周年記念・ジュリー厳選のシングル50曲!(音源リリース順にて列記)~


僕のマリー

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ここからはセトリ演奏順ではなく、リリース年代順に列記した曲それぞれについて、印象に残ったことを簡潔に書いてゆくスタイルです。
記憶力抜群の先輩のおかげでもうセトリ順も分かってはいますが、それは今は確認せず、マッサラな状態でこの初日レポを書いた後にキッチリ頭に叩き込んでから次回参加の大宮公演に臨みます。大宮のレポートはしっかりセトリ順に書くつもりですけど、今回ばかりはこういう形で・・・すみません。
あと、いつもの調子で書きたいことを全部書いていくと、なにせ52曲ぶんですからシャレにならない文量になってしまいます。ポイントを絞って、短めに纏めたいと思っています。よろしくお願い申し上げます。

この「僕のマリー」は4曲目(このあたりまでは覚えています)で、「あなたに今夜はワインをふりかけ」「君だけに愛を」「自由に歩いて愛して」と3曲歌ってから最初のMCがあって、その直後でした。
今回タイガース・ナンバーでは「モナリザの微笑」「銀河のロマンス」といった有名曲が選曲から外れていますが、やはりこのデビュー曲は外せないのですね。

柴山さんは単音、コード突き放し、ストローク、アルペジオをたった1人で再現。相当大変だと思うけど、柴山さんもジュリーと同じように「できることはやるんです!」って人なのですね。

シーサイド・バウンド

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こちらはセットリスト終盤のMC(「ISONOMIA」の後)直後に配されました。タイガース・ナンバーでは唯一セットリスト後半に食い込んだ形です。
「あと10曲です!まだ先は長い・・・盛り上がってまいりましょう」みたいな感じで皆を喜ばせておいて、「シ~サイド・バウン!」のタイトル・シャウトに続いて演奏がスタート。全セットリスト中、最もオイシイ配置と言うか、ま~盛り上がりましたよねぇ。

エンディングのかけ声も、ステージを端から端まで駆けながら張り切ってリフレイン。ピーの裏声パートまで再現していませんでしたか?
もちろん間奏のダンス・タイムもありましたが、僕はジュリーばかり観ていたので、弦楽器隊の柴山さんと依知川さんがステップを踏んでいたかどうかまでは確認していません。大宮でチェックしたいと思います!

君だけに愛を

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これは2曲目。1曲目の「あなたに今夜はワインをふりかけ」を「オマケ」とするなら、「ジュリーが選んだシングル50曲」一番手の披露ということになります。
1階センターの10~20列目くらいを狙った指差しが多め。とにかくジュリー、冒頭からメチャクチャ声が出ています。この日「ちょっとキツそうだな・・・」と感じたのは「危険なふたり」の最初の方くらいで、あとは「常に全開!」で、お客さんへの「愛」に満ちた声。
そんな声で歌われたタイガース・ナンバー「君だけに愛を」、新鮮でした。

演奏では、とにかく柴山さんの負担がハンパない!
普通に考えれば、この曲でアルペジオ・パートと単音パートを同時に弾こうなんて考えません。それを平気でやっちゃうんですから。
ホント、そこまでやるか!ってくらいの難易度ですが、あまりに素晴らしいので曲が終わった時、「できればその勢いのまま、間奏ソロも聴きたかったな~」などと贅沢なことを考えてしまいました。
でも、タイガースの曲はどれもそうでしたが「ショート・ヴァージョン」が似合っていました(おかしな言い方でしょうか)。「テレビサイズ」ヴァージョンありが全盛の時代に作られた名曲群だからなのかな。

青い鳥

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これは鉄板のセトリ入り。やっぱり「メンバーのオリジナル曲でヒットしたタイガース・ナンバー」としてジュリーにとって大切な1曲なのでしょう。
そのうちタローがこのツアーの何処かの会場に姿を見せることもあるでしょうし、「あ~おい、と~り~♪」の箇所ではタローも血が騒ぐでしょうね。

柴山さんが意外に苦労していました。この曲のソロって全部複音で、それ自体は難しいことではないんだけど、タローのオリジナル演奏は徹底して横移動なんですね。フレット的には縦移動を採り入れても同じ音階は出せるわけだしどう考えてもその方が理に適った弾き方なんですが、敢えて横・・・これは柴山さんのタローへの、ひいてはタイガースへのリスペクトだと思います。
横移動で弾くと、「ちゃ~ん、ちゃ、ちゃちゃちゃちゃ♪」の「ちゃちゃちゃちゃ♪」の部分がかなり強引な運指になって、半拍ごとに引っかかるよう感じになるんですが、それこそが「青い鳥」のギターなのだ、と。

考えてみれば、ほぼ虎の時にサポート・メンバーだった柴山さんも、この曲のソロは完全にタローに一任して自らは弾いていません。
柴山さんが弾く「青い鳥」のソロは『ジュリー祭り』以来ということになりますか。
貴重な演奏が間近で観られたなぁ、と思います。

ラヴ・ラヴ・ラヴ

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ジュリーが歌う「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を体感するのは2013年のタイガース再結成ステージ以来。
しかしその間僕は毎年、ピーのツアーでこの曲を生で聴き続けています。
二十二世紀バンドという多彩なヴォーカリスト数人を擁するバックを率いているピーも、この曲だけは必ず自らが歌います。「やらなければゼロはいつまで経ってもゼロのまま。やり続ければそれは必ず10となり、20となり、30となってゆく」というのは僕自身の座右の銘のひとつですけど、ピーのヴォーカル(特に高音の出し方)の進化は、毎年歌われる「ラヴ・ラヴ・ラヴ」に最もよく表れているでしょう。
一方ジュリーの場合は、これはもう天性なのですね。歌うために生まれてきたような人が、この難易度の高い曲を数年ぶりに歌うというのは宿命づけられていたことと言うのか、「自然である」と言うのか。
ジュリーの歌人生はタイガースのリード・ヴォーカリストから始まったんだなぁ、と改めてそんな当たり前のことを感じました。

僕は今回セットリストの曲順までは覚えられませんでしたが、「今何曲目」というのはリアルタイムでずっと数えていました。この「ラヴ・ラヴ・ラヴ」で25曲です。
「ちょうどこれで半分かな?」と思っていると、歌い終えたジュリーがここでMCに入りました。
「さて、ここまでで何曲歌ったでしょうか・・・24曲です」と言うので「あれえっ数え間違えたかな」と。
でもジュリー曰く
「厳密には25曲ですが、最初の1曲はオマケです!」
つまり「あなたに今夜はワインをふりかけ」はシングルA面曲ではないけれど、特別に歌うんだ、ということです。「さぁ、楽しいショーが始まりまっせ!」という「オマケのオープニング」として。
そこから24曲歌って、前半ラストの折り返し地点が「ラヴ・ラヴ・ラヴ」。本当に完璧な構成です。

そう言えば、『ジュリー祭り』も前半の締めくくりはこの曲でしたね。「還暦」記念も「デビュー50周年」記念も、「自らの節目を自ら祝う」のではなく、自分に関わる人達、歌を聴いてくれる人達すべてに「愛と感謝を捧げる」コンセプト。これぞジュリー・・・本当に素晴らしい!
この場に立ち合えて、幸せです。

自由に歩いて愛して

Pygbest

「君だけに愛を」に続いての3曲目。イントロ一瞬でそれと分かる曲ですから、「うお~!」と声が出ました。初めての生体感ということもありますし、なにせ数日前にセトリ予想記事書いたばかりでしたから。
でも今回は「セトリ予想が的中した」ってことじゃないと思ってます。だいたい僕は、「PYGは花・太陽・雨で堅い」な~んて書いています。
これはやっぱり、「お客さん(特に50年ずっとジュリーを観続けてきた長いファンの方々)への愛と感謝がコンセプト」ならではのセトリ入り。「PYGのシングルからこの曲を歌って欲しい」と切望されていた先輩方へのジュリーからのプレゼントです。
たとえDYNAMITEなんぞが余計なセトリ予想を書こうが何しようが、そんなことは今回ばかりは関係なく(笑)・・・ジュリーと先輩方の相思相愛ぶりを存分に見せつけられた、というそんな選曲でした。

僕は記事中で「もしこの曲が採り上げられたら、間奏のオルガン・ソロも再現される」と予想しましたが外れました。1番の後にすぐ「Now the time for love♪」のリフレインでしたね。
あと、イントロから炸裂する難易度の高いギター・リフについて「柴山さんもさすがにニコニコしてはいられないはず」と書いたのですが、これまた大外れ!
余裕の笑みとともに「どうだ!」と言わんばかりの演奏で。フォーム的には「Am」のローコード・ポジションですから、フレットすら見ない、というのは分かるんですけど、それにしてもあの変則アルペジオ(「プリング・オフ」の連続技を含む)をあんなに涼しげにブチかますとは・・・畏れ入りました。

この曲の後に最初のMC。先述した「親戚の子達」発言もここです。
「長く続けていれば50周年にもなるのですが、その50周年のステージをいっぱいのお客さんの前で歌えるというのが本当に嬉しい」
と。もちろん、会場の全員がその言葉に大きな拍手で応えましたよ!

君をのせて

Acollection

セトリ配置をまるで覚えていない曲のひとつ。
「ラヴ・ラヴ・ラヴ」より前だったか後だったか、前後の曲が何だったのかも覚えていません。まぁ、どんな配置でどんな曲と繋がってもしっくりくる、髄までジュリー!という大名曲だってことですよ!(←言い訳)

このソロ・デビュー・シングルが、今なおジュリーの声と喉にピッタリという奇跡。
ショート・ヴァージョンながら、半音上がりの転調リフレインまでキッチリと歌ってくれました。
指弾きのベースが優しい!依知川さんのピック弾きと指弾きの選択は的確、適切です。
歌い終わったジュリーがエンディングに合わせて優雅に腕をクルクル回し片膝をつくお辞儀のポーズも、すっかり定着しましたね。

許されない愛

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今回のセトリは、リリース時期が近い曲を数曲固めて歌う「プチ・時代別コーナー」が随所に織り込まれていて、この「許されない愛」は70年代前半のヒット・シングル・コーナーで披露されました(セットリスト序盤)。

この曲はアレンジも(リリース当時としては)すごく冒険的で、Aメロのリズムを刻んでいるのがドラムスではなく、ギターの「じゃ~、つく、じゃ~、つく」というストローク&ブラッシングです。当然今回のステージでは柴山さんが担当。鉄人バンドだとそこに下山さんのドアーズ直系な変態リードが絡むのですが、さすがにそこまでは再現されませんでした。
Aメロの間はドラムスが「ここぞ」のタイミングで効果音的に「ばしゃ~ん!」と噛み込むのがカッコイイ。オリジナル音源にも忠実な演奏で嬉しくなります。
もちろん泰輝さんのハモンドも大活躍。

満を持してのサビでようやくビートがハッキリしてくる、というアレンジ。ワンコーラスのショート・ヴァージョンでも楽曲のクオリティーが伝わる名曲・・・やっぱり僕はこの曲、大好きだなぁ。
「ここに~、あな~た、が~♪」と熱唱するジュリーの横顔が、今も脳裏に焼きついています。

あなたへの愛

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僕の記憶だと「許されない愛」→「あなたへの愛」→「追憶」なんですが、どうやら実際のセトリは「あなたへの愛」→「許されない愛」の順序が正しいようです。

柴山さん、この曲では毎回音色変えてくるんですよね。いつでしたか、まるで加瀬さんみたいなセッティングでエア・コードのフォーム移動を「きゅっ、きゅっ」と言わせていたことがありましたが、それは下山さんがアコギを弾いていたからこそ可能だったこと。
今回はリードも弾いて、アルペジオも弾いて、ストロークもやってと大忙し。音色はオリジナル音源に近い空間系のエフェクトで作り込んでいました。

サビのGRACE姉さんのキックが素晴らしいです。普通のエイトではなく、「どっどどどん、どっどどどん♪」と16分音符で跳ねるのです。これからの公演ご参加のみなさまは是非注目してみてください。

危険なふたり

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「ギター・リフもの」ヒット曲コーナーの中の1曲として、「さぁここからスパートかけます!」的にセットリスト後半折り返し早々の位置に配されました。

ジュリーの声はこの日絶好調だったのですが、僕が唯一「あっ、ちょっと苦しそうかな」と感じたのが、「危険なふたり」の歌い出しあたり。前曲が「ウィンクでさよなら」で、とにかくステージを左右に走り回ってのパフォーマンス。そこから間髪入れずこの曲に繋がったので、少し息切れがあったのかもしれません。
ただ、お客さんの興奮は確実にジュリーにも伝わっていますから(やっぱりこの曲はイントロの一瞬で「うわ~っ!」と会場の温度が上がります)、喉を奮い立たせての熱唱・・・こういう「ちょっと無理してでも」歌ってのけるジュリーもまた素敵なのです。
ということで、恒例の「年上のひと・物色」はこの日は無し。ちょうどその歌詞部の時ジュリーは僕とは反対側ブロックに進出していて、そのあたりの最前列に普段から師と仰いでいる先輩がいらしたので、「出るかな?」と楽しみにしていたんですけど(笑)。
刈谷でどうだったのか分かっていませんが、京都公演あたりからはやってくるんじゃないですか~?

追憶

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「あなたへの愛」「許されない愛」と固まって「70年代前半のヒット曲コーナー」に配されました。このあたりの流れは特に、リアルタイムで体感していた先輩方には「あの頃」に引き戻される感覚があったでしょうね。
一方でこれら3曲の固め打ちで新規ファンの僕が「引き戻された」のは、2015年のツアー。「KASE SONGS」で彩られたあのセットリストを思い出しました。

「許されない愛」然り、「あなたへの愛」然り・・・そしてこの「追憶」も、ショート・ヴァージョンでワンコーラス歌うだけで楽曲の綿密さ、ヒット性、ポップ性がビシビシ伝わります。
Aメロ、サビの展開、構成が明快で、説得力があって・・・改めて「加瀬さんは凄い!」と。
残念ながら今回は「恋は邪魔もの」が選曲から外れましたが、これら加瀬さんの名曲群はジュリーがステージに立ち続ける限り、また何度も聴く機会があるはず。
僕は今ツアーを「ジュリーからの愛と感謝のステージ」だと思っていて(みなさまもそうでしょう)、「追憶」では、ジュリーからの加瀬さんへの「愛と感謝」を感じました。本当に素晴らしい歌、素晴らしい曲です。

「愛の逃亡者/THE FUGITIVE」

Fugitive

これもセトリ配置をまるで思い出せない1曲。
なんとなく「ラヴ・ラヴ・ラヴ」より後だったかなぁ、と思っていたんですけど、正しくは前半。「はは~ん、ちょうど僕が曲順を覚えるのをサッパリあきらめたくらいの頃かぁ」と、妙に納得したりして。

さて、今セットリストで僕がまだ考察記事未執筆の曲は計6曲でした。この「愛の逃亡者」と、「時の過ぎゆくままに」「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」「STEPPIN' STONES」「愛まで待てない」。
このうち、来年の6月25日に書くと以前から決めている「時の過ぎゆくままに」以外の5曲を、今年中に”セットリストを振り返る”シリーズとして採り上げようと考えています。僕は大宮の次は11月の松戸までしばらく間隔が開きますから、大宮のレポートを書き終えたら早速開始するつもりです。

で、「愛の逃亡者」。僕は初の体感でしたが、今回は「イギリスのシングル・ヴァージョン」でした。「うっ!」「はっ!」が無いんですよ(無かったですよね?)。
イギリスのシングルのこの曲に「うっ!」「はっ!」が無い、と僕が知ったのはつい最近のこと。福岡の先輩に聞かせて頂いたラジオ音源『愛をもとめて』の「ロンドン報告」の回でジュリーがそんな話をしてくれています。もちろん考察記事ではその話も書きますよ~。

エンディング、「FUGITIVE KIND~♪」のオクターブ上の高っかいメロディーをジュリーは気合で歌いました。その姿、歌声・・・グッと胸に迫ってきますね。

モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド

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年代順に列記しているので自分でもセトリ曲順が分かりにくくなっています(汗)。
これは「愛の逃亡者」より先に歌われました。歌い終わった後「メルシー、メルシー、フランス生活長いもんで・・・」とお客さんを笑わせてくれたのですが、間を置いて歌われた「愛の逃亡者」では「サンキュ~、サンキュ~、イギリス生活長いもんで」とヴァリエーションを変えて(笑)。このギャグは毎回やるつもりなのかな?

今年は『愛をもとめて』のラジオ音源が聞けたこともあって、流暢に「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」とタイトル紹介する若きジュリーの声が耳にこびりついているんですが・・・いやいや、69歳のジュリーがいざ歌い始めるとその当時の声のまんまと言うのか、「歌」って不思議だなぁと。
明らかに「今現在の声」でそれが「凄い!」と思う歌もあれば、「昔のまんまで凄い!」と感じる歌もある・・・この曲は後者ですね。
40年以上前のピエールさんの発音指導は、今もジュリーの中に息づいています。「パリ」を「ぱひ♪」と発音するジュリーの生歌に萌えまくり!

「時の過ぎゆくままに」

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さぁ、これです!
昨年から下山さんと依知川さんが入れ替わり、現在のジュリーのバンドはギター1本体制。僕は初のジュリーLIVEからずっと鉄人バンドの演奏でジュリーを観てきて、LIVE超定番曲について「この曲はこう、この曲はこう」と、演奏のポイントも自分の中で確立されたかな、という時期でのメンバー交代でした。
ギターが1本となり、柴山さんがフル回転するシーンを2016年お正月から3ツアー観てきましたが、「こればっかりはギター1本体制では無理!」と考えていた定番曲が2曲。「時の過ぎゆくままに」と「いい風よ吹け」です。
いや、「無理」というのは「曲の再現が無理」という意味ではないですよ。それは今セトリで言うと例えば「君だけに愛を」「憎みきれないろくでなし」などのように、「柴山さんが2つのギター・パートを1人で担う」スタイルが、「時の過ぎゆくままに」「いい風よ吹け」の2曲の場合は物理的に絶対無理だということです。
つまり、ギター2本体制での演奏パートいずれかを、ギター以外の楽器が代行することになります。

「時の過ぎゆくままに」は今回必ずセトリ入りする曲ですから、僕は事前にアレンジを予想してみました。
あの「時過ぎと言えばこれ!」というリード・ギターのパートをキーボードで弾くのはどんな音色であろうが違和感が大きい。ならば、アコギ・ストロークのパートをピアノで代行するのではないか、と。
「ヤマトより愛をこめて」のアレンジ・イメージですね。色々考えたけどそうするしかないだろう、と結論づけていざその時を待ちました。

セトリ前半のヤマ場・・・いよいよこの特大ヒット曲のイントロが流れ、ジュリーの歌が始まってビックリ。
何と、アコギのストローク・パートを依知川さんのベースが担うという・・・これは考えもしなかった!
なるほど、低音のロングトーンでルートの音とリズムを揃え、「体あわせる♪」以降の音の厚みは泰輝さんのストリングスに託すと。やられてみると、今のバンドならば「これしかない」という感じです。
本当に素晴らしい演奏でした。その上で、僕はやっぱり下山さんのアコギも恋しいです。昨年は柴山さんがスタンド弾きのアコギを魅せてくれたけど、今年になってからはジュリーのLIVEでアコギの音を聴いてない(お正月も柴山さんはエレキのみ)んだなぁ、と感傷的になったりもしました。

それにしても今回のセトリ、出し惜しみないですね~。前半部からバシバシ「超有名曲」が出てくる。でも後半になってもそういう曲がまだまだ残ってる・・・本当に贅沢で偉大な、歴史的ツアーなのです。

ウィンクでさよなら

Royal2

セトリ後半のスパート的な配置となった「ギター・リフのヒット曲」コーナーの切り込み隊長。この後「危険なふたり」「ダーリング」とリフものの「お馴染み」ナンバーが続くことになります。
前半の「STEPPIN' STONES」あたりからジュリーは僕の真ん前まで進出してくれるようになって、動き回る曲での接近度が上がっていましたからこの曲が始まった時は「来るぞ、来るぞ」と大いに期待したのですが、例の「アイ、ラ~ビュ~、アイ、ニ~ジュ~♪」の求愛ポーズ、上手側では僕の2つ内のお席のお姉さんの前まで。う~ん残念。下手側では結構奥手まで行ってたのにな~。羨ましい!(←最前列で観ているのに贅沢を言ってはいけません)

とにかく元気に走り回るジュリー。
初日はこの後の「危険なふたり」でちょっと辛そうにしていたくらいですから、ジュリーとしてもいつも以上に全開で暴れていたんだと思います。厚手(だと思う)の白シャツ越しに大汗かいてるのがハッキリ分かりましたし、夏男・ジュリーに似合う1曲ですね。
そして秋、冬へと続くツアー。これから公演を重ねるに連れて、2015年に魅せてくれた「スライディングしての求愛ポーズ」も再現されるんじゃないかな?

コバルトの季節の中で

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これは復帰直後の依知川さんがAメロでかなり苦労していたなぁ、という印象が残っている曲。
今回は初日からバッチリ!柴山さんの手元を見ながら、丁寧に1拍目を弾き、キッチリとオブリガートも入れてきた依知川さん。今年はBARAKAのアニヴァーサリー・イヤーと並行してのジュリー・ツアーで忙しいはずですが、いずれも稽古充分と見ました。


この機に再度広報しておきますと、依知川さん率いるBARAKAは、11月2日(ジュリー松戸公演の前日)での東京国際フォーラム公演が決定しています。

Baraka2

「なんとか満員にしたい」と後援会メンバー(あさいちのLIVEでお友達になりました)の方々も準備に邁進中とのこと・・・ジュリーファンのみなさまもご都合よろしければ是非!

ジュリーのヴォーカルは相変わらず涼やかで、美しい進行が際立ちます。
この曲だけではありませんが、今回の全国ツアーに来場する一般ピープルにも「作曲家・ジュリー」の素晴らしさをもっともっと知ってもらいたいですよね。

勝手にしやがれ

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イントロ一瞬で会場の空気が一変する感覚、ピアノの音に合わせてビシッ!とジュリーがポーズをとるや「わ~っ!」と沸く独特の瞬間。
これまで何度も体感しているけど、今回は『ジュリー祭り』の時にこの曲が始まった感覚に近かったです。やっぱり名曲、凄まじい大名曲なのだ、とあの時と同じことを考えました。

満員のお客さんの壁塗り・・・壮観な光景を振り返って眺めたかったけどさすがに最前列でそれは(笑)。
「アンタ、初日そんな席だったら大宮の俺らは2階最後列で確定じゃん!」とYOKO君が言ってくれていますので(自分だけ良い思いをしてすまぬ・・・)、会場総壁塗りを眺めるのは大宮の楽しみにとっておきます。

いやぁ、それにしてもショート・ヴァージョンでこれほどの説得力ですよ。
柴山さんの弾くコード、「F→Em」の箇所を確認。変則チューニングでないとしたら、これはオリジナル・キーです。数年前にジュリーよりずっと若いトップ・アイドルがテレビでこの曲をカバーしたことがありましたが、それでもキーは1音下げていました。
69歳のジュリーが軽々かつ豪快に歌う正にオリジナル、唯一無二の「勝手にしやがれ」。素晴らしい!

憎みきれないろくでなし

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「初日の柴山さんベスト・プレイ」個人的第2位!
最前列って、どうしてもオーラや吸引力に抗い難くてジュリーばかり観ちゃうんですけど、やはり上手端っこにいるわけですから、柴山さんが「おおおっ!」という演奏を魅せてくれた時には釘づけになります。
ま~~~、カッコイイですよ!
イントロの「でけでけでんでん、でんでででででん♪」から既に目が離せません。
しょあ様のレポでリンクを頂いて恐縮しきりなのですが、実のところは僕だって柴山さんの「創意工夫のカズカズ」を1割も理解できていないでしょう。

ただただ、カッコイイ!と思って目を奪われる。
この音好きだ!と思って魅入ってしまう。

と、そういうことなんです。本当は、理屈なんてまったく必要ないんですよ。
ロック・ナンバーにおいて、ギター・リフとカウベルを組み合わせてルーズに攻める、いわゆる「バカ・ロック」(←最大級の絶賛です)の世界最高峰楽曲こそ「憎みきれないろくでなし」。
で、そういうバカ・ロックのギター・フレーズを弾く時の名ギタリストって、世界共通でエロいんですが・・・柴山さんはその中でもトップ・クラスです!
もちろん堯之さんとも違う・・・堯之さんのこの曲のギターは「どうだ!沢田!」って感じ。もちろんそれは素晴らしいのだけれど、柴山さんの場合は外向きで「みんな、こっちおいで!」みたいなエロさになります。
顎を上げて下を見る(フレットではなくて、客席を見ます)挑発的なエロ。ギター・リフはAメロに入っても続き、Bメロでは「でけでけでけでん!」とシャキッと2拍で切ってくるのがまたカッコイイ。
この曲は当然ながらジュリーもエロいに決まっていますから次回大宮ではジュリーに注目して観たいと思っていますが、初日の僕は完全に柴山さんにヤラれてしまいましたね・・・。

各曲がワンコーラスにアレンジされた中で、「間奏ギター・ソロ」をそのまま「後奏」へとシフトさせていたのがこの曲と「greenboy」でした。
ジュリーが「歌のパートを早めに終えてでも、絶対ギターソロをブチかまして欲しい」のがこの2曲だった、というのもなかなか興味深いところです。

てなことで僕はこの曲、柴山さんばかり観ていたのですが・・・なんですか、後で聞くところによれば、ギターソロに行く直前ジュリーが「カズ!」と叫んでから指差ししていたんですって?
完全に見逃しました・・・(泣)。

あと、かつて鉄人バンドの演奏が素晴らしかったことを踏まえた上で書きますが、特にこの曲についてはベースが入った方が絶対に良いです。
イントロ冒頭、「ぎゅ~ん♪」に続く1拍目の音のインパクトが全然違う・・・これは大宮でYOKO君も同じ感想を持つだろう、と思っています。

サムライ

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これは10曲目(「ワイン」からのカウントで)。
結果的に曲順を覚えることはできませんでしたが、いつものように「後からじっくり思い出す」つもりでキリ番の曲はしっかり覚えて帰ったんですけどね・・・。「サムライ」は最初のキリ番でした。

スタンドマイクをセッティングしてジャケットを肩にかけた時点で「あぁ、次はサムライだな」とジュリーファンなら全員分かります。ジュリーはこの曲が終わるとジャケットを脱ぎましたから(いかな僕でも最前列だとそこは覚えてる)、翌日スポーツ新聞を賑わせたエメラルドグリーンのジャケット姿のショットは、「サムライ」までの10曲のうちいずれかのシーンということになります。
歌はもちろん素晴らしく、ジュリーの喉がこの日絶好調だったことを裏付ける1曲でした。

ダーリング

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「ウィンクでさよなら」「危険なふたり」に続く「ギター・リフもののヒット曲」コーナー。
括りで言うなら、このコーナーの中に「恋は邪魔もの」「カサブランカ・ダンディ」「酒場でDABADA」あたりが入ってもおかしくありません。
今回僕は「カサブランカ・ダンディ」がセットリストから外れたことが意外でした。ツアー途中のセトリ入れ替えがあるとすれば一番手に考えられるナンバーでしょうが、さてどうなりますか。

初日の「ダーリング」で特筆すべきはやっぱり、「その指で髪をかき上げてくれ♪」の箇所。坊主頭を必死でかき上げようとして「ああっ、髪がないッ!」みたいにクシャクシャッ!とやるジュリーの表情が強烈に印象に残っています(笑)。
これ、最終的にはフッサフサの髪を誇示するようなアクションへと変わっていくんでしょうかね~。参加会場ごとの変遷が楽しみな曲です。
いずれにしても、この愉快な「坊主頭無理矢理かき上げ」のシーンが観られるのはツアー初期限定。貴重ですよね。僕は次の大宮までギリギリ体感できるかな。

何度も体感できている曲ですが、なんだか久しぶりに感じました。「だ~~~り~~ん♪」の拳突き上げをジュリーと一緒にやるのも久々な感覚。
久々と言えば、大宮のこの曲ではYOKO君の指舐めが見られるはず。あれを僕がやっても気持ち悪いだけですが(泣)、彼がやると悔しいことにカッコイイのです!
二枚目しかやっちゃいけない所作なのでしょうね。

ヤマトより愛をこめて

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「えっ、意外と早いな」と思いました。
セトリ順が、ってことね。みなさまもそうかもしれませんが、僕にはこの曲、「気になるお前」と並び「セットリスト最終盤」のイメージが強いんです。

『ジュリー祭り』からの9年でしか語れないながら、生で聴くこの曲のジュリーのヴォーカルは、ツアーによって、公演によって表情を変えることがあります。
切々と何かを訴えるように情感が込められていたり、「別の喉」を使ってハスキーに歌いドキリとする時があったり、そしてこの日のようにひたすらメロディーを追う「無」の境地、優れた俯瞰力を感じさせられたり。
ただ毎回思うのは、激しいロック・コンサートにあって「ヤマトより愛をこめて」は常に安らかで、「バラード」を逸脱しないオンリーワンにして至高の1曲である、と。誰の真似でもないし、誰も真似はできないんですよ。
今ツアーはセトリ最終盤の「ヤマト」ではないけれど、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」の次に配されています。曲想も世界観もガラリと変わるけど、「ヤマト」はいつものように「ヤマト」だったなぁと。
いつも最高の歌声が聴ける・・・そういう意味では「君をのせて」のように、どれほどの時が経とうと自分の声、喉にピッタリであるという奇跡をジュリー自身が感じながら歌っている曲かもしれませんね。

なんとなく誘われて会場に来てみました、という一般ピープルに強く訴える有名曲だと見ています。
僕は11月の松戸公演にロック畑の友人をたくさん誘っているけど、彼らがセットリスト中最も心奪われるのは、ロックなナンバーよりもむしろこの「ヤマトより愛をこめて」ではないかと予想しておきますか。

LOVE(抱きしめたい)

Love

セトリ後半早々の配置というのは覚えていましたが、改めて確認しましたら「灰とダイヤモンド」と繋がってましたか。いやいや贅沢なセトリです。
この曲も「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、『ジュリー祭り』以降に採り上げられたのはお正月LIVEの2回で、YOKO君はまだ未体感。『昭和90年のVOICE∞』のセトリを伝えた時、1曲目がこの曲と知った彼は「凄ぇ!」とずいぶん羨ましがっていましたし、大宮ではイントロの瞬間に殴られるだろうなぁ。

個人的には、この曲はやっぱりアコギが恋しい。あの正攻法の、基本中の基本運指のアルペジオを再現して欲しい、と思ってしまいます。
僕はこの曲、誤解を招く言い方かもしれませんがジュリーにしか歌えない『魂のフォーク』だと最近は考えていて。そこは「ヤマト」とは別物の魅力があると言うか・・・心地よい痛み、恩讐とか情念。男独特のね。
そんな歌を歌うジュリーもまた素敵です。
いつか、「ヤマトより愛をこめて」→「LOVE(抱きしめたい)」というセトリを体感したいです。いずれも「男」際立つジュリー、でもきっと『A面コレクション』とは全然聴こえ方が違う、と思うんですよね。

TOKIO

Tokio

「ヤマト」ほどではないけどこの曲も「おお、早々に来たか!」と思いました。「早々」とは言ってもジュリーもお客さんもここまでの流れで完全に「デキ上がって」いますから、そりゃあ盛り上がります。

今ツアー、一般ピープルの人達を多くお誘いしているけど、松戸公演に集結する音楽仲間については、やはり同世代ということで反応が楽しみなのはこの曲。
僕も『ジュリー祭り』以前ポリドールのアルバムを全制覇した後、映像作品に手を出して『ジュリーマニア』を観た時、「TOKIO」には特に引きつけられた、という想い出があります。実際のセールス以上に『ザ・ベストテン』世代にインパクトを残している曲・・・かな?
まぁ世代によっては「危険なふたり」であったり「勝手にしやがれ」に同じ感覚があるのでしょうけど。

ショート・ヴァージョンなのでお馴染みのパントマイム・コーナーが無いのはちょっと寂しいかなぁ。
あと、全セットリスト中、エンディングのアレンジに最も驚かされたのがこの曲でした。「と~き~お!」のヴォーカル・ディレイで突然終わります。
でも後になって、そう言えば「TOKIO」の頃ってこういう終わり方するテクノ・ナンバーが流行っていたんだっけなぁ、とも思いました。

ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

「greenboy」のソロで柴山さんがステージ前方にせり出していなかったとすれば(記憶が曖昧なのですが、定位置だったように思います)、左右弦楽器隊がずずい、と進み出てきた最初の1曲。ここで「おぉ、柴山さん来た来た~!」と思ったことはハッキリ覚えています。
当然、イントロからずっとジュリーと3人並び体制ね。

ヴィジュアルとして見て、例えば『快傑ジュリーの冒険』なんかで弦楽器が全員ジュリーと横並びでズンズン前に迫ってくる構図っていうのは革命的でした。
「TOKIO」のパラシュートと同じくらいに斬新なステージング発想だと思います。誰が考案したのかなぁ?

麗人

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昨年一度生で聴いて、僕はどうしようもなくこの曲が好きなのだ、と再確認。
あの時は「生体感は最初で最後かも知れない」とYOKO君に話したりしたものだけど、この歴史的セットリストで再会叶いました。
YOKO君にとってもこれはきっとダイヴ曲なんだろうなぁ(彼は今回が初体感となります)。大宮ではこのイントロでも殴られる覚悟はしておこう・・・。

柴山さんのギターもカッコイイけど、これはやっぱりGRACE姉さんのドラムス!
イントロのスネア3打の圧倒的吸引力。そして最大の見せ場は「たったひとつ、あ~いするだけ♪」の箇所でのキック16連打です。
ただし今回はショート・ヴァージョンだから1回しかありませんよ。みなさまお聴き逃しなく!

”おまえにチェック・イン”

Wonderfultime

セットリスト最終盤、「シーサイド・バウンド」から怒涛に攻める「あと10曲」コーナーに配されました(京都や岡山のレポを書いてくださっているブロガーさんの記事を拝読するうち、だんだんセトリ順をソラで言えるようになってきました~)。
「ダーリング」同様に何故かずいぶん久々の感じ。大げさなアクションでこそありませんでしたが、ジュリーの「ほみたい、うん!」もなんだか懐かしくて。

さて、今回も普段から師と仰ぐ先輩の初日レポを個人的に頂いたのですが、僕などでは思いもよらない視点、あの素晴らしいステージを表現するお言葉の数々に毎度のことながら感動させられました。
その中のひとつ・・・先輩は今回のセトリのコンセプトを「祝福される歌たち」と仰っていたんです。
今ツアーでジュリーは長いファンの先輩方はもちろん、自分に関わったすべての人達、すべての出来事に愛と感謝を捧げている・・・そこまでは僕も考えたけど、なるほどそれは「持ち歌」に対してもそうなのか!と。
特に「普段は5曲くらいしかやらない」と言う「ヒット曲」1曲1曲にジュリーは「ありがとう」「愛してる」「おめでとう」の気持ちで歌ったかなぁ、と考えさせられました。

「祝福される歌」からパッと連想するのはやっぱり明るい、楽しいヒット・チューンです。「”おまえにチェック・イン”」はもちろんそうですし、この前曲の「シーサイド・バウンド」なんかもね。ジュリー本人にもお客さんにも「祝福されてる」感じ、確かにあったと思います。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

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正に「佳境」の配置。ファン以外の一般ピープルのお客さんにとっては、「よく知ってるヒット曲」として大トリとなるのはこの曲です。

曲数をカウントしていた僕はこの時点で、「酒場でDABADA」と「ロンリー・ウルフ」は今回もお預けか~、と覚悟しました(笑)。「そのキスが欲しい」「愛まで待てない」「ROCK'N ROLL MARCH」が残っていましたからね(てか、「カサブランカ・ダンディ」も残ってる、とこの時は考えていたので・・・とにかく「永遠に」がスーパー・サプライズでした)。
『ジュリー祭り』東京ドーム公演開幕直前に僕とYOKO君が挙げた「ダイブ曲」2曲は、ジュリーに言わせれば「ワシがオマエらヒヨッコとも相思相愛になるには、まだまだ10年早いよ!」ということなのでしょうか(泣)。

いやぁ、それにしてもここへ来ての「ハッ!ハッ!ハッ!」の一体感が凄いです。
この配置でこの曲なら一般ピープルも全員参加で間違いありません。でも、最後の「ハイ!」をビシッと合わせられるのは僕らジュリーファン限定ってことで!

晴れのちBLUE BOY

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これも「あと10曲」コーナー、最終盤の盛り上がり曲。
一般ピープルの方々はこの曲普通に知ってるのかな。「あぁ、こういうのあった!」って感じでしょうか。そんな方々が総じて「改めて聴くと名曲じゃん!」と思ってくれそうなセトリ配置だと思います。

僕はギター1本体制でこの曲をやるなら「Espresso Cappuccino」みたいに「ぎゅ~ん♪」と言わせるギターを依知川さんがベースで再現するのでは、と予想していましたが外れました。リズムにサンプリングを使ってきましたね。それはそれで新鮮でした。
結果、個人的には今セットリストで一番ベースがカッコ良かった曲!がこれです。
ジャングル・ビートのフレーズをシャッキシャキに奏でる依知川さん。音階的にはたったの2音しかないリフがこんなにもカッコイイとは驚きです。

実はこの曲は(リリース当時の音つくりの流行も関係していますが)、オリジナル音源のベースが今ひとつなのです。いや、建さんの演奏が今ひとつなのではなくて、ミックスがね。どちらかと言うとリズム隊についてはパーカスに寄せているんですよ。
テレビ番組での映像を観返してもオリジナル音源と似た感じのパート・バランスになっていますから、そういう戦略だったのだと思います。
それだけに今回、ズンズン響く安定のベースに載せてジュリーの歌や他のパートが「泳ぎ回る」感覚・・・リリース前に加瀬さんが「絶対売れる!」と言った「晴れのちBLUE BOY」の魅力って本来こうだよなぁ、と。
僕はこの曲の当時の奇抜な衣装やステージングもとても好きではありますが、ひょっとしたらもっとシックにクールに、イントロでは建さんのベースをupにしたりとか、音も見た目も低音リズムでグイグイ攻める感じのアプローチにしていたら、大ヒットになったのかなぁ、なんて今さらのように考えてしまいました。

それはともかく、今ツアーのこの曲のベースは本当に気持ち良いですから、みなさまも次回ご参加の会場では気をつけて聴いてみてくださいね!

灰とダイヤモンド

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折り返しMCの直後、後半1曲目です。
この曲を含めることにすると(厳密には違いますが)、今回CO-CoLO期からは5曲のシングルが採り上げられたことになりますね。CO-CoLOの曲を固めて歌うという意味でも今回のセットリストは本当に貴重です。

5曲のうち、「灰とダイヤモンド」「STEPPIN' STONES」の2曲はオリジナル音源とはかなり異なるアレンジでイントロが始まりました。「STEPPIN' STONES」の方はコード感からすぐにそれと分かりましたが、この「灰とダイヤモンド」はジュリーの歌が始まるまで僕は何の曲だか分からなかったという・・・後で聞いたら同じように仰る先輩も何人かいらっしゃいました。
これはYOKO君ダイブ曲のひとつですが、大宮では彼がイントロで反応できずに戸惑っている様子が楽しめることでしょう(笑)。

オリジナルのヴァイオリン・パートの音階がどんな音色でどの程度踏襲されているのか。或いは本当に全然異なるフレーズが考案され導入されているのか・・・今後の参加会場でじっくりアレンジを紐解きたい1曲です。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ ~千夜一夜物語~」

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「STEPPIN' STONES」「CHANCE」へと続く、前半佳境のCO-CoLO固め打ちコーナーの先鋒。
この曲はハッキリYOKO君から「もしセトリ入りしたら、アンタに”片翼の天使”を仕掛ける!」と宣言されています(僕は『奇跡元年』『歌門来福』で体感済みですがYOKO君はまだです)。
”片翼の天使”というのは、今正に旬のプロレスラーであるケニー・オメガ選手のフィニッシュ・ホールドで、相手を肩車で担ぎ上げた状態から強引に首根っこを掴んで真っ逆さまに叩き落すという、コンサート会場などでやられたら迷惑極まりない荒技ですから、大宮では何とか抵抗し未然に防ぎたいと思います(笑)。

至近距離で横から観るジュリーのキメの手刀は本当に鮮やかで、息を飲みました。
楽曲考察を書くには知識不足を痛感せざるを得ない曲ですが(タイトルの意味とか、当時の旅番組のこととかね)、なんとか頑張って”セットリストを振り返る”シリーズに採り上げることにします!

きわどい季節

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イントロのストリングス、その一瞬で思い出すのは、2015年の加瀬さんを送る全国ツアー。みなさまもきっとそうでしょう。あの時はセットリスト本割のトリでしたね。

今回はセトリ後半の真ん中くらい、「一般ピープルのみなさまはあまりご存知でないシングル」コーナー(という感じの括り?)に配されました。このあたりがジュリーの媚の無さというか、したたかさと言うか。
今回一般ピープルを誘いまくっている僕としては、このコーナーに「新規ファン開拓」の期待を持っています。復習用のCD作成を依頼されることも視野に入れていますが、ロック畑の友人達については「再発された『黒盤』を買え!」と言うつもりですけどね。

で、この曲は「初日の柴山さんのベスト・プレイ」個人的第5位です。
極限まで絞った音量で優しく、愛おしく奏でられる3連のアルペジオ。僕はたまたま最前列でその指の動きが見えたので「ハッ!」と気づいたのですが、とにかく音が小さいのでお客さんの多くはその入魂の演奏にまでは注目しないでしょう。
でも、音全体の中でお客さんの耳には無意識に届いているという究極の「逆・ミスディレクション」。柴山さんのこの演奏があるから、ジュリーのヴォーカルにゆったりと酔えるのです。
素晴らしい職人技だったと思います。

「STEPPIN' STONES」

Kokuhaku

CO-CoLO期から「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と「STEPPIN' STONES」をセトリ入り確実!としていた予想は当たりましたが、その時拘っていた「ジュリーが30年前に歌った”虹色のかすか光”が今正にその輝きをハッキリさせて云々、などという僕のこじつけは吹っ飛んでしまいました。
いや、それ自体は僕自身の再確認として体感はできたんですけど、ステージ全体を通してあれだけジュリーと先輩方の相思相愛を見せつけられますとね~。言うだけ野暮と言うか、いかにも新規ファン的な発想だったなぁ、ジュリーがこの曲の自作詞で歌った虹色の光はもうずっと前からジュリーもファンも双方確信できていたんだろうなぁ、と。
「どう?今回は特別に、ヒヨッコのお前にも見えやすくしてやったよ!」とジュリーに言われているみたいでね~。参りました。

とにかく名曲ですよ名曲!
僕がこのセットリスト、初日のステージの数えきれない名シーンの中で敢えて「一番」を挙げるとしたら、「STEPPIN' STONES」→「CHANCE」2曲の流れです。
ジュリーのLIVEって、セットリスト中盤のある特定の曲からガラッと声の出方が変わると言うか、テンションとスキルがアップする瞬間がよくあるじゃないですか。だいたいそれはバラードが多いんですが(「我が窮状」とかね)、今回は躍動の自作ロック・ナンバーである「STEPPIN' STONES」でそれが起こりました。
ステップする足と歌声が連動するかのようなサビ。「キープ・オン♪」とはよく言ったもので、ただ「続ける」んじゃなくて「どう続けるのか」をガツン!と教わった気持ち。僕も色々頑張ろう、と思いました。

まだ記事未執筆の曲・・・気合入れて”セットリストを振り返る”シリーズに採り上げます!

CHANCE

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そしてこれ!
直前の予想記事が当たったとか、それでもやっぱり「意地になってオリジナル・キーで歌うだろう」という予想内容については無茶だったか、とかそういうことはもういい!というくらいに心奪われました。
こんなにカッコイイ曲だったか、と。
曲や演奏がカッコイイだけじゃなくて(当たり前ですが)ジュリーがとにかくカッコイイと。最前列で横から観ている角度がとても良かった!

ま~何を置いても圧巻だったのは
「身をひく、バチあたり♪(ぱんぱんぱん!)」
のトコですよ。
帰宅してリリース当時の映像を何度も見返しました。みなさまご存知の黄色のスーツのやつですね。もちろんカッコイイ。これほどカッコ良かったか、とは思う。
だけど、どう考えても今年観た坊主頭の白シャツ69歳ジュリーのハンドクラップの方がカッコイイぞ!
これを体感できただけで、初日からずいぶん日が経っても未だに幸せでいられますし、なかなか現実世界に帰ってこれません。

もちろん演奏も素晴らしかったんです。
「どこで自分は(ぱんぱんぱんぱん!)間違えたのか♪」のハンドクラップは、CDの音そのまま。その時点で「おおっ!」と思ったりしたけれど、まぁサビ前のジュリー自身によるハンドクラップに僕の心は全部持って行かれちゃったなぁ。
改めて、「ブルース進行を歌うジュリーは立ち振る舞いすら神である!」と思い知らされたのでした。

ポラロイドGIRL

Karehanemurenai

セトリ後半、「SPLEEN~六月の風にゆれて」から固め打ちされる「一般ピープルのみなさまはあまりご存知でないシングル」コーナーにして「新規ファン開拓確実コーナー」の大トリ。
松戸に誘っている友人達とは夏の間に集まる機会があると思うけど、この曲だけは事前に聴かせておこうかとも考えています。そのココロは・・・いざ本番で「オラオラ、全員参加しろ!」と。「TOKIO」と並ぶ問答無用の「お客さん参加型」大名曲ですからね。

それにしても凄い、ジュリーのテンションと体力。
最後、お決まりの箇所で思いっきりのジャンプを連発します。左隣のお姉さんもジュリーに負けじと跳んでいらっしゃいましたよ~。

SPLEEN ~六月の風にゆれて

Panorama

生体感は2度目。この曲は何と言っても、ジュリーの大きな転機でもあった2012年の全国ツアー『3月8日の雲~カガヤケイノチ』の1曲目に配された時の記憶が今も鮮明に残っています。「ビッグ・サプライズだ、これを生で聴く日が来るとは!」と思ったものでしたが、この曲は『ジュリーマニア』でも採り上げられていますし、メモリアル・イヤーに似合うオンリーワンの輝きを持つ名曲なんですよね。
ビートルズの「エリナー・リグビー」をオマージュしたアレンジは幾多のジュリー・ナンバーどれひとつ似た曲は無い、という点でも今回ジュリーが配したセットリスト・バランスの妙を感じさせます。

細かいバンド演奏のおさらいは大宮で。
初日はただひたすら、汗が光るジュリーの横顔を見つめながらその熱唱に酔いました。

そのキスが欲しい

Reallyloveya

鉄板曲です。いつやるかな、いつやるかな、と待ちながら聴いていた初日。セトリ最終盤の「総仕上げ」的な配置での降臨に、お客さんの「待ってました!」感が爆発、会場は異常に盛り上がりました。
アレンジは「1番→間奏ギターソロ→サビもう一丁(「そのキスが欲しい~♪」→キャ~!となるトコね)」という完璧なショート・ヴァージョン構成です。

でね。1番の最後、ジュリーのロングトーンが炸裂して「さぁ間奏!」というところで依知川さんが巨体を躍らせて颯爽と前方にせり出してきました。
が・・・何やらその後の様子がおかしい。しきりに柴山さんの方を見て「あれえっ?」みたいな。
「おりゃおりゃ~!」と渾身のソロを熱演する柴山さんは定位置のままなんです。
「カ、カズさん定位置ですか。どう考えてもここは俺ら2人揃って前に出てくるトコなのでは・・・」と、勝手に依知川さんの胸中を推し量ってみました(笑)。
このちょっとしたシーンについては後日、しょあ様もまったく同じように感じていたことが分かりました。僕はそこまで見ていませんでしたが、なんでも依知川さんはその後GRACE姉さんにテレパシーで「俺間違った?」と確認しているように見えたとか(笑)。

そこで、初日以降の各会場にご参加のみなさまにお尋ねしたい!
「そのキスが欲しい」の間奏での弦楽器隊は、次の3つのうちどんな様子だったでしょうか。

①やっぱり依知川さんだけ前方に進出、柴山さんの方は定位置でソロを弾きながらぬおりまくっていた
②2人揃ってステージ前方にカッ飛んできた
③2人とも定位置のままだった

②だったら、初日は柴山さんの「うっかり」でしょうか。
でももし③だったとしたら、初日の依知川さんがちょっとかわいそう・・・。
みなさまのご証言、お待ちしております~。

「愛まで待てない」

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こちらも鉄板曲。
「愛まで待てない」→「ROCK'N ROLL MARCH」→「そのキスが欲しい」の3曲は「ジュリーファンならば絶対歌う、と思ってたコーナー」にして、「ご新規さんも必死で食らいつきファンと一緒に盛り上がるコーナー」といった趣ですな~。
「愛まで待てない」なんかは一般ピープルは初めて聴く曲だとは思うけど、サビの頭打ち手拍子とか、僕らに倣って積極的に参加してくれるような気がします。
そういう3曲を最後の最後に配してくるのがジュリーの心憎さ、奥深さでしょうか。

僕はかねてから「ジュリーの70越えまでに『ジュリー祭り』セットリスト全82曲の考察記事を完遂する!」というのを拙ブログ当面の大目標と掲げてきました。
リミットまではもうあと1年を切り、残すお題は6曲にまでこぎつけています。その中から「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」と「愛まで待てない」の2曲は今ツアーの”セットリストを振り返る”シリーズで採り上げることになるだろう、と前々から計算していました。
目論見は順調です。「愛まで待てない」については、プリプロの段階ではバラード寄りの曲だった、という驚きの逸話が有名ですが、作曲者が吉田光さんであることを踏まえ、「元々こんな感じの曲だったんじゃないかな」と考えられる洋楽オマージュ元も絞り込み済み。秋までには張り切って考察記事に取り組むつもりです!

君を真実に愛せなくては他の何も続けられない

Teaforthree

まずはお詫びから(汗)。たぶん多くのみなさまが気づいていながら見逃してくださっていたと思うのですが・・・僕は時々この曲のタイトル「君を真実に愛せなくては他の何も続けられない」を、「君を真実に愛せなければ他の何も続けられない」と書くことがあります。

ずっと前にご指摘頂いたことがあり気をつけているつもりなんですが、油断しているとブログでも未だにそう書いちゃって自分で気づけずにいることがあります。
例えば最近書いた「自由に歩いて愛して」の記事中でも誤記があって、コッソリ後から修正したり。それはまだ良い方で、何と数日前まで、2013年6月に書いた楽曲考察記事のタイトルがズバリ間違っておりまして(滝汗)。もちろん修正しましたがあまりに長く放置していたのが恥ずかしく、よほど記事冒頭に「すみませんすみません!」と追記しようかと思いました。でも今、50周年ツアーが始まってすぐのタイミング。「あ、セトリに入っていてそれでようやく気づいたんだな」と分かっちゃうじゃないですか。ですからそれはグッと堪えて・・・本当に、穴があったら入りたい気持ちです。
元々「DYNAMITEはジュリーの長いタイトルの曲が覚えられない」説というのがありましてね。
もう1曲、「ハートの青さなら 空にさえ負けない」を「ハートの青さなら 空にだって負けない」と書いてしまうパターンもあります。今後は充分気をつけたいです。

さて、「君を真実に愛せなくては他の何も続けられない」。僕はもちろん初体感。
歌が始まって「おおっ来たか!」と思い手拍子していると、隣のカミさんが「つんつん」とやってきて「これ何だっけ?」と聞くので、「ティーフォースリー!」と答えたりしてたら、あっという間に曲終わっちゃった!
いやぁ短い。でも潔いアレンジで、今思い出すとクスッと暖かい笑いもこみ上げてくるんです。
用意周到なジュリーのことですから、この50周年記念LIVEの曲目も昨年の相当前あたりから概要を固めていたと思います。そんな時、ザ・タイガースのプチ再結成というサプライズもあったタローの古希お祝いLIVEを観にいったジュリー、タローが歌うこの曲を聴いて「エエ曲やな」と急遽セトリ案に追加・・・そんなふうに勝手に想像するとこのアレンジの短さも納得と言うか、ジュリーの楽曲愛だなぁと。
「忘れてないよ。いや、本当は忘れかけてたけど、もう忘れないよ」と曲に語りかけているような。

柴山さんが弾くギター・リフもカッコ良かったし(リフと言うより「テーマ」かな)、大宮ではあれこれ細かな点を確認したいと思っています。初日については「とにかくあっという間に終わった」印象ですね。

サーモスタットな夏

Samosutatto

「初日の柴山さんのベスト・プレイ」個人的第4位!
この曲のギター・パートを1人でやってやろう、と考える発想自体がまず凄いです。
もちろんすべてを再現できるわけではありません。例えばクロマチック・グリスまでは網羅していなかったと思います。それでも、バッキングのストロークとオブリガートの単音を余裕の表情で代わる代わるに繰り出す素晴らしさはいくら絶賛しても足りないくらい。
「おおお~!」と盛り上がった僕は、曲が始まってからかなり長い間を柴山さん完全ガン見状態でいたのですが・・・ふと気づくと、何やら左側から凄まじい圧をほとばしらせる大きな大きな気配が。
「えっ?」と思う間もなく・・・。


出た~!
超久々、「俺のカズを見るな」攻撃!


これを食らうのは一体どのくらいぶりでしょうか。
完全に差し向かいのジュリーに圧倒され、思わず身体が反応してワケ分からんタイミングで「L」の字を突き出してしまったという・・・これぞ最前列の至福。
そこから先は、目の前から移動した後のジュリーしか見てません(笑)。
最後まで柴山さんだけを観てたら第4位じゃ済まないくらいカッコ良いギターでしたが、やっぱりジュリーの目力、魔力には勝てませんな~。

永遠に

Dairokkan

「ISONOMIA」の後(「シーサイド・バウンド」の前)のMCでジュリーが「あと10曲」と言ったので、僕はそこから仕切り直して曲数をカウントしておりまして、「そのキスが欲しい」が終わり残すは2曲・・・「1曲はカサブランカ・ダンディ」で間違いないとして(←間違ってた汗)、もう1曲は何だろう、「耒タルベキ素敵」かな?と。
ところが、柴山さんがこの日初めてギターをチェンジ。ここまで1本で通してきたのをここで変えるからには相当特殊な楽曲だろう、とは思いましたが、まさかまさか「永遠に」が来るとは!
新規ファンには嬉しい初体感、サプライズでした。

柴山さんのギターについては京都に参加した男性ファンの友人にモデルの再確認をお願いしていたのですが、どうやら白のフェルナンデスだったようです(局地での通称「いい風ギター」または「『世界のカブトムシ図鑑』に載ってるやつ」)。
僕は初日のギターモデルの記憶が残らないほどジュリーばかり観て、その歌声に浸っていましたが、ギターの音はちゃんと聴いていましたよ。
シングル盤のアコギ1本の弾き語りヴァージョンではなく、柴山さん驚異の「1人ギター・オーケストラ」による再現。他のメンバーのバッキングを確認していなかったので演奏についての詳しい話は大宮レポに譲りますけど、とにかく「素晴らしかった」としか言いようがないです。

そもそも今回のセトリ、このまでの流れでここへ来て「永遠に」なんて来ちゃったら、「僕はいつも君のものさ♪」なんて歌われたら、ファンとしては至福の極み。
以前書いたこの曲の考察記事では、先輩方のコメントで歌詞中の「君」をファン(自分)のことだと思って聴いてしまう、というお話が出ていました。
ジュリー、今年は確信犯ですよ。初日は(きっとその後の会場も)明らかに、お客さんに向けての「君」だと分かるような歌声、セトリ配置でしたからねぇ。長いファンの先輩方はその感動もいかほどであったか、と・・・。

最後の1音まで静かにジュリーの表情を見守り続けるお客さん。とても良い雰囲気だったと思います。
で、「さぁあと1曲!」と待ち構えているとジュリーも楽器を置いたメンバーも「バイバイ」をして退場していきます。「ありゃ、曲数カウント間違えたかな?」と戸惑う間もなく、再びスルスルとスクリーンが降りてきて・・・(「渚でシャララ」の項に続きます!)。

鼓動

Iikazeyofuke

ギターを弾く人なら最初のオーギュメント1鳴りでそれと分かる、という特徴的なナンバーです。
僕は2度目ですがYOKO君はまだ。このイントロを初めて体感するのは本当にスリリングな一瞬なので、大宮での反応が楽しみです。特にダイブ曲とは聞いていませんが、「おおっ!」と盛り上がってくれるはず。

歌詞を追っていると、なるほど「50周年」には欠かせないシングルですね。
考察記事にも書いたように、作詞者もリリース年も違うのに「単純な永遠」と同じコンセプトを感じさせる名曲です。エンディングの1音上がり転調は割愛されましたが、セトリ的にもいよいよラスト・スパート、ジュリー入魂のヴォーカルでした。

忘却の天才

Boukyaku

こちらはハッキリと、YOKO君がかねてから「ダイブ曲」であると明言しています。
僕はこれまで2度の体感がありましたが、いずれもお正月だったので彼にはその度に羨ましがられていました。大宮で「鼓動」が終わってのこの曲への繋がりは、間違いなく殴られるところですな~。
僕もYOKO君も『ジュリー祭り』直後にまず聴いたアルバムが『サーモスタットな夏』と『忘却の天才』で、いずれのタイトルチューン(にしてシングル曲)には格別の思い入れがあります。一番「熱い」時に聴いた音源ということなんですね。

あと、ちょっと思ったんですが「忘却の天才」と「CHANCE」ってジュリーの上下運動のアクションの感じがかなり近いです。でも「CHANCE」はひたすらカッコ良く、こちらはコミカルです。
曲想、ジュリーの表情など色々違う面はあると思いますが、やはり「1曲」に相対した時のジュリーのセンス・・・イントロが始まりパッと何かしらの仕草をするだけでそれがどんな曲なのかが伝わる天性の歌手、ということでしょうか。
徹底的にスッ惚けた放蕩男を歌うジュリーもまた素敵です。誰にでも歌える歌ではありませんよね。

明日は晴れる

Asitahahareru

鉄板曲、と思っていました。今振り返って考えると、『ジュリー祭り』でこの曲が歌われていないことが意外に感じられるほどです。

以前「明日は晴れる」の考察記事で「顔晴る」(がんばる)という読ませ方の話を書いたことがあります。
LIVEではこれまで数度の体感をしている曲ですが、あの記事を書いて以降だと聴いたのは今回が初めてで、単純に「前向き」なだけでなく、「辛い」「苦しい」というところまで考えさせられた上で元気を貰える名曲なんだなぁ、としみじみ思いました。
ジュリーは今ツアーその後の各会場で50年の「山あり谷あり谷あり」を振り返り、「一生懸命やってるところを見て貰おう、ということに賭けた」と話してくれているそうですね。そうやって「顔晴って」きて最初に辿り着いた楽曲としての境地が「明日は晴れる」だったのではないか、と考えます。

初日の「OH~♪」のシャウトには艶やかなメロディーがあり、声の調子が良かったことに加え、「振り切った」ジュリーのステージが観られたように感じてとても嬉しく、頼もしく聴いた新鮮な「明日は晴れる」でした。

greenboy

Greenboy
セトリ序盤、プチ・タイガース・コーナーに続いて歌われました。とても意味深い配置でしたよね。
終演後にカミさんが「greenboyの曲順が、何でここ?って感じやったなぁ」と言ってきたので「いや、そこはファンなら分からないと!」と説教しましたが(笑)、僕とて全然偉そうなことは言えません。
2011年にこの曲の考察記事を書いた時点では、ジュリーが自らの少年時代を投影し作詞した「greenboy」にどんな気持ちが込められているのか、まで辿り着けずにいたのです。いい線までは行っていたんだけど、肝心のところに手が届いていないと言うか。
あの時先輩方からコメントを頂いてようやく「そうか!」と、言葉にはうまくできないんですが腑に落ちた感覚がありましたが、実はそれは同時期に書いた「青い鳥」についても同様でした。記事を書き終えてから、先輩方のコメントで楽曲の根本を学ばせて頂いた2曲。タイガースから歌人生を歩き始めたジュリーが、自らの最後の時までをも俯瞰している凄まじさ・・・50周年記念の今ツアーで、タイガースの曲に続いて、しかも「青い鳥」から繋がって歌われた「greenboy」。
改めてこの2曲の記事を書いた頃のことを思い出し(震災の直後、懸命になって更新を頑張っていた頃でした)、色々なことを考えました。
今回のセットリストで「曲と曲の繋がり」で一番感銘を受けたのは何処の箇所だったか、と問われたら僕は迷わず「青い鳥」→「greenboy」だと答えます。

演奏では、柴山さんのギター・ソロ(間近で体感するトレモロ奏法は圧巻!)をそのまま後奏にシフトしたアレンジが斬新だったなぁ。

ROCK'N ROLL MARCH

Rocknrollmarch

ファンにとっては言うまでもなく鉄板曲。一般ピープルにとってはとにかくついて行こう!とスリリングに盛り上がる曲、でしょうか。
最終盤の総仕上げコーナー、「愛まで待てない」と「そのキスが欲しい」に挟まれた絶好の配置です。

このショート・ヴァージョンは頼もしいですよ~。
『ジュリー祭り』での僕とYOKO君がそうだったように、この曲のサビ「ロッケンロール、マーチ♪」に続く「HEY!HEY!HEY!」・・・一般ピープルも見よう見真似で会場のファンに倣って拳を突き上げる最大の盛り上がりどころですが、フルコーラスだと「HEY!HEY!HEY!」が入らない箇所でフライングしちゃう人もいるんですよね。ドームの時点では僕らもそうでした。
でも今回は、ジュリーが「ロッケンロール、マーチ♪」と歌ったら必ず「HEY!HEY!HEY!」がついてくるヴァージョンです。一般ピープルも「あれっ?」と戸惑うことなく最後まで一体となれるのです。
各会場で満員のお客さんが拳を突き上げる様子が想像できます。セットリストの佳境として最適な、今回だけの特別なショート・ヴァージョンが誕生しましたね。

渚でシャララ

Juliewiththewildones

「あと10曲」宣言から数えて9曲目の「永遠に」でいったん退場したジュリー。
「10曲目」のカサダンは衣装替えか~!などと見当違いなことを考えながらアンコールの拍手をしておりますと、再び巨大スクリーンが降りてきて始まったのが「渚でシャララ」の映像ですよ。
驚きましたが本当に嬉しい演出です。今回ジュリワンからセトリ入りするとすればこの曲しかあり得ないけどさすがに厳しいかなぁ、と思っていましたがまさかまさかこういう手で来るとは!
みなさまお手持ちのジュリワン・ツアーDVD収録、「渚でシャララ」ダンス・コーナーをジュリーが大胆編集(ジュリー直接は手を入れていなくて、指示係だったようですが)したものです。
見どころ、と言うか笑いどころは1番、2番それぞれのAメロ、鳥塚さんと植田さんのヴォーカル・パートの箇所。顔ドアップのジュリーが「ちゅっ、ちゅるっ♪」と画面から飛び出して(いや、そう見えるのよ本当に)コーラスするという(笑)。

そんな感じで、「ワイルドワンズのメンバーに許可を貰って」いじり倒した映像は基本ジュリーばかり映る編集ですが、ワンシーンだけ加瀬さんとジュリーのラブラブな感じのコマ割りがあって・・・その時にはお客さんから大きな拍手が沸き起こりました。
後日、ジュリー道師匠の先輩が仰っていたんですよ。「今回は加瀬さんが大喜びしそうなステージ、セットリストだった」と。
ジュリーはこのツアーを「加瀬さんに見せたい、加瀬さんに喜んで貰いたい!」という思いはきっとあったと思うし、「渚でシャララ」の映像コーナーでは「ここで加瀬さんに笑って貰おう」と考えたのではないでしょうか。「いたずらのお返し」ですね。

ちなみにジュリーは直後のアンコール時のMCで「(「あと10曲」と言った)10曲目は歌っていませんが・・・」と話してくれたので僕はてっきり「君だけに愛を」からこの「渚でシャララ」までがジュリーの選んだ50曲だと解釈しましたが、その後の会場では「いくつかの場面」を10曲目、と位置づけているそうです。

さて問題は、果たして大宮でYOKO君はこの映像に合わせて踊るのか?という(笑)。
加瀬さんが旅立った時、YOKO君はしきりに「ジュリワンのツアーで1人スカしてダンスに参加しなかったことが本当に悔やまれる」と言っていました。
2015年の全国ツアー前にはネタバレ我慢しながら夜な夜なダンスの練習をしていたようですが報われず・・・しかしその成果は2年越しに今、試される?
一応僕も、彼につき合って一緒に踊る心構えはできていますがどうなりますか。

スクリーンが上がるとシャララ最後のお辞儀ポーズのジュリーが2着目の衣装でスタンバイしていて、割れんばかりの拍手。ポーズは加瀬さん風だったなぁ。

Pray ~神の与え賜いし

Pray

「祈り歌」(『PRAY FOR EAST JAPAN』『PRAY FOR JAPAN』コーナーに選ばれた4曲のうち1曲目。
素晴らしい歌声でした。何が凄いって、これセトリ順が「ポラロイドGIRL」の直後なんですね。
あれだけシャウトして、動き回って、飛び跳ねた次の曲が「PRAY~神の与え賜いし」。全然息も乱れていないし、歌詞も澱みなく出てきますし(お正月LIVE初日のことがあったのでちょっとハラハラしながら観ていましたが杞憂でした)、何の邪念もないのです。
正に「澄み渡る矜持あり」。

今回セトリ入りはしませんでしたが「三年想いよ」なども同様、最近の曲だとジュリーは特にGRACE姉さんの作曲作品と喉の波長が合うようですね。

こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo

今回はセトリ順ではなく音源リリース順に書いているので時系列が分かりにくくなっていますが・・・「サーモスタットな夏」の前に「ジュリーと完全差し向かい」な至福の時間が訪れていた最初の曲がこれでした。

みなさま、ジュリーLIVEで最前列のご経験がありますか?それはそれは本当に凄い時間ですよね。
体験されているみなさまならお分かりの通り、最前列でジュリーと差し向かいになると、「勘違い」をするんですね。「自分に向けて歌っているんじゃないか」と。
とは言え、今回の僕の「勘違い」は酷かった・・・なにせ、歌詞を勝手に聴き違えているのですから。
ジュリーが目の前にやってきてくれて、そこに留まって、目を合わせて、右手を差し出して掌をゆっくり上下に動かしながら歌ったのは「安全言わない 原子力委員長 福島の廃炉想う」の箇所。
僕はこれを「霧島の廃炉思う」と聴いたのです。今でもジュリーはそう歌ったような記憶が残っているんだけど、終演後カミさんや先輩方に尋ねても「さすがにそれは無かったでしょ~」とのことですから明らかに勘違い。そもそも、川内原発の立地、久見崎と霧島とでは同じ鹿児島県でも離れていますし(ただ、万一の事態が起こった時には確実に影響を受ける距離ではあります)。
でもとにかくその瞬間、僕にはそう聴こえてしまって。
胸を貫かれたと言うか、「楽しい」のとはかなり違う大きくも切実な感動が襲ってきました。

福島のみなさまに大変失礼きわまりない話ではありますが、2015年にこの曲を初めて聴いた時から、僕の中でずっと続いている感覚・・・聴くたびに、故郷・鹿児島の川内原発のことを考えてしまうのです。
もちろんこの初日、イントロが始まった時からも。
そんなふうに聴いていたから、「ジュリーが自分に向けて歌っている」との思い込みが重なって起こった、珍しいパターンの「勘違い」だったわけですね。
でも僕にとっては「こっちの水苦いぞ」を聴いて川内原発を思うことは自然なことだし、そういう感覚を持つ自分だからジュリーファンにもなれたんだと思います。

当然、僕はその瞬間から先はジュリーしか観ておらず、バンドの演奏の記憶がありません(汗)。
あっ!と思った時には柴山さんのコーダ・アルペジオが始まっていて・・・今回どんな技を使ってリフからアルペジオに切り替えたのかを見逃しているんですよ。
定位置だったから、お正月の時みたいにローディーさんが入ってきてエフェクターを踏んだ、ということは無いでしょう。柴山さんが自分で踏んだのかな。
ただ、音色はお正月とは違いましたよね?
もしかしたら、それまで弾いていたディストーション系の音色でそのまま通したのかもしれません。この点は大宮でしっかり確認したいと思います。

un democratic love

Undemocraticlove

これは絶対歌うだろうと思っていました。
2012年以降にリリーズが続けられている「祈り歌」22曲の中で、僕が今回セトリ入り鉄板と考えていたのはこの曲と「ISONOMIA」(あと、「揺るぎない優しさ」はアンコールで歌うかな、と思っていましたがこれは外れました)。「ISONOMIA」は今年のシングルですから当然として、やっぱり「un democratic love」はね、ヒヨッコ新規ファンの僕が「ジュリーと気脈が合う」と思える、唯一の個人的な相思相愛ソングなのですよ~。「歌う」機運が分かる、と言いますか。

全体的には暗めの照明の中で静かに立ち、メロディーを紡いでゆくジュリーの気高さ。
ジュリーのシングルの中でどの曲が一番好きかなんて誰しも到底決められっこないけど、僕はもしかしたらこの曲かもしれない・・・これはリアルタイムで聴いてきた「新曲」としては、群を抜いて考察記事に気合が入った曲でもあります。
あの時の記事をずっとネット上で公開し続けることが可能な世の中であることを、今改めて祈ります。

ISONOMIA

Isonomia


CDを聴きまくったおかげで、エレキ1本のアレンジが自然に感じられるようになりました。
アレンジこそ意表を突いていますが、これは白井さん得意の「パワーポップ」なんですね。だからちょっとモッズ感覚(ザ・フー寄りの)があるのでしょう。

お正月の時点では、CD発売前に「まったく初めて聴いた今年の新曲」でした。
今回はどんな曲かが頭に叩き込まれているのでイントロから余裕で手拍子参加していましたが、やっぱり「チャ・チャ!」と変化する箇所では一瞬「あれあれ?」と。オリジナル音源には入っていない音ですからね。
そんな時は依知川さんをガン見。「次、チャ・チャ!になるからね」と、お正月に引き続き大きなゼスチャーでお客さんをリードしてくれます。
大宮ではYOKO君も戸惑うでしょうから、「依知川さん見て!」と教えてあげるつもり。

初日は歌詞がオリジナルとは違っていて、このまま通してそう歌っているのか、それとも初日だけのことだったのかという点も大宮では確認したと思います。
オリジナル音源で「無支配イソノミア♪」の箇所のメロディーは3度登場しそれぞれ音階が違う、というのがこの曲の肝ですが、今回はショート・ヴァージョンということで、ジュリーは3パターンのうち最も高い音階のメロディーを歌って「最新シングル」を締めくくりました。力強いヴォーカルでした。


~アンコール~

いくつかの場面

Ikutuka_2

初日から日が経ってじわじわとね、本当に「これしかない!」というアンコールだったんだなぁと。
最近の会場でジュリーはこの曲を「50曲目」と明言しているそうですから、オープニングの「あなたに今夜はワインをふりかけ」がオマケ、スライドショーの「渚でシャララ」はセトリのカウント無しで、「君だけに愛を」から「いくつかの場面」までがジュリーが50周年に選んだ50曲、ということになりますか。
50年、とひと口に言うけれどやっぱり長いですよね。振り返って、色々なことがあったなぁと思いながらジュリーは「いくつかの場面」を歌っているのでしょうね。
僕がリアルタイムで知っているのはそのたった5分の1程度とは言え、感慨深い選曲です。

この先の参加会場でこの曲を聴いて思うことはどんどん増えてくると思いますが、このレポートでは演奏について書いておきましょう。「初日の柴山さんベストプレイ」、これはその個人的第3位です。
ギター1本体制でツイン・ギターの音が鳴っていたことにはみなさまお気づきだったでしょう。柴山さん、一体どうやって弾いていたと思います?
おそらくサム・ピックを使用しています。
3弦と4弦・・・上下隣同士の弦を同時に弾くということだけなら、「青い鳥」と同じ奏法で複音のハーモニーは再現できますが、この曲では間奏の2回し目からそれぞれのフレーズ音階が離れますから(高音がより高い音になります)、2弦と4弦を同時に鳴らさなければなりません。通常のピックでは不可能です。
そこで柴山さんは、親指と中指のフィンガー・ピッキングを披露!柴山さんがこの奏法を採用するのを、少なくとも僕は初めて見ました。

何故そこまで「ツイン・リード」の再現を、と思うんですよ。明らかに負担が大きいですから。
そもそも「いくつかの場面」の間奏って、オリジナル音源はツイン・リードではなくピアノとギターが絡み合うアレンジなのです。ギター1本体制でこの曲を演奏しようというなら、そちらを再現する方が自然です。
でも柴山さんは、鉄人バンドとして何度も演奏してきた「いくつかの場面」の間奏の音に拘りました。
柴山さん、「もう1本のギター」が帰ってくる日を待ってるんじゃないかな・・・。
僕にはそう思えてなりませんでした。

ジュリーのヴォーカルは、感極まったニュアンスもあり、それでもそれは悲しげな慟哭ではなく、心からの「感謝」を歌っているようだと思いました。


☆    ☆    ☆

ようやく今回のレポも締めくくりまで来ました。
今日(8月7日)、ちょうど会社の健康診断で休みをとっていたので、バリウムを飲んで帰宅してから一気に仕上げることができましたが、いやぁ長かった~。
50年。50曲。
口で言うのは簡単だけれど本当に凄いことだ、大変なことなんだと、なかなか終わりの見えてこないレポに取り組みながら身に染みる日々でした。

素晴らしいツアー初日だったと思います。
と同時に、ジュリーと先輩方の相思相愛を存分に見せつけられたステージ、セットリストだったなぁと。
ジュリーは大阪のMCで「僕と同じくらいの年齢の人でないと僕の良さは分からない」と話してくれたそうです。これは単に実年齢と言うより、「僕が歌ってきた歳月を昔から知っている人」という意味でしょう。
今回歌われたシングル曲に限らず、例えば2000年代のジュリーのアルバム収録曲を見ていくと、「共に歳をとっていこう」というメッセージ・ソング、たくさんありますね。50周年のツアーが始まった今、そのすべてを先輩方は深い実感を以って味わえるのではないでしょうか。

初日のステージを体感した僕は、そんなジュリーと「ジュリーの良さを分かる人達」との相思相愛に、妬けて妬けて仕方ないです。
その一方で、数年前からLIVE中に時折気づくようになった「あれっ、何か今僕には分からないところでジュリーとお客さんの愛が噛み合っているぞ」という感覚がなんとステージ全編に渡って繰り広げられるという今回のセットリストに、得体の知れない闘志を燃やし始めているところです(笑)。
時代を違えて生まれ、しかも相当遅れてファンになった僕には到底届かないはずの境地に、自分もなんとか行ってみたくなりました。これはもう「一生懸命」頑張るしかない。勉強して、愛を注いで必死に頑張って辿り着けるかどうか、というところですが、僕も最終的にはその場所に行ってやろう、と。
まぁ、一生かけての大目標ですな~。
有り難いことにジュリーは、この先も「倒れるまで歌う」と言ってくれているのですからね。

まずは来年年明けまで続く今ツアー。
単発数会場ではなく66公演それぞれの会場で50曲を歌いきろうという・・・凄まじいですよ。僕がこんな拙い初日のレポ50曲ぶんを書くのがこれだけ大変だったというのに、ジュリーの気力、体力、企画力、実行力は本当に畏るべしです。
本当はもっと回数参加するつもりでしたがグッと堪えて遠征を決意した来年の熊本公演まで、僕も気合を入れてこの歴史的なステージを楽しみたいと思います。

僕は次はお盆明けの大宮です。
昨日チケットが届き、まさかの神席に驚きました。初日と違い最前列でこそありませんが、ほぼそれに近い・・・しかも今度はド真ん中です。
参加する公演連続で神席を授かる、なんてパターンは初めてのことです。長くLIVEに通っていればこんな年もあるのかもしれませんが・・・それが50周年記念という特別なツアーで巡ってきたこと、本当に畏れ多く感謝しかありません。
喜びはもちろんですが、身が引き締まる思いです。

大宮のレポートはネタバレ全開で本館に書きます。
もう、こうなったら全力で頑張るしかない!

それでは、別館side-Bでの執筆は来年までしばしのお別れです。こちらではまた古希イヤー記念ツアーの時にお会いしましょう~。

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2017年7月15日 (土)

祝・デビュー50周年記念ツアー開幕!

いよいよ明日開幕です!
本館の方にも書きましたが、今回はセットリストの演奏順までは覚えられそうにありません。と言うか、そんな意識は開演と同時に吹っ飛びそう。
とにかくジュリーが厳選した1曲1曲に集中し、無心で味わいたいと思います。

いやぁ楽しみです。
『ジュリー祭り』直前にヒヨッコ同士のYOKO君と2人で宣言したそれぞれの「ダイブ曲」・・・「ロンリー・ウルフ」と「酒場でDABADA」を遂に生体感できるかもしれません(もし「酒場でDABADA」がセトリ入りしていたら、僕は大宮でYOKO君に首絞められるらしい・・・)。
他、未だ体感できていないシングル曲の数々。
「魅せられた夜」「愛の逃亡者」「立ちどまるな ふりむくな」「さよならをいう気もない」「背中まで45分」「きめてやる今夜」「どん底」「渡り鳥 はぐれ鳥」「灰とダイヤモンド」etc,etc...。どれだけ聴くことができるでしょうか。
『ジュリー祭り』以降のセトリしか生体感していない僕としては、「シングル」と言ってもまだまだ聴けていない名曲、たくさん残っていますからね。

レポ執筆にとりかかるのは、LIVE後数日経ってからになると思います。それまでの間、みなさまの感動のコメントはこちらでお待ちしています。

ちなみに、今回ばかりはセトリ速報は難しいです。
いや、「どの曲を歌った」ということだけなら、50曲だろうが100曲だろうが覚え込む自信はありますよ。でもさすがに演奏順まですべて、となるとこれは無理です(完全に時代順なら覚えられますが)。
いつも速報メールをお送りしている先輩ブロガーのケンケンジ姉さんにも、「演目はすべてお伝えしますが、順不同になると思います」とお話しています。

レポも順不同で書くかもしれません。おおまかには覚えて帰るつもりではいますが・・・。
ともあれ、最後に改めて。

ジュリー、デビュー50周年おめでとうございます!

それでは、初日・NHKホール公演にご参加のみなさま、道中お気をつけて・・・会場でお会いしましょう。
例年より期間の長いツアーとなりますね。頑張って各参加公演レポに取り組みます。
今回もよろしくお願い申し上げます!

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2017年1月31日 (火)

2017.1.8 NHKホール 沢田研二『祈り歌LOVESONG特集』セットリスト&完全レポ

大成功、大盛況のうちに東京国際フォーラム公演・ファイナルのステージを終えた2017年お正月コンサート『祈り歌LOVESONG特集』・・・その1週間後、ようやくツアー初日・NHKホール公演のレポートが完成いたしました。
今回はあのセットリストですから僕も気合が入って、いつも以上に大長文となりました。
にしても、時間かけ過ぎでしたね・・・(汗)。

例のごとく、更新日付を本日1月31日へと移行いたします。
今回も長々とおつきあい頂きありがとうございました。
こちらside-Bは、7月からのデビュー50周年メモリアル全国ツアー開幕まで、しばしのショート・グッバイです。
でも、まだまだ『祈り歌LOVESONG特集』の余韻醒めやらず、と仰るみなさまは、引き続きガンガンコメントくださいね!

☆    ☆    ☆

い~や~、やられました。
さすがはジュリー、やっぱりジュリー。ロック史上空前絶後のとてつもないステージを魅せてくれました。
これほど「ツアー初日に参加できた」ことに感謝したセットリストは、今後含めて無いんじゃないかな。

毎回毎回”全然当たらないセットリスト予想”な~んて言いながらも「ジュリーに予想以上のものを提示して貰えるのが嬉しい」と感じている僕ですが、今回はもう、根底からすべて覆されたと言いますか、脳天劈かれたと言いますか。
『祈り歌LOVESONG特集』でジュリーは、既存のどんな「ロック・オペラ」も吹き飛ばしてしまいました。今、この日本の沢田研二よりもロックな歌手が世界に1人でも存在すると言うなら、挙げてみて欲しい。

『PRAY FOR EAST JAPAN』から『PRAY FOR JAPAN』。全世界の生きとし生けるものすべてへ。
2012年から2016年まで、毎年3月11日にリリースし続けた5枚の4曲入りマキシ・シングル、5年全20曲の揺るがぬコンセプト。
被災地の現状、襲い来る風化、原発再稼働、迫る戦争の跫音・・・歌うはジュリー、全作詞・沢田研二。

組曲『PRAY FOR JAPAN』とも表現したくなるセットリストだけど、やっぱりこれは『祈り歌LOVESONG特集』と言うよりなく・・・今思えば正に「これしかない!」ツアー・タイトルだったのですね。
しょあ様のブログで、カオリー様がコメントに書いていらっしゃいました。「LIVEが終わってチケットを見たら、セットリストがそこに書いてあった」と。
まさに仰る通りでした。

曲が進むに連れ、僕はジュリーの歌声と志に圧倒され、沸きあがってくる勇気に奮い立ち・・・隣のカミさんはと言えば本当に珍しく(ジュリーのLIVEでは初めてかな)涙を流しながら聴いていました。
後で「全人類に贈る音楽劇『LOVE&PEACE』のようだった」とカミさんは言っていましたが、肝心なのは、ここで歌われたのが架空の物語ではない、ということ。
2012年以来一貫してジュリーが取り組んできた「誇大でない現実を歌う」20曲。さらにはアンコールで歌われた今年2017年の3月11日にリリース予定という新曲2曲にもそのコンセプトは変わらずあり、ジュリーが「自分はこれをやるために今まで続けてきたんだ」と覚悟を決めていることを改めて実感させられました。
「惚れ直した」どころではありませんよ。本当に参りました。やられました。

それにしても・・・僕はこのセットリストにただただド肝を抜かれるばかりでしたが、どうやら幾人かの先輩方はこれを予想していらした、という。
心底、畏れ入ります。
そうして考えてみれば、これをやるなら今回、この2017年のお正月しかあり得なかったんですよね。
5年かけて20曲になった、その曲数もさることながら、デビュー50周年から70才超えとなる2年がかりのメモリアル・イヤー直前の、このタイミングしか無かったわけで、先輩方は当然そこまで考えていたのでした。
トンチンカンなセットリスト予想を書いていた自分が恥ずかしいばかりです。

そんな中、こんな僕のような者でも辛うじて誇れる点があったとすれば。
この日、次々に繰り出された1曲1曲それぞれについて僕は、完璧とまでは言えなかったにせよ歌っているジュリーより先にスラスラと次節の歌詞が出てきましたし、どのメンバーが作曲したのか、リリース時のオリジナル・アレンジはどうだったか、楽曲構成からコード進行まで頭に残っていました。
記憶に新しい昨年の新譜4曲や、リリース年以降もセットリスト入り率の高い「F.
A.P.P.」あたりの曲ならそれも当然かもしれませんが、「もう2度とは生で聴けないかも」と決めつけていた名曲達についてもそれができた、というのは自分でも驚くべきことでした。
これは何かって言うと、やっぱり僕はこれら5枚の作品、20曲について、リアルタイムで文字通り真剣に聴き込み、ジュリーの言いたかったことや曲の狙いは正しく理解できなかったかもしれないけれど、歌詞の一字一句はもちろん、鉄人バンドの演奏やアレンジまで、どんな思いが込められているのかと考えに考え抜いて、懸命になって真面目に考察記事を書いた・・・それで身について今まで残っていたのかなぁ、と。

そして、ジュリーがこれら20曲を一気に歌い切るというのがどれほど大変だったかも本当によく分かる気がしましたし、ジュリーの「心を込めて歌う」イコール「作った時の気持ちになろうとする」感覚が7曲目の「一握り人の罪」からのバラード連打で次第に加速してゆく感触もビンビン伝わってきました。
「無心」という他ない歌声に魅せられ、酔いました。

加えて、終演後に凄まじく元気が湧いてきたという・・・これが何より大きい。
2012年以降のジュリーの20曲にその都度真剣に対峙したおかげで、僕はそれぞれの曲で提示された様々な問題を「考える」ことについて今は日常的にできるようになっていて、今回このセットリストを前にしても、テーマに戸惑ったり後ずさりしたり、負荷を感じるようなことは一切ありませんでした。
「身近なテーマのメッセージ・ソング」ばかりで。
「こうだったら良いなぁ」「僕はこう思うなぁ」という日頃の思いをおさらいする感覚。
特に「un democratic love」や「FRIDAYS VOICE」「一握り人の罪」あたりは「ドンと来い!」って感じで。
この日は風邪が治りきらないままの参加となり、雨の中の入場前行列待機(定刻を過ぎてもなかなか入れなかったんですよ~)の寒さで具合が悪くなりかけて一緒にいたカミさんやMママ様に心配をかけてしまっていたのに、打ち上げでは一転、「食欲が止まらん!」状態となりみなさんに呆れられていたほどでした。
「un democratic love」を聴くと食欲バリバリになるのは、昨年からずっと変わらないなぁ。

実は僕は今回の初日のステージを体感していて、その素晴らしさに圧倒されつつも、不思議と「涙が上ってくる」ということは無かったんです。ちょっと変な表現で言うと、どの曲も過去に僕自身の中でそこは一度オトシマエがついているんですよ。
そりゃあ、「Deep Love」や「櫻舗道」を生であの歌声で歌われたら普通の気持ちではいられません。でも、これは本当に特殊な感想なのでしょうけど、それ以上に楽しかった、嬉しかった・・・僕はそれに尽きるのです。

それにね・・・僕がこの本文にとりかかる前に、名古屋公演を直前に控えたgoma様がはからずもコメントに残してくださったキーワード「一対一」。今回は何と言ってもこれですよ。ここまでステージ上のジュリーと会場の1人1人が「一対一」で向き合っている感覚になれるLIVEなんて、今回だけなのではないでしょうか。
それはお客さんばかりでなく、取材に訪れていた記者さん達にとっても同じだったはず・・・なのに。
世のメディアのみなさま、あの会場にいたのなら、貴方達は歴史に選ばれた幸運な伝授者です。土下座のシーンに触れるな、とは言いませんが、何故一番大切なことを真っ先に見出しとして伝えないのですか?

あ、すみません。連休明けの10日に出社したら、朝イチでいきなり会社の同僚に「沢田研二、バカウケじゃ~ん!」と話しかけられて絶句したりしたもので。
世の話題になること自体は嬉しいんだけどね・・・。

これから僕は、どんなふうに歌と演奏を楽しんだか、どんなふうに嬉しかったか、ということをメインに1曲ずつレポートを書いていきます。
結構少数派の感想ばかり書くことになるかと思いますが、「こんな感じであのステージを観ていた奴がいるのか」と、みなさまにお伝えできたら嬉しいです。

また、それぞれの曲について過去にリアルタイムで書いた考察記事を自分でもう一度読み直し振り返りながら(時間が経てば経つほど粗が見えてきて恥ずかしいんですけどね)、その後個人的に思うところや、「現実」についても書いていけたらと考えます。例によっての大長文ですけど、よろしくお願い申し上げます。
それでは、開演です!


1曲目「
福幸よ

Undemocraticlove


想い出が近すぎて 笑顔だけ戻っても
青空痛い 流れた何もかもと
後悔に懺悔 忘れるもんか


この日のステージを体感して僕が感銘を受けたのは、もちろんジュリーの歌ばかりではありません。バンドの演奏が本当に素晴らしかった!
「ツアー初日」の完成度としては、2014年お正月の『ひとりぼっちのバラード』に比するものがありました。
一体どのくらいのリハを重ねたのでしょうか。いや、あの統一感はリハの回数以上に、メンバーそれぞれの覚悟が生み出していたのかもしれません。

今回のセットリスト、アンコール前のMCでジュリーが疲労困憊を吐露していましたが、同じくらいに大変だったであろうメンバーが柴山さんです。
2015年までの4枚について言えば、新たなベースラインを作ることになった依知川さんも相当大変だったでしょう。しかし柴山さんは多くの曲で下山さんのパートを取り込んだ「1人2役」を担い、しかもアレンジを変え・・・。
さらに4人のアンサンブルは、昨年同じメンバーでステージに臨んだ『un democratic love』収録4曲についても進化を魅せてくれたのです。特にこの「福幸よ」と「犀か象」の2曲は大きく演奏のアプローチを変えてきました。イントロのギターから、いきなりね。
ロック・バンドの真髄ここにあり!です。
エンディングのリフレイン部、まず2回依知川さんの16分音符のソロがあり、3回目は柴山さんがユニゾン。僕が確認できたのはそこまででしたが、後に泰輝さんにピンスポットが当たっていた箇所もありましたから、何らかのアレンジの進化がそこにあったはず。

それにしても柴山さん、年々「背負い方」が尋常ではなくなってきている・・・そう感じませんか?
演奏のことだけではありません。
作曲についても、改めてこの「福幸よ」のサブ・ドミナントの徹底したマイナー変換。「進んでゆく」曲だけれど、それは平坦な道では決してなく、何度も何度も躓いて、挫けそうになって、それでも顔を上げて進んでゆく・・・柴山さんのコード使いはきっとそんなことを表現しています。これほどの「詞曲一体」は、20曲の中でも一、二を争うでしょう。

この日曲が進むに連れて、僕が心配げに「どれほどのものを背負っているんだろう」と思ってステージを観れば、いやいや柴山さんは穏やかです。自然体です。
「好きこそものの上手なれ」を究極まで突き詰めたギタリストにとって、ステージ上でのパフォーマンスは最高に楽しい時間に違いありません。
すべての演奏が終わり、最後の退場のシーンではいつものように最後の1人となり笑顔でお客さんに手を振ってくれた柴山さん。でも、楽屋に戻ったらホント疲れたんじゃないかなぁ、とも思うんですよね・・・。

ジュリーの声は最初の2曲ではまだ本調子ではないようでしたが、畳みかけるニュアンス、発声にはこの1曲目から並々でない「気持ち」を感じました。

2曲目「
F.A.P.P.

38


BYE BYE A.P.P BYE BYE 原発
哀しみは ひとりひとりで違うよ 当然

BYE BYE A.P.P BYE BYE 原発
HAPPINESS LAND へこたれないで福島

ここまでの2曲は、この直後のMCでの「セットリスト宣言」前でしたから、「おぉ、いきなり柴山さんの曲連発か~」と呑気に(?)に考えていましたね。多くのみなさまがそうだったでしょう。
2012年以降の楽曲の中では最も多くツアーで採り上げられている名曲です。

で、「鹿児島県人」の僕は今ジュリーにこのテーマを歌われると、やっぱり胸がチクッとするわけです。
と言うのは・・・。

昨年、現職知事の失言騒動による自滅の要素はあったとは言え、保守色の強い土地柄の鹿児島としては異例の結果となった県知事選挙。当選したのは「脱原発」を掲げた三反園さんでした。
これは、熊本地震を受けて完全に「川内原発」が争点となった故の結果です。選挙があの時期でなければ三反園さんに勝ち目は無かったでしょう。つまり、普段例えば自民党推薦候補者に投票するような人の多くが、その時ばかりは「川内原発を止める」と言った三反園さんに票を投じたということ。
「野党が支持された」わけではないのですよ。

それだけに、保守だの革新だの抜きにして三反園さんへの県民の期待は大きかったのですが・・・三反園さんは1年も経たないうちに「県知事に再稼働を止める権限は無い」などと「それを言っちゃあおしまいだよ」みたいなことを平気で言うばかりか、「こちらが何を言っても九電は原発を動かすんだろう」といった「人のせいにして白旗を揚げる」ような発言も。
早い話が「消極的再稼働容認」です。
これは「変節」とすら言えない・・・意を決して三反園さんに投票した県民からすると「この人は腰抜けであった」ということになるんです。
「こんなことなら前知事のままの方がまだ良かった」と考えている鹿児島県民は、相当数いるでしょう。当然、次の国政選挙にも大きく影響するでしょうね・・・。
いやはや、ただの1年も志を持ち続けられないとは情けない。「ジュリーを見ろ!」と言いたいですね。5年続けてきて、これからも続けていく男の矜持を。

この日の演奏はオリジナルよりテンポ速めだったと思います。縦ノリの「福幸よ」と続いているから、敢えてそうしたのでしょうか。

歌詞中の「当然」はすべて「東電」と歌いましたよね?
最高音部は喉を絞り出すように歌ったジュリー。この時点ではまだ「気持ちの方が声より先を行っていた」感じだったかなぁ。
MCを挟んだ次の「3月8日の雲」で、いよいよジュリーの喉にスイッチが入ります。

~MC~

「あけましておめでとうございます!」の第一声に、思わず反応して頭を下げてしまったという・・・この日授かっていた1階C8列は、そのくらいジュリーがよく見え、身近に感じさせてくれる素晴らしい席でした。感謝!

「今日がいわゆる”仕事初め”です」とのことでまず自らを「准高齢者の沢田研二」と。
この「准高齢者」ネタのおかげで、ステージ最初のMCコーナーとしてはいつもよりちょっと長めのお喋りタイムとなりました。ジュリーファンとしてはラッキー!

先頃お国が決めた「75歳以上が”高齢者”で、65歳から74歳までは”准高齢者”」にもの申すジュリー。
老人だ老人だと思ってやってきたのに、国から突然「あなたは老人ではない!」と言われてしまい・・・老人だと思っているから頑張ってきたのに、老人じゃなかったら「頑張って当たり前」ってことになるじゃないか、とのことで、「あの還暦は何だったのか!」とお客さんを大爆笑させてくれたのは、この時だったか、アンコール前のMCだったか。
「みなさんもそうでしょ?自分は老人だと思っていたら、いきなり何か新しい種族に奉られたみたいで」
ですって。
ジュリー、本当に面白い表現しますねぇ。

しかし・・・ジュリーのユーモアには笑っていられるけど、こりゃ僕のような世代は「75歳まで年金が受け取れない」未来が来るのを我が身のこととして覚悟しなきゃいけないなぁ、と改めて思いました。
個人的には、「75歳」なんて言われてもそこまで生きてる気が全然しないにしても。

つまり、僕がもし60歳になっても65歳になっても70歳になっても年金が貰えなくて、なおかつまだ元気に生きていたとしたら・・・なんとか働いて、その頃には名実ともに「高齢者」となっている(笑)ジュリーの年金を微力ながら負担します、ということですな。まぁジュリーはそれでもまだまだ働いているでしょうけどね!
僕が75歳の「高齢者」に無事到達できたら、その時ジュリーは93歳。元気に歌っていて欲しいです。

で、唐突に・・・というほどでもなかったと思うけど、ジュリーの「セットリスト宣言」がありました。
2012年以降の5枚のマキシシングル収録全20曲、今日はそのすべてを歌う、と。
その試みをジュリーが「大胆な」と自分で表現しただけのことはあって、会場にはどよめきが起こりました。

そんな中、僕は「マジですか~!」と、カミさんは「やっちまったな~」と声が出ました。
いえ、誤解しないでください。僕ら2人ともそのセトリ宣言を「嫌だ」と言ったのではありません。その時僕らの頭の中には、オーラスのフォーラムで初のジュリーLIVE参加が決まっている、カミさんの仕事絡みの4人のお姉さま方のことがよぎったのです。
僕が代行して澤會さんでチケットを申し込んだわけですが、「こりゃまた、よりによって凄いセトリの時に当たっちゃったな~」とね。
でも、LIVEが終わって、打ち上げでお腹もいっぱいになって大満足で帰宅する途中の電車内で、「今回初参加で、先入観がまったく無いというのはかえって良いんじゃないか」と話しました。
元々その4人のお姉さま方には、「お正月のコンサートはマニアックなセットリストになる傾向が強く、有名な曲を多く聴きたいなら夏からの全国ツアーの方がおススメです」とお伝えしたところ、「それでもいい。今の沢田研二の生き様が見たい」とお返事頂いていた、という経緯がありました。
今のジュリーの生き様を見たい、ということならこれほどふさわしいセットリストもないわけで。

最初のMCの〆に「一生懸命つとめます!」と言って片膝つくのはもうお馴染みとなりました。
さぁ、どの曲が飛び出すのでしょうか。どんな歌声とアレンジが聴けるでしょうか。僕自身にも「特別なLIVEを楽しむ」スイッチが入ったMCでした。

3曲目「
3月8日の雲

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泣いてもしかたない笑っていなきゃ
忘れたことなど一時もない 3月11日の空は
やり切れんです そよ風に疼きます


2012年のリリース当時、この曲や「恨まないよ」を聴くごとに感じていた「非・被災者の卑屈」な感覚が今の僕には無くなっていて・・・でもそれは風化なんかじゃなくて、心構えの進化だと自分では思うんですけど、ステージ上のジュリーから「陽」に近いオーラが感じられた、というのはやっぱり少数派の感想なのかな。

シリアスなこと、重いテーマを歌っているからと言って、それを「楽しめない」というのは勿体無いことだと僕は思う・・・ジュリーはこんなに素晴らしいのだから。
2012年から2014年までのツアーで、ジュリーに「悲壮感」を感じていたのは、もしかすると受け取る側の僕らの思い込みだったのかもしれない、とすら思われるほどに、この日のジュリーのオーラは明るかったです。

僕が今回、躊躇なく「楽しい!」「嬉しい!」「凄い!」と夢中でステージに集中することになったのが、この3曲目「3月8日の雲」以降でした。
直前のMCで、2012年以降のあの曲達を全部やってくれるんだ、と分かって・・・ジュリーとの「一対一」の感覚へと完全に気持ちが切り替わったのです。

そして、「スイッチが入る」ことについてはジュリーもこの曲からだったと感じました。
お客さんにセットリストの「告知」をして覚悟が決まる、という部分があったんじゃないかな。これは初日に限らずフォーラムまでずっとそうではないでしょうか。

「怒り」「悲しみ」ともつかない、ギリギリと歯軋りするような感情、ジュリーが表現したところの「みょうな感じ」・・・そんな歌を再現するために、ジュリーは「作詞した時の気持ち」に戻らなければなりません。
大げさにシャウトするわけでもない、地の底から湧いてくるような発声に気持ちが乗り移り、「あっ、ジュリーの声が変わった!」と思いました。
ここから先のセットリスト、ジュリーの歌はどんどん素晴らしくなっていきます。「無心」の歌が気持ちにまで追いつき心身一体となったのは、7曲目の「一握り人の罪」だった、と僕は思いましたがその話はまた後で。

まず何が楽しいって、「うわ、ベースが入るとこうなるのか!」という曲が正にここからだったから。
この日のバンドの演奏で特筆すべきは、柴山さんがただの一度もアコギを使用しなかったことです。
鉄人バンド期の4枚の曲のアレンジはアコギ導入率が高くて、そのほとんどを下山さんが担っていました。もし今回柴山さんが1曲でもアコギを弾いたら、僕は「あぁ、下山さんはここにはいないんだ・・・」と寂しい気持ちに駆られていたでしょう。
「福幸よ」の項で書いた、柴山さんが背負った「アレンジの変化」とは、オリジナル・ヴァージョンでアコギが活躍する曲でこそ真価を発揮していたと言えます。

2012年のツアーでの「3月8日の雲」は、CD音源と同じくまずは下山さんのアコギとGRACE姉さんのドラムスのみの演奏で始まりました。ツアー初日はテンポが速くて「さすがに鉄人バンドの猛者2人も緊張しているのかな」と思って聴いたことをよく覚えています。
一方今回はGRACE姉さんのドラムスに載せて、ハードロック王道の特徴的な主進行を柴山さんと依知川さんがユニゾンで弾く、という新たなスタイルで幕開け。
「レ~、ド、レドシ♭ラ♪」のオブリガートをベースで再現する依知川さんに痺れます。
柴山さんの方は、2回し目からはリフに加えてカッティングのニュアンスも出さないといけませんからこりゃ大忙しだ!(2012年の時は、「ちゅくちゅくちゅくちゅく・・・」のカッティング・スタンバイが観られました)

Aメロ途中から噛み込む泰輝さんのオルガンは正に「切り裂く」かのような演奏です。
そう、この曲は泰輝さんの作曲作品。5年間で泰輝さんが作曲した5曲のうち、ただひとつ「バラードではない」曲がこれです。
初めて『PRAY FOR EAST JAPAN』のテーマで曲を作って欲しい、とジュリーから依頼されて鉄人バンドのメンバーが作曲した『3月8日の雲』収録4曲は、4人それぞれの当時の気持ちがよく伝わる作風だった、と僕には思えてなりません。
泰輝さんはあの年、激しく怒っていたのか、無力感に苛まれていたのか・・・そこまでハッキリ分かるわけではありませんが、泰輝さんの気持ちはこの曲想から感覚として受け取ることができる、と思っています。

ジュリーの「そよ風に疼きます」の鬼気迫るヴォーカル。そして演奏がドラムスだけになる「後悔ばかりです」から最後の一節「折れないで」までの声の繋がり・・・「圧巻」と言うには凄まじ過ぎます。
「3月8日の雲」のアレンジ最大の個性は「唐突なエンディング」ですが、ラスト1音に合わせて「グッ」と顔を上げるジュリーの仕草は2012年と同じ。
ジュリーの志は5年経とうがこの先何年経とうが変わることはないのだ、と思いました。

4曲目「
東京五輪ありがとう

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東日本の復興には もっと時間が必要
東京五輪まであと3年 成功復興叶え
あの町を忘れないで 思い出して
遠い町の 出来事じゃない


2012年からの5枚の作品はいずれも素晴らしい名盤ですが、みなさまの「特に好きな1枚」はどれでしょうか。

僕はまず『3月8日の雲』がリリースされた2012年、「これは凄い。圧倒的な1枚」だと思いました。ところがその後新譜が届けられる度、毎年のように「う~ん、これまた凄い、甲乙つけ難い」と思い続けて計5枚。
それぞれに違った思い入れや、「好き」のベクトルがある中で、僕は収録4曲の曲想バランスや音楽性については『三年想いよ』推しとなっています。
「櫻舗道」と「一握り人の罪」(+みんな入ろ」)は最初から大好きで、後にその年のツアーを体感しタイトルチューンの「三年想いよ」でのジュリーと鉄人バンドのパフォーマンスに感動、特別な1曲となりました。

そして今回、セットリスト4曲目に配された「東京五輪ありがとう」・・・こんなに素敵な曲だったか!と。
後日改めて『三年想いよ』の歌詞カードを眺めていて、詞も曲も収録4曲それぞれ突出したパワーがあって、バランスの良い1枚だなぁと。
ジュリーが今回歌った5枚をまだCDで聴いていないお客さんがいらっしゃったら、「導入篇」としては意外と『三年想いよ』が最適かもしれません。

元々、「東京五輪ありがとう」についてはベースが入れば「化ける」曲だとは思っていて、2020年には依知川さんのベースで聴けるのかなぁと勝手に予想していましたが、今年ひと足早く「重厚なロック・チューン」の真髄を味わうことができました。
イントロの依知川さんのフレージングはビートルズの「サージェント・ペパーズ~」のようでした。着地するトニックにマイナーとメジャーの違いはありますが、コード進行がちょっと似ているんです(この2曲のイントロの類似については、YOKO君がリリース後早々に発見していました)。「さぁ、始まるぞ!」という独特の臨場感は、低音が似合う「イントロ限定」の見せ場です。

他パートが頭打ちでアクセントを決めるギター・ソロ部、柴山さんのギターはさながら咆哮のようでしたが、僕には「軽快」とも受け取れました。
「柴山さんが弾くからこそ」という部分は他のどの曲にもあるでしょうが、「東京五輪ありがとう」にはそれが特に強いように思います。

あと、この曲がそうだったどうかはもう覚えていないんですけど、今回のツアーでは柴山さんがステージ前方までせり出してきてソロを弾く(エフェクターを踏んで単音の音を太くする、或いは音色を変えてからカッ飛んでくる)曲では、ソロが終わる時に「エフェクトを切る」役目をローディーさんが受け持っていました。
タイミングを見計らってローディーさんが入場してエフェクターを切ってくれるので、従来のツアーより柴山さんが前方に留まっている時間が長くなります。
この日、何曲かでそんなシーンを見ていて「なるほど、こりゃ柴山さんのファンにとっては嬉しいアイデアだ」と僕はそうんなふうに思っていました。

でも実はそれはすべて「あの曲」への伏線でした。

その瞬間の「目からウロコ」と言ったらもう・・・でもそのお話はまた後で(←焦らしてばかりですみません)。

ジュリーは「東京五輪まであと3年」と歌いました(本来の歌詞は2014年に作られた「あと6年」)。
もう『三年想いよ』から3年、あの震災の年から6年が過ぎました。果たして復興は成ったのか、原発事故は「アンダーコントロール」などという言葉の通りに終息したのか・・・現実はまったく違います。
経済産業省は昨年12月、東京電力福島第一原発の廃炉および事故対応費用(賠償など)を、従来の試算の倍、21兆円超と上方修正したそうです。
僕らには現実感すら沸かない数字です。そもそも、お金だけで解決するようなことでしょうか。

ジュリーが「あと6年」の時点で警鐘を鳴らした「復興にはもっと時間が必要」が身につまされます。
「東京五輪ありがとう」というタイトルの意味を、僕らは皆で考えなければなりません。

5曲目「
Uncle Donald

Pray


あなたの言葉の続き知りたい
手繰って紡げば糸になる
あなたの言葉が突き刺さった日
胸に刻みつけて


これも「3月8日の雲」同様、「リリース年のツアーが終わったら、二度と生では体感できないだろう」と勝手に決めつけていた曲のひとつでした。

『東京新聞』を購読している人なら、ジュリーが2013年にドナルド・キーンさんに深い親愛を込めて「知りたい」と歌った「あなたの言葉の続き」を、キーンさんの手記『ドナルド・キーンの東京下町日記』連載で継続して「知る」ことができていますね。
90歳を超えたキーンさんは手記の中で、その長生きの秘訣を「特に何も気をつけないこと」だと笑い飛ばしていたことがありました。これ、僕らがあやかろうと思ってもなかなか難しい・・・キーンさんはジュリー同様「特別な気構えを自然体で持つ人」なのでしょう。

連載でのキーンさんのお話は、被災地への想い、自身の戦争体験談など多岐に渡りますが、「忘れてならないことは忘れない」「言わねばならないことは言う」というスタンスの中でも、「日常」の楽しみ、堂々と生きることの「喜び」を隠さず、それをメッセージに「生かす」・・・そんな個性があり、それはキーンさんの日々の生活そのものであるようです。
そのあたりはもしかしたらジュリーと共通しているのかもしれない・・・キーンさんは「文学」、ジュリーは「歌」にその根っこがあるのかなぁ。

「忘れてはならない」のはもちろん3・11だけではありません。はからずも僕が今この「Uncle Donald」の項を書いているのが1月17日。22年前、阪神淡路大震災が起こった日付です。
僕が今なおこの日付を身近に刻み続けていられるのは、当時カミさんが現地で震災を体験し、目の当たりにした大きな被害について時々話をしてくれることがまずひとつ。

もうひとつは、尊敬している将棋棋士、森信雄七段(「西の名伯楽」と言われ、多数のプロ棋士を弟子として育てていることで有名。昨年映画化された『聖の青春』の主人公である故・村山聖さんが森七段の一番弟子でした)がこの日を「一門の日」と定め、門下一同で祈りを捧げ続けていることをブログなどで毎年発信してくれるからです。
阪神淡路大震災では、森七段の弟子であり奨励会(プロ棋士養成機関)に所属していた故・船越隆文さんが、当時17歳の若さで犠牲となってしまいました。以来森七段は「一門の日」に必ず船越さんが犠牲となったアパートの跡地に弟子を集合させ、自身の家族、船越さんのお母さんらと共に鎮魂の祈りを続けています。
(「前日」16日に森七段がupしたブログ記事は
こちら。「当日」の17日は皆がアパート跡地に集まったはずで、そのことも近々に記事にしてくださるでしょう)。
(また、1年前のネット記事になりますが、森七段と船越さんのことが書かれた記事が
こちら

森七段は先日、「阪神淡路大震災の日が近づくと毎年、身体のどこかが反応して心身のバランスを崩す」とブログで吐露されていました。
「大切な人を不条理に失ってしまった」人が抱えているそうした心情を、僕らも常に胸に留めておかなければならない・・・そう考えるばかりです。
森門下も今では震災当時まだ幼い子供だった若い弟子達が続々とプロ棋士となっていますが、船越さんはじめ震災の犠牲となった方々への「祈り」は彼等にも間違いなく受け継がれています。

僕は、キーンさんが文章を書いていることやジュリーが同じテーマで新譜をリリースし歌い続けていることにはそういう意味もある、と思っています。
キーンさんの痛ましい戦争体験は、戦争を知らない僕のような世代の胸にも確かに響いています。
そして・・・ジュリーにも若いファンが増え続けています。いずれ、東日本大震災の記憶を持たない世代のジュリーファンも現れるでしょう。
でも彼等は3・11をリアルタイムでは知らずとも、きっとジュリーの歌から「祈り」を受け継ぐことになるはずです。今そんなことを考えていると、ジュリーがNHKホールで歌った「Uncle Donald」で、「人は変われる」の歌詞部に僕が特に胸を打たれたことも納得できるのです(正確には「人は変われ」+「RHU」)。

さて、2013年の「Uncle Donald」の演奏で強烈に印象に残っているのは、何と言っても下山さんのアコギ・スタンドの採用でした。ごく狭い世間で「遂に衆人ガン見の中で霊力を!」と話題になったものです。
その後その手法は『昭和90年のVOICE∞』での「カガヤケイノチ」の再演、2014年全国のツアーでの「こっちの水苦いぞ」にも受け継がれました。

それを今年のこの曲では柴山さんがエレキ1本でやり遂げた、という・・・しかも柴山さんの演奏は、下山さんが再現していなかったエンディングのジェット・サウンドまで網羅しているんですよね。
この柴山さんの大活躍には、やはり依知川さんの考案したベース・ラインが不可欠だったと思います。2013年に柴山さんがパワー・コードを担っていたアレンジ・パートを、依知川さんがスタッカートの効いたエイト・ビートに置き換えたのです。
ベースの低音で奏でられるクリシェは格別でした。

そして改めて感じたのが、この曲をはじめ今回歌われた下山さんの作曲作品4曲が、いずれも素晴らしい名曲ばかりだということ。
他に「似た曲」が無い個性派ジュリー・ナンバー4曲。
バンドへの復帰はもちろんのことですが、またいつか下山さんが提供したジュリーの新曲が聴きたい、と僕は切望しています。

6曲目「
犀か象

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地震多発も犀か象 舌の根乾き犀か象
神をも畏れない犀か象


柴山さんの「じゃら~ん♪」の音合わせからGRACE姉さんのカウント。その数秒のシーンだけで「おっ、次はこれか!」と分かりました。
昨年のツアーの記憶も新しい「犀か象」。
ところがところが、同メンバーでの再演にも拘らず、これがまた「福幸よ」以上にアレンジを変えてきました。

大きく変わったのはAメロ、作曲者でもある依知川さんのベースライン。
溜めを効かせたオリジナル・ヴァージョンが、明快、軽快なエイト・ビートに進化していました。
これはジュリーのリクエストではないか、と僕は推測します。確かに「原発再稼働」をテーマとしたシリアスなメッセージ・ソングだけど、ジュリーとしては「楽しく、軽快に」歌いたい曲なのではないでしょうか。そこで、昨年のツアーの経験、感触を踏まえ、「もっとビートを強調して!」とバンドに提案したんじゃないかなぁ。

僕は昨年この曲の考察記事で、「動物たちが賑やかに登場する、一見楽しげなポップ・チューンが、実はとんでもないメッセージ・ソングだった」という狙いのニュー・ウェイヴの手法を見た、といったことを書きました。この考えは今も変わっていません。
ジュリーをよく知らない人がひょんなきっかけで「犀か象」というタイトルの楽曲の存在を知ったとします。特に子供達。「なんだろう、どんな曲だろう」と思って聴いてみたら・・・という、そのインパクトですね。

川内、伊方、玄海・・・今この国は各地で「再稼働」「再稼働」の合唱状態です。
知事は青海鼠で、国は鹿馬。
万が一2011年の福島の事故のようなことが再び起きてしまったら、誰が、どのように責任をとるのか。
犀に腹を切らせようと言うのか。
象に廃棄物を食って貰おうと言うのか。
「できもしない」とジュリーは歌います。「安全じゃないっしょ」と、それは誰しもが分かること。
それでも再稼働に突き進む国の意図とは何なのでしょう。経済なのか、「潜在的核保有」なのか。

でもジュリーは、新たなアレンジを得て、この曲を今年も楽しげに「陽」のオーラをふりまきまがら「犀か象」をハッキリと「再稼働」と変えて歌い、躍動します。
「バイヤ」の清々しさ。躊躇の無さ。
「いざ間奏」の合図となる「パオ~ン!」の雄叫びは、大きなアクションで象の鼻を振り上げてくれました。

良質なポップチューン、かくあるべし。
LIVEでの体感はまた格別。
改めて確認したコード進行の面白さもあって、僕はますますこの曲が好きになりました。

7曲目「
一握り人の罪

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原発に乞われた町 原発に憑かれた町
神話流布したのは誰 一握り人の罪
原発に怯える町 原発に狂った未来
繰り返すまい明日に 一握り人の罪
嗚呼無情


柴山さんのエレキによるコード・ストロークからスタート。一瞬「ん?どの曲だ?」と戸惑いましたが、柴山さんのフォームを見て、これは「一握り人の罪」だ!と。

ただ僕はコード進行が頭に残っていた(泰輝さんが好きなビリー・ジョエルの曲「場末じみた場面」を思わせます)からすぐにそれと気づけただけで、過去に採譜をしていなかったら果たしてジュリーの歌が始まるまでにこの曲だと把握できたかどうか。
みなさまはいかがでしたか?
ジュリーの歌が始まるまで「一握り人の罪」とは分からなかった、と仰るお客さんが多くいらっしゃったとしても不思議ではない・・・そのくらい、アコギとエレキの印象って(この曲の場合は特に)違うと思うんですよ。特に「伴奏がギター1本」の状況だとね。

ジュリーのヴォーカル、僕はこの曲で「来た!」と思いました。8年LIVEを観続けてきて新規ファンなりに体験している、「ジュリーの一番良い時」の歌声・・・気持ちと声が完全にリンクして、無心無垢となったジュリー。ただそこには「歌」がある、という感覚。
何度かそんなジュリーを体感してきていますが、これまでで一番強く印象に残っていたのが2012年『3月8日の雲~カガヤケイノチ』びわ湖ホール公演での「恨まないよ」です。
表現のしようが無いほど素晴らしかったあの時のジュリーの歌声の感覚が、今回のNHKホール、7曲目「一握り人の罪」でスパ~ン!と降りてきました。
そして驚くべきは、そんなジュリーの「無心無垢」がこの後バラードが連続して配されることになるセットリスト(14曲目「Pray~神の与え賜いし」の1番までの間)で、ずっと継続したのです。

だからこそ、14曲目での出来事があった、と言えます。
後でも書きますが、僕はあのアクシデントが起こったことはジュリーとお客さんが良い意味で「我に返る」タイミングとして良かったんじゃないか、と思っています。
そりゃあ、「一握り人の罪」以降数曲のバラードで僕が感じたような素晴らしい感覚をLIVEの最後まで持ち続けることができれば最高ではありましょうが、もしそうなったらもうジュリーは人間を超えてしまうと言うか、別世界に行ってしまうと言うか、到達して燃えつきてしまうと言うか・・・とにかく尋常ならざる事態になっていたのではないか、と想像するのです。
変な話、そこまでのジュリーを魅せて貰うのは、最後の最後にとっておきたい、と僕は思ってしまいました。
ジュリー110歳くらいのLIVEでね(その時僕はもうこの世にいないでしょうけど)。

それにしても、何と美しいメロディーでしょうか。
僕はこの5年の泰輝さんの作曲作品の中では抜きん出て「un democratic love」にZOKKON状態だけど、この「一握り人の罪」は泰輝さん自身が純粋にそのメロディーに最高の手応えを得ている傑作かと思います。

あと、今回この曲で感動させられたのは依知川さんのベースでした。
ジュリーの無心無垢のヴォーカル、そして柴山さんがエレキを弾いてくれたイントロのおかげで、オリジナル・アレンジに強い思い入れを持つ(「この曲は柴山さんと下山さんのツイン・アコギ!」という特別な感情)僕も、自然に新たなアレンジに気持ちが入りました。
「一握り人の罪」で聴く、まったく新しい音・・・依知川さんが考案したベースラインは、まず小節の頭でルート音を可能な限りのフレット最低音で弾くロングトーン。
それを受ける次の音は思いっきり高音へと跳ね上がり、そこから小刻みに音階を下げてゆくフレージング。高音から降って「これ以下はない」ところまで辿り着いた低音が、次のルート・ロングトーンへの着地点です。
ベース演奏についてよく「レベルが高い」と言われるのが、「次の小節へと向かってゆく」感覚。それを依知川さんはじっくりと、澱みなく続けてくれました。

ジュリーと鉄人バンドが作り上げたオリジナルの「一握り人の罪」とアレンジは違えど、その志に乖離するところはまったくありません。
それを引き出したのが柴山さんのエレキだっとも言えます。本当に素晴らしかったです。

8曲目「
Fridays Voice

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放射能は呻いた こんな酷い支配を
意に介さぬ人が嗤う 何故恐れない
福島だけ問題? 無関心が問題
生けるものの大切な未来 決めてしまう問題


こちらは柴山さんの最高傑作、と僕は思っています。
ジュリーの声域を高低すべて網羅したようなメロディーライン、調号の変化が無いにも関わらず変化に富んだコード進行と豪快な楽曲展開。ジュリーが歌詞を載せた「We Are Fridays Voice」のリフレインが1番では1回、2番では2回、エンディングでは「無限」を示唆するかのような大コーラスへと拡がるアイデア。
人々の「声」が時とともに重なり、大きなパワーとなっていく様を体現した、これもまた「福幸よ」同様に「詞曲一体」が最大の魅力と言える名曲です。
「福幸よ」は柴山さんの作曲にジュリーが乗った、という感じですが、こちらはジュリーの歌詞が載ってから柴山さんをはじめ鉄人バンドのメンバーが入念に細部を詰めていった、という感触。当たっているかどうかは分かりませんが。

経済産業省前のテントが撤去された、というニュースが報じられてからもうずいぶん時が経ちます。もしかするとみなさまの中に「それ以降、”Fridays Voice”は途絶えてしまった」と思っている方がいらっしゃるかもしれませんが、そんなことはありません。
『東京新聞』では毎週土曜日の朝刊で『金曜日の声』と題した連載を今も継続しています。必ず、参加者数名の「声」を拾い上げ、年配のかた、若いかた、バランス良く取材されているようです。
それにより、原発の問題に止まらず様々な観点で「Fridays Voice」が今なお健在であることが分かります。

「一握り人の罪」から、歌詞中で明快に「原発」というフレーズが登場するバラードが2曲続くことは、僕らジュリーファンはもとより、今回初めてジュリーのLIVEを観るお客さんにも大きなインパクトを残したでしょう。

「原発」というフレーズの語感がポップ・ミュージックの歌詞としては不自然、などという考え方は、生のジュリーの歌声の前には吹き飛びます。
こうした社会性の高いメッセージ・ソングをして「ハッキリ言った方がいい」という手法は、ジュリーが常に「LIVE」を意識しているからこそ自然に生まれるもの。
「どうしたら伝わるのか」と考えるベクトルが、50年継続してステージに立ち続け、欠かさず全国ツアーを敢行していする歌手・ジュリーだけの、特異にして実は一番「真っ当」なところへ向いていると思うのです。
この境地へ、この場所へ辿り着けたというだけで、ジュリーという歌手は凄まじい。
だから「可哀相な原発」「行き場のない原発」「止めるしか原発」と明快に歌えるのです。

反して、世の現実はどうでしょう。
この項を書いている今日1月18日に、玄海原発3、4号機が新規制基準に合格(適合)、とのニュースがありました。
この先待っているのは「使用前検査」と県知事の承認。この2つがいかに軽いハードルであるかを、僕は故郷・鹿児島の川内原発再稼働までの経緯で思い知っているだけに、なんともやりきれない気持ちです・・・。

バンドの演奏で印象に残ったのは、まず1番と2番の間に挿し込まれるピアノとギター単音のユニゾン(柴山さんのハンマリング・オン→プリング・オフもCD音源通りに再現されました!)。
そして同箇所でのGRACE姉さんのリム・ショットにグ~ッときました。何だろう・・・この優しく鳴っている「木」の音のような存在感は。

ドラムスと言えばこの曲ではやはり、大サビのリフレイン部が圧倒的な見せ場です。GRACE姉さん、今回はちょっとフィル・フレーズを変えていたかな?

9曲目「
涙まみれFIRE FIGHTER

Kottinomizunigaizo


無力感 震え止まらず 悔しさが眼に焼き付いて
消えぬまま 町の四年が過ぎ去り
襲い来る風化とともに 北国の短い夏よ
押し寄せる 寂寥だけが今でも


もしかすると、今回歌われた全20曲の中で最も「重い」のかもしれないこの曲の項でいきなりこんなことを書かなければならないのが本当に情けないのですが・・・不肖・DYNAMITEがこの度「やらかしてしまった」2つの点について。

まずは、セットリスト曲順の記憶間違いです。
最初のMCで2012年からマキシ・シングル5枚全20曲をやる、と聞き「あぁ、今回はセットリスト覚えるのは楽勝だな」と油断してしまったのは、「演目タイトルの記憶漏れはあり得ない」からですが、いざLIVEが終わってみると、これほど「曲順」を思い出すのが困難なセットリスト構成は無かった!と痛感。
僕は毎回ツアーの度に、いつも仲良くしてくださる関西のケンケンジ姉さんから「初日セットリスト速報」を請負っておりまして、今回も「お任せあれ!」と自信満々に言ってしまったばかり。こりゃマズイぞ、とは思ったのですが、何とか記憶を振り絞って速報メール。
ところがその時僕は「9曲目=泣きべそなブラッド・ムーン」「10曲目=涙まみれFIRE FIGHTER」と記憶違いのままお伝えしていまいました。

その後、どうもこの2曲が逆だったんじゃないかという話になり、僕は「え~、そうだっけな~」と迷っていたところ、絶対の信頼を置いている先輩がSNSにセットリストを書いてくださっているのを拝見。これにて、「うわ、これは俺が完全に間違ってる!」と慌ててケンケンジ姉さんに訂正メールを送った次第でした。
すぐに「大丈夫ですよ!」と返信くださり(優しい!)ホッとしました。
でもケンケンジ姉さんの方は姉さんの方で、今回のセトリに驚いて色々と考え込んでいらしたみたいで、そんな時にこの失態・・・本当に申し訳なかったです。

で、この2曲の順序について先に「逆じゃない?」とご指摘頂いていた先輩に「凄いですね~。よく覚えていらっしゃいますね」とお話したら、いやいや他の曲の順番はよく覚えていない、しかし「涙まみれFIRE FIGHTER」と「泣きべそなブラッド・ムーン」についてだけは
「だって、ジュリーが上着脱ぐ前と後の曲でしょ?」
と。
てなことで僕のもう1点の「やらかし」は


ジュリーがジャケットを脱ぎシャツ姿になっている記憶がまったく無い

という・・・(大恥)。
当然、目には入っているわけですし、ジュリーが上着を脱いだシーンも「見て」はいるはず。それを全然思い出せないというのは・・・ジュリーファンとして大いに問題あり、ですよね。
打ち上げでも先輩方とカミさんが1着目の衣装について「あそこに北斗七星があった、あそこには何があった」と話している中、そこでも僕はそのことすらよく覚えていなくて会話に入っていけず。
まぁ、それだけ歌に集中していたってことですよ(←苦しい言い訳)!・・・さすがにこの状態ではタケジさんに申し訳ないですから、夏からの全国ツアーでは心を入れ替えようと思います。

曲順の記憶違いについては、やっぱりCDの並びのイメージが強かったのかな。
にしても、僕が各曲ごとに「これはどのメンバーの作曲」と脳内で考えていたのは確かで、この時も「柴山さんの5曲はもう全部歌ったなぁ」と思ったことは覚えてる・・・それなのに、冒頭の1、2曲目に続いて、「Fridays Voice」からまた柴山さんの曲が2曲連続だ!とハッキリ意識できなかったことは痛恨です。

依知川さんのベースが加わり、その微妙に後ノリ気味の重厚な低音を体感して、「あっ、この曲はメタル・バラードなんだな」と思いました。
実は僕はロックの中でメタルって一番苦手なジャンルで、特に歌詞フレーズに「ファイヤー」が出てくるとそれだけでヘナヘナと力が抜けちゃう奴なんですけど、ジュリーの「涙まみれのFIRE FIGHTER」は例外。
だって、このジュリーの歌詞は・・・とてつもない。自らが胸をかきむしられるような思いをしていないと、とても出てこない表現の連打また連打です。
毎年リアルタイムで新譜を聴くと、「ジュリー、何故そこまで・・・」と感じる曲が2015年までの作品には必ず収録されていますが、この曲はその最たるもの。ひとつひとつのフレーズが「安易」とは対極の、魂から選び出され絞り出された言葉であり、歌なのです。

加えて、柴山さんの人柄を思わせる楽曲構成。
この曲はサビで嬰ト短調からロ短調というかなり大胆な転調が登場しますが、今回改めて意識、感動させられたのが、その繋ぎ目です。
柴山さんは、サビ直前はギター単音、元の調に戻る箇所はジュリーが「あああ~♪」と歌うメロディーで大事に、大事にキーを変えてくれます。
この包容力・・・「ヘヴィー」なだけでなく、繊細なデリカシーがあると思うんですよね。

エンディングのジュリーの声は、2015年のツアー同様の「咆哮」です。
柴山さんのフランジャーを効かせた最後の和音と共に照明が暗くなり、ジュリーが直立不動の体勢を解くまで、この「寂寥のバラード」の余韻は続きます。
お客さんが息を飲んでステージを見守っている空気が伝わってくるようでした。

10曲目「
泣きべそなブラッド・ムーン

Kottinomizunigaizo_5

誤解なら 仕方ない
笑ってられないな もう限界


2015年のリリース直後、僕はこの曲について「前年に南相馬公演を実現させたジュリーが、その時会場に駆けつけたお客さんに捧げた、「ファンに直接歌いかけているような」内容の歌詞だとまず思いました。
でもその後何人かの先輩から考察記事にコメントを頂いたり、直接感想を伺ったりしているうちに、「激しい怒りの歌」ではないかと思い直しました。
「花束を渡す」という表現に、「祝福」とは程遠い意味で社会的なメッセージとして使われる場合があることも学びました。例えば、「非情」な相手に対して、届かぬまでも自らの心の在り処を指し示す、という使い方です。

その一方で、「自分に親しみを届けてくれてるみたい」という気持ちでこの曲を聴く楽しみ方はあって良い、とも思います。僕は残念ながら参加できなかったけれど、あの南相馬公演を体感されたファンの方々は特に。

「涙まみれFIRE FIGHTER」と同じ短調のバラード。ただこちらはメロディーもアレンジもどこか幻想的です。
GRACE姉さんのタム、泰輝さんのピアノでイントロから独特の世界に引き込まれ、静かに歌われる1番Aメロでは、ジュリーの持つ「妖しさ」の魅力が引き出されます。触れることの叶わない、天上人のような・・・。
それが2番のサビ直前「もう限界」の箇所の半音上がりの転調によって、生身の人間の慟哭へと収束してゆきます。これこそ正に「祈り歌LOVESONG」でしょう。
ステージのジュリーと観ている側との距離感に、歌い出しとエンディングでは驚くほどの違いが生まれる名曲。これはLIVEでなければ味わえない感覚です。

今僕がこの項を書いているのが1月20日。ジュリーは大阪2days真っ只中。
フェスに参加されたみなさまのご感想の声も続々と届けられていて、会場のテンションの高さにジュリーがとにかくご機嫌だった様子。
そう聞くと、やっぱり東京の初日はジュリーもお客さんもどことなく硬かったかな。
「泣きべそなブラッド・ムーン」あたりはずいぶん東京とは雰囲気も違って聴こえたのかもしれません。
まぁ、関西公演独特のジュリーの立ち振る舞い、という要素も大きいでしょう。今年このセットリストを大阪で体感されたみなさまが羨ましいばかりですよ。

そう言えば僕はもう何年も、ジュリーの関西ツアーを体感していません(と言うか、フェスティバルホールに参加したことがまだ一度も無い)。
全国ツアーは遠征を考えてみようかなぁ。

11曲目「
Deep Love

Pray_3

Deep Deep Deep Love 癒えないのだろうね
何年の月日 生きて行くのだろう


ある詩人が自ら紡ぎ出した言葉に涙する、というシーンがあったとして、受け手がそんな詩人に感情移入できることは本当に稀でしょう。「とても入っていけない」と感じるのが普通ではないでしょうか。
それが叶うのはよほどのことだと思います。その「よほどのこと」が起こる曲がジュリーの「Deep Love」。

先に僕は、不思議に今回のセットリストで涙が上ってくることは無かった、と書いたんですけど、もちろんこの曲を平常心で聴いてはいられませんでしたし、周囲には泣いているお客さんも多くいらっしゃいました。
「ナルシズム」とはあまり良い意味で使う言葉ではないでしょう。しかしジュリーという詩人が体現するそれは「心の美しさ」であって、「歌に心ごと身体ごと入り込む」天賦の才の為せるところです。
確かに「Deep Love」で歌われているテーマはそんな綺麗事ではない・・・でも、美しい心を持てなければ歌えない歌でもあるでしょう。
「気持ちを込めて歌う、ということがどういうことなのか思い知らされた」というのは、ジュリーwithザ・ワイルドワンズに「涙がこぼれちゃう」を提供した吉田Qさんが当時語っていらしたことですが、ステージに立つジュリーには常にその境地があり、今セットリストでの「Deep Love」のヴォーカルは正にその極みです。

思えば、2013年のツアーでジュリーが「Deep Love」を涙なしに最後まで歌い終えたことは、少なくとも僕が参加した会場では皆無だったんじゃないかなぁ。
特に大宮なんてボロボロでした。
この初日、「一握り人の罪」で「無心無垢」のスイッチが入ったジュリーはひたすらに歌だけに向かい、声を乱すことなくここまで来ていました。「Deep Love」も、今日はこのまま最後まで歌いきるのではないか、と思っていた矢先、間奏直前の歌詞部最後の一節でジュリーは声を詰まらせ音程が無くなり、なんとか言葉を絞り出すのが精一杯、という状況に陥りました。
今日のジュリーの素晴らしい声は、本当にギリギリのところで生まれていたのだ、と気づかされました。

同時に、僕はそんなジュリーに勇気を貰いました。
「お前、仮にも男だろ」と喝を入れられたような・・・とても個人的なことなのですが、僕自身の中に置き去りになっていた「薄情」をつきつけられたのです。

勇気を得た僕はNHKホール公演から数日後、2012年の夏以来(僕に勇気が無かったせいで)連絡をとれずにいた忘れ難い先輩にメールを差し上げました。
お返事はまだ頂けていませんが、ジュリーファンでなかったら、鉄人バンドのファンでなかったら意味不明であろうアルファベットが並ぶアドレスが不通とならず、無事送信が叶っただけで嬉しかった・・・。

「お元気ですか?僕は元気です」
たったそれだけのことをお伝えするのに5年近くもかかってしまって、ごめんなさい。

あとはゆっくり、お待ちするだけです。
忘れずに、いつまでも。

「Deep Love」は重い曲です。
とは言え、「涙まみれFIRE FIGHTER」「泣きべそなブラッド・ムーン」とは違い短調ではありません。リリース年には、こんなに辛く切ない曲が長調のメロディーである、というのが信じられないほどでした。
でも今年、依知川さんの新たなベースラインを得たこの曲がまぎれもなく「ハ長調のバラード」なのだと再認識することができました。

依知川さんは「跳ねる」ニュアンスのフレージングで、ジュリーの美しさに光を当てる華麗なベースラインをぶつけてきました。「シ」の音がフラットしない・・・具体的に言うと長調のメジャー7thの音を強調してくれたので、アレンジに明るさが灯りました。
そんなベースラインに載って放たれるジュリーの声、そしてイントロや間奏での柴山さんのギター・ソロを聴いて、作曲者の泰輝さんは、ビリー・ジョエルの「キャプテン・ジャック」のような曲を目指したのかもしれないなぁ、と思いました。これは依知川さんのベースが入って初めて思い当ったことでした。
歌詞の哀しさをバンドの演奏が優しく包み、とても美しい曲だと改めて感じ・・・この日、音程を無くした間奏直前のジュリーの声まで含んで、「Deep Love」という「歌」が聴けたのではないか、と今思っています。

名古屋、大阪に参加された先輩方からも、「Deep Love」絶賛の声が多いです。初日以降、ジュリーはこの曲をどんな様子で歌っていたのでしょうか。


12曲目「
un democratic love

Undemocraticlove_3

祈りますとも 君の国のため
君と同じ以上に 自由が好きだよ


僕としてはこれはもう、「待ってました!」という1曲。
今回は特別なセットリストとなりましたが、もしそうならなかったとしても、『祈り歌LOVESONG特集』のツアー・タイトルが発表された時に僕が真っ先に連想していた曲がこの「un democratic love」でしたからね。

2012年以降の20曲の中、個人的には圧倒的に好きな曲、共感できる曲、元気と勇気が沸いてくる曲で、この日最初のMCを聞いてから「いつ来るか、どんなふうに、どの曲と繋がって歌われるのか」と待ちかまえていたわけですが、あの凄過ぎる「Deep Love」のヴォーカル直後に続けて聴いたことで、これまでとはまったく違うメッセージをジュリーから受け取ったように思えました。

この『祈り歌LOVESONG特集』というステージに、それぞれの楽曲が持つ「政治性」は二の次、三の次だったのだ、と僕は考えます。
ジュリーが全セットリストを通して歌ったのは、第一に「大切な人がある日突然いなくなってしまった」という「人の気持ち」に尽きる、と。
心の傷が癒えないまま、この先何年も生きてゆく人達。

「大切な人を思う気持ち」をジュリーが歌に込めることで、「un democratic love」のような反戦のメッセージだったり、「一握り人の罪」「Fridays Voice」のような「反原発」であったり、色々なジュリーの基本的な考え方へと繋がってくる・・・そう考えると、「Deep Love」の11曲目というセットリスト配置が何と重要なことでしょう。
これまで惚れこんでいた「un democratic love」にも新たな面、見落としていた魅力が感じられてきます。
とても新鮮に聴きました。

演奏も最高でした。この曲はセットリスト本割全20曲のうち、リリース年の全国ツアーとまったく同じアレンジ、音色で再演された唯一の曲だったでしょう。
それはそれでまた素晴らしい!
やっぱり僕は「君と同じ以上に自由が好きだよ」の箇所が一番グッときます。「僕もそうだ」と思えます。

「50周年だからといって、グッズを作ったりはしない」と言うジュリーですが、昨年は『democratic Japan』のTシャツを製作してくれました。これがどれほど特別なことか。Tシャツの文字に託された思いとは何か。
「大切な人を思う」ところにその答がある、と思います。ジュリーが歌詞中で言う「魂の言葉」ってそれじゃないのかなぁ、と・・・。

昨年同様、掌を前に出して「don't love me so」の箇所を歌い上げたジュリー。
ジュリーのこの詞は「独白」のスタイルです。主人公が「日本国」であり、「そんなふうに僕を愛さないでくれ」と訴える相手は安倍さんである、という僕の楽曲解釈は、リリース直後から今までまったく変わっていません。

13曲目「
Welcome to Hiroshima~平成26年(2014年)8月6日『平和への誓い』より

Undemocraticlove_4

平和について これからについて 共に
語り合い 話し合いましょう
たくさんの違う考えが
平和への大きな 力となること 信じて


前曲「un democratic love」で、「これで泰輝さんの5曲はすべて歌い終えたなぁ」と思いつつふと考えると、「柴山さんの5曲も終わった、依知川さんの「犀か象」も歌った・・・あとは下山さんとGRACE姉さんの曲しか残っていないんだ!」と。
まだまだセットリスト中盤、というこの時に・・・しかもよくよく考えたら、「GRACE姉さんの曲はまだ5曲全部残ってるんだなぁ」と待ち構えていて始まったイントロが、昨年の新譜からGRACE姉さん作曲のこの曲でした。

歌詞の内容であったり曲想であったり、何か共通する要素を持つ曲を連続で繰り出すセットリスト配置を得意とするジュリー。その意味では、2012年からの20曲はどんな曲順となっても「共通の要素」はあるわけですが、「un democratic love」「Welcome to Hiroshima~平成26年(2014年)8月6日『平和への誓い』より」の2曲には、20曲の中でも際立った「反戦」「平和」をテーマの繋がりがある、と言えます。
また、次曲「Pray~神の与え賜いし」との繋がりを考えると、こちらはキーが共通することに加えて、転調の理屈も同じなんですね(連結部に当てているコードは異なりますが)。「Welcome to Hiroshima・・・♪」からの転調と「澄み渡る矜持あり・・・♪」からの転調。
この2曲の配置は「作曲者・GRACE姉さんの得意技繋がり」とも言うべきところでしょう。

今この時代、僕らは「子ども達」そして「戦争を体験している高齢者」という2つの隔たりある世代の声に特に耳を傾けるべきだと考えています。
「子ども達の声」はジュリーのこの曲で歌われている通り。一方「高齢者の声」について、一篇の「平和の俳句」をここで紹介しておきたいと思います。
「平和の俳句」とは『東京新聞』が毎日朝刊1面に連載している一般公募作品(「俳句」といっても特に季語の制約は無く、5・7・5で読者それぞれの平和への思いを表現する、というもの)のことです。
金子兜太さん、いとうせいこうさんのお2人が選考委員となり多くの応募作品から選んだ、さまざまな世代の「選ばれし1日1句」の掲載を僕も楽しみにしていますが、今年に入っていとうせいこうさんが選んだ強烈な1句があり、とても印象に残りました。
作者は80代の男性のかたです。

かっこいい 戦争なんて ないぞ君!

先の大戦を美化せんとする風潮に、グサリと1句。
80代の作者から見れば、戦後生まれの大臣さん達はヒヨッコも同然というこの痛快さ。

「戦争を知る高齢者」の声を「un democratic love」、「子ども達」の声を「Welcome to Hiroshima~平成26年(2014年)8月6日『平和への誓い』より」と置き換えて聴くのもアリかな、と思った次第です。
昨年の新譜からの素晴らしい2曲の繋がりでした。

ジュリーの歌メロが終わると同時に、僕は柴山さんの足元をガン見(よく見えました)。
おおっ、踏んだ!
柴山さんがエフェクターを踏みました。
そして奏でられるギター・ソロ・・・間違いありません。今回はオクターバーです。
昨年の全国ツアーでは、「三年想いよ」の後奏に近いサスティン強めの設定でこの曲のソロを弾いていましたが、今年はCD音源と同じ音色に変えてきた柴山さん。
これまた、ジュリーの熱唱にもひけをとらない素晴らしい熱演だったと思います。

14曲目「
Pray~神の与え賜いし

Pray_4

彼の人のたもうた 天罰だと
神が何故罰など 与えましょう


一般世間ではすっかり「LIVE中に歌詞を忘れて土下座したジュリー」という偏った情報ばかりが広まってしまいました。
ネットニュースの煽動的なヘッドラインやミスリードはジュリーのことに限らず今に始まったことではないですし、ジュリーが話題になること自体は僕も嬉しく思うところはあるんだけど、そうした記事中で最低限「どんなLIVEだった」「どんな内容だった」という全体像までは押さえて欲しいですよね・・・。
NHKホールから週が明けて出社したら、そんな報道に何気なく目を通したらしい会社同僚からいきなり「ジュリー、バカウケじゃん!と話しかけられ唖然とした、ということは既に書きましたが、僕はその後しっかり「ジュリーはずっと、LIVEではイヤモニもしないし歌詞のカンペも使わないからね」と話しておきましたよ。

ということで、巷で話題の「歌詞忘れ→演奏ストップ」というアクシデントがあったツアー初日、14曲目の「Pray~神の与え賜いし」。
僕自身、7曲目の「一握り人の罪」以降のジュリーの圧倒的、神がかったヴォーカルに息詰まるような緊張が続いていて、このアクシデントでは「ふ~っ」と一度呼吸を戻すような安堵感を覚えました。
おかしなことを言うようですけど、「タイミングとしてはバッチリ」だったと今でも思っています。

僕が日頃から「師」と仰いでいるジュリーと同い年の先輩も当然この日のLIVEに参加されていて、この「14曲目」の出来事について
「みんながジュリーからの強い力と祈りに気を張り続けている頃合いに、たくまずして現れたインターミッション」
だと仰っていました。
僕も同じように感じてはいましたが、こんなふうに上手く言葉にはできなかった・・・さすが!のひと言です。

加えて僕としては、ジュリーが一瞬「忘れてしまった」歌詞部がこの「Pray~神の与え賜いし」という曲においていかに重要な箇所(即興の「作詞」をせず演奏をいったん止めてしまうほどに)であったか、ということを書いておきたいと思います。

その瞬間、僕は依知川さんを見ていました。
キーボードで軽く音合わせの後、アカペラ・コーラスで導入するこの曲。柴山さんと泰輝さんは身じろぎせずにコーラスをとっていました(この日はGRACE姉さんの上半身がずっとシンバルに隠れて見えず)が、依知川さんは・・・おお、親指とひとさし指、中指を重ねて「パッチン」のポーズ(←これで伝わります?汗)を作り、巨体を躍動させて腕を振りながらリズムをとる独特のアクションで歌っています。
今回、2013年のツアーと比べてアカペラ部の聴こえ方がずいぶん違ったのは、依知川さんが受け持ったパートの声量が著しく上ったからではないでしょうか。

依知川さんの動きと熱唱に見入りながら、歌はAメロ2回し目へと向かい・・・そこでジュリーの声が途切れ、僕は慌ててジュリーに目を移しました。
2回し目冒頭の歌詞が出てきません。
普通の箇所ならば、ジュリーは即興の作詞をしたと思います。実際この日、他の曲でそんなシーンが多々あったのですから(と、いうところまでメディアの報道を求めてしまうのはさすがに無理か・・・)。
でも、ここはジュリー、絶対歌いたい箇所なんですよ。

「彼の人のたもうた 天罰だと」

「Pray~神の与え賜いし」の穏やかなアカペラ部に、ジュリーはどうしようもなくやるせない「怒り」のメッセージを以てこの歌詞を組み込みました。
その「怒り」は1番直後のバンド演奏の急変に引き継がれるのですが、肝心要の歌詞が出てこない事態。「ワシ、よりによってここが出てこんのか?」とジュリーが焦ったことは想像に難くありません。

あの震災を「天罰だ」などと言い放った東京都知事がかつていたことは、みなさまもご存知でしょう。
3・11を境に「被災地の人達の気持ちを考える」詩人となったジュリーは、烈火のごとく怒りました。「のたもうた」という表現は「偉そうに言ってくれやがった」くらいの意味で、とにかく強烈です。
ちなみに、「犀か象」のジュリーの作詞にある「大臣最後金目」・・・福島第一原発の汚染土中間貯蔵施設の建設について「最後は金目でしょ」と言い放ったのが、当時環境相(大臣)を務めていた「彼の人」の息子さんでした。親子二代に渡ってその発言をジュリーの歌詞中で一喝されるとは・・・やれやれ。

歌の空白時間が進み、バンドメンバーのコーラスだけが続く中、とうとうジュリーは咄嗟のひと言。
忘れちゃった・・・
キュートな声、照れた表情。
ジュリーが背を向けてメンバーに「仕切り直し」をゼスチャーで告げると、その場の空気が良い意味で弛緩したように今では思い出されます。
依知川さんが指のポーズをほどき、ニコッと笑いました。会場に充満していたガチガチの緊張が解け、お客さんからも屈託のない笑い声が起こりました。

初日に参加叶わなかったみなさまのために、これだけはきちんとお伝えしておきたい・・・。
ジュリー自身には「しまった」との思いはあったでしょうが、「何事もなかったかのように・・・」という言葉に続いてイントロから歌い直したこの曲は、僕が2012年からさかんに書いている「憑き物落とし」のような効果があって、セットリスト佳境に向かうバンドメンバーやお客さんの笑顔を取り戻す、「アクシデント」と言うよりむしろ爽快な役割をはからずも果たしたのだ、ということを。

今度は無事に歌い終えたジュリー。会場の空気が「陽」へと変わったのを感じ取ったのでしょう・・・おどけるように土下座のシーンとなったのです。

以上、「報道されていないこと」でした。
いやいやこの曲の項は長くなってしまいました。
すっかりお客さんの雰囲気も和んだところで、これもまた個人的に大好きな曲へとセットリストは進みます。

15曲目「
櫻舗道

Sannenomoiyo_4

人っ子いない ふるさと
三寒四温 春は来たのか
櫻舗道 防護服着て
櫻舗道 くぐった花吹雪


下山さんの最高傑作、と思っています。
「Deep Love」同様、美しくも切ない曲。でも、直前の出来事の効果か会場に「構えた」感じがなくなっていて、ただただジュリーの歌に酔いました。

前曲に続き、この曲にも「空白」がありました。1番の最後、まるまる8小節。
これはジュリーが「歌詞を忘れた」のではなく「サビのリフレインをうっかりした」のかなぁと思いますが、計算してそうしたようにも感じられました。
ギター・ソロの前に美しいピアノ伴奏が残され、新たなアレンジのようにも受け取ることができたのです。

泰輝さんのピアノは、リリース時に考察記事で書いた「桜アレンジ」をイントロ以外にも繰り出すという、気魄漲る素晴らしい熱演。
ジュリーが「櫻舗道~♪」と歌うと、ピアノのフレーズで桜がヒラヒラと追いかけるように舞うんですよ。

そして美しいギター・ソロ・・・この曲では柴山さんはシンラインだったでしょうか。今回の柴山さんは、「下山さんが弾く」イメージが強いソロを擁する曲でシンラインを使っていたなぁ、と記憶しています。

2番「非常線のふるさと」と歌われる箇所、実際には再現されていないのに、CDに入っているコーラスのような効果音のような薄い音が聴こえてくるような気がしました。ググッ、と引き込まれる感覚です。
「Pray~神の与え賜いし」での仕切り直しの影響など微塵も感じさせない、ジュリー無心無垢の歌声。
なんという名曲でしょうか・・・!

この曲を聴くといつも思い出すのは、バリケートに遮られた富岡町の桜並木の写真です。
一方、福島県のいわき市にあるフリー・スペース『いわき泉玉露交流サロン』(富岡町からいわき市に避難されている方々への支援の場として利用されています)には、バリケードなど無かった頃の富岡町の桜並木の写真が飾られています。
いつも応援している将棋棋士・瀬川晶司五段のブログ記事でこのことを知り、瀬川五段がupしてくださったその写真を見た瞬間、僕の胸に「櫻舗道」を歌うジュリーの声が流れたのは言うまでもありません。

ジュリーの歌に、いわき市の交流サロンに、「桜のふるさとを離れて暮らす人々の、断ち切れぬ故郷への思い」は確かに形を為し、僕らにも見えています。

16曲目「
カガヤケイノチ

38_3

笑顔で ララララララ カガヤケイノチ
寡黙に ララララララ カガヤケイノチ


今、この項を書いているのは1月24日。
特別な日付ですね。そして僕にとっては、参加できないことが本当に残念でならない、『祈り歌LOVESONG特集』ファイナル・東京国際フォーラム公演の前日、という意味合いが今年は大きいのです。

特別なセットリストですから僕もいつも以上に気合が入って、じっくりと、それぞれの楽曲ごとの文量も多くなって・・・ツアー千穐楽までにレポートを書き終えることができませんでした。
でも、なんとかしてこの16曲目「カガヤケイノチ」の項まではファイナルまでに書き終えていたい、と思って今日は頑張って筆を進めています。

僕は明日、気持ちだけはフォーラムに飛んでいます。素晴らしいステージとなることを祈り、念を送ります。
これは型通りの言葉ではなく、心からの気持ちです。

「カガヤケイノチ」エンディングの大合唱。
明日ご参加のみなさま、どうか留守番組の僕の分まで・・・しかと託しましたよ!


と、このことを書いておきたかったのでした。

大阪公演ではジュリーがエンディングで「ご一緒に!」と言ってくれたのだそうですね。
初日のNHKホールではそれは無く、「一緒に歌って」との思いを載せて指揮のアクションを繰り出していたジュリー。僕は大声で歌っていたけれど、会場全体に歌声が満ちる、という感覚は無かったかな。
そもそも、男声のメロディーを女声で歌うのがなかなか難しい、という面はあります。例えばポール・マッカートニーのLIVEでは「ヘイ・ジュード」のサビをを男性、女性に分けて「歌って!」タイムがありますが、女性の箇所で会場の声が小さくなるのは決して女性が歌っていないからではなくて、キーの問題があるのです。
それを承知で・・・女性の客さんが圧倒的に多いであろうフォーラム千穐楽での「カガヤケイノチ」大合唱実現を切に望んでいます。
「歌ってきました!」というみなさまのコメント、お待ちしていますよ~。

柴山さんのソロは、CDと言うより下山さんがステージで弾いていたフレーズのカバー、という感じでした。それでもフレーズやチョーキングの箇所が違ったりして大いに楽しみました。
依知川さんのベースも素晴らしかったですし、最後はGRACE姉さんの力強くも優しいマーチング・ロール!
2012年には、「3月8日の雲」は”鬼姫ロール”で「カガヤケイノチ」は”くの一ロール”なんて話で盛り上がったりしてたなぁ・・・。

確かに、時は経ちました。
でも僕らは決して、あの時ささくれだっていた気持ちを「カガヤケイノチ」という曲が癒してくれたことを、ずっと忘れてはいません。

17曲目「
三年想いよ

Sannenomoiyo_5

ありがとう 温もり
やさしさ 好きだよ
あの日 すべて夢ならば 三年想いよ


ジュリーのLIVEに参加し続けていると、それまで特に強い思い入れを持たずにいた曲が、生の歌、演奏を体感し一気に「大切な1曲」へと劇的に変わることがままあります。みなさまもきっとそうでしょう。

その最たる例・・・僕にとっては2014年の全国ツアー『三年想いよ』でのツアー・タイトルチューン、この「三年想いよ」がそんな1曲です。
しかも、ツアー参加会場を重ねるごとにどんどん愛おしくなっていく・・・圧倒的な感覚。これは鉄人バンドの演奏の素晴らしさもさることながら、何と言っても後奏、柴山さんのギター・ソロをバックに暗がりの中を「必死」で駆ける、というジュリーのあのパフォーマンスに魅せられたのでした。
CD音源だけでは理解し得ないメッセージ。「LIVEこそがジュリー」を証明するパフォーマンス。

今回、メンバーが変わっての再演。依知川さんはかつて下山さんが弾いていたパワー・コードのパートをそのままルートのエイトビートに置き換えてきました。
ジュリーが「わが嫁」と歌い出す最初のAメロでは、イントロの柴山さんのピッキング・アルペジオと泰輝さんのエレクトリック・ピアノがサ~ッと退いて、GRACE姉さんのドラムスと共に依知川さんのエイトビート、この2つの音だけが残されます。
ベースとドラムスとヴォーカル・・・この状態でイヤモニ無し、モニター返し無しは本当に凄いぞ、ジュリー!
そして、ジュリーはあの忘れ難い後奏のパフォーマンスを今年も繰り出してくれました。
照明の演出は変わりました。2014年のツアーでは、暗闇の中をジュリーの駆けている姿だけが浮かび上がっていましたが、今回は少なくとも柴山さんの姿は最後まで見えていました(席によるのかもしれませんが)。

柴山さんのソロ、サスティンの効いたスロー・ハンドの素晴らしさも再体感。
速弾きするわけでもない、前にせり出してきてアピールをすることもない、ゆったりとした歌のメロディーをそのまま単音でなぞるだけのギター・ソロがこれほどの説得力を持つとは、驚くべきことです。

ギターと言えば・・・余談ですが、絶対音感の無い僕は日頃ギターをとりだしてチューニングする際、以前はチューニングメーターに頼るか、キーボードを使って音を合わせていました。でも今は”「三年想いよ」チューニング”という技を編み出しています。
この曲の音源を流しながら、イントロから「わが嫁」までの箇所に合わせてまずはしっかり4弦(「D」=レ)の音を確定させます。
それを起点に「娘よ」で5弦(「A」=ラ)、「父母」で3弦(「G」=ソ)、「ごめん」で2弦(「B」=シ)、「うつむいてる」で1弦と6弦(「E」=ミ)と合わせてゆきます。
転調部からは「B♭」→「C」→「D」とコード弾きをして全体の「鳴り」を確かめ、再びAメロに戻ってから先と同じ要領で各弦の微調整。そして仕上げに間奏の単音を弾いて、高いフレット位置でオクターブのズレが無いかどうかを確認。
間奏が終わってからは、じゃかじゃかと気持ちよくジュリーと一緒に弾き語る、という按配です。

鉄人バンド期の作品はギター・チューニングも美しくて、ギター各弦の開放音を合わせられるコード「E」「Bm」「G」「D」「A」「E」すべてが曲中に登場する「三年想いよ」はその点でとても貴重です。
ギタリストのジュリーファンのみなさま、是非”「三年想いよ」チューニング”をお試しあれ!

いえね、何かって言うと、「三年想いよ」ってとても「辛い」詞なんですよね。
「何故自分のような者が残り、あなたがいなくなってしまったのか」という、葛藤と言うにはあまりに切実なテーマをジュリーは歌います。
「木偶の坊」のフレーズに込められた無念、悔恨、懺悔。でもそれを歌うジュリーの声の優しさに気づかされた瞬間から、GRACE姉さんのメロディーとバンドの演奏の聴こえ方は変わります。

悲しい歌を、優しく伝える。
ジュリーの詞の一番最後の一節で、そのすべてが氷解するような「三年想いよ」。
僕はチューニングの度にこの曲を繰り返し聴いていくうち、「大好き」と同時にすごく「身近」な1曲になっていきました。ジュリーの曲はどれもそうですが、聴き手の心持ちでイメージが変わることがありますね。
「三年想いよ」はその意味で、底知れない魅力を永く放ち続ける名曲ではないでしょうか。

18曲目「
恨まないよ

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もっともっと 寄り添いたいのに
待ってください
きっときっと 立ち直れるはずさ
恨まないよ 海よ


2012年からの全20曲が歌われると分かり、「どんな繋がりで、どんな配置で歌うのか」と真っ先に考えた曲は「un democratic love」とこの「恨まないよ」でした。
「un democratic love」の方は「どんな感じになるのかな」との思いでしたが、「恨まないよ」については「一体どうするんだろう?」というのが素直な気持ち。それほどこの曲の「痛烈さ」は突出しています。

僕は2012年のびわ湖ホール公演で体感した「恨まないよ」の記憶がいつまで経っても薄れることがありません。本当に凄まじいヴォーカルでした。
「きっと、きっと」と歌うジュリーの口から、鬼気はらんだ唾が飛沫のように飛び散ってホールの床に落ちていったシーンをいつも思い出します。

ただ、胸を締めつけられる息苦しさも確かに感じていたように思います。
「生で聴く時に相当な覚悟のいる曲」というのがそれ以来の僕のこの曲のイメージです。
それが今回、切なさ、辛さはもちろん伝わってくる一方で、驚くほど気負いなく聴けたのは・・・やっぱり「Pray~神の与え賜いし」のインターミッションで、僕の中にあった「憑き物」が落ちていたんじゃないかなぁ。

前曲「三年想いよ」が終わった時、「次だ!」と思いました。僕は今回、まず「20曲歌う」と分かっているわけですからいつもと違い曲数をカウントすることはせずに聴いていました(それが、曲順を思い出すのに苦労する要因となってしまったのですが)。
でももうここまで来たら「まだ歌われていない残り3曲」は頭に浮かんでいます。アンコールがどうなるかは分からないけど、少なくとも本割20曲、「恨まないよ」が最後の1、2曲というのは考え辛い、しっくりこない・・・「三年想いよ」後奏のギター・ソロからあの日の記憶を遡って、という繋がりを考えても、「恨まないよ」を歌うならここしかない、と思ったのです。

ジュリーのヴォーカルが素晴らしかったことは言うまでもありません。
1番で歌詞に詰まる箇所があり、ジュリーは咄嗟に「天国へいってしまったよ」と即興の作詞で切り抜けましたが、それがまた凄まじい迫力でした。

そして演奏。当時とはメンバーと楽器編成が変わっているにも関わらず、この曲がオリジナルCD音源の完コピであったのは特筆すべきこと。つまり、CDで演奏されている泰輝さんの擬似ベースを依知川さんが見事に再現したわけですね。
この曲に新たにベースを加えて演奏する、となれば普通なら「重み」を強調する意味でもフレットの低い位置で重厚なルート音を入れ、コード進行をハッキリ表現したくなるところ。
でも依知川さんはそれをせず、高い位置でオリジナルのシンセのフレーズをそのまま弾きました。とは言え本物のベースですから音自体はCDより太い・・・まるでサビのジュリーのヴォーカルに呼応して波がうねっているような演奏でした。
驚嘆したのが柴山さんのギターです。個人的は、この日のすべての演奏で最も素晴らしかったのがこの曲での柴山さんのギターだったと思っています。
下山さんが弾くと「LOSER」を想起させるディレイ・アルペジオ。柴山さんの方は1音1音の粒を揃えてくる繊細な奏法となります。下山さんとも違う、U2のような音とも違う切れ味。それでいて下山さんの不在を完璧にカバーしているのです。
それだけに、柴山さんの背負っているものの大きさをも感じさせた名演でした。

そして・・・「3月8日の雲」と同じくこの曲も「唐突に音が途切れる」エンディングがアレンジ最大の肝。
最後の1音へと向かうGRACE姉さんのドラムのクレシェンドは、やはり生のLIVEだと迫力が違いますね。

19曲目「
限 界 臨 界

Kottinomizunigaizo_3


これ以上善人を 未熟でも若い者を
先行きに迷う者を
馬鹿にしない 愛と平和下さい
限界 臨界 生きる希望下さい 限界臨界


残るはあと2曲・・・これはどちらが来るかまったく予想がつきません。
始ったイントロは「限 界 臨 界」。GRACE姉さんの作曲作品が3曲連続で歌われることとなりました。

政治家や経済人への警鐘、のテーマとしてはジュリーが最も強くその思いを託した曲・・・だと、僕はリリース時からずっと思っていました。
ジュリーが誰を非難し、誰を応援しているのか。歌詞中で使われている「未熟」というフレーズは決して悪い意味ではないのだと考え、折りしも声を上げ始めた若者達の登場を頼もしく思っていた僕は、この曲を勝手に彼等へのエールと関連づけて聴くことがありました。
また2015年の全国ツアーでは、最後の「限界臨界」の物凄いシャウトを何度も体感し、その度にジュリーを反体制の旗手のように捉えてしまう「落とし穴」に嵌る(ジュリーという歌手はそんな動機だけでは語れません)のを自重したりしていました。

この初日、最後の「限界臨界」を2015年のような絶叫ではなく、CD音源に近い感じで歌ったジュリー。
何か、原点に引き戻されるように受け取れました。

ここで是非書いておきたいことがあります。
先に最初のMCの項で書いた、一般ピープルのお姉さま方の東京国際フォーラム公演のご感想です。
今のところ4人のお姉さま方のうちお2人だけの感想を伺っているのですが、お2人とも「ひとつのお芝居を観ているようで、とても良かった」と。
心配していたんです。このセットリストですから、僕は事前に考えていた「予習用CD」も作成せず、お姉さま方は何の先入観も予備知識もなくご覧になられることに・・・「今の沢田研二の生き様を観たい」と仰っていた方々が、今回のジュリーのステージ、歌を実際どう思われたのか。知らない曲ばかりで退屈してしまわれたのでは?
それに、ホールへの入場に1時間近くも待った、と聞いていましたからね。いざLIVEが始まっても集中できなかったのではないかなぁと。

すべて、杞憂でした。
うちお1人は「知ってる曲を聴きたかった気持ちもある」とのことでしたが、もう1人のお姉さまのご感想が凄くてね・・・。還暦を過ぎていらっしゃる、人生の大先輩でもあるそのお姉さま曰く
「あの中にヒット曲が混ざってたら変よ」
と。
「社会性、政治性の強い歌を歌っているけど、自分はこういう考えだ!とそれを押しつけているんじゃなくて・・・彼は吟遊詩人なんじゃないの?」

これには驚きました。
これ、僕も常々同じことを考えてはいます。つまり、各国を旅する詩人がその地その場で心にとめた題材を詠うように、「人生の旅」・・・時代を旅するジュリーがその時その場で「今こんなことが起きている。これからどうなるのだろう」と自身の思いを歌にする・・・凡人にはとても真似できませんが、今のジュリーは人間として一番自然で、一番ピュアなやり方で「歌人生」を歩んでいるということ。
でも、初めてのジュリーLIVEで、最近のジュリーの曲もまったく初めて聴く人がそんな感想を持てるというのは、どれほどの感性でしょうか。
いや、そのお姉さまの感性もさることながら、今回のジュリーのステージにそれを伝える力が確かにあったという・・・それが証明されたのではないでしょうか。

そしてお2人とも揃って、「是非、次のツアーもチケットのお世話になりたい」とのこと。
いやぁ本当に嬉しい!
「今の沢田研二の生き様」を知るにふさわしい特別なセットリストを体感された上で、夏からの「シングル・オンパレード」なステージを観てしまったら・・・「本格ジュリー堕ち」は間違いありません。どうぞご覚悟を(笑)。

そんなお話を伺ったのち、改めて「限 界 臨 界」を聴き返してみたら、これまでとは全然聴こえ方が違ってビックリ。
政治性、社会性の高さは、物事の考え方のアピールなどではなく、ジュリーにとっての「自由」なのだ、と思いました。NHKホールの時点では、僕はとてもそこまで到達できていませんでした。
いつかもう一度、この曲を生で聴きたいです。

20曲目「こっちの水苦いぞ

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誰のための 等閑な再稼働
桜島と川内断層
安全言わない 原子力委員長
福島の廃炉想う


「誇大でない現実を歌う」吟遊詩人・ジュリーが、一連の20曲から大トリに選んだのは、下山さん作曲のロック・ナンバー。
セットリスト中唯一”おいっちに体操”が繰り出される曲とあって、お客さんの緊張は完全に解け、会場がハジけまくった本割ラスト。僕はと言うと、もうニッコニコ・・・とにかくアレンジの変わりっぷりが嬉しくてね~。
僕の好みドンピシャのリフ・ロックを堪能しました。

まずイントロ、柴山さんのリフが始まった段階では
「ありゃ、ずいぶんシンプルにしてきたな」
と戸惑ったんです。
リフ3音目の16分音符で跳ねる箇所が、なだらかな8分音符のフレーズによって割愛されていて・・・たったそれだけで、相当にイメージが違いました

「何故こんな平坦に?」と首を捻った刹那、カッ飛んできたのが依知川さんのベース。謎は解けました。
新たに加わったベースラインは

Img22084

こ、これはまるで・・・ビートルズの「タックスマン」じゃあないですか!
後世、16ビートの王道として定着するフレージング。例えば、『G.S. I LOVE YOU』収録の「HEY!MR. MONKEY」にもこの曲のリフ・オマージュがあります。しかし・・・まさか「こっちの水苦いぞ」がこうなるとは!

今回歌われた20曲のオリジナル・アレンジを考えると、「ギター1本体制」での再現難易度が高いのは「一握り人の罪」と「こっちの水苦いぞ」だと思うんですよ。
その2曲で炸裂した依知川さんの新たな解釈によるベース・アレンジ。そして「こっちの水苦いぞ」では、柴山さんがベースラインの16ビートとぶつからないようにギター・リフを変化させてきたわけです。

斬新にして緻密、緻密にして大胆。
さらに言えば、「60年代の尖りまくったロック」と「70年代の過激なロック」の融合を狙ったと思われる下山さんのコンセプトが完璧に生かされているという。
だって、ベースが「タックスマン」ならば、ギター・リフの変化形の方はだんだんボウイの「世界を売った男」みたいに聴こえてきましたからね。これは、曲が進むに連れて柴山さんのチョーキング・ビフラートの入魂度が増していったからこそそう感じたのだと思います。

躍動するジュリーを挟んで、柴山さん、依知川さん2人もステージ前方に陣取って横並びとなり盛り上がる中、いよいよエンディングが近づいてきました。
この曲のアレンジは何と言っても最後のトリッキーなアコギ・アルペジオによるコーダ部が大きな特徴。2015年のツアーでは、それまでずっとリフを弾き続けていた下山さんがラスト1小節のワンフレーズのみを柴山さんの演奏に託し(鉄人バンドでしかあり得ない神技!)、およそ2秒ほどの間にアコギ・スタンドへと移行するという驚愕のシーンがありました。
今回どうするのか・・・僕には既に分かっていました。

この日ここまで、柴山さんがステージ前方にせり出してきて間奏ソロを弾く曲では、その度にローディーさんが入場してエフェクターのセッティングを変え、そのぶん柴山さんの「いつもより長くせり出しております」状態が楽しめたわけですが、それはすべてこの「こっちの水苦いぞ」コーダ部へのお膳立てでした。
と言うか、この曲の最後をこうする!と決めたことで、他の曲にもエフェクト操作のアイデアが波及し踏襲されていたのです。

クライマックスで予想通りローディーさんが入場しました。リフの最後の1音が鳴った直後に素早くエフェクター設定を変更します。
柴山さんはエレキを持ち変えることなく、アコギの音色のエフェクトでコーダのアルペジオを弾きました。いかにも下山さんらしいコード・・・add9のフォームでフレット移動してゆく華麗なコーダが見事甦ります。
ローディーさんGJ!
この場合のエフェクターの切り替えは、コンマ数秒のタイミングでしか許されません。少しでもズレたら大惨事となるところですからね。
そのことも含め、貴重な今回のセットリスト、本割ラストにふさわしい曲であり、名演でした。

~MC~

20170115


↑ 1月15日付『東京新聞』文化・娯楽面より

気合入れて大長文書いてるのはまぁいつものこととしても、ツアーも終わってもまだ初日のレポートが完成していない、というのは今回が初めてのこと。
オーラスに参加できないことが本当に残念で、そのぶん引っ張っていたのもあるんですけど・・・歌や演奏については今でも強烈に頭に残っていてまだまだ余韻醒めやらず、の一方でMCの記憶はというとこれがサッパリ。
名古屋、フェス、フォーラムのMCを各地で拝読しているうちに「初日」でどこまでジュリーが話してくれたのかゴッチャになっている状況ですが、一応いくつか書いておきましょう。

大きな拍手に迎えられ、衣裳を替えて登場したジュリーは、開口一番「疲れた・・・」と。もちろん、この20曲を歌う「大胆な試み」についての言葉です。
本音の吐露だったと思います。
その後フェスあたりは「いい汗かいた」に変わってきたみたいですけど、初日はジュリー自身、お客さんの緊張もヒシヒシと感じていたでしょうし、何よりここまで魂入れて作ってきた5年間の20曲を一気に歌うというのはね・・・僕らには想像を絶するものがあります。

MCの主な話題はやはり50周年イヤー、今後の活動予定について。
まずは、「音楽劇はこれでラスト」という『大悪名』。初日の時点では
「まだ台本もできていないんですが・・・マキノさんとは色々話はしています」
とのことだったんですが、その後フェスの日には衝撃の「マルガリータ」宣言があり、先輩方はビビリまくっています(笑)。朝吉親分、出家してるんですってね。

そうそう、さすがに今回の『大悪名』の澤會さん枠チケットは未だかつてないほどの大激戦となっている様子。
特に千穐楽は・・・そりゃ、みんな行きたいものね。
僕は「おそらくS席とB席は予約が殺到するであろう、ならばここはAだ!」と考えて千穐楽のA席を申し込んだのですが、それでも見事落選しました!
とんでもない競争率だと思いますよ。
僕はおとなしく第2希望の振替日に参加し、末席からジュリーの音楽劇・ファイナルイヤーを楽にご参加のみなさまよりひと足早く、見届けようと思っています。

そして、夏からの全国ツアーのお話。
50周年のメモリアル・ツアーということで、各地各ホールの反応も凄いらしくて
あの!沢田研二が50周年ですか・・・」
と。
「そりゃあ、腐っても鯛でっせ!」とジュリーはご満悦の表情。普段呼ばれていない会場、このところご無沙汰となっている会場もあるのでしょうね。
出水(鹿児島県)あたりどうなのかな?今からツアー・インフォの到着が楽しみです。
で、その全国ツアーの内容について
シングルばかりやる
50という数字にはこだわりたい!
と言った瞬間の拍手は凄かったです。
ところが続いて「ワンコーラスだけ歌って50曲、というやり方を考えている」との言葉には一転(今考えると本当に失礼だったなぁ、とは思うのですが)僕も含めて会場から「え~っ?」という声が。
すかさずジュリーは
「皆、え~っ?とか言うけど、考えに考えた結果や」

還暦の時には『ジュリー祭り』で5時間半かけて80曲歌ったジュリーですが、「あの時にはそれだけの体力、気力があったんや。今はもう無い」
正直な告白でしょう。
それでもこのメモリアル・イヤーに、シングル50曲を歌いたいという気持ちがあって、楽しみにしてくれているお客さんに応えたい、というジュリーのその志・・・僕らはファンは幸せだと思います。

50曲と言ってもジュリーの全シングル中、半分にも満たない曲数である、というのがまた凄い話ではありますが、名古屋でしたかフェスでしたか
「沢田研二が選ぶ50曲、どの曲を選んだかを楽しみにしてください」
と言ってくれたそうですね。
メドレーなどにはしないで、1曲ずつ「サンキュ~!ありがと~ね!」を言う、と。
本当に、本当に楽しみです。

まだ先の話になりますけど、僕は全国ツアーの前にも恒例のセットリスト予想記事をいくつか書きます。
いつもは「全力で当てに行ってるけど当たらない」僕の予想・・・でも今回は、まだ記事未執筆のお題から「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」や「愛まで待てない」あたりを書けば楽々当たってしまうことでしょう。
でもね、僕はそんなことはしませんよ~(笑)。
「絶対やりそうな曲」は敢えて外し、「全力で外しに行ってるのに当たっちゃった!」的なノリを目指して予想曲の献立を考えます。
さぁジュリー、勝負DA~!

「この後歌いますが・・・」と、アンコールに歌った新曲2曲についてもこのMCで紹介してくれました。
作曲が久々の白井良明さんであること。
「イソノミア」は「無支配」という意味であること。
今年も3月11日に発売されること。

そう、2016年お正月LIVE『祈り歌LOVESONG特集』は、2012年からのマキシ・シングル全5枚20曲に加えて、レコーディングしたてホヤホヤの最新シングル2曲をリリースに先がけて披露するという、これ以上は無いほどに「攻め」のセットリストとなりました。
さすがはジュリー!こんな凄いことをやってのける歌手を僕は他に知りません。

MCの最後に、音楽劇に始まる今年からのチケット代「値上げ」についてひたすら恐縮し頭を下げてくれたジュリー。「ご祝儀、ご祝儀!」と笑いを誘ったところで
メンバー紹介からの「オマケです~!」

~アンコール~

(註:新曲については、リリース後にじっくり聴きこんでから考察記事を書きます。ここでは「初めて、しかも生のLIVEで聴いた」印象を書き留めておくことにします)

21曲目「揺るぎない優しさ」

リリース前にLIVEで新曲を体感する・・・先輩方は何度も経験されていますね。例えば2004年お正月コンサート『爛漫甲申演唱会』の「届かない花々」だったり。
僕はこのパターン、2度目です。初体感は2009年全国ツアー『Pleasure Pleasure』初日、渋谷公演。ジュリー曰く「満タンシングル」の新譜『Pleasure Pleasure』収録の6曲がそれでした。

ただこの時は新譜の発売日とツアー初日が重なっていて、公演前に長蛇の列に並んでCDを購入(会場先行販売の『ジュリー祭り』DVDと同時購入。懐かしい!)していたので、終演後すぐ復習することができました。
今回のように一度生で聴いてからしばらくの間、音源リリースを楽しみに待つというのはまったくの初体験。これはこれでなかなか良いものですね。
でもここ数年のジュリーの新譜がそうであるように、やっぱり歌詞をしっかり読んでから色々なことを考えたいと思っています。
ここではおもに「音」から受けた印象を。

まずはこの「揺るぎない優しさ」。
イントロはじめ要所に「キメ」のリズム・フレーズがあります。「じゃ、じゃっ、じゃ~ん♪」という、ポップなエイト・ビート特有のもの。ジュリーはそれに合わせて「狙い撃ち!」なアクションを繰り出してリズムを強調。
はからずも、『大悪名』で共演される石野陽子さんのお姉さん、真子さんの大ヒット曲「ジュリーがライバル」の「バン、ババン、バ~ン♪」のような?
これはなかなか楽しそうな曲だ、との印象を持ちましたがさぁCDで聴くとどんな感じでしょうか。

22曲目「ISONOMIA」

澤會さんのHPでの告知を見ると、こちらがいわゆる「A面」扱いということになるのかな。
これはとにかくアレンジに仰天しました。何と、最初から最後までラウドな爆音エレキ・ギター1本のみの伴奏で歌い通すというね。
当然、白井さんがアレンジも担当されているでしょう。僕としては「やってくれた!」という感じで大歓迎。ジュリー・シングルとして歴史的な1曲となる気がします。

メロディー自体はクイーンの「ファット・ボトムド・ガールズ」に似ているように感じましたが、肝は何と言っても斬新なアレンジ・アイデア。アコギ1本のバラード弾き語りではなく、エレキ1本の豪快なロックですからね。
これはニール・ヤングが得意とする手法ですけど、ゴリゴリの爆音ギター1本で社会性の高い歌詞を吐き散らす(しかも優雅に)という点で、ジュリーの新曲は今回ニールをも凌いだかもしれません。

ちなみに、老境となっても新作への意欲衰えず、次々に新たな問題作(良い意味ですよ!)を世に投げかけ続けている歌手として僕が「世界三大カッコイイお爺ちゃん」と大いにリスペクトしているのが、ボブ・ディラン、ニール・ヤング、そして日本の沢田研二。
大御所の「ロック」とは、若作りして昔の名声をなぞることではありません。ましてや形式美などではない・・・堂々と「老人」を自覚しありのままの姿を晒しつつも、常に尖り進化し、新しい作品に挑む志こそが「ロックを生き抜く」ことだと僕は思っています。
その上で過去のヒット曲を引き出しとして持つ、というのは大アリです。
しかしジュリーは今回のセットリストでそこを削ってきました。それはきっと、夏からの全国ツアーでその「引き出し」を全開にしようとしているから。つまり、1年2ツアーかけての二部構成ステージという。
正しく「ロック王道を行く」ど真ん中のジュリーなのです。

「ISONOMIA」に話を戻すと、伴奏を柴山さんのエレキ1本に託して他メンバーはハンドクラップで参加。
このハンドクラップはおそらく音源にも組み込まれているでしょう。1ヴァース中の2小節に「ん、ぱん!ん、ぱぱん!」とリズムを変える箇所があって、初日のお客さんは最初戸惑ってなかなかついていけなかったのですが、依知川さんが大きなゼスチャーで「はい、次だよ!」と誘導してくれて、曲の進行と共にタイミングを掴んでいきました。
ファイナルのフォーラム公演では、お客さんの手拍子も綺麗に揃っていたのではないでしょうか。

それにしても気になるのが、この曲で柴山さんが使用したギター・モデルです。
僕はグレッチかなと思いましたが巷ではエピフォン説もあるようで、まだハッキリ分かっていません。
いずれ再確認できる日が来るでしょう。ジュリー、夏からの全国ツアーでまた歌ってくれるかな?

☆    ☆    ☆

初日のジュリーは最後に「ジジィでした~!」とにこやかにステージを後にしましたが、フォーラムでは一度「ジュリーでした!」と言ってから改めて「ジジィでした」に言い直したと聞いています。
デビュー50周年のメモリアル・イベントに向けて、ジュリーは確実にスイッチが入っていますね。

今年も、「恒例・1週間に1曲ずつYOKO君にセットリストを伝えて、関連スコア研究」シリーズが始まっておりまして、現在3曲目「3月8日の雲」まで終えています。
まぁ毎年夏の初めまでこれが続くんですけど、「同じようにLIVEを追体験して貰いたい」思いから、2曲目後のMC・・・2012年からの全5枚20曲を歌う、というジュリーのセットリスト宣言は既に伝えています。
YOKO君曰く「おとそ気分を吹っ飛ばすセットリスト」と驚愕していました。
確かに「おとそ気分」は吹き飛びました。でも、「酔える」という点では史上稀に見る唯一無二、空前絶後のステージでしたよね。「ジュリーは新年から強いお酒を出してきた」と仰った先輩も。

アンコール前に「疲れた」と言ったジュリーは、すべてのセットリストが終わり最後の挨拶をする時には一転して、この22曲を最後まで歌いきる自らの気力、体力に、自分で惚れ直していたように僕には見えました。
『祈り歌LOVESONG特集』NHKホール初日。ジュリーの長い長い歌人生の中でまたひとつ、ふっと突き抜けた感覚があったんじゃないかな。

最後に・・・フェス、そしてフォーラムでお客さんを歓喜させたというジュリーの「頑張れ」エールについて書いておきたいと思います。

色々な意味があるでしょう。
ファンの受け取り方も様々でしょう。

僕はその場にいなかったわけですから、その嬉しい出来事を俯瞰することができます。
一番に思うのは、「こんなにも、ジュリーのエールを求め、励まされる方々がいらっしゃったのだ!」と。
実際会場にいても、いなくてもね。

僕は新規ファンです。『ジュリー祭り』からこの8年、本当に「時々」でしたが、タイガース時代からジュリーを応援してこられた長いファンの先輩方と、ステージ上のジュリーの気脈が通じる瞬間、それを「いいなぁ」と羨ましく思える瞬間があったものです。
今回の「エール」は、その最たるものだったのでは?

たとえ「中抜け」はあったとしても、デビュー50周年の最初の1年目からジュリーと共に歩んでこられた先輩方をして歓喜に暮れるほどのパワーを、自然に、普通に纏い持ち続けていたジュリー。それが「今回このセットリスト」のステージで起こった、というのが歴史の重みでしょう。「媚びない」の極致でしょう。
しかもそうした先輩方は、自分がジュリー言うところの「みなさん」の中の1人である、ということを特に意識することなく、当たり前に会得していらっしゃる。

そう考えると、やはり僕はまだまだジュリーファンとしてはヒヨッコです。
でも、ジュリーの「頑張れ」を受けて「よ~し!」と奮い立ち、一丁「頑張れ」側に立つか~!というエネルギーを持てるほどには辛うじて成長しました。
初日のレポートはじっくり、ゆっくりの執筆でまさかの「ツアー終了から1週間」での完成と相成りましたが、本館での「いつもの」楽曲考察記事・・・怒涛の更新ペースで巻き返しをはかります。

困難に立ち向かい懸命に頑張っている人、大勢いらっしゃいます。個人的に応援したい先輩もいます。
「その思い、いかばかりか」と想像することを怠らず、自分にできる限りのことをやる・・・そう決心させてくれた今回の『祈り歌LOVESONG特集』でもありました。
僕はこれから夏の全国ツアーまでの間、「今、頑張っている人」のために更新を頑張ろうと思います。

それでは、こちらside-Bはしばしのお別れです。また7月にここでお会いしましょう。
ジュリー、最高のLOVESONGをありがと~ね!

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2017年1月 5日 (木)

『祈り歌LOVESONG特集』!

あけましておめでとうございます。
今年もこのネタバレ専門別館side-Bにて、ジュリーのお正月コンサートのレポートを書いてまいります。
よろしくお願い申し上げます。


デビュー50周年のジュリーがいよいよ始動しますね。
「この時のためにシングル曲をとっておいた」とジュリーが昨年語っていたのは夏からの全国ツアーのこととして、さてお正月の3大都市公演、ジュリーはどんなセットリストで新年のスタートを切るのでしょうか。

ツアー・タイトルに織り込まれた『祈り歌LOVESONG』なるフレーズをここ数年のジュリーのステージ・コンセプトと照らし合わせると、まず「un democratic love」であったり「PEARL HARBOR LOVE STORY」の「LOVE」を連想させますが、あくまでそれは僕個人のイメージ。
今回”全然当たらないセットリスト予想”シリーズで書いたのは「あなただけでいい」「HELLO」「麗しき裏切り」「SPLEEN~六月の風にゆれて」の4曲でした。
う~ん、我ながらまったく当たる気がしない・・・(汗)。

せっかくですので、先述の「un democratic love」「PEARL HARBOR LOVE STORY」以外に3曲ほど、個人的な予想(期待)曲をここで挙げておきます。

まずは、アルバム『第六感』から、「風にそよいで」。
何と言ってもこの曲には、今年新聞などで目にする機会が増えるであろう(と、僕は思っています)「オリーブの木」というキーワードがあります。
2009年に考察記事を書いた際、僕はこのジュリーの作詞について「語感重視の遊び心が満載」みたいな解釈しか持てなかったのですが(いや、それはそれで合ってはいるのでしょうけど)、今は「風にそよいで」のジュリーの詞には、社会性の高いメッセージが託されていたのかなぁと思います。「右」「左」のフレーズあたりも、深読みしようと思えばできますしね。

次に、アルバム『Beautiful World』から「坂道」。
これはね・・・僕はこの年始に大阪で『真田丸』ゆかりの地巡りで大坂城から天王寺周辺までずっと下って歩いていて、「大阪ってこんなに坂道が多かったのか」と初めて知ったんですね。土地の高低の関係で「あべのハルカス」が現時点で日本一高い建物、という割にはさほど高く見えなかったりして。
まぁそんなことを、時間があれば年始1発目の考察記事としてジュリーの「坂道」のお題にあやかって「旅日記」を書こうと思っていたのですが、後回しになってしまいました。もし今回ジュリーが歌ってくれたら、そのまま「セットリストを振り返る」シリーズとして採り上げます。

最後はアルバム『俺たち最高』から「weeping swallow」。
ここ数年ツアーの度に「今度こそ歌って欲しい!」と期待し続けているメッセージ・ソングです。
今年は酉年ですから実現の可能性は高い・・・かな?

ステージの構成についても、前半が「じっくり聴かせるコーナー」、長めのアンコールがスタンディングの「怒涛のロック・コーナー」と個人的には予想していますが・・・さて、どうなるでしょうか。本当に楽しみです。


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それでは、初日NHKホール公演にご参加のみなさま、会場でお会いしましょう。
お留守番組のみなさまは気が気ではないでしょうが、ネタバレまでしばしお待ちあれ!

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2016年8月 5日 (金)

2016.7.26東京国際フォーラムA 沢田研二『un democratic love』セットリスト&完全レポ

ネチネチと日数かけて加筆して参りましたが、本日8月5日、ようやく初日・東京国際フォーラム公演レポートを書き終えました。いつものように、更新日付を移動させて頂きます。
みなさまには毎度、長々とおつき合い頂きまして・・・今回もどうもありがとうございました!

☆    ☆    ☆

『un democratic love』ツアー初日は恒例の東京国際フォーラムAホール、今年もあの広い会場を満員にして大盛況の開幕となりました~。
それにしても・・・広い、広過ぎるぞフォーラム!
僕らは夫婦で47列の下手側端っこの席だったんですけど・・・肉眼では何がどうなってんだか、というステージの遠さでございました。
いや、初日はそれで良いんですよ。会場の誰もセットリストを知らないという独特の雰囲気、演奏曲のイントロが流れた瞬間の、会場全体が沸き立つような感覚。それを味わうだけで幸せ・・・参加の意義があります。

隣のカミさんが一応双眼鏡を持参していたので時々奪いとってガン見もできましたが、そうするとやっぱり僕はジュリーばっかり見ちゃうんですよね~。
この日、演奏に絞ってガン見したのは「君をのせて」のアコギと、「マッサラ」のキーボードと、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」のベースくらいでした。

ということでこの初日レポート、演奏面での詳しい説明が不足気味になるんですけど、その辺りは大宮のレポに譲るとして、めでたいツアー開幕の感動のままに、気合入れて書いていきたいと思います。
よろしくお願い申し上げます!

さて、公演翌日になって知ったのですが、フォーラムの客席には錚々たる有名人の方々がお見えになっていたようですね~。
伊藤銀次さんと白井良明さんについてはレポ本編2曲目の項に書くとして、まず驚いたのは
増田恵子さんのブログです。ジュリーにとっては78年賞レースのライバルだったピンクレディーのケイちゃんですが、「また1月に行く!」と嬉しいことを書いてくださっています。

さらに、先輩に教えて頂いたツイッターでの、東映戦隊シリーズ・マニアの僕にとっては個人的に大感激の情報・・・『高速戦隊ターボレンジャー』のレッドターボ役・佐藤健太さんと、『五星戦隊ダイレンジャー』のキリンレンジャー役・土屋圭輔さんが連れ立ってフォーラムにいらっしゃっていたそうじゃないですか!
みなさまはあまり詳しくないかもしれませんが、僕にとっては文字通り「ヒーロー」のお2人なんですよ。

『高速戦隊ターボレンジャー』の主題歌は作詞が松本一起さん、作曲が井上ヨシマサさん。いずれもジュリーファンにはお馴染みのお名前です。
特筆すべきはこのオープニング・テーマをはじめとする劇中曲を、作中で「レッド」役を射止めた佐藤健太さんご本人が歌っていること。これは長い戦隊シリーズの歴史においても特例です。
もう1作『超獣戦隊ライブマン』のレッドファルコン役・嶋大輔さんが主題歌を歌った例はあるんですけど、嶋さんの場合はその時すでに歌手としてのキャリアがあったわけで、佐藤さんのように新星の若手俳優が「レッド」として主題歌まで歌うというのは例外中の例外。
しかも佐藤さんはその独特の声質と歌心のセンスを買われ、後に『恐竜戦隊ジュウレンジャー』では純粋に「歌手」として主題歌のヴォーカルを任され、戦隊シリーズに貢献されたのです。

一方の土屋圭輔さんの『五星戦隊ダイレンジャー』でのキリンレンジャーは、色で言うと「イエロー」です。ピュアで若々しい戦士を熱演されました。
そしてこちらダイレンジャーの主題歌は、作曲が大野さんなんですよね。

拙ブログでは過去にターボレンジャーについては
こちらの記事で、ダイレンジャーについてはこちらの記事で言及したことがあります。
そんな戦隊シリーズ2作品に出演していたヒーローが、揃ってジュリーの『un democratic love』ツアー初日の応援に駆けつけていた・・・いやぁ頼もしい!
お2人は楽屋でジュリーとご挨拶もされたご様子。僕としてはとても嬉しい情報でした。

あ、すみません・・・マニアックな話を長々と(汗)。
開演前には本当に多くのみなさまとご挨拶することができました。いつもコメントをくださるnekomodoki様と偶然お会いしたのがちょうどグッズ売場の前だったんですが、『democratic Japan』Tシャツを着用されていたnekomodoki様は、通りがかりのお客さんから次々にTシャツのサイズを尋ねられていました。どのサイズを購入するか迷っておられるファンが多いようですね。
僕が思うに、普段LならM、普段MならS、普段SならXSということで丁度良いのではないでしょうか。

おっと・・・枕はこのくらいにしましょう。
DYNAMITE、念には念を入れて開演直前に2度もトイレに行き、準備は万端です。

開演!


1曲目「
ポラロイドGIRL

Karehanemurenai

暗がりの中にクリスタル系のキーボードが流れ、すかさず「ぎゅい~ん!」のギターを合図にステージが明るくなりました。
お馴染みのリフに続いてジュリーの「フラ~シュ!」シャウト。おぉ、いきなりこれか~!
初っ端から跳んで走ってのナンバーを配してきたジュリー、気合充分です。

アンコール前のMCでは「1曲目にポラロイドGIRLやったやん?全然跳べてない・・・」なんて高齢自虐ネタで謙遜していたジュリーですが、なんのなんの、見事なジャンプでしたよ。


160727

↑証拠写真。会社にあった『サンケイスポーツ』を切り抜いて持ち帰ってきました。

間奏ではまず柴山さんが前方までカッ飛んできていつものように有無を言わせぬ「腰弾き」でソロをカマしていると、途中でノッシノッシと依知川さんも進み出てきてジュリーと3人並びの状態に。
そしてブレイク部。「ず、ちゃっ、つ、ちゃっ、つつ、ちゃっ、ず、ちゃっ♪」からの「ぼんぼんぼん♪」と、お正月に引き続いてのギター→ベースのリレー炸裂。
ラストのジュリーの水噴きも豪快にキマりました。

2曲目「
渚のラブレター

Stripper

ロックなオープニング「ポラロイドGIRL」の余韻のように響くハモンド・オルガンのイントロ。思わず隣のカミさんに「来た来た!」と。
そう、『ジュリー祭り』がLIVEデビューの僕は初めての生体感となる「渚のラブレター」、遂に降臨です。

先日、恒例のぴょんた様の妄想セトリを拝見しておりまして。今回も「さすが」と唸らされる、目のつけどころが僕などとはまるで違う予想曲の数々・・・敢えてこのブログではこの話題には触れませんでした。
僕が余計なことさえ書かなければ(汗)、ぴょんた様の予想は当たるのです。今回はこの「渚のラブレター」を見事的中されましたね!
えっ、僕自身の予想ですか?
そんなの・・・毎度毎度決まってるじゃないですか。
今回も全敗ですよ!
いつか「たまには当たるセットリスト予想シリーズ」に改名したいと思っているんですが、いつまで経っても「全然当たらないセットリスト予想」のままですな~。

さて、先にチラリと書いたように、この日客席に伊藤銀次さんと白井良明さんのお姿があったそうで。
銀次さんのフェイスブック、
ブログ情報によれば・・・何と、「渚のラブレター」レコーディング音源のリードギターは白井さんが弾いている、とのこと。
ひゃ~、結構な凄い事実が明らかになりましたよ、これは。今の今までみんな、あれは柴山さんだと思ってたわけですからねぇ(そう考えると、この日のソロを弾いた柴山さんのオリジナル再現能力プラスアルファって本当に凄い、とも言えます)。

なるほど・・・当時のレコーディングの段取りがかなりハッキリした輪郭で見えてきたなぁ。
その辺りのことも含めまして、近いうちにアルバム『S/T/R/I/P/P/E/R』から1曲記事を書きますね!

それにしても、「ロバート・フィリップみたいに」とはいかにも銀次さんらしいなぁ。個人的にはあの音色はアンディ・サマーズかな、と思ったりもしていたんですが。

ステージでは本当に久しぶりの「渚のラブレター」、キーは下げていたでしょうね。あの「とりけせ~る♪」の最高音部もビシ~ッ!と突き抜けて、ジュリーの喉は早くも絶好調に達しました。
前曲「ポラロイドGIRL」の段階では少しいがらっぽい感じもするかな、と思ってジュリーの歌を聴いていましたが、こうなればもう心配は要りません。
昨年のツアーの「胸いっぱいの悲しみ」「おまえがパラダイス」を思い出します。ジュリーは3連のロッカ・バラードを歌うと、喉がよく通ってくるみたいですね。

~MC~

「雨で足元の悪い中、お集まり頂きありがとうございます。雨がシトシト日曜日・・・ではなくて火曜日なのに、お越し頂いて」
と、「モナリザの微笑」の歌詞を一節引用してくれたジュリーに感激された先輩方は多かったでしょう。
ザ・タイガースでデビューした67年以来、50年50回目の全国ツアーと言うのですから凄まじい。
世界でも例のない偉業を、今僕らジュリーファンは目の当たりにしています。

「いろんなことがあって、こんな時にLIVEなんかしてていいのか、とも思うけれども」とのことでしたが、だからこそこういう場は特別で良いんじゃないか、とも。
「おかげさまで、この場は平和です」というジュリーの言葉、シビレました。本当にその通り・・・この平和な時間と空間が、この先も毎年毎年続いていきますように。
「僕たちにできることは、一生懸命やること」ということで、〆は「上機嫌でつとめます!」
この「つとめます!」でジュリーが片膝をつくのは、お馴染みの光景となってきましたね。

3曲目「
世紀の片恋

Kitarubeki

ジュリーLIVEの定番曲であるこのイントロ・・・でも今回ばかりは特別な感慨が湧いてきます。これは下山さんの作曲作品なのですから。
やっぱり嬉しかったです。
それに、僕にはまだ生で体感できていない下山さん作曲のジュリーナンバーの名曲、大好きな曲達がたくさん残されています。「心の宇宙(ソラ)」「終わりの始まり」「Hot Spring!」「リアリズム」「God Bless You」・・・いつか歌って欲しいなぁ。

もちろん今回の「世紀の片恋」は、これまで僕が体感してきたアレンジとは変わっています。
一番分かり易いのは間奏ですね。これまで柴山さんと下山さんのリレーだったのが、柴山さんのギターから泰輝さんのピアノ・ソロへと繋ぎます。泰輝さんのソロ部では、ジュリーがキーボードのすぐ近くまで出張してヘドバンするシーンもありました。
素晴らしい演奏でしたが、僕はやはりこの曲、下山さんのボトルネックのイメージが強いんですよ(スティールギターをストラップで吊るして上部からボトルネックをあてがう、という超・荒業が披露されたツアーもあります)。その音が無い、というのは正直淋しい気持ちもありましたね・・・。そういうのも初日ならでは、かな。

それにしても今回のセトリ、1曲目がポラGでラブレター挟んで「世紀の片恋」ですか~。
これは大宮が楽しみになってきました。
神席を授かってのYOKO君との参加で僕が密かに期待しているのが、ジュリーvsYOKO君の「おいっちに体操、やる・やらないバトル」。
YOKO君はおそらく初っ端の「ポラロイドGIRL」の時点では頑なに拒むでしょう。照れ隠しで隣の僕にパンチ入れてくるのがせいぜいと見ました。
しかし、次の「渚のラブレター」で彼は間違いなくジュリーに落とされますから(女性ファンのみなさまがよく仰るところの「ご懐妊」状態になるわけですな)、この「世紀の片恋」ではもう無抵抗、ジュリーの意のままとなってしまうはずです。楽しみ楽しみ。

4曲目「感じすぎビンビン」

Boukyaku

イントロ、GRACE姉さんの「跳ねる」ドラム・ソロで「おおお!」と。これは生で体感したことはありますがかなり久々です。2010年お正月の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』以来ですからね。
「何か1曲”エロック”が来る!」と予想はしていた中で、ジュリーが選んだのは自身作詞・作曲のこの曲でしたか。盲点でした。

さて、拙ブログですが・・・すべてのジュリー・ナンバーを記事にするなど一生かけても絶対無理なんですけど、それなりに長く続けておりまして、楽曲考察記事はいつの間にやら400曲を超えました。
先に言ってしまいますと、今回のセットリストでまだお題記事として採り上げていなかった曲はこの「感じすぎビンビン」唯1曲だったのです。こういうのも何か感慨深い気持ちになります。
毎回ツアーの度に開催しております「セットリストを振り返るシリーズ」、今回は選択の余地無く「感じすぎビンビン」1曲ということになりますので、気合入れて書きたいと思っています!

この曲の演奏はやはり柴山さんの縦横無尽なギターが一番目立つんですけど、依知川さんの見せ場もあります。他の楽器がサッと退いて、ヴォーカルとベースで官能的に攻める箇所・・・エロい「溜め」のタッチが素晴らしかったです。ジュリーの歌はもちろんですが、依知川さんの演奏もどことなくS系のような・・・?

また、オリジナル音源ではキーボードのパートがありませんが、泰輝さんは3番の歌メロ部でキース・エマーソンばりの狂乱のオルガンを弾いています。

そしてエンディング、ジュリーはステージを左右に闊歩し指を立てながら「ばばば♪」「びびび♪」と歌って〆てくれました。

5曲目「
彼方の空へ

Croquemadame

セトリ入りについてはまったくのノーマークだっただけに、本当に感動しました。

「1曲はエロックが来るだろう」というのと同時に「1曲は”旅立った人を送る歌”が来るだろう」とは思っていたんですけど、これですかジュリー!
終演後、何人かの先輩にセトリ速報メールしましたが、長崎の先輩からはこの曲について「ジュリーらしい選択」とのお返事を頂きました。本当にそうですね・・・。

僕は「たまたまブログに考察記事を書くために聴き込んだことがきっかけで、それまでと比べ飛躍的に好きになった」という曲がいくつかあります。
「彼方の空へ」はそのひとつ。
記事を書いたのは忘れもしない、2012年でした。
「どんなセトリになるんだろう」と全国のジュリーファンが期待と不安を同じくらいに抱えて待っていた、あの『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーに向けての「全然当たらないセットリスト予想シリーズ」で僕はこの曲を採り上げました。今にして思えばてんで見当外れの「執筆動機」だと分かりますけど、あの時3.11を思いながらGRACE姉さんの詞を紐解いていて、最終的には最初の考察糸口を離れ、純粋に大好きな曲となったのです。

いかにもGRACE姉さんらしい詞、いかにもジュリーらしいメロディー。でも、多くのみなさまにとってこれは、2004年のアルバムツアー以降は1度もステージで歌われていなかったこと、今回の演奏のテンポがオリジナルと比べてかなりスローだったことなどもあって、「エアポケットの中の隠れた名曲」だったかもしれません。
終演後、何人かの先輩に「タイトルが分からない曲が1曲あったんだけど・・・」と話しかけられましたが、それは悉くこの「彼方の空へ」のことでした。

でも、それだけみなさんの心に不意打ちのように響いた曲だった・・・そういうことなんだと思います。
「最後に会った あの笑みで 待っていてよ 探すから♪」・・・グッときます。
ジュリーの声の感じもコーラスワークも凄くいい、今のジュリー、今のバンドに合ってる、と思いました。

6曲目「
カサブランカ・ダンディ

Acollection

この曲のセトリ入りは予想通り。
お正月には、ベースの存在が最も際立った曲として強く印象に残った1曲です。そして今回も・・・「演奏が一番素晴らしかった曲は?」と尋ねられたら、個人的にはこれですね。
演奏の出来とは別に、もうひとつの要因があります。今回久々に歌われた前曲「彼方の空へ」は、グッとテンポを落とした「バラード」寄りの演奏となっていました。ジュリーに何らかの思いがあってバンドにそのような指示があったと思いますが、計算してのことなのかどうか、「彼方の空へ」のテンポを落としたことによって、続く「カサブランカ・ダンディ」がすごく生きるんですよ。

「カサブランカ・ダンディ」にはみなさん「ノリノリのヒット曲」というイメージがあるでしょう。ところがテンポ自体は速くないんです。リズムが16ビートのハーフタイム・シャッフルなので、身体が動くんですね。
ですからもしかすると「”おまえにチェックイン”」或いは「ス・ト・リ・ッ・パ・-」の次にこの曲、という流れ(遡って調べたら過去にありそうな気はしますが)だと、おとなしい曲に感じられてしまうかもしれません。
テンポを落とした「彼方の空へ」に次に「カサブランカ・ダンディ」を配した今回のセットリストは素晴らしい、と僕は思います。

さて、フォーラム47列は本当にステージから遠くて、肉眼ではジュリーもバンドメンバーも人形大にしか見えず、表情や細かい動きはとても把握できません。
衣装とかもチェックしとかないとな~、と思い立ちこの曲で僕はカミさんから双眼鏡を奪いました。
「うわ、ジュリー髪短っ!」
というのが第一印象(特に前髪)。
『悪名』からは日が経っているけど、黒く染めていた部分をカットしたのでしょうね。
打ち上げにてMママ様曰く「キュートな『ときめきに死す』の工藤君がそのまま年を重ねた感じよね~」と。僕は『ときめきに死す』をまだ観ていないのでよく分かりませんでしたが、この先ツアーでは髪はどんどん長くなってゆくのでしょうから、今現在の髪型のジュリーを観られたのは貴重かも。
スーツはグレイ地に薄いチェックかな。渋い感じです(それだけに2着目がド派手に見えました)。

そのままガン見しておりますと、Aメロ2回し目でしたか、歌詞が出てこなくて「ありゃ?」みたいな表情になるジュリー。すぐに早口で追いかけて事なきを得ました。
想像ですが、たぶんその後に披露してくれたジャケットプレイに気が行っていたんじゃないかなぁ。「ボ~ギ~♪」のところで左肩にかけていたジャケットをハラリ、と落としたのがカッコ良かったです。
不注意な僕は今回双眼鏡で観るまでまったく気づいていませんでしたが、「カサブランカ・ダンディ」にもジャケットプレイがあるんですね!(←ホント今さら)

間奏になって、今度はペットボトル・プレイが始まります。ジュリーの動きをガン見で追いかけていくと、ふと依知川さんが視界に飛び込んできました。
「ありゃ、依知川さん眼鏡男子になってる!」
と、僕はここでようやく依知川さんのメガネに気がつきました。そのくらいステージから遠い席だった、ということなのです(涙)。それにしても依知川さん、相変わらずの凄まじい毛髪力ですな~。

僕はこの曲ではその後も引き続きジュリーを双眼鏡で追いかけましたが、演奏の素晴らしさは身体に耳に確かに伝わってきました。
柴山さんのギターももちろんカッコ良いですけど、ベースのバックアップ・フレーズも神出鬼没でしたよ~。
特に間奏部!注目して頂きたいです。

7曲目「
君をのせて

Acollection_2

いやしかし、振り返ってみると・・・今回ここまでお正月セットリストからのスライドが多いというのは意外でした。「カサブランカ・ダンディ」などのいくつかのヒット曲は予想していたんですけど、「君をのせて」をはじめ多くの曲については個人的にはノーマークでした。

ただ、お正月とはアレンジや演奏を変えてきている曲が多く、鮮度は高かったですね。
この「君をのせて」の場合は柴山さんのアコギです。前曲から引き続いて双眼鏡を持っていた僕は、歌が始まるくらいで(歌いだしたくらいのタイミングで会場から拍手が起こっていました)何気なく柴山さんをガン見してみたんです。すると・・・1番の段階から既にセーハでストロークしているではないですか!
お正月の時は「下山さんとはストロークが違う」とは気づきましたが転調前のコードはロー・ポジションだったはず。それが今回、例えば「C」は3弦、「Am」は5弦をセーハするフォームで弾いているのです。
こうなるとよく分からないのが「君を~のせて♪」の「のせて」で登場する「F#dimのフォーム」。必死でガン見しましたが、柴山さんは指が短いためか、「グー」の形が強調されてフレットに届いている細かい指まで見えません(下山さんは長い指を立てるようにしてコードを押さえるので、そういう点は観察しやすかったです)。
たぶん大宮では判別できると思うけど・・・。

ストロークは、下山さんの「じゃ~んじゃっか、じゃ~んじゃっか♪」に対して柴山さんは早い段階から「じゃんちゃらちゃら、ちゃっちゃっちゃ♪」と弾きます。これはお正月もそうでした。

転調前あたりでカミさんに双眼鏡を返し、ジュリーの声に身を委ねました。エンディングでの腕をクルクルさせながらの優雅なお辞儀は今回も変わらず。
これ、いつのツアーから始まったんだっけ・・・。

8曲目「
アルシオネ

Kitarubeki_2

スペーシーなシンセとアコギの軽い突き放し。その瞬間一発で分かる「アルシオネ」・・・先のお正月で体感し「生で聴くのは最初で最後かもしれない」と思っていましたから、嬉しかった!
このイントロはもう、デヴィッド・ボウイの「スターマン」そのもの。アコギの鳴りもね。
つまり(ここでは双眼鏡を使っていないので音だけでの判断になりますが)柴山さんのアコギは12弦で間違いない、としておきます(大宮で再度確認の予定)。
前曲「君をのせて」で使っていた通常のアコギをスタンドに乗せ変えた動きもなかったですしね。
たぶん12弦がセッティングされた状態のスタンドをローディーさんがすかさず曲間に運び入れていたのではないでしょうか。見ていた人、いらっしゃるかなぁ?

そして・・・アコギをかき鳴らす柴山さんの右肩からエレキのネックが覗いているのは、遠い席からでもシルエットで分かりました。お正月は、間奏までまったく気づけていなかったんだよなぁ。
柴山さんの間奏、素晴らしいです。音色がね、ポール・マッカートニーの今のバンドで演奏される「Maybe I'm Amazed」でギタリストのラスティ・アンダーソンが弾くソロの音にそっくりなんです。元々、ボウイの「スターマン」のソロがそれに近い音なんですけどね。この音色はSGじゃない方が出しやすいのかもしれません。

銀次さんもブログでこの曲に触れていましたが、ボウイへのオマージュが白井さんとの共同作業だったことがよく分かる、素敵な文章でした。
本当に美しいメロディーとアレンジ、当然GRACE姉さんの詞も素晴らしく、銀次さんがこの名曲をジュリーのために作ってくれたことに改めて感謝したいです。

9曲目「
届かない花々

Croquemadame_2

僕はツアー初日は毎回、演奏された曲数を頭の中でカウントしていきます。これはセットリストを覚えるコツでもあって、特に心に残った曲を、演奏順と合わせて頭に留めておくのです。例えば今回なら「5曲目=彼方の空へ」といった感じ。
で、いつ頃からかな・・・8曲目が歌われた直後に「心の準備」をするようになりました。次(9曲目)に「我が窮状」が来るかな、と考えるからです。

「アルシオネ」が終わり、柴山さんがエレキをスタンバイするのを確認。「あぁ、我が窮状ではないな」と。
流れてきたのは、「届かない花々」。
先に書くと、続く10曲目が「我が窮状」だったわけですが、この「届かない花々」「我が窮状」の流れはジュリーの中でとても重要な繋がりであるはずです。

2009年に僕が書いた「届かない花々」の記事は「考察」などとはとても呼べない適当な内容で、いつか改めて書き直さなければと考えている曲のひとつ。記事中で「9.11」にまったく触れていませんからね。
何故あの9.11のようなことが起こってしまったのか、そして日本があのような悲劇を二度と世界で起こさないようにするために何を大切にすべきなのか。
それが今回の「届かない花々」~「我が窮状」の2曲に込めたジュリーの思いではないでしょうか。
今のタイミングで、某あの国と武器の共同開発なんてやってる場合じゃないよ、ということです。

YOKO君にお正月のセットリストを伝えた時、彼が「ベースあり」の演奏に最も興味を示していたのがこの「届かない花々」でした。イントロからベースの低音がズシンと響いてくるCDオリジナル音源アレンジのイメージがあるからでしょう。大宮でイントロが鳴った瞬間のYOKO君の反応が楽しみです。
ただ、お正月の僕がそうだったように、彼もきっとこの曲では、下山さんのアコギ不在を淋しく感じるんじゃないかな。数年間ずっと、下山さんのストロークでこの曲を聴いてきているのですから。
途中のブレイク部なんか特にね・・・打ち上げではどんな感想が聞けるでしょうか。

10曲目「
我が窮状

Rocknrollmarch

毎回思います。
ジュリーがこの曲を歌わなければならない世の中の状況、その状況が差し迫れば差し迫るほど、ジュリーのヴォーカルが良くなってくるという皮肉。
本当は、「もうこれは歌わんでもええやろ」とジュリーが考える世の中であって欲しい。
何年か経って、「そういえば昔こんなテーマの歌を歌っとったなぁ。久しぶりに歌うか!」とジュリーが思い立って、久々の「我が窮状」をお客さんが大きな拍手で迎える・・・そんな平和な世の中が来て欲しい。
僕はそれを夢想するあまり、この曲を「ジュリーが歌う」必然のこの現実から逃げ出したくなる気持ちすらあります。開演前にお会いした先輩は「(「我が窮状」を歌わないわけないよね」と仰っていて・・・「あぁ、やっぱりそうなんだよなぁ。それが今この国で僕らにつきつけられていることだもんなぁ」と思いました。

新曲を歌う直前の10曲目というのがまたね・・・ジュリーは決してくよくよした顔は見せず、「上機嫌で」この曲を歌ってくれたわけだけど、現実逃避するわけにはいかないんだよなぁ、と強く思い直しました。こんなに「歌」から伝わってくるものがあるのですから。
ジュリーの言う「上機嫌」の意味については僕なりの解釈をのちに書きますが、ともあれこの日の「我が窮状」、最後の「信じよう♪」のロングトーンはいつもより長めで、素晴らしい歌声だったと思います。

あと、お正月と同様、男声の一番低いコーラス・パートの輪郭がとても濃く、くっきりと聴こえてきます。きっと依知川さんが歌っているのでしょうね。

160730


↑ 7月30日付『東京新聞』より

~MC~

10曲歌ったところで、いつものように短い新曲紹介のMCが入りました。「メンバーに作曲してもらい、私が詞をつけました」というのは例年通りですが、今回は少し範囲を拡げて
「PRAY FOR ジャペ~ンのテーマで」
作った、と。
「JAPAN」を「ジャペ~ン」とおどけるようにして発音したことも、ジュリーがどんな気持ちでそう言ったのか、或いはそうせざるを得なかったのか、毎年観ているファンなら色々と考えるところではありましょうが、メディアはどう受け取ったのでしょうか・・・。

11曲目「
犀か象

Undemocraticlove

ありえないことですが、もしジュリーが事前に「新曲をやります」と言わずに、セットリストの5、6曲目くらいにこの曲を歌っていたら、僕はイントロ数秒では「犀か象」だとは分からなかったでしょう。そう、CD音源には無い「プチ・イントロ」を加えての「犀か象」が、今年のLIVEでは新曲1番手に採り上げられました。
オリジナル音源のアレンジでは「いきなり歌から」が大きなポイントだったこの曲。LIVEでは一体どうするのか、というのが今ツアーの見所のひとつだったわけですが、新たなイントロを加える手法できましたね。
ほんの2小節だったかな・・・コードは「D→D7」だったと思うけど、大宮で再度確認するつもりです。

いつもお邪魔させて頂いているaiju様のブログで、岡山公演に参加された音楽家のかたの感想転載を拝読しました。素敵な御記事は
こちら
「気に入った曲なら、1度聴いただけで採譜ができる」・・・いやぁ、さすがプロは凄いです。僕レベルでは到底無理なことですから。
その音楽家のかたが、新曲の中では「犀か象」が良かった、と仰っていたそうです。
そうでしょうそうでしょう。「犀か象」は本当に面白いコード進行とメロディーを擁する名曲。キャッチーな仕上がりにはなっていますが、超・変化球なのですね。
プロの音楽家のかたならば、きっとメロディーを追いながらその辺りを歌、演奏と同時進行で紐解いてゆくことができるのでしょう。「面白い曲」だと思われたのではないでしょうか。

ジュリーはサビ前の「バイヤ♪」をバッチリ決めて、間奏直前には見事な「パオ~!」のシャウト再現もあり、素晴らしいLIVEヴァージョンだったと思います。
その間奏では柴山さんのギター・ソロはもちろん、GRACE姉さんが熱演です!

フォーラムでは初日ということで手拍子はまばらだったけど、この先公演を重ねるに連れて、サビ部でお客さんの表拍連打の手拍子が揃っていくでしょう。

12曲目「
福幸よ

Undemocraticlove_2

イントロのリフ部で柴山さんが妖しげに浮かびあがります(照明は暗い赤だったかな・・・記憶が曖昧)。
「犀か象」からの流れも新鮮でした。CDでこの順番に聴くことは無いですからね。

演奏の見せ場は、各パートがジュリーのヴォーカルを追いかけて1小節ずつのソロを繰り出すコーダのリフレイン部。依知川さんのベースは特にカッコ良かった!
ただ、それぞれのソロでピンスポットが当てられていたか、まではチェックできなかったなぁ。
大宮に期待してみます。

パワフルで明るい曲調に身体は自然に動きますが、ジュリーが「絶望色、いかばかりか」と歌う瞬間はやはりハッとさせられます。
原発再稼働の問題について言えば、先の参院選と同日に行われた僕の故郷・鹿児島県の知事選で、川内原発の稼働一時停止を訴えた三反園氏が勝利し、伊藤知事の4選を阻止しました。
保守王国の鹿児島としては異例の結果ではありますが、三反園新知事の原発政策が決め手となったと言うより、伊藤前知事が数々の失言で勝手にコケた、という印象の方が強く、新知事の真価が問われ、その政策が県民の支持を本当に得られているかどうか、実現に向けて進んでゆけるかどうかはむしろこれからの判断、課題となるでしょう。
故郷の今後の動向を注目していきます。

13曲目「
Welcome to Hiroshima ~平成26年(2014年)8月6日『平和への誓い』より

Undemocraticlove_3

今年の新曲のツアー演奏順は、ロック系2曲からバラード系2曲へと繋がれることになりました。トラック表記すると3→2→4→1。ちなみに僕は2→3→4→1と予想していました。惜しい!

この曲と次曲「un democratic love」では、ひたすらジュリーの歌声とバンドの演奏に身を委ねました。
大宮ではジュリーの表情やバンドの細かい動きにも注目したいと思いますが、初日のこの2曲は「聴く」ことに集中。これは参加前から決めていました。

歌ももちろんですが、「Welcome to Hiroshima」で一番楽しみにしていたのが柴山さんの後奏ソロです。
CDではエレキ12弦或いはオクターバーを使用した複音のソロ。それが一転、この日のステージから聴こえてきたのは普通に6弦の音・・・一昨年の「三年想いよ」のエンディングによく似た、深いサスティン設定。CDとはまったく違う音でした。
SGではないせいか(TVイエローだったとの情報があります)、フィードバックの切り方がいつもと違うなぁと感じましたが、いかにも柴山さんという響きです。
ギターモデルを目で確認するのは大宮に譲るとして、複音を採用しなかったことは意外でした。柴山さんはこの曲のステージ再現でディレイのサスティンを前面に押し出す手法を選んだ(後奏の直前、足でエフェクターを踏む)ということでしょうか。複音のソロでサスティンを深めにかける、というのは効果が微妙ですからね。

ただし!ツアー中ずっと同じ音で通すかどうかは分かりません。ギターを12弦に変えてくることは無いにせよ、オクターバーで複音を出す奏法が披露されることは今後充分あり得ます。そしてそれはおそらく舞台上の柴山さんのエフェクター操作ではなく、PAによるセンドリターン・エフェクトの役目となるでしょう。
昨年の大宮公演がそうだったように、ステージの音はPAによって大きく変化することがあります。
大宮のミキサーのお兄さんは本当に素晴らしい仕事をします。YOKO君も「短髪で真面目そうな彼」と言って大いにその手腕に惚れこんでいる様子。
果たして大宮で柴山さんの音に変化はあるのか・・・今から楽しみにしています。

カミさんは、初日は特にこの曲が良かった、と。
さらに「今年は新曲が全部良かった」と言ってくれました。去年は逆でしたからね・・・新曲を生で聴いて「日本はどうなってしまうんやろか」と落ち込んでしまって。
人それぞれではあるのでしょうが、やっぱり僕は今年の新譜は「元気が出る」曲ばかりだ、と初めて聴いた時から思っていて、それが賛同されたようでとても嬉しかったです。
「どうにもならんことばかりだけど、自分の気持ちに正直でいよう、前を向こう」というジュリーの思いがあっての『PRAY FOR JAPAN』だと僕は考えています。
それが今ツアーでのジュリーの「上機嫌」表明となっているのではないでしょうか。

14曲目「
un democratic love

Undemocraticlove_4

話は前曲から続いて・・・ジュリーの「上機嫌」には色々な思いが込められていると感じます。
アンコール前のMCで、ジュリーは「国」の話をしてくれました。相当オブラートに包んでいましたから、熱心なファンでもジュリーが何を言いたいのか分からなかった、という方もいらしたでしょう。

ジュリーの言葉の中で、「なんとなく」と「嘘もつける」の2つが重要なキーワードだと思いますが、とにかくジュリーは「我を引っ込めるふりをしてでも、歌い続ける」と宣言してくれた・・・僕はあのMCをそう解釈します。
このまま行くと改憲の前後に来るであろう「言論統制法」(もちろん、そんな分かり易い名前にはならないでしょうし、他法案との合わせ技で焦点を濁そうとするのでしょうけどね)まで見据えて、ジュリーはそれでも、これまで通り「歌う」ことを考えてくれているようです。
今までも、これからも、ジュリーの作る「歌」に込められた真意は「浮世離れした」僕らファンにはずっと開かれている、というね・・・。嬉しいことです。

そして、初日のMCでジュリーが「言葉」ではオブラートに包んだ部分は、すべてこの「un democratic love」という「歌」に込められていました。

この曲は僕の周囲の熱いジュリーファンの間でも様々な感想、意見があります。
僕は考察記事を書く段階からそれは予想していて、記事中でこんな感じのことを書いています。
「この曲を”聴きたくない”と思う人は優しい人だろうし、この曲を聴いて怒る人は気骨のある人だろう」
と。
それで良いと思うんですよ。「何も感じない」という感想が一番怖いわけで、これほどのことを歌っているのだから、ジュリーの歌詞に賛否あって当然なのです。

僕個人は、この曲にとてつもなく入れ込んでいます。今年の新譜の中で突出して好きですし、全ジュリー・ナンバーの中でも1、2を争うほど好きになりました。
こういう曲と出会うために今までロックを聴き続けていたんだ、とすら思えます。
この国の、ジュリーという歌手によってしか生まれ得なかった、史上に残るバラード。
これまで何度も何度も自分で歌ってみました。アコギ1本で、しかも半音下げのハ長調で・・・当然ジュリーのようには歌えないんですけど、毎回きまって涙が込みあげてきてしまう箇所があります。2番の

君と同じ以上に、自由が好きだよ ♪

何と初日フォーラムのジュリーは、まったく同じ場所で涙に歌声を詰まらせました。
あぁ、僕のこの曲の聴き方はきっと合ってる、と思いました。「自由」が失われてしまう近い未来を嫌でも予見しながら、あきらめずに「それでも」と強く自由と平和を思うからこそ、涙が上がってくるんだと思うなぁ。

毎回毎回セトリ予想を外しまくっている僕がこんなことを言っても説得力ゼロなんですけど・・・僕は、ジュリーがこの先何年、何十年歌い続けてくれる中で、この「un democratic love」は相当な頻度でツアーのセットリストに組み込まれてくると予想します。
来年のお正月にも歌うと思う・・・「我が窮状」同様、歌う必要がなくなるまで歌い続けるのではないでしょうか。僕の考え過ぎ、入れ込み過ぎでしょうか。

ジュリーの歌と同じくらいに、バンドの演奏ももちろん素晴らしかったです。
イントロのピアノを生で聴いて、やっぱり泰輝さんのオマージュ元はビリー・ジョエルの「マイアミ2017」だと感じました。広い海のイメージなのです。それでもジュリーの載せた歌詞と泰輝さんのピアノ、美しいメロディーとはいささかの乖離もありません。
ベースで噛み込む依知川さんに早い段階からピンスポットが当てられた瞬間も感動しました。
間奏の柴山さん・・・こちらはCDと同じ音色。感情ほとばしるソロは、今回のセットリストの幾多の素晴らしいソロの中でも特に激しい熱演です。
GRACE姉さんのハイハットは、クローズではどこまでも優しく、オープンでは気合の猛り。

そして。
ジュリーの無垢で純真なヴォーカルに、一瞬だけ「怒り」の表現を垣間見た「ダダっ子」の発声。
その後の会場でも同じ歌い方をしているのかな・・・。

15曲目「
若者よ

Namidairo

僕は9曲目「届かない花々」からこの15曲目「若者よ」までを、今回のセットリスト中のひとつの大きな塊と捉えています。後日、敬愛する先輩が同じことを仰っていたのは嬉しかった~。

一方で、今回の「若者よ」では「ちょっと辛いな~」とチクチクする歌詞部もあったり。
「期待して、期待して、やめられちゃ報われない」の部分。いや、これは僕が過剰に意識しているだけなんですけど・・・昨年から本当に頼もしく、心強く思っていた若者達が今月の15日をもって解散してしまう、ということとこの詞を重ねてしまうのです。

ジュリーが2010年に作った「若者よ」は5年後の彼等のためにある、と去年強く思いましたし、解散のことも、僕は彼等の潔い判断をリスペクトしています。
「固執しない」ことは、現代の若者が持っている良い意味でドライな独特の感覚なのかなぁ、と。
それでも随分前に解散の話を知った時は「えっ、やめちゃうの?」と戸惑いました。
ただ彼等は、「(自分達の解散を)勿体無い、と思うのであれば、次はあなたの番です」という言葉を早々に残してくれているんですよね・・・。

とり残された思いで「何をどうすれば」と迷っている大人達も今は多いと思うけど、僕は幸いジュリーファンですから、『PRAY FOR JAPAN』の道が見えています。老人と若者の間にいる幅広い世代の責任は重大、と身が引き締まる思いです。
そんな中で、「老人」の立場をとるジュリーはどんな思いでいるのかなぁ、と余計な心配をしてみたり・・・。

柴山さんはイントロのリフ部で既に単音のオブリカートを入れてくるなど、お正月からの進化著しく感じました。間奏で強引に、鉄人バンドの時のように前方にせり出してくれるのも時間の問題かもしれませんよ~。
あと、ベースレスのオリジナル音源では表現不可能な新たなルート音の進行を依知川さんが編み出しているようです。「あっ!」と思って聴いたことだけ覚えていて、どの箇所だったかはまだ把握できていませんので、大宮ではベースに注意して聴いてみます。

ジュリーはサビの「パワーレス、パワーレス、パワーレス・パワー♪」を、何とも不思議な発声で歌いました。地声を抜いて囁くような感じなんだけど、「シャウト」とも言える・・・うまく文章で表現できないんですよ。
メンバーのコーラスが直に聴こえてくるような感じになって。「ジュリー、お客さんに一緒に歌って欲しいのかなぁ」と思ったりしましたが、その後京都、岡山ではどんな様子だったのでしょうか。これまた気になります。

16曲目「
マッサラ

Kitarubeki_3

柴山さんの豪快なワウで、すぐに分かりました。
ここまで「お正月からスライドした選曲が多いな」とは思っていましたが、こうなってくると「ジュリー、徹底してスライドさせてくるつもりかな」と、後の「お気楽が極楽」「緑色のkiss kiss kiss」はこの時点でセトリ入りを予想できてしまいましたね。
さらに言うと、ここまでお正月からのスライド曲には演奏の進化が目立ち新鮮に聴けていたので、「さぁ、マッサラの進化は?」と聴いていますと・・・イントロでテンポチェンジした瞬間、アコギのストロークが聴こえてきたのにはさすがに仰天!

柴山さんの二刀流・・・?いや、引き続き普通にエレキを弾いています。
打ち込み・・・?いやいやそんな硬さは感じない。
と言って、まさか霊が弾いているわけはないでしょう。
と、いうことは?

ここで僕はたまらずカミさんから双眼鏡を強奪し、泰輝さんの手元をガン見です。
2段重ねのキーボード、上段はオルガンの音色で間違いありません。下段は・・・み、見辛い。角度的に2段重ねのキーボードの隙間から泰輝さんの手を覗き込む格好になります。
でも、どうやらこれだ・・・泰輝さんの指の動きと、アコギ(のような)音の鳴りが連動しています。
しかし、ここまでストロークっぽい音がキーボードで再現できるものなのかな?
少なくともプリセットではなさそう。PAからセンドリターンがあるのかな?

結局、ハッキリしたことまでは判明せず。
これは是非とも大宮で解明したい大きなポイントです。とにかく『BALLAD AND ROCK'N ROLL』の時も、今年のお正月の時も、レポには「この曲はアコギの音が欲しいな~」と書いていた僕としては、「マッサラ」での驚愕の進化は本当に嬉しい!

左右に走り回りながら熱唱するジュリー。2番Aメロ1回し目で歌詞が「占いは・・・覚悟だよね♪」となっちゃっていましたがそんな細かいことは問題ないです!
お正月のセトリを伝えた時にYOKO君も生体感を羨ましがり切望していたこの曲、新たな注目ポイントも増えて、この先の参加会場でのジュリーの歌、バンドの演奏ともどもとても楽しみな1曲です。

17曲目「
お気楽が極楽

Iikazeyofuke

お正月に楽々乗り越えたばかりの「DYNAMITE三大壁曲」の一角。今考えると、何故この曲のことをあんなに「苦手」と思い込んでいたのか不思議でなりません。
ビートには乗れるし、面白い進行だし、何と言ってもジュリーのこの歌詞です。
もちろん99年の時点で「本音」ではあったのでしょうが、今現在のジュリーが歌うことで強烈なメッセージ・ソングとなっています。
「いかした話は全然聞かないこんな世の中だけれど、思う存分歌を歌えるLIVEは特別な世界、上機嫌で行こう」と決めたジュリーに、よくぞここまでうってつけの曲があったものですね。お正月よりさらに「今ジュリーが歌う必然性」は高まっているのではないでしょうか。

この日は歌の最後の最後にアクシデントが。
ジュリーがひと回し早めにメロディーを着地させてしまい”おいっちに体操”を始めた状態で、バンドメンバーは正しい進行に沿ってシレッとゴキゲンなコーラスを繰り出しているという。
こういうのも初日ならではの楽しさ・・・かな?

お正月と比べると、エンディングの「himitsu-kun」のフェイントに引っかかってフライングの拍手をしてしまうお客さんは、さすがに少なかったですね。

18曲目「
TOKIO

Tokio

いやぁ新鮮でした。遅れてきたジュリーファンの僕にとって、今回のこの曲のイチオシは断然依知川さんのベースです!「オリジナル・ヴァージョン」と言ってよいベースラインを初めて生体感できました。

ベース入りの「TOKIO」ということで言えば、僕も2010年のジュリーwithザ・ワイルドワンズの全国ツアーで何度も聴いてはいるんです。あの時の島さんのベースは素晴らしかったのですが、僕の中でイメージ固定されていた「TOKIOのベース」とは違いました。
今回の依知川さんのベースは、何が違うのか・・・ズバリ、スラップ音です。
これは、ピック弾き(島さん)か指弾き(依知川さん)かで生じる奏法の違いです。

依知川さんのスラップ音で一番聴きとりやすいのはBメロだと思います。1番の歌詞で言うと、「海に浮かんだ♪」と歌い始める箇所ですね。
今後の各会場にご参加のみなさまも気をつけて聴いていれば、2拍目の裏に「ぱん!」とはじくような音を確認できるはずです。「海に♪」の直後が特に効いています。これがジュリワンには無かったんですよね。
音のみならず、依知川さんの指の動きも合わせて是非ご注目ください。

柴山さんのギターは、鉄人バンドで聴き慣れた音とは違いました。SGで弾いていないからでしょうか・・・いえ、ただそれだけとは思えません。
フォーラムではそこまで確認できなかったけど、もしかすると今ツアーの柴山さんはアンプも変えてきているかもしれません。もしそうならそれは新曲のため、ではないでしょうか。

ブレイク部のジュリー、初日はさほど大きなアクションは無かったと思いますが、その後の京都、岡山では見事な土俵入りを披露してくれているとか。
土俵入りと言えば・・・先日、九重親方が亡くなってしまいました。高校生の頃僕は、千代の富士が人類最強だと思っていたっけなぁ。
今年に入って、少年時代に憧れていたミュージシャンの訃報が相次いでいましたが、今度は「強さ」に憧れていたヒーローの、あまりにも早過ぎる旅立ち・・・本当にやりきれません。
この場を借りまして、ご冥福をお祈り申し上げます。

19曲目「
緑色のkiss kiss kiss

Pleasure

お正月からスライドした曲が多いセットリストということもあるけれど、この流れなら絶対この曲は歌いますよね。「平和」の一番根っこの歌。その祈りの実現に向けて、身の廻りから始めようという歌なのですから。

しつこいようですが、ここでもう1点だけジュリーの「上機嫌」について僕の考えを書かせてください。
最初のMCで語られた
「おかげさまで、この場所は平和です」
初日、このジュリーの言葉ほど胸を打たれた瞬間はありませんでした。最初のMCの項でそのことを書かなかったのは、「我が窮状」「un democratic love」をはじめとするメッセージ・ソングの項で少しずつジュリーの「上機嫌」について順を追って書いていかないと、僕の考えたことは伝わらないなぁ、と思ったからです。僕が一番書きたいことを書くのは「緑色のkiss kiss kiss」の項と決めて、今回このレポートにとりかかったのでした。

ジュリーの言った「この場所」とは、東京国際フォーラムのステージだけのことではありません。その後の京都、岡山、これからの新潟、結城と、この後続いてゆく全国ツアーすべての会場のことでしょう。
たとえ世の中の他の場所が「平和」とは逆の方向に進んでいるとしても、「自分が歌を歌う場所だけはいつまでも変わりなく平和だ」とジュリーは言ったのです。

ジュリーにとってLIVEのステージは「身の廻りのこと」でもあるでしょう。世の中で「平和」が壊されそうになったら、しょげることなく、萎縮することなく「上機嫌」で、自分の身の廻りの時間、手の届く空間からまた新たに「平和」を作りあげていこう、と。
元々「緑色のkiss kiss kiss」ってそういう歌じゃないですか。リリース当時は、「平和なこの国からの世界へのメッセージ」という部分が大きかったにせよ、「横浜の空から♪」というのは、ジュリーの暮らしている街の空から、ということですよね。
自分の身近な場所から平和を祈る、作っていく・・・それをみんなもそれぞれやってみないか?と。
「緑色のkiss kiss kiss」はそんな歌です。

だから、僕らファンもジュリーの歌のように「上機嫌」でそれを始めてみませんか?
政治的な活動をする、とかそういう大層なことでは決してありません。家族や友人、身近な人や場所を大切に思うことから始めて、身の廻りに小さな「平和」を少しずつでもこれから作って、増やしていきましょう。
皆がそうすれば、いつか大きく拡がると思うのです。

ジュリーは京都公演のこの曲で「岡崎の空から♪」と歌ってくれたそうですね。
「街」と言うにはとても小さな範囲です。
でもその小さなひとつひとつの場所で、そこに暮らす人達が小さな平和を祈り築いていくことを、ジュリーはこの曲で伝え、望んでいるのではないでしょうか。
この先もきっと、訪れた会場ごとに、それがどんな小さな町であろうとジュリーは「○○の空から♪」と歌ってくれると思います(発音で2文字、3文字となる地名の会場がちょっと不安ですが・・・)。
ハードな日程を駆けて、ジュリーは全国にそんな思いを伝え歌いに行く。これが僕の考えです。

といったところで・・・みなさまもそろそろうざったくなってきたでしょうから、僕が勝手に展開してきた「上機嫌」の話題はこれで〆ますね。
後に書くアンコール前のMCの項ではこの件は割愛し、楽しい話題だけを採り上げることにしましょう。

この曲のお正月からの演奏面での進化は、柴山さんがボトルネックを持ったことです。
依知川さんと泰輝さんにバッキングを任せ、鉄人バンドでは下山さんが担当していたスライドギターを今ツアーは柴山さんが再現してくれます。
お正月はこの曲にスライドの音が無くて少し淋しく感じましたから、嬉しく聴きました。下山さんとどんなふうに違うかは、大宮でじっくり!の予定です。

泰輝さんのピアノ・ソロ直前にはジュリーが恒例の「NO NUKES!」のシャウトを繰り出します。
やっぱり今年(お正月も含めて)のセットリストの中でも、特に重要な1曲ですね。
実は、今回の「セットリストを振り返るシリーズ」が「感じすぎビンビン」1曲だけでは淋しい気もするので、「過去記事懺悔やり直し伝授」のカテゴリーでもう1曲、この「緑色のkiss kiss kiss」を書いてみようか、と思いついたところ。さてどうしようかなぁ・・・?

20曲目「
ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

これまで何度も生で聴いている大ヒット・シングルですが、ベースありの演奏はこの日が初体感。
これまでと全然印象が違いました。単に下山さんのアコギが依知川さんのベースに変わった、というそれだけではない・・・一体何だろう、この変化は?
冒頭、ジュリーの歌と泰輝さんのピアノ、要所で噛み込む柴山さんの単音。その時点で既に違うんです。ピアノのフレーズはいつも通りですから、おそらく柴山さんのギターに大きな変化があるはずなんだけど、どこがどう、というところまでは初日の時点では分かりませんでした。「手数が少し増えてるかな」というくらいで。
大宮では、YOKO君と打ち上げで突き詰めて振り返ってみたいポイントです。

一方この曲のジュリーのヴォーカルについては、初めて生で聴いた『ジュリー祭り』からなだらかに変わり続けている、という印象。
たぶん阿久さんの詞への解釈が、ジュリーの中で進化しているのだと思います。フレーズで言えば、「ひとりひとりが思うこと」などの細かい部分に至るまで。
ちょっとハスキーな発声で歌って、周囲で「沖田艦長みたいだね」と話題になったのはいつのツアーだったっんだっけなぁ。
今回は艶っぽい声の出し方でまたその時とも違う、進化した「ヤマトより愛をこめて」でしたが、「慈しみ」が感じられたことは共通しています。

ジュリーが年齢を重ねてゆくに連れてその歌声が素晴らしくなっていく、という点では「君をのせて」「いくつかの場面」と並ぶ70年代の名バラード。
再来年の古希のステージでも必ず歌われるでしょう。

~MC~

「ヤマトより愛をこめて」を歌い終え、一礼してにこやかに退場したジュリー。大きなアンコールの拍手に迎えられ、2着目の衣装に着替えての再登場です。
双眼鏡で見ていたカミさんが「うっわ~、凄い衣装やで」と。僕も一瞬双眼鏡を借りて覗いてみましたが、「派手だな~」ということくらいしか分からず。
後で聞いた話だと、刺繍、デザインは相当凝っていたらしいですね。大宮では肉眼でハッキリ確認できるでしょう。これも楽しみのひとつです。

真面目な話から漫談まで色々とあった長いMCでしたが、このレポでは大きく2つの楽しい話題について書きとめておこうと思います。
まずは、ジュリー曰く「毎週楽しく観ている」というNHK大河ドラマ『真田丸』のお話。
戦国武将フェチの僕も欠かさず観ていますよ~。
毎週、カミさんに余計な解説をしながら・・・なにせ僕は、登場する人物それぞれのこの先の展開まですべて史実が頭に入ってますからね!

今回の『真田丸』は、僕としては石田光成、豊臣秀次といった、これまでの戦国ドラマでは「いけすかん奴」みたいに描かれがちだった面々を肯定的に捉えた脚本に大いに好感を持っています。
ああいや、そのあたりを詳しく書き始めると止まらなくなるのでそれはこの辺にしまして・・・。
ジュリーは「騙し合いでズルく立ち回った方が良い目を見る、ってのはどうなの~?」と冗談っぽく苦言を呈していましたが、ドラマの今現時点では「バカ正直で損をしてる」様に描かれているお兄さんの信之=信幸こそ、長寿(享年93、時の将軍は4代家綱)をまっとうし堂々と真田の家を残す(幸村=信繁の方も、大阪の陣の後に次男が伊達家にかくまわれて存続するんですけどね)勝ち組なのですよ、といったことを

毎週日曜8時、ジュリー宅の茶の間の下座に控えて逐一解説して差し上げたい!

などと打ち上げで豪語し、ご一緒した先輩方に苦笑されていたのはここだけの話です(汗)。
この先のツアー各会場でも、ドラマの進行に沿って『真田丸』の話がMCで聞けるのでしょうか。

そしてもうひとつ、会場のファンを歓喜させたのが「今後の活動」の話題です。
『ジュリー祭り』からもう8年も経ってしまった・・・再来年は「古希」ですよ!と。
「還暦の時は東京ドームでやったけど、さすがにもう無理やろなぁ」との言葉に、言外の意を汲み取った(?)ファンは大きな拍手を送ります。

「なんやその拍手は?(またドームで)やれってか!あそこはLIVEをやるところちゃうで。音がバシャバシャや。まぁ、せいぜい・・・武道館やろ!」

おおぉ~、これはもう「古希記念武道館公演開催宣言」と考えて良いのでしょうか、ジュリー?
「色々と今から考えてる」とも言ってくれましたし。

で、来年はデビュー50周年になる、と。
幸運にも参加叶った先の音楽劇『悪名』千秋楽公演で、記念の特別再演の告知はありましたが、その他にも何かあるの?と聞いておりますと
「値上げくらいしかすることない」
と(笑)。
「何年我慢してきたと思います?溜めこんでるわけじゃないんですよ!まだ7000円なんですか~、と色んな人に言われてね。消費税は自腹ですよ!我慢に我慢を重ねた数年間です」
と、ジュリーはデビュー50周年を機に、チケット代の値上げを考えているようです。8000円かな?長崎の先輩は「7500円かも」と仰っていましたが果たして・・・。

そんなこんなで〆の言葉は
「来年は値上げをする、と誓いまして・・・ワタシの今日の挨拶に代えさせて頂きます!」

その後いつものように「それではよろしゅうございますか?」の流れになるかと思いきや、ジュリーがスタンドマイクをスタンバイしていると
「ゴン!」
と大きな音を立ててマイクが落下してしまいました。
「ちゃんとはまっとらんかったかな・・・最近目が悪くなってね~」と恐縮しながら再度マイクを固定するジュリーにお客さんがダメ押しで笑ったところで
「それでは、オマケです~!」

~アンコール~

21曲目「
サムライ

Omoikirikiza

MCの最後にジュリーがスタンドマイクをスタンバイした時に、アンコール1曲目がこの「サムライ」だと予想できたお客さんは多かったでしょう。僕もそうでした。
お正月のセットリストからスライドされた大ヒット曲。心の準備はできていました。それにしても、マイクの落下がジュリーが歌い始めた後でなくて良かった・・・。

セットリスト本割ラストが「さらば」で、アンコール1曲目が「あばよ」となると「何か意味が・・・」と考えてしまったりしますが、ジュリーに特別な意識はきっと無いのかな。全国ツアー各会場の地元のお客さんのために、ヒット曲を最後に固めてきたということでしょう。
「地元のお客さん」と言えば・・・三木労音さんのツイッターを拝見して以来ずっとチケット完売を応援していた三木公演は、遂に残席が10ほどのところまできていらっしゃるとのこと。これはもう「満員」と言っても良い状態。素晴らしいですね!
三木公演では前方席に地元の一般のお客さんが駆けつけるとのことで、「ヤマトより愛をこめて」からのMC(「老い」ネタが炸裂するのでしょうね)、そしてアンコールの「サムライ」、このあたりは盛り上がること間違いなし。終演後の三木労音さんの発信、参加されたみなさまのご感想が今から楽しみです。

「サムライ」では最近、ジュリーのアクションを完璧に真似るお客さんが増えているように思います。
僕は何となく恥ずかしいのでやらないんですけど、後方席での参加の際はそんなお客さんの姿を一望するのも楽しみのひとつ。その点、広いフォーラム後方からの眺めは圧巻です。
ただ、フォーラムの1階最後方のあたりって、「サムライ」のように「隙間」が肝となるアレンジの曲については、バンドの音の届き方がいまひとつなのです。東京ドームほどではないにせよ、音響的には「遅れてくる」感じになってしまうのですね。
次回大宮は音響もバッチリ!であろう席を頂いていますから、じっくりと楽しみたいと思っています。

22曲目「
コバルトの季節の中で

Tyakoruglay

本割20曲、アンコール3曲、というのが最近のセットリスト構成の定番。とすると・・・残る1曲はもう一丁お正月からスライドの「みなさまご存知の」大ヒット曲で「ス・ト・リ・ッ・パ・-」が来るに違いない、とこの時点で考えていましたので問題は残す1曲。
予想していたのは「耒タルベキ素敵」と「遠い夜明け」でしたが・・・颯爽と始まったイントロは、「お~これは結構久々!」な「コバルトの季節の中で」。
手拍子が合う曲ではないんですけど、お客さんの「来た来た!」という喜びを表すように、会場から自然と手拍子が起こりました。僕も思わずやってしまいました。
こうしたお客さんの「勇み足」も初日ならではです。

この曲が歌われたのは、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』以来、ということで合ってますっけ?
あのツアーでは最初、3曲目に「お嬢さんお手上げだ」を歌っていたのが、お盆明けの八王子公演から「コバルトの季節の中で」に差し替えられたのでした。
僕はその八王子公演に参加していて、「ツアー途中でセットリストが変わる」というのがジュリーLIVEでは初めての経験でしたから、とても興奮した覚えがあります。さて今年はどうでしょうかね~。

1番でしたか2番でしたか、Aメロでジュリーがちょっと歌詞に詰まって、遅れて歌う箇所がありまして。
「コバルトの季節の中で」のAメロは、アルペジオの移動が変則でただでさえ歌メロと演奏を合わせるのが難しいんです(カラオケでこの曲を歌ったことがあるかたなら何となく分かるのではないでしょうか)。
そこへジュリーの歌がワンテンポずれて入ってきたものですから、思わず依知川さんがジュリーの方にフレーズを合わせてしまい、黙々と正しく進行させている柴山さんのギターと一瞬バラバラの状態に。手に汗握りましたが(たぶん、バックでパーカッションを鳴らしているGRACE姉さんも焦ったと思う)、泰輝さんの「ソラファレ~、ドレ~、ソラファレ~、ドレ~♪」のキーボードを起点にして、すぐに修正されました。さすが!

本当に爽やかな、ジュリーの作曲作品。
秋が似合う曲ですが、夏の猛暑の間にツアー参加する時は、この曲で涼をとりたいものです。

23曲目「
ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper_2

さぁ、最後は「ス・ト・リ・ッ・パ・-」だ!と柴山さんがギターをチェンジするのを確認しようとしましたが、柴山さんに動きはなく、持っているギターモデルまではよく見えません。あれえっ「ス・ト・リ・ッ・パ・-」じゃないのかな、と思いましたが、どうやら後で聞いた話では、前曲「コバルトの季節の中で」の時点でお馴染みのジャズマスターに代えていたようですね。

で、ふと見ると依知川さんがベースを取り替えています。始まった曲はやはり「ス・ト・リ・ッ・パ・-」。
これは・・・なるほど、チューニング違いのベースを用意していてチェンジしたってことか!
推測ではありますが解説しておきますと、これはね、キーを下げた曲を通常のチューニングで演奏した場合に、曲によっては生じることのあるフレーズや音の響きのニュアンスの変化を防ぐ意味があります。
おそらく今のジュリーは「ス・ト・リ・ッ・パ・-」のキーを1音下げて、ニ短調で歌っています。その場合、通常チューニングのベースでオリジナルと同じ運指をするなら、冒頭から登場するキメのフレーズ(「でんででん、でんでん♪」ってやつね)を1弦7フレットから演奏せねばならず、高くて細い響きになってしまいます。
そこで、あらかじめ「ファ・ド・ソ・レ」でチューニングしたベースを使えば、オリジナルのホ短調と同じフレット、フレージングでニ短調の演奏ができる、というわけ。
お正月のこの曲ではそこまで気づかなかったけど、同じようにしていたんじゃないかな。

この手法では、依知川さんがこの曲でどの部分を強調し前面に押し出したかったか、も推し量ることができます。興味が湧いた僕はこのドタン場で再度カミさんから双眼鏡を奪いとり、依知川さんの演奏をガン見。
すると、「俺のすべてを~♪」の箇所を3弦開放で突き放しながら、楽しげに髪をわっさわっさと振り乱す依知川さん。依知川さんはこの開放弦の鳴りが好きで、押していきたいんですね、きっと。

やはりこの曲にはベースの音が似合います。これは「カサブランカ・ダンディ」同様、ジュリーも歌っていて「おぉ、やっぱり違うな!」と思っているはず。
例えば、「見たい~♪」でギリギリと声を伸ばす時、ベースのリフと重なるのがとても気持ち良さそうな歌声に聴こえるんですよね。
あと望むとすれば・・・パワー・コードでシャッフルのリズムを刻むギターをもう1本加えた(もちろん下山さん)、フロント4人並びの横揺れ「ス・ト・リ・ッ・パ・-」を体感したいものです。いつか実現しますように。


メンバー紹介から、「ジジィでした~!」。
「ジュリー」のイントネーションで「ジジィ」ではなく、リアルな「ジジィ」の発音に、会場からは「え~~っ!」とクレーム(?)の悲鳴と、大きな「ジュリー!」の声援。
最後はスキップしながら退場したジュリーでした。

☆    ☆    ☆

ツアー初日が東京国際フォーラム、というスケジュールも定着してきました。
これが渋谷公会堂、NHKホールあたりだと激戦の抽選になりますからね・・・予定が空いていても必ず参加できる、とは限らないわけで、「なんとしても初日行きたい派」の僕はフォーラムに助けられています。
今回も、「良席なんて望まない、ただ初日に参加したい」思いは叶えられました。感謝しかありません。

2016年のツアーは大盛況の開幕となり、ジュリーはこの広いフォーラムで弾みをつけて、全国各地各会場をこれから駆け抜けていきます。
そして今年はそんなひとつひとつの会場が「世がどうあろうと、ここは特別な場所。平和な場所」との思いでジュリーは臨むつもりのようです。素敵なことです。
その場所にツアー初日から駆けつけた僕らファンを「浮世離れしている」とジュリーが言ってくれたこと・・・最高の褒め言葉だと思っています。

どうやらレポを書き終わりそう、と思いながら気がついてみれば、お盆前の公演は結城、相模大野の2会場を残すのみとなっていました。
ジュリー達は夏休みを挟んで、お盆明けのツアー再開は僕も参加する大宮公演からとなりますが、僕が本館でネタバレ解禁の大宮レポをupするのは8月末となります。その間の八王子、三木、大阪フェス、福岡、君津・・・と続いてゆく各会場に参加されるみなさまのご感想は、引き続きside-Bのこちらの記事にて、コメント楽しみにお待ちしていますよ~。

あ、それから気になっていることがひとつ。
NHKホールの抽選結果って、もうハッキリしているのでしょうか。我が家にはまだ何も来ないんですけど、落選通知以外で、「第2希望に振り替えました」通知を受け取った、というかたはいらっしゃいます?
と言うのも、どうやら僕は追加のお知らせがあったツアー千秋楽・フォーラム公演には仕事の都合で参加できそうもないんですよ・・・。となると、僕の今ツアー参加は9月頭のNHKホールで早くも終了、という淋しい状況になってしまうんですね。
ならばむしろ落選して第2希望とした10月の深谷の方が・・・なんて勝手なことを考えてしまうわけですが、いやいやそんな贅沢を言ってはバチが当たりますか。
大変失礼いたしました。

本館の大宮レポート執筆までしばしのお別れです。
大宮はとても良い席を授かりましたので、相当に暑苦しいレポートになると思います。いつもいつも、しつこい大長文で申し訳ないです。

明日は8月6日。何の日かは言うまでもないでしょう。
僕とは社会的な考えが真逆の友人は、毎年きちんとこの日を覚えていて、誰に言われるでもなく欠かさず祈りを捧げています。
僕も同じことをします。「自分はどういう気持ちで祈っているか」をしっかり考え整理しておくことで、異なる考えを持つ友人との「話し合い」は成立するのです。
3.11と同じように、僕らが忘れてはならない日付です。
その当日、ジュリーは結城公演でどんなステージを魅せてくれるでしょうか。

それでは、少し早いですけど・・・みなさま、よいお盆休みをお過ごしくださいませ。

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2016年7月24日 (日)

『un democratic love』開幕!

いよいよ始まります。
今年もまた、超人的なスケジュールで夏から秋へと駆け抜けてゆくジュリー。全国ツアー・タイトルは新譜と同じ『un democratic love』。

僕は今回、初日フォーラム、8月の大宮、9月のNHKホール(抽選に外れた場合は10月の深谷)の3会場を申し込みました。問題は、先日インフォで届けられた追加公演、オーラスのフォーラムです。
ここ数年と同じくツアー千秋楽は11月3日でしたね。予想はしていたんですけど、僕は仕事の関係で参加できるかどうかが微妙な状況。2年に1度の大行事である『楽器フェア』(東京ビッグサイト)の開催前日・・・つまり搬入日と重なっているんです。
これからのスケジューリング&根回し(笑)次第となりますが、いずれにしても参加は申込締切日である8月8日近辺の、ギリギリの決断となるでしょう。

もしファイナルへの参加が叶わずツアーへの参加が3公演なら3公演で、それだけでも本当に贅沢な楽しみですし、少ない回数のぶんだけ1公演1公演に集中し、ジュリーの歌を全身で感じたいと思います。

セトリ予想シリーズに書いた曲以外でマークしている(僕にとっての)レア曲は、「さよならをいう気もない」「グランドクロス」「あなたでよかった」といったところ。
またセトリ常連曲だと、加瀬さんのことがあって特別な選曲となった昨年を例外として、ここ数年ジュリーはお正月に採り上げた曲をそのまま夏からの全国ツアーにスライドさせてくる傾向があるので、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」「サムライ」「カサブランカ・ダンディ」の3曲は「誰もが知る大ヒット曲」としてセトリ入り有力と見ます。地方会場の地元のお客さんは嬉しいでしょうしね。
「麗人」は個人的にはまた聴きたいけど微妙かな~。

大ヒット曲の中で意外やご無沙汰となっているのが「時の過ぎゆくままに」。
順番的にはそろそろ歌われる頃合なんですが、僕には「ギター1本体制」で演奏されるこの曲のイメージがまるで沸きません。
これはセトリ常連曲のひとつ「いい風よ吹け」についても同様です。
でも2曲共セトリ入りすること自体は不思議ではないので、実現したら演奏に注目したいです。


それぞれの地方公演については、みなさまのご感想を各所で拝見するのが楽しみ。
新装・沢田会館(ロームシアター京都)や王道の大阪フェス、東北各会場や九州・福岡公演など、ジュリーの様子が気になる地方公演が今年も満載。あとは何と言っても三木公演。三木労音さんには拙ブログを2度にわたりツイッターで紹介して頂き感謝感激の中、関東の片隅から公演の大成功をお祈りしています。
それぞれ、どんなステージになるのかな・・・。
今年もガンガンみなさまの感想コメントを頂けますように。よろしくお願いしますよ~。

初日のレポート執筆にとりかかるのは、28日以降になるかと思います。それまでの間、ロームシアター公演のご感想も含め、みなさまの感動のお声をこの記事にてコメントお待ちしています。

さぁ、会場では目一杯の拍手と適切なマナー、被災地とそして平和への祈りをもって、今年もジュリーの全国ツアーを応援していきましょう!
まずは初日フォーラム。
僕は、限りなく最後方に近くの限りなく端っこに近いという席ではありますが、「会場の誰もセットリストを知らない」という初日独特のあの雰囲気を楽しめるだけでも本当に幸せなことです。
張り切って行ってまいります!

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2016年2月 2日 (火)

2016.1.6東京国際フォーラムA 沢田研二『Barbe argentée』セットリスト&完全レポ

今回は執筆に1ヶ月弱もかかってしまいましたが、ツアーも無事に終わってから、ようやく『Barbe argentée』初日公演のレポートが完成いたしました。
いつものように、更新日付を執筆終了日に移動させて頂きます。
お読みくださったみなさまには、いつも以上に長々とおつきあいをお願いしてしまいました。どうもありがとうございました!


☆    ☆    ☆


正直驚いた。
初日に参加した方々の心中を察するよ。本来いるべきところにいるべき人がいないわけだから。
仰る通り我々は鉄人バンドしか知らないからね。免疫も無い分そりゃショックは大きいし複雑。
それだけ鉄人バンドは日常の光景だったってことだね。サウンドはもちろんキャラクターも4人絶妙なバランスでさ。

けど、ロック・ミュージシャンって基本は転がる石じゃん。
下山さんも、自分のライフワークを納得するところまでやりきったら戻ってくるんじゃないかな。
つーか戻ってきてまたジュリーの曲で変態ギター聴かせてくれ!
まだ俺は鉄人バンドを食べつくしてないマンジャーレ!


(以上、今回も始まった「メールでYOKO君に週に1曲ずつセトリを伝えつつスコア研究する」シリーズ、『Barbe argentee』版第1弾の、YOKO君からの1月11日付の返信冒頭文より)

そうかぁ、そうだよねぇ・・・。
何の前触れもなく姿を消すのも下山さんクオリティーなら、ふと見たら何の気配もなく再びステージに立っている・・・それもまた下山さんクオリティーのはず。
だって霊だから・・・。

今は、そんな日が来るのを信じよう。
ジュリーが今回新たなメンバーと決めたのは、「代わりのギタリスト」ではなくて、 あの依知川伸一さん・・・ベーシストだったのですから。
下山さん、いつでも戻ってこれるよね?



今回はレポ本文に着手するまで、大変、大変長らくお待たせしてしまいました。
下山さん不在、依知川さん復帰の新体制で2016年のスタートを切ったお正月LIVE『Barbe argentée』。
いざレポを書き始めるまで、盛り上がったり、落ち込んだりと気持ちが揺れまくった1週間でした。

1月6日、仕事を早退して駆けつけたフォーラム。
まず入場してバンドのセッティングを確認した時には「えっ、マジかよ・・・」と。
下手側、サウンドチェックのためにスタンバイしていたのはベースが2本。その後着席して隣のカミさんに「セッティング、ベースだ」と言ったら「見間違いじゃないんか?」と言うので、念のため開演直前にもう一度ステージ前まで確認しに行って・・・まじまじと見たけれどやっぱりベースで。
でもね、この時点で「心の準備はできた」とは思っていたんだけれど。

依知川さんが加わった新たな編成のステージが始まり、1曲目が正に「ベースありき」の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」。そのままグイグイ引き込まれて、「やっぱりベースはイイ、厚みが全然違う!」と大興奮して。
僕はセットリストに新鮮さを求めるタイプですから、これまで何度となく聴いてきた「ス・ト・リ・ッ・パ・-」「サムライ」「カサブランカ・ダンディ」のようなセットリスト常連の大ヒット曲も、ベースが加わった今回はまったく違う感じに聴こえて、「最高のステージじゃないか!」と。
打ち上げでも依知川さんのベースを絶賛しました。だって依知川さん、僕が今まで生で演奏を観てきたベーシストの中で2番目に「凄い!」と思ったほどのインパクトだったんです(1番はブロックヘッズのノーマン・ワットロイ)。個人的な感覚ですが、かつて観たアトラクションズのブルース・トーマスよりも、LOSERの建さんよりも、この日の依知川さんのベースは強烈に感じました。

ところが、数日経って「さぁ、レポを書くか」となった時・・・新たに加わったベースの音よりも、「無くなってしまった音」のことばかり思い出している自分がいました。
何だこの感覚?
筆の速さだけが取り柄の僕が、最初の一文を全然書き出せない・・・下山さんのことをどう書けば良いのかさっぱり分からん!という予期せぬ事態に。

それを救ってくれたのが、冒頭に付記したYOKO君のメールだったりするわけですが・・・最高のステージだったからこそ、複雑な感情に往生しまくりました、今回は。
しかも、フォーラムが終わってしばらく経ってから時間差でそれが来ましたからね。
自分はあくまでジュリーファンであって、バンドの真ん中にジュリーが立っていれば万事オッケーだと思っていた・・・はずなのにねぇ?

初めてのジュリーLIVE参加が『ジュリー祭り』だった僕にとって、バンドメンバーのチェンジはまったくの初体験。人生観まで変わってしまった『ジュリー祭り』で僕は、あの鉄人バンド4人の音でジュリーに堕ちたんだなぁ、と今改めて思います。
ただ、「ジュリーのバンドにベースがあれば」というのもまた、長年の願望でした。これはYOKO君も同じ。
「やっぱりベースが入ると違うなぁ」と僕は今回強くそう思いましたし、お客さん皆そうだったでしょう。
それはきっと、ステージで歌うジュリーも。
そして柴山さんも泰輝さんもGRACE姉さんもそうだったと思います。それがロックバンドですから。

でも、ベースレスの鉄人バンドは、2015年の時点でもう古今東西比するもの無し!というレベルに達していました。まがりなりにも邦洋様々なロックを聴きまくり、仕事絡みではいわゆる「売れセン」の音も一応はまんべんなく聴いている僕がこれは断言できる・・・鉄人バンドみたいな凄いバンドは、唯一無二だと。
だから、いつしか「ベースレス」の意識は(少なくとも僕は)消え去っていたかなぁ。

それにね、鉄人バンドの中で「ベースがあれば」と最も強く思っていたのは、根っからのロック・ギタリストである下山さんだったのでは、とも思うんですよね。
その下山さんが今ここにいない、という・・・。
泰輝さんとのジョイント・ライヴの時だったでしょうか、「家出していたキーボードが帰ってきたと思ったら、今度はベースが家出した。どうすればいいんですか私は!」と下山さんは言っていたんでしたっけ?

2016年、遂に再びベースを得たジュリー、そこに他でもない下山さんがいない、ということは・・・。
まだまだこの先があるんだ、と僕は考えたいです。
叶うかどうか分からないけれど、下山さんが帰ってきて、ベースの依知川さん含めた完全無欠にして最強形の「新生鉄人バンド結成」を僕は待ち望んでいたい。

だから今回のレポで僕は、依知川さん復帰の歓びも、下山さん不在の寂しさもどちらの気持ちもつつみ隠さず、新たに加わったベース音のカッコ良さだけでなく、今回は無くなってしまったギターの音の断固たる素晴らしさについても、初日のステージを観て僕が気づいた限りすべてを、書き留めたいと思います。

いつも以上に収拾つかない大長文レポートになってしまうかもしれないけど
「収拾なんてついてなくていいんじゃない?DYさんの今の気持ちのままに書いて欲しい」
とメッセージをくださった敬愛すべき先輩もいらっしゃるし、既にコメントでも暖かいお言葉をたくさん頂いてしまったし・・・とにかく魂を込めて書きます。

今回は変テコな感じの枕になって、ごめんなさいね。
それでは気をとり直しまして・・・ここからいつものようにセットリスト順に参ります。
開演!



1曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

依知川さん復帰のツアー・セットリスト、その初っ端が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」とはニクい。
ベース復活!をまず押し出すのであれば、これに勝る選曲は無いでしょう。

まず第一に、鉄人バンドの「ス・ト・リ・ッ・パ・-」では、下山さんがギターでベースラインを弾いていましたから、僕もこの時点では「鉄人バンドの演奏でこれまで耳馴染んだ、鳴っているはずの音の不在」の寂しさは(音については)まったく感じませんでした。
そのパートが本来のベースの低音で再現されたわけですから、いやとにかくド迫力です。シャッフルのスピード感も、ベースがあると凄いですしね。
でも、YOKO君は冒頭のメールの続きで今回の「セトリ1曲目」について、こう書いていたのです。


本来「ス・ト・リ・ッ・パ・-」で鳴るべき音が加わるわけだから、そりゃロックするよね。 けど、今までその穴をカバーしていた鉄人4人のコンビネーションに改めて感服するよ。

そういうことなんですよね、逆に。
この曲をベースレスで何度も演奏していたのか、という驚嘆。それを改めて噛みしめられたこと。

イントロが始まるや、柴山さんと依知川さんが左右ステージ前方にせり出してきてジュリーと3人横並び。ここで依知川さんの存在に初めて気がつきビックリされたお客さんも多かったのでしょうか。
初日のこの日は、まだまだ新体制での緊張感もあったのかな・・・柴山さん、依知川さんはせり出してはいたけどお馴染みの横揺れはありませんでした(控え目にやっていたのかもしれませんが、僕のいた31列目からではその辺りは何とも・・・涙)。
でも、これは公演回数を重ねれば変わってくるかもしれません。初日はステージを観ながら下山さんの横揺れの姿を思い出さずにはいられませんでしたけど。
『CROQUEMADAME & HOTCAKES』の時みたいに、またジュリー、柴山さん、下山さん、依知川さん4人並びの横揺れ「ス・ト・リ・ッ・パ・-」が観たいなぁ・・・。

初日不参加だった長崎の先輩が、「そう言えば10年前にも「オーバチェア」アリの「ス・ト・リ・ッ・パ・-」で始まったツアーがあった」と仰っていました。
調べましたら、2006年の『俺たち最高』ツアーがそうでした。なるほど、「10年」か・・・僕はその先輩に教えて頂いて依知川さんの書かれたエッセイを読んだばかりなんですけど、「10年」の歳月というものには依知川さんも色々と思うところがあるようです。
このことについては、恒例の”セットリストを振り返る”シリーズ、「お気楽が極楽」の記事で書きますよ~。
以前から「三大壁曲」なんて言ってた曲ですけど、僕は今回ちゃっかり克服しましたからね!

そして、この「ス・ト・リ・ッ・パ・-」の時点でもうね、ジュリーの声が若い若い!
サビの高音部で声がひっくり返るようなことも無く本当に気持ち良さそうに歌っていましたから、ベースラインの心地よさもあって、グイグイと引き込まれました。
ともあれ、いつもDVDで観ていた通りのハイレベル、ハイテクニックでデッカイ依知川さんが、変わらぬ腕と姿でジュリーのバンドに帰ってきてくれました。
豪快な鏡獅子ベース、バッサバッサと健在です!

2曲目「
希望

Ikitetarasiawase

先にセットリストだけ明記した段階で早速先輩からご指摘のコメントを頂き修正をかけましたが、この曲のタイトルは単に「希望」ではなく、「希望
」。
「きぼう・へいわ」と読むべきなのでしょう。

僕としては、昨年のお正月LIVE『昭和90年のVOICE∞』でようやく生で聴けた(『奇跡元年』で一度体感していますが、あの時は「知らない曲」だったんですよね・・・)本当に大好きな曲。
「LOVE & PEACE」の血が沸き立つ曲です。2年連続で聴けるとは嬉しい!

やはり今年もジュリーは「平和」を歌ってくれる・・・それが今ジュリーの切実なまでの「祈り」であることを、会場のファンはこの先のセットリストで実感することになるのですが、ここでは僕は心から楽しんでこの大好きな名曲に酔っていました。
もちろん昨年のお正月同様に、お客さんも全員でジュリーの「L→V」に合わせます。
サビでは「V」のポーズを何度も繰り出したジュリー。
最後はバンドのフレーズに合わせて拳を握り、ラスト2音でその拳を上げてのエンディング。素晴らしい!

さて、依知川さんが登場した「ス・ト・リ・ッ・パ・-」で僕は今回のセットリストについて、「ベースレスのスタイルでリリースされた曲(2006年のアルバム『俺たち最高』以降の曲達)は披露されるのか?」に興味を移していました。早くも2曲目で来ましたね!
この曲自体はよく知っていたとしても、すべてのジュリーファンがこの日初めて聴くアレンジ。
依知川さんは「希望
」に重厚なエイト・ビートの新たなベース・パートを加えてくれました。凄まじいまでの安定感です。8分音符の粒が全然フラフラしないんですよ。

音階移動も爽快にして強烈。
例えば「届けよ、MUSIC♪」直後のドミナントを半音上から下降する進行・・・これははからずも、昨年の『こっちの水苦いぞ』ファイナルで最後の最後に皆で歌った「想い出の渚」について僕が記事中で「加瀬さんのフェイント」と書いた、「いつまでも♪」の箇所と理屈は同じです。その半音下がりのライン(シ♭→ラ)をベースで豪快に上塗りされて、最高に心地よかった!
また、「歌に祈り込め♪」からのロングトーンのルート小節頭打ちも、ズッシンズッシンと胸から足元にまで響きます。このベースの頭打ちがあると、リスナーはその都度「起点」を与えられて、ジュリーの歌の後ろで裏メロを弾く泰輝さんのピアノの上昇→下降が強調され自然に耳に飛び込んできます。

しかしその一方で「無くなってしまった音」もあります。
例えば、Aメロ冒頭の

Img6063_2

この下段に記してある(殴り書きの譜面ですみません)サイドギターのシャキシャキなカッティングは、とうとうこの日再現されることはありませんでした。
これまでは、ツアーによって柴山さんが弾いたり下山さんが弾いたりしていた、「隠し味」的なギター・アレンジ。白井さんが施した「ベースレスのギター2本体制」ならではの音で、僕はとても好きな箇所でした。ジュリーのヴォーカルが切れると同時にこのカッティングが噛んできて、密やかに曲全体が盛り上がるんです。
無いと、やっぱり寂しかった・・・。

でもね、この日の演奏を聴くと依知川さんのエイト・ビートは本当にブ厚くてガッチリ芯が通っていますから、初日の手応えを得た柴山さんは、大阪以降の会場でこの箇所をパワー・コードのダウン・ストロークからカッティングに切り替えるかもしれません。
今回、初日一度きりの参加となってしまった僕はそれを確認する術がない・・・残念です。

そんなことも含めて・・・ジュリー、全国ツアーのセットリストにこの曲をスライドさせてくれないかなぁ?
僕はこの曲の痛快なジュリーの「LOVE & PEACE」を、この先何度でも聴きたいのです!

~MC~

ジュリーのツアー・タイトルの発音は「バルブ・アンジャンテ」と聴こえましたが・・・合ってるのかな?

「まずは・・・」
とジュリーが紹介してくれたのが
「新しい・・・と言いますか、復帰してくれたメンバーです。依知川伸一!」

獅子の長髪をなびかせ、大きく手を振りにこやかに声援に応える依知川さん。改めて(いや、僕は生では初めて観るんだけど)・・・デカいです!この体躯で空手とかやってるんだから、今や敵無しでしょうな~。

「あとは、お馴染みのメンバーですんで・・・」
と、紹介を省略すると見せかけておいて
「失礼しました」
からGRACE姉さん、泰輝さん、柴山さんと順にコールしてくれたジュリー。
「このメンバーで務めます!」
と。
ここは最近のステージでは「鉄人バンドともども・・・」と言うのが定番でしたから、「あぁ、下山さんがいないと鉄人バンドじゃないんだ」と、改めて寂しさが・・・。

「この日を心待ちにしてくれて、ありがとうございます。ホントに、こんな年寄りのコンサートにねぇ・・・あ、みなさんも年寄りでしたか!」
には会場爆笑。
すかさず
「ただいま、不穏当な発言がございました」
とおどけて一礼してくれたジュリーなのでした。
「不穏当」って表現が何ともジュリーらしいなぁ・・・。

お客さんも固唾を飲み微妙な雰囲気で待ち構えていた(のかな?)最初のMCでしたが、ジュリーは元気な笑顔で新年の第一声を届けてくれましたよ!

3曲目「
砂丘でダイヤ

Boukyaku

これは2011年お正月の『BALLAD AND ROCK’N ROLL』以来の体感になるんですけど、これまたベースが加わってずいぶん印象が変わりました。
それは単にCDに近くなった、というだけではないのです。後ノリの引きずるようなGRACE姉さんの生のドラムスがメチャクチャ生きる!

やはりベースレスだとリズム・パートとしてのドラムスが孤立する感覚というのはどうしてもあって、特に「砂丘のダイヤ」のような曲ではその傾向が強かったのではないでしょうか。と言うのは・・・。

「砂丘でダイヤ」は数えきれないほどあるジュリー・ナンバーの中でも、「スロー・テンポ」ということなら筆頭格でしょう。
比較しやすい洋楽ブルースで言えば、例えばエリック・クラプトンの「イット・ハーツ・ミー・トゥー」のテンポが「♪=70」。「砂丘でダイヤ」の場合はガ~ン!と一斉にロック・バンドの楽器が鳴っていながらにしてそれに比するほどのテンポとなりますから、パッと聴いただけでは「遅い」というイメージは抱きにくい人の方が多いかもしれませんね。
でも実際は相当に遅いわけで、「遅さ」を「重厚さ」に代えて聴かせることをこの曲の生演奏は宿命づけられているのですね。そのひとつがGRACE姉さんの後ノリのドラムスと言えますが、依知川さんのベースが今回それを完璧にサポートしています。
例えば、「ひとつダメな時は♪」からのヴァースでは、GRACE姉さんの刻みはシンバルの内円部に移行します。「キン、キン・・・」と鳴るその高い音は、ベースがあればこそ聴き取りやすいですし、威力もあります。

ベースには歪み系のエフェクターもかかっていたように聴こえましたが、自信はありません。
もう一度聴けば分かるのに・・・無念、NHKホール行きたかったな~。

ジュリーのヴォーカルも凄い。身体のキレや動きは同じ3連の「ハートの青さなら 空にさえ負けない」と似ていますが、発声は全然違いますよね。「砂丘でダイヤ」の場合はルーズに「殴り立てる」感じかなぁ。ジュリーの声の出し方は、歌詞を重視しているはずです。
ヤケクソ状態がここまでカッコイイ男・ジュリー。特に「砂丘でダイヤ」のような曲は、今の年齢で歌う方がより男っぽく、より色っぽいのかもしれませんね。

柴山さんの、1本指で2弦ぶんをセーハするフレット移動もカッコ良かったです。
にしても、『忘却の天才』の頃の曲のギター1本体制再現って、特に大変そうだ・・・。

4曲目「
届かない花々

Croquemadame

これはもう、生で何度も聴いている・・・もちろん大好きな曲ですし、「平和」をコンセプトとするセットリストにするならジュリーとしても外せない1曲。
やっぱり来たか!の思いと同時に、イントロから早くも「鉄人バンドと違う」の感覚はありました。
GRACE姉さんのゴースト・スネアにピタリと重なった「跳ねる」ベースライン。「そうそう、届かない花々って、CDだとこうなんだよな~」と。

『CROQUEMADAME & HOTCAKES』を購入してこの曲のレコーディング音源を初めて聴いた時(その時まで、タイトルを「届かない花束」だと思い込んでいました恥)、大好きなロン・セクスミスの「ディーズ・デイズ」を連想したのは、イントロのベースラインが強く印象に残ったからでした。
依知川さんの加入で本来のこの曲の形に戻ったんだ、と感動しながら聴いていたフォーラム。ところが、日が経って無性に思い出されるのは、「無くなってしまった」音・・・アコギのストロークだったんですよね。

この曲だけじゃないけど、大きなモーションで奏でられていた下山さんのアコギの存在感。
鉄人バンド・ヴァージョンの「届かない花々」は、最後のAメロ直前に、アコギだけが鳴ってる箇所が大きな見せ場だったじゃないですか。僕は毎回、下山さんのアップ・ストロークに魅せられていました。
ピックを掬い上げるように弦をかき鳴らして振り上げられた右手。「弾いている」箇所以上に、振り上げた状態で休符の箇所をやり過ごす下山さんの、呼吸までが伝わってくるかのような腕のしなり。
あそこはやっぱり、「下山さんのアコギ」で僕のイメージは固まっていたみたい。

一方、楽器の音以外の変化・・・とにかく素晴らしかったのが依知川さんのコーラスです。
DVDで観ていた頃から思っていましたが、依知川さんはベースの低音のみならず、コーラス・ワークでもバンド全体の厚みを担っています。
まだ僕は声そのものの判別まではできていないけど、依知川さんはかなり太い声質ですよね?

ジュリーの「手をつないでみて♪」には、もう言葉が無いです。心からの祈り、平和の切望。
ジュリーは穏やかな表情で歌っていたけれど、僕はそこに「もう猶予はない。お願いだから手を繋いでくれ」と訴えかけてくる切迫した心境をも感じました。

5曲目「
アルシオネ

Kitarubeki

ここで、下山さんのこととは別に僕をひどく落ち込ませたニュースについて語らねばなりません。

先日のデヴィッド・ボウイの突然の訃報は、本当にショックでした。
18ケ月の闘病・・・全然知らなかった。ボウイは世間には何も言わずに、身を賭して、本当に「最後」かもしれない覚悟でニュー・アルバムに取り組んでいたんだ・・・。
1月8日にリリースされた新譜『★(ブラックスター)』。
死力を振り絞って作られたような音楽であり、歌・・・そんなふうに感じます。そしてそれは比喩ではなく、本当にそうだったんだ、と思うと胸をかきむしられます。

まだ10代の頃に『ジギー・スターダスト』を聴くやボウイの虜となった僕はその後、『スペース・オディティ』からほぼ時代順にボウイのアルバムを聴いていきました。
『スケアリー・モンスターズ』までのボウイは歌手として、作詞家として、作曲家として僕にとっては「絶対」の存在。その次の『レッツ・ダンス』はタイムリーで聴いたんですけど、波長が合わなくてビックリ。何度も聴き直したけどその時は結局ダメで。
そこから先のアルバムは購入せずにレンタルやラジオで聴くに止め、聴き込みが足りなくなりました。
でも2013年の『ザ・ネクスト・デイ』(大名盤!)をきっかけに少しずつ『レッツ・ダンス』以降のアルバムもキチンと買い始めて、今さらながら良さが分かってきて。

僕は訃報の前日、現時点でキチンとした形で所有していなかったボウイのオリジナル・アルバム『アースリング』他4枚を「この機会に」と纏めて密林さんでポチして、「これでボウイは完全制覇!」なんて考えていました。突然の訃報は、そんなタイミングでした。
「今年、またボウイが新譜(『★(ブラック・スター)』を出してくれた。ボウイは70才に向けて再び躍動を始めたぞ!」と思っていた矢先。
ニュー・アルバムをファンに残して、その2日後に天国に旅立ってしまうなんて・・・こんなに切ない、悲し過ぎる「カッコ良さ」なんてあり得るのか・・・あんまりだ!

何故僕が「この機会にボウイを全部揃えよう」と思ったのか・・・それはジュリーが「アルシオネ」を歌ってくれたから、に他なりません。
ヒヨッコ・DYNAMITEは初めて生で体感する曲でした。

存在自体をデヴィッド・ボウイと比較される日本人なんて、ジュリー以外考えられません。
純粋に「音楽作品」としてジュリーとボウイの共通点を考えた時、まずアルバムならば『彼は眠れない』『単純な永遠』の2枚。
ボウイをリスペクトしている吉田建さんの「らしい」アレンジもさることながら、「虚構のスーパースターを演じる生身の人間を演じる」という二重構造、反骨精神と社会性は、サエキけんぞうさんを中心とする素晴らしい”言葉使い師”達による作詞世界を以って、『ダイヤモンドの犬』或いは70年代後半の「ベルリン三部作」あたりのボウイ作品と比較考察するのもアリではないでしょうか。
拙ブログでは早速”セットリストを振り返る”シリーズで「彼は眠れない」のお題を予定しています。

一方、「楽曲」単位でのオマージュと言えば、何をおいてもこの「アルシオネ」です。
「スターマン」を愛している人ならイントロ一発でそれと分かる・・・アコギの鳴り方も、スネアのフィルも。
作曲者である銀次さん、アレンジの白井さんの徹底したボウイへのリスペクトは痛快です。
フォーラム後、先輩から教えて頂き銀次さんのフェイスブックを拝見すると、そこには「スターマン」以外に「スペース・オディティ」「時の過ぎゆくままに」のタイトルも挙がっていて、僕は「あっ、なるほどそうか!」と。
銀次さんはきっと
「This is ground control to major Tom♪」

「時の過ぎゆくままに~♪」
という両曲の強烈なサビのメロディーが、偶然同一のコード進行に載っていることを探り当て、それが「アルシオネ」作曲のヒントにも繋がっていると思います。

今回ジュリーが「アルシオネ」を歌ってくれたことを本当に喜び感激されていた銀次さんでしたが、ボウイの訃報には一転、絶句するしかなかったでしょう。

銀次さんが、ボウイの姿を重ねつつジュリーに捧げた大名曲「アルシオネ」・・・まさか、僕のような『ジュリー祭り』デビュー組が生で聴ける日が来るとは。
印象的なアコギ・ストロークをかき鳴らしていたのは柴山さん。僕は最初の時点では、柴山さんが普通の体勢でアコギを弾いてるように見えていたんですよ。スタンドにはまったく気づきませんでした。
ジュリーの入魂(としか言いようがない・・・ここでもジュリーの「平和」への渇望を感じた僕は間違っているのでしょうか)のヴォーカルに聴き惚れていたら、アコギの音が不自然な箇所で途切れました。
ん?何だ・・・と思ったら、いつの間にやら柴山さんがエレキを持ってるじゃないですか!
あぁ、下山さんの魂が受け継がれている・・・なんて考えるのは大げさですか?
ギター2本体制であればあり得ない、柴山さんの姿。
依知川さんのベース、泰輝さんのストリングスによるアンサンブルは、ギターの音が途切れた一瞬を完璧にフォローし、柴山さんのソロへと繋がっていきます。

今ツアー、初日フォーラム1回きりの参加となってしまった僕にとっては、「最初で最後」なのかもしれない「アルシオネ」の生体感。
その僅か数日後に知らされたボウイの訃報。
一度きりの体感になったとしても、僕はこの日の「アルシオネ」を生涯忘れることはないでしょう。

6曲目「
光線

Sinpurunaeienn

「アルシオネ」から続いてこれ!
ジュリーのセットリストは、曲想であったり歌詞であったり、何か共通のコンセプトを持つ曲を連続で繰り出すことが多いです。今回の「アルシオネ」→「光線」はさしずめ「SF繋がり」といったところじゃないですか?

「光線」はセトリ常連とまでは言い切れないけど、ジュリーは定期的に歌いたくなる1曲のようですね。僕にとっては2010年お正月の『歌門来福』以来2度目のツアー体感となりました。
「遠未来」の情景は、「アルシオネ」の「浮上」から重厚な「巡廻」へと変化します。今だから思うのは・・・この曲もデヴィッド・ボウイを彷彿させるんですよね。
まぁ、「シンクロニシティ~♪」の箇所ではやっぱりポリスを思い出しちゃいますけど。この「シ~ティ~♪」のジュリーのヴォーカルが、伸びるような、それでいてブッた斬るようなニュアンスで痺れます。

『歌門来福』での鉄人バンドの演奏については、細かいところまでは覚えていないのです・・・。
ツアーが終わってからCDで復習した際、エンディングのコーラス4回し目だけがギターとユニゾンしていることに気づいて、どんなふうに再現していたのかな?と地団太踏んだことを思い出して、今回はその点注目して待ち構えていましたが、さすがにギター1本の体制では割愛されていました。
でも、間奏(この曲はここだけ長調!なんと鮮烈な構成でしょうか)で柴山さんがカッ飛んできてソロを弾いてくれるシーンは変わらず。
また、サビでジュリーが「Run」「Jump」「Out」「Cut」に合わせて鋭いアクションをキメて一瞬ピタッと静止する
あたりも確か『歌門来福』通り・・・カッコ良すぎます。

GRACE姉さんのドラムスに合わせて閃光のような照明がステージを切り裂く変則7拍子の箇所では、『歌門来福』の時は会場の手拍子が「おっとっと!」みたいな感じになっていた(裏拍で打ち続けていると次の小節の頭からズレちゃうんです)ことを覚えていますが、今回の初日のお客さんは手拍子よりも身体でノッていた人が多かったかな。
僕の前のお席にいらしたお2人連れ、「光線」
は大好物の曲だったようでノリまくっておられて、背中を見ていてこちらもつられて身体が動いてしまいます。
こういう状況は本当に楽しいです!

吉田光さんの作曲作品は本当にLIVE映えします。
いつか、一度で良いから「恋がしたいな」「Shangri-la」を生で聴いてみたいなぁ。


7曲目「麗人

Royal3

初っ端のスネア3打で分かった!
ようやく、ようやくです。「麗人」。思わず隣のカミさんに「やっと聴けた~!」と。

昨年の「恋のバッド・チューニング」と同じく、終演後にお会いした先輩方から「えっ、DYさん初めてだったの?」と言われましたが、そうなんです。『ジュリー祭り』のセトリからも外れ、その後「そのうち歌ってくれるだろう」と思い続けて毎回待ち望んでいたのにセトリ入りを見送られてきたエキソティクス期のヒット曲。僕もやっと生の「麗人」を体感することができました。

何度かブログにも書いていますが、僕はまずジュリーの「ルックス」という点で一番惹かれるのがこの曲。当時の「男装の麗人」みたいな衣装が、逆にジュリーの「男性」を際立たせているんじゃないか、というイメージは、みなさまとはちょっと違う・・・のかな?
テレビでもタイムリーで観ていました。クラスメートに「ス・ト・リ・ッ・パ・-」より「麗人」の方がイイ!と力説していたっけ。いや、もちろん「ス・ト・リ・ッ・パ・-」も当時から大好きだったんですよ。でも中学生男子で「麗人推し」ってのが自分でも気に入ってたりして。

それにしても67歳・ジュリーの「麗人」は、い~~や~~カッコ良かった!
「あれもタブー、これもタブー♪」のアクションは言わずもがな・・・何と言っても「アアァ!」ですよ。失禁するかと思うほどカッコ良かったです。

まったく初めて生で聴く曲ですから、新生バンドのアンサンブルにも「これが鉄人バンドだったら・・・」という違和感はまったく無し。
「たったひとつ、愛するだけ♪」の箇所のGRACE姉さんの鬼のキック16連打、聴きましたか?
凄いです。このキック連打の素晴らしさはCD音源でのユカさんの演奏でも味わうことができますので、みなさま是非聴き直してみてください。
で、LIVEになるとドラムス以上の音量で柴山さんが「ガッガッガッガッガッ・・・♪」とダウン・ピッキングでキックとユニゾンしてくれます。凄まじい緊張感・・・その直後にジュリーの「あ~いするだけ~♪」(←「あ」の発音の挑発っぷりが凄い!)から「アアァ!」が来るわけです。
泰輝さんの”神の両手”によるストリングスとピアノの「一人ユニゾン」攻撃も最高!

ねぇジュリー、僕は今回、ツアーオーラスのNHKホールに行けないんですよ・・・。
まさかこれが僕にとって最初で最後の「麗人」なんてことは・・・ないですよね?
また歌ってください。できれば今年の全国ツアーのセットリストにスライドさせて~!

8曲目「
女神

Royal80_2

GRACE姉さんのハイハットの細かい刻み、薄く流れるストリングスっぽい音色。
そんなイントロが始まってカミさんが「これ何?」と聞いてきて、ひと呼吸置いて頭にタイトルが降りてきました。「め、女神だこれ!」
いなや噛み込んできた、「チャララッ、チャララッ、チャララッ、チャ♪」に大興奮。

いやいや、麗人は「やっと」だったけど、「女神」
は「まさか!」でした。
ジュリーはもうこの曲は歌わないかもなぁと何となく思っていて、考察記事にもそう書いていたっけ。
それにしても何だこの「光線」→「麗人」→「女神」の漢字2文字タイトルの連続攻撃は。素晴らし過ぎる!

「女神」って、オリジナル音源では(もちろん狙いあってのことですが)ベースが全然目立たないんですよ。
ところがこの日の生演奏は・・・依知川さんのストイックにすべる指使いから繰り出されるシンプルなラインが、何と美しく響いたことか。
特に「どちらを選ぼうと~♪」の後の「ミ~ファ#~ソ~♪」(今回演奏のキーは下げていたようですが、オリジナル音源のホ短調の音階で表記しました)の上昇フレーズがビッシビシと胸に来ます。
柴山さんのハーフ・ディミニッシュも、なんだあの独特のフォーム・・・2弦~5弦で弾いてる?

ジュリーのヴォーカルは、もう何と表現して良いのか。「エロい」だけでは言葉も足りないような気がします。神話のような気高さを感じました。
「棘」とか「爪」とかいうフレーズをこんなふうに肉感的に歌い、伝えられる歌手が他にいるでしょうか。
ただ、エロいことは確実!
僕のような感性に劣る男性ですらそれが分かる、官能ほとばしるヴォーカルでした。

ジュリーは最後の最後に「スッ」とひざまずいてのエンディング。「求愛」と言うにはあまりに圧倒的、挑発的、俺様的な服従のポーズです。
「挑発的な服従」なんて普通あり得るのかな?
ジュリー、やっぱり普通じゃないですね!


9曲目「愛は痛い」

Samosutatto

柴山さんのバンジョーっぽいアコギ・アルペジオをフィーチャーしたキャッチーなイントロが来て、僕は
「ああっ、そっちですかジュリー!」
と。

そう・・・申し遅れましたが、DYNAMITEの正月LIVEセトリ予想記事は今回も見事当たらず、全敗記録をさらに更新したのでした。
ホント、正月コンに関しては、今まで1曲たりとも当たっていないという(涙)。
ただ、これまでは「カスリもしない!」という感じだったんですけど今回はね、アルバム『サーモスタットな夏』からの予想曲ということで、「オリーヴ・オイル」か「愛は痛い」の二択で最後まで迷っていたんですよ。
「オリーヴ・オイル」の予想記事中でも、可能性が高いのは「愛は痛い」の方だと思うけど・・・な~んて書いてますから。ね、ね、書いてるでしょ?
・・・って、何の自慢にもならん(泣)。

この日は、GRACE姉さんのフィルからイントロ演奏が始まるやすぐに手拍子をリードしてくれたジュリー。
僕は「愛は痛い」を『BALLAD AND ROCK'N ROLL』で体感しているけど、あの時は手拍子してましたっけ?
「ミネラル・ランチ」でのジュリーの手拍子リードは覚えているんですけど。

さて、その『BALLAD AND ROCK'N ROLL』での「愛は痛い」で印象に残ったのは何と言っても間奏・・・柴山さんと下山さんによる、ツイン・スライド・ソロでした。
これはオリジナルのレコーディング音源のアレンジを忠実に再現したもので、白井さんのアレンジ・アイデアはおそらくジョージ・ハリスン「マイ・スウィート・ロード」へのオマージュです(ジョージも箇所によって2トラックのソロを重ねてツイン・スライドに仕上げています)。

残念ながら、今回はこのツイン・スライドが再現不能。
ギター1本体制となった今回の間奏では、柴山さんが1小節ほどを依知川さんのベース・ルートに任せてアコギ・スタンドを離れ、背中に装着していたSGをクルリと正面に回してボトルネックを弾き始める、というスタイル・・・見事、と言うほかありません。
確かに下山さんとのツイン・スライドが無くなってしまったことは寂しい・・・それでも柴山さんのソロは、優しく力強く、説得力充分のスライド演奏でした。単音のはずなのに、下山さんが弾いていた3度の音までが聴こえてくるような・・・。
スタンドのアコギからエレキへ、という匠の技を下山さんから引き継ぎ、神々しいまでの孤高のソロ。
だって、あんなに忙しくしているはずなのに、僕にはSGをクルリとスタンバイする時の柴山さんの動作が、まるでスローモーションのように見えたんです。
超一流のアスリートがあまりになめらかな動きで難易度の高いことをしている時、不思議にゆっくりに見えることってあるじゃないですか。この曲の柴山さんの演奏に僕はそんな印象を受けましたが、みなさまはいかがだったでしょうか。

依知川さんの16ビートのベースもグッときました。
穏やかな曲ですが、ベースラインもギター同様に結構動き回っているんですね。

10曲目「
君をのせて

Acollection

新編成のこの曲では柴山さんがアコギを担当。スタンドは使わず、最後までアコギ1本で通します。
すなわち、鉄人バンド・ヴァージョンの間奏・・・泰平さんのストリングス→柴山さんのリード・ギター→泰輝さんのピアノというリレーは無くなり、泰輝さんがこれまで柴山さんの弾いていた2小節までストリングスで引っ張り、ピアノへ移行するスタイルに変わりました。
やっぱり寂しい気持ちがこみ上げます。間奏が始まって、お客さんの拍手にジュリーがバンドに手をかざして応えるシーンが、そのままだっただけにね・・・。

でも、依知川さんのベースは魂入ってました。
気づかれたかたも多いと思いますが、依知川さんの鏡獅子アクションは、激しい曲よりも静かなバラードの方が繰り出す頻度が高いようです。”ロングトーンを弾いている時に「バサッ」とやって間合いを測っている説”が有力と見ましたがどうでしょうか。

柴山さんのアコギの見どころは、Bメロからサビにかけてのストローク。
下山さんは「じゃ~んじゃっか、じゃ~んじゃっか♪」と弾いていましたが、柴山さんの場合は「じゃんじゃかじゃか、じゃんじゃかじゃか♪」と弾きます。
3連符を強調する細かいストロークで、モーションが小刻みになるのが特徴。同じ曲の同じパートでも、演奏者によって違うものなんだなぁ・・・。
オリジナル音源のアコギ・トラックを確認してみますと、間奏前半は下山さん、後半は柴山さんのように弾いていました。

ジュリーは今回も最後に腕をクルクル回して、優雅なお辞儀ポーズを見せてくれました。見慣れた光景ですが、ちゃんと一連の動作を3連符の演奏に合わせてキッチリのタイミングで終わらせているんですね~。
転調後の声も伸びやかで、(曲数をカウントしていた僕としては)あぁ、セットリスト前半の締めくくりにふさわしい10曲目「君をのせて」だなぁ、と思ったのでした。


~MC~

10曲目まで書いたところで、ギックリ腰による執筆中断。お読みくださっているみなさまには1週間以上もお待ち頂くことになり、すみませんでした。

再開はこのMC部からです。
すっかり時間が経ってしまい、MCの内容なんてほとんど覚えていない・・・かと言うと意外やほぼ覚えてます。いや、アンコール前のMCはすっかり細かい部分を忘れていますが、「ちょっと待ってね」から始まった「我が窮状」前のジュリーの言葉は覚えているんですよ。
僕が「知りたい」と思っていたことを話してくれたからでしょうか。そして、やっぱり僕など到底及ばぬ視野を持っている人なんだなぁ、と感激したからでしょうか。

ジュリーは基本「色々な考え方があっていい」と思っていますから、押しつけるようなことは話したくない・・・あくまで歌を聴いてそれぞれ考えて欲しい、というのが根幹にあると思うんですよね。
ですからMCで政治的な話をする時は、どうしてもオブラートにくるんだ表現になります。
そんな中でも「これだけは」という本音の吐露も確かにあって、この日で言うとまず

「考えてないと思ってるの?」

これですね。
「Prayだけではダメだ、Thinkしないと」という言葉に、強い反発を示したジュリー。

ジュリーがどこでどのようにこの言葉を知った(或いは言われた)のか・・・それは僕らには分からないことですが(ジュリーは具体的な発言者を胸に置いて話しているように感じられました)、僕について言えば、この「think」云々の言葉を知ったのはパリの事件の直後だったように記憶しています。
それ自体は真面目な言葉ではある、と思います。でもそこから連鎖して「平和平和と言う奴は、結局何も考えていない」などという考え方と同義的に使われていたのが、今も胸に鈍く突き刺さったままです。
それを言うなら、昨年「国際平和支援法案」だの「平和安全法制整備法」だのと体よく「平和」を連呼していたこの国の現与党から、今年になって「平和」という言葉がまったく出てこないのはどういうことか、と。
現与党の中、それが「think」故でそうなっている人と、そうでない人がいると僕は考えます。残念ながら今の日本の一番上の2人には全く「think」を感じませんね。

まぁそれはひとまず僕個人の考えとしまして。
ジュリーは言います。
「考えても考えてもどうしようもなくて、どうにもならなくて、祈るしかない。どうにもならないから普段はそういうことも横に置いて、ただ懸命に働くしかない。間違いなく、この国を形づくっているのはそんな人達」
だと。
今、声を上げている若者達についても触れてくれて
「そりゃあ、期待はしているところはある」けれども、(親指とひとさし指2本で小さく隙間を作ってみせて)「人数にしたら、こんなもんや」
と。

だからジュリーは、「この国を形づくっている」人達に向けて、「リラックスして(次の「我が窮状」を)聴いてください」と言ったわけです。
新聞報道の中に「ジュリー、若い世代にエール」という記事があったけれど、初日のMCについては実際はそうではなくて、ジュリーはほぼ同世代のお客さんにエールを送っていたんだ
、と僕は思っています。
そして、ジュリー自身もそうなんだ、と。
考えても考えてもどうにもならなくて、ただ懸命に働いている人達の中にジュリー自身もいる、と。
「今日なんて、たまの楽しみやもんな?」
と、日々懸命に働くお客さん達に優しい言葉をかけてくれた後、「僕も同じだよ」という意味で

「ワタシも、このトシで歌うのが楽しいんですよ!」

と話してくれました。
つまり、ジュリー自身も今日のこの日を楽しみに待っていた・・・それが分かって僕らファンは本当に嬉しく、印象にも残ったジュリーのMCでした。

「リラックスして聴いてください」とジュリーが言った時にはもう、次の曲が「我が窮状」だと分かりましたね。


11曲目「
我が窮状

Rocknrollmarch


昨年の『こっちの水苦いぞ』ツアーを体感していれば、ジュリーの「ちょっと待ってね」が何よりも気持ちの面で大切な時間、次に歌う曲への切り替えに必要な時間であることが分かるし(特に僕の場合は川越公演を直に観ていますから)、この初日も曲数をカウントしていて、10曲目「君をのせて」の後に「ちょっと待ってね」が入った時に「いよいよ後半、ここからツアーのテーマ本質の曲が来るぞ」と思いました。
今回の「我が窮状」はその最たるもので、「ちょっと待ってね」から「リラックスして聴いてください」への繋がりはいかにもジュリーらしい「間」だったと思います。

「我が窮状」をセットリスト9曲目以外で採り上げる場合、ジュリーにどんな意図があるのでしょうか。
思い出されるのは2012年、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアー。この時はまだ前半、後半の間に休憩があった時期で、あのショッキングな新曲4曲がセットリスト前半の最後に固められ、そのまま休憩へ。まだ新曲の重い余韻が残る中、後半スタートは「約束の地」「君をのせて」「我が窮状」「時の過ぎゆくままに」が立て続けに歌われました。
そのバラード4曲の心洗われてゆく感覚を僕は「憑き物落とし」と書いたんですけど、当時そんな役割を担った「我が窮状」も、今回は真逆のインパクト。
あの時と同じく「君をのせて」に続く配置なのに、受ける印象は全然違います。

ジュリーの「リラックスして聴いてください」は心からの言葉だったとは思いますが、僕は同時にそれが強い警鐘のようにも感じました。
この曲のような純粋なジュリーのメッセージが、「普通には」捉えられなくなってしまっている今の世の中ですからね。この数年で、一気にそうなった・・・。
ジュリーは「自分が普通にこの歌を歌い、皆普通に聴いてくれる」世の中を望んでいるんだろうなぁ。

さて、「我が窮状」は伴奏が泰輝さんのピアノ1本ですから、バンドメンバーの変化による違いはまったく感じないのか、と言うとそんなことは無いわけで。
下山さんと依知川さんが1人変わっただけで、コーラスの聴こえ方が全然違いましたよね。

僕は鉄人バンドの「我が窮状」でさえ、どのパートが誰で、ということはまったく分かっていない(女声のGRACE姉さんのパートが部分的に認識できるくらいのレベル)くらいですから、今回もじゃあどのパートが依知川さん、とはまだ言い切れなんですけど、以前と印象が変わったのは明らかにバリトンだったんですよ。ですから、バリトン・パートが下山さんから依知川さんに変わったんじゃないかなぁとは思っています。
全体的にコーラスの厚みが以前より増しているように感じたのは、依知川さんの声量が大きいからでしょうか。ポンタさん達とのバンドでは、依知川さんはリード・ヴォーカルとしても活躍されているようです。

この曲がセトリ入りする度に思うのは、ジュリーがこの曲を歌わなければならない社会情勢であればあるほど、ジュリーの歌が素晴らしくなってゆく皮肉。
MCで色々と考えさせられた直後だったせいか、僕はジュリーの美しい発声の中に切羽つまったギリギリの感情をも想像してしまいましたが、ステージに近い席で観ていらした先輩のお話では、ジュリーは歌いながら優しい微笑みの表情だった、とのこと。

この日の素晴らしい「我が窮状」にジュリーの笑顔を重ねられなかったとは・・・。
被災地への祈りの歌を聴く時もそうですが、ジュリーが歌を通して目線を同じくしている人達の存在を、僕はもっともっと考えなくてはならないようですね。


12曲目「
F.A.P.P.

38

ここから3曲、「鉄人バンド期」に入ってからリリースされたナンバーが続きました。いずれも鉄人バンドが作曲・アレンジし、ジュリーが「自分が歌いたいこと」をハッキリと打ち出して作詞した曲達です。
僕にとっては、タイムリーな「新曲」としてCDもLIVEも体験し、「ギターが2本鳴っている演奏を観ることが当たり前」の3曲だっただけに、バンド編成の変わった今回は、印象がずいぶん違いました。

まずは「F.A.P.P」。
元々ベースレスでアレンジされ、しかもホ長調から嬰ヘ長調、イ長調と目まぐるしく転調する複雑な進行・・・これを1本のギターで再現するのは本当に大変!
それでも柴山さんは、ハイ・ポジションの単音とローコードを使い分け、2役を成立させます。
Aメロでは「E→B→D→A」のフォーム移動が31列目から観ていてもハッキリ分かるほどでした。

近年の「鉄人バンド・オリジナル」ナンバーを今回のバンド編成で再現する場合、おもに2つのアプローチが考えられると思います。

① バッキングのギター・パートをベースのルート奏法で補う
② 2本のギター・パートを柴山さんが担い、ベースは新たなフレーズを繰り出す

常識的には、このどちらか。
ところが今回のバンドは「F.A.P.P」からの3曲で、①と②の両方をやっていたんです。
これはまず第一に、柴山さんの活躍あってこそ。

依知川さんは、もちろん鉄人バンドのアレンジへのリスペクトもあるのでしょう・・・黙々とルート奏法のビートに徹していました。曲のイメージを壊さず、さらに重厚さをも加えた職人芸の演奏。充分、ギターのバッキング・パートにとって代わっています。
これなら、泰輝さんもGRACE姉さんもアレンジはそのまま、柴山さんはメイン・パートのギター・トラックをひとつ再現するだけで良かったはず。

それでも柴山さんは、2つのパートを弾いたんです。

もちろん、2人ぶんの音を同時に鳴らすことはできませんから、箇所箇所によってどちらかのパートを弾きます。表情や動きからは、柴山さんも余裕でやっているようには見えますが、実際には相当な難易度。

柴山さんがバッキング・コードを弾いてくれたおかげで、絶対音感の無い僕も今回の「F.A.P.P」がオリジナル・キーでの演奏だったことを、目で確認できました。
毎回書きますが、この曲の最高音は高い「ラ」の音。これまで、ジュリーがキーを下げて歌ったことに気がつけた曲で考えていくと、どうやら高い「ソ」の音の登場が移調の目安となっているものと思われます。
なのに、「F.A.P.P」を採りあげる時は毎回、絶対にこの曲のキーを下げないジュリー。
「原発」の「つ」が高い「ソ#」。「HAPPINESS LAND」の「は」が高い「ラ」で、「ぴ」が高い「ソ#」。
何故、頑固なまでにこのとんでもない高音をそのままのキーで歌うのか・・・それだけで、ジュリーのこの曲への気持ちが分かるようではありませんか。
(さらにこの日僕は、ジュリーがキーを変えるのは音域だけの理由ではない、という新たなシーンに気づかされますが、そのお話はまた後ほど)

「HAPPINESS LAND♪」のジュリーの高音にはいつも感動させられますが、MCの後を受けての「我が窮状」から「F.A.P.P」の流れは格別でしたね。


13曲目「若者よ

Namidairo


「どうにもならない」と「なんとかしたい」の狭間で。
指で小さく「こんなもんや」のポーズはあったにせよ、あのジュリーから「期待する」という言葉を引き出した若者達を僕はリスペクトします。
でも、若者とは言えないながらも僕のような世代も含めて、「ジュリーのその言葉に本当に適うのかどうか、真価はこれから」なんだろうなぁとこの日思いました。

期待して 期待して
やめられちゃ報われない ♪

そう、やめるわけにはいかないよね・・・。
昨年、ジュリーの詞がまるで予言であったかのように、一気に世論の的に踊り出た若者達。
「若者よ」に限らず、彼等にジュリーの歌は少しでも届いているのでしょうか。

2010年リリース当時の「若者よ」でジュリーは、「世直し」に挑むもチグハグな状況が続き呆れられつつあった政権と、世の若い世代の無関心・・・その多くの閉塞感を覚醒させようとしたのか、と昨年来僕は大きくこの曲の解釈を変えています。
だからこそ、現在の状況下で「やめられちゃ報われない」のフレーズがズシンと来た初日でした。

さて、この日の「若者よ」の演奏については、僕の気づきの順の都合で次曲「限 界 臨 界」の項で再度触れる点もありますが、ここでは柴山さんのギターについて書いておかなければなりません。
下山さんがいなくなって「ギターが柴山さんが1人で大変そうだな」というのは会場のみなさま一様に感じたことではあるでしょう。目立ったところでは「アルシオネ」「愛は痛い」でのスタンドを使ったアコギとエレキの切り替えシーンなどは、視覚的にもそれが分かりやすかったですよね。
そんなシーンに加えて、(一応)プレイヤー目線から見えた「ギター1本体制」での柴山さんの工夫と、素晴らしさについて少し書かせてください。
動きや表情だけだと分からないかもしれませんが、「若者よ」の柴山さんの演奏は、「アルシオネ」や「愛は痛い」よりずっと大変だと思われます。

「若者よ」のオリジナル音源は、鉄人バンド4人による(ほぼ)一発録り。それをジュリーのLIVEで再現する際、これまで特別な工夫は必要ありませんでした。ベースレス、ギター2本のレコーディング・テイクと同じように演奏すれば良かったのです。
しかし今回はギターが柴山さん1人。先の「F.A.P.P」の項に書いたように、この曲でも柴山さんが2役を担いましたが、実はこれ「見るのと弾くのとでは大違い」で、とんでもない大技です。
注目すべきは間奏部。

じゃらららっ、ちゃっ、ちゃ~ ♪
               ちゃらりららら~ ♪

従来の、下山さんのバッキング・パートと柴山さんのソロ・パートを時間軸で表記すると、上の通りです。
これを1人でどちらもやろうなどとは普通は考えない・・・いかな柴山さんであっても、ここは依知川さんのベースにバッキングを託したとしても仕方のないところ。
でも柴山さんは、両方のギターの音が鳴ってないと納得できないんですよ、きっと。
だって、「F.A.P.P」もそうだけど、これは柴山さんの作曲作品なのですから。
リフから作曲のアイデアを膨らませていくパターンの作品が多い柴山さんのことです。「若者よ」のバッキング「じゃらららっ、ちゃっ、ちゃ~♪」は間違いなく作曲作業の最初期段階から決まっていたフレーズでしょう。
柴山さんにとっては、曲の根っこだと思うのです。

バッキングとソロとでは何が違うのか。色々ありますが、一番は音の太さです。複数の弦を「じゃら~ん」と纏めて鳴らすバッキングと、1本1本の弦を単独で弾くソロの音が、同じ太さであるはずがありません。
ですからエフェクターなどと使って、「ソロ」のぶっとい音を作るわけです。その上でソロを弾く人とバッキングを弾く人が2人いれば、それぞれのエフェクト設定を違えて双方の音の太さのバランスがとれます。
ところが1人で両方となると、バッキングからソロへの切り替えの瞬間、何らかの方法で音の設定を変える必要が生じます。普通に考えられるのはエフェクターを「ふん!」と足で踏む方法なんですけど、僕の席からは柴山さんの足までは見えなかったんだよなぁ。

ただ、これまで「若者よ」の間奏では(下山さんのバッキングの間隙を縫って)元気よくステージ前方にカッ飛んできてソロを弾いてくれていた柴山さんが、今回のフォーラムでは定位置にとどまったまま。
エフェクターを踏んでいたにせよ何にせよ、それだけ大きな負荷を柴山さんが自ら望んで背負っている、ということだけは言えそうです。

そして、ステージを重ねるに連れいつか柴山さんは何か絶妙な手法を編み出し、再び前方にせり出してこの曲のソロを弾いてくれるのではないでしょうか。

そんな見所もあって、個人的には次の全国ツアーでも引き続きのセトリ入りを期待したい1曲です。

14曲目「限 界 臨 界

Kottinomizunigaizo

『こっちの水苦いぞ』ツアーを体感して、昨年の新曲4曲の中で一番好きになった曲。そして、「若者よ」と合わせてジュリーの感性の両輪のように感じていた曲。

これまで何度か「お正月には「若者よ」と続けてこの曲を聴きたい」と書いてきて・・・それがまさかの実現!いやぁイントロでは「ホントに来た!」と興奮しました。
と同時に、「あれっ?」とすぐに気がついたのは。
前曲「若者よ」と同じキーで演奏されている・・・?

絶対音感の無い僕でも、さすがに連続で2つの曲を聴いた時には、2曲のキーが同じか違うかくらいは、耳だけで判断できます。間違いなく、フォーラムの「若者よ」「限界臨界」は同じキーで演奏されていました。
「あれっ?」というのは、僕はこの2曲いずれも過去に採譜作業をしていて、それぞれのキーをハッキリ覚えていたからです。
「若者よ」はハ長調、「限界臨界」はロ長調。
それが今回同じキーで演奏されたということは、「若者よ」を半音下げているか、それとも「限界臨界」を半音上げているか、どちらかということになります。
慌てて柴山さんと依知川さんのフレット使いをチェックしますと、今目の前で歌われている「限界臨界」はオリジナル通りのキーのようです。「B」のコードは特徴がありますからこれは歴然。
ってことは、「若者よ」を半音下げているのか・・・。
「ジュリーがそこまで苦労するような高音域の曲だったっけ?」と思い帰宅して音階を拾ってみたんですけど、(ジュリーにとっては)全然高くないんです。高音も低音も、まったく問題なさそう。
つまり
「音域の都合でキーを変えているのではなく、移調には何か別の理由がある」
と結論づけるしかないんですよ。

演奏上の理由?違います。
ハ長調をわざわざ#がつきまくるロ長調に変えて都合の良くなる楽器は無いですから。
僕には

ジュリーが「若者よ」と「限界臨界」の関連性を強く押し出すために2曲を続けて歌い、キーも揃えた

としか考えられません。
ジュリーにとっては、2016年最初のLIVEで、そこまでしても「特に聴いて欲しい」2曲だったのでは?
今回のセットリストの中で、今の世の中に対してジュリーが特に声を上げて言いたいこと、その本気度を象徴するのがこの2曲の流れ・・・僕は今のところそんなふうに考えていますがいかがでしょうか。
「若者よ」という曲が無ければ、「限界臨界」のジュリーの詞はああはなっていなかった、と思いますしね。

依知川さんのベースはギターのバッキング・パートを見事にカバー。
「限界臨界」の進行は少しずつジリジリと下降してゆく和音が肝ですから、そのルート音のクリシェを重厚なベースで表現したアレンジには、耳慣れた音と違う違和感よりも新たな迫力、魅力、グルーヴを感じずにはいられません。
それは、ここでもキッチリとオリジナル音源の2つのギター・トラックを細やかに切り替え担っていた柴山さんの活躍あってこそ・・・言うまでもないですね。
初日は、昨年のツアーと比較すると、柴山さんが1箇所(2番Aメロ2回し目)コーラス・パートを割愛していましたよね?その後の会場ではどうだったのでしょうか。

間奏後のGRACE姉さんの凄まじいタム、泰輝さんの尖った音階の低音ストリングスは、CDだけでは味わえないド迫力。素晴らしい!

そして、淡々としたAメロを信じられないほど叙情的に歌うジュリー。
「限界臨界」はやっぱり素晴らしいロック・ナンバーですし、ジュリーの偽らざる思いがたくさん詰まっている名曲なんだなぁ、と思いました。

15曲目「マッサラ」

Kitarubeki_2

2011年お正月、『BALLAD AND ROCK'N ROLL』以来2度目のツアー体感でした。
あのツアーは初日の渋谷公演が新年の仕事初めの日と重なってしまい、泣く泣く欠席。必死でネタバレ我慢して名古屋遠征で聴いたんだったな~。
でも、あの時の「マッサラ」の鉄人バンドのアレンジがなかなか思いだせなくて・・・。フォーラムではこの曲を聴きながら「下山さんのギターの音はどんなんだったっけなぁ」と考えていました。

一方、年末に「オリーヴ・オイル」の記事を書いた時、僕はDVD『祝・2000年正月大運動会』を鑑賞、初っ端の「オリーヴ・オイル」→「マッサラ」というワウ・ギター連続攻撃に魅入ったものでした。
「オリーヴ・オイル」のセトリ入りはなかったけれど、「マッサラ」はその時「セトリ入りあるかなぁ?」と一応マークしていた曲で、当時メンバーだった依知川さんのベース演奏をはからずも予習できていました。
しかも、僕が今渇望している、鉄人バンド+依知川さんの5人体制のステージでの予習だったわけですからねぇ。本当に素晴らしいツアーDVD作品ですよ。
今回柴山さんは、オリジナル音源のアコギのパートとエレキのソロ・パートを繋げて弾く、という大活躍を見せてくれたけど、僕としてはいつかギター2本体制のこの曲で、アコギを弾く下山さんも観てみたい・・・基本これまではエレキなんですけどね。

GRACE姉さんのオープン・ハイハットを合図に、今回のアレンジは当然柴山さんのワウから。
足が見えなかったんですがペダル踏んでました?
それともオートフィルターのかけ弾きかな?

以前依知川さんがメンバーだった頃から、この曲のLIVEではベース・ソロがあるんですよね。
今回もやってくれました。次曲の「お気楽が極楽」(依知川さん作曲作品)と合わせ、ベース・ソロを擁する「マッサラ」もまた、ジュリーが依知川さんのために用意した選曲だったのではないでしょうか。
ちなみに、かつて依知川さんのベース・ソロをフィーチャーしていた曲はもうひとつ、「睡蓮」があります。こちらはもう、今年の全国ツアーのセトリ予想で自信満々に採り上げるしかありませんね~。
この場で執筆予告しておきます!

ジュリーは歌詞に詰まって苦心するシーンもありましたが、やはりこの曲も今のジュリーにとって「平和」のキーワードが重要な自作詞曲となっているでしょう。
愛する家族、仲間、思いを寄せる人々がいるからこそ、「君なしにはありえない平和な日」という状況の尊さを僕らに堂々と伝えてくれるジュリーなのです。

例の「一瞬終わり」のフェイク・サイレントには、分かっていても「おっとっと」となってしまいます。
曲が終わったと思って拍手を始めるお客さんも少なからずいらしたようですね。
僕はこの「マッサラ」では「そこまでは引っかからなかったけど、次曲「お気楽が極楽」では見事引っかかり拍手のフライングに加わってしまいました。
こんなところでも、ちょっとしたアレンジの共通点を以って2曲連続攻撃を繰り出してくるジュリーのセットリスト・・・特に初日はね、本当に油断なりません(笑)。


16曲目「お気楽が極楽」

Iikazeyofuke

ということでいよいよ、ある意味では僕にとって今回のセットリストの目玉ともなった「お気楽が極楽」。
これはね・・・何度も書いたことがあるので知っているかたは「ま~たその話か」と思われるでしょうが、これはかつて「DYNAMITE三大壁曲」(俗に「素肌極楽ハッピーニューイヤー」と言います)の一角。僕が長年苦手とし、なかなか好きになれなかったという貴重な(?)ジュリー・ナンバーのひとつでした。
しかしその後、2013年お正月の『ひとりぼっちのバラード』ツアーでのジュリーの熱唱を体感し、まず「涙のhappy new year」を克服。超えなければならない壁は残すところ2曲となっていて、今回僕は見事「お気楽が極楽」も乗り越えることができたのです。
てか、今まで何故こんなにも楽しい曲を敬遠していたんだろう?と思わせてくれるジュリーのLIVEは本当に凄い!ということなんですけどね。

セトリ入りの予想こそしていなかったけれど、直前の記事に「自分は参加できないけど、是非今回この曲を歌って欲しい」とコメントをくださった先輩がいらしたので(ありがとうございます!)、無意識に心の準備はできていたみたい。
しかも前列のお2人連れのお客さんがこの曲でノリまくっていらしたので、つられた僕は呆れるほど自然に、あっさりと壁を超えてしまいました。

「壁曲」だったということは聴き込みも足りていない、聴き込みが足りていないということは・・・凄まじく新鮮に聴こえた、ということ。「びよ~ん、びよ~ん」というサンプリング音(当然、ここでは打ち込みではありませんが)も再現され、いやぁ楽しい!
あとは、この場で長々と語るより、本館の”セットリストを振り返る”シリーズで、じっくり腰を据えて考察記事を書こうと思っています。

そうそう、依知川さん作曲作品の中からジュリーがこの曲を選んだ(他に、同じくアルバム『いい風よ吹け』収録の「インチキ小町」などの名曲もありますからね)意図ですが、個人的にはこの日

察しいいんだぞ
こたえるんだよね ガキに言われて ♪

という歌詞部が痛烈に胸に刺さったんです。
トリッキーな詞だけれど、このあたりはやっぱりジュリーらしい芯がハッキリ表れてるな、と。
そしてそれがリリースから時を経た今になって、現実に社会に響いてくる・・・ジュリーの今で言う「ガキ」に僕は心当たりがあるけれど、それはもういいかな。威勢のいい勇ましいこと言ってた割には、しょうもないことで消えてった政治屋のことなんですけど。
とにかく、いつの時代にもピタリと嵌るメッセージを、当たり前のように既に持っているジュリーはつくづく稀有な歌手であり、粋な詩人なんだなぁと思うばかりです。

先に「マッサラ」の項で書いた通り、僕はエンディングの「びよ~ん♪」一発の直前フェイントに見事引っかかって、拍手のフライング。
本当に新鮮で、楽しい時間でした。
さぁ残る壁は1曲。
いつでもかかってこい素肌!(←これは間違いなく、一度生で聴けさえすれば大好きになれます)

17曲目「彼は眠れない」

Karehanemurenai

「お気楽が極楽」に続き、これまた別の先輩がコメントにて「是非聴きたい曲」として挙げていらっしゃいました。僕自身の予想記事は毎回狙い目がトンチンカンなことになっているようでまったく的中しませんが、こうして予想記事を読んでくださっているみなさまそれぞれがツアーを楽しみに待ちながら、あれこれ「聴きたい」曲に思いを馳せている・・・その中に一緒にいられることが僕はいつも本当に楽しいです。
長いファンの先輩方の素直な「聴きたい」というお気持ちが今回は面白いほど実現して、僕も嬉しい!

この「彼は眠れない」では次に歌われた「ポラロイドGIRL」とは逆で、新たなバンド編成による演奏、アレンジがしっくりと身体に入ってきました。
Aメロ、ジュリーのヴォーカルのバックで鳴っている柴山さんのリフが、依知川さんのベース(決して目立ってはいない、それが重要なポイントです!)に載ってすごく生きるのです。ギターがシャキシャキ聴こえるようになるんですね。
もちろん、これまでの鉄人バンド・スタイルの「彼は眠れない」も素晴らしかったんですよ(2010年お正月の『歌門来福』では下山さんがこのリフを弾いて、柴山さんが低音のバッキングだったと思うんですけど・・・自信がありません)。でもやはりこの曲については
、ベースがあった方がジュリーも歌いやすいのではないでしょうか。

「アルシオネ」の項に少し書きましたが、僕はこの曲、70年代後半のデヴィッド・ボウイの作品世界に近いものを感じます。ジュリーの「ねじ伏せる」ヴォーカルの孤高なインパクトは、生のLIVEで一層際立ちます。
ボウイとの比較も含め、そのあたりは是非”セットリストを振り返る”シリーズでお題に採り上げる際に掘り下げてみたいところですね。

柴山さんの「大車輪弾き」も大きな見せ場でしたが、僕はそれがアップ・ピッキングかダウン・ピッキングか、どちらのヴァージョンだったのかを覚えていないんですよ(涙)。ピッキングによって大車輪の回転方向が違ってくるのです。
もう確認の術は無いのか・・・嗚呼、NHKホール、参加したかったです(泣)。

18曲目「
ポラロイドGIRL

Karehanemurenai_2

6日の初日からずいぶんと日が経っているのに、まだまだレポが執筆途中で・・・(汗)、この「ポラロイドGIRL」の項を書いている時点で、ツアーはもうオーラスのNHKホール公演を残すのみという状況です。
その間、大阪、名古屋、そして再度の大阪と、ジュリーのパフォーマンスはどんどん素晴らしくなり、ゴキゲン度も増してきているようですね。

何と言っても驚いた情報は、26日の大阪フェス公演、ジュリーはこの「ポラロイドGIRL」で「一緒に歌って!」と歌詞を替えてくれたんですって?
そんなシーンを体感できたみなさまがうらやましい!
今回のツアーは、ほどよく各公演の間が空いているスケジュールが良かったのかもしれません。ジュリーやメンバーの体調や準備・・・全員「常に絶好調」でそれぞれの公演に臨めているのではないでしょうか。
29日のNHKホールもきっと素晴らしいオーラス公演になることでしょう。いいなぁ・・・でも僕は、ジュリーのMCの言葉を胸に一生懸命働くよ!

今回のセットリスト中、下山さん不在で一番寂しかったのは個人的にはこの曲かなぁ。
バンド最大の見せ場であるサイド・ギターのカッティング・ソロは柴山さんがやってくれたけど、『ジュリー祭り』がジュリーLIVEデビューの僕にとって、やっぱりあれは(3回転ジャンプ含めて)下山さんのイメージで固定されていましたからね。

以前、ジャズマスター期なんかはこの曲も柴山さんのギター1本体制で何度も演奏されていますから、「あの頃に戻った」という考え方はできます。
しかし、ですよ。そもそもCD音源の「ポラロイドGIRL」って、何本のギターが鳴っていると思います?
エレキ3本、アコギ1本の計4トラックなんです。
それを1本のギターで涼しい顔して再現してしまう柴山さんが凄過ぎるんだ、という話。でも柴山さんも本音では「この曲は下山くんがいた方がカッコイイんだよな」とは思っているんじゃないかなぁ。

ただ、依知川さんのベースは素晴らしかった!
例えば、建さんの演奏は映像でしか観たことはないですけど、全然違いますね。
いずれも文句なく素晴らしい上で、の感想ですが、建さんのこの曲のベースはもう純粋に「オリジナル」なんですよ。「この曲はこうだから」というね。
でも依知川さんが弾くとまた解釈が違うわけです。「ダーリン、ダーリン♪」直前の音階が上昇する箇所などは、「ハイ、サビ行くよ!」とばかりに裏拍のアタックが強くなったりね。で、こういう時に依知川さん、無意識なのでしょうか、「バサッ」とやってくれます。

フォーラム、お客さんも盛り上がりまくっていました。ジュリーに合わせてジャンプする人も多数。
床が「どん!」って言ってましたよ。


19曲目「緑色のkiss kiss kiss

Pleasure

「希望」と同じく、昨年お正月の『昭和90年のVOICE∞』に引き続き2年連続のセトリ入り。
ジュリーの「歌いたい」気持ちが「LOVE & PEACE」に向いていることは明らかですね。

さて、この曲がセトリ入りした時は毎回のこと・・・今回も、各会場にご参加の先輩方から「どうしてもあの手拍子に合わせられない。何か良いコツはありませんか?」とのお尋ねをたくさん頂いています。
これまではなかなか返答に窮していたんですが、今回はズバリ!の方法があるんですよ。

依知川さんのベースを意識する!

これに尽きます(←「オーラスのNHKが終わってからそんなこと言われても~!」というブーイングが聞こえてきそう・・・今ココを書いているのは、NHKホール・関東1本締めの約3時間後です汗)。

「緑色のkiss kiss kiss」のリズムは「ボ・ディドリー風のジャングル・ビート」と言うんですけど、このリズム・パターンの曲って、手拍子と同じ
「たん、つ、たん、つ、たん、うん・たんたん!」
を表現する楽器は、基本的にベースなのです。
例えば、ジュリー・ナンバーで一番「緑色のkiss kiss kiss」に近いリズムの曲は、これ
(up主さまありがとうございます!)
建さんのベースが、「緑色のkiss kiss kiss」でジュリーが先導する手拍子と同じリズムを弾いているでしょ?
試しにこの映像に合わせて、ベースと同じリズムで手拍子を合わせてみてください。低音のサポートがあると、ビックリするほどやり易くないですか?

「緑色のkiss kiss kiss」の場合は元々ベースレスで編曲、演奏されたナンバー。作曲者でもある泰輝さんのピアノをフィーチャーした素晴らしいアレンジで、ボ・ディドリーのリズムはGRACE姉さんのキックがとんでもなく頑張っています。
それが今回、依知川さんのベースが入ってリズムの輪郭がハッキリしただけでなく、本来このリズムを擁する曲が持つであろう黒っぽさ、ブルースっぽさが強調されます。泰輝さんのホンキー・トンクな音階も、くっきりと聴こえるようになりましたね。

その一方で僕は、下山さん不在で「無くなってしまった音」への寂しさも大きかったです。
思い出すのは、イントロからゴリゴリに奏でられていた下山さんのスライド。
鉄人バンド編成のこの曲では、まずGRACE姉さんのドラム・ソロから泰輝さんのピアノが噛み、続いてギターが加わって音の厚みが完成。ボトルネックを構えた下山さんが、自身登場のシーンまでの間、GRACE姉さんのドラムスに合わせて身体でリズムをとってスタンバイしていたイントロのシーンを覚えているかたも多いのではないでしょうか。
下山さんのあの動きは

「たん、つ、たん、つ、たん、うん・たんたん(うん!)」

の、最後の休符の「うん!」を測っているのです。
下山さんのスライドの最初のタッチが小節の頭ではなく、直前の小節の4拍目の裏だったから、そんなシーンも見られていたわけですね。
そんな下山さんのちょっとしたプロフェッショナルの所作が、音も姿も見られないのはとても寂しい・・・。

新しく加わった音と、無くなってしまった音。双方の素晴らしさを思う日々は、まだ続きます。

20曲目「
サムライ

Omoikirikiza

凄い「サムライ」でした。これまで幾度となくLIVEで聴いている曲ですが、今回の「サムライ」は圧倒的なナンバーワン、オンリーワンです。
何が、どう違ったんだろう?

もちろん一番はジュリーのヴォーカルでしょう。
加えて演奏・・・理屈で考えれば要因はいくつもあるけれど、「それだけじゃない」という思いが消えないまま初日から数日が経って。しょあ様のレポを拝見したり、セットリストを順に1曲ずつCDで聴き直してツアーの全体像を探っていく中で、今回の「サムライ」の特殊な役割について本当に色々と考えさせられました。
そして・・・僕の妄想の中で、いつしか「ジェニー」は男性の名前にとって代わりました。

確かに、ここまで明確に「平和」を押し出したツアー・コンセプトのセットリスト本割の大トリが「サムライ」というのは、特殊な配置と言えます。
単に「誰もが知るヒット曲で体裁を整えた」なんてことは、ジュリーのLIVEでは考えられませんからね。ジュリーに何か思うところがあって、この位置に「サムライ」が配されたはずだ、と思うのです。

改めてこの曲のリリース時、僕のあやふやな記憶を何とか辿ってみますと・・・。
当時僕はまだ小学生。外国人のファーストネームを聞いて、それが男性なのか女性なのか、も判別できなかった頃に聞いた「サムライ」の歌詞に登場する「ジェニー」は、歌っているお兄さんの愛称「ジュリー」とゴッチャになっていました。
「ジュリー」と「ジェニー」。語呂が近くて、「名前の親戚」みたいに感じていたのかな。
小学生の男子が「流行っている曲」を何の気なしに口ずさんだとしても、歌詞の物語の細かい把握なんてとてもできていません。だから、ジュリーが「ジェニー」と歌う時、それはジュリー自身をさしているんだ、と勘違いしたこともたぶんあったと思います。

部屋に留まる「ジェニー」と、去りゆく「サムライ」。
あぁ、確かにフォーラムで体感した「サムライ」は、ジュリーと下山さんの物語ようだ・・・。

難しいことは全然分からない。でも、ツアー初日から幾日か経ってCDで聴き直した「サムライ」を、僕は初めて「男同士の歌」としてシリアスに聴けたんですよね。
同時に、やっぱり阿久=大野時代のヒット曲はとんでもなく凄いな、とも。
昨年のツアーが「KASESONGS」で、その濃厚なセットリストに気持ちが入り込んでいたからなのでしょうか・・・何だかすごく久しぶりに阿久=大野コンビの名曲を生で聴いた気がします。

演奏について言えば、依知川さんのベースを得た「サムライ」は本当に新鮮でした。
後でCDで音源を聴き返してみて、「なるほどなぁ」と。
「サムライ」のオリジナル音源は、正に今回のバンド編成にピッタリのアレンジですね。
特に演奏を意識しないで聴くと、最も耳に馴染むのは華麗なピアノの音。しかし、8分の12の4拍子で採譜した時、表の1、3拍を支えるベースの低音と、裏の2、4拍を切り裂くギター・・・この組み合わせがアレンジの肝なのだと気づかされました。
これまでの鉄人バンドの演奏では、コード・ストロークがベース・パートの代わりだったんですね。よくぞ鉄人バンドはベースレスであそこまでこの曲を再現していたなぁ、ということも確実に言えます。
ただ、冒頭のサビの後、2小節の伴奏部に忽然と依知川さんが鳴らした「レ」の音がもう、凄まじい衝撃で。
鳥肌が立ちました。

「サムライ」はいくつか手持ちのスコアがあるんですけど、どれを見ても、この分数コード(Bm(onD)」は単に「Bm」としか採譜されていません。ところがCDで聴き返すと、確かにルートは「レ」の音なんです。
ポール・マッカートニーとか、ブライアン・ウィルソンみたいな独特の音階移動。
依知川さんのベースを生で体感しなかったら、たぶん一生気づけなかっただろうなぁ・・・。

でもね、やっぱり演奏のことだけじゃない。今回の「サムライ」が以前と変わっているのは。
新たなバンド編成で「驚くほど印象が変わった」阿久=大野時代の大ヒット、今回は2曲。
僕の気持ちは、「カサブランカ・ダンディ」が「驚嘆」で、「サムライ」は「戦慄」です。
まずジュリーのヴォーカルが強烈に胸にぶつかってきて、バンド演奏への感動が後からやって来るような感覚。「サムライ」ってこんなに尖った歌だったのか・・・ジュリーのヴォーカルには、「男」が漲っていました。
67才?信じられない!

色々ややこしいことも書いたけど、本当に名曲・・・「サムライ」は、ジュリーだけに歌われること望み生まれてきた大名曲なんだなぁ、と今改めて思っています。
7月からのツアーで、また聴きたいなぁ・・・。


~MC~

こちらのMCは、もうほとんど覚えていません・・・。
でも、「我が窮状」前のMCとは一転、ホッコリと和む時間だったことは確かです。ここでは、覚えていることだけを短めに書いておくことにしましょう。

僕らファンにとってとても気になること・・・「ジュリーは今デビュー何周年なのか」についてのジュリー自身の考えを聞けたことはとても良かったです。
「2016年が50周年なのでは?」という説も昨年から多く聞かれましたが、ジュリー自身の考え方としては「まだ50年には達していない」と。
あくまでザ・タイガース「僕のマリー」でレコード・デビューしてからのカウントですね。
「その前のファニーズ時代はどうなんや?とも思いますが、まぁそれはナシということで」
とのことです。

長いファンのみなさまがカウント方法をあれこれ考えてしまうのは、無理もない話。
例えば、ちょうどデヴィッド・ボウイからジュリーへのメッセージについてこの記事でコメントを頂いていますが、それは「デビュー20周年、おめでとう!」という内容で、掲載されているのが1986年の『不協和音』。

Fukyou310

Fukyou312

Fukyou311


『不協和音』Vol.3(1986年夏号)より

この数え方をそのまま踏襲するなら、今年2016年が50周年ということになります。そのあたりがどうにもハッキリしない、というのが先輩方の悩みだったかと想像しますが、この日のMCでスッキリしました。
ジュリーのデビュー50周年は、来年の2017年です。
さらに言えば、ジュリーが「僕は今、何周年なんだろう」と話してくれたということは・・・「50周年」を意識しているということになるのでしょうか。
来年は何か特別な企画があるのかな?
ザ・タイガース再集結の実現は?それともジュリーはむしろ翌年の「古希」に照準を絞ってる?
・・・色々と楽しみにしながら待ちたいと思います。

いずれにしても「エンドレスで歌う」宣言をしてくれたジュリーには、本当に大きな拍手が。
「どうしても立っていられなくなったら、自分で身体を起こせるようなベッドをステージに持ち込んで」
と冗談っぽく言った後で、「それでも(その状態でも)歌えるのであれば、歌いまっせ!」と。
「みなさまも充分お身体には気をつけて」からのメンバー紹介で、和やかなMCは〆となりました。

「それでは、お年賀です!」

~アンコール~

21曲目「
遠い夜明け

Kitarubeki_3

席が遠かったからなのか、まずイントロのピアノが真っ暗なステージから聴こえてきて、次第にジュリーの周りだけが白く明るくなってきて・・・と、そんなシーンが今思い出されるのですが記憶合ってるのかな?

この曲はもう、ジュリーにとっては「マスト」。
『ジュリー祭り』以降もだいたい2年に1度のペースで歌われていますね。ところがYOKO君が以前この曲について「『ジュリー祭り』以降1度も聴いてない」と言っていて驚いたことがあります。言われてみれば、最近のセットリスト入りは結構お正月に偏っているかな(2010年は全国ツアーでも歌われましたが、あの年YOKO君はジュリワンの方に参加)。
ジュリーとしては、「新しい年を迎えての決意」として自然に「歌いたい」気持ちになる曲なのでしょう。

僕は「しなやかさ」も「したたかさ」もジュリーには相当感じている大きな魅力だとは思っていますが、この曲で毎回「うまくやれない、それでいい♪」と歌われるとね・・・ジュリーの潔さと言うか、人間に打たれる、と言うのか。身につまされるような感動があります。
この曲はバラードですが、オリジナル音源ではベースが相当効いてて(ヴォーカル、バンドネオン、ベースのミックス・バランスが肝ですね、この曲は)静かな伴奏の中で、弦を指がすべる音まで聴こえますよね。依知川さんはちゃんとそのあたりまで再現してくれて。
あと・・・ふとGRACE姉さんのハミングに耳が行ったのは、どの箇所だったかなぁ?


僕はよくこの曲を『ジュリー祭り』のDVDで観ることが多いので、「鉄人バンドの演奏とはやっぱり違うなぁ」とは感じたけれど、また今回新たな名演がジュリーの歴史に加わった、と思います。
こんなバラードと歌う人、他にいないですよね。

22曲目「カサブランカ・ダンディ」

Royal

今回のセットリストで依知川さんのベースが一番心地よかった曲はダントツでこれ!

鉄人バンドのこの曲の演奏は、リフ部については柴山さんと下山さんがオクターブ・ユニゾンのツイン・リード、歌メロ部では下山さんがベースのアタックと同じタイミングでコード・ストローク。それがあまりに完璧だったから、すっかり鉄人バンドのこの曲が馴染んでいたところに、この日はイントロから低音がガンガン来て、「うわっ!」と。
いやぁ新鮮でした。
改めて、この曲は「跳ねる」ビートが肝なんだなぁ。

Aメロなんかは、基本ベースは表拍を2つ打ちだけ。でも依知川さんのひと粒ひと粒の音の切り方(譜面では表せない!)は、ちゃんとハーフタイム・シャッフルのグルーヴがあるんです。
ベースの「弾いていない箇所」の表現って本当に大切だし、その点やっぱり依知川さんは凄い!
で、サビになると手数が一気に増えて・・・。
「あんたの時代は良かった~♪」のあたりでブッとい高音フィル。フレットレスばりに指がすべっていました。これはギターでは再現できない音ですね。
後追いファンの僕ですら、何度も生で聴いてきた大ヒット曲・・・今さらながらに、「こんなにカッコ良いロック・ナンバーだったか!」と思い知らされました。

でも、僕はこうして「初めてベースが加わったこの曲を生で聴いた」ことに気持ちが行って演奏の感動ばかりをずっと噛みしめていたけど、NHKホールに来ていらした銀次さんのブログ・レポート(みなさまももう読まれたでしょう)を拝見し、ハッとしました。
「我が窮状」から連なるセットリスト後半の「今」のジュリーの曲を体感すると、その後に続くメッセージ・ソングもヒット・ナンバーも、すべてジュリーの世界として何の矛盾もないんだ、と。
「カサブランカ・ダンディ」は「いま」の歌だった、と。

「30年ぶり」のジュリーLIVEだったと仰っているのに、何よりもジュリーの「本質」を2時間のLIVEで自然に感じとられるとは、銀次さんは本当に凄い・・・。
感性に劣る僕としては、せめてもう一度今回の「カサブランカ・ダンディ」を体感して、そのあたりをじっくり味わいたかったなぁ。

贅沢なこととは思えど、やっぱりジュリーのツアーは初日以外に最低あと1公演は参加したいです~。

初日、イントロでジュリーはまずペットボトルを「ぽ~ん」と宙に投げて回転させたんですけど、キャッチできずに「スカッ」と床に落下。
「ありゃ?」みたいな表情をお客さんに見せて一瞬固まったジュリー。おもむろにペットボトルを拾い上げるや、しなやかな動きで再度放り投げ、今度は見事クルクルと旋回するそれをキャッチしました。

最初に1度落とすのはパフォーマンスだったのか、それとも初日ならではのアクシデントだったのか・・・その後の会場ではどうだったのでしょうか?


23曲目「耒タルベキ素敵

Kitarubeki_4

僕よりもずっと年若いJ友さんが、こんなことを仰っていました。
「ジュリーの歌や仕草、身ぶりにはすべて体温がある」
と。
「だからジュリーの歌を聴いていると一緒に呼吸しているような気持ちになる」
女性の感性って、凄いですね・・・男性の僕に、そんなことは到底思いつけません。
でも、言われてみると本当にその通りなんですよね。

もちろん、ジュリーの「体温」について、その時々、人それぞれで感じ方は違うと思います。でもジュリーのLIVEに通い続けていると、「今日はゴキゲンだな」とか「ちょっと悩んでいるのかな」とか・・・その日のジュリーの温度が伝わってくる、感じとれる、というのはジュリーファンみなさん同じではないでしょうか。

今回の『Barbe aegentée』のジュリーの体温、みなさまはどのように感じましたか?
僕は初日のフォーラム公演で、熱病のような温度の高さを感じました。
最初は高熱を冷やしていたものが、セットリストが進むに連れて少しずつとりはらわれて、ラストの「耒タルベキ素敵」で燃えるほどの高温に達したようでした。
ジュリーの体温を上げていたのは、「平和への祈り」だと僕は思っています。

GRACE姉さんの凄まじいフィルに続いて、いきなりサビ部から始まった今回の「耒タルベキ素敵」。
いつAメロに戻るのか、と思いながら固唾を飲んで聴いていましたが、バンドメンバーの鬼気迫るコーラスから、ジュリーのサビの絶唱だけがリフレインします。

(La La La La La・・・)
何もいらない ぼくたちの夢が
この世の平和と告白したら みんな笑うだろうな


ジュリーがこんなふうに曲の構成を変えてくるのって、とても珍しいことですよね。
特別な大トリだったことは間違いありません。

2016年が明けて、まず一番にジュリーが歌いたいこと、伝えたいこと、訴えたいことが、覚さんのこのサビの歌詞に収束されていました。
それを単に「平和への祈り」と文字にしてしまうと安直のようですが、会場では、ジュリーの本当に心からの切実な祈りがお客さんすべてに伝わったと思います。
大切な「平和」が今揺らいでいる・・・何とかならないか、と考えて考えて「祈り」に至ったジュリーの歌。
アウトロの伴奏部で、「V」の字を指で作って

ピ~~ス!

と咆哮したジュリー。
こんなジュリーを観て、何もせずにいられるものか。
自分にできることをやろう!と思いました。
しょうもない1人の人間、とるに足らぬ1人の人間の力など、広大な砂丘の中の1粒の砂のようなもの。でもその小さな砂粒こそが、本当は輝くダイヤなのかもしれないんだよね。
僕も、そんなダイヤを1粒ずつ(1人ずつ)増やしていく努力を今からでもしてみよう。
・・・なんて書くとみんな笑うかな?


☆    ☆    ☆

2016年明けて6日の初日公演から、早くもひと月が過ぎようとしています。
下山さんのことを色々と考えてなかなか書き出せなかったり、また「魔女の一撃」を2年ぶりに食らうという思わぬ事態でも途中中断もあり、今回はずいぶん時間のかかったレポートでしたが、「中身が濃かった」ぶん時間をかけた、とも言えます。

僕は今回初日たった1度の参加となってしまいましたが、そのインパクトや感動は薄れるどころか時を経て増してくるばかり・・・。

昨年の『昭和90年のVOICE∞』に参加して漠然と「ジュリーの大きな変化の時期に、僕は初めてタイムリーで立ち会えている」と思ったものでした。
そして1年後の『Barbe argentée』・・・確かにジュリーは変わりつつある、と確信しました。
ジュリーの新章が始まったのですね。
このままゆったりと、ひそやかに変わってゆくのか、それとも(これまでも)度々ジュリーの言葉で語られている「70越え」を軸に、劇的な「新生」を遂げるのか。
「ひそやか」はジュリー流だと思う一方で、「劇的」もジュリーらしい、とも思います。
僕にはその道筋は予想すらできないけれど、とにかくもうジュリーから目を逸らすことはできません。
そのメッセージが、いかに痛烈であろうとも。

NHKホールに遠征でご参加の先輩お2人と翌日お会いする機会があり、ファイナルの詳しいお話を伺うことができました。
ジュリーはMCで、今年のこれからのスケジュールを話してくれたそうですね。

2月にレコーディング・・・ということは今年も3月11日のジュリーの新譜リリースは間違いないのでしょう。
当然コンセプ トは『PRAY FOR EAST JAPAN』であり、終わったばかりの『Barbe argentée』セットリストから「今ジュリーが歌いたいこと」を推し量るならば、新曲それぞれに『LOVE & PEACE』のメッセージもこれまで以上に強く刻まれるはず。

その後音楽劇『悪名』を経て、全国ツアーは7月からスタート、とのこと。
半年後ですか・・・長いなぁ。でも、この「待っている」日常の時間がきっと大切なんですよね。


『Barbe argentée』、素晴らしいステージでした。
今回、個人的に初の生体感となったのが「アルシオネ」「麗人」「女神」「お気楽が極楽」の4曲。
そして、まだブログで記事お題に採り上げていないのが「愛は痛い」「マッサラ」「お気楽が極楽」「彼は眠れない」「カサブランカ・ダンディ」の計5曲。
留守が長くなってしまった本館では、これからジュリーの新譜がリリースされるまでに”セットリストを振り返る”シリーズとして、この5曲の記事を書きたいと考えています。どうぞよろしくお願い申し上げます。

では、例によりましてこちら別館side-Bは再び、半年間の雄伏期間に入ります。
夏にまたお会いしましょう!


20160106

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2016年1月 4日 (月)

『Barbe argentée』開幕!

いよいよ1月6日、『Barbe argentée』開幕です。
ツアー初日に参加できる喜びを胸に・・・昨年のうちに
仕事の早退予約もとっており、準備は万端。

僕は今回、その初日のみの参加となりました。
月の最終営業日はどうしても早退できないためNHKホールへの参加を断念せざるをえなかったことはとても残念ですが、そこは参加されたみなさまのご感想で楽しませて頂くつもりです。
そのぶん、初日フォーラムはいつも以上に気合を入れて、ジュリー達のステージを目と耳に焼きつけます。

”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズでは、「ユア・レディ」「護られているI love you」「KI・MA・GU・RE」「オリーヴ・オイル」「WE BEGAN TO START」の5曲を採りあげました。なんとか1曲くらいは的中させて、お正月LIVEのセトリ予想全敗記録更新にストップをかけたいところですが、果たしてどうなるでしょうか。
これ以外・・・既に記事執筆を終えていた曲から期待しているのは、まずは多くのみなさまと同じく「銀の骨」。そして個人的にはガツンと「若者よ」。

それに、やっぱり再発されたばかりのEMIの作品群からの選曲にも期待してしまいますね。
CO-CoLO期の曲も聴きたい・・・『Barbe argentee』が「銀の髭」の意と知った時、ジュリーのこの言葉を連想した先輩方もいらっしゃったんじゃないかな?

Keeponrunning02

↑ 『Keep on Runnning』ツアー・パンフレットより

ということで、僕は「STEPPIN' STONES」を予習したりしています。

あんまり書くと、昨年同様に「全然かすりもしない・・・」なんていう事態となりそうですから(いや、それはそれでとても嬉しいんですが)、このくらいにしましょう。

レポはこちらside-Bに執筆します。
初日ということで、ひとまず全セットリストを先に明記しつつ、本文執筆途中の更新とさせて頂き、徐々に加筆してゆくスタイルとなります。
なにせ仕事初めの週の平日真っ只中ですから、最初の更新までには数日を要するかと思います。ひと足早いみなさまのご感想などは、この記事のコメントでお待ちしております。

ジュリーの歌声と共に2016年も本格的に始まります。
改めまして、本年もよろしくお願い申し上げます。

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2015年8月26日 (水)

2015.8.17東京国際フォーラムA 沢田研二『こっちの水苦いぞ』セットリスト&完全レポ

8月26日、ようやくすべて書き終えました~。
いや~、大宮までに間に合わなかったらどうしよう、と考えた時もありましたが、何とかなりました。
例によりまして、更新日付を執筆終了日へと移動させて頂きます。今回も長々とおつきあいくださりありがとうございました!

☆    ☆    ☆

みなさま!
フォーラムに参加の方それぞれ、とんでもないテンションで会場を後にされたかと思います。

凄かったですね~。
素晴らしかったですね~。
泣きましたね~。
そして、本当に楽しかったですね~。

ジュリー最高!
鉄人バンド最高!
もちろんGRACE姉さんもすっかりお元気になられたようで、4人のアンサンブルは当然ながら健在!

特に13曲目「こっちの水苦いぞ」での信じ難いギターアレンジの霊力、もとい役割分担については、僕はこれからレポ本編で下山さんだけでなく柴山さんにも土下座、最敬礼しなければなりません(考察記事中のLIVE演奏予想で「それは無茶」と書いていたことを、見事にやられてしまったのです)。
本当に驚きました。凄かった・・・あんなこと、鉄人バンドじゃなきゃできませんよ!

と、早くもフンコ~しておりますが。

例年ならば、お盆休みが過ぎた後の季節って何故かちょっと寂しい気持ちになるものです。子供時代の「夏休みももうあと少しだなぁ」という感傷の記憶が大人になっても残っているからなのかな。
でも、今年は違いました。
お盆が終わったらジュリーのツアーが始まるんだ、と夏が過ぎてゆくのがとても楽しみでしたし、いざ蓋を開けたら、あの言葉にできないほどの素晴らしいセットリストだったわけでしょ?
これからファイナルの11月3日まで、子供のようにはしゃいで過ごせそうです。

いつまでも夏休み、いつまでも子供心・・・。
「加瀬さん、ありがとう!」
その一言に尽きるツアー初日のステージでした。

本当に素晴らしかった・・・まさか、1曲目が始まる前から会場の皆が涙ぐんでしまうような演出まで用意されているとは思ってもいませんでしたが・・・。
やはり、加瀬さんを送るセットリストでした。
でもジュリーは過剰に感傷的にならず、加瀬さんがそうして欲しいと望んだであろう通り、明るく楽しく歌い、会場のお客さんを心からの笑顔に誘ってくれました。

最後の「海にむけて」では僕はやっぱり泣いてしまったけど(周囲のお姉さんたちのすすり泣きも聞こえました)、ジュリーはすごく爽やかに歌ってくれてね~。
歌心も、志も、加瀬さんへの思いも、当たり前だけどとてつもなく大きいんだなぁ、ジュリー。
そして、とてつもなく大きな悲しみを、ここまで爽やかな歌声に託せるなんて・・・僕らでは想像できないほどの深い愛情や信頼がないとできませんよね。


ちょっと個人的な思いになってしまうんですけど。
僕が今年のツアーで一番気がかりだったのは、故郷の鹿児島公演のことでした。
川内原発が再稼働し、しめし合わせたかのような桜島の噴火警戒レベル引き上げのニュース。桜島のマグマの状態なんて今年早くから既に色々言われていたのに、これじゃあまるで川内の再稼働を待ってから警戒し始めたみたいじゃないか、と。順序が逆だと、再稼働なんて話は吹き飛んだでしょうから。
普通ならそんなことは考え過ぎかもしれないけれど、今のこの国ではね・・・勘繰ってしまう。LIVE後にお会いした先輩が僕と同じようにお考えだったと知って、意外だったけど心強かったです。

そんな出来レースのような状況に真っ向から立ち向かうようにして、ジュリーは今年「一体誰のための再稼働なんだ!」と、鹿児島に歌いに行きます。
「自分の故郷で歌ってくれるジュリーが観たい」という思いを押さえ込み、結局僕は鹿児島公演参加を見送ったのですが(さすがに仕事のスケジュール的にもこの時期の休暇、遠征は無理が大きいのです)、ずっと「鹿児島で歌うジュリー」が気がかりでした。
17日のフォーラムを見るまではね。

「気がかり」というのは「心配」ということ。
鹿児島でジュリーが地元の世論に叩かれるんじゃないか、一部のお客さんにジュリーの社会性の強い歌を受け入れてもらえないんじゃないか、という心配。
しかし、そんな心配はまったく無用だと分かりました。

このセットリストをして、「政治的な歌を歌っているからダメだ」なんてお客さんがいますか?

あまりにも強烈な、痛烈なメッセージを持つ新曲4曲を、ジュリーは思いの丈をぶちまけるようにして歌い、被災地への祈りを捧げ・・・そしてその4曲を、加瀬さんの豪華絢爛な19曲がガッチリ護っている!
文字通り、全国各地公演で加瀬さんがジュリーを護ってくれるのです。もちろん鹿児島でも。

ツアーの大成功は、もはや疑いようがありません。

長いジュリーファンの先輩方にとっては、狂喜乱舞の青春時代完全復活。
僕のような新規ファンにとっては、「息も絶え絶え」「夢かうつつか」なレア曲攻勢で、70年代、80年代の名曲群の神々しい輝きを初体験。
今年のジュリー、最強じゃないですか?

ベテランの先輩方ほど、ツアー前に仰っていました。
「新曲以外は全部加瀬さんの曲じゃない?」
と。
ヒヨッコの僕は、「いや、そこまでは無いんじゃないかなぁ。近年の社会性の高いメッセージ・ソングは数曲入ると思うし、意外と加瀬さんの曲はアンコールだけ纏めてくるとか・・・」なんて考えていたんですよ。

たわけ!

と、少し前の自分をどやしつけたい。
「加瀬さん追悼」という言葉でメディアが書いているのは、まぁ間違ってはいないけどちょっと違うと思う・・・そういう形式的なことじゃないんだよね。
ましてや「美学」なんかじゃない。
東京ドームで初めてLIVEを観た時から、ジュリーはいつだってその時のジュリー自身の心のままに、気持ちのままにセットリストを僕らに届けてくれていた・・・いい加減に僕もそこで気づかないと!
今ジュリーは、トコトン加瀬さんの曲を歌いたい、届けたいに決まってるじゃないですか。


さぁ、そろそろレポ本編に入らなきゃ。
・・・と、セットリストを順に追う前にどうしても書いておかなければならないのが、「いよいよ開演」という時、場内の灯りが暗くなってから・・・だったっけなぁ。

BGM「
僕達ほとんどいいんじゃあない

が、流れたんですよね。
広いフォーラムに加瀬さんの歌声が響き渡り、場内はなんとも言えない雰囲気になりました。
「さぁ、みんなお待たせ!これからジュリーの最高のショーが始まるよ!」
まるで、加瀬さんがオープニングのアナウンスしてくれているみたいでね・・・。

このツアーのために、ジュリーwithザ・ワイルドワンズ・オリジナル音源の「僕達ほとんどいいんじゃあない」を短めに編集したテイクを用意してくれたジュリー。
その志は明らか・・・僕もみなさま同様に加瀬さんの笑顔が胸に甦ると同時に、この時点で「こりゃ、相当加瀬さんの曲を歌うぞ!」と早くも涙目になりました。
まさか新曲以外全部加瀬さんの曲とは、ここではまだこのヒヨッコは思ってなかったですけど。

「僕達ほとんどいいんじゃあない」が終わると、大きな拍手に迎えられて鉄人バンドが入場。
少し遅れて一層大きな拍手。
ジュリーも登場しました。
もう、1曲目から加瀬さんの曲に決まってる。
「どれが来る?」と、幾多ある加瀬さんの名曲のイントロが次々に頭の中を駆け巡ります。

開演!


1曲目「
危険なふたり

Royal

いきなりこれ!
柴山さんのリフに合わせて早くも頭上手拍子でお客さんをリードするジュリー。「楽しいショーへようこそ!」と言うなら、これほどふさわしい曲も無いわけで。

実は一度、いつもお世話になっている先輩方との6月末の食事会(ジュリーのお誕生日お祝い&加瀬さんを偲ぶ会)の日、お店を出て町をブラブラしていた時に、たまたま僕が師と仰いでいる先輩と二人になって、「ツアーの1曲目は何だろう?」という話題になりました。
そこではからずも、「危険なふたり」という曲名が出ていた、ということがあったのです。

その時僕はまず「胸いっぱいの悲しみ、なんてどうでしょうかね~」と切り出したのですが、先輩は「いや、ジュリーはそんなに”作らない”よ。きっと、思いっきり楽しい曲から来るわよ」と。
(その時からその先輩は「新曲4曲以外は全部加瀬さんの曲では?」と予想されていて、僕は「いや、さすがにそこまでは」という感じで聞いていました恥)
で、「恋は邪魔もの」や「ウィンクでさよなら」などが挙がり、「いいよね~」と言いながら、ふと
「1曲目からいきなり危険なふたり、ってのは?」
と。
先輩も「あぁ、いいわね」と言っていたけど、二人とも(たぶん)現実になるとは全然考えていなくて。

なんとなく、「危険なふたり」って、会場の空気が暖まってからさらにダメ押しで盛り上げる、セットリスト後半の「大物曲」ってイメージが強いじゃないですか。
でも、加瀬さんの曲ばかりをやるなら・・・と改めて考えてみたら、ジュリーは「有名曲」を出し惜しみする必要なんて、まったく無いんですよ。
だって、加瀬さん作曲のジュリー・ナンバーは、単にヒット・シングルA面、B面と並べただけでもステージ1回ぶん構成できちゃうくらいなんですから。
その中でも一番の大ヒット曲を初っ端に配する・・・掴みはOK!と言うにはあまりに贅沢ですけど、それが自然に嵌るのが「KASE SONGS」のクオリティー。
会場のお客さん全員が、この1曲目=「危険なふたり」で完全に「その気」になりましたよね。

この曲もそうだったけど、セットリスト前半のジュリーの歌は、少し涙声のように聴こえる時もありました(あくまで個人的な感想です。でも、新曲を歌い終えてからは一切そんなシーンはありませんでした)。
恒例・年上のひと・物色ヴァージョン・・・1番ではちょっと涙まじりな感じの声で、それでもいつものゲロゲロ・パフォーマンスを敢行するジュリー(笑)。
いいなぁ・・・こういうジュリーは、凄くいい!

そして、鉄人バンドの音も違いましたね。
僕はこの時点ではまだジュリーしか見ていないんです。柴山さんのギターが、最近のこの曲の定番であるSGではなかったことも、後になって把握しました。
でも、音の違いは明らかでしたよ。
「美し過ぎる~(ゲロゲロ)♪」とジュリーがやっている時に、「あれ、柴山さん、いつもの”ぎゅい~ん”が控え目か?」と思って聴いていたことは覚えてます。

全体的に、パキッとした音の「危険なふたり」でしたね。70年代のLIVEの「危険なふたり」に近かったんじゃあない?どうですか、先輩方?

2曲目「
恋は邪魔もの

Acollection

イントロ、両サイドのギタリスト2人にパ~ッとライトが当たってね~。ハッキリ覚えてないけど、イントロのリフのところだけは、柴山さんも下山さんもちょっとだけ前にせり出してきませんでしたか?

とにかくカッコイイですよ!
「別れたばかり~♪」直後の「ず・ちゃ~ん♪ず・ちゃ~ん♪」に合わせたジュリーのアクションが・・・あれは手刀を切ってるんでしょうか・・・渾身の動きで。
両隣のお姉さんは、手拍子する箇所とジュリーの動作に合わせる箇所を分けて、ここはジュリーと一緒に手を振り降ろしていらっしゃいました。まだまだ、先達のみなさまに学ぶべき点の多いDYNAMITEです。

僕はこの曲、『ジュリー祭り』以来久々、2度目の体感で・・・あの年はツアー参加ではなく生で聴いたのはあの1回きりですからね、これはもう初体験みたいなものですよ。堪能しました。悶絶しました。

それはおそらく大宮公演(もうすぐだ~!)に一緒に参加するYOKO君も同じです。
彼は毎年、鋼鉄の意志で自身参加の公演当日までセットリスト情報をシャットアウトします。
「来た来た~!」と(僕らにとって)レアな「大好物」ナンバーが始まった瞬間、彼は隣の僕を殴りつけるのが恒例ですが・・・今回、彼の楽曲嗜好などを加味して考えますと、どう少なく見積もっても僕は最低6曲のイントロで殴られることになるでしょう。
「YOKO君に殴られるリスト」として、まずはこの「恋は邪魔もの」をマークしておこうと思います(笑)。

~MC~

「お待たせしました~!」
第一声だったような気がしますが自信がありません(汗)。ジュリーからの短いご挨拶のMC。お正月のような硬さは無く、リラックスした口調でした。

僕もそうでしたが、この日入場したチケットの日付は、7月14日・・・『こっちの水苦いぞ』ツアー初日が指定振替公演という形でスタートしたことをうけて
「7月14日を楽しみにして頂いていたみなさまには、大変なご迷惑をおかけいたしました」
と、四方に丁寧に頭を下げるジュリー。

「(7月14日の申し込みをしていた人で)何ら問題無く今日来られたかた(笑)もいらっしゃるでしょうが、今日来ることができなくなってしまったかたもいらっしゃるでしょう。本当にご迷惑をおかけして・・・とここで言っても来てないんだから(その方々には)聞こえない(笑)、せめて念を込めてここで言っておくわけですが」
と少しユーモラスに話しながらも、まずは心のこもった「お詫び」の内容のMCとなりました。
その中で

「今回の日程変更という選択が良かったのかどうなのか、自分でも分からないのですが・・・私はベストの方法を選んだつもりです」

お詫びとともに、他でもないジュリー自身が責任をもって今回の決断をしたんだ、というファンへの丁寧な報告だったと思うんですよね。
GRACE姉さんにも安心してもらえるように。
「GRACEも元気になり・・・」と言った時には本当に大きな拍手が起こり、そのあまりのお客さんの熱さにジュリーはおどけて「(GRACE姉さんが)泣いちゃうよ?」と。

「思いもかけぬ夏休みを頂いた、と言えばそうなんですが、こんなに長い間歌わないでいたことが今まであったでしょうか?」
「みなさまにご迷惑をかけたぶん、鉄人バンドとともにじっくりとと頑張る(と喋りながら「頑張る」は言うたらアカン、と思ったのでしょうか)・・・いや、頑張ると言うのもナンですが、努力精進していきたい」
とのことですよ!

確実にお正月の時よりは長く喋ってくれましたが、会場から余計な声が入ることもなく(フォーラムだからねぇ・・・やっぱり最初のMCでは会場のお客さんも「固唾を飲んで」と言いますか、緊張して見守っていましたね)、ジュリーは気持ちよく、この時に話そうと思っていたこともすべて言葉にできたのではないでしょうか。
まずは良かった、良かった!

3曲目「
許されない愛

Julie2

「加瀬さんを送るセットリストになる」となれば、やはりこの曲が外れることはあり得ません。
「恋は邪魔もの」に続きこれまた『ジュリー祭り』以来採り上げられることになった大名曲。こんな新規ファンの僕でも「懐かしい」という気持ちで聴いてしまいました。
僕はジュリーのLIVEに参加するようになる前から、アルバム『JULIEⅡ』には深い思い入れがありましたから・・・もちろんタイムリーではないけれど。

ジュリーのセットリストって、何か共通する曲想や歌詞を持つ曲を連続させることが多く、今回のセトリはその点、曲想繋がりで何箇所も楽しみがあります。
まず初っ端に「リフ・ロック」を2曲。
続いて「短調のブラス・ロック」がこの「許されない愛」から「追憶」まで4連発。
その後も「3連ロッカ・バラード」として「胸いっぱいの悲しみ」「おまえがパラダイス」を続けて歌ったりね・・・似た曲想を続けざまに歌い重ねてゆくことで、どんどんジュリーの声が良くなるんです。

ただし、加瀬さんの曲はいくら似た曲想を並べても、受けるイメージが違います。それぞれの曲に「狙い」があるから、手法も違ってくるんですよね。

さて、僕はこの日この曲で初めて鉄人バンド各メンバーの演奏に注目。
「あれっ、柴山さん今日は(ヤマハの)SGVか~」と、情けないことにこの時点ではその程度の感想しか持てず。柴山さんがSGVを選んだ深い意味に気づくには、7曲目「あなたへの愛」まで時間を要しました。

柴山さんはこの「許されない愛」ではバッキングに徹し、リード・ギターは、下山さんが担当します。
これが素晴らしい!
ドアーズのようなオリジナル音源の響きとは全然違う音(バリバリ系)なんですが、曲にピッタリなんですね。特にシンセ・ブラスとの相性が抜群。

ジュリーはこの曲でも「涙を堪えているのかな?」と(個人的には)感じる箇所がまだありました。
でも、ロングトーン直後に吐息のような表現があったり、心ごと歌に入り込んでいる、とも感じました。

ブログ本館の方では、ネタバレ我慢中のみなさまのために「許されない愛」のフォトストーリーの資料を今お留守番upしている最中。
今回この曲がセットリスト入りしていて本当に良かった・・・ありがとう加瀬さん!

4曲目「
死んでもいい

Acollection_2

強烈なイントロ、躍動するリズム・・・早くもこのヒヨッコ、生LIVE初体感の曲が降臨。
「愛はもう偽り」の記事中で「是非聴きたい」と切望していた「死んでもいい」キタ----!
(思えば「死んでもいい」の記事は、ジュリワンのセトリ予想として書いたんだった・・・僕は、5年前にも加瀬さんの曲を集中的に書いた時期があったんだなぁ・・・)

イントロ、ジュリーが歌い出す手前でGRACE姉さんのシンバルが炸裂しますよ~。
可能性は高くないけど、一応この曲もイントロでYOKO君に殴られる心の準備はしておきます。

オリジナル音源も凄いですが、やっぱりLIVEで聴くとなお凄いですね、ジュリーのヴォーカル。
最も情熱的に歌われる「愛の、愛の、愛の♪」の箇所は、音符通りだと2拍目から歌うはずが、ジュリーは1拍目の裏から思いっきりタメを効かせて
「んはぁあいの!はぁあいの!はぁあいの!」
と熱唱してくれました。
お正月に聴いた「YOKOHAMA BAY BLUES」での
「んはぁあ~い、ら~びゅ~♪」
を思い出したかたもいらっしゃったんじゃないかな?

そして予想通りこの曲のリード・ギターは柴山さんでした。貫禄&緻密な切り込み・・・素晴らしい!
あとね、下山さんのパート(たぶんこの日に向けて「僕のパート」を作っていたはず)については大宮で再確認しなければいけないんですが、ひょっとしたらベースラインのような演奏じゃなかったですか?
実は先日音楽仲間で集まった際、僕とYOKO君が下山さんの話をしていたら(「こっちの水苦いぞ」のリフをどのフレットの何弦で弾いているのか、で双方譲らずバトル状態)、ルースターズに詳しい友人が話に加わってきて、「下山淳って、ルースターズに入ったばっかりの時は、レコーディングでベースも弾いてるよ」と。
初めて知りました。つまり、下山さんならベーシストとしての視点からアレンジを組み立てることも可能ということなんですね。

演奏面で、この先個人的なチェック・ポイントが多い曲のひとつ。まずは大宮が楽しみです!

5曲目「
白い部屋

Acollection_3

ヒヨッコ初体感ナンバーが続きます。嬉しい!
「誰もが知るヒット曲」とまでは言えないかもしれないけれど、この日会場に駆けつけたほとんどの先輩方にとっては懐かしき青春の1曲であり、僕のような一部の新しいファンにとっては嬉しい嬉しいレア曲のセットリスト入り・・・ここへきてさすがの僕も「これは本当にみなさんの言う通り、新曲以外はすべて加瀬さんの曲で固められるかもしれない」との思いもよぎって、そのぶん感動も大きかったです。

「許されない愛」「死んでもいい」と泰輝さんはシンセ・ブラス特有の音(複数のホーンの音色を重ね合わせたような機械音)での演奏でしたが、この「白い部屋」では完全に擬似トランペットの高らかな音色設定で、オリジナルのアレンジを再現してくれます。
ちなみに鍵盤でトランペットやトロンボーンの音を弾く時には、1音1音の移動の際にほんの一瞬だけ指を離して音を切らないと、非常に情けない響きになります。
素人が弾くとその辺りの「切る」「伸ばす」のコンビネーションがなかなかうまく加減できないものですが、当然とは言え泰輝さんは完璧です。聴き惚れます。

それにしても・・・いや、やっぱり名曲ですよ。
メロディーの繋がりのなめらかさは、加瀬さんならでは。シングルA面、納得です(「風吹く頃」の記事で「こっちがA面の方が良かったんじゃないか、と書いたばかりなのにまたも掌を返すDYNAMITE汗)。
最初の5曲の中ではジュリーの声も一番自然に、伸びやかに出ていたんじゃないかな。


6曲目「追憶

Royal_3

イントロで「おおっ追憶だ!やっぱりこの曲も外せないよね!」と盛り上がると同時に僕はふと、「GRACE姉さんは大丈夫かな・・・」と心配になりました。
しばらくの間、GRACE姉さんを観ていました。

普段特に楽器の音に耳を向けないファンであろうとも、無意識に身体に染み着いているに違いない、「追憶」の独特のドラムス・アレンジ。
イントロ最後の2小節からAメロひと回し目までは、まず上半身で16分音符を連打するハイハット・・・腕を拡げて胸を張り反らすようにしなければなりません。さらに加えて、小節の頭に2打、2拍目裏の裏から3拍目表へとシンコペーションで続く2打と、いずれも細かな16分音符は右足でのキック・・・グッ、と下腹部に力を込めなければなりません。

高速ロックなら勢いで突っ走ればいい・・・ただ「追憶」のテンポとビートではそうはいかないんです。
Aメロのハイハット2小節ぶんを擬音表記すると

ちきちきちきちきちきちきちきちき
ちきちきちきちきちきちきちきち~ ♪

と、最後の「ち~♪」だけがオープンで、あとはすべてクローズでの連打です。
僕はGRACE姉さんを見つめながら「苦しかったらもっとオープンの箇所を増やして!」と祈りました。
ハイハット・オープンの瞬間には、緊張した身体の筋を伸ばす動作が自然にできますからね。
でもGRACE姉さんはそれをしません。
あくまでオリジナルの通り忠実に・・・プロだからそのくらい余裕、と言えばそうなのかもしれないけどやっぱりそれは通常の身体の状態での話。
もし少しでも痛みが残っているとしたら・・・「追憶」は、大きな手術後僅か1ケ月半しか経っていないGRACE姉さんにとって、今セットリストの中で肉体的に大変厳しいと思われる曲のひとつです。

結果。
最高でした、姉さんのドラムス!

確かに、GRACE姉さん自身としてはまだまだ本調子ではなかったのかもしれません。
1階ほぼ最後方という僕の席からはその表情までを観ることはできませんでしたが(開演前に必死に双眼鏡のピントを合わせていたのに、あまりに素晴らし過ぎるセットリスト構成に圧倒されて、最後まで双眼鏡に手をかける余裕がありませんでした)、ひょっとしたら苦しげな顔もされていたのかもしれません。
でも鳴っている音は、しっかりとタメも効かせつつ、バッキングで支える下山さんの「そう、そう!」みたいな感じの視線もきっと感じながら・・・完璧に「追憶」の世界を体現していました。

こうなれば僕はもう安心して、2番からはじっくりとジュリーを凝視(笑)。間奏での「ニーナ!」の囁きは、普段より低い声でやっていたように聴こえました。
エンディングの「OH!ニ~ナ~~~~~♪」では、頃合まで目一杯伸ばして「パッ」と声を切った瞬間にマイクを持つ手を高々と振り上げピタッ!と宙で止めるという、声とアクションの連動。これは天性ですね。
本当にカッコイイぞ~!


7曲目「あなたへの愛

Royal3

「追憶」から続いてこの「あなたへの愛」が始まった頃にはさすがの僕も「もう今日は新曲以外全部加瀬さんの曲で間違いないかな」と思い始めていました。

イントロ、柴山さんのリードギターと下山さんのアコギの噛みに、改めてジ~ンと。
「そういえばジュリワンの”あなたへの愛”は斬新なアレンジだったっけなぁ。でもやっぱり”あなたへの愛”と言えばこれこれ、このテンポでこのリードギターが無きゃね~」と、そんな感じで聴いていて、いざジュリーが「あなたが言い出せば~♪」と歌った次の瞬間
「きゅっ!」
って音が聴こえたのね。
「あれ?」と思っていると続けて「悲しく聴こえる~♪」の後にも「きゅっ!」、「星もまばらな夜~♪」「きゅっ!」と来て、「なぜか遠い道~♪」「ちゃらら、ら~ん♪」。
あぁ、柴山さんのフレット移動の音だったのか・・・。

いや、ちょっと待て!
何故、出番が無い箇所でフレット移動を?

その後よ~く見ていたら、柴山さんはアコギがコードチェンジする箇所で自分でも軽くコードフォームを作って、聴こえるか聴こえないか、くらいの感じで弦を撫でるようにして小さな小さな音を出しているみたいなんですよ。
もちろん、(オリジナル音源通りの)リードギター・パートの登場箇所ではハッキリ強く弾くんですが、あとはお休みしている、ってわけじゃないんですね。

これはまるで・・・加瀬さんみたいだ。

2010年のジュリワンのツアーで、僕は何度もそういう加瀬さんのスタイルを観てきました。
「想い出の渚」がそうでした。
「FRIENDSHIP」がそうでした。
明確なオリジナル音源のアレンジ通りに単音を再現する箇所以外に、オリジナル音源通りだと自身のパートの出番の無い箇所でも、左手はキチンとコードフォームを作って、右手で優しく撫でるようにピックを弦に当てていた加瀬さん。コードが変わるたびに、フレットを移動する音がしていました。
加瀬さんはこういう時の「きゅっ!」っていうスクラッチ音が好きなんだろうなぁ、と思いながらジュリワンのステージを観ていたことを、まざまざと思い出しました。

まるで今、加瀬さんが柴山さんの両手に乗り移って、一緒ギターを弾いているみたい・・・。

「柴山さんは加瀬さんのためにSGVを弾いたんだ!」というのは、実は終演後に先輩の感想を伺って初めて認識したことではあったのですが、僕はこの「あなたへの愛」の柴山さんのフレット・スクラッチでようやく
「当然、ジュリーだけじゃない。鉄人バンドだって加瀬さんに捧げる演奏をしてくれているんだ」
との思いに至ったのでした。
(ちなみに、柴山さんがSGVを持つことがどのように加瀬さんと関わってくるのか、については、しょあ様が書かれた
こちらの記事を是非お読みください)

また、いつもお世話になっている先輩が仰るには、「カズさんは加瀬さんのお気に入りだった」と。
ジュリーと加瀬さんが自信を持ってその音楽性を拡げていこうとした頃に、柴山さんはジュリーのバンドに入ってきて、加瀬さんに可愛がられたのだそうです。
その先輩が「加瀬さんとカズさんは似ている」と仰るのを、以前から何度か聞いたことがあります。ジュリーの音楽を信じているところが似ているんですって。
分かるような気がします・・・。

ジュリーの歌は時折、感極まるように聴こえた部分もありました。「ふたり、繋がれて♪」のあたりとか。
一方で、最後の転調後は美しく明るく甘く声を伸ばして、「加瀬さんへの愛」を爽快に歌いきったようなジュリーでした。柴山さんのギターのことばかり書きましたが、もちろんこの曲のジュリーは最高にカッコ良かったですし、優しかったです。
「あなたへの愛」、大名曲ですね。

8曲目「
胸いっぱいの悲しみ

Julie6

僕がジュリーの声に完全に無心で耳を傾けられるようになったのは、この曲からだったと思うなぁ。
やっぱりジュリーの3連符ロッカ・バラードは凄い。
技術的なことでもなんでもなく、歌として凄いです。自信が満ちているという以前に、歌に同化しちゃってます。無の境地です。「こ~れでも~う♪」と歌い出す時の腕のしなやかな動きも、きっとジュリーは自然に出せているんでしょうね。

この曲、僕は『歌門来福』以来2度目のツアー体感。
お正月コンサートに不参加のYOKO君は、今年の大宮で初めて生で聴くことになりますが、たぶんこれは殴られないと思っています。
『ジュリー祭り』の数年前、彼にA面コレクションを借りた時YOKO君は「この曲イマイチ・・・」みたいなことを言ってましたからね。「演歌っぽい」とか(覚えてないとは言わせん!)。
もちろん、生でこのジュリーのヴォーカルを聴けばそんな感覚は吹っ飛ぶとは思いますが、イントロではせいぜい「おっ?!」くらいの反応にとどまると見ました。

GRACE姉さんのコーラス(ですよね?)も良いですねぇ。
この先の各地公演・・・ファイナルに向けてさらに演奏もコーラスも良くなり、「一体何処まで?」というくらい進化するジュリーのヴォーカルを予感させる1曲です。


9曲目「おまえがパラダイス

Gsiloveyou

これは「イントロでYOKO君に殴られるリスト」にハッキリ入れておきます(笑)。
彼、この曲大好きなんですよ(まぁ、この曲が大好きでないジュリーファンはいないと思いますけど)。

僕もYOKO君も『きめてやる今夜』に不参加でしたから、この曲も「恋は邪魔もの」「許されない愛」同様『ジュリー祭り』以来のツアー体感ということになります。
東京ドームでは僕が勇み足して1番のサビからコーラス参加していたのをYOKO君が「アンタ、早いよ!」と嗜めていたっけ(あの日は2人とも、曲によってはコーラス参加していました。隣のお姉さんはさぞ迷惑だったことでしょう・・・反省)。

その、2番からの字ハモのコーラス。
当然フォーラムでも柴山さんが担当していて、遠目でもその鬼気迫る表情が伝わってきました。
天に届け!という感じでしたね。
ジュリーのヴォーカルも、1番でシングルで歌っている時より、明らかに2番の柴山さんのコーラスをバックに歌っている時の方がキレッキレなのは、やっぱり「これは俺とカズで歌う曲」というスイッチが入って、嬉しくなっちゃうのかな~。
柴山さん、どこかの会場で突然帽子かぶって登場したりしませんかねぇ・・・そうしたら、お客さん全員でこの9曲目を待ち構えることになるでしょうね。

それにしても、先日『ス・ト・リ・ッ・パ・ー楽譜集』でこの曲をおさらいして弾いてみたんですが、キー高い!オリジナルのニ長調じゃ僕はとても歌えないからハ長調に移調して弾き語ってみましたが、それでもまだまだ高いんです。
そのジュリーの主旋律をさらに上でハモる柴山さん・・・そりゃ鬼のような形相にもなりますって!

あと、「あなたへの愛」同様にこの曲もきっと今回はSGV独特の音だったんだろうなぁ、と今さらのように思っているところです。
サスティンの短い単音での間奏は、加瀬さんの演奏スタイルを思わせます。と言うか、アルバム・レコーディング段階から、ギターはかくあるべし、だったのでしょう(歌メロの音階を奏でるミドル・エイト)。加瀬さんの曲を銀次さんがアレンジしたわけですからねぇ・・・。

初日は演奏まで注意して聴く余裕がなかったけど、大宮では色々とバンドのチェックもしたいです。
間奏は柴山さんの運指を確認しよう!・・・って、たぶん見えないか~。僕は大宮でも、初日のフォーラムと良く似た位置の1階後方席ですので泣。


10曲目「夕なぎ

Singlecollection1

ここまでセットリストは、1曲目「危険なふたり」から前曲「おまえがパラダイス」まで、加瀬さん作曲のヒット・シングルA面曲攻勢(豪華すぎる!)で続いてきました。
僕は今回も律儀に曲数をカウントしていて、「次が10曲目・・・その後新曲コーナーかな?」と予想。「次の10曲目まではシングルA面で攻めてくるだろう」と思いましたが下山さんがアコギにチェンジ。「おっ、ここで”海にむけて”が来るのかな?」と。

で、始まったのが、あのコーラスでしょ?
ド肝を抜かれましたよ。
何と何とここでKASE SONGS珠玉のシングルB面曲から、「夕なぎ」が降臨・・・素晴らしい!
「胸いっぱいの悲しみ」「おまえがパラダイス」の3連ロッカ・バラード連発でジュリーの声が完全に暖まった状態での、この曲ですからね~。

どうやら、長いLIVE参加のキャリアを持つ先輩方にとっても「夕なぎ」は「超レア」な選曲だったようで。
終演後にお会いした長崎から遠征の先輩も、いつもブログにコメントをくださるみなさまも、普段からお世話になりっぱなしの先輩方も、一様にまずこの「夕なぎ」に感動、狂喜された、とのこと。
そう言えば、『ジュリー祭り』のレポートを書いた頃からブログを読んでくださっている先輩の中にも、「夕なぎ」がとてもお好きだと仰っていたかたがいらしたなぁ。その先輩は「死んでもいい」も大好きなはずですから、今回のセットリストには相当感激されたのでは・・・?
ともあれ、長いファンの先輩方がセットリストで「きゃあ~」となっている状況は、新規ファンの僕にとっても何とも嬉しい気持ちになるものです。

それほどのレア曲ですが、おそらくこの曲でYOKO君に殴られることはありません。
彼はまだまだ僕以上にヒヨッコですからね~。イントロでは「な、なんだっけこれ?」、歌が始まってようやく「えっ、セシリア?」と聞いてくる・・・その程度だろうと予想してます。もしイントロのコーラス1発で「夕なぎ!」と殴ってきたら、逆に褒めてやろう。

さてここでようやく衣装の話なんですが、この直後のMCの前にジュリーが「よし!」と言いながらジャケットをスタンドにかけるシーンがあるんですね。ただ僕の記憶だとこの「夕なぎ」の時点であのオレンジ?ブラウン?の上着は既に脱いでいたと思うんです。
「あぁ、下のシャツは青なのか~。曲に合わせて海の色で歌おうってことなのかな?」などと浅~いことを考えながら聴いていたのを覚えていますので・・・。
でも絶対かと言われると自信無し。みなさまは僕と違ってジュリーの衣装の様子は丁寧に観て覚えていらっしゃるでしょう。どうでしたっけ・・・?

あと、情けないことに下山さんがエレキだったのかアコギだったのかすら覚えていません。柴山さんがリードギターを弾いていたことは間違いないですけど。
コーラスは泰輝さんと柴山さん?
ジュリーはこの日特に「夕なぎ」の歌詞には苦労していたようでしたが、それも聴く側からすればレア曲の醍醐味、と言えるのではないでしょうか。
それに、ジュリーにとっても「久々」なぶんこの曲はツアー後半、かなり進化してくると思いますよ~。


~MC~

ここで上着をスタンドにかけたんですが、何故か
「よし!」
と。
ジュリー自身にセットリストとステージの手応えあり!と解釈したいところでしたが、すぐに
何が”よし!”や!
と自分にツッコミを入れるジュリーに場内爆笑です。

「次は、新曲をやります」
と。
近年は新曲披露の前に必ず
”PRAY FOR EAST JAPAN”をテーマに、鉄人バンドのメンバーに1曲ずつ曲を作ってもらったこと
そこにジュリー自身が歌詞を載せたこと
を語ってくれます。それは今年も変わりません。

「すべての被災地に、祈りを込めて歌います」

11曲目「
泣きべそなブラッド・ムーン

Kottinomizunigaizo

予想通り11曲目から新曲コーナーとなりましたが、最近は毎年「新曲がステージで歌われる順番」については個人的に意表を突かれまくっています。
僕は「泣きべそなブラッド・ムーン」は大トリじゃないかと考えていました。CDのトラックで言うと「1→2→4→3」というのが事前の予想・・・まるで外れましたね。

さて、僕はフォーラムではまったく気づかなかったのですが、先のジュリーのMCに引き続いてのこの曲のイントロで、ちょっとした出来事が起こっていたようです。
ジュリーのMCの時に下山さんがステージから下がっていなくなって、「泣きべそなブラッド・ムーン」のイントロが始まってもまだ登場しなくて、気づいて観ていた方々はハラハラしていたのだとか。
結局イントロ途中で戻ってきたらしいのですが
「戻ってきてからもしばらく髪をかき上げたりしながら霊力を溜めていた
との目撃情報があります。
なるほど・・・2曲後の「こっちの水苦いぞ」で凄まじい霊力(しかも柴山さんを巻きこんで)を使いますからね~。色々と仕込の儀式があるのでしょう。

・・・と言うのは冗談ですが、その後RISURUホールでの情報もありまして、どうやらジュリーの「新曲やります」のMCの際に下山さんは何らかの理由で一度ステージから姿を消すのだそうです。おそらく北とぴあでも同様だったのでしょう。
RISURUではジュリーのMCがフォーラムより長かったので、イントロの前にはもう戻っていたようですね。

ともあれ、これをして今ツアーの「泣きべそなブラッド・ムーン」のイントロでは、CD音源の左サイドのギター・トラック(ミュート気味のダウン・ピッキングによるパワー・コード)を柴山さんが弾き、途中から右サイドに登場するエフェクトの効いた単音アルペジオを下山さんが弾く、ということがハッキリしました。
CDミックス位置とステージの立ち位置が逆のパターンもアリなんですね。
ただ、間奏のリード・ギターは柴山さんがミックス位置通りに弾いていたように記憶しているんですけど・・・瞬時にパートを入れ替えたのでしょうか。
大宮で確認します!

この曲、考察記事を書いた時にはまったく気づいていなかったけれど、幾人かの先輩のご感想を伺えたことで、今では「激しい怒りの歌」という面も大きいのではないか、と僕の考えは変わってきています。
被災地の現状に目を向けない人達へ向けて歌っている歌・・・そう考えると、怒りの先に「銃を向ける」のではなく「花束を手渡す」とするジュリーの「怒り」は温かいし、かつ逆に凄まじいし・・・ジュリーらしい詞なんだなぁ、とも思えてきます。
フォーラムでも、ジュリーの声は世の一握り人に激しく憤っているように僕には聴こえました。

それでも、僕はこの曲に癒されました。
ジュリーの花束を受け取りたい、と思う・・・素晴らしいバラードだと思います。

今月頭にYOKO君と会った時、彼はこの曲も含む新譜全4曲の採譜をしてきてくれてね・・・。僕は「泣きべそなブラッド・ムーン」だけは自力の採譜を先延ばしにしていたので、有難かったです。
「言葉にならないさ想い♪」の「想い」の部分に登場する「Am7-5」は僕でも思いつくかもしれないけど、次のドミナントを「D7+9」で採譜したのはさすがブルースマンYOKO君!短調のバラードで、こんなシャープ・ナインスの使い方があるんだなぁ・・・。
大宮では、鉄人バンドそれぞれの細かな役割にも注目してみたいと思っています。


12曲目「涙まみれFIRE FIGHTER

Kottinomizunigaizo_2

新曲演奏順で「泣きべそなブラッド・ムーン」と「涙まみれFIRE FIGHTER」をひっくり返すという僕の予想はあり得ない話だったな、とこの曲のイントロで痛感。
やっぱりこの2曲はこの順序で繋がって演奏されることに意味があり、説得力を増すのです。その理由は、単に「短調のバラード」という曲想の共通だけでなく、同一のキー(嬰ト短調)になっていること。
これが逆の順序で演奏されるとさにあらず、というのが肝。「泣きべそなブラッド・ムーン」でジュリーの「もう限界」から狂おしく転調する最後のサビでの半音上昇があって初めて、「涙まみれFIRE FIGHTER」のG#mへと繋がっていくのですからね。

ジュリーのヴォーカルは、CDとはかなり歌い方が違ったように思いました。同じ慟哭の表現でも、CDでは「拷問のようだった」のあたりにそれが強調されているんですが、この日は、歌詞部では淡々と、切々と歌うジュリー・・・しかしいざロングトーンから伴奏部にさしかかろうか、という時に容赦のない咆哮が入るんですよね。
記者席のメディア関係者にこの咆哮は届くだろうか・・・そんなことを考えてしまったシーンでした。

リードギターは作曲者でもある柴山さん。ここで僕は柴山さんがSGに持ち替えていることに気がつきました。
後で聞きますと、どうやら前曲から14曲目まで、つまり新曲4曲で柴山さんはSGを弾いたようです。ジュリー同様柴山さんも、加瀬さんの曲と新曲とでキッチリと気持ちを切り替えての今セットリストなのでしょう。


あと、印象的だったのは照明です。
Aメロでは薄い紫や青っぽい色が映り変わっていたのが、サビで真っ赤になるんです。
怖いくらいでしたね・・・。


13曲目「
こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo_3

さぁ、この曲は色々と長くなりますよ~。

まずビックリしたのが・・・。
ここまで重いバラードが2曲続いていたこともあって、僕はすっかり「新曲モード」になっていたんですけど、「こっちの水苦いぞ」はちょっと華やかな感じ(照明とか)で始まってね。曲想的にはお客さんは、CDでのGRACE姉さんのタンバリン・トラックに合わせた感じで首を縦に振ってノる(ヘドバンですな)ことになるかな~、と予想もしていたので「来た来た!」と僕は思ったのですが。

何とジュリー、この曲で”おいっちに体操”です!

いや、曲には合ってるんですよ。少なくとも個人的には「a.b.c...i love you」でこのアクションを繰り出されるよりは、全然嵌っているし自然な動きだとは思う・・・思うけど、心の準備ができてなかった・・・。

僕の場合は、もう無心で酔いしれている状態でないと、ジュリーと一緒にあの動きはできません。
それが、「この国は・・・」なんて偉そうにしかめっ面で考えていたところにこの不意打ち。それだけ僕の思慮など浅はか、ってことなんだろうなぁ。
結局、”おいっちに体操”への参加はできませんでした。大宮では頑張るよ、ジュリー・・・。

注目していたギター・トラック(CDでは3トラック)の分担は、リフ&間奏ソロが下山さん、カッティングが柴山さんと、これはCDのミックス通りでしたね。
CDで聴いていた時には全然思い浮かばなかったけど・・・下山さんのリフを生演奏で聴いて突如連想した曲が、デヴィッド・ボウイ10年ぶりの新譜『ザ・ネクト・デイ』収録の「I'd Rather Be High」という曲でした。
下山さんってボウイ聴く人だと思うし、厳密には全然違う曲なんだけど、ボウイのこの曲は「リフ・ロック」としての作曲のヒントになっているかもしれません。

さて、問題はエンディング。
僕は3月に執筆した「こっちの水苦いぞ」の考察記事で、特にこの曲のエンディングをLIVEでの見所とした上で、こんなふうに書いています。


コーダ部を割愛してGRACE姉さんのハイハットと共にピタッ!と終わらせるのか、それとも下山さんがエレキで最後のフレーズを演奏してくれるのか。(あ、さすがにこの曲でアコギ・スタンドの導入は、いかな霊力の使い手でも無茶だと思います笑)

何が「霊力の使い手でも無茶だと思います笑」だ!
この男、一度殴っていいですか?
(↑ 大宮でYOKO君がボコボコにしてくれます)


みなさま、観ましたよね?
曲の演奏途中で堂々とローディーさんが入ってきて、アコギ・スタンドをセッティング。
最後のリフを弾きながらゆっくりとコーダ部のアコギに備え歩を進める下山さん。
僕は観ながら思っていました。「いや、いくら何でも小節頭には間に合わないでしょ」と。
すると・・・。

何と、リフの一番最後の数音だけ柴山さんが弾いた!

この僅かな瞬間(3秒くらいかな)で手が空いた下山さんが、ヌ~ッとスタンドに覆いかぶさってアコギを構えるという・・・メンバーをも巻き込んだ驚愕の霊力。
土下座したい!下山さんにも柴山さんにも。

こんなこと、鉄人バンドじゃなきゃできませんよ。
バンド内のギタリスト同士が互いの技量にリスペクトを持っていることはまず最前提として、普段の互いの演奏設定(音量やエフェクトのレベルに至るまですべての設定)を完全に把握していなければ実現不可能、「やってみよう」とすら考えられない手法ですから。
例えば「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」のような「リード・ギター・リレー」とは全然違うんです、これは。繋がっているリフ・フレーズの途中で突然演奏者が代わっているという・・・正に神技、しかも個人技ではないからこその神技、なのですよ。

それでもきっと、鉄人バンドならリハ1発でたやすく決まったことなんでしょうね。
普段、ギターの振分けについて特に綿密な打ち合わせは無い、という柴山さんと下山さんの2人。
交わす言葉は少なくとも、できちゃうんだろうなぁ。

下山さん「あの・・・俺、”こっちの水苦いぞ”でアコギスタンド使いたいんスけど・・・」
柴山さん「分かった。じゃあリフの最後のワンフレースだけは俺が弾くわ!」
下山さん「慕ってます!」

くらいの会話で、すべてうまくいくんだろうなぁ。

本当に、こうしたテーマの楽曲を歌おうとするジュリーに、鉄人バンドのようなバックがついていたのは奇跡です。ただ演奏が的確、というだけでは歌えない曲を今ジュリーは作り続けているんですよね。
GRACE姉さんの入院を受けてツアーの日程変更を決断したのは、歌手・ジュリーにとっては「ベスト」の選択だったのではないでしょうか。
鉄人バンド以外のメンバ-が加わっての新曲の演奏は、とても考えられませんね。


14曲目「限 界 臨 界

Kottinomizunigaizo_4

新譜がリリースされた直後、「LIVEだとこの曲が(新曲の中では)トリになるかな」と仰っていた先輩がいらして、僕は「いや~、ブラッドムーンだと思うなぁ」なんて考えていましたが、実際はこの通り、先輩の予想(と言うより直感ですね)が見事当たりました。
いざ体感すると「これしかない!」という曲順になっているわけで・・・ジュリーの邪気の無いセンスと、長いファン歴の先輩の慧眼には畏れ入るばかりです。

さて、新曲4曲の中で、CDで聴いたイメージと生演奏とで最も印象が違ったのがこの「限界臨界」でした。
具体的に言うと、間奏リードギター(下山さんの演奏でした)が終わった後のダメ押しのサビ部での、GRACE姉さんのドラムスです。
正に地鳴りのような・・・フロアタムの激しい連打。このアレンジをCDでは聴き逃していました。
帰宅してCDを聴くと、体感したばかりのLIVEとまったく同じように演奏されているんです。
ただ、ミックス・バランス的に考えて、特にこのドラムスの変化に耳が行く人は少ないと思う・・・それがLIVEだと、「叩き方が変わった!」「雰囲気が変わった!」と多くのお客さんが気づくのではないでしょうか。
GRACE姉さんの、この曲、このメロディーへの思いが体現されているかのようですね。

「泣きべそなブラッド・ムーン」以外の新曲については僕も考察記事を書く前に自力で採譜していたので、先日YOKO君の採譜と答え合わせをしました。「こっちの水苦いぞ」「涙まみれFIRE FIGHTER」にそれぞれ微妙に異なる点がある中で、この「限界臨界」だけは最初から最後までまったく同じ採譜となっていました。
決して簡単な曲というわけではないんですけど・・・キーもロ長調ですし。でも、全体的にすごく気持ちの良いクリシェや反復進行があって、僕もYOKO君もそういうタイプの曲が好きだということなんですね。
あと、「限界臨界♪」と歌う箇所に登場する「Em」(ロ長調の曲としてはかなり捻った使い方)がGRACE姉さんの作曲の肝である、と2人の意見は一致しています。

ジュリーは一番最後にヴォーカルだけが残る「限界臨界」の箇所を、怒りと悔しさを吐き出すようなギリギリとした声で「シャウト」し、お客さんをドキリとさせました。
この時点で僕は、楽しい楽しいKASESONGSのセットリストのことが頭から吹き飛んでいたのですが・・・。

15曲目「
ウィンクでさよなら

Royal2

何と何と、ほとんど間を空けることなく、ジュリーと鉄人バンドは加瀬さんの世界に舞い戻りました。
本当は、そんな急にスイッチは切り替えられないと思うんです。でも、それが自然にできてしまうのがまた加瀬さんの曲・・・ということなのかもしれません。
イントロからの手拍子で、お客さんも自然に気持ちの切り替えに成功。ここまでくればもう、ジュリーは新曲以外は加瀬さんの曲で通すつもりだ!ということに会場の誰も疑いを抱くことはなかったでしょう。

ジュリーはステージをドスドスと駆け回り、サビでは
「I Love You~♪」
と歌いながらズズ~、と膝でスライディングして下手側のお客さんに求愛ポーズ。すぐ立ちあがると
「I Need You~♪」
で、今度は上手側にすべりこんで求愛。

これを曲中で計4セット、全部やりましたからね~。衣裳の膝のトコは大丈夫なのかな?
いやそれより、相当体力的にキツイと思いますが・・・きっとジュリーはツアー通してこのシーンを全国で魅せてくれるのでしょう。ありがたや~!

この曲も僕にとっては、『ジュリー祭り』以来2度目の体感ということになります。まだまだ「食べつくしてない」「味わいつくしてない」曲のひとつです。
アレンジ的にこの曲では泰輝さんの”神の両手”が炸裂しまくっているはずですし、大宮では鉄人バンドの演奏に注目して楽しんできたいと思っています。


16曲目「バイバイジェラシー

Stripper

今回のツアー・セットリスト、マッサラな気持ちで臨んだ初日に一番盛り上がった、一番感激した曲はどれかと問われれば、迷うところではありますが僕はやっぱりこの「バイバイジェラシー」かな~。
イントロ、本当に飛び上がりました。「うわあぁっ!来た来た来た!」って感じ。ノーマークだったなぁ。

ところで・・・。
初日までに「ジュリーが歌った加瀬さんの曲をすべて記事に書き終える」という大それたことをしてしまった僕は逆に、今回”セットリストを振り返る”シリーズで書く曲が1曲も無い(セットリストの曲はもう全部書いちゃってる)状況に追い込まれたわけですが。
終演後、帰宅途中の電車内で決意しましたよ。
「バイバイジェラシー」の記事だけは、この機会にキチンと新しく書き直しておこう」と。

このブログが「じゅり風呂」と化したのは、『ジュリー祭り』参加を機にLIVEレポートを書き、その後もアルバムやDVDを大人買いしていったことによるものですが、僕はそれ以前にたったひとつだけ、無知丸出しでジュリーの曲の記事を書いていました。それが「バイバイジェラシー」の記事なのです。

当時の僕は、ポリドール期のアルバムをすべて聴いている、というだけで、LIVEに行きもせずに「自分はジュリーファン」と自惚れていた頃で、ハッキリ言って「ロック」にアイディンティティーを見出し標榜しているだけの、単なるオタクです。
楽曲考察自体はまぁ今でもだいたい考えることは変わりないんですけど、執筆動機に見栄が有るのが自分で分かってね・・・決定的にジュリー愛が足りません。加瀬さんへのリスペクトも全く足りません。

僕のブログは有難いことに、毎回ジュリー・ツアーのセットリストが分かると、歌われた曲の過去記事が結構検索ヒットされるみたいなんです。
今回は圧倒的に「夕なぎ」が多くて、次いで「甘いたわむれ」「海にむけて」「きわどい季節」が続くという感じですが、「バイバイジェラシー」の記事も多くのかたが読んでくださっているようです。
僕は今、ひたすら恥ずかしい・・・。
ネタバレ我慢されているかたのために今はじっと耐えていますが、大宮のレポートを書き終わったら、早々に改訂版の記事を新たに書かせて頂く予定です。
当時はシングルB面ヴァージョンの存在も知らなかったし、この機に比較考察もしてみたいですね!

さてさて、この曲も当然「YOKO君に殴られるリスト」としてマークしなければなりませんが、困ったことにここから4曲連続でそんな曲が続くんですよ~。
とにかく初めての体感となる「バイバイジェラシー」、イントロの瞬間には身体中からアドレナリンが噴き出してきまして。ノリまくって手拍子すらできなかった!
たぶんYOKO君もそうなるでしょう。

ジュリーのヴォーカルはもちろん最高。そして、柴山さんのギターが最強にカッコ良かったです。今まで観た柴山さんの演奏の中で一番カッコ良かったと思う!
あのリズムをね、あんなふうにヤンチャかつ正確に、しかもニコニコしながら弾けるギタリストは世界にもそうそういないと思います。オリジナル音源(アルバムの方)でリード・ギターを弾いているビリー・ブレムナーは、僕がこの世で最も敬愛するギタリストだけど・・・「バイバイジェラシー」のギターについては、ハッキリ言って柴山さんには全然敵わないですね。

下山さんもノリノリだったな~。
左右に首を大きくかしげるようにして、シャッフルに合わせて揺れながらギター弾いてました。

17曲目「
甘いたわむれ

Singlecollection1_3

続けざまにこれですよ!

ツアー前は、「まさかなぁ」と思っていた「甘いたわむれ」のセットリスト入り。でもいざ会場では、「ひょっとしたら聴けるかも」という期待が高まっていました。
「ウィンクでさよなら」「バイバイジェラシー」と続いた「底抜けに楽しい」雰囲気そのままに始まったGRACE姉さんのドラム・ソロ。
オリジナル音源の「甘いたわむれ」のイントロにドラム・ソロは無いけれど、僕はつい最近記事を書いた時に『Zuzusongs』のこの曲を鑑賞していましたから・・・ドラムスだけで「間違いない!」と思いましたよ。
やっぱり来ました!
当然、生のLIVEでは初体感。う、嬉しいよ~!

全然見えなかったけど、GRACE姉さんがイントロでエイトを刻んでいたのは、カウベルではなくウッドストックの音のように聴こえました。大宮で確認できるかなぁ。

それにしても、(セットリストが)こうなってくると、本当に70年代のジュリーが今目の前のステージで歌っているように見えてくる(いや、僕は70年代のジュリーを生で観たことはないんだけど)から不思議です。
加瀬さんの魔法かな?いやいやそれもあるけど、ジュリーもその気になってる、ということなのかな?
「甘いたわむれ」、名曲ですよ!素晴らしい名曲です。もうこの先聴けることはないのかな・・・なんて考えてもしまったけど、今をしっかり目に焼きつけるのみです。こんな素敵な曲を歌うジュリーを、後追いファンの僕が生で観る日が来るなんてね・・・。

声も凄く良かった。リズムからメロディーから歌詞から、とても合ってますよね、ジュリーに。
ただ、みなさんそうだったと思いますが、テンション上がりまくってもう正常な思考では聴けてないです、このあたりは。ひたすらジュリーの声に身を委ねるだけで。

”ちゃぶ台返し”のギターは柴山さんでした。キュートと言うにも贅沢過ぎます。大暴れです。
そうそう、1週間ほど前にたまたまカミさんが「9月の旅の計画」を話しはじめたので、ちゃぶ台を返されないようにキチンと真剣に聞いてあげました。
「甘いたわむれ」の歌詞考察は、こんな狭い一般家庭でひっそりと役立っています。

ちょうどブログに考察記事を書いた直後くらいでしたか、YOKO君と加瀬さんの話になった時、「甘いたわむれ」って斬新な進行だよなぁ、と彼も言っていました。これでシングルB面は贅沢過ぎる、と。
ということで、この曲もイントロで殴られます!

18曲目「
恋のバッド・チューニング

Badtuning

いやはや、もう何と言いましょうか。
「YOKO君に殴られるリスト」曲が続きます。ジュリー&加瀬さん、ヒヨッコに容赦なし!

『ジュリー祭り』がLIVEデビューの僕は、この曲も生で聴くのは初めてなんです(『ジュリー祭り』の時は、「愛まで待てない」の後にYOKO君と2人して「まだバッドチューニングやってねぇ!」と騒いでました恥)。
終演後「初めて聴きました」と言ったら、長いファンの先輩方は「えっ、そうなんだっけ?」と驚いていらっしゃいましたけどね・・・そうなんですよ、この曲はジュリーも歌うのは久々なんです。

どれくらい久々かと言うと
「ばっ、ちゅにん!ばっ、ちゅにん!」
のコーラス部を柴山さん達と一緒に歌って(叫んで?)しまって、主旋律の
「ばっ、ちゅ~に~~~ん♪」
を、とうとう最後まで歌わなかったくらい。
その後の各会場ではその辺りが変化していたのかどうか、すごく気になっています。

でもね。
「こ~いの、ばっ!ばっ!・・・ばっ!ばっ!」
では、自然にあの掌の動きが出ていました。もうそれだけで楽しいやら有難いやらで、こんなゴキゲンなポップ・ロックで嬉し涙がこぼれちゃうくらいです。
何ですかね、この感動は・・・。

僕は見逃しているんですが、初日の「恋のバッド・チューニング」では下山さんも相当ノリノリだったとか。確かにこの曲、バッキングのギターも絶対楽しいよね!
下山さんなら、Aメロ直前はローコードのEからG→A→Bは3フレット→5フレット→7フレットと、ハイコードで駆け上がるようにして弾いていたんじゃないかな。
たぶん大宮ではそこまでは見えないだろうなぁ。残す渋谷、川越、オーラスのフォーラムの3会場で、1度くらい前の方の席が来るといいな・・・。

あと、僕はもうひとつ重要なポイントを見逃しています。
エンディングで柴山さんか下山さん、チューニングを模したピッキング・ハーモニックスしてました?
これは目で見えなくても音で判別できるから、大宮では心してチェックしなければ・・・。


19曲目「ねじれた祈り

Kitarubeki

息つく間もない、とは正にこのこと。
お正月セットリストからのスライド・・・もちろん何度でも、何回でも聴きたい加瀬さん流ハード・ロカビリー「ねじれた祈り」!
これがまたYOKO君の大好物で・・・お正月不参加の彼は大宮でこの曲を初体感することになります。「バイバイジェラシー」からこの「ねじれた祈り」まで、確実に僕は4曲連続でボコられます助けて~!

泰輝さんの擬似ウッドベースでイントロの瞬間それと分かりますね。フレットを叩くような音まで聴こえるような気がしたのは・・・キーボードでそういう音色設定になってるのかな。とにかく泰輝さんはウッドベースにホーン・セクションにと大活躍なのです、この曲。
3連符のブレイクもカッコイイぞ、鉄人バンド!

ジュリーもお正月の時と同じように、ヴォーカルだけでなくアクションもキレッキレです。
ステージを変則的に闊歩して指を立てたり、客席に背中を向けた状態でお尻を揺らして挑発してくれます。柴山さんもガンガン動き回ってくれて、お客さんの盛り上がりもMAXとなり、これが19曲目。

おそらく次の曲が本割のトリとなるのでしょう。
と、言うことはバラードか・・・?
いつもなら、セトリ予想はおろかその場に際してもまったくセットリストの流れを読み取れない僕ですが、今回だけは特別のようです。次の曲のイントロがこの時点で早くも脳内再生されていたのでした。


20曲目「きわどい季節

Royal80

「ねじれた祈り」が終わって、待ち構えていた泰輝さんのストリングス・・・何と珍しい、思った通りです。これまたLIVE初体感の「きわどい季節」が始まりました。
嬉しい・・・本当に嬉しい!
先日の考察記事では「近いうちに歌ってくれるんじゃないか」とは書いたけど自信があるわけじゃなかったし、どのみち僕の予想なんてなぁ、と思っていましたから、こうして今ツアーで早々と実現するなんて数10分前までは考えてもいませんでした。
でも、ここまでセットリストが進んでいくうちにいつしか「今日歌ってくれる!」と確信していたこの感覚は何だろう?凄いよ、加瀬さん・・・これも素晴らしい名曲です。

ジュリーの優しい歌声が会場を包んで、泰輝さんのヴァイオリンの音色がジュリーの声を追いかけて、間奏では再びストリングス、そしてキラキラとした転調。
美しいです。
加瀬さん、やっぱりこの曲は「君をのせて」の加瀬さんヴァージョンなんだね・・・と思いました。
ジュリーが苦しかった時期に加瀬さんがこんな曲をジュリーのために作った、その心意気、愛情が時を経て伝わってくるような・・・僕はこの曲のリリース当時のことを知らないから偉そうなことは言えないんだけど、なんて素敵なバラードだろう、と。

サビの「振りむけば乙女が♪」のところで、ジュリーの声に魔法がかかります。きっとこれは、ジュリーの声を知りつくした加瀬さん狙い通りの魔法なんだよね・・・。

実はYOKO君もこの曲は大好物。彼はジュリーが歌う3連符の曲は全部大好物(よく「きわどい季節」と「太陽のひとりごと」が好きだ、と言ってます)みたいです。
でもさすがの彼もこのイントロ、泰輝さんの華麗なストリングスが鳴っている最中に殴りかかってくることはしないでしょう(←希望的観測)。とにかくひたすら感動して放心状態になってるんじゃないかな?

~MC~

熱烈なアンコールの拍手に迎えられて、ジュリーが着替えて再登場。
すみません・・・服飾センス・ゼロの僕はこの2着目の衣装の記憶がありません(涙)。

開口一番、ジュリーは「疲れた・・・」。
あまりに疲れて、ステージ裏で「若い女の子に寄りかかってしまった」と。

「いや、嘘ですよ。若い女の子かと思ったら、スタンドやった・・・アイ、アンダスタンド!

で場内爆笑。
これね~、アーティストや演奏者が行き来する楽屋、或いはその途中の通路にストックのマイクスタンドが無造作に放置してあるとは考えられないので、ジュリーが「女の子かと思って寄りかかった」のは、下山さんが「こっちの水苦いぞ」で使用していたアコギ・スタンドで間違いないんじゃないかな~。

MCはお正月同様サクッと終わるんじゃないかと思っていましたが、結構色々と話してくれました。
でも、その後の北とぴあやRISURU各会場の情報では完全に漫談タイム復活、という感じのようですから、初日はそれでも短めのMCだったんですね。
「取材の記者さんがたくさん入っているので、あまり喋れなかった」と北とぴあで語ってくれたというジュリー。ジュリーが「喋りたかった」のは当然加瀬さんのこと。

ジュリーは努めて明るく
「阿久さんが亡くなった時に、次は加瀬さんかな~、なんて言ってしまって・・・。だいたい、その通りに進んでいるようでございますが」
と笑わせてくれたけど、悲しみは抑え切れず
「加瀬さんは、まだまだ生きたかったと思いますよ・・・まぁ、しゃあないなぁ・・・」
と言った時には、本当に辛そうでした。
この言葉はメディアにも大きく採り上げられていましたが、その場にいないとジュリーの悲しげな様子、加瀬さんへの親愛の吐露は伝わらないですね・・・。

「時期が時期だっただけに(ちょうどツアーのセットリストを決める時期だった、ということでしょう)、もう新曲以外は全部加瀬さんの曲で行こう!と」
決めたそうです。
「そうしてみたら、ワタシが光り輝いていた頃の歌ばかりで・・・あぁ、自分にもこんな頃があったんだなぁ、と今日も歌いながら考えたりしていたわけですが(笑)」
と、これはメディアでは「しんみりと」と書かれていたけど実際のニュアンスはそうではなく、加瀬さんの話でしんみりしてしまったお客さんを明るくしよう、と笑いをとりにいっていたように感じられました。
でも、明るく話していてもやっぱりジュリーのたたずまいは悲しげでね・・・それが伝わってくるから僕らも笑いながら加瀬さんの笑顔を思い出したりして。

「新曲以外は加瀬さんの曲」ということでジュリーもお客さんの気持ちを心得たように
「みなさんが考えていること、分かりますよ。アレはまだやってないな、とか(←「TOKIO」のことでしょう)、アレはやるやろな、とか(←「気になるお前」でしょう)、あと1曲が問題やな、とか・・・」
ということで、アンコールが3曲であることを自らネタバレするジュリーなのでした。

改めての鉄人バンドのメンバー紹介があり
「それではみなさま、よろしゅうございますか?」
からの
「オマケです~!」


~アンコール~

21曲目「
TOKIO

Royal2_2

↑ 今回、収録CDの画像を敢えて『ROYAL STRAIGHT FLUSH 2』の方にしてみました。
みなさまご存知の通り「TOKIO」はアルバムとシングルではヴァージョンが異なります。アルバム『TOKIO』は79年末のリリースで、第1弾シングルはジュリーの希望により「ロンリー・ウルフ」でした。もちろん素晴らしい名曲ですがセールス的には今ひとつで、明けて80年、加瀬さんの推す「TOKIO」をタイトなヴァージョンに改めてシングル・リリースするやいなやの大ヒット。
結果として、「TOKIO」は邦楽界「80年代の幕開け」を象徴するような「誰もが知る」名曲となりました。
「加瀬さんの嗅覚、眼力、畏るべし!」という意味においても、加瀬さん作曲、プロデュースのジュリー・ナンバーとして「TOKIO」が「危険なふたり」と双璧であることは、一般的評価含めまったく異論の無いところですよね。
後で知りましたが、今ツアーの「演奏予定曲」としても「危険なふたり」「TOKIO」
の2曲は事前に各方面で全面的なプッシュがあったそうです。

「そ~らをとぶ(チャ・チャ!)、ま~ちがとぶ(チャ・チャ!)」の手拍子もね・・・会場皆でやりました。
これ、ジュリー本人としては「合うとるのか?」という発言もあったりで歌っていて微妙な感じらしいのですが、ジュリワンの時に(ツアー途中から)加瀬さんがお客さんと一緒になってやり始めちゃいましたからね~。
「加瀬さんのお墨つきが出た!」ということでファンとしてはもう何の躊躇いも無くなりました。
思い出します・・・両手を上に掲げて「チャ、チャ!」と手拍子する加瀬さんの姿。

毎回と言えば毎回ですが、初日もこの曲のブレイク部では何やらジュリーが面白いポーズをとっていたらしいのです。恥ずかしながら僕は記憶が無くて。
僕はそこでもやはり、「あぁ、加瀬さんここではピッキング・スクラッチで効果音を出しながら、どうだい?みたいな表情をしていたっけなぁ・・・」なんてジュリワンのステージをまた思い出しましてね。
とてつもなく楽しい中に、寂しさがあったりして。

今回僕は、この「TOKIO」と「恋のバッド・チューニング」では何故か涙が上がってくるんです。こんなにロックでハッピーで楽しい2曲なのに。
加瀬さんの色が濃い曲、ということなのか、それとも僕もテレビでタイムリーな記憶が鮮明に残っている2曲なので、加瀬さんへの尊敬の念が個人的な思い出と重なってしまっているということなのか・・・。
糸井さんの歌詞もそうだし、楽曲構成、アレンジ、演奏、そしてジュリーのパフォーマンスと完全無欠のロック・ヴォーカルを生で体感すると改めて思います。
シングル・リリース当時、巷で「ロック」を掲げて胸を張って歩いていたアーティスト達が
「ヤバイぞ、沢田研二がこっちに殴りこんできた!」
と畏れた2曲・・・だったんじゃないかなぁ。

僕は今、もどかしいです。
「邦楽ロックの歴史にジュリーあり!」というのは最近様々な媒体で語られるようになったけど、それは同時に「邦楽ロックの歴史に加瀬邦彦作品あり!」とも断言できるはずなのに、加瀬さんは未だそこまでの評価を(世間的には)受けていないように思えるので。
『ロックジェット』さん、今こそ「加瀬邦彦×沢田研二」という特集号はいかがですか?
売・れ・ま・す・よ!


22曲目「気になるお前

Julie6_2

「TOKIO」は「誰もが知る大ヒット曲」として、そしてこの「気になるお前」はおそらく、ジュリー自身「一番お気に入りのKASE SONG」としてのアンコール配置。
70年代を共に過ごした長いファンの先輩方ほど、それを分かっていらっしゃいるのでしょうし、ジュリーもそうした先輩方の気持ちを念頭に、先のMCで「アレはやるやろな」、と指を折ったのでしょう。

ジュリーにシングル・ヒットチャートの歴史あれば、一方ではステージの歴史あり。
加瀬さん作曲の「気になるお前」は、リリースから40年以上の時が経った今でもカッコ良いロックン・ジュリーの象徴のような曲でした。きっとこれからも。
「TOKIO」「気になるお前」の流れは、「うわちゃあ!」のシャウトを連発する67歳のロックシンガーのLIVEセットリスト・アンコールにふさわしい!
そしてこの2曲、イントロのリフが複音のゴリゴリ系であることも共通しています。
後から把握したのですが(恥)、本編では新曲以外SGVで通していた柴山さんは、この2曲ではいつも通りのSGだったのだそうです。
「加瀬さん、最後は客席からどうぞ!僕らの演奏を観ていてください」・・・ステージ上の5人は、アンコールではそんな気持ちだったのかもしれないなぁ。

鉄人バンドのこの曲での間奏はもはやお馴染み、下山さん→泰輝さん→柴山さんとリレーするソロ競演は、もちろん今回も披露されます。
予言しておきますが、きっとツアーが進んでいくに連れてこの間奏での下山さんの動きが怪しくなっていきますよ~。カックンカックンし出すと思う!
あと、柴山さんはファイナルが近くなってきたら相当ハメを外したソロを弾く気がします。いきなり歯で弾き出すかも・・・(それはさすがにナイか)。

それほど今回の「気になるお前」には、お客さんに対してももちろんそうだけど、「加瀬さん観てください!」というオーラが強い演奏になっていると思います。ジュリーと「気」を合わせてバンドメンバーの少年性も開放されていると言うかね・・・。

もちろんここでセットリストが終わったとしても誰もが納得できるかな、とも思うのだけれど・・・でも、ジュリーが先に3つ指を折った通り、もう1曲あるんですよね。
パーティーの熱狂と興奮の後に、ジュリーが静かに歌わなければならない曲が。

23曲目「
海にむけて

Rocknrollmarch

もう、これしかないですよね。こういうセットリストなら、最後はこの曲しかないです。
下山さんがアコギにチェンジするのを見るよりも早く、ほとんどのファンは
ラスト1曲が「海にむけて」であることを悟っていたでしょう。

ジュリーの歌を聴いていて、やっぱり僕は泣いてしまった・・・途中、何度か我慢したんですけど、周りのお姉さん達のすすり泣きが聞こえてきて、「うあ~、これはもうダメだ」と。
でも、ジュリーに涙はありませんでした。
その後の会場で、ジュリーも泣いてしまっていた、という情報も得ているのだけれど、初日はただただ爽快にこの曲を歌っていたジュリーでした。

僕も、まだまだ回数はそんなに多くはないのかもしれないけど、身近な大切な人の旅立ちに何度か立ち合ってきました。祖父母であったり、母親であったり、恩師であったり、同級生であったり、まだ年若い友人であったりするのですが、そんな時「どのようにして亡くなったのか」ということを嘆くことも当然あるけれど、熱い涙(比喩ではなく、文字通りの「熱い涙」です)が流れるのは・・・共に過ごしたり語り合ったりした日々を思い出して、涙を流すわけじゃないですか。
その人は自分にとってどんな人だったか、その人にとって自分はどんな存在であったのか。
時間が経てば経つほどに、「一緒にどこそこに行ったなぁ」とか「何もしてあげられなかったなぁ」とか考えて熱い涙が溢れてくるんじゃないか、と思うのです。

それは今生きている自分がその人の思い出を背負うということなのかもしれないけど、とにかくその人の生きた証、自分が知るその人の志を信じることで「安らかなれ」と祈ることもできるんじゃないのかなぁ。
「きっとこうだったんじゃないか」と信じること・・・。
ジュリーは「加瀬さんはまだ生きていたかったと思う」と。
山梨公演のMCではさらに踏み込んで
「自死と言われているけど、そうではなかったと僕は信じています」
と語ってくれたそうですね。

愛すれば信あり。
ジュリーは加瀬さんを愛しているんだなぁ、と今さらながらに思います。「僕に気があったのかな?」は、お互いに言えるんじゃあない?ねぇ加瀬さん。

だから、先に「時間が経てば経つほど」と書いたけど・・・今ツアーで言えば、LIVEを重ねれば重ねるほど、「海にむけて」を歌えば歌うほど、ジュリーの涙は止まらなくなるのかもしれません。
初日のジュリーは、「泣くまい」と堪えていたのかな。
僕にはそのあたりは分からなかったけど、ジュリーはこの日、「海にむけて」の美しいメロディー、清潔な歌詞を爽快に歌いきりました。
この先は、そうではなくなってくるかもしれない・・・でも、たとえジュリーが慟哭のヴォーカルになっても、お客さんがそれを見て泣いてしまっても、「加瀬さんを明るく送る」ということはできるんじゃないかと思います。
本当に邪気の無い曲だから・・・。

この曲、Aメロに「クライ・ベイビー・クライ♪」ってコーラスが登場しますよね?
実はビートルズにそういうタイトルの曲があるんです(『ホワイト・アルバム』収録)。
「赤ん坊よ泣け泣け。泣いて泣いて、お母さんを困らせてやるんだ」という曲。
「お母さんの愛情がもっと欲しい!」という歌なのかな、と昔思っていたものです。
「海にむけて」では、会場の何処かで見ている加瀬さんを「困らせてやるんだ」というくらい、ジュリーもみんなも揃って泣いてしまってもそれで良いのかもなぁ、と今は思っています。
いくら泣いても、愛情は枯れません。加瀬さんのジュリーへの愛情は無尽蔵なのですからね・・・。

☆    ☆    ☆

最後に思いっきりしんみりしたことを書いてはしまいましたが・・・本当に楽しいLIVEでした。
加瀬さんの曲はたとえ短調の曲でもジュリーに心を込めて歌われると、健やかな感じがします。
キュンキュンします。「性格のいい曲たち」と仰った先輩がいらしたけど、正にその通りで。
加瀬さんの曲の懐の深さに今一番驚いているのは、これまで何度も加瀬さんの曲を歌い続けてきたはずの、ステージ上のジュリー自身だったかもしれません。

僕は今一度言いたい・・・。
新譜4曲以外、すべて同一の作曲家の作品で固められたセットリストで、これほどまでにバラエティーに富み、ジュリーの天賦のロック性、純粋な少年性、罪無き不良性、エロティシズムに至るまでの魅力を引き出し、67歳の歌手による2015年という時代のロック・コンサートとして超一流のステージを作り上げることができるのです。
僕はどうしてもジュリーファン目線でしかこういうことを書けないのだけれど、世のロック・メディアには今こそ声を上げて欲しい・・・「加瀬邦彦、偉大なり!」を沢田研二が証明してみせたのだ、と。

ともかく初日、大トリの「海にむけて」でジュリーに涙は無く、最後の挨拶もほがらかに・・・ステージから退場する時、「ゲッツ!」をやってませんでした?
最近テレビで観たのかな?(僕は観ました笑)

大宮では、どんなふうに変わるかなぁ。
もうあと3回寝たら大宮公演当日なんですよ。レポを書いていたらあっという間でした。
今月は会社の決算期で色々と大変な日常なんだけど、すぐにまたあのセットリストが体感できる!と思ったらバリバリ働けます。
ちょっと駆け足のレポになってしまいましたが(って、文章だけは相変わらず長いけど)、とりあえず大宮までに書き終えることができて良かった(ホッ)。

僕はともかくとして、YOKO君は背が高いですから大宮では開演前から目立っちゃうと思います。
見た目はデンジャラスですが、実は礼儀を重んじる優しい男ですので、気軽に声をかけてあげてください。
ただし、セットリストのネタバレは厳禁でお願いいたします。なんとなくジュリー界の「今年は特別」な雰囲気を察しているのか、珍しく彼の鋼鉄の意志もぐらつき気味みたいで、今は必死で耐え忍ぶ毎日を過ごしているようです(先日、「無になれ俺!」とメールが来た笑)。

それでは(次は)本館の方にて、大宮公演レポートでお会いしましょう。
大阪フェスや広島、九州が初日のみなさまの中にはネタバレ我慢を頑張っている方々も多いようですので、大宮のレポは執筆途中のupはせず、すべて書き終えてから公開とします。書き終えるのは9月第2週くらいになるんじゃないかと思っています。
僕がどのくらいボコボコにされるのか、楽しみにお待ちくださいね~。

最後に。
もう今回はこのひと言しかありません。

加瀬さん、ありがとう!
絶対に忘れません・・・。

20150817

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2015年8月15日 (土)

『こっちの水苦いぞ』ツアー大成功祈願!

さぁ、いよいよジュリーと鉄人バンドの『こっちの水苦いぞ』全国ツアーが始まります。
加瀬さんのこと、日本の将来のこと、原発のこと、世界の現状のこと、そして被災地への変わらぬ祈りをもって、11月3日のファイナルまで駆け抜けるツアー。
ジュリーの志とは真逆の強弁、社会体制が幅を利かせる世の中となってしまっていますが、ジュリー達は必ずやり遂げるでしょう。


今回は”恒例・全然当たらないセットリスト予想”の考察記事執筆も中止し、セトリ予想とは関係なくひたすら加瀬さんの曲ばかりを書いてきたわけですが、加瀬さんのことがある前は、今年も当然セトリ予想をするつもりで、早々に曲目も決めていたのですよ。
「6月後半から(セトリ予想として)書こう」と予定していた5曲とその個人的な予想経緯を、せっかくですからここでチラッと挙げておきましょう。

「weeping swallow」
(ジュリーの幾多ある平和のメッセージ・ソングの中で、個人的に今一番生で聴いてみたい曲)
「君が泣くのを見た」
(今年の”憑き物落とし”候補)
「睡蓮」
(近年LIVE定番のロック・ナンバーから選出)
「護られている I love you」
(震災の年以来、毎年全国ツアー前には「歌って欲しい」という気持ちに駆られる名曲)
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」
(ここ2年間の傾向に倣い、「お正月LIVEのセトリからスライドされる大ヒット曲」として予想。夏からの全国ツアーの僕のセトリ予想では毎年恒例となりつつある「超有名曲1曲のみ辛うじて的中」を狙った汗)

この中で「睡蓮」「護られている I love you」「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」については、毎年5、6曲ずつ書くことをノルマとしている、『ジュリー祭り』セットリストからの選曲、という意味合いもありました(拙ブログでは、ジュリーの70歳超えまでに『ジュリー祭り』のセットリスト全曲を記事にすることを目標として掲げています。結局今年は加瀬さんの曲を書いていくことで、あっという間にノルマを達してしまいました)。

まぁ、僕の予想は本当に当たらないのでね・・・毎回、個人的に書きたい曲、聴きたい曲を挙げているに過ぎないのですが、「君が泣くのを見た」あたりは、我ながらイイ線突いた予想かな、なんて思っていました。執筆はまたいずれの機会、ということになります。

みなさまはどんな曲を予想されていますか?
人それぞれに「聴きたい曲」があると思います。そんな中で、いざ提示されたセットリストに毎年感動させられ、「これが最高」と思わせてくれる・・・それがジュリーのLIVEです。今年もいよいよですよ!

初日のレポはこのside-Bに執筆しますが、フォーラム当日から最初のupまでには数日を要します。その間、「この曲が良かった」「この曲は意外だった」など、みなさまの抑えきれない感動のお言葉や、続く北とぴあ、多摩・・・各会場に参加される方々のご感想も、この記事にてお待ちしていますからね~。


こんなものがみなさまのお役に立つのか、そもそもそんなセットリストとなるのかどうかすら今はまだ分かりませんが、一応用意させて頂きました。
「dangermap_kase_songs.xls」をダウンロード
(ジュリーとはまったく関係ない「超電子バイオマン」とかもリストに入れちゃってます汗)


今年のジュリーの全国ツアーが無事に、大成功、大盛況に終わることを祈りつつ・・・。
まずは初日東京公演、行ってまいります!

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