『Pleasure Pleasure』

2009年6月25日 (木)

沢田研二 「緑色のKiss Kiss Kiss」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のKiss Kiss Kiss

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今日は、ジュリーのお誕生日です。
61歳を迎えたジュリーは、新譜「Pleasure Pleasure」について、「60年の人生への感謝として位置づけている」という事をラジオで語ったそうですね。
明らかに波が来ている還暦後のジュリー。それでも姿勢を崩すことなく、これからも粛々と活動していくのでしょう。
今一番カッコいい61歳。あんな61歳になりたいなぁ。

また、新譜については「同世代に向けて歌った」という発言もあったようです。
実は、その発言は偶然、僕が今日の記事で書こう、と考えていた事とシンクロしているんですよ~。
新譜CD「Pleasure Pleasure」より、トリを飾ります名曲は「緑色のKiss Kiss Kiss」。
伝授!

少し前に、morie様より頂いたコメントを拝見して考えた事があるんです。
今の時点で、かなりの幅広い世代が集結するジュリーのLIVEですが、今後その度合は更に広がっていくでしょう。
極端に言えば、80歳のおばあ様と、その娘さんと、お孫さんが連れ立って参戦する、という事態が普通に考えられます。
そうなってきますと、CCレモンみたく最初から最後までオールスタンディングってのも、どんなモンなんだろうなぁ、と・・・。

もちろん、若くて元気なお客さんは、終始立ち上がってノリまくっていたい。
それはよく分かります。今の僕がそうですから。

しかし、ふと、80歳のジュリーLIVEを観にいく62歳の自分を想像しますと。
今と同じようなガチンコ・スタンディングで行けるかどうか、完全な自信はありません。
今後もちろん、若い新しいファンもどんどん増えてくるでしょうが、基本路線として、LIVE参戦者の平均年齢は年とともに上がっていくでしょう。
ジュリーも、基本はロックでしょうが、今のように動けなくなる時も、当然来ます。
Songsのインタビューでは、「あと5年は行ける。そこから70までは、ごまかしごまかしで何とか行く。さらにその後は・・・う~ん」みたいな事を言っていましたよね。

でも、70歳を超えても、ジュリーも観客も、動かない身体で何とかロックしよう、と考えるはず。
そこで威力を発揮するのが、「キメの手拍子」なんじゃないかと。

「緑色のKiss Kiss Kiss」のリズムは、70年代までは総じて「ボ・ディドリー風」と呼称されていて(今では「ジャングル・ビート」の一部として表現されます。必ずしもロックのみで取り入れられるリズムではなくなってきたからです)、黒っぽくで強烈なロック・リズムです。

♪たん、つ、たん、つ、たん、つつたんたん!♪
(名古屋がお初のみなさま~。どうか最後の予習を~)

CDでもLIVEでも、GRACE姉さんのバスドラムは終始その刺激的なリズムを刻み続けています。

LIVE会場で座って観ていらっしゃるお客さんも、この手拍子に参加する事で、充分なロック・エモーションをジュリーと共有できると思うのです。

新譜ではこの曲ともう1曲、タイトルチューン「Pleasure Pleasure」にキメの手拍子があり、LIVEでジュリーはお客さんの参加を煽ります。
考え過ぎかもしれませんが、思慮深いジュリーは、10年後のLIVE参戦者の平均年齢まで考えた上で、手拍子導入楽曲の割合を増やしているのではないでしょうか。
半分くらいのお客さんが座った状態だったとしても、この手法ならロック・コンサートの雰囲気が成り立つ・・・年齢を重ねていっても、幾つになっても、とにかくロックしたい・・・ジュリーなら、そんな事を考えていそうな気がするのです。

ちなみに「緑色のKiss Kiss Kiss」で取り入れられたこの独特のリズムの本家・R&Bの旗手、ボ・ディドリー氏は、70歳代後半まで、精力的にLIVEツアーを敢行しました。
高年齢の御自身および観客との一体感を、このリズムが切り札として助太刀したであろう事は、想像に難くないのです。

すみません、ここまで長々と手拍子の話ばかりになってしまいました。

希望」「我が窮状」の流れを汲むジュリーの作詞について。
ジュリーが「ポリティクスではない」と歌っている事が全てです。聴き手の感性次第で、色々な解釈があるでしょう。

「黙した声」というのは、発言にしてしまうと様々な齟齬が出てくるから、という意味。同じ「志」「気持ち」を持つ人々の存在を指しているのではないでしょうか。

メロディーの美しさは泰輝さんならでは。「奇跡」同様、ロックなアレンジの中に瑞々しい愁いを合わせ持つ名曲と言えるでしょう。
CDで聴くとそれほど目立たない箇所ですが、LIVEでは間奏のピアノソロが圧巻でした。今後参戦される方々は、泰輝さんの豪快な演奏に是非注目して下さい。

さて、今回の記事をもって、新譜「Pleasure Pleasure」全曲の伝授を終えました。
やはり僕にとって、初めてツアーと同時進行で、タイムリーに楽しめたCDという意味がすごく大きかったのです。
僕の中では、忘れられない名盤となりました。
そして、来年も、それ以降も、フルアルバムでなくても、普通にシングル盤でも良い・・・とにかく新曲をリリースし続けて欲しい、と強く思うのです。

来年も、ツアー最中に新譜の全曲伝授ができますように。
改めて、感謝をこめて。お誕生日おめでとうございます~。

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2009年6月23日 (火)

沢田研二 「NAPOLITAIN」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

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さぁ、関西2Daysもつつがなく終わりました。大盛況だったようで。
いよいよ週末は名古屋ですね。
名古屋がお初、という方々も多いように見受けられます。重ねまして、新譜「Pleasure Pleasure」収録曲を存分に予習しての参戦をオススメいたします。

当ブログもですね。
ここまできたら満タンシングル全曲伝授や~!(ちなみに「別館ジュリー」のメイ様は、御自身の初参戦までに全曲の記事を書き終えていらっしゃいます。さすがです。)
というワケで。
今日は5曲目「NAPOLITAIN」、伝授!

これは何と言ってもジュリーの詞ですね。
普通に読めば、言葉遊びから来る軽快なロックチューン。しかし、いくらでも過剰解釈できるメッセージソングでもあるワケで。
そんな過剰解釈を戒める歌に過剰に反応してしまう僕も僕ですが・・・人生は過剰に満ちているんです!(このワケわからん文章は、一応貝塚MCへのオマージュです、すみません)。

まずは言葉の並べ方が過激なのが興味深くて。
一見関連性が無いような二つの単語をサクッと並べているのですが、ちょっとドキリとするようなセンスです。最も強烈なのが、

病に神に畏れすぎない♪

の「病」と「神」。

他にも

未来に金にのめりすぎない♪
血肉にエコに溺れすぎない♪

など。
ジュリー祭り後の、僕のような熱病のように現れた新しいコアなファンの動向が、ジュリーにはどう見えているのか・・・少し不安にさせる歌詞でもあるんです。
特に僕の場合、こんな感じのブログをやっているものですから、

言葉に無知にかまけすぎない♪

という、この部分が妙に引っかかるワケです。

確かに僕はここ半年、過剰なまでに言葉を並べ立ててジュリーナンバーについて血道を上げて語っています。
自分が新規組である、という事を逆手にとったような表現も、時折使っています。「無知にかまける」、というのはそういう意味なのでしょうか・・・。

救いは、「ほどほどに感じればいい」という答えを、「NAPOLITAIN」の詞の中でジュリーが用意してくれている事です。

僕は渋谷で初めてこの曲が演奏された時から、ちょっと神妙に聴いていまっていたのですが(ジュリーって、ホント歌詞が聴き取り易いヴォーカリストですよね)、実は渋谷の2日間でそれぞれ同席させて頂いた女性お二人、どちらの方もこの「NAPOLITAIN」を、LIVE後に「良かった」とおっしゃってたんですよ。
また、他のブログさんでも、この曲を気に入っていらっしゃる女性ファンが多いようです。

まさに「ほどほどに感じ」て、このアップテンポなロックナンバーを自然体で楽しんでいらっしゃるのでしょう。
ジュリーファンって、ひょっとしたら男性の方が過剰なのかもしれませんね。少なくとも僕について、それは当てはまっています。

LIVEでは、もうジュリーがステージの隅から隅へと走り回ります、この曲。
作曲者である下山さんのギターも素晴らしかった。
今後参加する大宮以降では、僕も何とか、素直に、自然に、そんな演奏を楽しみたいと思っている次第なのです。

ただね。
ここまでトッ散らかったフレーズ(良い意味で、ですよ!)を連発するワケですから、いかな自作詞と言えども、完璧に歌うのは至難の技かと。

貝塚では相当に歌詞をヤラかした、というお話もあちらこちらで目にしております。

僕は、頑張って歌詞覚えていきます。
ジュリーが完璧な歌で僕を叱ってくれますように♪

てか、「NAPOLITAIN」でここまでシリアスな文章を書く自分は、やっぱどうかしてるって!過剰や過剰!
明快に、楽しみましょう。そういう曲です。

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2009年6月20日 (土)

沢田研二 「BAMBINO EXCUSE」

from『Pleasure Pleasure』、2009

大東組のみなさま、おかえりなさいませ。
いかがでしたか?関西限定の漫談などは?

これで今ツアーも無事関西初陣を終えました。
大東コンサートの成功を祝し、本日よりMC(漫談)および新譜「Pleasure Pleasure」収録曲のLIVE演奏の様子につきまして、ネタバレ解禁しようと思います。
新譜以外のセットリストについては、引き続きネタバレリンクへの来訪、お待ちしております~。

いや、新譜のLIVEアクションについてネタバレ解禁するのはね。

いくら僕でも、LIVEの話抜きに、この「BAMBINO EXCUSE」1曲だけで長文記事書けんわ~!

という事情があったりして。

大好きなナンバーなんですけど。いざ語れ、と言われると・・・うぅ、どうしよ?みたいな。
愛をこめて<バカロックの類>と呼称させてください。満タンシングル「Pleasure Pleasure」から4曲目、伝授!

作詞・作曲ともにジュリー自身、というのはちょっと久しぶりのようで。
CDの曲名・クレジットの情報が発表された時には、多くの方々が「ジュリー作詞・作曲・・・どんな曲だろ?」と胸を躍らせたり、はたまた恐れおののいたり(おいおい)。
蓋を開けてみますと、いかにも今のジュリーらしい、豪快なバカロック!
僕はCDより先に、渋谷初日で初めてこの曲を聴いたんですけど、「やってくれる~♪」ってな感じで大変盛り上がりました。
意味なくハジけるバカロック(いや、褒めてるんです)、大好きなのです。

「バンビーノ」というのはいかにもロック的な固有名詞で、わがままなイメージ、エロティックなイメージがある単語なんですよね。
邦楽ロックナンバーで使用頻度が高く、「バンビーノ」がオス、「バンビーナ」はメスです。
ロックを作る際はエロティックなニュアンスがあった方が良い、という概念は、ジュリーの中でずっと生き続けているようですね。

で、LIVEにおけるジュリーのアクションの話なんですが。

サビ(なのかこれは)部「ばん・び~の!」で、ひとさし指立てての右腕突き上げポーズがあって。
まだ楽曲慣れしてない渋谷組、必死でジュリーについていこうとしてたんだけどさ。
ジュリー、やる箇所とやらない箇所があるのよ。渋谷2日間観た感じだと、特に決めてないみたい。
ジュリーがやらない時に勢い余って腕突き上げちゃうと、ちょっと気まずかったりするワケです。
そこで伝授したいのが、腕振り上げのタイミング。

ジュリーは「ばん・び~の!」の「ばん!」の部分でやるんですけど、お客さんは1拍遅れて「び~の!」の部分でガツンとついていくのがイイんです。
ジュリーより1拍遅れてやる事になりますが、ここは小節の2拍目(ばん)と3拍目(び~の)が連続頭打ちのアレンジなので、身体で感じてるリズムにも合ってて、決して不自然ではないのね。
意味なく歌詞が入れ替わる(いえ、しつこいようですがコレは褒めてるんです)「えくすきゅ~!」のトコも、ジュリーが「えくす!」でやったのを確認してから「きゅ~!」でついていく、と。

僕は渋谷2日目で、これを実践しました。大変気持ち良かったです。
まぁ、細かいコトを言えば、ジュリーは腕突き上げと同時に大股開くんですけど、さすがに我々はそこまでやらんでよろし。危ないですから。

せっかくですのでアレンジにもちょこっと触れましょう。
泰輝さんのオルガンは、初期のXTCです。
XTCというバンドは、サイケデリックな録音オタクバンド的なイメージがありますが、初期の2枚のアルバムは完全にアフターパンク路線。演奏もさる事ながら、ヴォーカルもジョン・ライドンみたいな感じで。
泰輝さんのプレイはまさに当時のXTC。カッコいいアフターパンク流のオルガンです。故意に、チューニングをほんの少しフラットさせて、ルーズな感じを出しているのです。
本当は、鍵盤にのしかかるようにして、「く」の字になって弾いてほしいトコなんですけどねぇ。でも、この曲のLIVE演奏で一番印象に残ったのは、キーボードでした。

え、歌詞?

それは、もう様々な方があちらこちらで突っ込んでいらっしゃいますから・・・。
僕も、ネタバレリンクで書いたレポでは若干ツッコミ入れときました。

「BAMBINO EXCUSE」の「よ~う・よう・よう・よ~♪」は
「KNOCK TURN」の「の・の・の・の・の・の・の・の♪」
に、肩を並べたのではないか、とだけ言っておきましょ~。

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2009年6月18日 (木)

沢田研二 「僕は歌うよ」

from「Pleasure Pleasure」、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

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黒部にご参加のみなさま、お帰りなさいませ。新譜の演奏、良かったでしょ~?
感想などございましたら、是非ネタバレリンクの方にコメントお願いいたします~。

てなことで、今日も満タンシングル『Pleasure Pleasure』からのお題です。
3曲目収録、新譜の中では唯一のバラード。
「僕は歌うよ」、伝授!

とにかく。
満タンシングルを聴いた多くの先輩方・・・お姉さま方は当然、クールなお兄様方からも圧倒的な支持を勝ち取った、このナンバー。
果たして僕にこの曲を語る資格があるのかどうか・・・。

と言うのも、「僕は歌うよ」を絶賛する方々は皆、ジュリーと歩んできた期間の長い方がほとんどで。
正に、そういう歌ですからね。「泣いた」というコメントを、あちらこちらで拝見しました。

僕の感想、「素敵な曲だな」止まりなのが、実は少し悔しい・・・。

もちろん、大好きな曲ですよ。でも、先輩方に匹敵するような大感動は、味わえていないと思うんです。
もしも、来年以降なかなかLIVEで聴く機会がなくて、ジュリーが80歳のコンサートでいきなり歌ったとしたら、僕も号泣するでしょう。今の先輩方と同じくらいの年月を(ん?それでも10年以上足りてないか?新参組は辛い・・・)、ジュリーと歩いてきている筈ですからね。
その時僕は・・・うわ~還暦や~。
それは、老後の楽しみにしていよう♪

そんなわけで、安珠さんの詞については、他ブログなどで多くの方が書いていらっしゃるし、僕も「Pleasure Pleasure」の記事で少し触れましたので、今日は楽曲構成とアレンジについて語ってまいりましょう。

GRACE姉さんの作曲したジュリーナンバーはこれまでにもいくつかありますが、泣きのバラード系は初めてではないでしょうか。
姉さんは、どうやって作曲するんだろう?ギター?鍵盤?それとも、単音かなぁ。
Aメロの構成に、寡作な作曲家ならではの面白さがあるんです。

この曲は変ロ長調で、譜面としてはB♭が主キーになるのですが、AメロにB♭コードが出てこない!これはなかなかエキセントリックな作りです。
サブ・ドミナントのE♭とDmを軸に和音展開。サビでようやく主キーに着地しますがそれも一瞬のこと。
「僕は歌うよ~♪」の部分でガクンと転調。これは良くあるパターンですけどね。
そうかと思ったらギターソロ部でバコ~ン!と今度は大胆に転調するし。まぁこの辺りはひょっとしたら白井さんか、下山さんのアイデアなのかもしれません。

なんだか専門的な話になってるようですが、ここまでみなさまにこの曲の構成をお話した上で、ちょっと聴き比べて頂きたい曲があるんですよ。

アルバム「俺たち最高」収録の「桜舞う」。以前に当ブログでも採り上げたバラードナンバーです。

「僕は歌うよ~、あなたの~ために♪」の部分と

「追いかける~君の後から僕は行く~♪」の部分

転調の構成が、同じなんです。理論が解らない方も、聴き比べて頂ければ何となくニュアンスは伝わると思います。
しかも、ギターソロ間奏部でバコ~ンとマイナーキーに転調し、ヴォーカル直前に元調に舞い戻ってくる、というのもアレンジの共通点。
白井さんか、もしくは下山さんのアイデア、と先に述べたのは、「桜舞う」との類似性を踏まえての事なのです。

まぁ、そんな事考えて聴いているうちは、まだまだヒヨッコなんですが。

LIVEでは、泰輝さんの演奏に注目してください。CDだと強力なジュリーのヴォーカルの背後になってあまり目立たないですけど、Bメロ部(1番で言うと「儚い命だとしても~♪」の部分)の鍵盤のメロディーがとても美しいです。
しかも、1番がハモンド、2番がピアノ。
郷愁(1番)から確信(2番)へ、という歌詞にのっとった音色の使い分け、と見ていますがどうでしょうか。

GRACE姉さんと同じく、泰輝さんも歌心のあるプレイヤーですよね~。

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2009年6月15日 (月)

沢田研二 「Smash the Rock」

~from「Pleasure Pleasure」、2009

今日も、満タンシングル「Pleasure Pleasure」から行きますよ~。
これはもう、使命のようなモンです。
ツアーが始まってから、明らかにアクセス数が増えております。それだけ皆様、LIVEの興奮醒めやらなかったり、参戦が待ち遠しくてウズウズしていたり・・・そんな皆様が一様に、このニューリリースCDを聴きまくっている事だけは、間違いないでしょうから。

というか、僕がそうなので。

なんと言っても、ツアーとニューアルバム(いや、シングルらしいが)を同時進行で楽しむ、というのが初めてなんですよ、僕は。
そのことだけでも、「Pleasure Pleasure」という作品は僕にとって忘れられない名盤たりえるのです。

今日はCD2曲目、柴山さんの瑞々しいロック魂による作曲作品「Smash the Rock」、伝授です!

とにかくね。
ニューリリースCD「Pleasure Pleasure」の全収録タイトルが判明した時点で、一番気になった題名がこれ。
だって、いまどき「Smash the Rock」ですよ!
直訳だと「ロックをかませ!」。このタイトルだと、「Rock」という単語から、卑猥な匂いが全然してこない。文字通り、音楽の「Rock」・・・のイメージしか湧かない。
いや、さすがに蓋を開けてみれば、そんな事はないんですよ。この曲の場合もね。
歌詞には、結構大胆なご発言とか、あります(ある意味GRACE姉さんの得意技)。

しかし。
聴く前の段階でタイトルから受けるイメージは、「ロックをかます!」というただそれだけの曲だったりするわけで、これは逆にゾクゾクします。
無理にタイトル装飾したとて、演奏や内容、そしてヴォーカルが伴わない曲って、つまらないじゃないですか。
ややこしい装飾フレーズがなくとも、カッコいいロックは、カッコいい。それを多くのロックファンに教えてくれたのは、ローリング・ストーンズだと思います。一見非常にベタなタイトルの楽曲が、耳にすると信じられないくらいカッコいいという、独特の感覚を持ったバンドですから。

「Smash the Rock」の作曲者は柴山さん・・・こりゃ、この曲はストーンズに違いない!
そう思って聴いたら、本当にそうだったという。

単音のリフではなく、和音リフで押すんですよ、ストーンズって。
しかも二人で。
で、二人のギタリストのフレーズがキレイなユニゾンではなく、微妙にズレる。
そこがカッコいいんです。「Smash the Rock」はまさにそんなアレンジのナンバーでしたね~。
「ブラウン・シュガー」よりは「スタート・ミー・アップ」に近いです。より円熟味が増し、コレやっとけばメンバー全員ノリノリだろう、というね。

CD「Pleasure Pleasure」の収録曲はすべて・・・いや、ひょっとしたら他のどのアルバムもそうなのかもしれませんが、LIVEでの完成度を念頭に置いてアレンジされています。
白井さんはその点で、ジュリーからの信頼度は非常に高いと思われます。

「Smash the Rock」で言いますと、ギター2本の掛け合いの合間にディストオルガンが絡むのもその一例ですし、注目して欲しいのは何と言ってもドラムスです。
リードギター間奏部のプレイを気をつけて聴いてみてください。
間奏が進行していくに連れて、どんどん手数が増えていくんです。多くの方は何となくリードギターを中心に聴いていらっしゃるであろう箇所ですが、「何やら盛り上がってくるなぁ」と何となく感じてしまうのは、このドラムスアレンジを無意識に耳にしているからなのです!

きっと白井さん、もしくはジュリーが「ここはドラムス、どんどん暴れて!」というサジェスチョンを出したのではないでしょうか。

このようにして生まれたアンサンブルは、やはりLIVEで真価を発揮します。
ネタバレには当たらないと思いますので少し話しますと、僕は渋谷2日目が1階7列目という僥倖席だったのですが、ドラムス・キックの影と振動がビリビリと伝わった「Smash the Rock」を存分に堪能することができました。

当然ですが、ジュリーのヴォーカルは非の打ちどころなし。こういうタイプの曲がアルバムに1曲入ってるのって、ジュリー自身も嬉しいんじゃないかなぁ。

気づけば、週末は大東ですか。その前に黒部とかありますし。
今後LIVE参戦なさる皆様も、この曲では思いきりノッちゃって下さい!

しかし、この満タンシングルは全く飽きません。
きっと、ツアーが終わるまではヘビロテなんでしょうねぇ。
大宮、早く来~い!

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2009年6月11日 (木)

沢田研二 「Pleasure Pleasure」

from『Pleasure Pleasure』、2009

Pleasure

1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のkiss kiss kiss

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この曲の伝授は、ネタバレとは言わないですよね?
一般発売待ちだった方々のお手元にも、ニューアルバム(ジュリー曰く「6曲入り満タンシングル)が届いた頃でしょう。
当然、今ツアーで演奏されますけど、さすがにそれは皆様も先刻ご承知ですし。

今日は、LIVEでのパフォーマンスには一切触れません。
あくまで「Pleasure Pleasure」という楽曲の素晴らしさについてのみ書かせて頂きますので、ツアー参戦前の方々も安心しておつき合いくださいませ。

今後、CD全6曲のうち3、4曲は記事書いちゃいそうな気がしてますが、まずはタイトルチューン、本当に大好きになった名曲「Pleasure Pleasure」にて先陣をば。
伝授!

作詞・GRACE姉さん&作曲・白井良明さん。
ドーム直後に購入したアルバム「忘却の天才」で「不死鳥の調べ」を聴いた瞬間から、僕にとっては特別に思い入れのあるコンビの作品です。

この詞は、すごくジュリーっぽいんですよ。
特にここ数年のアルバムでのGRACEさんの詞は、一瞬ジュリーの作詞作品じゃないか、と勘違いしてしまうナンバーが多いです。


CD3曲目収録「僕は歌うよ」の安珠さんの作詞と比較すると、すごく興味深い。
お二方には共通点があって、どちらもいわゆる「職業作詞家」さんではない。
ですから、レトリックであるとかフレーズ選択においては、かなりの素人っぽさがあります。でも、それが今のジュリーにとても合っている作詞スタイルであることは、確かなのです。

普通に、日常考えている事柄をヒントに、気持ちを言葉に転換させていく。
カッコをつけないカッコ良さ・・・「潔さ」なのだと僕は思っています。それは、ジュリー自身の作詞スタイルとも一致します。

で。
そんなスタイルの中、GRACEさんは「ジュリー目線」、安珠さんは「ファン目線」であるように感じます。
「ジュリーがこんな事を歌ったらより伝わるんじゃないか」というGRACEさんに対して、「ジュリーにこんな事を歌ってもらいたい」という安珠さん。

僕は今回のCDを聴いて、そんなふうに考えました。いずれも素晴らしい視点であり、職業作詞家さんには却って表現できないような味わいがありますね。
お二人とも、人間・ジュリーが好き、というのが基本としてあるからだと思います。

「Pleasure Pleasure」は、その意味で、ジュリーが歌ってこそ、のナンバー。
難しい言葉は何ひとつなく、否定的な観念も何ひとつない。
ただひたすら、「歓び」が伝わる・・・それだけの歌。だからこそ、唯一無二の歌。

♪夢などいらないと言ってるわけじゃない
 今が豊かなだけだよ♪

ジュリーならもっと豪華なことができるはず、もっと露出できるはず・・・ファンはそう考えてしまうかもしれません。
でも、ジュリーは数年前から、すでに答えを出していたようです。それを改めて感じさせてくれるのが、この「Pleasure Pleasure」というナンバーなのです。
さぁ、今のジュリーの歓びを引き寄せて、パワーを貰いましょうよ、みなさん!

さらに。
この歓びを伝えるべく、白井さんの作曲が大いに貢献している事は言うまでもありません

コード進行は基本ド直球。ただし、構成はやっぱり素晴らしき変態路線です。
Aメロ→間奏→サビって!

Aメロ直後の間奏部、一瞬転調が謎です。近親移調と言って、主キーはそのままに、メジャースケールからマイナースケールへ移行します。
しかしそれも一瞬のこと。すぐに元調に戻り、メロディアスでカッコいいギターソロ、その後にサビ。
サビの1回し目は、1小節ごとにアコギ(下山さん)、エレキ(柴山さん)、ピアノ(泰輝さん)がそれぞれ2拍ずつの美味しいトコどり。
2回し目は、GRACE姉さんのドラムスが1小節ごとにフィルインします。
LIVEでの完成度を重視した、的確なバンドアンサンブル・アレンジ。まさにプレジャー×プレジャーな白井さん渾身のナンバーと言えますね~。

シンプルなコードに、贅沢なアレンジと極上のメロが載る。
プレジャーの根幹に回帰した白井さんにも拍手!です。

それにしてもこの数週間、何度「Pleasure」という単語をキーボードで打ち込んだことか。
いてまえさんのbbsに「Pressure Pressure(圧迫×圧迫)」と堂々と間違えてカキコしたのも今は昔。
もはや「P」と打つと、続けて「leasure」って勝手に指が動きます~。

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