沢田研二 「緑色のKiss Kiss Kiss」
from『Pleasure Pleasure』、2009
1. Pleasure Pleasure
2. Smash the Rock
3. 僕は歌うよ
4. BAMBINO EXCUSE
5. NAPOLITAIN
6. 緑色のKiss Kiss Kiss
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今日は、ジュリーのお誕生日です。
61歳を迎えたジュリーは、新譜「Pleasure Pleasure」について、「60年の人生への感謝として位置づけている」という事をラジオで語ったそうですね。
明らかに波が来ている還暦後のジュリー。それでも姿勢を崩すことなく、これからも粛々と活動していくのでしょう。
今一番カッコいい61歳。あんな61歳になりたいなぁ。
また、新譜については「同世代に向けて歌った」という発言もあったようです。
実は、その発言は偶然、僕が今日の記事で書こう、と考えていた事とシンクロしているんですよ~。
新譜CD「Pleasure Pleasure」より、トリを飾ります名曲は「緑色のKiss Kiss Kiss」。
伝授!
少し前に、morie様より頂いたコメントを拝見して考えた事があるんです。
今の時点で、かなりの幅広い世代が集結するジュリーのLIVEですが、今後その度合は更に広がっていくでしょう。
極端に言えば、80歳のおばあ様と、その娘さんと、お孫さんが連れ立って参戦する、という事態が普通に考えられます。
そうなってきますと、CCレモンみたく最初から最後までオールスタンディングってのも、どんなモンなんだろうなぁ、と・・・。
もちろん、若くて元気なお客さんは、終始立ち上がってノリまくっていたい。
それはよく分かります。今の僕がそうですから。
しかし、ふと、80歳のジュリーLIVEを観にいく62歳の自分を想像しますと。
今と同じようなガチンコ・スタンディングで行けるかどうか、完全な自信はありません。
今後もちろん、若い新しいファンもどんどん増えてくるでしょうが、基本路線として、LIVE参戦者の平均年齢は年とともに上がっていくでしょう。
ジュリーも、基本はロックでしょうが、今のように動けなくなる時も、当然来ます。
Songsのインタビューでは、「あと5年は行ける。そこから70までは、ごまかしごまかしで何とか行く。さらにその後は・・・う~ん」みたいな事を言っていましたよね。
でも、70歳を超えても、ジュリーも観客も、動かない身体で何とかロックしよう、と考えるはず。
そこで威力を発揮するのが、「キメの手拍子」なんじゃないかと。
「緑色のKiss Kiss Kiss」のリズムは、70年代までは総じて「ボ・ディドリー風」と呼称されていて(今では「ジャングル・ビート」の一部として表現されます。必ずしもロックのみで取り入れられるリズムではなくなってきたからです)、黒っぽくで強烈なロック・リズムです。
♪たん、つ、たん、つ、たん、つつたんたん!♪
(名古屋がお初のみなさま~。どうか最後の予習を~)
CDでもLIVEでも、GRACE姉さんのバスドラムは終始その刺激的なリズムを刻み続けています。
LIVE会場で座って観ていらっしゃるお客さんも、この手拍子に参加する事で、充分なロック・エモーションをジュリーと共有できると思うのです。
新譜ではこの曲ともう1曲、タイトルチューン「Pleasure Pleasure」にキメの手拍子があり、LIVEでジュリーはお客さんの参加を煽ります。
考え過ぎかもしれませんが、思慮深いジュリーは、10年後のLIVE参戦者の平均年齢まで考えた上で、手拍子導入楽曲の割合を増やしているのではないでしょうか。
半分くらいのお客さんが座った状態だったとしても、この手法ならロック・コンサートの雰囲気が成り立つ・・・年齢を重ねていっても、幾つになっても、とにかくロックしたい・・・ジュリーなら、そんな事を考えていそうな気がするのです。
ちなみに「緑色のKiss Kiss Kiss」で取り入れられたこの独特のリズムの本家・R&Bの旗手、ボ・ディドリー氏は、70歳代後半まで、精力的にLIVEツアーを敢行しました。
高年齢の御自身および観客との一体感を、このリズムが切り札として助太刀したであろう事は、想像に難くないのです。
すみません、ここまで長々と手拍子の話ばかりになってしまいました。
「希望」「我が窮状」の流れを汲むジュリーの作詞について。
ジュリーが「ポリティクスではない」と歌っている事が全てです。聴き手の感性次第で、色々な解釈があるでしょう。
「黙した声」というのは、発言にしてしまうと様々な齟齬が出てくるから、という意味。同じ「志」「気持ち」を持つ人々の存在を指しているのではないでしょうか。
メロディーの美しさは泰輝さんならでは。「奇跡」同様、ロックなアレンジの中に瑞々しい愁いを合わせ持つ名曲と言えるでしょう。
CDで聴くとそれほど目立たない箇所ですが、LIVEでは間奏のピアノソロが圧巻でした。今後参戦される方々は、泰輝さんの豪快な演奏に是非注目して下さい。
さて、今回の記事をもって、新譜「Pleasure Pleasure」全曲の伝授を終えました。
やはり僕にとって、初めてツアーと同時進行で、タイムリーに楽しめたCDという意味がすごく大きかったのです。
僕の中では、忘れられない名盤となりました。
そして、来年も、それ以降も、フルアルバムでなくても、普通にシングル盤でも良い・・・とにかく新曲をリリースし続けて欲しい、と強く思うのです。
来年も、ツアー最中に新譜の全曲伝授ができますように。
改めて、感謝をこめて。お誕生日おめでとうございます~。
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