ジュリーwithザ・ワイルドワンズ 「FRIENDSHIP」
流れはこっちだ
流れを集めて 一筋の輝きに向かって行く
未来を睨んでる 止まることのない
「アリガトウ」を振り撒いて
oh my FRIENDSHIP
(詞・沢田研二)
~from『JULIE WITH THE WILD ONES』、2010
拙ブログ、今回が200件目の記念記事になります。
ジュリーとはまったく関係のない偉そうな伝授からスタートしたこのブログ、ジュリー祭りを契機に様相がガラリと変わり、ついでに言葉遣いも徐々に変わり、今やじゅり風呂の末席に名を連ねるまでに。
多くのみなさまが読んでくださらなかったら、こうはいかなかったでしょう。
あらためて、御礼申しあげます。
しかし、そんなブログの経緯が示す通り、僕が完璧に”ジュリー道”に足を踏み入れてから、まだ1年半程度しか経っていません。
僕はその短い期間の間に、色々なことを経験しました。
ならば、ジュリーや加瀬さんはじめワイルドワンズのメンバー、さらには長きに渡ってジュリーと共に歩んできた柴山さんやタケジさん達、そしてファンの先輩方は、一体どれほどの経験を積んでこられたのでしょう。
その長い道程を、”奇跡としか言いようのない航海”に例えた屈指のバラードが、アルバム『JULIE WITH THE WILD ONES』の大トリを飾ります。
このナンバーを200件目の記念記事で採り上げられたことに、僕もささやかながらの運命を感じずにはいられません。
「FRIENDSHIP」、伝授!
やはりTVの威力はすごい。
予想した通り、「プロフィール」の記事検索数が伸びています。嬉しいですね~。
早く「FRIENDSHIP」も書いて、アルバムレビューを完璧にしておかないと!
まずは、”ジュリワンアルバム8大感動事項”最終回。
このアルバムで、ジュリーと加瀬さんのただならぬ仲が陽の下にさらされた!
とか言うと大ゲサかなぁ、な~んてつい先日までは思っていましたが、NHK「songs」で見事全国にカミングアウト。
何枚も写真が紹介されましたが、ジュリー&加瀬さんのツーショット数枚はかなりヤバいぞ、あれは。
完全に密着してるように見える。
まぁそれは冗談としても(ジュリー曰く「ただならぬ仲と言っても、肌を合わせたことはありません」←「歌門来福」LIVEでのお言葉です)、この番組で2人の友情を初めて知った方も多かったと思います。
最後の曲「FRIENDSHIP」の映像にすべてが収束するようなコンセプトで企画編集されていましたよね。
僕はローリング・ストーンズの「友を待つ」という曲が大好きで、PVを観て泣いてしまったほどですが、そのせいかしらんロック・ナンバーで「friend」という単語が出てくる場合、それは男に向けた歌である、という先入観があります。なんだかなぁ。
「FRIENDSHIP」も最初そうやって聴いてしまいましたね。この曲が女性に分かるかなぁ、なんて。
すみませんでした~!
この船は、長い航海の途中。まだまだ未来へと向かっていく船なのです。
これまでの航跡を知っていらっしゃる先輩方にしか分からない、深い魅力があるに違いありません。
もちろん、ジュリーと加瀬さんにしかわからないことも、多くあるでしょう。
先輩のお姉さま達は、
「この曲が、新規ファンに分かるかなぁ」
と逆に思っていらっしゃったかもしれませんね。
だから、「songs」でこの曲が採り上げられ、掘り下げされた事はとても意義深い。
「songs」のトークは、「FRIENDSHIP」放映のためにあったと言っても過言ではありませんね。
アーティスト本人の言葉で、「この曲はこうこうこうやって作った」なんて聴く機会は滅多にないですし、僕はググッと身を乗り出しましたよ。
「二人のことを曲にしよう、という話になって」
「(ジュリーの)詞が先だったんだよね」
「後から加瀬さんが別のサビを作って・・・」
魔法のような、宝物のような会話。感動です。
詞先かぁ・・・。
加瀬さん、泣きながら曲つけたんじゃないの~。
と余計な詮索をしながら、ちょっとギターで合わせて歌メロ部を弾いてみますと。
「え?Bメジャー?」
ロ長調。
アルペジオで作ったはずの曲だから、これにはビックリ。
(ロ長調=Bメジャーがキーの曲は、ギターで弾くとほとんどの和音がハイポジションになり、やわらかいアルペジオ奏法には不向きなのです)
首をかしげながらも、イントロに戻ってアルペジオの構成音を拾って、「はは~ん」と。
実際どうかは解りませんが、この曲、加瀬さんは最初Dメジャー(ニ長調)で作曲したのではないでしょうか。
1弦から3弦までを、スリーフィンガーで、フォームを替えながらハイポジションで奏でる導入部。これは、ビートルズの「ヒア・カムズ・ザ・サン」間奏アルペジオの応用だと思うのです。
ビートルズが好きでギターを弾いていたみなさまはお分かり頂けると思います。この奏法が、手クセのように身体に染み付いてしまっている感覚。
ハイポジションでアルペジオを弾き、トニックのDのローコードに舞い戻ってくる快感は、「ヒア・カムズ・ザ・サン」を必死にコピーしたビートルズファンにとって、格別のものなのです。
そのようにDのキーで作曲されたものが、ジュリーの希望でBに移調されたんじゃないかなぁ。
本当のところは加瀬さんにしか解らないですけどね。
♪ ひとりは湘南ボーイ ひとりは京都ボーイ ♪
E B F#7 B
太字で表記した最高音の部分を、ジュリーはスッと抜けるような感じで歌いたかったのではないでしょうか。
加瀬さんの作る曲は、初期のジュリーナンバーに多く見られるように音域がかなり広いです。
そのため、冒頭の
♪ 昔 運命という大きな船に乗り ♪
B D#m E B
この「むかし~♪」の「む」の音が、何と低い「ファ#」。
無理!
僕には出せません、この音。
無垢に伸び上がる高音が初期のジュリーヴォーカルの魅力だとすれば、太く艶のある低音が、今のジュリーの最大の武器であるように思います。
「アオゾラ」でも編曲をなさっている坂本昌之さんは、あの坂本昌之さんですよね。超大物です。ドラマティックかつオールマイティーなアレンジを得意とされていますが、「FRIENDSHIP」に敢えてストリングス系の音色を一切使用しなかったのが素晴らしい!
その代わりにオルガンが大活躍するのです。この暖かいオルガンが、アレンジの肝でしょう。
この曲は、湿っぽいストリングスの音作りだと逆に泣けなくなってしまうと思うのです。
さて、新規ファンが簡単に感想を語れる類のものではないとは思いますが、ジュリー自身による作詞についても、少しだけ。
「二人のことを曲にしよう」という話になって、ジュリーは即座に「友情」「絆」「道程」というテーマを思いついたでしょう。
言うまでもなく、「FRIENDSHIP」の「SHIP」を”船”に見立てています。
♪ 流れに棹さし 流れに抗い 星に導かれて ♪
E B E B E B G#7
決して平坦な道程、穏やかな航海では・・・なかったのですね。でも、強い志を持って、海原を来た、と。
凄いなぁ、と思うのは、「まだ航海の途中」という意思をジュリーがこの詞に込めている事です。
ジュリーはいつも、現在よりも先を見ている。未来を睨んでいるのです。
加瀬さんとの絆、またジュリー自身の航海も、これからまだまだ続いていくのだという、堂々たる決意表明ですよね。
♪ 一人はTHE TIGER 一人はTHE WILD ONE ♪
ココは、僕などが語るのは畏れ多い気が・・・。
聴いていてドキッとした方々、きっと大勢いらっしゃるでしょう。
トークによりますと、このジュリーの歌詞を叩き台にして加瀬さんと共同で練り上げていき、「FRIENDSHIP」は完成したそうです。
そのお話の中に出てきた、加瀬さんが「新たにつけ加えた」サビ。
おそらく最後の大サビ部のことですね。
1番~3番のサビとはメロディーを一変させた、強力なコーダです。
いかにも、「LIVEでは会場全員で合唱して!」的な箇所なのに、ハハ・・・歌詞カードは記載が無いですね。
これは
♪ Sail our way, Sail away forever ♪
と歌っています。
と、この部分については自信満々に書いてみましたが、問題はこの大サビ直前、3番の通常サビでの追っかけコーラスのパートなのですね~。
そこが良く聴き取れない。
まぁ2つ目は
♪ Burnin’ is love ♪
(後日註:全然違います!
♪ Time is now ♪
です!
で合ってそうですが(後日註:嘘です!Time is now♪でよろしく!)1つ目が・・・。
初見では「あんにゅい・そんぐ」って聴こえた(そんなバカな)。
(後日註:「♪Time is on♪」でございます。
♪ 流れはこっちだ(Time is on)
流れを集めて(Time is now) ♪
で、コーラス参加しましょ~!)
『JULIE WITH THE WILD ONES』というCDを聴き込むに連れて、このアルバムが「涙がこぼれちゃう」で始まり「FRIENDSHIP」で終る意味というものが、おぼろげながら見えてきました。
歌われている内容は、年齢を重ねているからこその物語です。
友情、夫婦の愛、若き日の仲間、恋人。
しかしその上で、”聴き手との再会”というテーマが浮き上がってくるように思われます。
ジュリーファンとしての再会。
ワイルドワンズのファンとしての再会。
或いは、GSファンとしての再会。
ジュリーwithザ・ワイルドワンズのメンバーが、
「僕らは今、こんな感じだよ。そっちはどう?」
と語りかけてくれている・・・そんな作品ではないでしょうか。
だからこそ、聴き手が元気になる。
そんなふうにして『JULIE WITH THE WILD ONES』を体感できる年長の方々が、僕は今、うらやましくてなりません。
さぁ、それでは。
本日のお題、「FRIENDSHIP」で見事に完結したNHK「songs」の感想にて、この記事を締めくくりたいと思います。
先週、第1回の放送直後は駄々をこねてしまいましたが(恥)、やっぱり素晴らしい番組だなぁ、と。
結局、2週に渡って『JULIE WITH THE WILD ONES』から選ばれた4曲については、すべてCD音源が流れたワケなんだけど。
今回の見せ方についてね、ほんの数人の先輩にしかお話できていないんですけど、僕なりに考えに考え抜いた末の解釈がありまして。
結局、ジュリーの男気って話になるんです。
本当は、全曲レビューが終ったらそれをこのブログで書こうと思っていました。
でも、もういいんだ、それは。
今はとてもスッキリしています。
だから今日は、本当に素直に、この素晴らしい番組の感想を書きますよ!
1. 「プロフィール」
先週の放送で、僕は「涙がこぼれちゃう」の演奏途中から、柴山さんと下山さんの姿をまともに観れなくなっていました。
しかし、今週しっかりと観てみたら、なんとお二人の楽しげであることか。
すさまじいテンションで身体を動かしながらアコギを引き倒す柴山さん。
間奏、いつもと同じスタイルで高音部をかき鳴らす下山さん。
あぁ、現場では確かにバンドの音が出ている。
それが嬉しい。
先週は、観ている方の僕の姿勢に問題があったということ。お二人の勇姿に立ち向かう度量が自分に無かっただけです。
「プロフィール」という大名曲がこうして世に出たことが、ファンを誇らしい気持ちにさせてくれます。
きっと多くの方々が、この曲に興味を持ってくださったでしょう。
特大のホームランを打つ鳥塚さんがカッコ良かった~。
2. 「危険なふたり」
このスタジオLIVEの臨場感。やはりコレですよコレ。
え~、あいら様、リードギターはすべて柴山さんです(てか、僕はちゃんと本文読んでますって!)。
2008年放映の演奏とは異なり、加瀬さんはコードバッキングに徹していました。
下山さんのバッキングもいつも通りですから、その分柴山さんは単音に集中できたようです。今まで観た「危険なふたり」の映像の中で一番サスティンが効いていました。
この音色設定だと、1音突き放して弾いても果てしなく音が鳴り続けます。音を切るためには、弦の振動を指で軽く押さえる事が必要になりますが、柴山さんはいったんフレット全体を豪快にすべらせて「ぎゅい~ん!」と言わせてから、「きゅっ」って感じで、音を切るのです。
全国のカズラーのみなさま、その「ぎゅい~ん」「きゅっ」に是非とも萌えてくださいませ。
などと興奮して観ていた横で、「カメラ、寄り過ぎ寄り過ぎ!」とか、「お腹が、お腹が~!」とかいう悲鳴が聞こえていたような、いなかったような。
というワケですので、僕は多くのみなさまが話題にしていらっしゃる、この曲でのジュリーの衣装を・・・まったく覚えておりません(汗)。
えっ、「歌門来福」と同じだった?
この状況は、ジュリーファンとしては失格でしょう。
あと、この曲では、僕が今回の放映で最もツボったシーンがあります。
「いや、オレあんまり目立たなくてもいいっすから・・・」
てな感じで奥ゆかしげにギターを弾く下山さんに、執拗に絡みまくる島さん!
是非LIVEでもやって頂きた~い!!
3. 「TOKIO」
これは・・・まるで「歌門来福」ファイナルのアンコールばりのテンションではないですか!
素晴らしいスタジオLIVEです。
「わちゃ~!」「あ~ぅお!」
ジュリーの雄叫びに、「TOKIO」を歌謡曲の記憶としてお持ちの一般の方々がひっくり返ったでしょうね。
浮動票の方々が、LIVEに行きたくなったのではないでしょうか。
これが、ジュリーなんですよ。
4. 「FRIENDSHIP」
書きたいことは先にもう書いちゃいました。
ただ、映像を観ていてね・・・。カメラがジュリーと加瀬さんのツーショットになった時、何とも言い難い感動がこみあげてきましたよね。
これは、一般の方々がまだ知らない、ファン特権の感覚だと思います。
LIVEはきっと、この映像と同じ楽器編成なのでしょうね。楽しみです。
加瀬さんのこぼれちゃう涙にも期待しましょう!
最後に、蛇足でございますが。
拙ブログ、アルバム(CD1枚分)全曲レビューを達成したのは『PLEASURE PLEASURE』に引き続いてこの『JULIE WITH THE WILD ONES』が2枚目となりました。
この機に、収録全曲を網羅したアルバムの記事については、カテゴリーをアルバムタイトルに変更させて頂きます。
記事数も多くなり、みなさまにおかれましても、過去に遡っての検索が大変でしょうし。
すべてのアルバムカテゴリー化を達成する事は夢のまた夢です。普通に考えれば無理でしょう。
でも、「FRIENDSHIP」という歌にある通り、長い航海に臆せず、未来を睨んで進んでいきたい。
僕はまだまだヒヨッコですが、「ジュリーファン」というスーツの折り目がとれてきた頃に、年齢を武器にビッグウェイブを狙う・・・そんな意気込みでありたいものです。
今後とも、どうぞよろしくお願い申しあげます!
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