伝説の和製ニュー・ロック、PYG!

2019年5月 6日 (月)

PYG 「やすらぎを求めて」

『PYG/ゴールデン☆ベスト』収録

Pygbest_1

1. 花・太陽・雨(Single Version)
2. やすらぎを求めて(Single Version)
3. 自由に歩いて愛して
4. 淋しさをわかりかけた時
5. もどらない日々
6. 何もない部屋
7. 遠いふるさとへ
8. おもいでの恋
9. 初めての涙
10. お前と俺
11. 花、太陽、雨(Album Version)
12. やすらぎを求めて(Album Version)
13. ラブ・アンド・ピース・アンド・ホープ
14. 淋しさをわかりかけた時(Live Version)
15. 戻れない道(Live Version)
16. 何もない部屋(Live Version)
17. 自由に歩いて愛して(Live Version)
18. 祈る(Live Version)

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ご無沙汰しております。
10連休も今日で終わり、という人が多いかと思います。みなさまどのように過ごされましたか?
僕は出勤の日もありましたが、久々に何も考えずボ~ッとできた1日もあり、近場に出かけた1日もありでリフレッシュはできたかな~。

それにジュリーファンとしては、世間で言う「大型連休」が明けることこそが楽しみだったわけで。
そう、『SHOUT!』全国ツアー初日・東京国際フォーラム公演が今週木曜日に迫っています。
僕の場合、このツアー初日に駆けつけるために休日出勤していたようなものですからね!

ただブログの更新は滞ってしまいまして、毎回恒例の”全然当たらないセットリスト予想”シリーズも、本日のお題1曲に絞らせて頂くことになりました。
ズバリ、PYGのナンバーです。
やっぱり、ショーケンのことがありましたから・・・。

普段はあまり世間の話題に上らないPYGですが、先月は何度かテレビでこの伝説のバンド名を耳にすることがありました。
僕のセトリ予想はいつも本当に全然当たらないのですが、この機に「ジュリーとショーケン」両傑並び立ったPYGから隠れた名曲を採り上げ書いておくことは決して無意味ではないはず。

後追いファンのつたない考察ながら、気合だけは入ってます。よろしくおつきあいくださいませ。

Pyg03

①幻の「PYG再結成」を妄想する

ジュリーは「PYGは解散していないんですよ」と言っていますし、「再結成」ではなく「再集結」と書くべきかもしれませんが。

昭和41年生まれにして遅れてきたジュリーファンである僕は、ザ・タイガース再結成の道程はリアルタイムでこの目にできたけれど、PYGを生体感することは遂に叶わぬ夢と終わりました。
昨年の堯之さんに続き、平成も終わろうかという今年、突然旅立ってしまったショーケン。僕はこの偉大なレジェンド達がジュリーと共に在籍したPYGについて改めて教えを乞うべく、去る4月28日に時間を作ってジュリー道の師匠格である先輩を訪ねました。
「PYGの生のステージを何度も観た」というジュリーファンは僕の周囲では意外と少なく、その先輩とお逢いする際はタイガースだけでなくPYGのお話を伺えることがこれまで大きな楽しみのひとつでしたが、当日僕は「今日はPYGの総括をお願いしよう!」と気合を入れて出かけたのです。
色々と貴重なお話を聞かせて頂いた中、先輩の「実体験」とは別に「ジュリーファンならではの妄想」で大盛り上がりでした。
今日はその話から書いていきたいと思います。

ショーケンが亡くなった時、僕はすぐに昨年のジュリー古稀ツアー・セットリストに採り上げられた「お前なら」に思いを馳せました。
72年リリースのこの自作曲でジュリーはショーケンのことを歌ったんじゃないか、というのが僕の個人的考察ですが、「私も当時からそう思っていた」と賛同してくださっていたのが他でもないその先輩で。
みなさまご存知の通り、ショーケンの訃報を伝える様々なメディア記事の中に「PYG再結成」が水面下で進行し、ジュリーは乗り気だったがショーケンのところで話が頓挫した、という内容のものがありました。
眉唾だなぁとも思う一方で僕は、多少盛っているにしてもそういう経緯はあったかもしれない、と考えました。
その話の過程でジュリーはショーケンの病気を知らされ、古稀ツアーで「お前なら」を歌おうと考えたんじゃないか、と。

ただし僕の貧弱な妄想はここまで。先輩はもっと凄いところまで考えていらっしゃいました。
デビュー50周年ツアーの頃には当然翌年(古稀ツアー)のスケジュールは既に整っていたとして、あの大会場目白押しの日程は「複数の大会場公演でのPYGメンバー・ゲスト参加」ありき、で決められていたのではないか(!)と仰るのです。

この魅力的な先輩の妄想には僕も大ノリになってしまい、「そうか、PYG再結成は無くなったけれど、ジュリーは何の釈明もせず無言で柴山さんと2人ですべてを背負ってあのスケジュールを駆け抜けたんですね!いやぁジュリーらしい!」と勝手に大感激。

もちろんこれは、ジュリーが古稀ツアーMCで語った「どの会場でも同じものを魅せる、というのが礼儀だと思っています」との話とは矛盾しますから、まぁファンの勝手な妄想です。でも近年のジュリーの言動と不思議に繋がるのです。
PYGやショーケンのことを滅多にステージで話さなくなっていたジュリーが、ある時期からPYGの時代を楽しそうに話し始めたこと。
一見不自然とも思えた横浜アリーナ、さいたまスーパーアリーナ公演の密接な大会場連続のスケジュール。
そして、そのジュリー50周年ツアーの翌年にショーケンが自身最後のLIVEツアーで呼応するかのように「自由に歩いて愛して」を採り上げていたこと、等々。
僕は先輩の妄想にすっかりその気になると同時に、とうとうPYGを生体感できなかった無念を噛みしめた次第。

そもそも、PYG再結成の話が本当にあって、なおかつショーケンが闘病中ではなかったとしても、昨年堯之さんが旅立ってしまった時点でそれは夢に終わっていたことでした。
ジョン・ポール・ジョーンズの発言もあって世間ではPYGの演奏面においてサリーのベースの評価が一際高いですが、これまで何度か書いてきた通り、PYGの「音」は堯之さんのギターと大野さんの鍵盤、この両翼の考案力と構成力によってまず成立しています。
片翼の無い再結成はあり得ませんからね。

昭和のプロレス界で、まだ来日を果たしていない海の向こうのレジェンド・レスラーはよく「未知の強豪」と言われたものでしたが、後追いファンの僕にとってPYGはそんな伝説の未知なる強豪のままバンドの幕を閉じてしまいまいした。
昭和が終わり、平成が終わり・・・しかし新たな令和の時代もジュリーは歌い続けてくれる。PYGの曲もきっと歌ってくれる、と思っています。
それはもうすぐ始まる『SHOUT!』全国ツアーで実現するんじゃないか・・・僕ならずともジュリーファン皆が期待するところでしょう。

ならば演目は、普通に考えれば「花・太陽・雨」或いは「自由に歩いて愛して」。ただこの2曲はもう執筆済みですし、僕のブログのセトリ予想は毎回「全然当たらない」ことを売りにしている(?)ので、少し捻って「やすらぎを求めて」を採り上げることにしました。
これは先月から決めていて、お会いした先輩にも「時間があれば、1曲だけツアーのセトリ予想でPYGの「やすらぎを求めて」を書こうと思います」とお伝えしたところ、今度は妄想ではなく、先輩から貴重な「実体験」のお話が聞けたのでした。
次チャプターではそこから発して、名曲「やすらぎを求めて」の魅力を掘り下げていきましょう。

②「やすらぎを求めて」初聴時から今へ

Pyg08

僕はPYGについてはアルバムより先に記事冒頭にジャケット添付したベスト盤の方が初聴きでした。
「やすらぎを求めて」は初聴時から特に印象に残った曲です。滅々としたドラムスとベースライン、要所で斬り込む堯之さんの左右2つのギター・トラック、狂おしいオルガンのフレーズ。
「これ、ジュリーの歌が無ければそのまま『太陽にほえろ!』のサウンドトラックになるじゃないか!」
というのが僕の第一の感想です。ちょうど、子供の頃から親しんできた『太陽にほえろ!』のサントラがあの井上バンドの音だったんだ、と改めて認識した頃でしたから。ちなみにPYGを勧めてくれたのはYOKO君。『ジュリー祭り』の少し前のことでした。

で、これがジュリーの作曲作品というのが僕としては驚きで。
というのは、聴いた瞬間「大野さんの曲だろう」と思ったんです。初めて聴いた「やすらぎを求めて」にはそれほど『太陽にほえろ!』の雰囲気が感じられました。
その後聴き込むに連れてジュリー作曲のコンセプト、アレンジ段階での変貌まで見えるようになり、今では髄までPYGらしい名曲だなぁと思っていますが。

さて、28日にお会いした先輩に「やすらぎを求めて」の話題を投げたところ、「この曲を聴くといつも思い出す」というLIVEステージのお話をしてくださいました。「PYGではなくジュリーのソロだった」とのことで、当然バックはショーケン不在のPYG(井上バンド)です。
先輩が仰るには「(その時のステージのこの曲で)最後のシャウトのところでジュリーが「母ちゃん!」って言ったのよ!」と。

「母ちゃん」・・・ピンと来ないかたも多いのかな?
これは『太陽にほえろ!』でショーケンが演じたマカロニ刑事、殉職シーンの台詞です。
松田優作さんのジーパン刑事は「なんじゃあ、こりゃあ!」で、宮内淳さんのぼんぼん刑事は「ボス・・・」、沖雅也さんのスコッチ刑事は「死になくない・・・」。『太陽にほえろ!』ファンならば初歩の初歩とも言える殉職シーンの台詞。しかしそれらはすべてショーケンのマカロニ刑事による「母ちゃん!」から始まったわけですな~。
それをジュリーがステージで踏襲したという・・・衝撃的な逸話ですが、このステージを覚えているファンの方は他にもいらっしゃるでしょうか?

先輩のお話では、当時PYG名義のLIVEでもショーケンは不在となることが多く、そんな時ジュリーは「今日ショーケンが来られないのはね・・・」ということで、ショーケンがどんなに凄い仕事に今取り組んでいて、こんな凄い監督さんから目をかけられているんだ、とかいうことを本当に嬉しそうに話してくれていたのだそうです。
「僕の自慢のショーケン」って感じで愛情がダダ漏れ状態だったとか。
ジュリーはショーケンの活躍をいつもテレビ等で可能な限りチェックしていて、自身が犯人役で共演したこともある『太陽にほえろ!』もオンエアを気にかけていたのでしょう。それでも殉職シーンの台詞を自分のステージで再現してしまうというのはよほどですよ。
どれだけショーケンのことが好きだったんだ、と。

でも、考えてみれば「やすらぎを求めて」って「母ちゃん・・・」にふさわしい曲なんですよね。
ショーケンの台詞は『太陽にほえろ!』で共演していた下川辰平さんに聞いたという特攻隊の話を参考にしたと言いますし、サリーの作詞のテーマと感性は、シングルA面「花・太陽・雨」と一貫するものだけど、「やすらぎを求めて」の方が極限(=生死の間際)心理がより切実のように思います。
社会性ももちろん込みですが、タイガース解散から繋がったサリーの心情吐露のように僕には聴こえるなぁ。
「ウワ~ッ!」と叫びたくなる感覚と、それを押し殺して進んでゆく感覚。せめぎ合い。ある意味ジュリー今年の新譜「SHOUT!」と表裏一体の詞かもしれません。
個人的には今年の全国ツアー、歌のコンセプト的にも、ジュリーのショーケンへの思いを考えても、セットリスト入り有力と考えたのですが・・・。

PYGへの移行で、タイガース時代からのファンにとってはジュリーが歌う楽曲の雰囲気がずいぶん変わったなぁ、と感じていらしたというお話はよく聞きます。
ただ長い年月ののちPYGを知った僕などからすると、逆に後期タイガースとPYGって楽曲的にも自然に繋がっているように思えるんです。それはPYGファースト・シングル2曲の詞をサリーが書いていることが大きい。
僕が「やすらぎを求めて」で最も好きな箇所は

太陽に向かって ほとばしる
Dm              G   E7         A7

このサリーの言葉使い、ジュリーのコード進行、大野さんのオルガンの斬り込みがなんとも言えず好きで。
ジュリーもサリーもタイガースを引き摺っているようでもあり、新たな時代の波に必死に食らいついているようでもあり、それでいて究極の癒しの言葉のようでもあり・・・ちょっとシンドイことがあると不思議にPYGが聴きたくなるのは、心が「やすらぎを求める」からなのでしょうか。

ちなみにこの歌詞部、長尺の楽曲中たった一度、1番にしか登場しません。2番はすぐに「だ~けど~♪」に行くんですよね。
だから尚更そこが好きになる・・・みなさまはいかがでしょうか。

③鬼気迫る名演とジュリーの三連適性

最後に、「やすらぎを求めて」という楽曲について。
ジュリーの作曲は、タイガース時代からの洋楽カバー・レパートリー「ハートブレイカー」がお手本としてあったでしょう。短調のハードなバラードにして三連符のリズムは、PYGヴォーカルもうひとりの雄であるショーケンが持たないタイプの「シャウト」表現としてジュリーが刀を抜いた、という感じです。
これまで何度も書いてきていますがジュリーのヴォーカルには恐るべき三連バラード適性があって、タイガース後期にはジュリー自身その個性を自覚し、押し出してきています。
PYG結成にあたって書き下ろした1曲、入魂ですね。

一方でアレンジと演奏。
PYGには「影響を受けた」と考えられる洋楽バンドが3つあって、この曲にはそのそれぞれのエッセンスが盛り込まれています。
まずCSN&Y。ビッグネームが集結する「スーパーグループ」の元祖で、タイガース、スパイダース、テンプターズから2人ずつ集ったPYG結成の時点でその影響は明快ですが、音として挙げられるのは「やすらぎを求めて」の場合ですとアルバム・ヴァージョンでのスネア・ドラムのチューニングです。
「花・太陽・雨」も同様で、シングルとは全然違いますよね。このスネアの音がまずCSN&Yを想起させます。

次にレッド・ツェッペリン。以前別の先輩からお借りした『PYG』という冊子に、ジュリーがスタジオのミュージック・スタンドに彼等のファースト・アルバム『LED ZEPPELIN』のダブル・ジャケットを開いて歌っているショットがありました。

Pyg05

正にリアルタイム、71年当時旬の洋楽バンドだったわけですが、彼等がいくつかの楽曲で魅せてくれる「曲が終わる」と見せかけた瞬間にギターの単音がハードに噛んで次の展開へと移行するアイデアが、PYGの「やすらぎを求めて」にも登場します。
さらにアルバム・ヴァージョンでのエンディングの堯之さんのソロは、影響を受けたと言うより「先んじた」と言いますか・・・PYG結成以後リリースされたツェッペリンでのジミー・ペイジの演奏を彷彿させます(特に『聖なる館』と『フィジカル・グラフィティ』)。

そしてキング・クリムゾン。
これは大野さんのオルガンがそう思わせるのですね。大作の中に切り口を入れる手法で、堯之さんのギターも含めたPYGならではの構成力が素晴らしい。
「楽曲構成」面では、大野さんを中心にクリムゾンの影響はかなり強いと僕は感じています(『太陽にほえろ!』サントラについても同じ感想)。

これら洋楽オマージュに加え各メンバーの個性によるアレンジ、演奏がジュリーの「作曲」段階から劇的に楽曲を変貌させています。
サリーの低音コーラスが噛む箇所などアルバムとシングルで細かい小節割りも異なり、短期間で相当のスタジオ・リハを重ねたことが分かります。

でも、先輩も仰っていましたがこの曲はジュリーのヴォーカルなんですね。
サリー独特の詞の語感も、ファズを効かせたベースのうねりも、堯之さんと大野さんのプロフェッショナルな熱演もすべて真剣に飲み込んで、なおかつ自在に泳いでいるという鮮烈なジュリーのヴォーカル・テイク。
ジュリーは昔から「自分で作った歌は歌いやすい」と言っていたそうですが、「やすらぎを求めて」はジュリーにとってその「最初の1曲」だったのではないでしょうか。

さぁ、そんな「やすらぎを求めて」が『SHOUT!』ツアーでセトリ入りしたら、柴山さんのギター1本体制でどう歌われるのか。
ジュリーはどんなシャウトをしてくれるのか。
ギター・ソロは長尺のヴァージョンとなるのか。
楽しみは満載です。

今回のセトリ予想はこの1曲で勝負。あとは初日を待つばかり・・・いつものことではありますが、「全然当たらない」と言いつつ僕自身は期待を膨らませています。
実現したら「おぉ、珍しく予想が当たったな」と、またこの記事を読みにいらしてくださいね!


それでは、オマケです!
出典は分かりませんが、PYGデビュー当時の記事からのショットをどうぞ~。

Pyg01 

Pyg02

Pyg03_1

Pyg05_1

Pyg04

結成段階では「PIG」表記だったんですね。


5月に入ってから真夏のような暑さの日もありましたが、今日からしばらくは初夏らしいちょうど良い気温の日が続きそうです。

この季節に早くもジュリーのツアーが始まる、というのは後追いファンには初めてのパターンで、今年はちょっと得した気分です。
あと3日、日常を頑張って必ずや東京国際フォーラムに駆けつけます。
ご参加のみなさま、ともに楽しみましょう!

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2010年8月16日 (月)

PYG 「初めての涙」

『PYG/ゴールデン☆ベスト』収録
original released on single、1972

 

Pygbest

1. 花、太陽、雨(Single Version)
2. やすらぎを求めて(Single Version)
3. 自由に歩いて愛して
4. 淋しさをわかりかけた時
5. もどらない日々
6. 何もない部屋
7. 遠いふるさとへ
8. おもいでの恋
9. 初めての涙
10. お前と俺
11. 花、太陽、雨(Album Version)
12. やすらぎを求めて(Album Version)
13. ラブ・アンド・ピース・アンド・ホープ
14. 淋しさをわかりかけた時(Live Version)
15. 戻れない道(Live Version)
16. 何もない部屋(Live Version)
17. 自由に歩いて愛して(Live Version)
18. 祈る(Live Version)

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まずはお題と関係ない話題から少々。

仕事が本決算の8月、貴重な連休を僕は夏風邪で無為に過ごしてしまいました。カミさんにも申し訳なかった・・・。
そんなお盆休みの間、ココログにまったくログインできなくなった期間があり、困りました。
つい先日、たまたまアメーバ登録を行う機会があったので、いっそブログもアメブロに乗り換えてしまおうかと思っていた矢先、復旧したようです。

僕は、データのバックアップって一切やってないんですよ。
ここまで記事数が増えてくるとさすがに愛着もわいています。一気にすべてのデータが消し飛んだら、果てしなく落ち込むでしょうね・・・。
何か対策を講じるべきかもしれません。

さて、拙ブログでは前回記事から”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズに突入。機を合わせるかのように、ソロツアー『秋の大運動会~涙色の空』のチケットもやって参りました。
初めて澤會さんの抽選に当たり、初日CCレモンホールを2階席後方ながらゲット。
何を贅沢が申せましょうや。行けるだけでありがたいのでございます。

で、もう1会場、今回ちょっと遠征いたします大阪グランキューブのチケットも一緒に来たんですけどね。
最初にチケットの文字をパッと見た時、僕は座席列をこう読みました。

A1

おぉ~~~~~っっ!!
「Aの1番」ってことは何か?
遂に、と言うかこのヒヨッコに早くも来たか、本神席!

と大興奮しましてすぐさまネットでグランキューブの座席表を検索。
すると最前列から順に、こう明記されています。

「Aa」「Ab」「Ac」「Ad」・・・・・・。

な~んだ。
アルファベットの小文字かよ・・・。

いや、すみません。
お松なお席であることは解っております。ただ、一瞬最前列と勘違いしてしまったがために、このような不遜なテンションになってしまいまして。

で、ね。
しげしげとチケット見ると、こう表記されてるのね。

Al

l」って・・・。
「i」(アイ)だったら上に点があってしかるべきだし、「l」(エル)だったらもっと縦長であるべきじゃないすか?


どっちだよこれ~!!


ジュリーwithザ・ワイルドワンズで大阪グランキューブに参加なさった先輩方。
きっと、僕と同じことで迷ったお方がいらっしゃるかと思います。どうかこのヒヨッコにご伝授くださいませぬか・・・。
僕のチケットは、「i」なのか「l」なのか。
「i」なら一応ギリギリ1桁だからね~。センター通路に面した下手ブロックだから、昨年の柴山さんガン見に引き続き、今度の大阪は下山さんガン見のレポートになるかな?

はいはい、イントロはここまで。
ここまで無駄に文章を弄しているようですが、実は今回のお題はPYGなのです。
PYGこそ、後追いファンの僕等が、ジュリーのこれまでの歴史の中で最も「タイムリー聖域」を感じるバンド。

今、ちょうどタイガースの話題が盛り上がっているじゃないですか。
来年の復活が現実にあるとして、それでもジュリーはタイガースについてはソロのLIVEで試し斬りをするようなことはしないと思うのです。
ファンが期待しているのは解っているはずだけど、たぶん正規メンバーでの稽古が始まるまでは、音に触れないでいるのではないでしょうか。

”全然当たらないセットリスト予想マスター”の僕としましては、今回のソロツアー、タイガースの機運が盛り上がっている中で、ジュリーは敢えてPYGの楽曲で意表をついてきそうな気がします。

今日はそんなPYGの名曲群の中から、畏れながら僕が最も好きなナンバーをお題に採り上げたいと思います。
「初めての涙」、伝授!

まず僕は、ポリドール時代のCD大人買い期まで「PYG」というバンドの存在すら知らなかったというヒヨッコです。
いや、正確にはメンバー構成や結成背景を知らなかった、というべきですか。字面それ自体は、楽譜のインデックスで見覚えがあったし。
ですからYOKO君に
「ジュリーとショーケンが同じバンドにいた」
と聞いた時は、エライ衝撃を受けたものです。

そんなの、アリなのか!

と、ヒヨッコたる所以でしょうけど、それが後追いファンの正直な反応だったのです。

教えてくれたYOKO君にしても当然後追いなワケで、「PYG」をそのまま「ピー・ワイ・ジー」と読んでしまっていて、未だに僕等二人共に「ピッグ」と瞬時に発音できません。
今まで会場などで僕とお話した先輩方の中にも、僕がうっかり「ピー・ワイ・ジー」と言ってしまったのを「・・・?」と怪訝に聞いていらっしゃった方々がおられるかも。
(ちなみに以前「花、太陽、雨」の記事を執筆した際はまだ正解を知らず、文中「PYG」と表記した箇所すべて、僕的には「ピー・ワイ・ジー」と発音変換されているという状態でした)

ということですから、僕などがPYGの楽曲を語るのは正直10年早いのです。
(いつか、いわみ先輩の考察などを是非拝見したいものです)
しかし「初めての涙」という名曲には、明らかな洋楽のオマージュ元があることは僕にも解りますから、その辺りを中心に今日は書かせて頂こうと思います。

オマージュ元の楽曲はズバリ、ビートルズ。
2枚組の大名盤『THE BEATLES(通称・ホワイトアルバム』に収録されている、ジョージ・ハリスン作曲の「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」がそれです。
メロディーやアレンジばかりでなく、トニックを同じまま短調から長調へと転調する展開もソックリで、大野さん、これは確信犯ですね~。
もちろん、新たな解釈も加味されていて、「初めての涙」は当時の日本語ロックの最先端と言える完成度を誇る名曲に仕上がっています。

その後のPYGに大きな期待を抱かせるこの楽曲が、残念ながら彼らの最後のシングル盤となってしまった・・・『PYG/ゴールデン☆ベスト』のライナーノートにはそのように書かれています。僕も後追いながら、しみじみとしてしまいますね・・・。

ちょっとジョージ・ハリスンの話をしますと、彼にとってビートルズ時代に作曲した「サムシング」「ヒア・カムズ・ザ・サン」、そして「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」は世間のみならずジョージ自身にとっても自作の金字塔という認識があったらしく。解散後のソロで、この3曲を自らパクってます(マジです)。
「ホワイル・マイ・ギター~」は、『ジョージ・ハリスン帝国』収録の「ギターは泣いている(This Guitar Can't Keep From Crying)」、「ヒア・カムズ・ザ・サン」は『慈愛の輝き』収録の「ヒア・カムズ・ザ・ムーン」、「サムシング」は、『ゴーン・トロッポ』収録の「アンノウン・ディライト」(これはタイトルこそかぶっていませんが、コード進行と間奏ギターソロがソックリ)。
「ネタ切れ」などと揶揄されたりしましたが、これら3曲それぞれが本家と肩を並べるほどの名曲なのです。興味のある方は、是非。

話を戻します。
大野さんの「ホワイル・マイ・ギター~」へのオマージュ作曲は、幾多の手法のひとつではありますが、大野さんの才能が一気に花開くきっかけとなったのは、「初めての涙」のような短調のハードな楽曲作りにあったと言えそうです。
それは、おなじみ「太陽にほえろ!」などのインストゥルメンタル・ナンバーの作曲で顕著に表れているでしょう。

そう言えば、「初めての涙」のシングルB面「お前と俺」(後註:すみません。当初「俺とお前」と表記してました恥。ちゃちゃ様、ご指摘ありがとうございました~)は演奏・アレンジが「太陽にほえろ!」挿入曲の「怒りのテーマ」とほぼ同じ。
大野さんの組み立てた構成に、堯之さんが作ったメロディーを載せたのでしょうね。ですからインストゥルメンタル「怒りのテーマ」の作曲が大野さんで、「お前と俺」の作曲が堯之さん、というクレジットに分かれているのだと思います。

さて、「初めての涙」
(←何回話を戻してる爆)
イントロからまず、堯之さんの泣きのギターが噛んでくるのが素晴らしいですね。

オマージュ元である「ホワイル・マイ・ギター~」では、リードギターを弾いているのがビートルズのメンバーではなく、ゲストのエリック・クラプトンです。
ジョージ・ハリスンはこの崇高な自作曲のギターを、親友であるクラプトンに依頼したのです。クラプトンは当初「ビートルズの音源に参加するなんて畏れ多い・・・」と渋ったそうですが、ジョージが「何が畏れ多い?僕の曲だぞ!」と強引に押し切り、結局ノンクレジットでの参加を条件に、クラプトンのあの名演が誕生したというのは有名な話です。

堯之さんのギターは、そんなクラプトンが在籍したクリームというバンド、或いはザ・フーのギターの音色を彷彿させる切なくも力強い、これまた大名演だと思います。音がすごく太いんですよね。
またそれは、アンプの振動まで伝わってきそうなサリーのベースラインと噛んでなお光ると思うのです。この曲の肝は何と言ってもGmを軸にして

ソ→ファ#→ファ→ミ

と半音ずつルートが下がっていく進行。
ここでの堯之さんとサリーの荒々しいコンビネーションは、とてつもなくハードで、それでいて品格があります。

そんな荒ぶる演奏に反して、ジュリーとショーケンのユニゾンヴォーカルが囁くようなスタイル。この対比も、「初めての涙」に不思議な魔法をかけています。
70年代中盤から末にかけての洋楽ロックで、後に「ネコ声」と評されるようなヴォーカルスタイルが流行しました。ハードな曲調のナンバーを、わざと感情を押し殺して囁くように歌い、哀愁を表現するのです。

70年代前半にはそんなスタイルの予兆を感じさせるような洋楽ナンバーがチラホラと見受けられるのですが、PYGでそのさきがけのひとつとも言える楽曲に出会うとは。
メンバーやスタッフは特に意識はしていなかったのかもしれませんが、凄いバンドだったんだなぁ、と改めて思います。

僕はやはりこのユニゾンヴォーカルにジュリーの声を求めるようにして聴いてしまいますが、それでも時折、ショーケンの存在感にドキリとする箇所があります。
ショーケンの濁点音の発音が、非常に個性的・ロック的なのです。

冒頭、「心を閉ざして♪」の「ざ」。
2番の「初めての涙♪」の「だ」。

この辺りは、良い意味で発声音量にばらつきのあるショーケンのヴォーカルが強い色を主張している箇所ではないでしょうか。

また、この曲はバックコーラスも魅力的で

♪ それは           初めての涙
            (sha、la、lala、la~) (sha、la、lala、la~) ♪ 
           G                  Bm7     Em        Bm

この部分のト長調への転調は、「ホワイル・マイ・ギター~」とそっくりな構成なのですが、印象に残るのは、ちょっと調子っぱずれなのが逆に不思議な美しさを放つ「シャ・ラ・ラ・・・♪」というバック・コーラス。

これ、おそらく元ネタはビートルズではなくキンクスです。バンドメンバーの誰が意識したものか、非常に興味があるところです。
「ウォータールー・サンセット」や「道化師の死」といったサイケデリック期に多用された”かぶりまくりのコーラス”技で、裏声で、しかもちょっとフラットさせているのが特徴。主に、美しい旋律を擁する楽曲の、高音から徐々にメロディーが下がっていく部分に採用されます。

この「初めての涙」のサビ部コーラスは、楽曲の哀愁を表現する上で大きな役割を果たしていますね。長調に転調しているのに、どこか物悲しい雰囲気を作り上げているように感じます。

最後に・・・もはや恒例、ヒヨッコが故の、乞・逆伝授です(汗)。
この曲、エンディングの演奏部で
「tu、tu、tu・・・♪」
と、クールで美しいハミングが炸裂しますよね。
とてもカッコ良く大変好きな声で、何度聴いてもゾクゾクしますが、これはジュリー・・・でしょうか?それともショーケン?
ドーム堕ち・新参者の僕には、

ジュリーなら「chu、chu、chu・・・♪」と歌うはず

という刷り込みがあったりするのですよ~。
・・・というのは言い訳で、要は聴き取りに自信が無いのですね。センスの無い僕の耳には、一瞬シローの声のように聴こえてしまったり(絶対違うって)。
先日書いた「あの日は雨」のファルセットにしてもそうですが、僕はみなさまと比べジュリーアンテナがずいぶん未開発のようで、お恥ずかしい次第です。
ジュリワンツアーの時だって、八王子までは、冒頭の鳥塚さんのナレーション部分をジュリーだと思って聞いていましたし・・・。

「初めての涙」のような名曲が、普通に「夜のヒットスタジオ」で演奏されたと知っただけで血が沸き立つような思いがするこのヒヨッコに、どうかタイムリーな先輩方の逆伝授、よろしくお願い申しあげます!

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