タイガース復活祈願草の根伝授!

2018年10月12日 (金)

ザ・タイガース 「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」

from『THE TIGERS 1982』、1982

Tigers1982


1. 十年ロマンス
2. 新世界
3. 抱擁
4. 時が窓をあけて
5. めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ
6. 夢の街
7. 野バラの誓い
8. BA-BA-BANG
9. ライラ
10. 生きてることは素敵さ
11. LOOK UP IN THE SKY
12. 朝焼けのカンタータ

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涼しかったり暑くなったり、夏なの?秋なの?という最近の気候。みなさまいかがお過ごしでしょうか。

「オマエ、またか!」とお思いでしょうが・・・僕は季節の変わり目恒例の風邪をひいてしまいました。
でもなんとか仕事は休まずに済んでいます。実は最近、よく効く市販の風邪薬を見つけましてね~。


1810122

これ!
我が家の風邪は、基本的に僕が喉、カミさんは鼻をやられます。そんな時この薬がそれぞれによく効いて、本当に助けられているのです(僕が紫、カミさんが青を服用。症状別にまだ他にも種類があるみたい)。
もちろん対処療法で「一時的に症状を抑える」類のものではありますが、今まで服用してみたどんな市販薬より効き目を実感できる・・・薬の効き方は個人差があるとは思いますが、もしみなさまの中に風邪っぴきの方がいらっしゃったら、是非一度試してみて!

さて本題。
『ジュリーのセトリとは関係なさそうなタイガース・ナンバー』シリーズ、今日はその第3弾にしてひとまずの最終回。同窓会期のアルバム『THE TIGERS 1982』からお題を採り上げます。
サリーが歌う「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」、常識範囲の文量にて(汗)早速伝授です~。


これまで何度か書いている通り、僕がザ・タイガースの曲と最初に出逢ったのは1982年の同窓会期、当時は毎週欠かさず見ていた『ザ・ベストテン』での「色つきの女でいてくれよ」でした(最近勉強したラジオ音源から、1番初めは「スポットライト」コーナーの出演だったことが分かっています)。
その後彼等のアルバムを買い求めるまでには至らなかったものの(『THE TIGERS 1982』を聴いたのは『ジュリー祭り』の半年後くらい)、ニューミュージック全盛の時代に「お気に入りの大ヒット曲」のひとつとして中学生の僕は「色つきの女でいてくれよ」を認識し、タイガースを知ったのです。
ところが当時、僕が5人のメンバーの中で顔と名前(相称)が一致するまで覚えたのは、既に知っていたジュリーとシロー、そして82年新たに知ったトッポまで。
トッポは何と言っても立ち位置が真ん中で、リードヴォーカルでしたからね。オリジナル・タイガースをまったく知らなかった僕は、「昔タイガースという伝説のバンドにあって、沢田研二はメンバー2番手のスタンスだったのか」と勘違いしたくらいに、「色つきの女でいてくれよ」でのトッポのハイトーンは存在感抜群でした。最初誤って「マッポ」と呼んでいて母親に「違うよ」と訂正された、というのも懐かしい思い出です。
一方でサリーとタローは「背が高いその他の2人」くらいの印象しか持てず・・・今となっては恥じ入るばかりですが、同窓会でタイガースを知った僕の世代はそういう視聴者も多かったんじゃないかなぁ。
それが今や、ピーも含めタイガース・メンバー6人で一般的に最も知られているのがサリーなんですよねぇ。
ジュリーファンの僕もそこは謙虚に(?)、「ジュリーは2番手」だと思ってます。

そのサリーがアルバム『THE TIGERS 1982』で主を張る(リード・ヴォーカル)唯一のナンバーが「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」。「こんにちは、僕らタイガースです!」的なコンセプトの曲をサリーが歌うという手法は、デビュー・ファースト・シングルのB面「こっちを向いて」と同様の狙いを感じます。

このアルバムでのジュリーの作曲作品は大きく3つのタイプに分けられる、と僕は考えています。
ひとつは「十年ロマンス」「抱擁」「ライラ」のように、80年代にジュリーが作曲家として開眼した「短調のハードな曲調」によるシリアスなビートもの。
さらに、2000年代の「平和」「日常」を歌うメッセージ・ソングで魅せるシンプルながら崇高なメロディーをこの時期に先取りしているかのような「野バラの誓い」。
そして、古き良きロックンロールの雰囲気を踏襲し、「再びザ・タイガースとして活動できる」喜びをそのまま曲に注入したようなもの・・・それが「BA-BA-BANG」と、この「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」です。
この2曲のようなオールディーズ・ロック・テイストのパターンは、実はジュリー自作曲としてはソロでまったく登場しないんです。ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「熱愛台風」と併せ、自らを「バンドの一員である」と強く意識した時に限り、ジュリーはこの手のロック・ナンバーが頭に閃くようですね。

「BA-BA-BANG」と「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」は進行の理屈もよく似ています。キーは違いますが(「BA-BA-BANG」はハ長調、「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」はホ長調)いずれもロックンロール・スリー・コードの循環で押しまくるヴァースがあり、サビ前のドミナントを目一杯引っ張る小節割りも共通。
同じアルバムに収録されていると「似た者同士」のハンデが危惧されるところ、そこは我らがタイガース。ヴォーカリストが違うと曲の個性も違ってきます。
追っかけコーラスから組み立てて作曲したであろう「BA-BA-BANG」に対して、ジュリーは「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」を最初からサリーの歌を想定して作ったんじゃないかな。ストーンズ「テル・ミー」のカバーで魅せるようなサリー独特の「粘り」が、この曲のメロディーから既に滲み出ていますから。
結果「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」には「BA-BA-BANG」には無い「ブルース色」が表れていますね。サリーの歌声あってこそ、です。
デビューからタイガースをよく知る先輩方はこの曲に、「あの頃」と変わらぬサリーの渋み走った声の魅力と、ヒット・チャートに揉まれながら作曲家としても大きく羽ばたいたジュリーの成長・・・この2点を見たのではないでしょうか。

最後に。糸井重里さんの詞で1番に登場する

金のないやつらは 手拍子を頼むぜ
E  A      E        B   E   A      E     B 

金持ちはジャラジャラ 宝石鳴らせばいい ♪
E  A      E             B  E  A     E       B

このフレーズの元ネタとなったジョン・レノンの有名な発言の逸話について、ビートルズファンの僕としてはここで是非ご紹介しておきたいです(本当に有名な話ですのでご存知のみなさまも多いかもしれませんが)。

1963年、「プリーズ・プリーズ・ミー」の大ヒットにより本国イギリスで社会現象級の大人気となったビートルズ。その話題性はもう誰も無視できないほどになっていて、ビートルズは同年末の『ロイヤル・バラエティー・パフォーマンス』というイギリスの伝統的なコンサートに出演することになりました。このコンサートは噛み砕いて言うと、王室はじめイギリス上流階級社交界の紳士淑女が一堂に集って複数の歌手(バンド)の音楽を楽しみ、チケット収益金は音楽発展のためにしかるべき筋にドカンと寄付をしましょう、という・・・まぁ「金持ちの我々がみんなでタニマチになろうじゃないか」的なノリの催しなのかな。
今でこそ「ロック」は階級問わず市民権を得てはいますが、なにせ時は1963年です。そんな場で演奏することに対し「ロック」を掲げるビートルズ・メンバーとしては葛藤がありつつも、とにかく出演してまず3曲を披露しました。ところが、やっぱり客層が客層だけに、お客のみなさん行儀が良いのですな・・・なかなか「ロック・コンサート」の雰囲気にはならず、ビートルズ、客席双方に違和感バリバリの時間が過ぎていったそうです。
そこでラストの4曲目(何と「ツイスト・アンド・シャウト」です!)を歌う前に、業を煮やしたジョン・レノンが

「最後の曲は、みなさまにも協力して(盛り上げて)頂きたいと思います。安い席のお客さんは、拍手をお願いします。それ以外の(高い席のお客さんは)宝石をジャラジャラ鳴らしてください」

と言い放ったのです。
ジョークとしては結構な辛口ですけど、これが(客席のみならずそれを報道するメディアにも)大いにウケました。さすがはイギリス・・・「ビートルズなんてただの不良がうるさい音楽をやってるだけだと思ってたけど、いやいやユーモアのセンスもなかなかのモンだぞ」って感じだったのでしょうかね。
当然、そういう空気になれば「ツイスト・アンド・シャウト」なんて盛り上がるに決まっています。これを機にビートルズは「お堅い」連中にも一目置かれる存在となり、ますますファン層を拡大していきました。
糸井さんはこのジョン・レノンの有名な逸話を「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」歌詞中に採り入れタイガースに重ねた、というわけです。

タイガースはオリジナル期4年間の活動の中で、「対一般世間」で言えば本当に色々とあったと聞きますが、同窓会の頃にはそうしたお堅い連中の色眼鏡はほぼ無くなっていたのではないですか?
少なくとも『ザ・ベストテン』を観ていた僕はごく自然にタイガースを受け入れました。それはやはり、ジュリーがソロで一時代を築いた後だった、というのが大きかったんじゃないかなぁ。

冒頭に書いた通り、僕の世代は「あの沢田研二が在籍、デビューした伝説のバンド」という経緯と認識で「ザ・タイガース」を知ったのです。そう考えると、ピーの不参加で完全な形でなかったとは言え、同窓会期には特別な、深い「対世間」の意義があったのだと思います。
同様に、2011年から2013年にかけての完全再結成への道程では、「あの岸部一徳がかつて一世を風靡したバンドでベースを弾いていた、歌も歌っていた」と初めて認識した若い世代も多かったのでしょう。
そんな人達には是非アルバム『THE TIGERS 1982』も手にとって頂き、「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」を独特の声で歌うサリーも知って欲しいものです。


それでは、オマケです!
以前ピーファンの先輩からお借りした資料から、同窓会タイガース、CMタイアップのショットを3枚どうぞ~。

Irotuki1

Irotuki2

Quickone


ということで、拙ブログでは久しぶりにタイガース・ナンバーを続けて書く機会を得ましたが、やっぱりタイガースは良いですな~。
この2週間、『ヒューマン・ルネッサンス』『自由と憧れと友情』そして『THE TIGERS 1982』と3枚のアルバムをじっくり聴いて改めてそう思いました。
それぞれ全然違う魅力があって、音楽性も広いし面白い。「ザ・タイガースがいかに特別なバンドか」ということを僕は数年に渡り複数の先輩方から指南され、薫陶を受けてきました。そのおかげで自分でも驚くくらいにタイガースが好きになってきています。
2011~13年、奇跡の再結成への道程をリアルタイムで体感できたこと、心からメンバー全員と中井さん、そして多くのタイガースファンの先輩方に感謝です!


さぁ、この記事を書き終えて僕はいよいよ「さいたまアリーナ・モード」に気持ちを切り替えます。明日からはジュリー古稀ツアー・セトリCDを聴きまくりますよ~。
仕事が忙しい時期ですのでレポ執筆には時間がかかるかと思いますが、頑張りたい、楽しみたいと思っています。とにかく当日までに風邪を治さねば(汗)。

同公演にご参加のみなさま、広い会場満員でジュリーと柴山さんを迎え、盛り上げていきましょう!

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2018年10月 8日 (月)

ザ・タイガース 「人は・・・」

from『自由と憧れと友情』、1970

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1. 出発のほかに何がある
2. 友情
3. 処女航海
4. もっと人生を
5. つみ木の城
6. 青春
7. 世界はまわる
8. 誰れかがいるはず
9. 脱走列車
10. 人は・・・
11. 海の広さを知った時
12. 誓いの明日

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土曜日の横浜アリーナ、大盛況と聞きました。長いツアーに組み込まれた大会場公演であっても特別な仕掛けや演出は無く、ジュリーはいつも通り・・・恐ろしいほどの媚びの無さ、自然体。本当に凄い!
この勢いに乗って、平日のさいたまスーパーアリーナを是非満員のお客さんで迎えたいものです。


さてさて予定よりも更新が遅れました。と言うのは・・・。
さいたまアリーナまでセットリスト・ネタバレ我慢のYOKO君に一応仁義を通し、当日までを『ジュリーのセトリに関係無さそうな類のタイガース・ナンバー月間』ということで、前回はアルバム『ヒューマン・ルネッサンス』から「帆のない小舟」を採り上げ、じゃあ今度はアルバム『自由と憧れと友情』からジュリー以外のメンバーのヴォーカル曲を・・・とお題を探していて「あっ!」と思い出したのが。
「人は・・・」の記事復刻ですよ。

今日は、5年前のちょうどこの日に一度書いた記事を改めて書き写しての更新です。
覚えている読者のかたもいらっしゃるかな・・・僕は「人は・・・」の記事を2013年タイガース再結成に向けてのセットリスト予想シリーズとして書いた(当たるワケがない笑)のですが、その頃ブログに横文字のスパム・コメントが次々に入っていて、躍起になって削除作業中、誤って記事本文を丸ごと消してしまったという。
僕は大いに落ち込んで、後日その旨をここでご報告させて頂いたんですけど、何と「印刷したものが手元にあります」と仰る先輩がいらして。早速連絡をとって「幻」の記事のコピーを手にすることができたのです。
いつかふさわしい機会に書き写して再度upします、と先輩にお伝えしてから何ともう5年が過ぎていました(汗)。今このタイミングで書かねばならん!と。

過去に自分が書いた文章を丸々書き写す・・・これは思いのほか大変でした。寄る年波で(と言うか老眼の進行で)、手元の文字とPC画面を交互に見る、という作業が辛くなってきているのですな。
加えて、強く強く身に沁みたのが

文、長ぇよ!

という(笑)。
ホント、もうちょっとタイトに書けないものですかねぇ。
一応、文の流れや噛み砕きを一部修正はしましたが、当時書いたままを丸写しいたしました。

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ということで以下、2013年10月8日に書いた記事の復刻です。「もうすぐタイガースの完全再結成!」という当時の雰囲気含めて楽しんで頂ければ幸いです~。


☆   ☆    ☆

『ザ・タイガース再結成・セットリスト予想シリーズ』と言いながら、前回の「君を許す」に引き続き今回も、年末のステージではちょっと聴けそうもないお題を連発します。
採り上げるのは『自由と憧れと友情』から、「人は・・・」。そう、今日のお題の主役は、シローです!
こうしたタイプの曲が収録されているのがこのアルバムの醍醐味、シローのタイガースにおける重要な役割と言って良いでしょう。
先日の『読売新聞』タイガース特集記事第1弾で、ジュリーとは別にシローのコメントが掲載されていたのは嬉しかったですね。身体のことは色々と大変みたいだけど、シローの気持ちのベクトルが「ザ・タイガース」に向かっていると思いました。単に「外から見てる」感じではなかったですよね。
1曲だけでも、1会場だけでも、シローが無事に年末のステージに参加し元気な姿をファンに見せてくれることを心より祈願しまして・・・「人は・・・」、僭越ながら伝授です!

まずはじめに。
シローが年末に1曲歌うとしたら、おそらくビージーズのカバーだろうと僕は予想しています。これはほとんどファンがそう考えているでしょう。
2012年武道館公演でのシローの登場は本当に感動的でした。あの「若葉のころ」を生で体感できたことは、タイガースファンとして幸せの極みです。
今回はトッポもいますし、「ワーズ」をトッポとシローが分け合って歌う、というスタイルも考えられるのではないでしょうか。地方公演までは無理かもしれませんが、初日武道館、ファイナル東京ドームではシローの登場に期待が高まりますね。

今日お題に採り上げる「人は・・・」については、年末のセットリスト入りはまずあり得ません。そもそもがレコーディング作品に特化したような曲ですしね。
作詞・ZUZU、作曲・かまやつひろしさんというコンビから想像する曲想とはかけ離れたような、異色作。しかしアルバム『自由と憧れと友情』収録のシローのリード・ヴォーカル・ナンバーはいずれも「後期タイガースにシローあり!」という独特の世界観を持つ、単に「異色作」の域にとどまらない名曲揃い。
「出発のほかに何がある」「つみ木の城」に続き、そんなシローのヴォーカル曲、スタジオ・レコーディング音源のすべてを、拙ブログでは今回を以って記事網羅することとなります。

「人は・・・」はずいぶん前にJ友さんからお題リクエストを頂いていた曲。「何がどうなってるんだか解説して欲しい」とのとことなんですが・・・すみません、その一部について僕には解説不能です。
J友さんが仰るのはまず、「人は・・・」を「風変わりな曲」たらしめているストリングス・アレンジのことだと思うんですね。僕はヴァイオリンなど生の弦楽器アンサンブルについてはまったく素養が無くて、このアレンジが何重奏であるのかも確定できません。
それでもひとつ言えることは、「人は・・・」は「つみ木の城」とは真逆のアプローチによるナンバーで、メロディーやコード進行それ自体はひねりの少ないとても素直で明快なのに、アレンジやヴォーカル・エフェクトなどの「仕上げ」段階で「風変わりな曲」へと姿を変えているのです(「つみ木の城」は反対に、とんでもない転調や矢継ぎ早に繰り出される変則的なメロディーとコード進行の曲を、美しいアレンジ装飾で「耳当たりのよいバラード」へと仕上げられています。つまり「つみ木の城」はメロディーが風変わり、「人は・・・」はアレンジが風変わりなのです)。
しかし、言わば「奇抜な」曲を歌うことこそ、あの無表情な(←褒めてます!)シロー・ヴォーカルの真骨頂ではないでしょうか。感情を出さず美しい「声」のみを前面に押し出すスタイルのクールなヴォーカルには、ジュリーにもトッポにも無い、シローならではの魅力があります。

そのシローの声・・・大胆なストリングス・アレンジに加え「人は・・・」を風変わりな曲を印象づけているのは、Aメロに施されているヴォーカル・エフェクトです。
今でこそこんな感じのエフェクト手法は多くのロック・ナンバーのヴォーカルで採り入れられていますし、処理自体も簡単です(僕の手持ちのデジタルMTRだと、"AM RADIO"というエフェクト・パッチで「人は・・・」と同じ効果をワンタッチで設定することができます)。でも、1970年のレコーディングでこれはなかなか大変な作業だったんじゃないかなぁ。
アルバム『自由と憧れと友情』は、「タイガース的な」演奏のイメージが薄い代わりに、装飾トラックの作成やエフェクト設定へのスタッフの工夫、遊び心ががふんだんに盛り込まれているんですよね。「処女航海」でのフランジャー・エフェクトのトラック丸ごと後がけや、「誰れかがいるはず」でのドラムスのツイン・トラック導入などもそうです。それはまた、クニ河内さんの卓越したアレンジ・アプローチから喚起されたスタジオ作業でもあったでしょう。
「人は・・・」での「ラジオから聞こえてくるような」ヴォーカル処理は、ビートルズのジョン・レノンが「トゥモロー・ネバー・ノウズ」という曲(アルバム『リボルバー』のラスト収録)で切望し、現場のスタッフを大いに悩ませたそうです。最終的にはあまりに斬新な、非常に手の込んだ手法でそれは成就しました。
「トゥモロー・ネバー・ノウズ」の場合は楽曲全編通してのヴォーカル処理となっているところ、後続のロック作品ではむしろ「曲の途中まで処理」という採り入れられ方が多いです。通常設定のヴォーカル部とのメリハリを重視すているのですね。
ジュリーのソロで一例を探すと、アルバム『CROQUEMADAME AND HOTCAKES』収録の「カリスマ」を聴いてみて下さい。Aメロ冒頭に「ラジオ」エフェクトがかけられているので、「Baby~♪」からのリアルなジュリーの声に「来たッ!」と強烈な印象を受けます。
「人は・・・」の場合は、そのエフェクトがハッキリAメロとサビに分別されていて

風は気ままに 季節を変える ♪
   Em   G    A      Em G     A

からのシローの美しい声が、Aメロまでのエフェクト・ヴォーカルの効果で際立つと同時に、一気に噛み込んでくるドラムスなど、演奏から受けるテンションの変化」をも強調しています。
そのぶん、Aメロの無機性も印象に残ります。
しかしながら、いかにも平坦で淡々としたメロディーに聴こえるこのAメロ、実は一部に転調箇所を含みます。
これが「つみ木の城」のような、いかにも「転調しますよ!」というものではなく、とても渋い進行になっていて

小さな  歴史を  土に返すのさ ♪
A    Em   A    Em   G    F#m    Bm

「G→F#m→Bm」の箇所だけが、ロ長調へと転調し着地しているのです。この曲のキーである「Em」(ホ短調)のスケール「F#m→Bm」を持ち込む作曲手法(「ド」の音をシャープさせる)は、偶然ですが僕が「タロー・オリジナル」と呼んでいる「青い鳥」や「出発のほかに何がある」の転調構成と理屈は同じです。
かまやつさんの中でこれは、「タイガースっぽさ」を感じさせるコード進行だったのかなぁ・・・。

曲は最後の最後にストリングスによる7th音で唐突に終わります。この意表を突くエンディングがあってこそ、次に控える名曲中の名曲(と僕は思っています)「海の広さを知った時」の抒情的なイントロが光りますね。『自由と憧れと友情』の曲並びも、『ヒューマン・ルネッサンス』に決して負けてはいませんよ!

さて、アルバム『自由と憧れと友情』でシローの担った3曲の歌詞は特に哲学的、思索的な作品となっていて、それがまたシローの声、そしてキャラクターに似合っています。
「人は・・・」の詞は、苦悩や迷いを感じさせますが、それはひょっとしたらメロディーやアレンジから受けるイメージなのかも。
「人はもしかして・・・♪」といったような、ロックとしては少し突飛とも言える冒頭フレーズも、シローが歌うとなんだか思索的に聴こえてしまう不思議。もしジュリーが歌っていたら、却ってタイガース・ナンバーとして不似合のような気がします。
これ、なんとなく「詞先」だとは思うけど・・・このアルバムでは「友情」が間違いなく曲先ですから(幻のセカンド・アルバム・レコーディングのためにタローが作曲した作品の歌詞を後から入れ替えたのだそうです。たぶん「エンジェル」というタイトルの曲がそうじゃないかな、と僕は考えていますが・・・)、他収録曲についても、安井さんが後から詞を載せた可能性は捨てきれないです。

1970年のロック・ミュージックと言えば、思弁性の高い歌詞に人気が集まりはじめた頃でした。
そんな風潮に乗じて、「ロック・アーティスト達の発言」を求めるメディアにも、楽曲や作品内容を反映する言葉が望まれてきます。アーティストがどのような思想をもって社会に接しているのか・・・たとえそれが身の無い虚飾、プロモートであったとしても、です。
キンクスのレイ・デイヴィスはそうした時代の流れを逆手にとり、「トップ・オブ・ザ・ポップス」という曲で
「あの『メロディー・メーカー』誌が、俺の政治感と宗教観について聞きたいんだとさ」
と皮肉たっぷりに歌ったりしたのも1970年のことでした(アルバム『ローラ対パワーマン、マネゴーラウンド組第1回戦』収録)。
ロック・メディアのそんな要求は、日本のトップ・グループであったタイガースについても例外ではなかったようです。形式的であったにせよ、当時のタイガース・メンバーに何かしら哲学的な、思弁的なコメントを求めたのですね。
良くも悪くも、そういう時代だったのでしょう。

その辺りが如実に窺える資料としまして、ここでMママ様所有の、アルバム『自由と憧れと友情』についてのメンバーの貴重なインタビュー記事をご紹介しましょう。

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僕のようにタイガース知識の浅かった者にとっては、「本当にそんな受け答えがあったんだろうか」と勘繰ってしまうほど、それまでの「タイガース」のイメージから逸脱した言葉が、メンバーそれぞれから発せられています(でも今にして考えると、ピーが「愛は無償」と言い切るあたりは、あぁピーらしい言葉なのかなぁ、と思ったりもしますが・・・)。
そんな中、シローの発言だけが違和感無くサマになっている、と言うのか、僕の中にあるシローのキャラクター・イメージと自然に重なります。「心理学者にでも聞いてもらおうか」など、飄々とはぐらかす感じは「いかにもシロー」と僕には思えます。
元々、あのメガネがトレードマークのシロー。風貌的にも、「60年代後半から70年代にかけての思索性の高いロック・アーティスト」の雰囲気を日本でいち早く先取りしていたようにも感じますね。

こうしたシローのキャラクターの魅力(もちろんヴォーカル・スタイルも含めて)は、アルバム『サリー&シロー/トラ70619』を聴き込めばさらに深まるものと思います。僕はこれまでこのアルバムについては、先輩のご厚意により音源のみを所有する状況でしたが、「今年末のタイガース再結成を迎えて」という形で遂にCD復刻されることになりました。10月9日発売です(明日です!)・・・当然僕はもう予約済み(密林さん頼むよ~!)。
CD本隊や歌詞カード、新たなライナーノーツの追加に期待していますが、手元に来ましたら改めてじっくり聴き、そのうち『サリー&シロー/トラ70619』収録曲からも楽曲考察のお題を採り上げることがあるでしょう。その折には、当時の雰囲気などについてまた色々と先輩方に教えて頂きたいと思っています。

とにかくタイガースのメンバー、特にジュリーには、「シローも含めた6人で同じステージに立つ」という点に拘りがあると思われます。今年末、いよいよ実現でしょうか。期待しましょう!


それでは、恒例のオマケです!
今回は、シロー在籍時の後期タイガース5人の揃い踏みショットをお届けいたします。
まずはMママ様所有のお宝切り抜きから!

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時計の周りで寝転がっている5人の構図・・・個人的には、後期タイガースのショットの中で特に好きな1枚です。
メンバーそれぞれの表情がとても良い!ピーだけ腕枕をしているのもカッコイイし、ジュリーの美しさ、サリーとシロー独特の風貌、そしてタローの表情も凛々しいです。

続いて、P様所有のお宝資料からのショット!

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↑ 『70 ザ・タイガース・フェア』パンフレットより

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↑ 『第40回ウエスタン・カーニバル』パンフレットより


☆    ☆    ☆

いやぁ、ちょうど5年前に書いた記事ですが、年のせいか書かれている内容についてすっかり忘れてしまっていることも・・・タイガース再結成に向けての読売新聞の連載の件とかね、恥ずかしながら記憶がありません。

この記事には当時、nekomodoki様、りんだ様、えいこはん様、A.F様よりコメントも頂いておりました。誤っての削除、本当に申し訳ありませんでした。
そして、記事を印刷してくださり、削除後途方に暮れる僕を見かねてコピーを送ってくださった、だんぼ様・・・本当に本当にありがとうございました。

過去に書いた記事というのはどうしても粗が目立ち恥ずかしいものですが、一方で当時の自分の気持ちが鮮明に思い出されて、「立ち返る」ことができます。
やっぱり僕は文章を「流す」のではなく「残す」ことが好きみたい。これからも頑張りたいと思います。


では次回更新は・・・さいたまスーパーアリーナ公演まではまだ1週間ちょっとの日数があります。
『ジュリーのセトリに関係なさそうな類のタイガース・ナンバー特集』、もう1本だけ『THE TIGERS 1982』からのお題曲を書くつもりです。
しばしお待ちを~!

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2018年10月 1日 (月)

ザ・タイガース 「帆のない小舟」

from『ヒューマン・ルネッサンス』、1968

Human

1. 光ある世界
2. 生命のカンタータ
3. 730日目の朝
4. 青い鳥
5. 緑の丘
6. リラの祭り
7. 帆のない小舟
8. 朝に別れのほほえみを
9. 忘れかけた子守唄
10. 雨のレクイエム
11. 割れた地球
12. 廃虚の鳩

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10月です。
すっかり涼しくなりましたね。これからあっという間に寒くなってくるのでしょうか。

昨日はジュリーの静岡公演が台風のため中止となったそうです。参加を予定されたいた首都圏から遠征の親しい先輩も多く、残念なことではありますが、相手が台風では致し方ありません・・・。ジュリーは必ず、「埋め合わせをしなきゃ」と考えてくれるはず。
とにかく、今後もうこれ以上各地で台風や大雨の被害の出ないようにと祈るのみです。


さて、最近の拙ブログはこちら本館では9月の記事更新が無く、閑散状態の別館side-B(笑)にどうにかこうにか和光市レポを書き終えたのみ。
これではイカン!と気持ちを引き締め、10月を迎えての今日の更新です。

僕の次のツアー参加会場は、広い広いさいたまスーパーアリーナ。先日無事にチケットも届きました。
さいたまアリーナには「ホールモード」というのもあるらしいですが、僕が授かったのは「全方位」でないと存在しない席。会場の広さでは今ツアー最大のこの公演。みなさま、我々ジュリーファンも是非万難排して応援に駆けつけましょう!
どんなふうに見える席なのかは入場してみないと分からないのですが、たぶんステージを後ろから観る感じなのかな。想定内の会員席、ってところでしょうか。

一方、実は僕はさいたまアリーナの約2週間後、11月1日にポール・マッカートニーの東京ドーム公演にも参加します。こちらもチケットが届いて・・・手にした瞬間震えましたよ。ド真ん中ブロックの11列目です。自分史上最短距離までポールに接近!
ポールのドーム公演のアリーナ神席って、芸能人業界人コネの特別枠だとばかり思っていました。一般販売でこんな席が当たることがあるんですねぇ。
ジュリーのさいたまアリーナからポールの東京ドーム、間違いなく僕にとって特別な2大アイドルのビッグな公演、とてつもなく楽しみです。


今年は悲しいニュースも続きますが、そんな中で元・井上バンドの雄、速水清司さんがご病気を乗り越え森本太郎とスーパースターのLIVEでステージ復帰、という嬉しいニュースもありました(9.28、銀座タクト)。
LIVEに参加された先輩のお話によりますと、速水さんの名演復調ぶりは凄まじく、会場で速水さんはサリーや鈴木二郎さんとも再会されたのだそうです。
拙ブログとしても、ここで速水さん関連のジュリー・ナンバーの記事を・・・と一度は考えたのですが、思えば拙ブログ、さいたまスーパーアリーナが終わるまでは記事本文でのネタバレ禁止体制続行中なのですな~。

まぁジュリーファン界で未だに「ネタバレ我慢!」と言ってる人はもうYOKO君くらいのものだとは思いますけど、一応彼に仁義を通し、さいたまアリーナ当日までの間を『ジュリーのセトリには関係なさそうな類のタイガース・ナンバー特集月間』とさせて頂くことにしました(「月間」と言いつつ期間は半月ですけどね)。
act月間に引き続き適度に短い文量で、更新頻度に重点を置いて書いていこうと思います。

まず第1弾の今日はアルバム『ヒューマン・ルネッサンス』から、「帆のない小舟」を採り上げます。
今現在の僕等にこの詞は他人事じゃないぞ!と痛感させられるメッセージ・ソング。もちろん、そのこと抜きにしても素晴らしい名篇、名曲。頑張って書きます!


アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』は僕の知る限り、邦楽ロック史上初の「コンセプト・アルバム」。
アルバム1枚通してのテーマはもちろん、収録曲それぞれにストーリーの一翼を担わせるという点では、ビートルズの『サージェント・ペッパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』以降、幾多の洋楽ロック・バンドがこぞって「なんとかそれを越えられないか」と模索し徹底的なまでに楽曲の相関性を重視する手法をとっていった・・・我がタイガースの『ヒューマン・ルネッサンス』はこの極東の島国で、いち早くそれら名盤群に名を連ねたのです。
しかもLIVE音源ではない新規レコーディング作品としては、実質これが彼等のファースト・アルバムとも言えるわけで、完全に国内のライバルとは一線を画し本当に凄い歴史的な1枚だと思います。

アルバム構成は、当時の洋楽でも類を見ない「オービタル・ピリオド」形式。つまり、最終収録曲「廃虚の鳩」がそのまま冒頭の「光ある世界」のイントロダクションを兼ねるという、輪廻無限のストーリー展開ですね。
そのストーリー・・・僕はCDでしかこの作品を聴いたことはないんですが、LPA面(「リラの祭り」まで、で合ってますよね?)では生命の誕生から人類の様々な営み、美しくも力強い自然や生物を描きます。
それがB面になると、加速的に破滅へと向かってゆく・・・破滅の原因が、我が物顔でこの星を跋扈する人類の愚行、つまり戦争であることは明白。
B面2曲目「朝に別れのほほえみを」で戦争は始まり、「忘れかけた子守唄」で戦地から還らぬ兵士とその母親、「雨のレクイエム」では大地に降りしきる黒い核の雨、さらに「割れた地球」でこの星の無残な崩壊と断末魔が描かれます。「廃虚の鳩」が生命の再生。ストーリーは「光ある世界」へと回帰します。
では、B面冒頭の今日のお題曲は?

タイトル「帆のない小舟」とは、まるで現在の世界情勢を予言するかような厳しいフレーズです。制御の帆を失いゆらゆらと揺れ漂う危ういバランスの小舟に、刻々と進む終末時計の針が突き刺さる・・・リリースから50年が経った今、なんとも身につまされる詞、なかにしさんの表現にドキリとさせられます。
僕等はこの現実世界で、その時計の針を実際に進めさせてはなりません。50年前にタイガースが紡いだ『ヒューマン・ルネッサンス』のストーリーを、この「帆のない小舟」の時点で食い止め、押し戻さねばならないと強く思っています。
オービタル・ピリオドのコンセプト・アルバムの素晴らしさとは別に、作品全体を現代への警告と受け止め、じっくり耳を傾けてみる・・・そんな聴き方ができるロック・アルバムは、邦洋含めてそうそうありませんよ。
今こそ世界は『ヒューマン・ルネッサンス』のコンセプトを改めて再評価し、現在流れている時間はもうこのアルバムのB面「帆のない小舟」までさしかかってしまっているのだ、と自覚するべきなのです。

一方、純粋に楽曲面ではどうでしょうか。
タイガース・ナンバーの歴史は、偉大なメインライター別に大きく3つの変遷を辿ったと僕は考えます。すぎやま先生の時代、村井邦彦さんの時代、最後にクニ河内さんの時代です。
『ヒューマン・ルネッサンス』の素晴らしさのひとつは、その中にあってすぎやま先生と村井さんの楽曲が絢爛にリンクしている、という特殊なクレジット構成。
ラインナップは、曲作りの力をつけたバンドメンバー、トッポとタローの作品が1曲ずつ。残りを「なかにし=すぎやま」作品と「山上=村井」作品が分け合い、なおかつコンセプト統一されているという素晴らしさです。

面白いのは、タイガースが迎えた新たなソングマスター・村井さんの曲の方がどちらかと言うと王道の曲作りであり、かつて王道スタイルからタイガースをスタートさせたすぎやま先生の曲の方が(進行やリズムなどが)冒険的、挑戦的であること。普通に考えれば逆になりそうなところで、タイガースというバンドが『ヒューマン・ルネッサンス』の時点で2人の名作曲家にどう捉えられていたのか、と考えればこれは非常に興味深い。
このアルバムですぎやま先生は、もうビジネス感覚から離れたところで「ザ・タイガースの音楽」を見ているような気がしてなりません。

「帆のない小舟」のキーはニ短調。
印象的なリフレイン部(Aメロも同進行)については

ゆら ゆら  ゆら ゆら
Dm   F  G     Dm   F Am

ゆらり ゆ  ら  ゆら ♪
Dm C   B♭ Gm  E  A7

こう弾けば音源とは合いますが、すぎやま先生の頭の中ではもっと複雑過激なテンション・コードが鳴っていたんだろうなぁ。

そして、曲中に登場する3人のメンバーの声。
タイガースのハーモニー、それぞれ中高低と個性の異なる声質のメンバーが揃った奇跡はよく言われることですが、「帆のない小舟」はその極みですよね。
「ゆら、ゆ~ら♪」のリフレインはサリーのあの声があって不穏な雰囲気が出せるわけですし、漂う小舟の危ういバランスを表現するリード・ヴォーカルにはトッポのビフラート気味のボーイ・ソプラノが最適でしょう。さらに「Tell me god!」のジュリーのシャウト。
それぞれ担当パートの入れ替えは考えられません。
例えばサリーとジュリーが逆だったら?トッポとジュリーが、或いはサリーとトッポが入れ替わったら?
それはそれで聴いてはみたくなりますが、やっぱり変は変でしょう。
タイガースを最初期から知るすぎやま先生、3人の適性を計算しての渾身の作曲ではないでしょうか。


後追いファンの僕がこの曲を生のLIVEで体感する、ということはもう叶わないでしょうね・・・。
僅かに可能性があるとすれば「瞳みのる&二十二世紀バンド」ですが、ピーが『ヒューマン・ルネッサンス』からレアなナンバーを選曲するなら、「光ある世界」(僕はこちらもまだ生で聴いたことがないんですよ・・・)あたりが先に候補となるでしょう。
つくづく、リアルタイムのタイガース・ファンの先輩方が羨ましいです。


それでは・・・久々のオマケです!

今日の資料は当然ザ・タイガース。ピーファンの先輩に以前お借りした『LET'S GO THE TIGERS』から・・・先日のジュリー古稀ツアー・真駒内アイスアリーナ公演大盛況、大成功をお祝いがてら、北海道絡みのショットを中心に数ページ分どうぞ~。


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ということで、さいたまスーパーアリーナ公演までの間はこんな調子でザ・タイガースの隠れた名曲を採り上げてまいります。よろしくおつき合いくださいませ。
あと、side-Bの和光市レポも読んでね~(笑)。

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2018年5月17日 (木)

ザ・タイガース 「BA-BA-BANG」

from『THE TIGERS 1982』、1982

Tigers1982

1. 十年ロマンス
2. 新世界
3. 抱擁
4. 時が窓をあけて
5. めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ
6. 夢の街
7. 野バラの誓い
8. BA-BA-BANG
9. ライラ
10. 生きてることは素敵さ
11. LOOK UP IN THE SKY
12. 朝焼けのカンタータ

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またしても悲しい訃報です。
西城秀樹さん・・・63歳はあまりに早過ぎます。

僕が小学6年生の年に「YOUNG MAN」が大ヒットしました。この曲はジュリーの「勝手にしやがれ」と同じく、当時子供達が男の子女の子関係なく虜になった歴史的1曲でした。
もちろん僕の世代は「YOUNG MAN」以前の歌もリアルタイムで知っていて、「薔薇の~鎖が~♪」と歌いながらホウキをスタンドマイクに見立てて西城さんの真似をするのが学校で流行っていたのは、いつの頃だったのかなぁ・・・。
特に想い出深い曲はやはり「YOUNG MAN」と、個人的にはスティービー・ワンダーの日本語詞カバー「愛の園」での斬新な楽曲解釈、演奏構成に強い思い入れがあります。

僕らの世代でその名を知らない人はいない、という大スターでした。心より西城さんのご冥福をお祈り申し上げます。

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先日、古希ツアーの申し込みを済ませてきました。
さいたまスーパーアリーナは予定通り・・・なのですが、他会場がなかなか決められず往生しましたよ~。
今年は楽器フェア開催年なので秋から仕事が忙しく(と言うかさいたまスーパーアリーナ翌日からが鬼のように多忙)、そう何日も休みをとれないという(泣)。結局もう1公演だけ、来年の武道館3daysの中日となる20日に参加することにしました。
千秋楽には行きたかったけど、1月の月曜日15時開演はサラリーマンの身には厳し過ぎる・・・(泣泣)。開演時間が18時くらいだったら何とかなったとは思いますが、これは地方にお住まいのファンに向けてのジュリーの気遣いだと思いますから、僕としてはグッと我慢のお留守番。参加されるみなさまから後日お話を伺いたいと思っています。

今年もさいたま、武道館両日ともに音楽仲間を誘っています。昨年50周年ツアーの松戸公演に集った人数には届きませんでしたが、今回も隣席でビビッドな反応が楽しめそう。
参加してくれる仲間はYOKO君含めて全員個性派のギター弾きですので、僕の気づかない演奏の工夫を発見してくれるかもしれません。

ギリギリまで参加会場を迷っているみなさまも多いと思います。どうぞ締切日をお忘れなきよう・・・。


さて本題。
”作曲家・ジュリーの旅”シリーズ、今日は80年代ジュリーの作曲作品から、ザ・タイガース同窓会ナンバーの「BA-BA-BANG」を採り上げます。

拙ブログではタイガースの曲をお題とする際、『タイガース復活祈願草の根伝授!』という、2009年に作成したカテゴリーで書いています。
夢のようだった完全再結成が2013年に叶ったのだからもうカテゴリー名は変えた方がよいのではないか、と仰るなかれ。「あの夢よ今一度」ということで当カテゴリー、これからも継続して参りますよ~(本当は、過去記事のカテゴライズを一気に変更する方法が分からない、という理由があるんですが汗)。
よろしくおつき合いくださいませ。


①”タイガースっぽい”同窓会ナンバー

数年前・・・確か『夜ヒット』(ジュリー版)のDVDが発売された直後だったと思いますが、お2人の先輩に招かれ色々なジュリーの映像を鑑賞して1日過ごしたことがありました。その時同窓会のLIVE映像も観ていて、タイガース・デビュー以来のジュリーファンの先輩が「BA-BA-BANG」が流れた際に「この曲はタイガースっぽいな、と思った」と仰いました。

先輩は『THE TIGERS 1982』リリース当時のことを思い出して何気なく言ったのでしょうが、僕はその言葉にハッとさせられたのでした。タイガースをリアルタイムで知るファンにとってやはりあの同窓会は音源的にもパフォーマンス的にも真にザ・タイガース再結成ではなく、メンバー自身が称した通りあくまで「同窓会」であったんだなぁと。
そんな「同窓会ナンバー」の中で最も彼らのデビューから4年間の活動期を彷彿させ「ザ・タイガース」気分を高揚させてくれる曲が「BA-BA-BANG」だったのかもしれない、と後追いの僕は想像したわけです。

1971年の解散はもとより、同窓会からも本当に長い年月が流れ・・・2011年、ピーの音楽活動復帰を受けた老虎ツアー(ファンの間では「ほぼ虎」と呼ばれていますね)を経て、2013年の完全再結成。これは僕もリアルタイムで体感することができました。
老虎ツアーでは同窓会ナンバーが演奏されることなく終わり、「やっぱりジュリー達がピーに気を遣ったのかなぁ」と考えたものですが、翌年の中野サンプラザでのピーとタローのジョイント・コンサートではアンコールで「色つきの女でいてくれよ」が抜擢され、ピーが同窓会ナンバーのドラムを叩くというビッグ・サプライズが実現。そして再結成時にはもう1曲「十年ロマンス」もオリジナル・メンバー5人による演奏で披露されました。
この経緯があってようやく「同窓会ナンバー」を「タイガースの曲」だと心の整理がつけられた、という先輩方も多いのではないでしょうか。
今のところ後追いファンの僕が生で体感できている同窓会ナンバーは今挙げたシングル2曲だけです。複雑な思いを抱えながらとは言え、他ナンバーも体感できている先輩方が羨ましいですよ・・・。

ジュリー本格堕ち後、無知故に何の拘りもなく聴けたアルバム『THE TIGERS 1982』には大好きな曲も多いし、是非シングル以外のアルバム収録曲を生で聴いてみたいとの思いが僕には常にあります。
そこで・・・ザ・タイガースの再々結成の夢とは別に、同窓会ナンバーの生演奏の可能性を大きく秘めているのは「瞳みのる&二十二世紀バンド」ではないかと僕は考えているところなのです。
現在ピーに同窓会ナンバーへの偏屈な思いはまったく無いようですし、そればかりかMCで「あの時は風邪をひいていて・・・」と冗談を飛ばすほどに「同窓会」期も身近なタイガース史として受け入れているご様子。
さらに二十二世紀バンドのリーダーであるJEFFさんが「自分は同窓会でタイガースの洗礼を受けた」と、昨年のステージ上で公言しています(四谷公演)。
となれば、先述の先輩が「タイガースっぽい」と語った同窓会ナンバー「BA-BA-BANG」は、アレンジ的にも彼等のレパートリーとしてよりふさわしい1曲。
二十二世紀バンドのステージでのサプライズ選曲を妄想し、勝手に期待したいと思います~。

それでは、何故同窓会ナンバーの中でも「BA-BA-BANG」を「タイガースっぽい」と感じられるのか・・・次チャプターではそのあたりをジュリーの作曲手法と絡めて解析しくことにしましょう。


②「追っかけコーラスありき」の作曲?

そう言えば、「BA-BA-BANG」はシングル『色つきの女でいてくれよ』のB面でもありますから、先の50周年記念ツアーの会場BGMでも流れたんですよね?
僕は巡り合わせで聴けずじまいでしたが、この曲が流れるとやっぱりウキウキしたんじゃないですか?
そう、「タイガースっぽさ」はイコール、はちきれんばかりのエネルギー、躍動。それを具体的に作曲に投影しようとするなら、「BA-BA-BANG」のような「追っかけコーラス」は最適の手法です。

近田春夫さんの詞が先なのか後なのかは分かりませんけど、それとは別に「BA-BA-BANG」のジュリーの「作曲」自体がコード先かメロ先かということなら、僕は「メロ先」だと想像しています。実際、糸井重里さんのラジオ番組でジュリー自身が「最近(80年代に入って、ということでしょう)メロディーを先に考えてからそれに合うコードを探す作り方に変わった」という感じのことを語っていますし、この曲も最初から「追っかけコーラスのメロありき」で作られたと思うんですよ。
同義の比較的最近の好例が、ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「熱愛台風」ですね。

先日加瀬さんの命日にupしたワイルドワンズ・ナンバーの記事で、80年代に入って作曲開眼したジュリーは、それを誰のために、どのバンドのために作るのかを突き詰めて作曲している、ということを書きました。
ワイルドワンズにしろジュリワンにしろ、そして同窓会タイガースの時もジュリーはその点真面目に心砕いていると考えられます。同窓会のお披露目シングル「十年ロマンス」は、トッポの高音が生きるように。さらに「アルバム収録」として取り組んだうちの1曲「BA-BA-BANG」ではタイガースのコーラス・ワークをメインに。

作曲家・ジュリーは基本的に「無」から生み出すオリジナリティーが肝ですが、この曲は明快に洋楽パターンをオマージュ元として踏襲。言うまでもなくそれはタイガースのレパートリーであった「ドゥ・ユー・ラヴ・ミー」であり「ツイスト・アンド・シャウト」ですよね。
ハ長調のメロディーに当てたのは、トニック、サブ・ドミナント、ドミナントのメジャー・スリーコードの循環。
具体的にはAメロで

くどき文句は BABY
C     F      G  F   G

靴音だけが MIDNIGHT
C   F      G   F   G

笑わないでよ OH PLEASE
C    F        G  F    G

愛してるのさ LOVE YOU ♪
C    F       G  F       G

王道中の王道。この「C」「F」「G」がいわゆるスリーコードというヤツで、サビ(この曲は冒頭からサビがガツンと来る構成です)ではそれらに加えて「Am」も登場します。それもまた王道ではあるのですが、ここでは「メロ先」作曲ならではの組み合わせとなっています。

BANG BA BA BANG BANG BANG
C                  F                 Am

逃がさない BA BA BANG BANG BANG ♪
      G    F                                    G

「コード先」なら「C→G→Am」或いは「C→Em→Am」とは行けても「C→F→Am」とはなかなか行き難い。80年代ジュリーの「メロ先」作曲を示す進行と言えるでしょう。

80年代に入って「作曲家・ジュリー」は大いにその作風の幅を拡げたと思いますが、ジュリー自身は「まだまだ途上」という気持ちもあったようで、ヴァリエーションをもっと増やしていかないと、と考えていたようです。
例えば曲調について「麗人」が「十年ロマンス」に似てしまったと話していたこともあったそうですね。
その意味では『THE TIGERS 1982』においても「BA-BA-BANG」と「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」は進行や構成がよく似ています。ただそこで「リード・ヴォーカリストが違うだけで全然違う曲に聴こえる」というのも・タイガースというバンドの強みでもあり・・・もしかするとジュリーは、自ら歌った「BA-BA-BANG」よりもサリーが歌った「めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ」の方が曲の仕上がりとしては満足しているかもしれません。

メロディー全編であれ1パートであれ、「自分以外の人が歌う」ことを念頭に作曲する極意をジュリーが会得したのはこの頃でしょう。こと同窓会タイガースについては、「自分で作って自分で歌う」となるとソロとの線引きが難しい、とかえって苦労したのでは?
だからこそ、「コーラスありき」の「BA-BA-BANG」はジュリー新境地の作曲手法だと思いますし、個人的には大好きな「ジュリー作曲ナンバー」なのです。

あと、この曲、このアルバムに限らず『ジュリー祭り』後数年まで僕は、タイガース・ナンバーで複数のメンバーが一緒に歌うパートに接しても「みんなで歌ってるな~」くらいの聴こえ方しかしていなかったのが、今では「おっトッポの声」「サリーの声」と耳が行くようになりました。
これを先輩方はもう何十年も当然のようにそうやって聴いているわけで、「BA-BA-BANG」のように「一勢に複数で歌う」パートの方が、それぞれのソロを押し出したパートよりも「タイガースっぽさ」を感じるものなのかな、と今さらのように思い始めています。


③ラジオでの同窓会タイガースの話

同窓会タイガースは5人でのラジオ出演も多かったようで、インタビュー形式のものから5人が和気藹々とフリートークに興じるものなど、たくさんの貴重な音源を福岡の先輩から授かり聞くことができています。
そんな中で今日ご紹介するのは、「明日からいよいよ同窓会ツアーが始まる」というタイミングで放送された、ジュリーが1人で他の4人(サリー、タロー、トッポ、シロー)についてあれこれ語っているという音源です(番組名まではまだ調べきれていませんが)。
後追いファンとしては新鮮な、とても面白い話でしたので、抜粋形式ではありますがこの機に書き起こしてみたいと思います。


そもそもこの世界に入る(きっかけとして)2番目に逢った人(達)っていうのかな・・・最初はサンダースというバンドがあって、そこの林さんという方に「お前、男前やからちょっと歌でも覚えて歌うてみい」てなことを言われてやね、おだてられてやったのが最初で。
そこで歌っている時に遊びに来たのが、ファニーズの4人組だったと。それがのちに僕もプラスしてタイガースになる、ということなんですけれども。
まぁそのタイガースのメンバーね、かつみ、サリー、タロー、そしてシローと、この4人ですけれども、練習でしょっちゅうここんとこず~っと会ってたわけなんですけれども、これからまた旅に行きますと。まぁ、寝食を共にするわけで(笑)。


サリーとタローっつうのは割とね、ズバリと核心を突いたことを、さりげなく冗談みたいにごまかしてシュシュッと言うのが得意な人達でね。なかなかこう、角が立たない人達ですけれども。
また、かつみなんかの場合は・・・スポットライト出た日にね、朝からず~っと無口だったんよ。何で無口なんかいなと思ったら、要するに生本番で(同窓会タイガースとしては)初めて歌うわけや。
その時の感じっつうのは分かりますわね~。ほとんど彼が歌ってるからね。


ははぁ、これは『ザ・ベストテン』に同窓会タイガースが初出演した時の話ですな。
そうか、僕は普通にランクインから始まったと思い込んでいましたが、最初はスポットライトでの出演だったんでしたっけ。トッポがほとんど歌っている、というからには曲は「色つきの女でいてくれよ」。そのスポットライト出演後に火がついて大ヒットとなりランキング出演を重ねていったということでしたか~。


僕なんか(「色つきの女でいてくれよ」で歌うのは)全員のコーラスのところと、「う~」「あ~」と、「色つきの~♪」ってとこだけでしょ?割と気が楽だったわけ。ところがかつみは何かこう、今から思えば目がちょっとつり上がったりなんかしてたね。
それが歌い終わって「間違えなかった!」つってね、黒柳さんと久米さんがしゃべってるのを後ろの方で(見ながら)座ってて、「いや~、間違えなくてよかったよ~」なんつってね。
「安心したやろ」ってな話をしてたら急にコロッとリラックスしてね、顔が全然違うねん。さっきまでつり上がってたのが本来のこう、タレ目のやつに変わってね。聖子ちゃんなんか出てきたりなんかしたら「かわいいねぇ~」ってなことを言ったりなんかしてね、「そういうこと言うと中年の証拠やぞ」ってなことを僕が言うてみたりなんかしてね。そういうこともありましたけれども。

それからシローもねぇ、心配してますよ。シローはまぁ、そんなにたくさんソロではね、歌わないんですけれども、だからなおさら「間違えんと歌わなイカン」つうのでね、「今からでもコーラス、「う~」とか「あ~」とかにしてくれたら、俺が間違うてもあんまり関係ないねんけどなぁ」てなことを言うてね。割と歌詞と一緒にハモる歌が多いんでね、そんな弱気なことを言っておりました。
しかしね、一番しっかりしてるのはシローですよ、うん。しっかりしてると言うか、ちゃっかりしてると言うのかね。で、ちゃんと核心突いたことも言うしね。

タローなんかこの間しっかりベストテンで、自分達が出るんだけど、(タローは)自分で独立して事務所を持っててね、新人タレントをやるっつうんで写真持って売り込みに来てたよついでに。しっかりしとんねん。
サリーはサリーで、今回サリーは別にリーダーというわけでもなく、とにかくベースとだけに専念、ベースとコーラスに専念してということで、気楽にやってるみたいね。前のタイガースの当時っつうのは、リーダーということで気苦労が多かったんだろうなぁと思うんですけどね。それが今(反動で)出てる。

まぁとにかく明日からのステージ、僕らも不安もありますが、楽しみにしております。


そのツアーが終わったら今回の同窓会も一応終わり、でもそこから先、今度は本当の意味での同窓会ということでメンバー間の親交を深めていきたい、との言葉でタイガースの話題を締めくくったジュリー。
この時から数えても30年経ってピーも復帰し遂に完全再結成が実現、お互いの古希のお祝いに集まるほど親交を温め合うことになろうとは・・・さすがのジュリーも予想はしていなかったでしょうかねぇ。

それにしても今、心配なのはサリーの体調です。ドラマ降板とのニュースを知ったばかりで驚き心配しています。大事なければ良いのですが・・・。
とにかくタイガースの場合はメンバー全員が健在である、ということ。それが何よりです。このまま皆元気で長生きしていたら、「もう一度やろうか」という気運はきっと巡ってくるんじゃないかなぁ。
個人的には「タイガースの新曲」が聴きたい・・・その夢を持ち続けていたいと思います。


それでは、オマケです!
今日はいつもお世話になっているピーファンの先輩に以前お借りした同窓会関連切り抜き資料から、『with』82年4月号の特集記事をどうぞ~。


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今日書いたばかりのラジオ音源もそうなんですけど、同窓会タイガースについては本当に多くのラジオ音源が手元にある中、そのほとんどがピーのことには一切触れていないんですね。
もちろん、だからこそ再結成ではなく「同窓会」なのだとファンならば知ってはいます。ただ、タイガースの中で特にピーが好きだったという先輩方がどんな気持ちでこの同窓会のステージや情報を観ていらしたのか・・・と、やっぱり考えてしまうのです・・・。



では次回は、”作曲家・ジュリーの旅”シリーズ、90年代編です。アルバム『Beautiful World』から、ジュリー渾身の16ビート・ポップスを採り上げます。
引き続き頑張ります!

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2015年5月27日 (水)

ザ・タイガース 「あなたの世界」

from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ビートルズ・メドレー(ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

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久々にザ・タイガースのお題にて更新ですよ!
先日、いつもお世話になっているピーファンの先輩が一週間ほど入院されることになってしまって(大事には至らず、ということでホッとしました)、病室で過ごされる回復のお時間のささやかなお供になれば・・・と、昨日から集中して考察に取り組みました。
以前から、「近いうちに書こう」と準備していたタイガースの曲があったのです。

そしてこれがまた、加瀬さんの作曲作品です。
加瀬さん作曲のタイガーズ・ナンバーと言えば、当時未発表のテイクながら後にファンも音源を聴けるようになった「愛するアニタ」のタイガース・ヴァージョンまで含めると、3曲ありますね。
残る2曲は、まずシングルA面として超有名曲で、ジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアー・セットリストではオープニングを飾った「シー・シー・シー」。
もう1曲は、一般公募選出の作詞作品5篇に名うての作曲家5人がそれぞれ曲をつける、という『明治チョコレート』とのコラボレーション企画としてリリースされた5曲のうちのひとつ、「あなたの世界」。
今日のお題は、この「あなたの世界」です。本当に加瀬さんらしい曲なんですよね。

とあるきっかけで、「近々の執筆」に大いに意欲を持っていた曲・・・そんな折に加瀬さんの突然の旅立ちがあり、今回悲しいタイミングで採り上げることになってしまいましたが、詞曲とも爽やか、涼やかで邪気が無く、タイガースにピッタリのポップスであると同時に、「愛する人の平穏を願う=世界平和」という当時のフラワー・ムーヴメントを反映するかのようなメッセージをも思わせるような・・・。「さりげなさ」と「普遍さ」を併せ持つ素晴らしいナンバーです。
僭越ながら、伝授!

「タイガースの曲の作詞者について僕らが何も知らないのはおかしい」というピー先生の探究心により、一般公募作詞作品である「花の首飾り」の菅原房子さん、「白夜の騎士」の有川正子さんについては、長年のタイガースファンですら「初めて知る」事実を、僕らは今ピー先生の著書などで学ぶことができています。
加えて、明治製菓とのコラボレーションによる5曲。計7曲が「ザ・タイガースの一般公募作詞作品」ということで間違いないのかな?

僕は明治製菓とのコラボ5曲を冒頭にジャケット写真を添付したCD『LEGEND OF THE TIGERS』で音源所有しています。歌詞カードもあります。
最近は、「作詞採用された5人の方々はその後どのような人生を歩まれたのだろうか、2013年のあの奇跡のステージをご覧になられのだろうか」と、そんなことを考えながらこの5曲を聴いていたものでした。

そんな中、「あなたの世界」の記事を書きたい、と考えたのは今年の3月のことです。
3月15日・・・ずっと以前に執筆を終えていた「シー・シー・シー」の
記事(2010年のジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアー・セットリスト予想シリーズ、大トリとしての更新でした)に、思いもかけず頂いたコメント。投稿してくださったのは、「あなたの世界」の一般公募作詞者である伊藤栄知子さんをよくご存知の方でした。
「シー・シー・シー」が加瀬さんの作曲作品ということで、僕は記事中に伊藤さん作詞・加瀬さん作曲の「あなたの世界」に少しだけ触れていて、その記述についてのコメントだったのですが・・・コメントをくださった方のお話では、投稿日の3月15日は、47才の若さで亡くなられた伊藤さんの17年目の命日だった、とのこと・・・。
伊藤さんの命日に、故人を偲ばれながらネット検索され、たまたま僕の記事を見つけてくださったのでしょうか。亡くなられた伊藤さんは、「最期の時まで詩人だった」そうです。
ショックでした。47才での旅立ちは、あまりに早過ぎます。今の僕よりもお若い・・・。

伊藤さんが歩まれた「人生」がまざまざと見えてくるようなコメントに、胸が熱くなりました。
「よし、近いうちにこの曲を記事に書くぞ」と思った矢先、今度は作曲者である加瀬さんの悲報が・・・。
なんと皮肉な巡り合わせでしょう。この「純粋」と言うにはあまりにも邪気の無い爽やかな名曲が、いざ記事に書こうとする段になって、二重の悲しみに包まれてしまったように僕には感じられました。


でも。
こんな素敵な詞を書く人、こんな素敵な曲を書く人の魂が今、安らかでないはずはありません。
僕はとにかく、「あなたの世界」という名曲を自分なりに紐解き、読んでくださるみなさまに改めてこの曲を聴いて頂き様々な教えを乞う・・・そのために頑張るのみ。
ここで書くのは僕の個人的な楽曲解釈によるもので、それがどの程度まで合っているのか分かりませんが、素直な気持ちのままにベストを尽くします。
早速、考察に入りましょう!

Anatanosekai


SNSでこの曲の話題になった時、先述したピーファンの先輩がお手持ちのものを写メして添付してくださった画像です。
僕は「夢のファンタジア」と「タイガースの子守唄」の2枚についてはJ先輩からお借りしている実物が手元にあるんですけど、「あなたの世界」は持っていません。ですので、レコードについている貴重なスコアも目にしたことがなく、今回のお題曲は自力での採譜作業となっております。


「あなたの世界」の魅力は、まず伊藤さんの詞です。
なかにし礼さんの補作詞も含めて、幾多のタイガース・ナンバーの中で圧倒的に「ピュア」だと感じます。

明治チョコレートとのコラボレーションによって生まれた一般公募作詞による5曲はどれも名曲で、それぞれの詞が信じられないほど素晴らしい作品ばかり。その中にあって、「無垢」の魅力を感じるのが「タイガースの子守唄」、そして「あなたの世界」の2篇です。
ただこの2曲は「ピュアな少女の感性」という共通点を持ちながら、作者のスタンスは大きく違っているのかもしれません。その点で僕が常々考えるのは
「タイガースの子守唄」には
ザ・タイガースにこんなふうに語りかけられたいな
「あなたの世界」には
いつまでもそのままのザ・タイガースでいてね
・・・というそれぞれ異なった作詞の出発点(=動機)があるのでは、ということです。

「あなたの世界」には、タイガースのメンバーとファンである自分とは暮らす「世界」が違う、と踏まえた上での無償の愛情を感じます。ひたすらに彼等の平穏、無事、友情、成功を祈る、今の魅力的な彼等の永遠を願う、というテーマがまずあると思うのです。
伊藤さんのこの詞は、安井かずみさんのような「女性である自分の思いをそのまま書いて、そこから一人称の性別を入れ替えて全体を纏めてゆく」手法で書かれたのではないでしょうか。

伊藤さんがタイガースのメンバーの中で特に思いを向けたのは、やはりジュリーかなぁと僕は想像します。

あなたは虹より美しい
C          Em    F     C

光を集めて 歌う 愛の  プリズム ♪
F    C     Am    Dm   B♭ G7      C

後追いファンの僕ですら、この歌詞部にはジュリーを重ねずにはいられません。当時のジュリーは本当に「光を集めて歌っている」ように見えたのでしょうから。
・・・と言うと先輩方に「いやいや、ザ・タイガースというバンドそのものが、光を集めて歌っているように見えていたんですよ」とご指摘を受けそうですね。

歌詞中で僕が最も惹かれるのは、サビ部に「平和」というフレーズが登場することです。
当時の洋楽ロック界は、フラワー・ムーヴメント全盛期。当然、邦楽にもその影響は大ですが、「ラヴ&ピース」のコンセプトを堂々と発信し、なおかつセールスにも反映させることのできる日本のバンドはやはりザ・タイガースを置いて他に無かったと想像します。
頭の固い識者(?)達から「不良」のレッテルを貼られていた彼等が、正攻法で以ってそれを為し得たのですから、歴史は「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を支持したタイガース・ファンの目利きを証明しています。識者や学校の先生方、形無しですね。

ただ、「あなたの世界」には「ラヴ&ピース」以前にまず「ザ・タイガースへの親身の愛」があり、時代に厳しく当たられたこともあった彼等の心の平穏、変わらぬ活動継続を願った強い思いが感じられます。
その視点が、実際にタイガースがこの詞を歌うことによって普遍的なラヴ・ソング、メッセージ・ソングへと昇華した・・・職業作詞家であればそこまで狙って詞を書くものかもしれませんが、「あなたの世界」ではタイガース・ファンの少女の無垢な思いがはからずも彼等に「ラヴ&ピース」曲のコンセプトを与えた、という流れがあり、そこに一般公募作詞作品ならではの魔法を見る思いがします。

この歌詞が素晴らしいのは、そんな純粋な「タイガース愛」が何のてらいもなく言葉に託されているからです。

やさしい微笑み そのままに
C         Em        F           C

悲しい恋 の涙 知らずにいてね ♪
F       C  Am B♭       G7      C

少女が憧れのタイガースに、「辛い恋を知らずにいて」「誰のものにもならないで」と願う純粋さ。
特に、伊藤さんのこの詞と同じ思いを持ってジュリーを見つめていた少女達が世に数えきれないほどいらしたことは、僕がこの数年ジュリーファンとして学んできたことでもあります。もちろん、他のメンバーに対して同じ思いを持っていたかたもたくさんいらしたはず。

「あなたの世界」に僕は、そんな当時のザ・タイガースと彼等を愛する少女達の純情、双方の美しいバランスを見る思いがし、感動させられます。
そして、少女がタイガースに語りかけたこの歌詞部は、彼等が歌うことによって「タイガースからファンへのラヴ・ソング」としても逆に成立しているのですね。

このように、「あなたの世界」は伊藤さんの詞によって「ザ・タイガースによるザ・タイガースらしい名曲」となっていると思うのですが、加瀬さんの楽曲構成に耳を向けると、そこにワイルドワンズっぽさ・・・つまり「加瀬さんらしさ」も見えてくるような気がします。
「無垢」「純情」ということなら、加瀬さんも相当です!
イントロのギター・ソロなんて、聴いていて頭に浮かんでくるのはジュリワン・ツアーでの加瀬さんの、12弦ギターをピッ、ピッとはじくようなピッキングで弾いている姿・・・CDで鳴っているのは加瀬さんの音ではないはずなのに、ギターが奏でるメロディーはどうしようもなく加瀬さんを思わせるのです。

曲想に逆らわない素直なフレーズは、加瀬さんのギター最大の個性。それが「あなたの世界」イントロのギターのメロディーに踏襲されているように思います。
しかも歌メロは明快なハ長調のポップス。この詞にしてこの曲、これぞ加瀬さんですよね。

邪気の無い作詞と、邪気の無い作曲。
この世にただ1曲、伊藤さんと加瀬さんの奇跡的な組み合わせがタイガースの曲で起こったこと、それを今僕らがCDで聴けていること・・・素晴らしいことです。

最後に。
明治チョコレートとのコラボ企画による5曲は、一般公募の作詞、名だたる作曲家によるメロディー、アレンジとも素晴らしい作品ばかりですが、おそらく相当限られたタイトなスケジュールでリリ ースされていたのでしょう・・・楽曲的な「プロデュース」に費やす時間があまりなく、完成度として惜しい部分が5曲いずれもも残されている、と個人的には考えるところがあります。

以前「タイガースの子守唄」の記事では、メロディーがジュリーのキーとしては低い設定で、細部を詰める時間があれば移調して再度演奏してのレコーディングになったのではないか、と(今なら既存の音源の移調はひと手間でできることなのですが、当時はテンポの上げ下げくらいしか方法がありませんでした)書きました。
その点、「あなたの世界」ではどんなことが考えられるかというと・・・。
この曲、全編タイガース・メンバーの重唱になっているじゃないですか。それ自体はとても良いと思うんですけど、1番、2番それぞれのサビの箇所

いつでも僕は祈っている

Am       G7    F          G7

あなたの世界が平和である   ように ♪
Am        G7         C    Bm7-5   E7  G7

この「いつでも僕は♪」から「あなたの世界が♪」までをジュリーのソロにした方が(「平和であるように♪」から再び重唱となる)、歌詞もメロディーも説得力を増していたんじゃないかなぁ、と思うのです。

また、1’26”直後にAメロのヴァースでミドル・エイトの間奏(ギターソロ)を挿し込んでも良かったのではないでしょうか。一気に突っ走る構成も魅力的ですが、この曲ではイントロとエンディングのコーラスに歌メロには登場しない進行が配されて形よく纏まっているので、間奏があるとさらに引き締まったのでは・・・?
まぁ、所詮それは僕のアレンジの好みの問題。詞曲の純粋さを生かすには間奏無し一気の演奏の方が良い、とする制作側の狙いがあったのかもしれません。
加えて、完成音源ではなんと言ってもストリングスが効いていて、詞曲の「爽やかさ」を演出しています。
僕があれこれ考えるのはリリースから40年以上経っての「後づけ」に過ぎず、やはり当時仕上げられたこのアレンジが「ベスト」ということなのでしょう。

ちなみに、この明治チョコレート企画の5曲って、演奏はタイガースなのでしょうか。
僕の耳ではどうにも判断がつかないのです。
「あなたの世界」では、1’43”あたりで炸裂しているイイ感じで突っ込むドラムスのフィルを聴くと、「ピー先生かな?」とも思うのですが・・・。


それでは、オマケです!
今日は、Mママ様所有のお宝切り抜き資料から、タイガース関連のものをお届けいたします。


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余談ながら、今日の記事も含め拙ブログでのタイガース・ナンバーの記事は『タイガース復活祈願草の根伝授!』というカテゴリーになっています。
これは、2009年に初めてタイガースの曲を採り上げた際(「淋しい雨」)につけたもので、その後あれよあれよという間にザ・タイガース完全復活の奇跡は現実となり・・・本来ならそろそろカテゴリー・タイトルを変えるべきなのでしょうが、複数記事のカテゴリーを一気に変更する方法が分からないんですよ・・・(涙)。
仕方ないので、このまま行かせてくださいね。

それにしても、タイガースが本当に再結成して、メンバーだけの演奏で武道館のみならず東西二大ドーム公演を大成功させるとは・・・ブログでこのカテゴリーを始めた頃には、想像もできないことでした。
伊藤さんもきっと、天国の特等席からあの奇跡のステージをご覧になっていたのではないでしょうか。

「愛する人の心(=世界)の平穏を願う」・・・何十年の時が経とうと、それは人として最も大切な気持ちです。今回、タイガースの名曲「あなたの世界」から改めてその大切さを噛みしめることができました。
伊藤さん、加瀬さん、ありがとうございます。

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2013年12月29日 (日)

ザ・タイガース 「花の首飾り」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

--------------------

『THE TIGERS 2013』は、ファイナル・東京ドームの素晴らしいステージを以て無事終了いたしました。
いや、本当に素晴らしかった。何よりステージの空気が良かった・・・激しい曲でも、何か暖かい空気感がありました。
僕が選ぶMVPは、やっぱりジュリーかな。演奏陣だと間違いなくピー先生でしょう。

この先ザ・タイガースが全員揃って何らかの音楽活動をする機会があるのかどうか・・・それは分かりませんが、今回の2013年のツアー大成功を経て、やっぱりこれまで以上のメンバー同士の人間関係が互いに築かれたのではないでしょうか。音楽的にも、プライヴェートにおいても。
還暦をとうに超えて、昔の仲間誰ひとり欠けることなくそれができる、というのは本当に奇跡です。シロー登場直前、東京ドームでのタローの感極まりながらも爽やかなMCには、そんな気持ちが込められていたんじゃないかなぁ・・・。

さて、そんな東京ドーム公演の詳しい様子については、年明けに執筆を開始するLIVEレポートをお待ち頂くとしまして・・・今日はひと足先に”『THE TIGERS 2013』セットリストを振り返る”シリーズにて楽曲考察記事を書きます。これが拙ブログ2013年最後の更新です。

今回の”振り返る”シリーズは、ずっと以前から「この1曲!」と決めていました。
はからずも、拙ブログ2013年最後の更新にこのお題。ザ・タイガース復活のメモリアル・イヤーの締めくくりとしてふさわしい曲かと思います。
「花の首飾り」、僭越ながら伝授!

ザ・タイガース最大のヒット曲であり有名曲。
「ファンが選ぶザ・タイガースこの1曲」という観点ならば、おそらく「君だけに愛を」にその座を譲るでしょうが、世間一般の認知度、或いはタイガースの音楽性を浸透させた貢献度、そして何より素晴らしい詞曲の良い意味での大衆性において「花の首飾り」は群を抜いています。
例えば、『懐かしの歌謡○○』とか『R45指定の○○』といった感じのオムニバスの楽譜なんかには、ザ・タイガースから必ずこの「花の首飾り」がセレクトされるわけです。どんな楽器を嗜む人にも、敷居高くなく受け入れられるというのは「花の首飾り」の持つ、他のタイガース・ナンバーには無い傑出した魅力なのですね。
過去・現在・未来・・・世のヒット曲の流行り廃りに左右されないタイプの名曲と言えます。

Hananokubikazari03

さて、この曲についてはピー先生の新著『花の首飾り物語』で、これまでファンが正確な情報を持ち得なかったレコーディング当時の状況や、すぎやま先生の作曲秘話、そして原作詞者である菅原房子さんについてなど、様々なことが分かってきました。
特に「タイガース屈指の大ヒット曲であり、これだけ多くのカバー・ヴァージョンを生んでいる有名な曲なのに、誰も原作詞者の菅原さんについて知らないのはおかしい」という当然の疑念が、ピー先生の探究心と努力、自身の足を使っての取材で紐解かれた意義は、とてつもなく大きいと思います。僕はこうしたいかにも先生らしい研究意欲を持つピーの姿勢、キャラクターはとても好きです。
(また、ピーはその後「白夜の騎士」原作詞者である有川正子さんとも遂に対面を果たしたようで、12月24日付の『北海道新聞』記事がピーのオフィシャル・サイトにて紹介されています。有川さんは、タイガースのメンバーよりお姉さんでした。「白夜の騎士」の詞を思うとそれも、なるほどお姉さん視点の詞なのかなぁという感じがします。ともあれ、ピーの探究心と行動力がザ・タイガースの歴史を次々と検証し光を当てていきます。素晴らしい・・・さすがは先生です!)

詳しいことは、みなさまにも是非『花の首飾り物語』を購入して実際に読んで頂きたいので、ここでは簡単な引用に止めつつ、僕なりの楽曲考察に取り組んでいきたいと思います。

新著にてまずピーは、残念ながら2011~12年のツアーには不参加となってしまったトッポのライヴハウス演奏を訪ねるところからプロローグ導入し(この冒頭のシーンはとても良いです。ステージでは無心に暴れ回りハジけまくるピーですが、物書きとしては「熱いハートをクールに俯瞰する」素晴らしい一面を魅せてくれます。これは先の日記形式で書かれた『老虎再来』では後追いファンには感じるまでに至らなかったピー先生の新たな魅力で、その点も『花の首飾り物語』を僕がみなさまに強く一読をお勧めする理由のひとつです)、そこから「当時の回想」という形で本篇が始まります。


ピーはレコーディング当時を振り返るにあたり、雑誌『明星』の記事を引用してくれているのですが、これが偶然、今回のツアーが始まる直前に、僕がいつもお世話になっているJ先輩のP様からお借りした貴重な切り抜き資料集にあったもので、「あっ、これはついこの間読んだ資料だ!」と興奮したものでした。
スキャンさせて頂いたものをご紹介しましょう。

Hananokubikazari01

Hananokubikazari02

ピー先生によりますと、メンバーの会話などの記述については正確さを欠く(まぁそうでしょうね笑)・・・のだそうですが、これは初めてリード・ヴォーカルの重責を担うトッポが何度もテイクを重ね、ジュリー達が時にアドバイスしながら盛り立てた、という様子が伝わる貴重な資料なのですね。
ピーはレコーディングの場所や環境まで自分の足で現地に赴くなどして『花の首飾り物語』にて検証してくれています。

こうしてレコーディングされた「花の首飾り」は、当初はシングル『銀河のロマンス』のB面曲に過ぎなかったものが、あれよあれよという間に好評を博し、タイガース最大のヒット曲となってしまったのです。すぎやま先生達制作スタッフや、ヴォーカルのトッポはじめタイガースのメンバーに手応えはあったにせよ、これはリリース時の制作サイドの予測を遥かに超えるセールス実績となったのではないでしょうか。

では何故、「花の首飾り」というナンバーがそこまで世間の支持を得たのでしょう?

それは、すぎやま先生の作曲が素晴らしかったことは当然としても、やはり「一般公募」の期待想定を大きく凌ぐ菅原さんの原作詞にある物語世界と、耳新しい個性的なトッポのリード・ヴォーカルをフィーチャーしたことが、いわゆる「それまでのザ・タイガース」とは異なる新たなイメージを鮮烈に生み出したからでしょうね・・・。

ここで、僕が先程使った「それまでのザ・タイガース」という言葉について語らねばなりません。これはまったく後追いファンの想像に過ぎないにせよ、いつもお世話になっている先輩も同じ思いをお持ちのようですから、安心して書かせて頂くのですが・・・。

「花の首飾り」以前・・・ザ・タイガースは圧倒的な人気を誇りながらも、一方では「やっかみ」的に彼等の成功に疑念を持つ大人達、一部の教育者、知識人という「敵」も大きな存在としてあったと思われます。
まったく的外れな評価・・・「騒音」「なんの深みも無い」「あんなのは音楽ではない」などといった、「未知の脅威」に怯えるに等しい不当な言葉の数々。そのターゲットとなっていたのが、あの5人がロック・ナンバー演奏時に醸し出していた途方もないエネルギーであり、動きであり、「花の首飾り」リリース直前で言えばそれはジュリーの「君だけに愛を」における「指差し」アクションに集約されていたかもしれない・・・世の中の少女達を惑わす、たぶらかす「不良の振る舞い」という強引な理屈だったのでしょう。

ところが、「花の首飾り」には、そうした大人達のあらさがしのような攻撃を受ける要素が無かったわけです。
クラシカルなアレンジ、切ないメロディー、幻想的な歌詞。
これは、なかなかビートルズを正当に評価しようとしなかった有識者(?)達が、「イエスタデイ」を聴いて掌を返した状況とよく似ています。

「あぁ、今度のタイガースの曲はマトモな音楽じゃないか」と・・・その程度の認識ではあったにせよ、また一部に根強い社会の反発を残していたにせよ(レコード大賞とか紅白とかね)、「君だけに愛を」では到底納得しなかった頭の固い連中をして、おおむねザ・タイガースが「音楽」として普通に語られ始めた・・・そんな状況の第一歩が「花の首飾り」によって踏み出されたと言えるのではないでしょうか。

つまり、本来正当な評価であったはずの「君だけに愛を」までのザ・タイガースへの少女達の熱狂が、「花の首飾り」でようやく一般的市民権を得た・・・と、言い方は微妙かもしれませんが、そんな感じのことが起こったんじゃないかなぁ。
・・・いや、そこまでは行ってないのか。学校の先生あたりが「タイガースは認めん。でも花の首飾りは良い曲だ」くらいの反応に留まっていたのかも・・・後追いの勝手な憶測で、タイムリーなタイガース・ファンのみなさまに、かえって辛い思い出を呼び起こさせてしまったのであれば申し訳ありません・・・。

しかしそんなふうに考えていくと、世間のジェラシーを一身に浴びていたジュリーが「花の首飾り」を歌っていたら、この曲は「シングルB面の隠れた名曲」というファンの間だけの評価に留まっていたかもしれません。それまではあまり社会の不当な攻撃に晒されにくいスタンスにあった、芸術思考の強いトッポが一躍「主を張る」ことで、頑なだった受け入れる側のスイッチが切り替えやすかったことも、「花の首飾り」の大ヒットに繋がったのではないかと思います。

ある程度は「いける!」と踏んでいた制作側にとっても、ここまでの大ヒットは考えていなかったでしょうね。もしかすると、「花の首飾り」の驚異的なセールスに一番ビックリしていたのは、原作詞者の菅原さんだったかもしれません。

それではここで、「花の首飾り」で菅原さんが描いている情景について、トッポのヴォーカルと合わせて考えてみましょう。

後追いファンの僕もようやく生で聴くことのできた、トッポの「花の首飾り」。やっぱり唯一無二なんですよ。この曲はもう、トッポそのもの。
トッポ自身はクールに「一度歌になってしまえば、歌は聴き手のものだから」と語っていますが、この曲をトッポの歌と切り離して考えることはできないですね。

もちろん、2011~12年のツアーでのジュリーのヴォーカルにも、違った素晴らしさがありました。ジュリーがこの曲を歌うのを何度も生で聴き、DVDにも残されたこと・・・ファンとしてはとても嬉しいことでした。
でも


やっぱりいい歌だよね。
切ないよね。好きだとか、愛しているということは言わなくても、気持ちはよくわかるよね。歌い方も、かつみもそうだろうけど、感情をそんなに乗せなくても、感情が伝わる歌だよね。

ジュリーがピーの取材に対しこう語ったのは、正にそのツアー、トッポの代理で「花の首飾り」を歌っていた時期だそうですが・・・ジュリーはまた

ずっとかつみを意識しながら歌ってる。かつみほどじゃないな、と思いながら。

とも語っているように、「トッポが僕らをバックにして歌うのが一番いい」という考えはそのまま、ジュリーが「感情をのせなくても感情が伝わる」という、リリース当時のトッポの歌い方をリスペクトし、「自分もそう歌わなきゃ」と心を砕いていたことの表れだと思います。

トッポもジュリーも、余分な感情は載せずに、「花の首飾り」という素晴らしい歌をそのまま「歌」として歌っています。だからこそ、世の幾多のカヴァー・ヴァージョンと違い「ザ・タイガース」の「花の首飾り」になります。
ただ、そうした素直でてらいの無い歌い方は、極端なまでに違う2人の個性をキラキラと映し出します。
僕が感じるのは、端的に言うなら”ジュリーの「陽」とトッポの「暗」”。いずれも魅力的ですが、原作詞者の菅原さんが描いた本来の情景を表現しているな、と思うのはトッポの方です。これはピーの『花の首飾り物語』を読んで、なおさらそう思いました。

もともとこの曲は短調のバラードなのですから、曲想自体が切ないわけで、それをトッポが歌うと「白鳥(しらとり)の嘆き」が強調されます。これはトッポのキャラクターもあるけれど、まずは「声」でしょうね。
この要素はジュリーをしても持ち得ないもの。トッポのあの声で「素晴らしい歌をそのままの歌として歌った」時に醸し出される切なさ。ジュリーの語った「切ないよね。好ききだとか、愛しているということは言わなくても、気持ちはよくわかるよね」という「花の首飾り」の本質が最も発揮される・・・「かつみの花の首飾りが一番」とのジュリーの評価は、正にこのトッポの声が持つ天性の「切なさ」を指してのことではないでしょうか。

菅原さんは一般公募の際、ジュリーをイメージしてこの原詞を書いたそうです。それは何よりも「凛とした美しさ」であったでしょう。2011~12年のジュリーの「花の首飾り」のヴォーカルには、確かにそれがありました。
ただ、原詞の魅力としてあった「切なさ」・・・それは北の大地の「冷たさ」や「寒さ」の情景でもあり、すぎやま先生の短調のメロディーも相俟って曲の核となりました。
その冷たい湖の情景、白鳥に姿を変えた娘の切なさに、すぎやま先生はじめ制作スタッフは、トッポの声を求めたのですね。

さぁ、そんな菅原さんの素晴らしい着想を得てなかにし礼さんが本格的に歌詞の形を整えた「花の首飾り」。歌詞もさることながら・・・やはり僕のようなブログでは、すぎやま先生の作曲について及ばずながらも紐解く努力をしてみるべきでしょう。
『花の首飾り物語』、そして先に発売された『ロックジェットVol.54』でのトッポのインタビューによれば、最初のひらめきから非常な短時間ですぎやま先生は曲を完成させた、とのこと。
そしてどうやら、トッポがLIVEでビージーズの「ホリデイ」を歌っているのを観たすぎやま先生がメロディーのインスピレーションを得たことが、「花の首飾り」の作曲と密接に関係しているらしいのです。

そこで僕は「花の首飾り」の考察にあたり「ホリデイ」の伴奏和音を習得すべく、ビージーズのベスト版コード・ブックを購入。

Kubikazari02

僕はこういう時、安価で求めやすい洋書をネットで買うんですけど、届いた商品を見てビックリ。「ホリデイ」も「ジョーク」も載ってなかった!
僕、この2曲はビージーズの「外せない」有名曲なんだと考えていたんですが、どうもそこまでではないようですね。有名シングルなんだけど、20曲のセレクトには入らない、みたいな位置づけのようです。

まぁ載ってないモノは仕方ない。スコアは他の名曲の勉強に役立てることにして、「ホリデイ」は自力でコード起こしをしよう・・・。幸い、そんなに難易度は高くないし、東京ドームでこの曲を弾き語るトッポのフォーム移動が割と頻繁にスクリーンに映っていましたから、だいたいの進行はもう把握できています。

Oh you're a holiday、  such a holiday
Am                       G   F             Am

イントロ2小節では、ニ長調(!)へミスリードするコード進行の仕掛けがあったりしますが、歌が始まってしまえばこの曲は明快なイ短調。
スクリーンでアップになったこの部分のトッポの左手・・・気がついたのは経過音として登場する「G」のコード・フォームが、鉄人バンドの下山さんと同じ(ちなみに僕とも同じ)ということで、薬指が1弦に配されるスタイルでした。

一方「花の首飾り」の出だしは


Kubikazari03

『グループ・サウンズ・コレクション』より

花咲く 娘たちは 花咲く野辺 で
      Am Em    Am             Em Am

こちらも明快なイ短調。
「ホリデイ」(原曲)がオルガンの和音伴奏がメインであるのに対し、「花の首飾り」は単音アルペジオのギターが伴奏のメイン。ただし、両者ともストリングスがヴォーカルの裏メロとして噛んでくるという、聴き手の印象面としては大きな共通点があります。
すぎやま先生は『花の首飾り物語』でのピーとのインタビュー対談で洋楽ロック、ポップスの対位法について言及されていて、この「花の首飾り」のストリングスによる裏メロアレンジは、すぎやま先生のポップス解釈が表れた例だと考えられます。
ちなみにこの裏メロは2013年、タロー渾身のリード・ギターで演奏されることにより新たな「花の首飾り」の魅力として、進化を遂げることになります。

展開部にも共通点があって、かなりハッキリとしたニュアンスでハ長調への移調が登場します。
「ホリデイ」は

It's something I think so worthwhile
     C                                  G

If the puppet makes you smile
        Am                     Em

If not then you're throwing stones
   F                                C

throwing stones, throwing stones
            G7                    C

と、最後は主張強くハ長調に着地。
一方「花の首飾り」は

私の首に かけておくれよ
G7   C      E7         Am

あなたの腕が
   F         Fm

からみ    つ くように
      Csus4  C   E7    Am

ハ長調への並行移調を提示しつつも、着地はAmのイ短調。この曲でまず「悲しみ」「切なさ」が強調され、トッポの声にマッチするのはそのためです。
「Csus4→C→E7」の部分は、ギター・コードを弾いた時「ファ→ミ→レ♪」という下降の音階が目立つよう配慮された進行と考えられます。

あと、この曲の演奏についてですが・・・今はやはりCDの楽器パートについて書くより、ザ・タイガースの生演奏を語りまくりたいところですよね。このタイミングでは、どうしてもそちらに気持ちが行ってしまいます。
でもそれは、年明けの東京ドーム・レポートで語る方がふさわしいと思いますから、もうしばらくお待ち頂きましょう。東京ドームはとにかく、「君だけに愛を」「モナリザの微笑」「青い鳥」「廃虚の鳩」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」、そして「花の首飾り」といった、「誰もが知る名曲」の演奏がとても良かったのですよ。
先述したように「花の首飾り」では、トッポのヴォーカルを追いかけるタローのリード・ギターが素晴らしかったなぁ・・・。

ともあれ、2012年1月24日の日本武道館公演の時点では、ジュリーが「近い将来」を約束してくれただけでまだ何も具体的なことは見えていなかった、「実際にトッポの”宇宙一”のヴォーカルを聴いてからこの曲の記事を書く」という拙ブログのひとつの目標は、2013年末に無事達せられました。
これで何と、『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』という、僕がザ・タイガースの勉強に際し最初に聴き込んだ、基本中の基本とも言えるCD収録の全30曲をお題に採り上げ、楽曲考察記事として完全網羅することとなりました。
2009年に執筆した「淋しい雨」からおよそ4年半ですか・・・まったく予想外のスピード達成でしたが、これはその間ザ・タイガースに2度の大きな節目が訪れ、遅れてきたファンである僕が何とかそこに立ち合えたことの証しでもあります。
本当にありがたいことです。

そうそう、先輩に指摘されて気がついたんですけど、ありがたいことに拙ブログは間もなく閲覧200万ヒットの大台を迎えます(たぶん明日到達)。
実は100万ヒットが2011年、老虎ツアーの年で僕がタイガース・モードの只中・・・そんな状況下での到達でした。どうも拙ブログの大台キリ番は、ザ・タイガースの動きと縁があるようですね。
うっかりキリ番踏んじゃった方、よろしければキリ番ヒット記念の楽曲お題リクエストをお待ちしていますよ~。

それではみなさま。
今年もこんな所に遊びにきてくださりありがとうございました。大変大変お世話になりました。来年もどうそよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えくださいませ!

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2013年11月 8日 (金)

ザ・タイガース 「タイガースのテーマ」

from『THE TIGERS ON STAGE』、1967
original released by THE MONKEES
セットリスト的中自信度 ★★★★★


Onstage

1. ダンス天国
2. タイガースのテーマ
3. ルビー・チューズディ
4. レディー・ジェーン
5. タイム・イズ・オン・マイ・サイド
6. アズ・ティアーズ・ゴー・バイ
7. スキニー・ミニー
8. 僕のマリー
9. シーサイド・バウンド
10. モナリザの微笑
11. ローリング・ストーンズ・メドレー
12. アイ・アンダスタンド

from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ビートルズ・メドレー(ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

--------------------

(お願い)
パンフレットを手にし、既にセットリストを把握されている方々も多いかと思いますが、拙ブログでは東京ドーム公演のレポート執筆まで完全ネタバレ禁止体制とさせて頂きます(当初、東京ドームレポートまでネタバレ禁止を引っ張るつもりでしたが、多くの先輩ブロガーの方々に倣い、初日武道館終了までとさせて頂きます)。僕自身もパンフレット購入の申し込みをしていますが、武道館参加を終えるまでは開封しないつもりです。大変恐縮ながら、コメントなどでセットリストに触れないよう、よろしくお願い申し上げます。

☆    ☆    ☆

11月に入り、バタバタの日々になってしまいました。当分この状況は続きそう・・・。
なかなかブログ執筆の時間がとれませんが、今日はいよいよ”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズの大トリです。

まず、みなさまにお詫び・・・と言いますか、自分としてもかなりショックな出来事のご報告をしなければなりません。
丁寧に読んでくださっているかたの中には「あれ~、おっかし~な」と既に異変に気づいた人もいらっしゃるかと思いますが・・・。

10月の終わりくらいだったのかな・・・拙ブログに悪質な宣伝の迷惑コメントが続けざまに入りました。プロバイダーでブロックできない新手のヤツだったようです(今は何とかブロックされています)。
色々な記事にランダムにコメントがついて、躍起になって削除して回りました。次々に単調な作業を重ねていくうちに、油断したのでしょうね。該当コメントを削除するつもりで、うっかり「記事本体」の削除ボタンを押してしまい・・・。
「一度削除すると元に戻せません。本当に削除しますか?」
と尋ねられ、「あれっ?今までと文面が違うな」と気づく瞬間、手が勝手にポチッ、と。
「あっ!」と思った時はすでに遅し。
大したことは書けていないとは言え、一応心血注いで仕上げたザ・タイガースのナンバー、「人は・・・」お題の考察長文記事が跡形もなく消え去ってしまいました(号泣)。
せっかく、年末へ向けてのシローへの思いを自分なりに書いた記事だったのに・・・直後はしばらく放心状態。

もしも、この「人は・・・」の記事をプリントアウトしてますよ、なんていう素晴らしいお方がいらっしゃいましたら、大変恐縮ですが、いずれの記事でも構いませんのでコメントにメールアドレスを添えてお知らせ頂けないでしょうか(アドレスはweb上には公開されず、管理人の僕だけが閲覧できる設定になっております)。
雲をつかむような話ですけど・・・どうかよろしくお願い申し上げます。

それでは本題。
ザ・タイガース再結成セットリスト予想、個人的に「オープニング1曲目はこの曲しかない!」と考えているナンバーです。
「タイガースのテーマ」、僭越ながら伝授!

と言いながら・・・僕は今回この曲に、的中自信度「星5つ」をつけて書いているわけですが、巷ではすでにジュリー製作監修のパンフレットを手に取り、年末のセットリストを把握されているみなさまも多いことでしょう。その中にこの曲が記されていたのか、いないのか・・・その辺りについて拙ブログではどうかネタバレ禁止をお願いするとしまして、もし記載が無かったとしたら、今回の僕の記事は完全に道化更新ですねぇ。

そのパンフレットですが・・・まだ我が家には届いておりません。申し込みが10月末ギリギリだったからじゃないかな。おそらく澤會さんが受注順に発送されているのではないでしょうか。
ちなみに僕はパンフレットとTシャツ1枚を購入しました。
Tシャツは老虎ヴァージョンの白です。もし今後ジュリーのLIVEでセンター神席に恵まれることがありましたら、着用して参加し、ジュリーの冷ややかなチラ見を浴びたいと思います(笑)。
まぁそれは冗談として(←冗談なのか?)、今回のTシャツの老虎ヴァージョン・・・ジュリーファンとしての立場からしますと、60歳を超えたジュリーの写真がプリントされているTシャツが販売されるなんて、これが最初で最後だと思うんです。これはメチャクチャ貴重です!
みなさまもこの機に購入しておかないと、数年後に後悔なさると思いますよ~。

ともあれ、既にセットリストをご存知の方々がいらっしゃるということで、パンフ等の話題はこのくらいにしまして、ここからは純粋に楽曲考察を楽しむことにしましょう。

「タイガースのテーマ」・・・僕の手元には公式に2種類のヴァージョン違いの音源があります。
記念すべきファーストLP『THE TIGERS ON STAGE』のライヴ音源。『LEGEND OF THE TIGERS』に収録された貴重なスタジオ・レコーディング・ヴァージョン。それに加えて、親切な先輩から授かった同窓会時のライヴ映像も。それぞれハッキリとサウンドが異なっていて、比較が楽しいです。

ちなみに、モンキーズにさほど詳しくない僕は、この機会に初めて彼等のオリジナル・テイクを聴いてみました(You Tubeですが汗)。
タイガースのテイクとは、構成がまるで違うんですね・・・。

We go where we want to
                       Am

Do what we like to do
                          F

We don't have time to get restless
                                    D

There's always something new
                                    G

という、静かな演奏部が最初に配置されていて、サビの「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・モンキーズ!」へと繋ぎ、そこからスパートするんですね。

それがタイガースの場合はピーの3連符フィルから「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・タイガース!」とサビから始まるいきなりの全開モード!
この構成でのカバーは大成功ではないでしょうか。

Hey!Hey!We're the Tigers!
                               C
And people say we're tigerin' around
      F                      G          C

ステージにあの5人が登場し、まずこのフレーズが炸裂!となったら・・・初日武道館をはじめ各会場はいきなりの総立ち、大変な盛り上がりになることでしょう。

僕がこの「タイガースのテーマ」を1曲目と予想するのは、1967~71年のタイガースのLIVE形態について先輩方にお話を伺ったりするうち、何となく「前半カバーで後半オリジナル、という曲並びが多かったんだな」とイメージが固定してきたからなのです。
『オールナイトニッポン・ゴールド』の5人の話を聞いていても、メンバー全員が「あの頃のようにやろう!」と考えているように感じました。それがセットリストの曲順、構成にもきっと反映されているんじゃないかなぁ。
僕はオリジナル曲への期待はもちろんですけど、彼等5人の中に染み込んでいる洋楽カバー曲怒涛の連発にも、期待が大きいのです。

それでは、その強烈な出だしはタイガース3種類のヴァージョン共に共通している中で、それぞれの具体的な演奏の相違点について考察していくことにします。

まずは、レコーディング・ヴァージョンと『ON STAGE』収録のLIVEヴァージョンとの比較です。
全体の曲構成は同じ、楽器構成も同じ。
ただ、聴こえ方は(当たり前ですが)まったく違いますね。てか、このレコーディング・ヴァージョンって、どの楽器も抜群に上手いんですけど!?

両ヴァージョンの一番の目立った違いは、間奏のリード・ギターでしょうか。レコーディング・ヴァージョンの方は、60年代洋楽サウンド直輸入といった感じのイカしたテイクです。
僕のようにビートルズの音に馴染みきっている者が聴いても非常に和む、と言いますか「そうそう、これが正調のロックンロールの間奏だよね!」と手を打つ演奏となっています。
一方LIVEヴァージョンの方は、まずミックスが不思議。ミドル・エイトの前半部があまりよく聴きとれないですよね。間奏後半からいきなりギターの音量が上がって、いかにもガレージな、これまた最高にイカしたテイクが聴けます。
この間奏部リード・ギターで注目すべきは

前半部のミックスがセンター、後半が右サイド

となっている点です。
これはすなわち、間奏の前半と後半でソロ・パートの演奏者が違う、と考えられはしないでしょうか。
そこでメンバーのコーラス・トラックに注意して音源を聴くと、どうやらトッポの声は右サイドに振られているようです。それを踏まえ、古今東西のミックス常套手段から考えれば、ギターについても右サイドの音がトッポということになります。
これはもしかしたら・・・前半センターにミックスされている音がタローのギターなのではないでしょうか。
つまりこの間奏、タイガース2大ギタリストによるリレー形式。僕はそう推測しました。
実際に当時のLIVEでこの曲を体感なさっている先輩方・・・その辺りはどうだったのか覚えていらっしゃるでしょうか?

『ON STAGE』の間奏で前半の音が小さいのは、この時タローが間奏直前のヴォリューム・コントロール操作を割愛したのかなぁ。
僕としてはむしろ、トッポの豪快な音量設定が際立っているのが嬉しく、年末のステージでも(「タイガースのテーマ」に限らず)このくらい荒々しく主張のあるトッポのギターが聴けるのかな、と期待が高まるところです。

ドラムスも、レコーディングとLIVEとでは随分違います。
丁寧かつ繊細なのは当然レコーディング・ヴァージョンの方ですけど、魅力的なのはやはりLIVEヴァージョン。オカズの3連符で突っ込みまくる独特のドラムス・・・これが本当にピーらしい、ザ・タイガースの音なんですよね。後追いながらも、2011~12年のツアーで実際にピーのドラムスを体感したからこそ、僕はそう断言したい!
タイガースの音は、まずピーのドラムスありき。
ジュリワンの「シー・シー・シー」とも、『ジュリー祭り』の「君だけに愛を」とも全然違った老虎ツアーのドラムス。
技術の巧拙を他ドラマーと比較して語るのはナンセンスです。僕は元々、ある特定のバンドに特化した演奏者を好みます。その意味で、ピーのドラムスは最高なまでにザ・タイガース特化型なのです。

ピーがファンの前に帰ってきた2011年、その最初の頃でしたか、講演会で老虎再来支援委員会の坂田代表が、「当初ピーは3連符が苦手で・・・」みたいなお話をされたと聞きました。
僕は今・・・と言うかあの老虎ツアーを経て、逆にその逸話がとても頼もしい、と感じ、タイガースの音としてピーのドラムスに全幅の信頼を置くという心境にまで至りました。
是非年末には、「タイガースのテーマ」で気合ほとばしる突っ込んだオカズのピーのドラムスを聴いてみたいです!

さて、上記2つのヴァージョンについて間奏リードギターへの着目を語ったばかりで申し訳ないのですが・・・こと楽曲構成の面で年末のステージでの「タイガースのテーマ」をイメージした時、予習音源として要注意なのが同窓会ヴァージョンではないか、と僕は考えます。
もちろんドラムスがピーではないので「タイガースの音」という観点からは語ることは控えますけど、このヴァージョンの最大のポイント・・・”間奏リードギターを割愛した極端に短い構成”に注目したいのです。

グワ~ッといきなり盛り上がって、あっという間に終わる。
これもまた記念すべき再結成オープニングの醍醐味かと僕は思います。「僕たちタイガースだよ!」という、ショーのイントロダクション的な役割ということです。
また、こうしてショート・ヴァージョンにする意味としては、「できるだけ多くの曲をやる」ということにも繋がるわけで・・・そりゃあ、演奏される曲が多ければ多いほど僕らファンとしては嬉しいわけじゃないですか。ですから僕は今回「タイガースのテーマ」が歌われるなら同窓会と同じくショート・ヴァージョンで!と予想を立てたのです。
さぁ、実際はどうなりますか。

ということで・・・セットリストのネタバレをしない身の勝手で書き連ねてまいりました、”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズも今回で〆となりました。
あとは12・3武道館を待つばかり。

先日、ジュリーの『Pray』ツアーが渋谷・大阪連日の大盛況を以って終了し(参加できなかったけど・・・涙)、いよいよ5人が揃っての、本番を想定した本格的な稽古が始まっているでしょう。
ジュリーの言う「5人だけの、タイガースの音」を楽しみに・・・いざ再結成ステージに参加後の”セットリストを振り返る”シリーズまで、タイガース・ナンバーのお題記事執筆はひとまずお休みです。

最後に、恒例のオマケです!
Mママ様、P様所有のお宝切抜き資料の中から、可愛らしい前期タイガースのショットをドド~ンとどうぞ!
(全部パンフに掲載されているものだったりして・・・)

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それでは次回更新は、ジュリーの『Pray』ツアーのセットリストを振り返るシリーズです。
個人的にとにかくバタバタの状況が続きますので、いつの更新になることやら・・・なのですが、とりあえず書きたい曲はもう決まっていますから、しばらくは仕事の移動中など、日々その曲達の音源を聴いて過ごします。
ベストを尽くした考察記事に仕上げたいと思います!

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2013年10月17日 (木)

ザ・タイガース 「都会」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1970、single
セットリスト的中自信度 ★★☆☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

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セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

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さて今週は、色々とタイガースやジュリーをとりまく新情報がありましたね~。

まず、ザ・タイガース。
再結成記念Tシャツとパンフレットがオフィシャルサイトにアップされ、申し込み用紙も届きました。
ちょっと気になっているのは・・・確かパンフレットには年末のセットリストを載せる、という話があったんでしたっけ?そうだとすればネタバレ厳禁派の僕としては、中身を見るのは初日武道館が終わってからということになるなぁ・・・。
2013年版のTシャツは、「中井さんへの感謝」がコンセプトなのかな。僕はたぶん、着て外を歩けますよ(笑)。


(あ、別の「タイガース」の話題については、積極的なコメントを差し控えさせて頂きます・・・涙涙。こうなったらファイナルステージはなんとかカープに頑張って欲しいですけど、追い込まれてしまいましたねぇ・・・。
タイガースについては、終わってしまったものは仕方ない。僕もやっぱり「Rock 黄 Wind」の考察記事は、キチンとリーグ優勝を果たした時にドカ~ン!とお祝い的に書きたいですし。
そう言えば・・・90年代の阪神低迷暗黒期にあって、一人”陽”の気を放っていた愛すべき助っ人・オマリーの来季コーチ就任の噂は明るいニュース。是非実現を!)

そして、ジュリーのお正月コンサートのツアー・タイトルが明らかになりました。何と『ひとりぼっちのバラード』!
これはテンションが上がります。
タイガース再結成のステージすぐ後に「ひとりぼっち」というのはジュリーらしいセンス・・・なのでしょうか。
でも来年になっても、メンバーとの友情が終わるわけではないのですから。
いつ何時、トッポから「ちょっと相談があるんだけどさ~、プハ~、カランカラン」と、直接ジュリーに無理難題打診の電話がかかってくるやもしれません。むしろそういう話があることに期待してしまいます・・・。

ともあれ、年が明けての次のソロコンは、ジュリーの歌人生総仕上げへの第1歩・・・「これからは自分の好きな歌を好きなように歌っていく」という気持ちをツアータイトルとして宣言しているようで、とても嬉しい!
このタイトルなら、あの大名曲「
ひとりぼっちのバラード」はやっぱり歌いますよね?アルバム『JULIE』の中でジュリーはこの曲が一番好き、と言っていたくらいですしね。
『ジュリー祭り』が初ジュリーLIVEだった僕は、「ひとりぼっちのバラード」を生で聴いたことがありません。「いつか聴きたい」と切望しつつも「もうこの先はナイかな・・・」とあきらめの気持ちも実はあった珠玉のバラードとの邂逅へ、今から期待に胸が高鳴っています。

ただジュリーの場合、「必ずこの曲は歌うと思わせておいて実は」・・・というパターンも考えられますが、いずれにしても「タイガースの反動で、こんなことになってしまいました」的な、『歌門来福』級のイントロ当てクイズ状態・・・そんなセットリストの匂いがプンプンしますね。これは何としても初日に参加しないと~!
今度のお正月コンサートについては、おそらくブログでセットリスト予想をする時間は無いと思うんですよ。スケジュールが詰まりまくっていますからね。東京ドームのレポを書き終えたら、もうソロの初日目前!みたいな感じになってる気がする・・・。

そう、ソロコン前の年末に控えし一大イベント、ザ・タイガース再結成。
今回お題に採り上げるのは、後期のシングル曲。ジュリーのソロっぽいメロディーのイメージがありながらも、コーラスそして演奏・・・実はどうしようもなく、終わりに向かう「ザ・タイガース」の音であり歌であるという、不思議な悲しみの雰囲気をたたえた、音楽性も高い美しいナンバーです。
「都会」、僭越ながら伝授!

予想としては「星2つ」。
これは妥当な線でしょう。トッポを加えた5人のオリジナル・メンバーでの演奏となるとまぁやらないかな、とは思いますが何と言ってもタイガースらしい演奏構成を持つシングル曲。油断はできません。
僕などは、「叫んで~みても♪」の箇所にトッポのコーラスが入るのを実際に生で聴いたらどんな感じなんだろう、とか・・・あれこれ夢想してしまいます。

実は僕は、2009年初めてタイガースのシングル・コレクションを聴いた時点で、漠然と「後期の曲の方が好みかな」とは思いつつも、この「都会」の印象はかなり薄かったのです。タイトルから歌の出だしをソラでは連想できないくらい。
もちろん今ではそんなことはありませんよ!まぁ、当時聴き込みが足りなかったということです。その頃は「風は知らない」「はだしで」「淋しい雨」「怒りの鐘を鳴らせ」の4曲だけを抜き出して聴いたりしていましたね・・・。

「都会」という曲の存在が自分の中で大きくなったのは、先輩が「是非聴いて」と焼いてくださった『サウンズ・イン・コロシアム』を聴いた時(無論、その後キチンとCDを買い直しています)です。

2枚組CDの後半1曲目がこの曲なんですよね。
ピーがドラムセットに座って、「どん!」と一発音を鳴らし(フロアタムかな?)、悲鳴のような歓声へと連なってから始まる「都会」のイントロは、後追いファンからしても独特の説得力がありました。

そういえばコロシアムLIVEって、CD通りの完全2部構成と考えてもよろしいのでしょうか。休憩とかがあって、後半第2部で改めて「都会」からスタートしたということでいいのかな・・・。

以前、実際にこのライヴに参加された先輩に感想を伺ったことがあります。
「ステージが進んで、だんだんと陽が落ちて、風が吹いてきて・・・楽しいんだけれどもどこか淋しいような、何とも言えない気持ちだった」
と仰っていました。
その先輩のお言葉が強く印象に残っているからでしょうか・・・僕は『サウンズ・イン・コロシアム』のdisc-2にはちょっと切ないイメージがつきまとっています。
「散りゆく青春」の大合唱も、タイガース・オリジナル・メドレーの曲並び(すべて短調のナンバー!)も。
そしてdisc-2の幕開け「都会」のイントロもそんなイメージなんです。先述したピーの一打と歓声も含めて・・・。「だんだん陽が傾いていく」ような曲だと思っています。

それはひょっとしたら、コロシアムLIVE前後のタイガースの状況そのもの、のイメージなのではないでしょうか。
コロシアムLIVEはタイガースにとっても大きな企画。もちろんメンバーの気合は充分で、実際の演奏、ジュリーのヴォーカルも素晴らしい。でもそれでいて何処か切ない影が射しているような・・・。

手元に、当時の貴重な資料があります。
P様所有の会報誌『ヤング』・・・コロシアムLIVEを軸としたメンバーの動きや心境を、何となくではありますが把握できる素晴らしいお宝です。
コロシアム前後のタイガース特集ページを、3号分続けてご紹介しましょう。

Young700801

Young700802


以上、『ヤング』1970年8月号より

Young701001

Young701002

Young701003


以上、『ヤング』1970年10月号より

Young19701201

Young19701202


以上、『ヤング』1970年12月号より


何かね、偶然とは言え「都会」の歌詞に象徴されるような感じ・・・。ピーの「反抗と順応がミックスしている」という言葉は、その時の本当に正直な気持ちかと思えますし。
かと言って淋しさ一辺倒でももちろんなく、「向うところは見えている」雰囲気もありながら、シングル『素晴しい旅行/散りゆく青春』や、アルバム『自由と憧れと友情』へこうして繋がっていったんだなぁ、と後追いファンとしては彼等の辿った道が無理なく整理することができます。


晩期タイガースが、多くの曲で「旅立ち」をコンセプトにしていたことを考えると、その「旅立ち」をメンバー全員が積極的に決意したターニング・ポイント・・・それが「都会」というシングル曲のように僕は感じるのですがいかがでしょうか。

ただ、それは歌詞のみならずやはりメロディーやアレンジからもそう思わせるものがあるのです。
作曲・クニ河内さん。
クニさんが素晴らしい作曲家であることに、恥ずかしながら僕はタイガース・ナンバーを聴き込んで初めて意識するに至りました(アルバム『サリー&シロー/トラ70619』収録のクニさんの曲も、改めて聴くと本当に素晴らしかった!)。

過去に他の曲の記事で書いたように、クニさんは自作曲に哲学を込めるタイプの作曲家のようです。「怒りの鐘を鳴らせ」の断崖を駆け降りるような転調や、「誓いの明日」でドミナント・コードを一切登場させない構成など、不思議なほどに詞の内容や当時のタイガースをとりまく状況に合致するアイデアが、1曲入魂で注入されています。
「都会」であればそのコンセプトは、「孤独」或いは「決断」といったところでしょうか。

「都会」のスコアは手元に3種類あります。


Tokai1

『沢田研二のすばらしい世界』より

Tokai2


『60年代グループ・サウンズ・ファイル』より


Tokai3


『沢田研二/ビッグヒット・コレクション』より

『ビッグヒット・コレクション』は相変わらずの独創的なコード進行(笑)になっていますが、他2冊はほぼ同じコードで採譜されています。すなわち「都会」は、和音を拾うことがさほど難しい曲ではないということです。

あなたが消えた この街を歩けば
G                Cm D7

今日もたそがれ さみしくせまる
G             C            Cm      G

だからと言って「都会」が単調な曲かと言うとそうではなく、まずAメロ冒頭の「G→Cm」から意表を突く展開。通常のポップスなら、ここは「G→C」となるところです。
イントロでは素直に「G→C」、歌メロに入ると「G→Cm」。
ジュリーのヴォーカルの「消えた♪」の箇所でどことなく不安感をかきたてられませんか?それは和音の当て方からくるものなのです。

途中に転調もあって

いつもあなたは  愛してくれた
Bm              Em   C            D7  F#7

それがなぜ 今はひとり
Bm        G               Bm

帰ってと 帰ってと 叫んでみても
  F#7        Bm             Em      A7  D7


(註:「帰ってと♪」の箇所の「F#7」は、ギター1本の弾き語りの場合は「F#m7」の方が良いかもしれません)

「愛してくれた♪」の「F#7」を境に、ト長調からロ短調に転調。普通なら「B7」を使ってホ短調に移行すべきところです。こうした変則的な転調も、歌詞やジュリーのヴォーカルと併せ、「心の乱れ」を表現しているかのように聴こえますね。
ただし、ジュリーのヴォーカルは「嘆き」から繋がる和製歌謡曲寄りの艶っぽい歌い方になっていますが、クニ河内さんの作曲そのものはいかにも洋楽的でクール。「はだしで」のようなアメリカン・ロックの感覚があると思います。

後追いファンの僕は、トッポ脱退→シロー加入後の後期タイガースに、常に解散の噂がつきまとっていたことすら知らずタイガースを聴き始めたのですが、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の次のシングルがこの「都会」・・・メロディーの面からしても、タイムリーなファンのみなさまにとってはそのあたりの心配をかきたてるような新曲だったのかもしれません。
それは次シングルB面「散りゆく青春」へとそのまま雰囲気として繋がっているようにも思えます。

いずれにしても、短い間ではあったにせよ、「後期」いや「第3期」タイガースのロックな音作りを支えていたのはクニ河内さん。『都会/怒りの鐘を鳴らせ』というシングル盤は2曲ともクニさん作曲ということもあり、第3期タイガースを代表する刺激的な1枚と言えるのではないでしょうか。
その点ではむしろアルバム作品である『自由と憧れと友情』よりも「タイガース」のイメージが徹底されていると言えそうです。

では、アレンジ、演奏についてはどうでしょうか。
ドラムス、ベース、ギターのタイガース・サウンドの上からストリングス装飾が施されています。そこへ、キメ部のみ登場するサイケデリックなオルガン(左サイドのミックス)が噛んでくるのが大きなポイントかなぁ「都会」の淋しげ雰囲気によく合っています。
いかにもこの時代のオルガンの音です。
「都会」のオルガン・トラックを聴いて僕が想起するのは、ドアーズのレイ・マンザレク(今年5月に天国へ旅立たれました。心よりご冥福をお祈り申し上げます)が得意としていた音色。特に「ヒヤシンスの家」(1971年リリース)という曲では、タッチといい音色といい「都会」にそっくりな音色のオルガン・テイクが聴けますよ。

バンド・サウンド・パートについては、タイガース・メンバー自身の演奏のように聴こえます。
まず、ドラムスは間違いなくピーですね。「はだしで」「怒りの鐘を鳴らせ」ほど豪快ではありませんが、要所で炸裂するフィルのロールが特徴的。
ベースとギターはハッキリ自信は持てないけど・・・左サイドのギターはタローっぽいです。この曲、全体的には1番と2番でキーが違うんですよ。1番がGで、間奏から2番が半音上がりのA♭。単音のスケール的には、2番の方が難しい。
で、基本コード・カッティングのギターが1番のBメロ「孤独なぼくを♪」「いつもあなたは♪」のトコで、カッコイイ単音に切り替えますよね。それが、2番では割愛されているのです。こんなことで「タローっぽい」などと考察するのも甚だ失礼な話なんですけど、僕としては何とか「タイガースの音」らしさを探し求めて聴いてしまう、ということなのですよ・・・。
もちろん2番で単音を弾いていないのは、僕ごときの想像が及ばぬ理由である方が、可能性は高いです。

さて、今回「都会」の記事を書いて・・・いよいよ『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』収録曲で未執筆のナンバーは、残すところ「花の首飾り」ただ1曲、となりました。
このブログが2008年の東京ドーム公演レポートを機にじゅり風呂へと変貌して以来、ジュリー関連のお題を地道に1曲ずつ書いてきて、いつからか「CD収録曲を一番最初に完全網羅するのはどの作品かな?」なんて自分自身で楽しみにしていたんですけど、どうやらそれはジュリーのソロ・アルバムではなく、何とタイガースのシングル・コレクションということになりそうです。
年末、トッポが歌う「花の首飾り」を生で聴いてから、年明けに”セットリストを振り返る”コーナーのお題に採り上げるのはもう規定路線。

我ながら信じられないことです。
だって、僕がタイガースの曲をまともに聴き始めたのは、2009年になってからのことなんですよ。そんなヒヨッコがいつの間にやら、ザ・タイガース4年間の全シングル盤AB面すべての曲について、考察記事を書き終えようとしているのですから・・・。

あとは、ジュリーとトッポがほどほどにケンカし、ほどほどに仲良くしながら12月を乗り切り、ザ・タイガース再結成ツアーを無事大成功のうちに終えるのを見届ける・・・その日を待つのみです。
最後の最後に一番有名な「花の首飾り」でシメ、ってのがなんだか出来すぎのような気もしますが・・・それもこれも、僕一人の力でこれを達成するわけではない、ということの表れでしょう。「伝授」と言いながら実はまったく逆・・・先輩方に逆伝授されっ放しで今に至っていますからね・・・。
改めて、いつも色々と教えてくださるみなさまに感謝の思いです。

それでは、恒例のオマケです!
Mママ様所有のお宝切り抜き資料から、田園コロシアム関連のショットをどうぞ~。

Beautiful01

Beautiful02


ここまでの2枚は見開きの記事になってます。

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ジュリーが抱えている楽器は何・・・?


ということで、いよいよ週末はジュリーの『Pray』大宮公演です。僕は9月の渋谷以来、共に参加の友人YOKO君は、昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』大宮公演以来1年ぶりのジュリーLIVEとなります。
もちろんステージが一番の楽しみですが、隣のYOKO君のビビッドな反応(約4ケ月間のネタバレ我慢を敢行する超人)にも期待しています。要注意曲は、「ハートの青さなら空にさえ負けない」「A.C.B」「あなたへの愛」あたりかな~。もちろん新譜4曲については言うまでもありません。

次回更新はその大宮レポートになります。
その後は、”『Pray』セットリストを振り返る”シリーズでジュリーのソロのお題を2曲書き、11月後半に再びタイガースのセトリ予想で2、3曲を採り上げて、12月3日を迎えようと考えています。
うまく予定通りに進むでしょうか。タイトなスケジュールもまた、ジュリーファンとしての喜びです。頑張ります!

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2013年10月12日 (土)

ザ・タイガース 「真赤なジャケット」

from『レア&モア・コレクションII』
セットリスト的中自信度★★☆☆☆


disc-1
1. 君だけに愛を
2. モナリザの微笑
3. 花の首飾り
4. 真赤なジャケット
5. 星のプリンス
6. こっちを向いて
7. シーサイド・バウンド
8. 銀河のロマンス
9. シー・シー・シー
10. 君だけに愛を
disc-2
1. リラの祭り
2. ジンジン・バンバン
3. 光ある世界
4. 廃虚の鳩
5. 青い鳥
6. 真赤なジャケット
7. 美しき愛の掟
8. はだしで
9. Lovin' Life
10. 風は知らない
11. はだしで
12. 嘆き

from『世界はボクらを待っている』、1968
original released on 1967、single『モナリザの微笑』B面


Sekaihabokura

1. 君だけに愛を
2. 銀河のロマンス(インストゥルメンタル)
3. モナリザの微笑
4. 花の首飾り
5. 僕のマリー
6. 落葉の物語
7. 真赤なジャケット
8. イエロー・キャッツ
9. 星のプリンス
10. こっちを向いて
11. シーサイド・バウンド
12. 銀河のロマンス

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セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

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さて、一般発売のチケットが完売続出の報を受け、そろそろ12月のザ・タイガース再結成本番ステージに向けてCDなどを聴き、みなさまそれぞれの思いで予習を始めていらっしゃることかと思います。

みなさま、どの作品を重点的に予習されていますか?

まず、『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』。
特に後追いファンにとってこれは外せないですね。この2枚組さえ聴いていれば、年末セットリストの半分以上は確実に網羅できるでしょう。文字通り「完全無欠」のシングル集は、基本中の基本。

一方で、「いや、今なら『赤盤』『青盤』でしょう!」と仰るかたも多いでしょうね。
ピー先生監修、究極のザ・タイガース・レパートリー。「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と両A面扱いのシングル曲「君を許す」が容赦なくオミットされている(笑)ことに象徴されるように、この2枚こそが「真のザ・タイガース・ベスト盤」と言えるのかも。
12月いっぱい、という年末再結成のツアー・スケジュールから考えますと、『青盤』収録「あわて者のサンタ」あたりは意外と要注意ナンバーではないでしょうか。僕はこの曲、セトリ入り「星3つ」と予想していますよ~。

或いは、2012年の武道館DVD。
トッポ以外の老虎4人の現在の姿・・・ヴォーカル、演奏をあますところなく楽しく予習できてしまう必聴、必見盤。「あの頃と変わらない体型を保っているのは、ピーだけです!」とのジュリーの言葉も、40年という時の流れを経て実現した奇跡のステージの証として、謹んで今一度受け止め胸に刻んでおこうではありませんか。

レコーディング・アルバムだと、やはりトッポ在籍時の大名盤、『ヒューマン・ルネッサンス』は押さえておかねばなりません。
個人的には今回「星5つ」の鉄板予想としている「忘れかけた子守唄」をはじめ、「朝に別れのほほえみを」「生命のカンタータ」などのアルバム収録曲もセットリストの有力候補だと思います。

さらに・・・先日のオールナイトニッポン・ゴールドの放映を機に、「オリジナル・メンバー5人だけの演奏」による真・タイガースへの期待に完全にスイッチが入った僕としては・・・。
老虎ツアーで実際に生で体感した、ピーのドラムス、サリーのベース、タローのギター。最後に残った1ピース・・・僕がまだ生で耳にしたことのない、トッポのギターに大いに期待を高めています。
タイガースのステージ演奏を予習するならば、オリジナルLIVE盤は『ザ・タイガース・オン・ステージ』『ザ・タイガース・サウンズ・イン・コロシアム』『フィナーレ』と3枚ありますが、僕としてはトッポのギターを重視して、『ザ・タイガース・オン・ステージ』を聴き込むことが肝要。オールナイトニッポン・ゴールドでピーが「僕らはライヴバンド」とハッキリ語っていたのは、やっぱりトッポ在籍時のLIVE演奏の感覚を持っての発言だったように感じるんですよ。

ただここで、今回のお題曲「真赤なジャケット」について・・・「オリジナル・タイガースの演奏」という観点から考えた時、ちょっと盲点のようになっている絶好の予習音源があります。
それはズバリ・・・『世界はボクらを待っている』の挿入楽曲演奏音源です!
LIVE音源ではないとは言え、これは正しく「タイガースの音」。シングル・レコード音源とはまったく別の魅力、ライヴ感、ガレージ感漲る好演です。特に当時のトッポのギターに着目するなら、必聴の音源と言ってよいのではないでしょうか。
演奏自由度の高さ、一発レコーディングの荒々しくハイテンションな雰囲気を感じさせてくれるゴキゲンなロック・ナンバー・・・改めて聴いて、「うわ、これLIVEでやって欲しい!」と個人的に盛り上がっているところです。

ということで本題。
「真赤なジャケット」、僭越ながら伝授です!

予想的中自信度は、控え目に「星2つ」としました。
有名曲をひと通りやるとしたら、なかなか「真赤なジャケット」までは手が回らないのかなぁ、と・・・。
でも、もしメンバーがこれから稽古を重ねていき、予定していたセットリスト候補の中で「ちょっとこの曲はうまくいかないね。他の曲に差し替える?」という話が出るようなことがあったとすれば、代替案として「真赤なジャケット」は相当有力なナンバーではないか、と僕は思っています。
パッ、といきなり音を合わせることができるタイプの曲なんですよ、これは。

まず僕はこの記事を書くにあたり、「真赤なジャケット」の映画ヴァージョンをじっくりおさらいしようと考え、アルバム『世界はボクらを待っている』を仕事の移動BGM用に持参し、「あ、あれっ?!」と基本的なミスを犯していたことに気づきました。このアルバム、映画タイトルのサウンドトラックを謳っているにもかかわらず、収録されているのは、単に正規のレコード音源に劇中の音声をオーヴァーダブしたものなんですよね。現代ではちょっと考えられない商売です・・・。
まぁでもこのアルバム、「イエロー・キャッツ」1曲のためだけにでも持っておく価値はありますけどね!
(ちなみに「イエロー・キャッツ」は年末のセットリストとして要注意ですよ~。ピーが『赤盤』に採り上げているということもありますし、おそらくタローは、この曲の人気の高さを充分心得ているはず)

で、肝心の映画挿入音源ですが・・・CDで楽しむ、ということになると少なくとも「真赤なジャケット」については、『レア・モア・コレクションII』を聴くしかないです。
ただ、『レア・モア・コレクションII』をお持ちでない方々でも、『世界はボクらを待っている』DVDは持っているよ、と仰るかたはかなり多いでしょう。実は僕もその一人。『レア・モア~』については音源しか持っていません。
ここはひとつ映画を観返しながら、純粋な「タイガース5人だけの音」で演奏される「真赤なジャケット」に着目し、年末に密かな期待を持っていざ予習と行こうではありませんか!

Sekai01

真赤なジャケットが 僕は好きなんだ
C7

真赤なジャケットが 恋を結ぶ
C7

あの娘をさそって 町へくり出そう
F7

真赤なジャケットは 踊りたいのさ
C7

このAメロの歌詞部、1行1行にトッポのオブリガート(細かい単音)が噛んでくるのが、「真赤なジャケット」映画ヴァージョン最大の聴きどころ。
荒々しいフレージングは、ロックそのもの・・・上手いとか下手とかではないんですよ。とにかく血が沸き立つようなカッコ良さなんです!
これがオリジナル音源ですと、トッポの単音該当箇所にティンバレスが入ってきます。それはそれで味があり、曲想にも合っているんですけど、やっぱり「シーサイド・バウンド」とイメージがダブってしまいますよね。

元々「真赤なジャケット」はいかにもB面的な作りと言うのか、当時多忙を極めていたすぎやま先生とタイガースが、シングルB面用に「シーサイド・バウンドみたいなスリー・コード基調のノリの良いヤツを」と狙いを絞ってササッと用意した曲、という印象です。
実際Aメロ途中までは、それぞれの演奏に合わせて「シーサイド・バウンド」「真赤なジャケット」いずれも入れ替えて歌えてしまうという・・・。キーは違いますけどね(「シーサイド・バウンド」はホ長調、「真赤なジャケット」はハ長調)。
ただ、そういう曲こそがLIVE向き。ザ・タイガースがライヴ・バンドである、ということを是非「真赤なジャケット」で年末、このヒヨッコに思い知らせて欲しいなぁ、と考えているのですが・・・どうなりますか。

さて、映画『世界はボクらを待っている』挿入曲の使用手法には、大きく分けますと3つのパターンがあったようです。

・オリジナル音源をそのまま映像に当てはめて使われているもの(例・「君だけに愛を」)。
・根底からすべてのトラックをレコーディングし直しているもの(例・「モナリザの微笑」)。
・演奏トラックはオリジナル音源で、ヴォーカルとコーラスのみを差し替えているもの(例・「星のプリンス」)。

で、お題の「真赤なジャケット」ですが・・・これは僕が聴いた感じですとちょっと変則のパターン。
まず、ベーシック・トラックについてはオリジナル音源そのままのものを、再編集及びピッチを上げて採用しているのではないでしょうか。
オリジナル音源のレコーディングでは後録りの別トラックであったと思われるティンバレスのパートを割愛し、映画のためにジュリーのヴォーカルとトッポのギターをオーヴァーダブしたんじゃないかなぁ。
聴けばお分かりの通り、オリジナル音源の歌声、コーラスが残っていますでしょ?ジュリーの新たなヴォーカル・テイクとの分別は容易に聴き取り可能です(音量レベルとエフェクトのかかり具合が全然違います)。

ともあれ、分刻みのスケジュールの中でのこうした作業、メンバーはさぞ大変だっただろうなぁと思います。
しかもどうやらそれらのレコーディングは、たった1日で敢行されたようなのです。

参考資料としまして、P様所有の超絶お宝『第35回ウエスタン・カーニバル』パンフレット巻末の『世界はボクらを待っている』撮影特集記事から、メンバーの日記をここでご紹介しましょう。

(考察の参照とするのはトッポの日記ですが、せっかくですから5人分すべてをどうぞお楽しみください!)

Sekaij

Sekais

Sekaita

Sekaip

Sekaito

楽しそうですね~。
ジュリーの「おさみさん♪」発言に(一瞬)萌えた人、手を上げて!
あと、ピーが入れたのは「ちゃち」ではなく「ちゃちゃ」でしょうけど・・・。

新規ファンとしては、タローの言葉にビックリ。
老虎ツアーで魅せたピー先生の「投げキッス」「お茶目」は、この頃から既に馴染んでいたキャラだったのか!
いやいや、勉強になります・・・。

さて、トッポの日記について。
1日で11曲のレコーディングですか・・・それは大変だ~。まるでビートルズのファースト・アルバム並みじゃあないですか。
映画で使われている「花の首飾り」はシングル音源と同一ですから、少なくとも「花の首飾り」についてはこの日・・・つまり映画撮影の合間に行われていた、ということになるのでしょう。
ジュリーとトッポの二人は、特に疲れたでしょうね・・・。
そりゃあ、毎朝の早起きは辛かったでしょう。はからずも今日のお題曲「真赤なジャケット」が流れるバスのシーンで、トッポが半分寝てしまっている、というのはファンの間では有名なお話のようですね。

劇中、サリーがメンバーを叩き起こして回るシーンが、偶然ながら何やら象徴的。
起こす順番にも気を遣う心優しきリーダー、サリー・・・考えてみますと、今はもう世間で知らない人はいない、というくらいの人気俳優・岸部一徳の原点がここにあるんですねぇ。
完全な棒読みで「そうだろ、ジュリー?」とたどたどしくセリフをこなしていたサリーが、今や国民的大俳優です!

・・・と、話を「真赤なジャケット」に戻します。
年末にこの曲が歌われるなら・・・と考えるなら、上記の通り予習すべきはこちらの映画挿入音源で間違いないところですが、正規シングル・ヴァージョンも当然ながら素晴らしいものです。

Aメロで、歌メロをストリングスが追いかける箇所がありますよね。スリーコードのバンド・サウンドのロックンロール進行に、ブルー・ノート音階のストリングスを絡ませるアレンジって・・・ひょっとしたら世界初なのでは?
サイケっぽいロック・ナンバーであれば、ビートルズなどに先例がありますけど。

すぎやま先生と言えば、この曲ではシンプルなロックンロール構成の作曲に留まらず、コード進行にフックがあったり。
例えば

あの娘の笑顔が一番 さ
G                        F   B♭  G7

の「B♭」とかね。
きっと特急でサ~ッと作曲した感じなんでしょうけど、この辺りはさすがすぎやま先生です。

最後に。
『世界はボクらを待っている』の挿入音源それぞれについて、僕はまだすべてを細かく分析できているわけではありません。
例えば「シーサイド・バウンド」は、トッポのリードギター・トラックがシングル・ヴァージョンと違うことは明らかですが、ベースやドラムスなどについてどうなのかは、更にじっくり聴き込む必要があります。

トッポの日記にある「11曲」という具体的な数字も気になっていて・・・これは挿入歌の曲数と合致する数なんですけど、トッポが言っているのは純粋に新たに吹き込んだ曲数なのかな、「銀河のロマンス」は何曲分のカウントかな(映画中盤に披露される制作途上設定のヴァージョンがなかなか良い!対して、一番最初に披露されるインスト・ヴァージョンは、タイガースの音ではないような気も・・・)とか、色々とね。
また、挿入曲には歌無しのインスト・ジャムセッションもあり、それら含め今後ゆっくり検証していきたいと考えていますが、現段階でこれらの中から「聴くべし!」と強く推しておきたい曲は、今日のお題「真赤なジャケット」以外ですとやはり「モナリザの微笑」「星のプリンス」の2曲でしょう。

「モナリザの微笑」はすべての楽器についてまったくの新録ヴァージョン。リードギターとハーモニカが美しく絡むアレンジが最高です。
また、1箇所ピーが勢い余って「ばこ~ん!」とクラッシュ・シンバルを強打している所があります。こういう演奏は「レコード」としては録り直しの対象かと想像しますが、「ザ・タイガースの音」としてはむしろこの方が素晴らしい、と思います。相当目立ってますから、じっくり聴けば分かりますよ~。
僕としてはこの強打部は、サビ後のコーラス部の一転して今度はシンバルを撫でるように演奏する”剣舞”箇所と合わせ、2011~2012年で実際に生で体感したピーのドラムス・・・その姿がありありと目に浮かんできます。
「モナリザの微笑」は今年末も必ずセットリスト入りするでしょうから、そこで実際に聴くことになる演奏に近い音源として、この映画ヴァージョンは予習には最適じゃないかなぁ。

「星のプリンス」は、みなさま映画のストーリーは完全に頭に入っているでしょうから、この曲が流れるシーンに合わせてジュリーが一部歌詞を変えたり、最後にいきなりトッポのソロ・ヴォーカル・パートが登場したり・・・という聴きどころは僕などが言うまでもないでしょう。

ちなみに今回の記事執筆にあたり改めて鑑賞してみて・・・映画自体で僕が一番印象に残った、と言うか「ウケた」シーンは

「今度は音波もたいしたことはない!」

のトコ。
シルヴィの円盤は、元々タイガースの歌・音楽が発する途方もないパワーの音波に引き寄せられて地球に落下してきたワケですよね。
で、いざシルヴィ達がジュリーを攫って地球から飛び立とうとする時に、ちょうどジュリー以外の4人によるコンサートが始まっていて、それを聴きながら従者ヘラクレスが言い放ったセリフです。
要は、タイガースは5人全員揃っていないとそのパワーも格段に落ちる、ということなんでしょうけど・・・なんだか「こっちを向いて」を歌うサリーのヴォーカル音波が「たいしたことない」と言われているように僕は一瞬錯覚してしまい、思わず笑ってしまったのでした
(←失礼にもホドがあります汗)

結局その後、円盤内のジュリー、それに会場のお客さんも加わってのタイガース・フルパワー音波で、敢えなく円盤は地球に吸い寄せされていくんですけど、まぁそのあたりのストーリーはみなさま当然ご存知ですか・・・。

DVDをお持ちでないみなさま、底抜けに楽しいタイガース・ムービー・・・ただ曲を聴くだけとしてもこんなに楽しめるんですから、これは購入しておきましょうね!

それでは、恒例のオマケです!
まずはMママ様所有のお宝切り抜きから1枚。

Img313


ジュリーの色は「赤」系なんですよね。『ゴレンジャー』に始まる東映戦隊シリーズでも、「真ん中に立つ主役の色は赤!」と決まっていますが・・・。
「真赤なジャケット」の歌詞は、ジュリーのキャラクターを想定したものなのかなぁ。

続きまして、先にメンバー5人の日記でご紹介した、P様所有の『第35回ウエスタンカーニバル
』パンフレット掲載のショットを3枚!

Wc35th02

Wc35th03

Wc35th10

トドメに、同じくP様所有のお宝切り抜きから2枚!

Img1942

Img1943

↑「撮影所ならではみられない光景だ」ってのはちょっと日本語としておかしいですが…。撮影時には、パジャマ衣装でウロウロしたりすることもあったんですねぇ。


さて次回更新では、今回の”セットリスト予想”シリーズに臨むにあたって秘かに目指していたある目標・・・それが達成の運びとなります。まぁ特に大したことではないんですが・・・。
予想としてはまた「星2つ」になるかなぁ。

次回更新が終わったら、その次は『Pray』大宮公演のレポ執筆が控えています。
タイガース・ナンバーの考察とジュリーのソロ・ツアー・レポートの同時進行は、切り替えもなかなかに大変。

ともかく全力で頑張るのみです!

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2013年10月 4日 (金)

ザ・タイガース 「君を許す」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1969、single
セットリスト的中自信度 ★☆☆☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラヴ
12. 愛の世界のために

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セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

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みなさま、ジュリーのお正月LIVEチケットの申し込みはお済みですか?締め切り日(音楽劇のチケットとは期日が異なっています)が迫っていますよ~。

僕は悩みまくった結果、カミさんと共に初日のみを申し込みました。どうしても第2希望を千秋楽しか選べなくて・・・。中日渋谷が日程的に無理、遠征は経済的にキツいものですから。
とにかく僕は、会場の誰一人セットリストを知らない状態で幕を開ける「ツアー初日」に何としても行きたい派なのですよ。
無事に初日が当選したら、最後方の壁際席だろうがもうそれで大感謝・大満足。落選した場合は、もちろん第2希望の会場には参加しますが、あきらめきれずに初日のチケットを探しまくるだろうなぁ。

みなさまも、締め切り日をお忘れなきよう・・・。

さて、拙ブログでは現在、ザ・タイガース再結成のセットリスト予想シリーズということで更新を続けておりますが・・・今回は「これはさすがにやらないだろう」という、個人的に予想的中自信度「星1つ」しかつけられない曲を採り上げます。

ジュリーのソロLIVEと違い、タイガースのセットリスト予想については僕の的中自信度もそれなりに信憑性・・・と言いますか、先輩方もある程度は「まぁ、そうだよね」と賛同してくださることかと思います。
2011年の老虎ツアー・セットリスト予想の時も、「星5つ」とした曲はすべて採り上げられ、「星2つ」「星1つ」とした曲はセットリスト入りを見送られました。

ただ・・・2011年、予想記事を書いていなかった「割れた地球」(すぐ後に、ピーのドラムスをはじめとする演奏の素晴らしさをお伝えしたくて、ツアーが終わるのを待てずに”セットリストを振り返る”シリーズにて執筆しました)のことを考えますとね・・・。
僕はおそらく「割れた地球」の記事を老虎ツアー前に書いていたとしたら、セトリ入り自信度「星1つ」の最下評価に止めていたと思います。
3・11のことがありましたからね。歌詞の内容から「まさか」と思っていました。
ところがジュリーはこの曲を、「怒りの鐘を鳴らせ」と繋げるという大納得の曲順で採り上げ、僕の浅い考えを一蹴したのでした。

ですからいくら僕が今回「星1つ」の予想をしても、曲によっては全然違う予想をしている先輩方もいらっしゃるでしょうし、やっぱりね、今回の年末のセットリストにも「おお~っ!」とお客さんを驚かせるサプライズ的なナンバーを1、2曲は期待したいところ。
この先も僕は「星1つ」「星2つ」の曲を書いていくつもりですが、みなさま是非そんな期待感を持ちつつお読み頂ければ、と・・・。

ということで今日のお題は、タイガース・ナンバーとして渋い輝きを放ち、この曲を特に好きだと仰る先輩方もいらっしゃる・・・しかし事実上はジュリーのソロ・ナンバーと言って差し支えない、微妙な位置にあるシングル曲です。
例によりまして、考察文よりもお宝資料のご紹介がメインのような記事が続きますが・・・。「君を許す」、僭越ながら伝授です!

この曲は、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と両A面扱いでタイガースのシングルとしてリリースされつつ、ジュリーのファースト・アルバム『JULIE』の冒頭1曲目という、ジュリーのソロとしても重要な位置づけにある珍しいナンバーですね。

アルバム『JULIE』の収録曲で言うと、3曲目の「誰もとめはしない」もタイガース・ヴァージョンが存在します。
しかしこちらが、シローのコーラスをフィーチャーし、演奏、アレンジもジュリーのアルバム収録ヴァージョンとは大きく異なっているのに対し(ただし演奏者は同一のようです)、「君を許す」の方はじっくり聴き比べると・・・これ、トラック自体も同じのようですね(マスタリングは微妙に違うようですが)。
つまり「君を許す」は、ジュリー以外のタイガースのメンバーがレコーディングにまったく噛んでいない曲、ということになりそうです。

今でこそシングル盤としては「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の方がA面色が強く、特に僕のような後追いでタイガースを勉強していったファンは、『シングル・コレクション』の曲順から、普通に「ラヴ・ラヴ・ラヴ」をA面、「君を許す」をB面とまずは認識してしまうのです。
(同様の理由で、「銀河のロマンス」がA面、「花の首飾り」がB面という認識もあります。でもこれは結局その認識で正しいのかな?)

しかし色々と当時のことを勉強していくと、当初レコード会社はこの”ジュリーのソロ”である「君を許す」の方をシングルA面とすることで、リリース企画を推し進めていたらしいことが分かってきました。
その点についての参考資料としまして、Mママ様からお預かりしている雑誌記事切り抜きをここでご紹介したいと思います。
メンバーそれぞれの活動が多極化してきた時期の、タイガースへの質問形式のインタビュー記事。参照して頂きたいのはジュリーへの質問の項ですが、せっかくの機会ですからメンバー全員の項も網羅して添付しておきますね。

(註:画像中の黄色い部分は僕が貼った付箋です。当時の雑誌は投稿読者の本名、住所などが普通に掲載されてしまっていますから、付箋でそれらの部分を伏せてスキャンしております)

Forgiveyou2

Forgiveyou3

Forgiveyou4

サリー、本当にマージャンが強かったみたいですね。
今でも卓を囲むことがあったりするのかな。『ドクターK』での、「ロンじゃ~ん♪ 中(チュン)ドラドラじゃ~ん♪」というセリフのシーンは最高でした・・・。

で、ジュリーの言葉・・・ちょっと困っているようなニュアンスを感じなくもないですが、基本的に「ジュリーらしい前向き」な発言で、『ジュリー祭り』以降に「ジュリーらしさ」を知っていった後追いファンから見ても、違和感の無い受け答えだなぁと思いました。
アルバム『ジュリー』についてのジュリーの心構えや「むずかしい感じ」という独特の表現などについては、この先執筆する別のアルバム曲のお題記事に考察を譲るとしまして、”次のタイガースのシングル”について・・・ジュリーはハッキリと、A面「君を許す」、B面「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と位置づけていますね。そういうふうに会社から話を聞いていたのでしょう。

「A面はぼくのソロ」はジュリーのニュアンス的にはあくまでリード・ヴォーカリストとして、ということで・・・ジュリーに何より「ザ・タイガース」としての自分、タイガースあっての自分に強い思いがあることは、言葉の端々から窺えます。
ソロ・デビューにあたっての複雑な思いも当時はあったのかな。PYG期になるとその辺りのニュアンスが変わってきて、1971年末の日生リサイタル以降は、「バンドとソロの両立」への積極的な言葉も多くなってくるんですけど・・・。

いずれにせよ、「君を許す」は”タイガース・サウンド”からは逸脱している印象を受けるナンバーです。
同じ「歌謡曲寄り」のメロディーを擁するシングル曲として「嘆き」が挙げられますが、こちらは演奏面・・・特にベースやドラムスにロック的なグルーブがあります。「君を許す」はその点おとなしめですよね。左サイドにミックスされているトランペットなどは、いかにも「歌謡曲的」なアレンジになっています(もちろん、それが悪いというわけではありません)。
正直、僕はタイガースがこの曲を演奏しているシーンをイメージすると、CD音源との乖離を生じてしまいます。
「ただよう小舟」でトッポが「どこへゆく~♪」とサビメロを歌う部分のような演奏を妄想しちゃうんですよね~。

しかしながら、「君を許す」という楽曲自体はとても素晴らしい作品です。
確かに「ロック」とは言えないかも知れないけれど

やっと捜した 白い指より
Cm               Fm

その心がほしいのに
Cm                 Fm

愛が欲しいの   に
G7            Bdim   Cm

のキメ部でのジュリーのヴォーカルには、後に完全覚醒する3連符の「ロッカ・バラード」スタイルが見てとれますし、何よりこの曲、タイトルがまずカッコイイじゃないですか。「君を許す」ですよ!

『JULIE』収録全12曲は、安井かずみさん作詞・村井邦彦さん作曲で統一され、ZUZUの詞はジュリーの言うようにすべて「愛」がテーマ(その意味では「誰もとめはしない」1曲だけが異端のように思えますが、タイガース・ヴァージョンとの比較も含め、いずれキチンとその辺りについてお題曲記事の際に語ります)となっています。
ただ、「愛」がテーマと言ってもそれは「愛の素晴らしさ」ばかりではなく、曲によっては「愛の裏切り」について書かれた歌詞のインパクトもまた強く、「君を許す」はその中でも強烈な1編と言えるのではないでしょうか。だからこそZUZUの「君を許す」というタイトルや歌詞アプローチのセンスが光るのです。

村井さんの作曲は、「シングル」を意識してメロディーを練っているように思えます。ただ、ベクトルは「ジュリーのソロ」を向いている感じですけど。
この辺りは、アルバム『JULIE』からシングル・カット曲が無いということ、代わりにタイガース・ナンバーとしてのシングル・リリースに企画がシフトしていった経緯を想像させられますね。

さて、少し前まで僕の手元には、この「君を許す」のスコアとして、長崎の先輩からお借りしている『沢田研二のすべて』収載のの1種しか持っていませんでした。



Forgiveyou1

ハ短調の曲をイ短調に移調しているのは、「やさしく弾ける」というコンセプトでしょう。
このスコア集・・・「君を許す」の採譜については、他の収載曲と比較すると音的に怪しい箇所は少ないとはいえ、これは完全に超・初心者専用。
弾き語って一人悦に入るためには、これを叩き台として自力で細部の和音構成を煮詰めていかなければなりません。そのぶん考察にも時間がかかります。

しかし今夏、Mママ様からお預かりした大量のお宝資料の中から、おそらく雑誌の切り抜きでしょうか・・・「君を許す」の素晴らしいスコアを発掘したのです。


Forgiveyou6

2箇所ほど「Fm」であるべきところがが「Em」と表記されてしまっていますが(添付画像の中にも1箇所あります)、これは採譜ミスではなく、活字誤植。「F」が「E」に化けるパターンの誤植は、この時代のスコアにはとても多いのです。やむを得ないところですね。
何と言っても、当時のスコアとしては珍しく、ディミニッシュ・コードやナインス・コードを丁寧に拾った採譜は大変勉強になりました。
Mママ様、よくぞ保管されていらっしゃいました。まぁ、Mママ様が大切にとっておかれたのはスコアではなく、この切り抜きと裏表になっている、こちらのショットでございましょうが・・・。


Forgiveyou5

ジュリーの天性の「陽」の表情や、はちきれんばかりの躍動感、観る者を引き込む力から考えれば、「君を許す」よりは「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の方がやはり当時はしっくりきますか。その魅力は「イコール・ザ・タイガース」ということでもあったのでしょう。
ただ、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と同時期にジュリーが「ソロなりの」歌い方を模索していたことを踏まえて、新規ファンは「君を許す」という曲の存在意義、個性、輝きを見逃してはいけませんね・・・。

それでは、ダメ押しオマケです!
今回もたくさん貼りますよ~。
ジュリーが現在、『Pray』ツアーで北海道を旅しているのにあやかりまして、お題曲とは時期が異なりますが、前期タイガースが公演遠征で北海道を訪れていた時の、貴重なショットの数々をどうぞ。
(こちらはP様所有のお宝資料となります)

Hokkaido14

Hokkaido13

Hokkaido02

Hokkaido05

Hokkaido06

Hokkaido04

Hokkaido07

Hokkaido11

Hokkaido10


ジュリーとトッポは歌のはなしをしたり
サリーとタローは、ひとつの袋からお菓子を食べたり
ピーは雲とはなしをしたり…
青空の下で、草原の上で、タイガースのメンバーは1週間の北海道の公演旅行を、有意義にすごしました
(原文まま)

とのことで・・・いやぁ、楽しそうですよね~、ザ・タイガースin北海道。

って・・・え?
「ジュリーとトッポは歌のはなしをしたり」・・・ですと?
な、なんでこの二人がペアになってるの?

ということで最後に、僕が初めて見た瞬間に、思わず座っていた椅子からすべり落ちそうになったショットをご紹介して、〆にしたいと思います。
こちら↓

Hokkaido12

なんですか、この・・・


「小学校の同じクラスの男の子と女の子が、いつもケンカばかりしているけど本当はお互い好き合っていて、運動会のフォークダンスでペアを組むことになって、つまんなそうな顔をしているけど心の中ではときめくまくりながら腕を互いの腰に回してぎこちなく歩いてる、の図」

みたいな感じの衝撃のショットは!(全然違)
この構図をリクエストしたスタッフ、カメラマンさんGJ!ですが、2人とも完全に顔がひきつってるなぁ・・・。

ともあれ、このショットから40数年が経ちました。
2人は今度こそ仲良く歌の話をしています・・・よね?


それでは次回更新は・・・すみません、「星1つ」予想のお題が続きます。
「ザ・タイガース、隠れた名曲多過ぎ!」ということで・・・厳密にはセットリスト予想記事とは言い難いですが、また頑張って書きます~。

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