ザ・タイガース 「青い鳥」
from『ヒューマン・ルネッサンス』、1968
1. 光ある世界
2. 生命のカンタータ
3. 730日目の朝
4. 青い鳥
5. 緑の丘
6. リラの祭り
7. 帆のない小舟
8. 朝に別れのほほえみを
9. 忘れかけた子守唄
10. 雨のレクイエム
11. 割れた地球
12. 廃虚の鳩
----------------
(※ このお題曲は2011年にも記事を書いています)
大変、大変長らくのご無沙汰でした。
業績不振が続く勤務先では遂に僕の直部署でも大幅な人員削減リストラがあり、ちょうどピーさんの左門町LIVEが終わった翌日、つまり5月下旬から少人数による新体制に。
以来、怒涛に多忙な日々が続いています。
そしてこの先、今のような状況が「落ち着く」という時はおそらく来ないでしょう。
僕自身は会社には、自分のような者を活躍させて貰えた恩義があると思っていますので、身体が動く限りは全力で恩返しをしてゆくつもりです。
そんなわけで、とにかくブログ更新の時間がありません(と言うかネットを見る余裕がそもそも無い)。
たまに時間はあるのですが、肉体労働の負担が激増したので毎日疲れちゃってるんですよねぇ。
こうしてたまに更新があっても、以前のような長文は書けないと思います。ごめんなさい。
さて、今日この日ばかりは頑張って更新。
12月3日は、あの『ジュリー祭り』参加により僕が本格ジュリー堕ちを果たした記念日で、毎年『ジュリー祭り』セットリストからお題を選んで書くことにしています。
今年はザ・タイガースの「青い鳥」にしました。
『ジュリー祭り』で初体感してから、ザ・タイガース復活までの道程で何度も各地LIVEで聴き、今年のジュリー・さいたまスーパーアリーナ公演でもセットリスト入りした名曲です。
そして実はそのさいたまスーパーアリーナ公演のひと月ほど前、ピーさんの左門町LIVEでも「青い鳥」はセットリスト1曲目に配されていました。
今年は多忙のため左門町LIVEのレポすら書けませんでしたから、この機会に少しその時のことなど併せて少し書いておこうと思います。よろしくお願い申し上げます。
まず、さいたまスーパーアリーナでのタイガースのステージを振り返ってみましょう。
残念ながらトッポさんは不参加でしたが、名だたる著名プレイヤーにも「推し」が多いサリーさんのグルーヴ感溢れるピックベース。七福神(仮)のギタリスト2人にソロを譲ることなく「タイガース・オリジナル」を魅せてくれたタローさんのギター。素晴らしい老虎魂のステージでした。
そんな中もしあの会場に、初めてのタイガース・ステージを観にきてみた、というプレイヤー畑の音楽関係者がいたとして、どのメンバーの演奏に感銘を受けたかと彼等が問われたら、8割は「ドラムス」と答えるでしょうね。
もちろん平石さんの的確なサポートも見逃せませんが、ピーさんの演奏は2011年のいわゆる「老虎ツアー」から2013年の完全再結成時のそれと比べて驚異的に進化しているのですよ(と言うか、齢70代に入ってから音がどんどんデカくなっていくのが実は一番凄いこと)。
稽古量と踏んだ場数は裏切らない、というわけですな。
こと「青い鳥」について言えば、左門町LIVEでピーさんは「ドラム叩き語り」をみっちり稽古し演じた直後です。
さいたまアリーナに向けてのタイガース3人リハで、ジュリー不在の中、ドラムスのみならず「仮ヴォーカル」(バンドのリハでは必要不可欠なことです)までピーさんが買って出た、との話も頷けます。
作曲家としてのタローさんの「青い鳥」のコード進行は、この出世作の時点で既に凄い。
ホ短調のメロディーがサビでロ短調に転調するのですが、スタジオアルディの中村社長に伺ったお話では、当時この進行を「おかしい」と難癖をつけた石頭の批評家がいたそうです。
それまでに無かったパターンを受け入れられない、という時点でその人の音楽的器量は窺い知れますが、まぁ理屈よりもむしろタイガース人気への嫉妬だったのでしょうな。メンバーが作曲なぞ生意気だ、程度のやっかみ&イチャモンでしょう。
タローさんのアイデアで斬新なのは転調繋ぎ目のコード使いです。
小 さな幸福を 僕の手にのせたのに ♪
D7 G C B7 D7 G C F#7
の「F#7」と
青 い鳥 青 い鳥 行かないで ♪
Bm A F#7 Bm A F#7 G A B
の「B」。
いずれも、直後の転調先のドミナントとして配していて、調号はこの時点で変わるのです。
一方、タローさんの詞まで含んだ楽曲としての「青い鳥」についての僕の印象は、後追いのファンにありがちなように『ジュリー祭り』から十数年の間にずいぶん変わってきました。
「ほのぼのとした朴訥な良い曲」→「後期タイガースへのバンド志向を象徴するような野心作」と来て、今では、コンセプト・アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』の看板曲というイメージです。
瑞々しい詞曲に、タローさん本人が作曲時点では意識しなかったかもしれないメッセージ性を感じます。
ごく当たり前の小さな幸せを、抗い難い理不尽により失ってしまった人々の哀しみ・・・コロナ禍ひいては現在の世界情勢がそう思わせるのかもしれませんが、それもまたタイガース・マジックでしょうし、こうして色々な解釈ができるのは、やはり名曲!の証です。
ということで、駆け足の更新ですみませんでした。
本当にあっという間に師走がやって来ました。
年内ですが、毎年恒例の「自分で自分の誕生日を祝う」12月20日の更新は今年は無理そうです。
ただ、どうしても今年中に書いておかねばならないお題曲が1曲ありますので、年末ギリギリにはなりますが、冬休みに入ったら書く予定です。今度はザ・タイガースではない方のタイガースのお話をね。
多忙のため、先の東京国際フォーラム公演参加も断念・・・今僕の精神的支えとなっているのは、お正月LIVE『甲辰 静かなる岩』渋谷公演になんとか参加できそうだということ。
年末に書くお題は、そのセットリスト予想の1曲、とも言えましょうか。
それでは年の瀬にまた。
最近のコメント