タイガース復活祈願草の根伝授!

2015年5月27日 (水)

ザ・タイガース 「あなたの世界」

from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ビートルズ・メドレー(ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

----------------------

久々にザ・タイガースのお題にて更新ですよ!
先日、いつもお世話になっているピーファンの先輩が一週間ほど入院されることになってしまって(大事には至らず、ということでホッとしました)、病室で過ごされる回復のお時間のささやかなお供になれば・・・と、昨日から集中して考察に取り組みました。
以前から、「近いうちに書こう」と準備していたタイガースの曲があったのです。

そしてこれがまた、加瀬さんの作曲作品です。
加瀬さん作曲のタイガーズ・ナンバーと言えば、当時未発表のテイクながら後にファンも音源を聴けるようになった「愛するアニタ」のタイガース・ヴァージョンまで含めると、3曲ありますね。
残る2曲は、まずシングルA面として超有名曲で、ジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアー・セットリストではオープニングを飾った「シー・シー・シー」。
もう1曲は、一般公募選出の作詞作品5篇に名うての作曲家5人がそれぞれ曲をつける、という『明治チョコレート』とのコラボレーション企画としてリリースされた5曲のうちのひとつ、「あなたの世界」。
今日のお題は、この「あなたの世界」です。本当に加瀬さんらしい曲なんですよね。

とあるきっかけで、「近々の執筆」に大いに意欲を持っていた曲・・・そんな折に加瀬さんの突然の旅立ちがあり、今回悲しいタイミングで採り上げることになってしまいましたが、詞曲とも爽やか、涼やかで邪気が無く、タイガースにピッタリのポップスであると同時に、「愛する人の平穏を願う=世界平和」という当時のフラワー・ムーヴメントを反映するかのようなメッセージをも思わせるような・・・。「さりげなさ」と「普遍さ」を併せ持つ素晴らしいナンバーです。
僭越ながら、伝授!

「タイガースの曲の作詞者について僕らが何も知らないのはおかしい」というピー先生の探究心により、一般公募作詞作品である「花の首飾り」の菅原房子さん、「白夜の騎士」の有川正子さんについては、長年のタイガースファンですら「初めて知る」事実を、僕らは今ピー先生の著書などで学ぶことができています。
加えて、明治製菓とのコラボレーションによる5曲。計7曲が「ザ・タイガースの一般公募作詞作品」ということで間違いないのかな?

僕は明治製菓とのコラボ5曲を冒頭にジャケット写真を添付したCD『LEGEND OF THE TIGERS』で音源所有しています。歌詞カードもあります。
最近は、「作詞採用された5人の方々はその後どのような人生を歩まれたのだろうか、2013年のあの奇跡のステージをご覧になられのだろうか」と、そんなことを考えながらこの5曲を聴いていたものでした。

そんな中、「あなたの世界」の記事を書きたい、と考えたのは今年の3月のことです。
3月15日・・・ずっと以前に執筆を終えていた「シー・シー・シー」の
記事(2010年のジュリーwithザ・ワイルドワンズのツアー・セットリスト予想シリーズ、大トリとしての更新でした)に、思いもかけず頂いたコメント。投稿してくださったのは、「あなたの世界」の一般公募作詞者である伊藤栄知子さんをよくご存知の方でした。
「シー・シー・シー」が加瀬さんの作曲作品ということで、僕は記事中に伊藤さん作詞・加瀬さん作曲の「あなたの世界」に少しだけ触れていて、その記述についてのコメントだったのですが・・・コメントをくださった方のお話では、投稿日の3月15日は、47才の若さで亡くなられた伊藤さんの17年目の命日だった、とのこと・・・。
伊藤さんの命日に、故人を偲ばれながらネット検索され、たまたま僕の記事を見つけてくださったのでしょうか。亡くなられた伊藤さんは、「最期の時まで詩人だった」そうです。
ショックでした。47才での旅立ちは、あまりに早過ぎます。今の僕よりもお若い・・・。

伊藤さんが歩まれた「人生」がまざまざと見えてくるようなコメントに、胸が熱くなりました。
「よし、近いうちにこの曲を記事に書くぞ」と思った矢先、今度は作曲者である加瀬さんの悲報が・・・。
なんと皮肉な巡り合わせでしょう。この「純粋」と言うにはあまりにも邪気の無い爽やかな名曲が、いざ記事に書こうとする段になって、二重の悲しみに包まれてしまったように僕には感じられました。


でも。
こんな素敵な詞を書く人、こんな素敵な曲を書く人の魂が今、安らかでないはずはありません。
僕はとにかく、「あなたの世界」という名曲を自分なりに紐解き、読んでくださるみなさまに改めてこの曲を聴いて頂き様々な教えを乞う・・・そのために頑張るのみ。
ここで書くのは僕の個人的な楽曲解釈によるもので、それがどの程度まで合っているのか分かりませんが、素直な気持ちのままにベストを尽くします。
早速、考察に入りましょう!

Anatanosekai


SNSでこの曲の話題になった時、先述したピーファンの先輩がお手持ちのものを写メして添付してくださった画像です。
僕は「夢のファンタジア」と「タイガースの子守唄」の2枚についてはJ先輩からお借りしている実物が手元にあるんですけど、「あなたの世界」は持っていません。ですので、レコードについている貴重なスコアも目にしたことがなく、今回のお題曲は自力での採譜作業となっております。


「あなたの世界」の魅力は、まず伊藤さんの詞です。
なかにし礼さんの補作詞も含めて、幾多のタイガース・ナンバーの中で圧倒的に「ピュア」だと感じます。

明治チョコレートとのコラボレーションによって生まれた一般公募作詞による5曲はどれも名曲で、それぞれの詞が信じられないほど素晴らしい作品ばかり。その中にあって、「無垢」の魅力を感じるのが「タイガースの子守唄」、そして「あなたの世界」の2篇です。
ただこの2曲は「ピュアな少女の感性」という共通点を持ちながら、作者のスタンスは大きく違っているのかもしれません。その点で僕が常々考えるのは
「タイガースの子守唄」には
ザ・タイガースにこんなふうに語りかけられたいな
「あなたの世界」には
いつまでもそのままのザ・タイガースでいてね
・・・というそれぞれ異なった作詞の出発点(=動機)があるのでは、ということです。

「あなたの世界」には、タイガースのメンバーとファンである自分とは暮らす「世界」が違う、と踏まえた上での無償の愛情を感じます。ひたすらに彼等の平穏、無事、友情、成功を祈る、今の魅力的な彼等の永遠を願う、というテーマがまずあると思うのです。
伊藤さんのこの詞は、安井かずみさんのような「女性である自分の思いをそのまま書いて、そこから一人称の性別を入れ替えて全体を纏めてゆく」手法で書かれたのではないでしょうか。

伊藤さんがタイガースのメンバーの中で特に思いを向けたのは、やはりジュリーかなぁと僕は想像します。

あなたは虹より美しい
C          Em    F     C

光を集めて 歌う 愛の  プリズム ♪
F    C     Am    Dm   B♭ G7      C

後追いファンの僕ですら、この歌詞部にはジュリーを重ねずにはいられません。当時のジュリーは本当に「光を集めて歌っている」ように見えたのでしょうから。
・・・と言うと先輩方に「いやいや、ザ・タイガースというバンドそのものが、光を集めて歌っているように見えていたんですよ」とご指摘を受けそうですね。

歌詞中で僕が最も惹かれるのは、サビ部に「平和」というフレーズが登場することです。
当時の洋楽ロック界は、フラワー・ムーヴメント全盛期。当然、邦楽にもその影響は大ですが、「ラヴ&ピース」のコンセプトを堂々と発信し、なおかつセールスにも反映させることのできる日本のバンドはやはりザ・タイガースを置いて他に無かったと想像します。
頭の固い識者(?)達から「不良」のレッテルを貼られていた彼等が、正攻法で以ってそれを為し得たのですから、歴史は「ラヴ・ラヴ・ラヴ」を支持したタイガース・ファンの目利きを証明しています。識者や学校の先生方、形無しですね。

ただ、「あなたの世界」には「ラヴ&ピース」以前にまず「ザ・タイガースへの親身の愛」があり、時代に厳しく当たられたこともあった彼等の心の平穏、変わらぬ活動継続を願った強い思いが感じられます。
その視点が、実際にタイガースがこの詞を歌うことによって普遍的なラヴ・ソング、メッセージ・ソングへと昇華した・・・職業作詞家であればそこまで狙って詞を書くものかもしれませんが、「あなたの世界」ではタイガース・ファンの少女の無垢な思いがはからずも彼等に「ラヴ&ピース」曲のコンセプトを与えた、という流れがあり、そこに一般公募作詞作品ならではの魔法を見る思いがします。

この歌詞が素晴らしいのは、そんな純粋な「タイガース愛」が何のてらいもなく言葉に託されているからです。

やさしい微笑み そのままに
C         Em        F           C

悲しい恋 の涙 知らずにいてね ♪
F       C  Am B♭       G7      C

少女が憧れのタイガースに、「辛い恋を知らずにいて」「誰のものにもならないで」と願う純粋さ。
特に、伊藤さんのこの詞と同じ思いを持ってジュリーを見つめていた少女達が世に数えきれないほどいらしたことは、僕がこの数年ジュリーファンとして学んできたことでもあります。もちろん、他のメンバーに対して同じ思いを持っていたかたもたくさんいらしたはず。

「あなたの世界」に僕は、そんな当時のザ・タイガースと彼等を愛する少女達の純情、双方の美しいバランスを見る思いがし、感動させられます。
そして、少女がタイガースに語りかけたこの歌詞部は、彼等が歌うことによって「タイガースからファンへのラヴ・ソング」としても逆に成立しているのですね。

このように、「あなたの世界」は伊藤さんの詞によって「ザ・タイガースによるザ・タイガースらしい名曲」となっていると思うのですが、加瀬さんの楽曲構成に耳を向けると、そこにワイルドワンズっぽさ・・・つまり「加瀬さんらしさ」も見えてくるような気がします。
「無垢」「純情」ということなら、加瀬さんも相当です!
イントロのギター・ソロなんて、聴いていて頭に浮かんでくるのはジュリワン・ツアーでの加瀬さんの、12弦ギターをピッ、ピッとはじくようなピッキングで弾いている姿・・・CDで鳴っているのは加瀬さんの音ではないはずなのに、ギターが奏でるメロディーはどうしようもなく加瀬さんを思わせるのです。

曲想に逆らわない素直なフレーズは、加瀬さんのギター最大の個性。それが「あなたの世界」イントロのギターのメロディーに踏襲されているように思います。
しかも歌メロは明快なハ長調のポップス。この詞にしてこの曲、これぞ加瀬さんですよね。

邪気の無い作詞と、邪気の無い作曲。
この世にただ1曲、伊藤さんと加瀬さんの奇跡的な組み合わせがタイガースの曲で起こったこと、それを今僕らがCDで聴けていること・・・素晴らしいことです。

最後に。
明治チョコレートとのコラボ企画による5曲は、一般公募の作詞、名だたる作曲家によるメロディー、アレンジとも素晴らしい作品ばかりですが、おそらく相当限られたタイトなスケジュールでリリ ースされていたのでしょう・・・楽曲的な「プロデュース」に費やす時間があまりなく、完成度として惜しい部分が5曲いずれもも残されている、と個人的には考えるところがあります。

以前「タイガースの子守唄」の記事では、メロディーがジュリーのキーとしては低い設定で、細部を詰める時間があれば移調して再度演奏してのレコーディングになったのではないか、と(今なら既存の音源の移調はひと手間でできることなのですが、当時はテンポの上げ下げくらいしか方法がありませんでした)書きました。
その点、「あなたの世界」ではどんなことが考えられるかというと・・・。
この曲、全編タイガース・メンバーの重唱になっているじゃないですか。それ自体はとても良いと思うんですけど、1番、2番それぞれのサビの箇所

いつでも僕は祈っている

Am       G7    F          G7

あなたの世界が平和である   ように ♪
Am        G7         C    Bm7-5   E7  G7

この「いつでも僕は♪」から「あなたの世界が♪」までをジュリーのソロにした方が(「平和であるように♪」から再び重唱となる)、歌詞もメロディーも説得力を増していたんじゃないかなぁ、と思うのです。

また、1’26”直後にAメロのヴァースでミドル・エイトの間奏(ギターソロ)を挿し込んでも良かったのではないでしょうか。一気に突っ走る構成も魅力的ですが、この曲ではイントロとエンディングのコーラスに歌メロには登場しない進行が配されて形よく纏まっているので、間奏があるとさらに引き締まったのでは・・・?
まぁ、所詮それは僕のアレンジの好みの問題。詞曲の純粋さを生かすには間奏無し一気の演奏の方が良い、とする制作側の狙いがあったのかもしれません。
加えて、完成音源ではなんと言ってもストリングスが効いていて、詞曲の「爽やかさ」を演出しています。
僕があれこれ考えるのはリリースから40年以上経っての「後づけ」に過ぎず、やはり当時仕上げられたこのアレンジが「ベスト」ということなのでしょう。

ちなみに、この明治チョコレート企画の5曲って、演奏はタイガースなのでしょうか。
僕の耳ではどうにも判断がつかないのです。
「あなたの世界」では、1’43”あたりで炸裂しているイイ感じで突っ込むドラムスのフィルを聴くと、「ピー先生かな?」とも思うのですが・・・。


それでは、オマケです!
今日は、Mママ様所有のお宝切り抜き資料から、タイガース関連のものをお届けいたします。


Img403

Img404

Img405

Img406

Img201

Img742_2


余談ながら、今日の記事も含め拙ブログでのタイガース・ナンバーの記事は『タイガース復活祈願草の根伝授!』というカテゴリーになっています。
これは、2009年に初めてタイガースの曲を採り上げた際(「淋しい雨」)につけたもので、その後あれよあれよという間にザ・タイガース完全復活の奇跡は現実となり・・・本来ならそろそろカテゴリー・タイトルを変えるべきなのでしょうが、複数記事のカテゴリーを一気に変更する方法が分からないんですよ・・・(涙)。
仕方ないので、このまま行かせてくださいね。

それにしても、タイガースが本当に再結成して、メンバーだけの演奏で武道館のみならず東西二大ドーム公演を大成功させるとは・・・ブログでこのカテゴリーを始めた頃には、想像もできないことでした。
伊藤さんもきっと、天国の特等席からあの奇跡のステージをご覧になっていたのではないでしょうか。

「愛する人の心(=世界)の平穏を願う」・・・何十年の時が経とうと、それは人として最も大切な気持ちです。今回、タイガースの名曲「あなたの世界」から改めてその大切さを噛みしめることができました。
伊藤さん、加瀬さん、ありがとうございます。

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2013年12月29日 (日)

ザ・タイガース 「花の首飾り」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

--------------------

『THE TIGERS 2013』は、ファイナル・東京ドームの素晴らしいステージを以て無事終了いたしました。
いや、本当に素晴らしかった。何よりステージの空気が良かった・・・激しい曲でも、何か暖かい空気感がありました。
僕が選ぶMVPは、やっぱりジュリーかな。演奏陣だと間違いなくピー先生でしょう。

この先ザ・タイガースが全員揃って何らかの音楽活動をする機会があるのかどうか・・・それは分かりませんが、今回の2013年のツアー大成功を経て、やっぱりこれまで以上のメンバー同士の人間関係が互いに築かれたのではないでしょうか。音楽的にも、プライヴェートにおいても。
還暦をとうに超えて、昔の仲間誰ひとり欠けることなくそれができる、というのは本当に奇跡です。シロー登場直前、東京ドームでのタローの感極まりながらも爽やかなMCには、そんな気持ちが込められていたんじゃないかなぁ・・・。

さて、そんな東京ドーム公演の詳しい様子については、年明けに執筆を開始するLIVEレポートをお待ち頂くとしまして・・・今日はひと足先に”『THE TIGERS 2013』セットリストを振り返る”シリーズにて楽曲考察記事を書きます。これが拙ブログ2013年最後の更新です。

今回の”振り返る”シリーズは、ずっと以前から「この1曲!」と決めていました。
はからずも、拙ブログ2013年最後の更新にこのお題。ザ・タイガース復活のメモリアル・イヤーの締めくくりとしてふさわしい曲かと思います。
「花の首飾り」、僭越ながら伝授!

ザ・タイガース最大のヒット曲であり有名曲。
「ファンが選ぶザ・タイガースこの1曲」という観点ならば、おそらく「君だけに愛を」にその座を譲るでしょうが、世間一般の認知度、或いはタイガースの音楽性を浸透させた貢献度、そして何より素晴らしい詞曲の良い意味での大衆性において「花の首飾り」は群を抜いています。
例えば、『懐かしの歌謡○○』とか『R45指定の○○』といった感じのオムニバスの楽譜なんかには、ザ・タイガースから必ずこの「花の首飾り」がセレクトされるわけです。どんな楽器を嗜む人にも、敷居高くなく受け入れられるというのは「花の首飾り」の持つ、他のタイガース・ナンバーには無い傑出した魅力なのですね。
過去・現在・未来・・・世のヒット曲の流行り廃りに左右されないタイプの名曲と言えます。

Hananokubikazari03

さて、この曲についてはピー先生の新著『花の首飾り物語』で、これまでファンが正確な情報を持ち得なかったレコーディング当時の状況や、すぎやま先生の作曲秘話、そして原作詞者である菅原房子さんについてなど、様々なことが分かってきました。
特に「タイガース屈指の大ヒット曲であり、これだけ多くのカバー・ヴァージョンを生んでいる有名な曲なのに、誰も原作詞者の菅原さんについて知らないのはおかしい」という当然の疑念が、ピー先生の探究心と努力、自身の足を使っての取材で紐解かれた意義は、とてつもなく大きいと思います。僕はこうしたいかにも先生らしい研究意欲を持つピーの姿勢、キャラクターはとても好きです。
(また、ピーはその後「白夜の騎士」原作詞者である有川正子さんとも遂に対面を果たしたようで、12月24日付の『北海道新聞』記事がピーのオフィシャル・サイトにて紹介されています。有川さんは、タイガースのメンバーよりお姉さんでした。「白夜の騎士」の詞を思うとそれも、なるほどお姉さん視点の詞なのかなぁという感じがします。ともあれ、ピーの探究心と行動力がザ・タイガースの歴史を次々と検証し光を当てていきます。素晴らしい・・・さすがは先生です!)

詳しいことは、みなさまにも是非『花の首飾り物語』を購入して実際に読んで頂きたいので、ここでは簡単な引用に止めつつ、僕なりの楽曲考察に取り組んでいきたいと思います。

新著にてまずピーは、残念ながら2011~12年のツアーには不参加となってしまったトッポのライヴハウス演奏を訪ねるところからプロローグ導入し(この冒頭のシーンはとても良いです。ステージでは無心に暴れ回りハジけまくるピーですが、物書きとしては「熱いハートをクールに俯瞰する」素晴らしい一面を魅せてくれます。これは先の日記形式で書かれた『老虎再来』では後追いファンには感じるまでに至らなかったピー先生の新たな魅力で、その点も『花の首飾り物語』を僕がみなさまに強く一読をお勧めする理由のひとつです)、そこから「当時の回想」という形で本篇が始まります。


ピーはレコーディング当時を振り返るにあたり、雑誌『明星』の記事を引用してくれているのですが、これが偶然、今回のツアーが始まる直前に、僕がいつもお世話になっているJ先輩のP様からお借りした貴重な切り抜き資料集にあったもので、「あっ、これはついこの間読んだ資料だ!」と興奮したものでした。
スキャンさせて頂いたものをご紹介しましょう。

Hananokubikazari01

Hananokubikazari02

ピー先生によりますと、メンバーの会話などの記述については正確さを欠く(まぁそうでしょうね笑)・・・のだそうですが、これは初めてリード・ヴォーカルの重責を担うトッポが何度もテイクを重ね、ジュリー達が時にアドバイスしながら盛り立てた、という様子が伝わる貴重な資料なのですね。
ピーはレコーディングの場所や環境まで自分の足で現地に赴くなどして『花の首飾り物語』にて検証してくれています。

こうしてレコーディングされた「花の首飾り」は、当初はシングル『銀河のロマンス』のB面曲に過ぎなかったものが、あれよあれよという間に好評を博し、タイガース最大のヒット曲となってしまったのです。すぎやま先生達制作スタッフや、ヴォーカルのトッポはじめタイガースのメンバーに手応えはあったにせよ、これはリリース時の制作サイドの予測を遥かに超えるセールス実績となったのではないでしょうか。

では何故、「花の首飾り」というナンバーがそこまで世間の支持を得たのでしょう?

それは、すぎやま先生の作曲が素晴らしかったことは当然としても、やはり「一般公募」の期待想定を大きく凌ぐ菅原さんの原作詞にある物語世界と、耳新しい個性的なトッポのリード・ヴォーカルをフィーチャーしたことが、いわゆる「それまでのザ・タイガース」とは異なる新たなイメージを鮮烈に生み出したからでしょうね・・・。

ここで、僕が先程使った「それまでのザ・タイガース」という言葉について語らねばなりません。これはまったく後追いファンの想像に過ぎないにせよ、いつもお世話になっている先輩も同じ思いをお持ちのようですから、安心して書かせて頂くのですが・・・。

「花の首飾り」以前・・・ザ・タイガースは圧倒的な人気を誇りながらも、一方では「やっかみ」的に彼等の成功に疑念を持つ大人達、一部の教育者、知識人という「敵」も大きな存在としてあったと思われます。
まったく的外れな評価・・・「騒音」「なんの深みも無い」「あんなのは音楽ではない」などといった、「未知の脅威」に怯えるに等しい不当な言葉の数々。そのターゲットとなっていたのが、あの5人がロック・ナンバー演奏時に醸し出していた途方もないエネルギーであり、動きであり、「花の首飾り」リリース直前で言えばそれはジュリーの「君だけに愛を」における「指差し」アクションに集約されていたかもしれない・・・世の中の少女達を惑わす、たぶらかす「不良の振る舞い」という強引な理屈だったのでしょう。

ところが、「花の首飾り」には、そうした大人達のあらさがしのような攻撃を受ける要素が無かったわけです。
クラシカルなアレンジ、切ないメロディー、幻想的な歌詞。
これは、なかなかビートルズを正当に評価しようとしなかった有識者(?)達が、「イエスタデイ」を聴いて掌を返した状況とよく似ています。

「あぁ、今度のタイガースの曲はマトモな音楽じゃないか」と・・・その程度の認識ではあったにせよ、また一部に根強い社会の反発を残していたにせよ(レコード大賞とか紅白とかね)、「君だけに愛を」では到底納得しなかった頭の固い連中をして、おおむねザ・タイガースが「音楽」として普通に語られ始めた・・・そんな状況の第一歩が「花の首飾り」によって踏み出されたと言えるのではないでしょうか。

つまり、本来正当な評価であったはずの「君だけに愛を」までのザ・タイガースへの少女達の熱狂が、「花の首飾り」でようやく一般的市民権を得た・・・と、言い方は微妙かもしれませんが、そんな感じのことが起こったんじゃないかなぁ。
・・・いや、そこまでは行ってないのか。学校の先生あたりが「タイガースは認めん。でも花の首飾りは良い曲だ」くらいの反応に留まっていたのかも・・・後追いの勝手な憶測で、タイムリーなタイガース・ファンのみなさまに、かえって辛い思い出を呼び起こさせてしまったのであれば申し訳ありません・・・。

しかしそんなふうに考えていくと、世間のジェラシーを一身に浴びていたジュリーが「花の首飾り」を歌っていたら、この曲は「シングルB面の隠れた名曲」というファンの間だけの評価に留まっていたかもしれません。それまではあまり社会の不当な攻撃に晒されにくいスタンスにあった、芸術思考の強いトッポが一躍「主を張る」ことで、頑なだった受け入れる側のスイッチが切り替えやすかったことも、「花の首飾り」の大ヒットに繋がったのではないかと思います。

ある程度は「いける!」と踏んでいた制作側にとっても、ここまでの大ヒットは考えていなかったでしょうね。もしかすると、「花の首飾り」の驚異的なセールスに一番ビックリしていたのは、原作詞者の菅原さんだったかもしれません。

それではここで、「花の首飾り」で菅原さんが描いている情景について、トッポのヴォーカルと合わせて考えてみましょう。

後追いファンの僕もようやく生で聴くことのできた、トッポの「花の首飾り」。やっぱり唯一無二なんですよ。この曲はもう、トッポそのもの。
トッポ自身はクールに「一度歌になってしまえば、歌は聴き手のものだから」と語っていますが、この曲をトッポの歌と切り離して考えることはできないですね。

もちろん、2011~12年のツアーでのジュリーのヴォーカルにも、違った素晴らしさがありました。ジュリーがこの曲を歌うのを何度も生で聴き、DVDにも残されたこと・・・ファンとしてはとても嬉しいことでした。
でも


やっぱりいい歌だよね。
切ないよね。好きだとか、愛しているということは言わなくても、気持ちはよくわかるよね。歌い方も、かつみもそうだろうけど、感情をそんなに乗せなくても、感情が伝わる歌だよね。

ジュリーがピーの取材に対しこう語ったのは、正にそのツアー、トッポの代理で「花の首飾り」を歌っていた時期だそうですが・・・ジュリーはまた

ずっとかつみを意識しながら歌ってる。かつみほどじゃないな、と思いながら。

とも語っているように、「トッポが僕らをバックにして歌うのが一番いい」という考えはそのまま、ジュリーが「感情をのせなくても感情が伝わる」という、リリース当時のトッポの歌い方をリスペクトし、「自分もそう歌わなきゃ」と心を砕いていたことの表れだと思います。

トッポもジュリーも、余分な感情は載せずに、「花の首飾り」という素晴らしい歌をそのまま「歌」として歌っています。だからこそ、世の幾多のカヴァー・ヴァージョンと違い「ザ・タイガース」の「花の首飾り」になります。
ただ、そうした素直でてらいの無い歌い方は、極端なまでに違う2人の個性をキラキラと映し出します。
僕が感じるのは、端的に言うなら”ジュリーの「陽」とトッポの「暗」”。いずれも魅力的ですが、原作詞者の菅原さんが描いた本来の情景を表現しているな、と思うのはトッポの方です。これはピーの『花の首飾り物語』を読んで、なおさらそう思いました。

もともとこの曲は短調のバラードなのですから、曲想自体が切ないわけで、それをトッポが歌うと「白鳥(しらとり)の嘆き」が強調されます。これはトッポのキャラクターもあるけれど、まずは「声」でしょうね。
この要素はジュリーをしても持ち得ないもの。トッポのあの声で「素晴らしい歌をそのままの歌として歌った」時に醸し出される切なさ。ジュリーの語った「切ないよね。好ききだとか、愛しているということは言わなくても、気持ちはよくわかるよね」という「花の首飾り」の本質が最も発揮される・・・「かつみの花の首飾りが一番」とのジュリーの評価は、正にこのトッポの声が持つ天性の「切なさ」を指してのことではないでしょうか。

菅原さんは一般公募の際、ジュリーをイメージしてこの原詞を書いたそうです。それは何よりも「凛とした美しさ」であったでしょう。2011~12年のジュリーの「花の首飾り」のヴォーカルには、確かにそれがありました。
ただ、原詞の魅力としてあった「切なさ」・・・それは北の大地の「冷たさ」や「寒さ」の情景でもあり、すぎやま先生の短調のメロディーも相俟って曲の核となりました。
その冷たい湖の情景、白鳥に姿を変えた娘の切なさに、すぎやま先生はじめ制作スタッフは、トッポの声を求めたのですね。

さぁ、そんな菅原さんの素晴らしい着想を得てなかにし礼さんが本格的に歌詞の形を整えた「花の首飾り」。歌詞もさることながら・・・やはり僕のようなブログでは、すぎやま先生の作曲について及ばずながらも紐解く努力をしてみるべきでしょう。
『花の首飾り物語』、そして先に発売された『ロックジェットVol.54』でのトッポのインタビューによれば、最初のひらめきから非常な短時間ですぎやま先生は曲を完成させた、とのこと。
そしてどうやら、トッポがLIVEでビージーズの「ホリデイ」を歌っているのを観たすぎやま先生がメロディーのインスピレーションを得たことが、「花の首飾り」の作曲と密接に関係しているらしいのです。

そこで僕は「花の首飾り」の考察にあたり「ホリデイ」の伴奏和音を習得すべく、ビージーズのベスト版コード・ブックを購入。

Kubikazari02

僕はこういう時、安価で求めやすい洋書をネットで買うんですけど、届いた商品を見てビックリ。「ホリデイ」も「ジョーク」も載ってなかった!
僕、この2曲はビージーズの「外せない」有名曲なんだと考えていたんですが、どうもそこまでではないようですね。有名シングルなんだけど、20曲のセレクトには入らない、みたいな位置づけのようです。

まぁ載ってないモノは仕方ない。スコアは他の名曲の勉強に役立てることにして、「ホリデイ」は自力でコード起こしをしよう・・・。幸い、そんなに難易度は高くないし、東京ドームでこの曲を弾き語るトッポのフォーム移動が割と頻繁にスクリーンに映っていましたから、だいたいの進行はもう把握できています。

Oh you're a holiday、  such a holiday
Am                       G   F             Am

イントロ2小節では、ニ長調(!)へミスリードするコード進行の仕掛けがあったりしますが、歌が始まってしまえばこの曲は明快なイ短調。
スクリーンでアップになったこの部分のトッポの左手・・・気がついたのは経過音として登場する「G」のコード・フォームが、鉄人バンドの下山さんと同じ(ちなみに僕とも同じ)ということで、薬指が1弦に配されるスタイルでした。

一方「花の首飾り」の出だしは


Kubikazari03

『グループ・サウンズ・コレクション』より

花咲く 娘たちは 花咲く野辺 で
      Am Em    Am             Em Am

こちらも明快なイ短調。
「ホリデイ」(原曲)がオルガンの和音伴奏がメインであるのに対し、「花の首飾り」は単音アルペジオのギターが伴奏のメイン。ただし、両者ともストリングスがヴォーカルの裏メロとして噛んでくるという、聴き手の印象面としては大きな共通点があります。
すぎやま先生は『花の首飾り物語』でのピーとのインタビュー対談で洋楽ロック、ポップスの対位法について言及されていて、この「花の首飾り」のストリングスによる裏メロアレンジは、すぎやま先生のポップス解釈が表れた例だと考えられます。
ちなみにこの裏メロは2013年、タロー渾身のリード・ギターで演奏されることにより新たな「花の首飾り」の魅力として、進化を遂げることになります。

展開部にも共通点があって、かなりハッキリとしたニュアンスでハ長調への移調が登場します。
「ホリデイ」は

It's something I think so worthwhile
     C                                  G

If the puppet makes you smile
        Am                     Em

If not then you're throwing stones
   F                                C

throwing stones, throwing stones
            G7                    C

と、最後は主張強くハ長調に着地。
一方「花の首飾り」は

私の首に かけておくれよ
G7   C      E7         Am

あなたの腕が
   F         Fm

からみ    つ くように
      Csus4  C   E7    Am

ハ長調への並行移調を提示しつつも、着地はAmのイ短調。この曲でまず「悲しみ」「切なさ」が強調され、トッポの声にマッチするのはそのためです。
「Csus4→C→E7」の部分は、ギター・コードを弾いた時「ファ→ミ→レ♪」という下降の音階が目立つよう配慮された進行と考えられます。

あと、この曲の演奏についてですが・・・今はやはりCDの楽器パートについて書くより、ザ・タイガースの生演奏を語りまくりたいところですよね。このタイミングでは、どうしてもそちらに気持ちが行ってしまいます。
でもそれは、年明けの東京ドーム・レポートで語る方がふさわしいと思いますから、もうしばらくお待ち頂きましょう。東京ドームはとにかく、「君だけに愛を」「モナリザの微笑」「青い鳥」「廃虚の鳩」「ラヴ・ラヴ・ラヴ」、そして「花の首飾り」といった、「誰もが知る名曲」の演奏がとても良かったのですよ。
先述したように「花の首飾り」では、トッポのヴォーカルを追いかけるタローのリード・ギターが素晴らしかったなぁ・・・。

ともあれ、2012年1月24日の日本武道館公演の時点では、ジュリーが「近い将来」を約束してくれただけでまだ何も具体的なことは見えていなかった、「実際にトッポの”宇宙一”のヴォーカルを聴いてからこの曲の記事を書く」という拙ブログのひとつの目標は、2013年末に無事達せられました。
これで何と、『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』という、僕がザ・タイガースの勉強に際し最初に聴き込んだ、基本中の基本とも言えるCD収録の全30曲をお題に採り上げ、楽曲考察記事として完全網羅することとなりました。
2009年に執筆した「淋しい雨」からおよそ4年半ですか・・・まったく予想外のスピード達成でしたが、これはその間ザ・タイガースに2度の大きな節目が訪れ、遅れてきたファンである僕が何とかそこに立ち合えたことの証しでもあります。
本当にありがたいことです。

そうそう、先輩に指摘されて気がついたんですけど、ありがたいことに拙ブログは間もなく閲覧200万ヒットの大台を迎えます(たぶん明日到達)。
実は100万ヒットが2011年、老虎ツアーの年で僕がタイガース・モードの只中・・・そんな状況下での到達でした。どうも拙ブログの大台キリ番は、ザ・タイガースの動きと縁があるようですね。
うっかりキリ番踏んじゃった方、よろしければキリ番ヒット記念の楽曲お題リクエストをお待ちしていますよ~。

それではみなさま。
今年もこんな所に遊びにきてくださりありがとうございました。大変大変お世話になりました。来年もどうそよろしくお願い申し上げます。
よいお年をお迎えくださいませ!

| | コメント (12) | トラックバック (0)

2013年11月 8日 (金)

ザ・タイガース 「タイガースのテーマ」

from『THE TIGERS ON STAGE』、1967
original released by THE MONKEES
セットリスト的中自信度 ★★★★★


Onstage

1. ダンス天国
2. タイガースのテーマ
3. ルビー・チューズディ
4. レディー・ジェーン
5. タイム・イズ・オン・マイ・サイド
6. アズ・ティアーズ・ゴー・バイ
7. スキニー・ミニー
8. 僕のマリー
9. シーサイド・バウンド
10. モナリザの微笑
11. ローリング・ストーンズ・メドレー
12. アイ・アンダスタンド

from『THE TIGERS CD-BOX』
disc-5『LEGEND OF THE TIGERS』


Tigersbox

1. タイガースのテーマ
2. スキニー・ミニー
3. 白いブーツの女の子
4. 愛するアニタ
5. 南の国のカーニバル
6. 涙のシャポー
7. 涙のシャポー(別テイク)
8. 傷だらけの心
9. 730日目の朝
10. 坊や祈っておくれ
11. Lovin' Life
12. 誰もとめはしない
13. 夢のファンタジア
14. ハーフ&ハーフ
15. 遠い旅人
16. タイガースの子守唄
17. あなたの世界
18. ビートルズ・メドレー(ヘイ・ジュード~レット・イット・ビー
19. 明治チョコレートのテーマ
20. あわて者のサンタ
21. 聖夜
22. デイ・トリッパー
23. アイム・ダウン
24. 雨のレクイエム
25. ギミー・シェルター

--------------------

(お願い)
パンフレットを手にし、既にセットリストを把握されている方々も多いかと思いますが、拙ブログでは東京ドーム公演のレポート執筆まで完全ネタバレ禁止体制とさせて頂きます(当初、東京ドームレポートまでネタバレ禁止を引っ張るつもりでしたが、多くの先輩ブロガーの方々に倣い、初日武道館終了までとさせて頂きます)。僕自身もパンフレット購入の申し込みをしていますが、武道館参加を終えるまでは開封しないつもりです。大変恐縮ながら、コメントなどでセットリストに触れないよう、よろしくお願い申し上げます。

☆    ☆    ☆

11月に入り、バタバタの日々になってしまいました。当分この状況は続きそう・・・。
なかなかブログ執筆の時間がとれませんが、今日はいよいよ”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズの大トリです。

まず、みなさまにお詫び・・・と言いますか、自分としてもかなりショックな出来事のご報告をしなければなりません。
丁寧に読んでくださっているかたの中には「あれ~、おっかし~な」と既に異変に気づいた人もいらっしゃるかと思いますが・・・。

10月の終わりくらいだったのかな・・・拙ブログに悪質な宣伝の迷惑コメントが続けざまに入りました。プロバイダーでブロックできない新手のヤツだったようです(今は何とかブロックされています)。
色々な記事にランダムにコメントがついて、躍起になって削除して回りました。次々に単調な作業を重ねていくうちに、油断したのでしょうね。該当コメントを削除するつもりで、うっかり「記事本体」の削除ボタンを押してしまい・・・。
「一度削除すると元に戻せません。本当に削除しますか?」
と尋ねられ、「あれっ?今までと文面が違うな」と気づく瞬間、手が勝手にポチッ、と。
「あっ!」と思った時はすでに遅し。
大したことは書けていないとは言え、一応心血注いで仕上げたザ・タイガースのナンバー、「人は・・・」お題の考察長文記事が跡形もなく消え去ってしまいました(号泣)。
せっかく、年末へ向けてのシローへの思いを自分なりに書いた記事だったのに・・・直後はしばらく放心状態。

もしも、この「人は・・・」の記事をプリントアウトしてますよ、なんていう素晴らしいお方がいらっしゃいましたら、大変恐縮ですが、いずれの記事でも構いませんのでコメントにメールアドレスを添えてお知らせ頂けないでしょうか(アドレスはweb上には公開されず、管理人の僕だけが閲覧できる設定になっております)。
雲をつかむような話ですけど・・・どうかよろしくお願い申し上げます。

それでは本題。
ザ・タイガース再結成セットリスト予想、個人的に「オープニング1曲目はこの曲しかない!」と考えているナンバーです。
「タイガースのテーマ」、僭越ながら伝授!

と言いながら・・・僕は今回この曲に、的中自信度「星5つ」をつけて書いているわけですが、巷ではすでにジュリー製作監修のパンフレットを手に取り、年末のセットリストを把握されているみなさまも多いことでしょう。その中にこの曲が記されていたのか、いないのか・・・その辺りについて拙ブログではどうかネタバレ禁止をお願いするとしまして、もし記載が無かったとしたら、今回の僕の記事は完全に道化更新ですねぇ。

そのパンフレットですが・・・まだ我が家には届いておりません。申し込みが10月末ギリギリだったからじゃないかな。おそらく澤會さんが受注順に発送されているのではないでしょうか。
ちなみに僕はパンフレットとTシャツ1枚を購入しました。
Tシャツは老虎ヴァージョンの白です。もし今後ジュリーのLIVEでセンター神席に恵まれることがありましたら、着用して参加し、ジュリーの冷ややかなチラ見を浴びたいと思います(笑)。
まぁそれは冗談として(←冗談なのか?)、今回のTシャツの老虎ヴァージョン・・・ジュリーファンとしての立場からしますと、60歳を超えたジュリーの写真がプリントされているTシャツが販売されるなんて、これが最初で最後だと思うんです。これはメチャクチャ貴重です!
みなさまもこの機に購入しておかないと、数年後に後悔なさると思いますよ~。

ともあれ、既にセットリストをご存知の方々がいらっしゃるということで、パンフ等の話題はこのくらいにしまして、ここからは純粋に楽曲考察を楽しむことにしましょう。

「タイガースのテーマ」・・・僕の手元には公式に2種類のヴァージョン違いの音源があります。
記念すべきファーストLP『THE TIGERS ON STAGE』のライヴ音源。『LEGEND OF THE TIGERS』に収録された貴重なスタジオ・レコーディング・ヴァージョン。それに加えて、親切な先輩から授かった同窓会時のライヴ映像も。それぞれハッキリとサウンドが異なっていて、比較が楽しいです。

ちなみに、モンキーズにさほど詳しくない僕は、この機会に初めて彼等のオリジナル・テイクを聴いてみました(You Tubeですが汗)。
タイガースのテイクとは、構成がまるで違うんですね・・・。

We go where we want to
                       Am

Do what we like to do
                          F

We don't have time to get restless
                                    D

There's always something new
                                    G

という、静かな演奏部が最初に配置されていて、サビの「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・モンキーズ!」へと繋ぎ、そこからスパートするんですね。

それがタイガースの場合はピーの3連符フィルから「ヘイ、ヘイ、ウィーアー・ザ・タイガース!」とサビから始まるいきなりの全開モード!
この構成でのカバーは大成功ではないでしょうか。

Hey!Hey!We're the Tigers!
                               C
And people say we're tigerin' around
      F                      G          C

ステージにあの5人が登場し、まずこのフレーズが炸裂!となったら・・・初日武道館をはじめ各会場はいきなりの総立ち、大変な盛り上がりになることでしょう。

僕がこの「タイガースのテーマ」を1曲目と予想するのは、1967~71年のタイガースのLIVE形態について先輩方にお話を伺ったりするうち、何となく「前半カバーで後半オリジナル、という曲並びが多かったんだな」とイメージが固定してきたからなのです。
『オールナイトニッポン・ゴールド』の5人の話を聞いていても、メンバー全員が「あの頃のようにやろう!」と考えているように感じました。それがセットリストの曲順、構成にもきっと反映されているんじゃないかなぁ。
僕はオリジナル曲への期待はもちろんですけど、彼等5人の中に染み込んでいる洋楽カバー曲怒涛の連発にも、期待が大きいのです。

それでは、その強烈な出だしはタイガース3種類のヴァージョン共に共通している中で、それぞれの具体的な演奏の相違点について考察していくことにします。

まずは、レコーディング・ヴァージョンと『ON STAGE』収録のLIVEヴァージョンとの比較です。
全体の曲構成は同じ、楽器構成も同じ。
ただ、聴こえ方は(当たり前ですが)まったく違いますね。てか、このレコーディング・ヴァージョンって、どの楽器も抜群に上手いんですけど!?

両ヴァージョンの一番の目立った違いは、間奏のリード・ギターでしょうか。レコーディング・ヴァージョンの方は、60年代洋楽サウンド直輸入といった感じのイカしたテイクです。
僕のようにビートルズの音に馴染みきっている者が聴いても非常に和む、と言いますか「そうそう、これが正調のロックンロールの間奏だよね!」と手を打つ演奏となっています。
一方LIVEヴァージョンの方は、まずミックスが不思議。ミドル・エイトの前半部があまりよく聴きとれないですよね。間奏後半からいきなりギターの音量が上がって、いかにもガレージな、これまた最高にイカしたテイクが聴けます。
この間奏部リード・ギターで注目すべきは

前半部のミックスがセンター、後半が右サイド

となっている点です。
これはすなわち、間奏の前半と後半でソロ・パートの演奏者が違う、と考えられはしないでしょうか。
そこでメンバーのコーラス・トラックに注意して音源を聴くと、どうやらトッポの声は右サイドに振られているようです。それを踏まえ、古今東西のミックス常套手段から考えれば、ギターについても右サイドの音がトッポということになります。
これはもしかしたら・・・前半センターにミックスされている音がタローのギターなのではないでしょうか。
つまりこの間奏、タイガース2大ギタリストによるリレー形式。僕はそう推測しました。
実際に当時のLIVEでこの曲を体感なさっている先輩方・・・その辺りはどうだったのか覚えていらっしゃるでしょうか?

『ON STAGE』の間奏で前半の音が小さいのは、この時タローが間奏直前のヴォリューム・コントロール操作を割愛したのかなぁ。
僕としてはむしろ、トッポの豪快な音量設定が際立っているのが嬉しく、年末のステージでも(「タイガースのテーマ」に限らず)このくらい荒々しく主張のあるトッポのギターが聴けるのかな、と期待が高まるところです。

ドラムスも、レコーディングとLIVEとでは随分違います。
丁寧かつ繊細なのは当然レコーディング・ヴァージョンの方ですけど、魅力的なのはやはりLIVEヴァージョン。オカズの3連符で突っ込みまくる独特のドラムス・・・これが本当にピーらしい、ザ・タイガースの音なんですよね。後追いながらも、2011~12年のツアーで実際にピーのドラムスを体感したからこそ、僕はそう断言したい!
タイガースの音は、まずピーのドラムスありき。
ジュリワンの「シー・シー・シー」とも、『ジュリー祭り』の「君だけに愛を」とも全然違った老虎ツアーのドラムス。
技術の巧拙を他ドラマーと比較して語るのはナンセンスです。僕は元々、ある特定のバンドに特化した演奏者を好みます。その意味で、ピーのドラムスは最高なまでにザ・タイガース特化型なのです。

ピーがファンの前に帰ってきた2011年、その最初の頃でしたか、講演会で老虎再来支援委員会の坂田代表が、「当初ピーは3連符が苦手で・・・」みたいなお話をされたと聞きました。
僕は今・・・と言うかあの老虎ツアーを経て、逆にその逸話がとても頼もしい、と感じ、タイガースの音としてピーのドラムスに全幅の信頼を置くという心境にまで至りました。
是非年末には、「タイガースのテーマ」で気合ほとばしる突っ込んだオカズのピーのドラムスを聴いてみたいです!

さて、上記2つのヴァージョンについて間奏リードギターへの着目を語ったばかりで申し訳ないのですが・・・こと楽曲構成の面で年末のステージでの「タイガースのテーマ」をイメージした時、予習音源として要注意なのが同窓会ヴァージョンではないか、と僕は考えます。
もちろんドラムスがピーではないので「タイガースの音」という観点からは語ることは控えますけど、このヴァージョンの最大のポイント・・・”間奏リードギターを割愛した極端に短い構成”に注目したいのです。

グワ~ッといきなり盛り上がって、あっという間に終わる。
これもまた記念すべき再結成オープニングの醍醐味かと僕は思います。「僕たちタイガースだよ!」という、ショーのイントロダクション的な役割ということです。
また、こうしてショート・ヴァージョンにする意味としては、「できるだけ多くの曲をやる」ということにも繋がるわけで・・・そりゃあ、演奏される曲が多ければ多いほど僕らファンとしては嬉しいわけじゃないですか。ですから僕は今回「タイガースのテーマ」が歌われるなら同窓会と同じくショート・ヴァージョンで!と予想を立てたのです。
さぁ、実際はどうなりますか。

ということで・・・セットリストのネタバレをしない身の勝手で書き連ねてまいりました、”ザ・タイガース再結成セットリスト予想”シリーズも今回で〆となりました。
あとは12・3武道館を待つばかり。

先日、ジュリーの『Pray』ツアーが渋谷・大阪連日の大盛況を以って終了し(参加できなかったけど・・・涙)、いよいよ5人が揃っての、本番を想定した本格的な稽古が始まっているでしょう。
ジュリーの言う「5人だけの、タイガースの音」を楽しみに・・・いざ再結成ステージに参加後の”セットリストを振り返る”シリーズまで、タイガース・ナンバーのお題記事執筆はひとまずお休みです。

最後に、恒例のオマケです!
Mママ様、P様所有のお宝切抜き資料の中から、可愛らしい前期タイガースのショットをドド~ンとどうぞ!
(全部パンフに掲載されているものだったりして・・・)

Img276_251x385

Img275_315x298

Img244

Img2831

Img403

Img233

101

112



それでは次回更新は、ジュリーの『Pray』ツアーのセットリストを振り返るシリーズです。
個人的にとにかくバタバタの状況が続きますので、いつの更新になることやら・・・なのですが、とりあえず書きたい曲はもう決まっていますから、しばらくは仕事の移動中など、日々その曲達の音源を聴いて過ごします。
ベストを尽くした考察記事に仕上げたいと思います!

| | コメント (25) | トラックバック (0)

2013年10月17日 (木)

ザ・タイガース 「都会」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1970、single
セットリスト的中自信度 ★★☆☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

----------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

----------------------

さて今週は、色々とタイガースやジュリーをとりまく新情報がありましたね~。

まず、ザ・タイガース。
再結成記念Tシャツとパンフレットがオフィシャルサイトにアップされ、申し込み用紙も届きました。
ちょっと気になっているのは・・・確かパンフレットには年末のセットリストを載せる、という話があったんでしたっけ?そうだとすればネタバレ厳禁派の僕としては、中身を見るのは初日武道館が終わってからということになるなぁ・・・。
2013年版のTシャツは、「中井さんへの感謝」がコンセプトなのかな。僕はたぶん、着て外を歩けますよ(笑)。


(あ、別の「タイガース」の話題については、積極的なコメントを差し控えさせて頂きます・・・涙涙。こうなったらファイナルステージはなんとかカープに頑張って欲しいですけど、追い込まれてしまいましたねぇ・・・。
タイガースについては、終わってしまったものは仕方ない。僕もやっぱり「Rock 黄 Wind」の考察記事は、キチンとリーグ優勝を果たした時にドカ~ン!とお祝い的に書きたいですし。
そう言えば・・・90年代の阪神低迷暗黒期にあって、一人”陽”の気を放っていた愛すべき助っ人・オマリーの来季コーチ就任の噂は明るいニュース。是非実現を!)

そして、ジュリーのお正月コンサートのツアー・タイトルが明らかになりました。何と『ひとりぼっちのバラード』!
これはテンションが上がります。
タイガース再結成のステージすぐ後に「ひとりぼっち」というのはジュリーらしいセンス・・・なのでしょうか。
でも来年になっても、メンバーとの友情が終わるわけではないのですから。
いつ何時、トッポから「ちょっと相談があるんだけどさ~、プハ~、カランカラン」と、直接ジュリーに無理難題打診の電話がかかってくるやもしれません。むしろそういう話があることに期待してしまいます・・・。

ともあれ、年が明けての次のソロコンは、ジュリーの歌人生総仕上げへの第1歩・・・「これからは自分の好きな歌を好きなように歌っていく」という気持ちをツアータイトルとして宣言しているようで、とても嬉しい!
このタイトルなら、あの大名曲「
ひとりぼっちのバラード」はやっぱり歌いますよね?アルバム『JULIE』の中でジュリーはこの曲が一番好き、と言っていたくらいですしね。
『ジュリー祭り』が初ジュリーLIVEだった僕は、「ひとりぼっちのバラード」を生で聴いたことがありません。「いつか聴きたい」と切望しつつも「もうこの先はナイかな・・・」とあきらめの気持ちも実はあった珠玉のバラードとの邂逅へ、今から期待に胸が高鳴っています。

ただジュリーの場合、「必ずこの曲は歌うと思わせておいて実は」・・・というパターンも考えられますが、いずれにしても「タイガースの反動で、こんなことになってしまいました」的な、『歌門来福』級のイントロ当てクイズ状態・・・そんなセットリストの匂いがプンプンしますね。これは何としても初日に参加しないと~!
今度のお正月コンサートについては、おそらくブログでセットリスト予想をする時間は無いと思うんですよ。スケジュールが詰まりまくっていますからね。東京ドームのレポを書き終えたら、もうソロの初日目前!みたいな感じになってる気がする・・・。

そう、ソロコン前の年末に控えし一大イベント、ザ・タイガース再結成。
今回お題に採り上げるのは、後期のシングル曲。ジュリーのソロっぽいメロディーのイメージがありながらも、コーラスそして演奏・・・実はどうしようもなく、終わりに向かう「ザ・タイガース」の音であり歌であるという、不思議な悲しみの雰囲気をたたえた、音楽性も高い美しいナンバーです。
「都会」、僭越ながら伝授!

予想としては「星2つ」。
これは妥当な線でしょう。トッポを加えた5人のオリジナル・メンバーでの演奏となるとまぁやらないかな、とは思いますが何と言ってもタイガースらしい演奏構成を持つシングル曲。油断はできません。
僕などは、「叫んで~みても♪」の箇所にトッポのコーラスが入るのを実際に生で聴いたらどんな感じなんだろう、とか・・・あれこれ夢想してしまいます。

実は僕は、2009年初めてタイガースのシングル・コレクションを聴いた時点で、漠然と「後期の曲の方が好みかな」とは思いつつも、この「都会」の印象はかなり薄かったのです。タイトルから歌の出だしをソラでは連想できないくらい。
もちろん今ではそんなことはありませんよ!まぁ、当時聴き込みが足りなかったということです。その頃は「風は知らない」「はだしで」「淋しい雨」「怒りの鐘を鳴らせ」の4曲だけを抜き出して聴いたりしていましたね・・・。

「都会」という曲の存在が自分の中で大きくなったのは、先輩が「是非聴いて」と焼いてくださった『サウンズ・イン・コロシアム』を聴いた時(無論、その後キチンとCDを買い直しています)です。

2枚組CDの後半1曲目がこの曲なんですよね。
ピーがドラムセットに座って、「どん!」と一発音を鳴らし(フロアタムかな?)、悲鳴のような歓声へと連なってから始まる「都会」のイントロは、後追いファンからしても独特の説得力がありました。

そういえばコロシアムLIVEって、CD通りの完全2部構成と考えてもよろしいのでしょうか。休憩とかがあって、後半第2部で改めて「都会」からスタートしたということでいいのかな・・・。

以前、実際にこのライヴに参加された先輩に感想を伺ったことがあります。
「ステージが進んで、だんだんと陽が落ちて、風が吹いてきて・・・楽しいんだけれどもどこか淋しいような、何とも言えない気持ちだった」
と仰っていました。
その先輩のお言葉が強く印象に残っているからでしょうか・・・僕は『サウンズ・イン・コロシアム』のdisc-2にはちょっと切ないイメージがつきまとっています。
「散りゆく青春」の大合唱も、タイガース・オリジナル・メドレーの曲並び(すべて短調のナンバー!)も。
そしてdisc-2の幕開け「都会」のイントロもそんなイメージなんです。先述したピーの一打と歓声も含めて・・・。「だんだん陽が傾いていく」ような曲だと思っています。

それはひょっとしたら、コロシアムLIVE前後のタイガースの状況そのもの、のイメージなのではないでしょうか。
コロシアムLIVEはタイガースにとっても大きな企画。もちろんメンバーの気合は充分で、実際の演奏、ジュリーのヴォーカルも素晴らしい。でもそれでいて何処か切ない影が射しているような・・・。

手元に、当時の貴重な資料があります。
P様所有の会報誌『ヤング』・・・コロシアムLIVEを軸としたメンバーの動きや心境を、何となくではありますが把握できる素晴らしいお宝です。
コロシアム前後のタイガース特集ページを、3号分続けてご紹介しましょう。

Young700801

Young700802


以上、『ヤング』1970年8月号より

Young701001

Young701002

Young701003


以上、『ヤング』1970年10月号より

Young19701201

Young19701202


以上、『ヤング』1970年12月号より


何かね、偶然とは言え「都会」の歌詞に象徴されるような感じ・・・。ピーの「反抗と順応がミックスしている」という言葉は、その時の本当に正直な気持ちかと思えますし。
かと言って淋しさ一辺倒でももちろんなく、「向うところは見えている」雰囲気もありながら、シングル『素晴しい旅行/散りゆく青春』や、アルバム『自由と憧れと友情』へこうして繋がっていったんだなぁ、と後追いファンとしては彼等の辿った道が無理なく整理することができます。


晩期タイガースが、多くの曲で「旅立ち」をコンセプトにしていたことを考えると、その「旅立ち」をメンバー全員が積極的に決意したターニング・ポイント・・・それが「都会」というシングル曲のように僕は感じるのですがいかがでしょうか。

ただ、それは歌詞のみならずやはりメロディーやアレンジからもそう思わせるものがあるのです。
作曲・クニ河内さん。
クニさんが素晴らしい作曲家であることに、恥ずかしながら僕はタイガース・ナンバーを聴き込んで初めて意識するに至りました(アルバム『サリー&シロー/トラ70619』収録のクニさんの曲も、改めて聴くと本当に素晴らしかった!)。

過去に他の曲の記事で書いたように、クニさんは自作曲に哲学を込めるタイプの作曲家のようです。「怒りの鐘を鳴らせ」の断崖を駆け降りるような転調や、「誓いの明日」でドミナント・コードを一切登場させない構成など、不思議なほどに詞の内容や当時のタイガースをとりまく状況に合致するアイデアが、1曲入魂で注入されています。
「都会」であればそのコンセプトは、「孤独」或いは「決断」といったところでしょうか。

「都会」のスコアは手元に3種類あります。


Tokai1

『沢田研二のすばらしい世界』より

Tokai2


『60年代グループ・サウンズ・ファイル』より


Tokai3


『沢田研二/ビッグヒット・コレクション』より

『ビッグヒット・コレクション』は相変わらずの独創的なコード進行(笑)になっていますが、他2冊はほぼ同じコードで採譜されています。すなわち「都会」は、和音を拾うことがさほど難しい曲ではないということです。

あなたが消えた この街を歩けば
G                Cm D7

今日もたそがれ さみしくせまる
G             C            Cm      G

だからと言って「都会」が単調な曲かと言うとそうではなく、まずAメロ冒頭の「G→Cm」から意表を突く展開。通常のポップスなら、ここは「G→C」となるところです。
イントロでは素直に「G→C」、歌メロに入ると「G→Cm」。
ジュリーのヴォーカルの「消えた♪」の箇所でどことなく不安感をかきたてられませんか?それは和音の当て方からくるものなのです。

途中に転調もあって

いつもあなたは  愛してくれた
Bm              Em   C            D7  F#7

それがなぜ 今はひとり
Bm        G               Bm

帰ってと 帰ってと 叫んでみても
  F#7        Bm             Em      A7  D7


(註:「帰ってと♪」の箇所の「F#7」は、ギター1本の弾き語りの場合は「F#m7」の方が良いかもしれません)

「愛してくれた♪」の「F#7」を境に、ト長調からロ短調に転調。普通なら「B7」を使ってホ短調に移行すべきところです。こうした変則的な転調も、歌詞やジュリーのヴォーカルと併せ、「心の乱れ」を表現しているかのように聴こえますね。
ただし、ジュリーのヴォーカルは「嘆き」から繋がる和製歌謡曲寄りの艶っぽい歌い方になっていますが、クニ河内さんの作曲そのものはいかにも洋楽的でクール。「はだしで」のようなアメリカン・ロックの感覚があると思います。

後追いファンの僕は、トッポ脱退→シロー加入後の後期タイガースに、常に解散の噂がつきまとっていたことすら知らずタイガースを聴き始めたのですが、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の次のシングルがこの「都会」・・・メロディーの面からしても、タイムリーなファンのみなさまにとってはそのあたりの心配をかきたてるような新曲だったのかもしれません。
それは次シングルB面「散りゆく青春」へとそのまま雰囲気として繋がっているようにも思えます。

いずれにしても、短い間ではあったにせよ、「後期」いや「第3期」タイガースのロックな音作りを支えていたのはクニ河内さん。『都会/怒りの鐘を鳴らせ』というシングル盤は2曲ともクニさん作曲ということもあり、第3期タイガースを代表する刺激的な1枚と言えるのではないでしょうか。
その点ではむしろアルバム作品である『自由と憧れと友情』よりも「タイガース」のイメージが徹底されていると言えそうです。

では、アレンジ、演奏についてはどうでしょうか。
ドラムス、ベース、ギターのタイガース・サウンドの上からストリングス装飾が施されています。そこへ、キメ部のみ登場するサイケデリックなオルガン(左サイドのミックス)が噛んでくるのが大きなポイントかなぁ「都会」の淋しげ雰囲気によく合っています。
いかにもこの時代のオルガンの音です。
「都会」のオルガン・トラックを聴いて僕が想起するのは、ドアーズのレイ・マンザレク(今年5月に天国へ旅立たれました。心よりご冥福をお祈り申し上げます)が得意としていた音色。特に「ヒヤシンスの家」(1971年リリース)という曲では、タッチといい音色といい「都会」にそっくりな音色のオルガン・テイクが聴けますよ。

バンド・サウンド・パートについては、タイガース・メンバー自身の演奏のように聴こえます。
まず、ドラムスは間違いなくピーですね。「はだしで」「怒りの鐘を鳴らせ」ほど豪快ではありませんが、要所で炸裂するフィルのロールが特徴的。
ベースとギターはハッキリ自信は持てないけど・・・左サイドのギターはタローっぽいです。この曲、全体的には1番と2番でキーが違うんですよ。1番がGで、間奏から2番が半音上がりのA♭。単音のスケール的には、2番の方が難しい。
で、基本コード・カッティングのギターが1番のBメロ「孤独なぼくを♪」「いつもあなたは♪」のトコで、カッコイイ単音に切り替えますよね。それが、2番では割愛されているのです。こんなことで「タローっぽい」などと考察するのも甚だ失礼な話なんですけど、僕としては何とか「タイガースの音」らしさを探し求めて聴いてしまう、ということなのですよ・・・。
もちろん2番で単音を弾いていないのは、僕ごときの想像が及ばぬ理由である方が、可能性は高いです。

さて、今回「都会」の記事を書いて・・・いよいよ『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』収録曲で未執筆のナンバーは、残すところ「花の首飾り」ただ1曲、となりました。
このブログが2008年の東京ドーム公演レポートを機にじゅり風呂へと変貌して以来、ジュリー関連のお題を地道に1曲ずつ書いてきて、いつからか「CD収録曲を一番最初に完全網羅するのはどの作品かな?」なんて自分自身で楽しみにしていたんですけど、どうやらそれはジュリーのソロ・アルバムではなく、何とタイガースのシングル・コレクションということになりそうです。
年末、トッポが歌う「花の首飾り」を生で聴いてから、年明けに”セットリストを振り返る”コーナーのお題に採り上げるのはもう規定路線。

我ながら信じられないことです。
だって、僕がタイガースの曲をまともに聴き始めたのは、2009年になってからのことなんですよ。そんなヒヨッコがいつの間にやら、ザ・タイガース4年間の全シングル盤AB面すべての曲について、考察記事を書き終えようとしているのですから・・・。

あとは、ジュリーとトッポがほどほどにケンカし、ほどほどに仲良くしながら12月を乗り切り、ザ・タイガース再結成ツアーを無事大成功のうちに終えるのを見届ける・・・その日を待つのみです。
最後の最後に一番有名な「花の首飾り」でシメ、ってのがなんだか出来すぎのような気もしますが・・・それもこれも、僕一人の力でこれを達成するわけではない、ということの表れでしょう。「伝授」と言いながら実はまったく逆・・・先輩方に逆伝授されっ放しで今に至っていますからね・・・。
改めて、いつも色々と教えてくださるみなさまに感謝の思いです。

それでは、恒例のオマケです!
Mママ様所有のお宝切り抜き資料から、田園コロシアム関連のショットをどうぞ~。

Beautiful01

Beautiful02


ここまでの2枚は見開きの記事になってます。

Img269


ジュリーが抱えている楽器は何・・・?


ということで、いよいよ週末はジュリーの『Pray』大宮公演です。僕は9月の渋谷以来、共に参加の友人YOKO君は、昨年の『3月8日の雲~カガヤケイノチ』大宮公演以来1年ぶりのジュリーLIVEとなります。
もちろんステージが一番の楽しみですが、隣のYOKO君のビビッドな反応(約4ケ月間のネタバレ我慢を敢行する超人)にも期待しています。要注意曲は、「ハートの青さなら空にさえ負けない」「A.C.B」「あなたへの愛」あたりかな~。もちろん新譜4曲については言うまでもありません。

次回更新はその大宮レポートになります。
その後は、”『Pray』セットリストを振り返る”シリーズでジュリーのソロのお題を2曲書き、11月後半に再びタイガースのセトリ予想で2、3曲を採り上げて、12月3日を迎えようと考えています。
うまく予定通りに進むでしょうか。タイトなスケジュールもまた、ジュリーファンとしての喜びです。頑張ります!

| | コメント (9) | トラックバック (0)

2013年10月12日 (土)

ザ・タイガース 「真赤なジャケット」

from『レア&モア・コレクションII』
セットリスト的中自信度★★☆☆☆


disc-1
1. 君だけに愛を
2. モナリザの微笑
3. 花の首飾り
4. 真赤なジャケット
5. 星のプリンス
6. こっちを向いて
7. シーサイド・バウンド
8. 銀河のロマンス
9. シー・シー・シー
10. 君だけに愛を
disc-2
1. リラの祭り
2. ジンジン・バンバン
3. 光ある世界
4. 廃虚の鳩
5. 青い鳥
6. 真赤なジャケット
7. 美しき愛の掟
8. はだしで
9. Lovin' Life
10. 風は知らない
11. はだしで
12. 嘆き

from『世界はボクらを待っている』、1968
original released on 1967、single『モナリザの微笑』B面


Sekaihabokura

1. 君だけに愛を
2. 銀河のロマンス(インストゥルメンタル)
3. モナリザの微笑
4. 花の首飾り
5. 僕のマリー
6. 落葉の物語
7. 真赤なジャケット
8. イエロー・キャッツ
9. 星のプリンス
10. こっちを向いて
11. シーサイド・バウンド
12. 銀河のロマンス

---------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

---------------------

さて、一般発売のチケットが完売続出の報を受け、そろそろ12月のザ・タイガース再結成本番ステージに向けてCDなどを聴き、みなさまそれぞれの思いで予習を始めていらっしゃることかと思います。

みなさま、どの作品を重点的に予習されていますか?

まず、『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』。
特に後追いファンにとってこれは外せないですね。この2枚組さえ聴いていれば、年末セットリストの半分以上は確実に網羅できるでしょう。文字通り「完全無欠」のシングル集は、基本中の基本。

一方で、「いや、今なら『赤盤』『青盤』でしょう!」と仰るかたも多いでしょうね。
ピー先生監修、究極のザ・タイガース・レパートリー。「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と両A面扱いのシングル曲「君を許す」が容赦なくオミットされている(笑)ことに象徴されるように、この2枚こそが「真のザ・タイガース・ベスト盤」と言えるのかも。
12月いっぱい、という年末再結成のツアー・スケジュールから考えますと、『青盤』収録「あわて者のサンタ」あたりは意外と要注意ナンバーではないでしょうか。僕はこの曲、セトリ入り「星3つ」と予想していますよ~。

或いは、2012年の武道館DVD。
トッポ以外の老虎4人の現在の姿・・・ヴォーカル、演奏をあますところなく楽しく予習できてしまう必聴、必見盤。「あの頃と変わらない体型を保っているのは、ピーだけです!」とのジュリーの言葉も、40年という時の流れを経て実現した奇跡のステージの証として、謹んで今一度受け止め胸に刻んでおこうではありませんか。

レコーディング・アルバムだと、やはりトッポ在籍時の大名盤、『ヒューマン・ルネッサンス』は押さえておかねばなりません。
個人的には今回「星5つ」の鉄板予想としている「忘れかけた子守唄」をはじめ、「朝に別れのほほえみを」「生命のカンタータ」などのアルバム収録曲もセットリストの有力候補だと思います。

さらに・・・先日のオールナイトニッポン・ゴールドの放映を機に、「オリジナル・メンバー5人だけの演奏」による真・タイガースへの期待に完全にスイッチが入った僕としては・・・。
老虎ツアーで実際に生で体感した、ピーのドラムス、サリーのベース、タローのギター。最後に残った1ピース・・・僕がまだ生で耳にしたことのない、トッポのギターに大いに期待を高めています。
タイガースのステージ演奏を予習するならば、オリジナルLIVE盤は『ザ・タイガース・オン・ステージ』『ザ・タイガース・サウンズ・イン・コロシアム』『フィナーレ』と3枚ありますが、僕としてはトッポのギターを重視して、『ザ・タイガース・オン・ステージ』を聴き込むことが肝要。オールナイトニッポン・ゴールドでピーが「僕らはライヴバンド」とハッキリ語っていたのは、やっぱりトッポ在籍時のLIVE演奏の感覚を持っての発言だったように感じるんですよ。

ただここで、今回のお題曲「真赤なジャケット」について・・・「オリジナル・タイガースの演奏」という観点から考えた時、ちょっと盲点のようになっている絶好の予習音源があります。
それはズバリ・・・『世界はボクらを待っている』の挿入楽曲演奏音源です!
LIVE音源ではないとは言え、これは正しく「タイガースの音」。シングル・レコード音源とはまったく別の魅力、ライヴ感、ガレージ感漲る好演です。特に当時のトッポのギターに着目するなら、必聴の音源と言ってよいのではないでしょうか。
演奏自由度の高さ、一発レコーディングの荒々しくハイテンションな雰囲気を感じさせてくれるゴキゲンなロック・ナンバー・・・改めて聴いて、「うわ、これLIVEでやって欲しい!」と個人的に盛り上がっているところです。

ということで本題。
「真赤なジャケット」、僭越ながら伝授です!

予想的中自信度は、控え目に「星2つ」としました。
有名曲をひと通りやるとしたら、なかなか「真赤なジャケット」までは手が回らないのかなぁ、と・・・。
でも、もしメンバーがこれから稽古を重ねていき、予定していたセットリスト候補の中で「ちょっとこの曲はうまくいかないね。他の曲に差し替える?」という話が出るようなことがあったとすれば、代替案として「真赤なジャケット」は相当有力なナンバーではないか、と僕は思っています。
パッ、といきなり音を合わせることができるタイプの曲なんですよ、これは。

まず僕はこの記事を書くにあたり、「真赤なジャケット」の映画ヴァージョンをじっくりおさらいしようと考え、アルバム『世界はボクらを待っている』を仕事の移動BGM用に持参し、「あ、あれっ?!」と基本的なミスを犯していたことに気づきました。このアルバム、映画タイトルのサウンドトラックを謳っているにもかかわらず、収録されているのは、単に正規のレコード音源に劇中の音声をオーヴァーダブしたものなんですよね。現代ではちょっと考えられない商売です・・・。
まぁでもこのアルバム、「イエロー・キャッツ」1曲のためだけにでも持っておく価値はありますけどね!
(ちなみに「イエロー・キャッツ」は年末のセットリストとして要注意ですよ~。ピーが『赤盤』に採り上げているということもありますし、おそらくタローは、この曲の人気の高さを充分心得ているはず)

で、肝心の映画挿入音源ですが・・・CDで楽しむ、ということになると少なくとも「真赤なジャケット」については、『レア・モア・コレクションII』を聴くしかないです。
ただ、『レア・モア・コレクションII』をお持ちでない方々でも、『世界はボクらを待っている』DVDは持っているよ、と仰るかたはかなり多いでしょう。実は僕もその一人。『レア・モア~』については音源しか持っていません。
ここはひとつ映画を観返しながら、純粋な「タイガース5人だけの音」で演奏される「真赤なジャケット」に着目し、年末に密かな期待を持っていざ予習と行こうではありませんか!

Sekai01

真赤なジャケットが 僕は好きなんだ
C7

真赤なジャケットが 恋を結ぶ
C7

あの娘をさそって 町へくり出そう
F7

真赤なジャケットは 踊りたいのさ
C7

このAメロの歌詞部、1行1行にトッポのオブリガート(細かい単音)が噛んでくるのが、「真赤なジャケット」映画ヴァージョン最大の聴きどころ。
荒々しいフレージングは、ロックそのもの・・・上手いとか下手とかではないんですよ。とにかく血が沸き立つようなカッコ良さなんです!
これがオリジナル音源ですと、トッポの単音該当箇所にティンバレスが入ってきます。それはそれで味があり、曲想にも合っているんですけど、やっぱり「シーサイド・バウンド」とイメージがダブってしまいますよね。

元々「真赤なジャケット」はいかにもB面的な作りと言うのか、当時多忙を極めていたすぎやま先生とタイガースが、シングルB面用に「シーサイド・バウンドみたいなスリー・コード基調のノリの良いヤツを」と狙いを絞ってササッと用意した曲、という印象です。
実際Aメロ途中までは、それぞれの演奏に合わせて「シーサイド・バウンド」「真赤なジャケット」いずれも入れ替えて歌えてしまうという・・・。キーは違いますけどね(「シーサイド・バウンド」はホ長調、「真赤なジャケット」はハ長調)。
ただ、そういう曲こそがLIVE向き。ザ・タイガースがライヴ・バンドである、ということを是非「真赤なジャケット」で年末、このヒヨッコに思い知らせて欲しいなぁ、と考えているのですが・・・どうなりますか。

さて、映画『世界はボクらを待っている』挿入曲の使用手法には、大きく分けますと3つのパターンがあったようです。

・オリジナル音源をそのまま映像に当てはめて使われているもの(例・「君だけに愛を」)。
・根底からすべてのトラックをレコーディングし直しているもの(例・「モナリザの微笑」)。
・演奏トラックはオリジナル音源で、ヴォーカルとコーラスのみを差し替えているもの(例・「星のプリンス」)。

で、お題の「真赤なジャケット」ですが・・・これは僕が聴いた感じですとちょっと変則のパターン。
まず、ベーシック・トラックについてはオリジナル音源そのままのものを、再編集及びピッチを上げて採用しているのではないでしょうか。
オリジナル音源のレコーディングでは後録りの別トラックであったと思われるティンバレスのパートを割愛し、映画のためにジュリーのヴォーカルとトッポのギターをオーヴァーダブしたんじゃないかなぁ。
聴けばお分かりの通り、オリジナル音源の歌声、コーラスが残っていますでしょ?ジュリーの新たなヴォーカル・テイクとの分別は容易に聴き取り可能です(音量レベルとエフェクトのかかり具合が全然違います)。

ともあれ、分刻みのスケジュールの中でのこうした作業、メンバーはさぞ大変だっただろうなぁと思います。
しかもどうやらそれらのレコーディングは、たった1日で敢行されたようなのです。

参考資料としまして、P様所有の超絶お宝『第35回ウエスタン・カーニバル』パンフレット巻末の『世界はボクらを待っている』撮影特集記事から、メンバーの日記をここでご紹介しましょう。

(考察の参照とするのはトッポの日記ですが、せっかくですから5人分すべてをどうぞお楽しみください!)

Sekaij

Sekais

Sekaita

Sekaip

Sekaito

楽しそうですね~。
ジュリーの「おさみさん♪」発言に(一瞬)萌えた人、手を上げて!
あと、ピーが入れたのは「ちゃち」ではなく「ちゃちゃ」でしょうけど・・・。

新規ファンとしては、タローの言葉にビックリ。
老虎ツアーで魅せたピー先生の「投げキッス」「お茶目」は、この頃から既に馴染んでいたキャラだったのか!
いやいや、勉強になります・・・。

さて、トッポの日記について。
1日で11曲のレコーディングですか・・・それは大変だ~。まるでビートルズのファースト・アルバム並みじゃあないですか。
映画で使われている「花の首飾り」はシングル音源と同一ですから、少なくとも「花の首飾り」についてはこの日・・・つまり映画撮影の合間に行われていた、ということになるのでしょう。
ジュリーとトッポの二人は、特に疲れたでしょうね・・・。
そりゃあ、毎朝の早起きは辛かったでしょう。はからずも今日のお題曲「真赤なジャケット」が流れるバスのシーンで、トッポが半分寝てしまっている、というのはファンの間では有名なお話のようですね。

劇中、サリーがメンバーを叩き起こして回るシーンが、偶然ながら何やら象徴的。
起こす順番にも気を遣う心優しきリーダー、サリー・・・考えてみますと、今はもう世間で知らない人はいない、というくらいの人気俳優・岸部一徳の原点がここにあるんですねぇ。
完全な棒読みで「そうだろ、ジュリー?」とたどたどしくセリフをこなしていたサリーが、今や国民的大俳優です!

・・・と、話を「真赤なジャケット」に戻します。
年末にこの曲が歌われるなら・・・と考えるなら、上記の通り予習すべきはこちらの映画挿入音源で間違いないところですが、正規シングル・ヴァージョンも当然ながら素晴らしいものです。

Aメロで、歌メロをストリングスが追いかける箇所がありますよね。スリーコードのバンド・サウンドのロックンロール進行に、ブルー・ノート音階のストリングスを絡ませるアレンジって・・・ひょっとしたら世界初なのでは?
サイケっぽいロック・ナンバーであれば、ビートルズなどに先例がありますけど。

すぎやま先生と言えば、この曲ではシンプルなロックンロール構成の作曲に留まらず、コード進行にフックがあったり。
例えば

あの娘の笑顔が一番 さ
G                        F   B♭  G7

の「B♭」とかね。
きっと特急でサ~ッと作曲した感じなんでしょうけど、この辺りはさすがすぎやま先生です。

最後に。
『世界はボクらを待っている』の挿入音源それぞれについて、僕はまだすべてを細かく分析できているわけではありません。
例えば「シーサイド・バウンド」は、トッポのリードギター・トラックがシングル・ヴァージョンと違うことは明らかですが、ベースやドラムスなどについてどうなのかは、更にじっくり聴き込む必要があります。

トッポの日記にある「11曲」という具体的な数字も気になっていて・・・これは挿入歌の曲数と合致する数なんですけど、トッポが言っているのは純粋に新たに吹き込んだ曲数なのかな、「銀河のロマンス」は何曲分のカウントかな(映画中盤に披露される制作途上設定のヴァージョンがなかなか良い!対して、一番最初に披露されるインスト・ヴァージョンは、タイガースの音ではないような気も・・・)とか、色々とね。
また、挿入曲には歌無しのインスト・ジャムセッションもあり、それら含め今後ゆっくり検証していきたいと考えていますが、現段階でこれらの中から「聴くべし!」と強く推しておきたい曲は、今日のお題「真赤なジャケット」以外ですとやはり「モナリザの微笑」「星のプリンス」の2曲でしょう。

「モナリザの微笑」はすべての楽器についてまったくの新録ヴァージョン。リードギターとハーモニカが美しく絡むアレンジが最高です。
また、1箇所ピーが勢い余って「ばこ~ん!」とクラッシュ・シンバルを強打している所があります。こういう演奏は「レコード」としては録り直しの対象かと想像しますが、「ザ・タイガースの音」としてはむしろこの方が素晴らしい、と思います。相当目立ってますから、じっくり聴けば分かりますよ~。
僕としてはこの強打部は、サビ後のコーラス部の一転して今度はシンバルを撫でるように演奏する”剣舞”箇所と合わせ、2011~2012年で実際に生で体感したピーのドラムス・・・その姿がありありと目に浮かんできます。
「モナリザの微笑」は今年末も必ずセットリスト入りするでしょうから、そこで実際に聴くことになる演奏に近い音源として、この映画ヴァージョンは予習には最適じゃないかなぁ。

「星のプリンス」は、みなさま映画のストーリーは完全に頭に入っているでしょうから、この曲が流れるシーンに合わせてジュリーが一部歌詞を変えたり、最後にいきなりトッポのソロ・ヴォーカル・パートが登場したり・・・という聴きどころは僕などが言うまでもないでしょう。

ちなみに今回の記事執筆にあたり改めて鑑賞してみて・・・映画自体で僕が一番印象に残った、と言うか「ウケた」シーンは

「今度は音波もたいしたことはない!」

のトコ。
シルヴィの円盤は、元々タイガースの歌・音楽が発する途方もないパワーの音波に引き寄せられて地球に落下してきたワケですよね。
で、いざシルヴィ達がジュリーを攫って地球から飛び立とうとする時に、ちょうどジュリー以外の4人によるコンサートが始まっていて、それを聴きながら従者ヘラクレスが言い放ったセリフです。
要は、タイガースは5人全員揃っていないとそのパワーも格段に落ちる、ということなんでしょうけど・・・なんだか「こっちを向いて」を歌うサリーのヴォーカル音波が「たいしたことない」と言われているように僕は一瞬錯覚してしまい、思わず笑ってしまったのでした
(←失礼にもホドがあります汗)

結局その後、円盤内のジュリー、それに会場のお客さんも加わってのタイガース・フルパワー音波で、敢えなく円盤は地球に吸い寄せされていくんですけど、まぁそのあたりのストーリーはみなさま当然ご存知ですか・・・。

DVDをお持ちでないみなさま、底抜けに楽しいタイガース・ムービー・・・ただ曲を聴くだけとしてもこんなに楽しめるんですから、これは購入しておきましょうね!

それでは、恒例のオマケです!
まずはMママ様所有のお宝切り抜きから1枚。

Img313


ジュリーの色は「赤」系なんですよね。『ゴレンジャー』に始まる東映戦隊シリーズでも、「真ん中に立つ主役の色は赤!」と決まっていますが・・・。
「真赤なジャケット」の歌詞は、ジュリーのキャラクターを想定したものなのかなぁ。

続きまして、先にメンバー5人の日記でご紹介した、P様所有の『第35回ウエスタンカーニバル
』パンフレット掲載のショットを3枚!

Wc35th02

Wc35th03

Wc35th10

トドメに、同じくP様所有のお宝切り抜きから2枚!

Img1942

Img1943

↑「撮影所ならではみられない光景だ」ってのはちょっと日本語としておかしいですが…。撮影時には、パジャマ衣装でウロウロしたりすることもあったんですねぇ。


さて次回更新では、今回の”セットリスト予想”シリーズに臨むにあたって秘かに目指していたある目標・・・それが達成の運びとなります。まぁ特に大したことではないんですが・・・。
予想としてはまた「星2つ」になるかなぁ。

次回更新が終わったら、その次は『Pray』大宮公演のレポ執筆が控えています。
タイガース・ナンバーの考察とジュリーのソロ・ツアー・レポートの同時進行は、切り替えもなかなかに大変。

ともかく全力で頑張るのみです!

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2013年10月 4日 (金)

ザ・タイガース 「君を許す」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1969、single
セットリスト的中自信度 ★☆☆☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

from『JULIE』、1969

Julie1

1. 君を許す
2. ビロードの風
3. 誰もとめはしない
4. 愛のプレリュード
5. 光と花の思い出
6. バラを捨てて
7. 君をさがして
8. 未知の友へ
9. ひとりぼっちのバラード
10. 雨の日の出来事
11. マイ・ラヴ
12. 愛の世界のために

---------------------


セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

---------------------

みなさま、ジュリーのお正月LIVEチケットの申し込みはお済みですか?締め切り日(音楽劇のチケットとは期日が異なっています)が迫っていますよ~。

僕は悩みまくった結果、カミさんと共に初日のみを申し込みました。どうしても第2希望を千秋楽しか選べなくて・・・。中日渋谷が日程的に無理、遠征は経済的にキツいものですから。
とにかく僕は、会場の誰一人セットリストを知らない状態で幕を開ける「ツアー初日」に何としても行きたい派なのですよ。
無事に初日が当選したら、最後方の壁際席だろうがもうそれで大感謝・大満足。落選した場合は、もちろん第2希望の会場には参加しますが、あきらめきれずに初日のチケットを探しまくるだろうなぁ。

みなさまも、締め切り日をお忘れなきよう・・・。

さて、拙ブログでは現在、ザ・タイガース再結成のセットリスト予想シリーズということで更新を続けておりますが・・・今回は「これはさすがにやらないだろう」という、個人的に予想的中自信度「星1つ」しかつけられない曲を採り上げます。

ジュリーのソロLIVEと違い、タイガースのセットリスト予想については僕の的中自信度もそれなりに信憑性・・・と言いますか、先輩方もある程度は「まぁ、そうだよね」と賛同してくださることかと思います。
2011年の老虎ツアー・セットリスト予想の時も、「星5つ」とした曲はすべて採り上げられ、「星2つ」「星1つ」とした曲はセットリスト入りを見送られました。

ただ・・・2011年、予想記事を書いていなかった「割れた地球」(すぐ後に、ピーのドラムスをはじめとする演奏の素晴らしさをお伝えしたくて、ツアーが終わるのを待てずに”セットリストを振り返る”シリーズにて執筆しました)のことを考えますとね・・・。
僕はおそらく「割れた地球」の記事を老虎ツアー前に書いていたとしたら、セトリ入り自信度「星1つ」の最下評価に止めていたと思います。
3・11のことがありましたからね。歌詞の内容から「まさか」と思っていました。
ところがジュリーはこの曲を、「怒りの鐘を鳴らせ」と繋げるという大納得の曲順で採り上げ、僕の浅い考えを一蹴したのでした。

ですからいくら僕が今回「星1つ」の予想をしても、曲によっては全然違う予想をしている先輩方もいらっしゃるでしょうし、やっぱりね、今回の年末のセットリストにも「おお~っ!」とお客さんを驚かせるサプライズ的なナンバーを1、2曲は期待したいところ。
この先も僕は「星1つ」「星2つ」の曲を書いていくつもりですが、みなさま是非そんな期待感を持ちつつお読み頂ければ、と・・・。

ということで今日のお題は、タイガース・ナンバーとして渋い輝きを放ち、この曲を特に好きだと仰る先輩方もいらっしゃる・・・しかし事実上はジュリーのソロ・ナンバーと言って差し支えない、微妙な位置にあるシングル曲です。
例によりまして、考察文よりもお宝資料のご紹介がメインのような記事が続きますが・・・。「君を許す」、僭越ながら伝授です!

この曲は、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と両A面扱いでタイガースのシングルとしてリリースされつつ、ジュリーのファースト・アルバム『JULIE』の冒頭1曲目という、ジュリーのソロとしても重要な位置づけにある珍しいナンバーですね。

アルバム『JULIE』の収録曲で言うと、3曲目の「誰もとめはしない」もタイガース・ヴァージョンが存在します。
しかしこちらが、シローのコーラスをフィーチャーし、演奏、アレンジもジュリーのアルバム収録ヴァージョンとは大きく異なっているのに対し(ただし演奏者は同一のようです)、「君を許す」の方はじっくり聴き比べると・・・これ、トラック自体も同じのようですね(マスタリングは微妙に違うようですが)。
つまり「君を許す」は、ジュリー以外のタイガースのメンバーがレコーディングにまったく噛んでいない曲、ということになりそうです。

今でこそシングル盤としては「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の方がA面色が強く、特に僕のような後追いでタイガースを勉強していったファンは、『シングル・コレクション』の曲順から、普通に「ラヴ・ラヴ・ラヴ」をA面、「君を許す」をB面とまずは認識してしまうのです。
(同様の理由で、「銀河のロマンス」がA面、「花の首飾り」がB面という認識もあります。でもこれは結局その認識で正しいのかな?)

しかし色々と当時のことを勉強していくと、当初レコード会社はこの”ジュリーのソロ”である「君を許す」の方をシングルA面とすることで、リリース企画を推し進めていたらしいことが分かってきました。
その点についての参考資料としまして、Mママ様からお預かりしている雑誌記事切り抜きをここでご紹介したいと思います。
メンバーそれぞれの活動が多極化してきた時期の、タイガースへの質問形式のインタビュー記事。参照して頂きたいのはジュリーへの質問の項ですが、せっかくの機会ですからメンバー全員の項も網羅して添付しておきますね。

(註:画像中の黄色い部分は僕が貼った付箋です。当時の雑誌は投稿読者の本名、住所などが普通に掲載されてしまっていますから、付箋でそれらの部分を伏せてスキャンしております)

Forgiveyou2

Forgiveyou3

Forgiveyou4

サリー、本当にマージャンが強かったみたいですね。
今でも卓を囲むことがあったりするのかな。『ドクターK』での、「ロンじゃ~ん♪ 中(チュン)ドラドラじゃ~ん♪」というセリフのシーンは最高でした・・・。

で、ジュリーの言葉・・・ちょっと困っているようなニュアンスを感じなくもないですが、基本的に「ジュリーらしい前向き」な発言で、『ジュリー祭り』以降に「ジュリーらしさ」を知っていった後追いファンから見ても、違和感の無い受け答えだなぁと思いました。
アルバム『ジュリー』についてのジュリーの心構えや「むずかしい感じ」という独特の表現などについては、この先執筆する別のアルバム曲のお題記事に考察を譲るとしまして、”次のタイガースのシングル”について・・・ジュリーはハッキリと、A面「君を許す」、B面「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と位置づけていますね。そういうふうに会社から話を聞いていたのでしょう。

「A面はぼくのソロ」はジュリーのニュアンス的にはあくまでリード・ヴォーカリストとして、ということで・・・ジュリーに何より「ザ・タイガース」としての自分、タイガースあっての自分に強い思いがあることは、言葉の端々から窺えます。
ソロ・デビューにあたっての複雑な思いも当時はあったのかな。PYG期になるとその辺りのニュアンスが変わってきて、1971年末の日生リサイタル以降は、「バンドとソロの両立」への積極的な言葉も多くなってくるんですけど・・・。

いずれにせよ、「君を許す」は”タイガース・サウンド”からは逸脱している印象を受けるナンバーです。
同じ「歌謡曲寄り」のメロディーを擁するシングル曲として「嘆き」が挙げられますが、こちらは演奏面・・・特にベースやドラムスにロック的なグルーブがあります。「君を許す」はその点おとなしめですよね。左サイドにミックスされているトランペットなどは、いかにも「歌謡曲的」なアレンジになっています(もちろん、それが悪いというわけではありません)。
正直、僕はタイガースがこの曲を演奏しているシーンをイメージすると、CD音源との乖離を生じてしまいます。
「ただよう小舟」でトッポが「どこへゆく~♪」とサビメロを歌う部分のような演奏を妄想しちゃうんですよね~。

しかしながら、「君を許す」という楽曲自体はとても素晴らしい作品です。
確かに「ロック」とは言えないかも知れないけれど

やっと捜した 白い指より
Cm               Fm

その心がほしいのに
Cm                 Fm

愛が欲しいの   に
G7            Bdim   Cm

のキメ部でのジュリーのヴォーカルには、後に完全覚醒する3連符の「ロッカ・バラード」スタイルが見てとれますし、何よりこの曲、タイトルがまずカッコイイじゃないですか。「君を許す」ですよ!

『JULIE』収録全12曲は、安井かずみさん作詞・村井邦彦さん作曲で統一され、ZUZUの詞はジュリーの言うようにすべて「愛」がテーマ(その意味では「誰もとめはしない」1曲だけが異端のように思えますが、タイガース・ヴァージョンとの比較も含め、いずれキチンとその辺りについてお題曲記事の際に語ります)となっています。
ただ、「愛」がテーマと言ってもそれは「愛の素晴らしさ」ばかりではなく、曲によっては「愛の裏切り」について書かれた歌詞のインパクトもまた強く、「君を許す」はその中でも強烈な1編と言えるのではないでしょうか。だからこそZUZUの「君を許す」というタイトルや歌詞アプローチのセンスが光るのです。

村井さんの作曲は、「シングル」を意識してメロディーを練っているように思えます。ただ、ベクトルは「ジュリーのソロ」を向いている感じですけど。
この辺りは、アルバム『JULIE』からシングル・カット曲が無いということ、代わりにタイガース・ナンバーとしてのシングル・リリースに企画がシフトしていった経緯を想像させられますね。

さて、少し前まで僕の手元には、この「君を許す」のスコアとして、長崎の先輩からお借りしている『沢田研二のすべて』収載のの1種しか持っていませんでした。



Forgiveyou1

ハ短調の曲をイ短調に移調しているのは、「やさしく弾ける」というコンセプトでしょう。
このスコア集・・・「君を許す」の採譜については、他の収載曲と比較すると音的に怪しい箇所は少ないとはいえ、これは完全に超・初心者専用。
弾き語って一人悦に入るためには、これを叩き台として自力で細部の和音構成を煮詰めていかなければなりません。そのぶん考察にも時間がかかります。

しかし今夏、Mママ様からお預かりした大量のお宝資料の中から、おそらく雑誌の切り抜きでしょうか・・・「君を許す」の素晴らしいスコアを発掘したのです。


Forgiveyou6

2箇所ほど「Fm」であるべきところがが「Em」と表記されてしまっていますが(添付画像の中にも1箇所あります)、これは採譜ミスではなく、活字誤植。「F」が「E」に化けるパターンの誤植は、この時代のスコアにはとても多いのです。やむを得ないところですね。
何と言っても、当時のスコアとしては珍しく、ディミニッシュ・コードやナインス・コードを丁寧に拾った採譜は大変勉強になりました。
Mママ様、よくぞ保管されていらっしゃいました。まぁ、Mママ様が大切にとっておかれたのはスコアではなく、この切り抜きと裏表になっている、こちらのショットでございましょうが・・・。


Forgiveyou5

ジュリーの天性の「陽」の表情や、はちきれんばかりの躍動感、観る者を引き込む力から考えれば、「君を許す」よりは「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の方がやはり当時はしっくりきますか。その魅力は「イコール・ザ・タイガース」ということでもあったのでしょう。
ただ、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」と同時期にジュリーが「ソロなりの」歌い方を模索していたことを踏まえて、新規ファンは「君を許す」という曲の存在意義、個性、輝きを見逃してはいけませんね・・・。

それでは、ダメ押しオマケです!
今回もたくさん貼りますよ~。
ジュリーが現在、『Pray』ツアーで北海道を旅しているのにあやかりまして、お題曲とは時期が異なりますが、前期タイガースが公演遠征で北海道を訪れていた時の、貴重なショットの数々をどうぞ。
(こちらはP様所有のお宝資料となります)

Hokkaido14

Hokkaido13

Hokkaido02

Hokkaido05

Hokkaido06

Hokkaido04

Hokkaido07

Hokkaido11

Hokkaido10


ジュリーとトッポは歌のはなしをしたり
サリーとタローは、ひとつの袋からお菓子を食べたり
ピーは雲とはなしをしたり…
青空の下で、草原の上で、タイガースのメンバーは1週間の北海道の公演旅行を、有意義にすごしました
(原文まま)

とのことで・・・いやぁ、楽しそうですよね~、ザ・タイガースin北海道。

って・・・え?
「ジュリーとトッポは歌のはなしをしたり」・・・ですと?
な、なんでこの二人がペアになってるの?

ということで最後に、僕が初めて見た瞬間に、思わず座っていた椅子からすべり落ちそうになったショットをご紹介して、〆にしたいと思います。
こちら↓

Hokkaido12

なんですか、この・・・


「小学校の同じクラスの男の子と女の子が、いつもケンカばかりしているけど本当はお互い好き合っていて、運動会のフォークダンスでペアを組むことになって、つまんなそうな顔をしているけど心の中ではときめくまくりながら腕を互いの腰に回してぎこちなく歩いてる、の図」

みたいな感じの衝撃のショットは!(全然違)
この構図をリクエストしたスタッフ、カメラマンさんGJ!ですが、2人とも完全に顔がひきつってるなぁ・・・。

ともあれ、このショットから40数年が経ちました。
2人は今度こそ仲良く歌の話をしています・・・よね?


それでは次回更新は・・・すみません、「星1つ」予想のお題が続きます。
「ザ・タイガース、隠れた名曲多過ぎ!」ということで・・・厳密にはセットリスト予想記事とは言い難いですが、また頑張って書きます~。

| | コメント (6) | トラックバック (0)

2013年9月30日 (月)

ザ・タイガース 「光ある世界」

from『ヒューマン・ルネッサンス』、1968
セットリスト的中自信度★★★★☆


Human

1. 光ある世界
2. 生命のカンタータ
3. 730日目の朝
4. 青い鳥
5. 緑の丘
6. リラの祭り
7. 帆のない小舟
8. 朝に別れのほほえみを
9. 忘れかけた子守唄
10. 雨のレクイエム
11. 割れた地球
12. 廃虚の鳩

--------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

--------------------

ジュリーの2014年前半のインフォメーションも到着し、お正月LIVEに音楽劇(演奏が柴山さんのギターとあらば、これは僕も行かずばなるまい!)のチケット申し込み、さらにはザ・タイガース貴重映像DVDも発売されるとあって、みなさまにおかれましては、まず銀行口座の残高を確認していらっしゃることかと・・・。
え、僕だけですか?


まだ年末のザ・タイガース再結成のチケットも手にしていない状態で、続々と届けられるその先々のジュリーの公演予定。
まさに嬉しい悲鳴・・・本当にファン冥利に尽きます。有り難いことです。

さて。
『先日の『オールナイトニッポン・ゴールド』は本当にファンを安心させてくれたと言うか・・・特に僕のような後追いかつ頭でっかちな考え方の者を、穏やかな境地に誘ってくれました。それほど、5人の醸し出す雰囲気が何とも言えず良かった・・・。

思えば、2011~2012年の老虎ツアー・ファイナル武道館公演のプロモーション的な感じでNHK『songs』が放映される、と聞いた時、僕は「対一般世間」というのを意識し過ぎていて、「美しき愛の掟で一般視聴者のド肝を抜くべきだ!」などと浅いことを考えました。
しかし番組のトリで演奏されたのは「誓いの明日」。その素晴らしかったこと。
「僕たち、こんな雰囲気で今やってるよ」ということが、何のてらいも力みもなく伝わってきた・・・今回の『オールナイトニッポン・ゴールド』も、僕にはその時の「誓いの明日」と同じように感じられました。

メンバーに気を遣いながらも、司会の仕事を楽しく、優しく、自然体で全うしたジュリー。
しっかりと足が地に着いた感じで、的確にポイントを突いて他メンバーへの質問を展開していったサリー。

さらに、僕の中学生時代の記憶にある『オールナイトニッポン』という番組のイメージを一手に引き受け喚起させてくれた、ヤンチャなピー先生。
ダジャレはともかく、「日中を股にかけた」話の際に突如飛び出した下ネタにメンバー一同が凍りつく雰囲気がヒシヒシと伝わってきて(笑)、「あぁ、オールナイトニッポンっぽいなぁ」と思い、爆笑しながら聞いていました。

そして・・・これはほとんどその後ファンのみなさまの間で話題に上ってないけど、トッポとタローが、僕がトッポのソロ・ナンバーの中で抜きんでて好きな曲「ひとり」(作詞・トッポ、作曲・タロー。トッポのセカンド・ソロ・アルバム収録)の話を少ししてくれたんですよね・・・。
タイガース解散後に、タローが作曲依頼を受けたという流れだった、とか。
僕、これまで「ひとり」について「タイガース幻のセカンド・レコーディング・アルバムのアウトテイクじゃないか」とこのブログ書いてきたことがありましたが、それは違いました。
でも、まさか「ひとり」の制作秘話まで聞けると思っていなかったから、とても得した気分でしたよ~。

ともあれ、ラジオで5人の声を聞き、年末のザ・タイガース再結成が現実味を帯びて、一層楽しみになってきましたね!
ジュリーのソロ・コンサート・・・『Pray』ツアーもいよいよ佳境に入ろうとしておりますが、拙ブログではひと足早く、ザ・タイガース再結成ステージのセットリスト予想シリーズを開始しています。
今日はその第4回。

お題に採り上げるのは、多くの先輩方の間でとても人気の高いナンバー。
先日お会いした先輩も「今年はやるでしょ!」と力強く予想していらしたので、的中自信度を当初の予定「星3つ」からワンランク格上げしまして、「星4つ」の”予習必須曲”として、貴重なオマケ画像も文中にたっぷりと交えつつ、お届けいたします。
「光ある世界」、僭越ながら伝授!

僕は今、これまでの予想記事で”演奏形態”という点にこだわり過ぎてたかもしれないなぁ、としみじみ考えているところです。
いや、『オールナイトニッポン・ゴールド』を聞いてね。ザ・タイガースの再結成コンサートに参加できる、という歓び・・・ファンとしてその基本の気持ちに立ち返ったと言いますか。
もう、これは演奏できるのかとかアレンジが厳しいんじゃないかとか、そんなことを考えるのはナンセンス・・・まぁ当然現実問題として演奏はできなくちゃ、なんだけど、そこを理詰めで考えてセトリ予想自信度に反映させるのはやめよう、と。
僕とて若輩とは言えタイガース・ファンなのですから、オリジナルメンバーの5人が、あのラジオの感じで再結成本番ステージに向けて胸ときめかせているなら、それでもう無心にその日を待つべきなんじゃないか、とね・・・そう思った次第です。

ですから、全っ然オリジナル・メンバー5人の演奏でどんなアレンジにするのか想像がつかない、メチャクチャに難易度が高いような気がする「光ある世界」も、「星4つ」での予想。
だってこの曲、ファンが聴きたい、そしてザ・タイガースのメンバー自身が「やりたい」と自然に考える曲だと思いますから。
あとは、他の曲との兼ね合いですかね。

では、この曲にまつわるエピソードと言えば・・・。
もう随分前の話のようにも感じますが、『Pray』静岡公演でのMCで、ジュリーがご当地ネタとして
「タイガース時代に富士山に登って歌ったことがある。あれは、途中から馬に乗って行くんです」
と話してくれたそうですね。

Img952

Img949

19680916fuji9

19680916fuji10

19680916fuji11

19680916fuji12


リハーサルシーン、ジュリー=Mママ様所有資料
サリー、トッポ、ピー、タロー=P様所有資料


その富士山
で歌われた数曲の中で、リリース間もない「光ある世界」は大きくフィーチャーされていたのだそうです。
そりゃそうですよね・・・何せ富士山ですから。「ご来光」ということですよ!


とにかくその楽曲世界のスケールの大きさは、すべてのタイガース・ナンバーの中でも抜きん出ているように感じます。
「光ある世界」・・・それは、時間も空間も無いまったくの「虚無」に、ひとすじの光が射し、誕生した真っ白な世界のこと。
それがいつしか「あなた」と「僕」に投影され、「人類の誕生」「愛の始まり」・・・「光=愛」というテーマに繋がっていくのではないでしょうか。

Fuji001_2


P様所有資料

星なき夜 に あなたと逢って
Em     A   Em       D         Em

星なき道 に 愛の光が
   Em  A   Em     D    Em

『ヒューマン・ルネッサンス』は完璧なコンセプト・アルバムで、世界の始まり(「光ある世界」)から終わり(「廃虚の鳩」)までを描いています。
世界を終末たらしめるのは、「悪いことを覚えすぎた」愚かな人間たち。しかし「廃虚の鳩」では、空を飛ぶ一羽の真白い鳩にひとすじの希望が託され、また新たに世界は甦ります。
「鳩」は”希望”という名の「光」の化身。
つまり『ヒューマン・ルネッサンス』は、ラスト収録の「廃虚の鳩」から1曲目収録の「光ある世界」に再び物語が繋がっていく、”オービタル・ピリオド”構成になっているのです。
なかにし礼さんと山上路夫さん・・・違う作詞家による作品がここまで見事にひとつの物語に纏まる素晴らしさ。『廃虚の鳩』のシングル盤をお持ちだったタイムリーなファンのみなさまは、自然に「廃虚の鳩」→「光ある世界」の流れも身体に染み込ませていらしたでしょう。

アルバム全体では、特に山上さん作の「朝に別れのほほえみを」から、なかにしさん作の「忘れかけた子守唄」への流れで、リスナーは自然に「あぁ、物語は曲順の通りに繋がっているんだな」と気がつくことができます。
「コンセプト・アルバム」と言うとなんだか難解で敷居が高いようですが、タイガースのこのアルバムはポップで分かり易い・・・深いテーマでありながらも際立つ明快さ。それこそが『ヒューマン・ルネッサンス』最大の魅力であり、タイガースがこうしたテーマの作品をリリースすることの意義でもあったのだ、と僕は考えます。

さらに。
ポップで美しく、耳当たりの良い曲が実は非常に高度で凝った構成を持つ・・・正にそんなアルバムのテーマ性同様の懐の深さを1曲で表しているのが、この「光ある世界」です。
何の違和感もなくス~ッと聴き込めるこの曲、いざ紐解いてみますと・・・いやぁ斬新な和音進行とアレンジに驚くばかり。
しかも、とてつもなく気品に満ちているんですね。

詩人・吉岡実さんの研究家でいらっしゃる小林一郎さん執筆のサイト、『吉岡実の詩の世界』の2011年8月付編集後記にて小林さんが、僕が自力で採譜できなかった「光ある世界」のイントロの和音について書いてくださっています。
光栄なことに、小林さんがそこで拙ブログをリンク紹介してくださっていたおかげで、僕は小林さんのサイトにお邪魔し、「光ある世界」のイントロ進行を知ることができました。

実は僕の手元には2種の「光ある世界」のスコアがあるのですが、そのいずれもがメロディー譜で、イントロの和音表記が割愛されているのですよ・・・。

Hikariarusekai_2


深夜放送ファン・別冊『沢田研二のすばらしい世界』
&『60年代グループ・サウンズ・ファイル』より


しかも歌メロ部のコード表記がメチャクチャ怪しい・・・当然、2冊ともてんでバラバラな採譜になってます。
逆に言えば、そのくらい「光ある世界」はコード進行が特殊な曲なんですよ。

小林さんがサイトで紹介してくださったイントロ(および間奏部)のコードは

Em→D7→C→Am→F7-5→Em

という驚愕の進行。
小林さんも仰っているように、まずこの曲がホール・レコーディングということで、和音の輪郭がぼやけている(無論、それが曲の魅力となっています)ためコード採譜が困難な上、イントロ部ではサリーのベースがずっと「ミ」の音を連続して弾いているので、厳密には「Em」以外の上記進行登場コードはすべて「onE」の分数表記となるべきところ。
ただ、すぎやま先生のオーケストレーション・アレンジが、いわゆる「ギター・コード」のニュアンスを超越していて、ロック畑の僕からすると相当に聴き取り辛い和音構成となっています。
小林さんも驚いていらした「F7-5」はもちろん、一見シンプルな進行で、言われてみれば「あぁ、そうか」と納得の「D7」あたりも、ギター片手に音源を流しながらの採譜作業だと実はかなり探し当てにくいのです。

オリジナル音源を改めて聴き直してみますと・・・間奏では鳴っていませんが、イントロでは左サイドにその進行でのギター・コードの演奏が確認できます。
「F7-5」は、1弦1フレット、2弦開放、3弦2フレット、4弦3フレットのローコードで弾いているように聴こえます。これはトッポかな、タローかな・・・。

和音が難解なのはイントロだけではありません。
例えばサビ部後半。手持ちのスコア2点でそれぞれ合わせてコードを弾いてみても、何か違う・・・ということで、この機会に自分なりの採譜を試みました。

あなた の  愛         を
      Em Em7  Em6 G11(onE)  Em

ぼくは はなしはしな    い
     F#7    Am    D#m7-5   B7

コードネームを明記していて自分で「ホントかよ!」と突っ込んでしまう(笑)ほどに斬新です。
ホ短調(Em)のスケールの曲の中に、「F#7」はまだしも、「D#m7-5」が出てくるのは相当に変則的なんですけど、合わせて弾くと僕はこれが一番しっくりきます。
ちなみに「G11onE」は、ローコードの「Em」に5弦1フレットの「C」音を足したフォーム(「Em7」→「Em6」に続いて、5弦のポジションが半音ずつ下がってくる感じ)で、「D#m7-5」は1弦~3弦が2フレット、4弦1フレットのフォームで弾いてみて!

でも、こんなふうに和音を紐解いてみると、シンセ・ストリングスのサポートを仰がずとも、トッポとタローのギター2本で充分「光ある世界」のアレンジ、演奏は可能だと思えてきました。どちらかがアルペジオを弾くと良いんじゃないかな。

何よりこの曲は、ジュリーの神々しいまでに澄みわたるヴォーカル、1番サリー、2番トッポの絶妙な裏メロのコーラス・・・トッポが加わったオリジナル・タイガースでそれが完璧に再現されるかと思うと、ワクワクしてきますよね。
是非、年末のセットリスト入りを!

それでは最後に、P様所有資料からダメ押しでオマケです!

Hikariarusekai

19680916fuji4

19680916fuji6

Fuji002


Fuji003


さて次回更新は、「星1つ」の曲を予定しています。
「星1つ」・・・つまり、再結成ステージでのセットリスト入りはちょっと考えられない曲ですが、この機会に少しでも多くのタイガース・ナンバーを書いておきたいですからね!

| | コメント (13) | トラックバック (0)

2013年9月22日 (日)

ザ・タイガース 「ルーキー・ルーキー」

from『ザ・タイガース・サウンズ・イン・コロシアム』
セットリスト的中自信度 ★★★★☆


Soundsincolosseum

disc-1
1. ホンキー・トンク・ウィメン
2. サティスファクション
3. スージーQ
4. アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー
5. ルート66!
6. ドック・オヴ・ザ・ベイ
7. ザ・ビージーズ・メドレー
8. ルーキー・ルーキー
9. コットン・フィールズ
10. 監獄ロック
11. トラベリン・バンド
12. ラレーニア
13. ホワッド・アイ・セイ
disc-2
1. 都会
2. ザ・タイガース・オリジナル・メドレー
3. スマイル・フォー・ミー
4. 散りゆく青春
5. 美しき愛の掟
6. 想い出を胸に
7. ヘイ・ジュテーム
8. エニーバディズ・アンサー
9. ハートブレイカー
10. 素晴しい旅行
11. 怒りの鐘を鳴らせ
12. ラヴ・ラヴ・ラヴ

----------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

----------------------

都心ではまだまだ暑さも続きますが、北の大地では既に数日前に初雪を観測しているそうですね。
秋の連休、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

拙ブログでは今回から再び、年末のザ・タイガース再結成に向けての”セットリスト予想”シリーズ記事に戻ります。
この9月22日に更新するということは・・・そう、今日の主役は当然ピー先生。67歳のお誕生日、おめでとうございます!
お祝いと感謝に代えまして、このめでたき日にピーのリード・ヴォーカル・ナンバーの記事を書かせて頂こうと思います。

ジュリーのトークショーやツアー各会場でのMCなどの情報によれば、年末のステージでピーは2曲を歌うことがほぼ決まっているとか・・・。
その2曲とは果たして・・・というのが今回のテーマです。
みなさまはどの曲を予想していらっしゃるでしょうか。
僕はこの点結構自信がありまして、「ヘンリー8世君」「ルーキー・ルーキー」の2曲で決まりではないか、と予想しているのです。

「ヘンリー8世君」については、かなり以前からジュリーが「ドラムは大丈夫」と話していたそうですから、これはもう星5つの鉄板。
残る1曲は「ジャスティン」を推すファンも多いとは思いますが、ジュリーの言う「5人だけで音を出す」という方針から吟味した時、僕の見立てでは「今回は難しいかな」と。
ここはひとつ、『サウンズ・イン・コロシアム』での素晴らしいパフォーマンスを踏まえ、「ルーキー・ルーキー」にセットリスト予想・的中自信度「星4つ」を奮発して、お題に採り上げてみたいと思います。
僭越ながら、伝授!

最初に白状しておきますと、僕はこの「ルーキー・ルーキー」のオリジナル・ヴァージョンについてはまったく語ることができません。タイガースのヴァージョンしか考察できていないのです。
なにせオリジナルを知ったのは2011年になってから。
ピーのファンサイトにお邪魔して、「ピーが歌った曲」のコンテンツからリンク先のPVを観たのが初めてでした。原曲、全然知らなかったんですよ(実は「ジャスティン」についても同様でした。ピーのファンサイトにお邪魔していなかったら、老虎ツアー初日までに曲を予習することは不可能だったと思います)。

ですからこの記事では、『サウンズ・イン・コロシアム』の音源・・・タイガースのカバー・ヴァージョンの「ルーキー・ルーキー」についてのみ採り上げて考察することになります。どうぞご了承くださいませ。

さて、みなさまはザ・タイガースのメンバーのうち、ジュリー以外でどのメンバーのリード・ヴォーカルがお好きですか?
(僕はジュリーファンですのでこういう表現になってしまい申し訳ありません)
それぞれに個性がありますね。

表現力・・・何より「歌」への適性ですとやはりトッポ。
音程や声質の総合力から見ると、シロー。
この二人は、ヴォーカルという役割ではザ・タイガースにおいて「ジュリーとの二枚看板」だったわけですから、当然名前が挙がるでしょう。

では、他メンバーにはどんな特性があるでしょうか。

サリーは、独特の低音をそのまま生かした「雨のレクイエム」のような曲もあれば、高音のニュアンスを持つファンキーな「ハーフ&ハーフ」のような曲もあり、カバー曲に限らずファンの支持も高いですね。
ジュリーもさかんに「いい声してるのに」と、サリーのヴォーカルを切望しているようです。

タローは基本的に「誰の声も邪魔しない」というコーラス特化型の声質ですが、いざリード・ヴォーカルでは、メンバー中最もメロディーへの英語の載せ方がスムーズ。
例えば2011~2012年の老虎ツアーで歌われた「ビコーズ」では、「because I love you♪」の「se」と「I」が、ブレスを挟んでいながらもキチンと繋がっている・・・そんな繊細さがあります。
当時のジュリー含め他メンバーは、英語曲で子音に母音をくっつけて歌ってしまう傾向がありますが、タローはその点自然です。おそらく、自ら好んで充分に聴き込んでいるナンバーを持ち歌に選んでいるからでしょう。

そしてピー。
みなさまのイメージは「底抜けに明るい、楽しい」という感じでしょうか。もちろんそれも大きな魅力としてありますが、見逃してならないのは、ピーのヴォーカルはLIVE適性に秀でている、ということです。

例えば、トッポやシローは音程や声の張り、表現について、LIVEよりもレコーディング音源でその真価を発揮しているように思えます。LIVE音源を聴くと、その実力に若干の乱れ(無論、些細なレベルですが)が生じるようです。
また、(老虎ツアーで僕も実際に生で聴けたからこそ言えますが)サリーやタローは、自身のリード・ヴォーカル曲に際し「恐縮ながら1曲歌わせてもらってます」といった謙遜の雰囲気を漂わせながら、丁寧な歌い方を心がけているのに対し、ピーには「俺の歌を聴けい!」という積極的なオーラがあります。
これはステージ上でのヴォーカリストにとってとても大切な適性で、そうしたオーラは周囲のメンバー(特に演奏において)に好影響をもたらし、曲のグルーヴ感が増します。老虎ツアーの「ジャスティン」の演奏が抜群に素晴らしかったのは、何よりピーの影響で他メンバーまでもが「はっちゃけた」状態になっていることが大きいのです。

そしてもう1点。
ピーのヴォーカル・・・「音程」という点のみについて考えると、どうやら曲との相性がハッキリしているようで。
ピーは元々歌は本職ではありませんから、どうしても「うつろいやすい」メロディーになることも多いです。でもね・・・僕はピーのヴォーカル曲をすべて聴いてはいないと思われますが、幾多聴いた中で言うなら、「ルーキー・ルーキー」の音程の良さは圧倒的です。
特にサビ部

Looky Looky (she's my brand new girl)
         G

Looky Looky (she's my brand new girl)
         D

のロングトーンや、ブレイクでの連続転調部

Long blond hair and pretty eyes so blue
F                                   C

Just the way she holds me in her arms
Cm                                 D7

でそれは顕著です。
ルックス同様、可愛らしく歌えるスタイルの曲に適性があるようですね。ピーはコミカルな発声を意識して歌う方が音を追い易い、ということでしょう。
楽しい時は歌おうよ」をこの発声で歌ったら、完成度がさらに高まりそう。

このピーの音程の適性に、僕は今回改めて『サウンズ・イン・コロシアム』をじっくり聴いて気づいたわけですが・・・。
トッポやシローについて先述したように、LIVEというのは生ならではの良さがある一方で、ヴォーカリストの音程に若干の乱れが生じるのが普通。ただ、ピーはその点に左右されることは無いようです。
これは実はジュリーも同じで、レコーディング音源では「少しフラットしているかな」という曲がLIVE音源だとピタ~ッ!と音程が合っていて、なおかつエモーショナルであるという・・・何度も言いますが、これ普通は逆なんですよ。
少なくとも「音程」についてはレコーディングの方がで出来が良いパターンが当然。こと、現代はね。ほら、太巻さんも言ってたでしょ?「今ならいくらでも修正できるけど」って(でも、鈴鹿さんのあのヴァージョンは現代技術をもってしても修正は不可能だと思う・・・「何テイクか録って、うまく歌えた箇所を繋ぎ合わせる」というのが基本作業ですからね)。
いずれにしろ、ピーが”LIVE向き”の歌い手であると僕は考えています。

こうしたことから推測すると、ピー自身は老虎ツアーでの「ジャスティン」に手応えを持っていて、年末にも今一度あのコール&レスポンスを、という思いはあるんじゃないかな。
何より、ステージ上で表現する立場の人にとって、あの「ジャスティン」の会場の盛り上がりは何物にも代えがたいほどの充実感があったでしょう。ピーが「今年もう一丁!」と考えたとしても、それはごく自然なこと。
ただ、「ジャスティン」は何せドラムスの難易度が高過ぎます。高速で、しかもアクセントが2拍目の裏にある・・・『Pray』ツアー終了から1ケ月でジュリーがドラムス演奏を仕上げてくるのは至難の技です。これはギターについても同様ですけどね。
コール&レスポンスに関しては、僕は「ホワッド・アイ・セイ」のジュリーに期待したいところです。

まぁ逆に言えば、曲によっては鉄人バンドのサポートを仰ぐ、というスタイルが決断されたとすれば(これについては記事の最後に僕の個人的な考えを記します)、「ルーキー・ルーキー」に代えて「ジャスティン」、もしくはピーが3曲歌う可能性も出てくるでしょうね。

ここで「ルーキー・ルーキー」の『サウンズ・イン・コロシアム』の音源に話を戻しますと・・・この曲のドラムスはテンポこそやや速めではありますが、素直なエイト・ビートで演奏は簡単です。「ヘンリー8世君」と比較しても技術的には相当易しいです。
ただ、演奏が易しいからといって『サウンズ・イン・コロシアム』でのジュリーがその分楽していたかと言うとさにあらず。
今回じっくり音源を聴いて驚いたのは、ジュリーのドラムスが意外や(すみませんすみません!)名演であったことです。

もちろんフィルのヴァリエーションや細かいテクニックについては、ピーとは比較になりません。
しかしみなさま、今一度『サウンズ・イン・コロシアム』を取り出し、「ルーキー・ルーキー」と、続く「コットン・フィールズ」2曲それぞれのドラムス演奏を聴き比べてみてください。
音の位置は同じですね。右サイド寄りのミックスになっていますから聴きとり易いですよね。
では、音の大きさはどうですか・・・?

そう、「ルーキー・ルーキー」の方が全然大きいんです。技術的にはピーにまったく及ばないものの、ジュリーのドラムスにはピー以上の「音圧」の魅力があるのですよ!

そしてそれは、ジュリーが「全力」で演奏に臨んでいることの証明でもあります。
実は僕はこれまで、「ジュリーのドラムス」はちょっと・・・と不安があったのですが、ここへきて俄然楽しみになってきました。
「ルーキー・ルーキー」でのジュリーは、「たかたっ、たかたか♪」という2拍のフィル・フレーズがお気に入りみたい。あと、ブレイク直前の「うん、ま~ま~、ぱぱ、うん、ま~ま~♪」の箇所ではフロアタムを思いっきり連打。是非、生で聴いてみたいものです。
タローのリフとサリーのベースの絡みも楽しいですしね~。

ちなみに、優しいJ先輩のご好意のおかげで僕は『サウンズ・イン・コロシアム』の映像についても観ることができています。
映像では、CDではカットされている、「ルーキー・ルーキー」演奏直前のジュリーとピーのMCが収録されていて・・・ずっとドラムセットで他メンバーより高い位置で演奏していたピーがジュリーに、お客さんでいっぱいになったコロシアムの壮観を尋ねられ、(一番遠いところのお客さんまで)「うん、見えた!」とはにかむようにして応えるシーンがあるんですよね。
(その直後、ジュリーはドラムセットに上がって、ピーが「見えた」というその光景を自分も見ることになるわけです)

ジュリーとピー・・・その時、それぞれの心中にはファンの窺い知れない複雑な思いというのは当然ながらあったのでしょう・・・言葉のやりとりにやっぱり多少の「寂しさ」が雰囲気として感じられる中、頑ななオーラを出していた(ように僕には見えます。うがち過ぎでしょうか)ピーが、一瞬見せたその時の笑顔。
何かを抑えて笑っているようにも感じられ、後追いファンの僕ですらグッとくるものがあります。

そんなことも踏まえ、年末には本当に底抜けに楽しい、心からピーのウキウキとしたヴォーカルにシンクロできる「ルーキー・ルーキー」が聴きたい、観たい・・・先輩方の中にもそう考えていらっしゃるかたは多いのではないでしょうか。
期待したいと思います!

最後に。
僕は参加していないので細かなニュアンスは分からないんですけど、『Pray』福岡公演のMCで、ジュリーが年末のバンド・アンサンブルについて少し話してくれたようです。
なんでも、タローがキーボードを担当せず、すべての曲をギター2本のアレンジで何とかしよう、という方向で話が進んでいるとか・・・。僕が先日「ジンジン・バンバン」の記事で書いたアンサンブル予想は、早くも崩れてしまいました~。

加えて、ギターについてはどうも個々の稽古が遅れ気味のようで、参加された先輩のお話では、「ジュリーは腹をくくった」感じらしい・・・。

僕には複雑な思いが残ります。
今日の記事を書いていて特に思うんですが、やっぱりオリジナル・メンバー5人の演奏に徹するなら、稽古充分の「ザ・タイガースの音」・・・その真髄を味わいたい、と考えるのです。

例えば、『サウンズ・イン・コロシアム』の「スペル・オン・ユー」や「美しき愛の掟」のタローのリード・ギター。
最高にシビれます。
「美しき愛の掟」については、「上手さ」で言えば老虎ツアーの柴山さんの方が上。しかし1970年のこのタローのギターは、「これがエキサイティングな”タイガースの音”なんだな、と思わせてくれる素晴らしい演奏です。何より、「寝る間を惜しんで稽古を積み重ねてきた」音であることが、ビンビンと伝わってくるギターなのです。
ジュリーは今回の再結成に向けて、「年輪が音に出る。それが良いんだ」と語っていますね。僕はそこに「稽古は音に出る」ということも加えたい・・・。

『サウンズ・イン・コロシアム』では、もちろんサリーのドラムスやピーのドラムスも素晴らしい。しかしこの時の「美しき愛の掟」は完全にタローのギターが支配している・・・それがジュリーのヴォーカルを煽りたて(ジュリーは本当に、自分が歌っている時のバンドの音に敏感。バンド次第で、楽曲世界の表現がとてつもなく高まるタイプのヴォーカリストなのです)、リフレイン部の一番最後の「とわに君だけを♪」でアドリブのシャウトが思わぬタイミングで繰り出されます。それを受けて今度はタロー自身の最高にカッコ良いエンディング・ソロへとバンド・グルーブが繋がっていきます。
これがザ・タイガースだ!というテイクです。

こうした素晴らしい相乗効果は、やはり各メンバーの充分な稽古と全力の志が生み出すものだと僕は思っています。
年末の再結成のステージでも僕はそこに期待していますが・・・もしも今回、どうしても充分な稽古の時間がとれないようであれば、「全曲5人の演奏」に固執せず、一部の曲はサポート・メンバーの参加を考えても良いんじゃないかなぁ・・・。
そうすれば、「白夜の騎士」「怒りの鐘を鳴らせ」や「十年ロマンス」、そして「ジャスティン」のセットリスト入りに大いに期待が持てますし。

まぁ、これは僕の個人的な考えですから・・・タイガースファンの先輩方におかれましては、反対意見も多くあるでしょう。それは承知しています。
第一、ジュリー達メンバーはもう既にアレンジ・アイデア針や演奏曲順まで固めているかもしれませんからね。
それに・・・結果として、この能書きばかりのヒヨッコのド肝を抜くようなステージを、5人だけで見せつけてくれることになるのかもしれません。
サポートの有無やアレンジについての僕の考えは、あくまで”セットリスト予想”最中の、「全然当たらない」戯言ということでここはひとつ・・・。

とにかく、僕がまだ記事を書いていないタイガース・ナンバーの中にもまだまだ「星3つ」「星4つ」の予想を立てられる曲が多くあることに、今はときめきまくっています。
「花の首飾り」以外で「星5つ」の曲も見つけましたから、このシリーズはそれで〆にしようと考えていますよ~。

それでは、恒例のオマケです!
まずは、Mママ様所有のお宝切抜きから、ジュリーとピーの若虎ショットをどうぞ~。

Img510


Img511

「PEA」って・・・。
まぁ確かにその綴りでも「ピー」とは読めますが。


続きまして、P様所有のお宝切り抜きです。
ピーの英語レッスン編!

Peeenglish1

Peeenglish2

Peeenglish3

Peeenglish4


といったところで。
次回更新は・・・すみません、ザ・タイガースのお題から1度だけ離れます。
「有言実行」をジュリーに学んだ僕としては、悔し涙をこらえてでも書かねばならない曲があるのです・・・。

| | コメント (11) | トラックバック (0)

2013年9月 4日 (水)

ザ・タイガース 「十年ロマンス」

from『THE TIGERS 1982』、1982
セットリスト的中自信度 ★★★☆☆

Tigers1982


1. 十年ロマンス
2. 新世界
3. 抱擁
4. 時が窓をあけて
5. めちゃめちゃ陽気なバンドのテーマ
6. 夢の街
7. 野バラの誓い
8. BA-BA-BANG
9. ライラ
10. 生きてることは素敵さ
11. LOOK UP IN THE SKY
12. 朝焼けのカンタータ

(「十年ロマンス」など同窓会ナンバーも含めて、年末のザ・タイガースLIVEの予習をしたい!という初心者のファンにおススメのベスト盤はこちら!)
『ザ・タイガース ゴールデン☆ベスト』

Tigersgolden

1. 僕のマリー
2. シーサイド・バウンド
3. モナリザの微笑
4. 君だけに愛を
5. 銀河のロマンス
6. 花の首飾り
7. シー・シー・シー
8. 廃虚の鳩
9. 青い鳥
10. 美しき愛の掟
11. 嘆き
12. スマイル・フォー・ミー
13. 君を許す
14. 都会
15. 素晴しい旅行
16. 誓いの明日
17. 十年ロマンス
18. 色つきの女でいてくれよ
19. 銀河旅行
20. ラヴ・ラヴ・ラヴ

----------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

----------------------

2013年末、ザ・タイガース再結成へ向けての”セットリスト予想”シリーズ。
まだ過去に記事を書いていない、という条件の限られたお題の中から「今回はやってくれるかも!」と考えられる曲達を探していく作業・・・いやぁ始めてみますとすごく楽しいです!

今日のテーマはズバリ、「同窓会ナンバーから採り上げられる可能性のある曲は?」というもの。
2011~2012年のツアーでは一応「色つきの女でいてくれよ」「朝焼けのカンタータ」の2曲を予想として書いたんですけど、これはまったく外れました。
考えてみればあの時は、トッポ不参加、ピーも帰ってきたばかり・・・という状況の中、同窓会ナンバーについてはメンバーそれぞれのセットリスト案として机上にすら挙がらなかったのかもしれません。

しかし今年は違います。
昨年のピーとタローの中野サンプラザジョイント・コンサートでは、アンコールの大トリに「色つきの女でいてくれよ」が抜擢され、駆けつけたファンを驚かせましたよね。
ピーが「色つきの女でいてくれよ」のドラムを叩いた!というのは多くのタイガース・ファンにとって大きなサプライズでした。その流れを受けて、僕は年末の「色つきの女でいてくれよ」のセットリスト入りには「★5つ」の大きな期待を持っています。
トッポやタローも自身のLIVEのレパートリーとして今でも大切にしている曲ですから、当然「今回もやろうよ!」という話になっているんじゃないかなぁ。

では、同窓会ナンバーの他の曲についてはどうでしょうか。
個人的にアルバム『THE TIGERS 1982』の中で、歌詞の内容やヴォーカル・バランスなどから考え、オリジナル・メンバー5人が揃った今こそ歌われるべき・・・今歌われてこそ真のタイガース・ナンバーとして完結するのではないか、と僕が考えている収録曲が3曲あります。

まず、あの気難しいイメージのあるトッポをして「昔の仲間とまたこうして再会して一緒に歌うのが本当に嬉しい」という驚くほど素直な、人生の奇跡の喜びに満ちた名曲「生きてることは素敵さ」。

さらに、あまりにも素晴らしい歌詞と、タロー渾身の直球バラード・・・ピーが不在だったがために、同窓会の時点では”タイガースとの再会”というそのテーマ性に完全に入り込めないファンがいたとしても、今ならば皆が涙なくしては聴けない、こちらも至高の名曲「朝焼けのカンタータ」。

そして・・・あの偉大なヴォーカリスト・ジュリーが生涯でただ1曲、「トッポと自分のツイン・ヴォーカル」を完全に意識して作曲に取り組んだと考えられる、同窓会第1弾シングルとしても有名な「十年ロマンス」です。
今日のお題はこの曲です。年末のセットリスト入りを期待されているファンも多いのではないでしょうか。
畏れながら、伝授!

先に挙げた「生きてることは素敵さ」「朝焼けのカンタータ」の2曲は、個人的には是非!と考えていますがさすがに今回もセットリスト入りは難しいでしょうか。
しかし「十年ロマンス」については・・・もしもジュリーが、セットリストのまとめ役であるタローに自身の希望する曲のリクエストをいくつか打診しているとすれば、必ずその中に加わっているはず。

まだ今回の再結成が公になっていない頃・・・ジュリーは”オリジナル・メンバー5人によるザ・タイガース復活”への自身のこだわりについて

かつみがいれば、「十年ロマンス」の高音も歌える

と、語ったことがあるんでしたよね。
かつて、それはまだ解散から10年という時期ではあったにせよ、ザ・タイガースへの思いを託し、当時開眼した短調のアップテンポ・ナンバーでの作曲に全身全霊で取り組んだ曲・・・ジュリーにとっては大切な1曲なのでしょう。
いずれにしても、ジュリーが「1曲の中で自分と対等にヴァースを分け合ってリード・ヴォーカルをとる」というコンセプトを自然に、違和感無く念頭に置けるのは、タイガース時代にそれを多々経験したことのある・・・ズバリ、トッポただ一人なのではないでしょうか。
今も昔も。
自作の「十年ロマンス」をオリジナル・メンバーのザ・タイガースで再び、というジュリーの思いは、ファンが想像している以上に強いのかもしれません。

同窓会では不参加だったピーも、中野公演での例があるように、他メンバーが望めばこの曲のドラムス演奏に否やは無いでしょう。
クラッシュ・シンバル連打やスネアのフィルを使ってのキメのフレーズが多い「十年ロマンス」のドラムス・アレンジは、ピーの「大きな動きを意識した」タイガース特化型の演奏スタイルにとても合っていると思います。

と、ここまで強い推しの要素を挙げていながら、冒頭にある通り、僕はこの「十年ロマンス」のセトリ入り予想を「★3つ」にとどめています。
何故か・・・それは、オリジナル・メンバー5人でこの曲を演奏した時の音というのが、どうにも頭に浮かびにくいからなのです。

同じ同窓会ナンバーであっても「色つきの女でいてくれよ」はそうでもないのですが、「十年ロマンス」という曲はいかにも”80年代の音”で練られた楽曲だと思います。
例えば、前回執筆した「ジンジン・バンバン」などは、演奏上の5人の立ち位置がハッキリしていて、オリジナル音源の再現を容易に想像できます。
一方、今回の「十年ロマンス」の楽器構成をもしステージで忠実に再現しようとした場合、どれくらいの人数が必要になってくるのか、ということから考えてみましょう。
ドラムスとベースにはまったく問題はありません。提議するのはギターとキーボードです。

まずギター。
「十年ロマンス」オリジナル音源のギター・トラックは、何と4トラックをも数えます。
元気よくガッシャンガッシャンとストロークする縁の下の力持ち、アコースティック・ギター。こちらはセンターにミックスされています。Aメロ部が聴き取り易いですよ。
右サイドには、バッキングのエレキ・ギター①。キメ部のカッティングで活躍。さらにサビではジュリーのリード・ヴォーカルを追いかけるような裏メロの単音も担当しています。
左サイドにバッキング・エレキ・ギター②。主にエイト・ビートのダウン・ピッキング連打でアップテンポの曲想を強調。弾く箇所と弾かない箇所のメリハリが、楽曲全体の抑揚に重要な役割を果たしています。
そしてセンターのリード・ギター。間奏以外では、ジュリーからトッポへのヴォーカル・リレーの受け渡し箇所で最重要のフィル・フレーズを弾きます。たった2小節ですがこれは素晴らしいギター・アレンジ。おそらく銀次兄さんのアイデアでしょう。音源での演奏は十中八九、柴山さん!

そしてキーボード。
オリジナル音源(すぎやま先生アレンジによるオーケストレーション)をキーボードで再現するには、2種の音色が必要です。
曲中ほぼ出ずっぱりのストリングス系の音と、Aメロに登場する木管系の音。Aメロでは2種の音の同時弾きも求められます。

纏めますと、「十年ロマンス」のオリジナル音源の楽器構成を再現するには、リード・ギターと右サイドのバッキングをどうにか一人で担うとしても、最低ギター3人(エレキ×2、アコギ)とキーボード1人が必要となるのです。
これを逆に言えば、鉄人バンドから柴山さんと泰輝さんであれ、スーパースターから速水さんと遠山さんであれ、今後急転、ギターとキーボードのサポートがもし発表されたとするなら、僕はためらいなく「十年ロマンス」に「★4つ」以上の期待を持つでしょう。

そこを敢えて5人で演奏するとすれば・・・やっぱりエレキ2本のスタイルになるでしょうか。
オリジナルとは聴こえ方がだいぶ違ってくるでしょうね。それはそれで聴いてみたい気持ちもあります。
イントロの「ミ~、レッレッレ、ミミミミミ♪」の箇所にはある程度の音圧が欠かせないと考えますが、Em→D→Emのローコードで強く弾けばギター2本だけでも何とかなりそう。

いずれにせよ「十年ロマンス」のセットリスト入りについては、最終的にはジュリーの判断と、他メンバー4人の積極的な賛同の有無に委ねられることになるのかな・・・。
忘れかけた子守唄」(今年の予想は鉄板「★5つ」!)と共に、ジュリー→トッポのヴォーカル・リレーが楽しめるこの曲、是非年末に生で聴いてみたいものですね。

さて、今回記事を書くにあたって、「かつみの高音」を前提にしてジュリーが作曲したトッポ・パートがどのくらいの高音域なのか、試しに歌ってみましたよ。

10years1

(参考資料・・・『明星』1982年3月号付録の『YOUNG SONG』)

月の光 浴びながら肌を見せた
D      Em      C          D       G

あの誓いの夜の
   D    Em

ヴィーナスに似たひとは 今
        C              D          Em

こ、これは・・・さすがトッポと言う他ないです。
「あの~誓いの夜の♪」あたりは、僕にはとてもロングトーンで歌うことなどできません。声、ヨレヨレ・・・いくら何でも高い音が続き過ぎです。
ちなみに最高音は「誓い」の「か」で高い「ラ」の音。歌ってて一番苦しい箇所じゃん!
トッポは本当にス~ッと、自然に歌っていますね。作曲者のジュリーも当時の歌入れの際には、「さすがかつみや!」と唸ったのではないでしょうか。

あと、ジュリーのパートの音域の広さにもビックリです。低い「シ」から高い「ソ」まで。
作曲家としてのジュリーは、自身のヴォーカリストとしての才をもって、知らず知らずに楽曲の難易度の高さに反映させているんですね・・・。

最後に。
「十年ロマンス」が年末に生で聴けることになったら・・・何としてもあの「Lの字」アクションには参加したいなぁ。
同窓会コンサートの映像で、お客さんがジュリーと一緒になってやっているのを観て「いいなぁ・・・」と思っていたんです。
でも、もし2011~2012年のツアーでこの曲がセットリスト入りしていたら、僕は参加することはできなかった・・・何故ならあの頃僕は酷い四十肩の最中で左肩を上げることができなかったですから。
そう、あの動きは左手でやらないと成立しません。

てのひらを傷つけあい
            Em        D

で、左手を上げて掌をヒラヒラ。

Lの字を書いたひとよ
        Em     D       Em

で、そのままクルリと手首を返して指で「L」の字を作る・・・この時、相手から見て正しい向きの「L」にするためには、左手でないとダメなんですよね。
2年前の夏の発症から1年ちょっとかかりましたか・・・当時は散々お騒がせしましたが、四十肩は今ではすっかり良くなりました
(その代わり今度は胆石が汗)

それでは、オマケです~!
今回は、前回記事でご紹介させて頂いたお二人の先輩とはまた別の先輩からお預かりしているお宝雑誌『毎日グラフ』1982年4月11日号から、同窓会タイガースのショットをどうぞ!

8241111

シロー、元気かなぁ・・・。
年末には、シローにも会えるのを楽しみにしていますよ!

824111_2

824114



続いてオマケのオマケ
十年ロマンスの十余年前のジュリーとトッポの若虎ショット。
(Mママ様所有の切り抜きより)

Tg003

Img243

(枠の擦れに注意して頂ければお分かりのように、この2枚の切り抜き写真は表裏になっています。
ジュリーファンの先輩が「ジュリーの写真」を大切に長期保管なされた恩恵(?)で、共に保管され続けていた若きトッポの貴重なショット・・・ザ・タイガースが再結成されようとしている今振り返ってこそ、心癒され思わずニコニコしてしまう次第です~)

次回更新はジュリーの『Pray』9・7渋谷公演のレポになりますが、レポを書き終えたら再び”ザ・タイガース再結成・セットリスト予想”シリーズのお題記事に戻ってきますね!

| | コメント (16) | トラックバック (0)

2013年8月30日 (金)

ザ・タイガース 「ジンジン・バンバン」

from『THE TIGERS SINGLE COLLECTION』
original released on 1968、single『青い鳥』B面
セットリスト的中自信度 ★★★☆☆


Tigerssingle

disc-1
1. 僕のマリー
2. こっちを向いて
3. シーサイド・バウンド
4. 星のプリンス
5. モナリザの微笑
6. 真赤なジャケット
7. 君だけに愛を
8. 落葉の物語
9. 銀河のロマンス
10. 花の首飾り
11. シー・シー・シー
12. 白夜の騎士
13. 廃虚の鳩
14. 光ある世界
15. 青い鳥
16. ジンジン・バンバン
disc-2
1. 美しき愛の掟
2. 風は知らない
3. 嘆き
4. はだしで
5. スマイル・フォー・ミー
6. 淋しい雨
7. ラヴ・ラヴ・ラヴ
8. 君を許す
9. 都会
10. 怒りの鐘を鳴らせ
11. 素晴しい旅行
12. 散りゆく青春
13. 誓いの明日
14. 出発のほかに何がある

----------------------

セットリスト的中自信度
5段階内訳

★★★★★・・・絶対やります!
★★★★☆・・・おそらくやると思います。これからタイガースの勉強を始めようという方々は、ここまでは予習必須です。
★★★☆☆・・・かなりの有力候補ではありますが、全体の曲数や演奏形態の特殊性などの事情により、オミットされる可能性もあるナンバー達です。
★★☆☆☆・・・個人的にやって欲しいと考えている、渋い選曲群です。セットリストのサプライズとして、密かに期待しています。
★☆☆☆☆・・・おそらくやりません。この機に僕が個人的に記事に書いておきたい、というナンバー達です。

----------------------

突然ですが。
拙ブログではひと足早く、年末のザ・タイガース再結成に向けて、一応”セットリスト予想”シリーズとしてタイガース・ナンバーの考察記事を書いていきたいと思います。
「気が早いんじゃない?」と仰るかたも多いでしょうが・・・いや、ちょっとこの先の年内のスケジュールを考えてみたのですよ。

ジュリーの『Pray』ツアーが進行中で、僕はあと2会場の参加予定。LIVEレポートを書いて、ツアーが終わったら”セットリストを振り返る”シリーズで2、3曲の考察記事も書きます。その時点でおそらく11月中旬から下旬。そこからザ・タイガース再結成に向けてタイガース・ナンバーを書いたとしても、初日武道館までに書けるのはせいぜい2曲ですよ。この状況は、一大メモリアル・イヤーとしては何とも勿体無い。
だったら、ジュリーのソロ・ツアーと並行して、その都度の切り替えはなかなか難しいけれど、今から少しずつ年末への楽しみを噛みしめつつ、タイガースの曲を書いていこうかな、と・・・。

それにジュリー自身が今、各ツアー会場で”タイガース再結成珍道中”な楽しい話題をMCで語ってくれているじゃないですか。ひょっとしたら近々にも、ジュリーのMCに感化されて突然
「このタイガース・ナンバーを書きたい!」
と思う曲が出てくるかもしれませんしね。

で・・・どうせなら今年も、2011年の老虎ツアー前のスタイルを踏襲して”セットリスト予想”シリーズとして書いてみたいと思います。
いやいや、実は僕、タイガースLIVEの”本命曲”ってもう過去にほとんど記事を書いてしまっていて、「これは鉄板予想!」と言える曲は1曲も残っていない(「花の首飾り」があるけど、こちらは以前からの宣言通り、実際にトッポのヴォーカルを生で体感した後に、2011~2012年でのジュリーのヴォーカルとの比較も含めて記事にしたいと考えています)ので、「これからタイガースの勉強を」という方にとってはあまり参考にならない”セトリ予想”にはなってしまいますが・・・。

まぁとにかく、ジュリーのソロについては『Pray』ツアーのLIVEレポートで、通常の楽曲考察記事についてはしばらくの間ザ・タイガースのナンバーを採り上げていく、という方向で頑張っていこうと思います。

まず今日は、年末セットリスト入りの可能性を「条件によっては充分あり得る」ランクの「星3つ」と判断した曲。
壮大なコンセプトと音楽性を持つ『ヒューマン・ルネッサンス』と同時期リリースで、音作りに当時独特のガレージ感やサイケデリック・アプローチを擁しながらも、初期タイガースの底抜けに明るいヤンチャなロックンロールの醍醐味をも併せ持つ名曲、「ジンジン・バンバン」を採り上げます。
畏れながら、伝授!

この曲は2011~2012年の老虎ツアーではセットリスト入りを見送られました。
でも僕はジュリーのソロLIVE、鉄人バンドの演奏で生で聴いたことはあります。2010年お正月の『歌門来福』で、「スマイル・フォー・ミー」「落葉の物語」と共に突如タイガース・ナンバーが3曲採り上げられたのでしたね。今思えばその年は、ジュリーwithザ・ワイルドワンズ結成が決まっていて、ジュリーを取り巻く話題はそちらに集中していましたが、ジュリーの中では「もう一度タイガースをやるんだ!」という決意、下ごしらえが着々と進められていたのでしょう。
ジュリーのセットリストには、数年先の活動指針も込められているんだ、と教えられたように感じます。

さて、みなさまご存知の通り「ジンジン・バンバン」には2つのヴァージョンがあります。
シングル『青い鳥』B面リリースのオリジナル・テイクと、映画『華やかなる招待』で使用されたブラス・ロックな別ヴァージョン。
「廃虚の鳩」同様、映画版のアレンジは劇中の設定とのシンクロ・アレンジを徹底させていて、オリジナルとは違ったカッコ良さが味わえます。

その映画ヴァージョン・・・劇中ではかなり重要かつ最高に楽しいシーンで使用されていますね。
騒動を起こして警察のご厄介になり、鑑別所に送りこまれたタイガースの面々。檻の中で「楽器が無いとボクらはなんにもできないや・・・」としょげかえっていますと、鑑別所の不良達を束ねる少年ボスがそれを聞きつけ
「楽器がなきゃ音楽はできないってのか!」
と一喝。
「見てろよ!」
と牢屋の壁にトランペット(サックスだったかも・・・)の落書きをして、それを使って演奏を始めてしまうという痛快なお手本を見せます。
勇気づけられパッと顔を輝かせるタイガースの5人。ボスに倣って各自思い思いの楽器を壁に落書きし・・・「ザ・タイガースwith不良少年ホーンズ」が突如結成!
牢内セッションが展開されます。
そのゴキゲンなシーンを担う曲こそが、「ジンジン・バンバン」。オリジナルの方もとても良いけれど・・・いやぁ、これは素晴らしいブラス・ロック・ナンバーへと変貌しています。

このシーンは後に、劇中でのジュリーの思い人であるヒロイン・瀬戸口久美子さん
(←僕的には役名の苗字も重要)を救うため、楽器を手放す決意をし裸一貫になってしまったタイガースのメンバーが
「あの時ボスが言ってたじゃないか。楽器がなくても音楽はできる、って」
と志を新たにするエンディング・シーンへの、重要な伏線となっています。

「楽器がなくても音楽はできる」・・・この名セリフからちょっと連想してしまったのですが、そこまでの究極状況ではないにせよ、つい先日のジュリーのLIVEで、普通のロック・コンサートならば公演の途中中止も当然と考えられるアクシデントが起こったのでしたね。
みなさまもご存知でしょう。高槻公演・・・落雷による、早急な復旧が見込めない停電。
しかし
「電気が無きゃ音楽はできないってのか!」
と、アンプラグドの「ヤマトより愛をこめて」で、キッチリとアンコールに応えてくれたというジュリーと鉄人バンド。
これはジュリーの志だけではどうにもならないことで、やっぱり鉄人バンドのジュリーから受ける信頼と実力、志も凄いってことですよ。もちろんジュリーの志は凄い!「こういうふうにしてやろう」と思いつくこと自体が凄いです。
体感できたみなさまが本当にうらやましい・・・お話を聞いて切実にそう思った次第でした。

・・・と、話が逸れました。
映画『華やかなる招待』の、「タイガースwith不良少年ホーンズ」セッション・シーン演出上での細かいこだわりは、この時タローが壁に落書きするのがギターではなく鍵盤楽器だということ・・・これは「ジンジン・バンバン」の音源トラック編成にキチンと合わせての脚本なんですよね。

そう、オリジナル・テイクの「ジンジン・バンバン」は、トッポの1トラック・ギターによるアレンジとなっています。
すべての演奏トラックを書き出しますと

・ドラムス
・ベース
・キーボード(オルガン系とキラキラ系の2種)
・リード・ギター
・マラカス

キーボードの2種は演奏箇所がハッキリ分かれていますから、タロー1人で演奏可能。ジュリーがマラカスを担当しさえすれば(さすがにそれはナイとは思いますが)、LIVEで完璧にオリジナル音源の再現が可能なナンバーなのです。
ベースとドラムスはともかくとして、ギターとキーボードは聴くイメージよりも演奏が全然簡単ですし(
小声←コラコラ)、年末のセットリスト候補にタローがこの曲を挙げていてもおかしくないと思います。
(いや、もちろん演奏が簡単だからと言って「物足りない」というわけでは決してありませんよ!ギターはビートルズの「バッド・ボーイ」をオマージュしたようなカッコ良さで、生のLIVEとなればトッポ独特のガレージ感溢れる熱演が期待できますし、オルガンの音色もサイケデリックで、ロックっぽいグル-ヴがイカしています)

加えて・・・これは先の老虎ツアーでサリーとピーの音を実際に聴いたから確信を持って言えることですが、「ジンジン・バンバン」のベースとドラムスは、二人の生演奏だとCD音源の数倍、メチャクチャにカッコイイと思います!
間違いなく、LIVE向きの曲ですね。

楽曲コンセプト自体は、詞も曲も「最初期」の彼等のノリを念頭に作られているような気がするなぁ。音は『ヒューマン・ルネッサンス』だけど、曲としては「シーサイド・バウンド」的な感じ。
アルバムのテーマ性が深かっただけに、シングルB面には純粋に躍動的なアイドル・ロックを敢えて配したように思えます。それこそ、”ラブリー・ジュリー”がまず第一にフィーチャーされている、とも言えますね。

すぎやま先生の曲想は、大きく分けてト長調とホ短調の2つの異なった曲が合体したような構成。
その繋ぎ目がカッコ良くて

ジンジンジンジン バンバンバンバン
G7        C7          G7        C7

ジンジン ジンジンジンジンジン
G7          C7                   B7

傘も持たずに 初めての
Em                    A7

デイトはしとしと雨の中
C         F        B      B7

ホ短調のドミナントである「B7」がとても効果的に使われています。
笑い声で演奏が途切れ、再びサビが帰ってくるアイデアも、「楽しいタイガース」のコンセプトに合っていますね。
この部分・・・『歌門来福』ではどんなふうにしてたっけなぁ、とずっと思い出そうとしているのですが、覚えていません。いや、「越後屋、おぬしもワルよのう!」とかは覚えていますよ。問題は、演奏がどんなふうに帰ってきたか、ということ。
オリジナル音源だと、左サイドのマラカスが合図になっているのですが・・・そこで普通にドラムスのフィル・インが採り入れられていたのかなぁ・・・。

もし年末に「ジンジン・バンバン」がセットリスト入りしたら、僕は今度こそその点に注目したいと思っています。

そうそう、あとね・・・この曲の混沌としたフェイド・アウト。その本当に最後の最後の方で、相当に高い音でハモるヤンチャな甲高い声が聴こえますが、あれってピーじゃありませんか?
トッポの声はずっと左サイドに振られているし、サリーやタローがあんな声は出さないような気がするんですよ。まぁ、僕の聴き込み違いかもしれませんけど。

最後に。
2011年夏と同じく、今回もタイガース・ナンバーの考察記事につきましては、楽しいオマケ画像を添付してその都度の更新の締めくくりとさせて頂きます。
今年のタイガース・シリーズでご紹介するのは、おもにお二人の先輩から授かったり、お借りしてスキャンさせて頂いた、後追いファンにとっては垂涎のお宝画像の数々。
お二方共に、少女時代にせっせと雑誌などを切り抜いていたものを40年の長きにわたり保管なされていたということで、その純真なタイガース愛こそが正に「お宝」と呼ぶにふさわしいのではないでしょうか。

まず、P先輩所有のお宝切り抜きから。


Jinjinbanban


(註:拙ブログでは、歌詞やスコアがすべて完全に見える形での画像添付を差し控えておりますので、半端なトコでトリミングしてあります。すみません・・・)

Jinjinbanban2


(註:「ジンジン・バンバン」の頃のショットです)

続きまして、Mママさん所有のお宝切り抜き。

Tg004


(註:ジュリーがトランペットを持っているので、「ジンジン・バンバン」の頃に撮ったショットなのかな?とヒヨッコは判断いたしましたが・・・実際のところどうなんでしょ?)

Img107

(註:ヒヨッコにはタイガースの前期なのか後期なのかすら判別できないショットなのですが、「ジンジン・バンバン」とは横縞の服繋がりということで!)


それではまた!
9月7日の『Pray』公演参加までに、もう1曲はタイガース・シリーズを書いておきたいけど・・・さてどうなりますか。

| | コメント (7) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧