瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!

2020年3月 6日 (金)

沢田研二 「透明な孔雀」

from『告白-CONFESSION-』、1987

Kokuhaku

1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN
4. STEPPIN' STONES
5. 明星 -Venus-
6. DEAR MY FATHER
7. 青春藪ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え

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ツアー後半のインフォ&申込用紙が届きましたね。

実は、以前に全体のスケジュールを知った段階で、オーラス渋谷3daysの
いずれかに音楽仲間を大勢誘う予定でいたのです。ところが、まさかの枚数制限!
ジュリー人気
を改めて痛感しますが・・・場合によっては参加者によって日にちを分けるなど何かしらの工夫が要りそう・・・とりあえず仲間に知らせてみます。

さて、そのツアー・タイトル
でもある今年の新譜『Help!Help!Help!Help!』のリリースも近づき日常への気合も入るところ、今日は『既に採譜を終えているジュリー・ナンバー』シリーズ第3弾として更新。
アルバム『告白-CONFESSION』から「透明な孔雀」を採り上げます。
よろしくお願い申し上げます。


『ジュリー祭り』で本格堕ち
した僕は凄まじい勢いで未聴のアルバムを大人買いしました。
廃盤のものも根気よく中古でゲッ
トしたりして猛勉強したわけですが、『架空のオペラ』と、いわゆる「CO-CoLO期3部作」についてはなかなか入手に至らず。音源だけは先輩方のご好意ですぐに聴けたものの、「正規の形で持っていない」引け目もあったのか、CO-CoLOの3枚はリピートする回数が少ない状況が続いていました。

数年前のリマスター再発以降はそんなこともなくなり
ましたが、「あまり頻繁には聴いていない」当時のことを今思えば、3枚の中で特にも好感を持っていたアルバムは『告白-CONFESSION』でした(現在は『TRUE BLUE』がメチャクチャ好きになっています)。
CO-CoLO期で一番聴き易い、とっつき易いイメージ・・・何
故そう感じたのかな?
『ジュリー祭り』で生体感した「明星」が収録されているというのもあった
だろうし、全10曲の収録バランスが好みだったというのもあるでしょう。でもやはり僕の世代にとってこのアルバムの音作りは、80年代中盤の怒涛のMTV時代を連想させてくれる・・・そこが根幹ではないかと思っています。
「後追い聴き」ならではの想いなんですけどね。

CO-CoLO期は洋楽だとAORに例えられることが多いようですが、残念ながら僕はあまりAORは詳しくなくて。
3枚それぞれ特徴がある中で『告白-CONFESSION-』は凄く洋楽MTV時代に近いエッセンスを持つアルバム、という気がしています。音の感触が、ティアーズ・フォー・フィアーズ、カーズといったあたりのシングル・ヒットMV映像を連想させるのです。
もちろんそれはCO-CoLO以外の邦楽バンド、アーティストが影響を受け80年代の音として確立させています。
ジュリーと縁の深い人だと、佐野元春さんや大沢誉志幸さんは僕もリアルタイムで聴くことがありましたから、そのイメージですね。
彼等がジュリーと関わったエキゾティクス期はさほどでもないのに、CO-CoLOになって一気にそれっぽくなった、というのが面白いなぁと思います。
そう言えば「青春藪ん中」のキーボード・フレーズがヴァン・ヘイレン「ジャンプ」(84年)へのオマージュだったりして、『告白-CONFESSION-』の場合は、ニューヨーク録音からくる洋楽テイストという要素は大きかったのかもしれません。

さて、記事お題の「透明な孔雀」。
個人的にはアルバムの中で一番好きな曲です。竹内正彦さんの作曲は正に「アルバム提供、この1曲!」で、入魂度の高いポップなナンバー。

So surprised 君が遠すぎて
A                     Dmaj7

I'm so sad 声も届かない
A                  Dmaj7

この世の悩みは生きがい
A              Dmaj7

昔  話  みたいだね ♪
Bm7   E7      A

76年の「夕なぎ」事件(?)から約10年が経ち、当時は「ロック」とはまだ縁遠く「歌謡曲寄り」のイメージだった「maj7(メジャーセブン)」というコードが、こんなにも尖ったロック・ナンバーと融合するまでになりました。
ロックの進歩は本当に速いですね。

「透明な孔雀」は、ジュリーの詞がさらに素晴らしい。
ただし僕がこの詞の魅力に格別に惹かれたのは、近年のジュリーの『PRAY FOR JAPAN』作品群との比較に気がついてからです。

2012年『3月8日の雲』以後のジュリーの創作姿勢、特に作詞について「CO-CoLO期」と比較されている先輩は僕の周囲にも多いですし、僕自身もそうです。
どうしてそうしてしまうのか・・・ひとつには、ジュリー独特の「彼岸」「此岸」についての考え方、思弁性が挙げられるのではないでしょうか。
もちろん同じ題材でも現在のジュリーのアプローチはCO-CoLO期とは異なりますが、独特のフレーズ選択でメロディーに載せてくる作詞センスは不変です。

「透明な孔雀」でジュリーは、「この世」では遠い存在であり結ばれ得ぬ「マイ・エンジェル」に
「それなら僕を黄泉の国に連れていってくれ」
と歌うわけです。突き抜けていますよね。
何より、ビート・ロックには一見不釣合いな「黄泉の国」「来世」などというフレーズがこうも心地良いとは・・・やはりヴォーカルの実力が為せるところなのかな。

『告白-CONFESSION-』は、そんなジュリーのヴォーカルをとっても異色の1枚と言えます。当時流行した「英語的な日本語」発音を採りいれた曲が目立つのです。
ラ行で舌を巻き、さらには「たちつてと」が「つぁ、つぃ、つ、つぇ、つぉ」に近くなるという。ただ「透明な孔雀」ではそんな発声パターンも極力抑えられ、ジュリーはとても自然に歌っているように聴こえます。
「ウマが合う」メロディーだったのではないでしょうか。

「透明な孔雀」と歌詞中で讃えられる魅惑的女性のモデルについて、僕自身は明快に把握はできていないのですが、山口小夜子さんの『パンドラの箱』パンフレットにジュリーのこの詞の寄稿があったのだとか(keinatumeg様の記事で知りました)。

ずいぶん遅れてきたジュリーファンである僕は、様々なロックのキーパーソンや時代の申し子のような人物が、過去に何らかの形でジュリーと結びついていたことを「そうだったのか!」と驚きをもって知るケースが多く、レコード時代から集めていたスティーリー・ダンのアルバム・ジャケットに登場している山口さん(名盤『Aja~彩(エイジャ)』)も、そんなお1人です。
亡くなられてから、もう10年以上経つのですね・・・。


それでは、オマケです!
87年のジュリーのショットを数枚どうぞ~。

Keeponrunning06 

Keeponrunning10 

Keeponrunning13 

以上、『Keep On Running』パンフレットより


Fukyou603

Fukyou604

Fukyou625

以上、『不協和音 Vol.6』より

Anzuchi03 
Anzuchi08 

以上、『ANZUCHI』パンフレットより

メガネスーパーさんのCMは、「ジュリー」ではなく「沢田さん」と表記しているのがなかなか興味深いです。
ターゲットを働く中高年とする工夫だったのかな。


それでは次回更新から、ジュリーの新譜『Help!Help!Help!Help!』収録2曲の考察記事に取り組みます。
今年はどんな曲で、僕らに何を考えさせてくれるのでしょうか。楽しみです!

そうそう、関東圏では「ジュリーの新譜は毎年銀座山野楽器さんに直接買いに行っている」というファンのみなさまも多いかと思いますが、現在お店が改装中で例年とは様子が変わっており、CD売り場も従来とはフロアが異なります。
そんな状況下ですので、念のため在庫を問い合わせてからお出かけになることをお勧めします。

新型コロナウィルスのニュースが毎日続いています。
僕は「風邪ひいた~!」などと言いながら仕事をするのは日常茶飯事ですが、今そんなことをしたら例えただの風邪だとしても大顰蹙必至。
本当に気をつけなければ・・・。
皆様も充分ご注意ください。そして、5月にはすっかり収束していることを切に願います。

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2020年2月29日 (土)

沢田研二 「ボンヴォワヤージュ」

from 『JULIE SONG CALENDAR』、1983

Juliesongcalender 

1. 裏切り者と朝食を
2. ボンヴォワヤージュ
3. 目抜き通りの6月
4. ウィークエンド・サンバ
5. Sweet Surrender
6. CHI SEI(君は誰)
7. YOU'RE THE ONLY GIRL
8. ラスト・スパーク
9. 一人ぼっちのパーティー
10. SCANDAL !!
11. す・て・き・にかん違い
12. Free Free Night
13. BURNING SEXY SILENT NIGHT

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またまたお久しぶりです。
ようやく風邪が治りました。発症が1月20日頃で、完
治までひと月ほどかかった計算です。
発熱は数日だけでしたが咳だけがいつまでも残っ
て、今世間は新型ウィルスで大変な時期ということもあり、2月に半ばあたりからは周囲への気配りにも神経を尖らせる毎日でした。

僕のはただの風邪でしたが、新型ウィルスのニュース・・・本当に深刻な状況にな
っています。
楽しみにしていた新日本プロレスの旗揚げ記念大会(3月3日)の開催中
止も発表されました。スポーツ、芸能関連のイベントは3月中旬までは中止であったり無観客開催となるなどしています。
仕方のないことですよね。一番無念な
のは舞台に立つ人達です(新日本プロレス・高橋ヒロム選手の写真1枚のメッセージにはグッときました)。
僕らもここはグッと耐え忍び、1日も早い収束を目指しできるこ
とをやってゆくしかありません。
そして、ジュリーのツアーが始まる5月にはすっかり
落ち着いている、と信じています。
有難いことに僕のところにはNHKホール公演の落選
通知は届かず(あと川口公演は抽選自体が回避)、ツアー初日に参加できると思えばなおさらです。

さて、今年は昨年よりは時間ができるかなぁと考えていましたが、2月か
ら公私ともに大忙し。
まぁでも、忙しいというの誰かの役に立てている、必要として貰
えているということですから有難いことなのです。
ブログの方もマイペースながら頑張
っていきます。

今日は、「既に採譜を終えていたジュリー・ナンバーお題」シリーズの
第2回として更新です。
採り上げるのはアルバム『JULIE SONG CALENDER』から「ボンヴ
ォワヤージュ」。
短い記事になりますがどうぞおつき合いください。


アルバムの中では、「裏切り者と朝食を」「BURNING SEXY SILENT NIGHT」と並んで個人的には特に好きな1曲です。
前回「悲しき船乗り」の記事で、『JULIEⅡ』の続きの物語のようだ、ということを書いたんですけど、実は「ボンヴォワヤージュ」にもそんな雰囲気があったりして。

「海の男」として逞しく(色々な意味でね笑)成長した『JULIEⅡ』主人公、もうすっかり船も女もお手のもの・・・のはずが

女とは海だと思ってた
C                         Em7

男とは気ままな船さ
Dm7                  G7

それだけに今はあっけにとられて
F

移る季節に
C          Am(onF)

追いつけないのさ ♪
Dm7    G7        C

浮気な船乗りはお株をとられ、「そりゃないよ!」的なフラれ方をしてしまいます。
『JULIE SONG CALENDER』の女性作詞陣では唯一キャリアあるプロの作詞家・湯川れい子さん、さすが「ジュリーに似合う景色」を描いてきていますね。

僕は福岡の先輩から授かったラジオ音源のおかげで、最近ようやくこのアルバムの製作過程、それぞれの曲が最初はどのように世に発表されてきたのか、ということを実感できていますが、収録曲中のほとんどが「詞先」の作業だったとか。
となるとジュリーの作曲は本当の意味での「書き下ろし」(過去のストック作品で作業を補う、というやり方ができない)だったわけで、当時の大忙しなジュリーをしてコンスタントに新たな自作新曲を積み重ねていくという超人ぶり。81年の糸井重里さんとのラジオ対談でジュリーは「曲作りの作業は早い」と自認しているとは言え、他アーティストへの提供楽曲の多さも加え、やはり80年代前半は「作曲家・ジュリー覚醒の時期」だったのだと驚嘆するほかありません。

詞先の作曲の面白さは、良い意味で「メロディーや構成が文字数に左右される」ことです。
例えば里中満知子さん作詞の「裏切り者と朝食を」のように「詞がこうでなければあり得ない」変拍子の導入であったり、この「ボンヴォワヤージュ」或いは「ラストスパーク」では、ジュリーが苦心して言葉をギュギュッ!と小節内に押し込んだ音符割りが登場したり。
限られた時間の中でジュリーが提示したメロディーを、エキゾティクスのメンバーがアレンジと演奏でどう仕上げているか、というのが『JULIE SONG CALENDER』最大の聴きどころでしょう。
その意味で、歌詞がギュッと押し込められた「ボンヴォワヤージュ」に吉田建さんがレゲエのリズムをあてがったのは、正にズバリ!なアレンジ・センスと言えます。

長いジュリーの歴史の中で、レゲエまたはスカ・ビートといった「後ノリ」カッティングの演奏作品はそう多くはありません。
しかしジュリー史まんべんなく、時代時代で思い出したようにその手の名曲が生まれているのもまた事実。「ボンヴォワヤージュ」以前では、「愛の逃亡者」「メモリーズ」「バタフライ・ムーン」・・・いずれも高度なアレンジでありながら堅苦しくなく、ジュリーのヴォーカルがサラリと楽しげにしていますよね。
数年後にリリースされた「EDEN」もそう。ジュリーはレゲエ適性も素晴らしい、ということなのですよ!

「ボン・ボワヤージュ」とは「よい旅を」という意味らしいですね。
今まで不勉強にて知らなかったのですが、ズバリ同タイトルのシャンソンがあるそうで、色々と検索しますと日本人歌手のカバー・ヴァージョンもいくつか見つかりました。かなり有名な曲のようです。
邦洋含めそれらで共通しているのは、歌の主人公が女性であるということ。愛していた男性が突然自分の元を去ってしまう・・・「顔で笑って、心で泣いて」ではないけれど、主人公は「よい旅を」と彼を見送ります。

湯川さんは当然この歌をご存知だったでしょう。ジュリーの作詞依頼を受けて、男女の立場を逆転させた「よい旅を」の物語を改めての視点で描かれたのです。
83年と言う時期の歌手・ジュリーのキャラクターにピッタリの着想だったのではないでしょうか。
詞曲、ヴォーカル、演奏ともいかにも「隠れた名曲」だと思います。みなさまはどうでしょうか。


それでは、オマケです!
お題曲とは時期の異なる資料ですが、『FM fan』の86年新春特大号(発売は85年12月)から。
ジュリーのインタビュー記事が掲載されていて、インタビュアーが他でもない「ボンヴォワヤージュ」作詞の湯川れい子さんということで、この機にご紹介です。

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この頃はまだジュリーが「李花幻」のペンネームへの神秘性、ミステリーを貫いていたのですね。
ジュリーの口から発せられている「井上陽水説」・・・これに僕はアッと思ったものです。この記事を読むまでまるで気づけていなかったけれど、「灰とダイヤモンド」の作詞・作曲。特に詞についてジュリーは陽水さんを意識していたようですね。
曲中登場する「~なさい」という冷ややかにしてエロティックな命令口調は、「ジュリー流の陽水解釈」だったのかもしれません。


明日から3月です。早いものですね。
今年はイベントの自粛などで春の街の賑わいが目立たない寂しさもありましょうが、三寒四温が身に沁みる、やわらかな季節です。

11日にはジュリーの新譜『Help!Help!Help!Help!』もリリースされます。拙ブログではもちろん今年も新曲の考察記事に取り組みます。
その前にもう1本、何か1曲書いておきたいところ。
頑張りたいと思います。

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2020年2月 8日 (土)

沢田研二 「悲しき船乗り」

from『JULIEⅥ ある青春』、1973

Julie6

1. 朝焼けへの道
2. 胸いっぱいの悲しみ
3. 二人の肖像
4. 居酒屋ブルース
5. 悲しき船乗り
6. 船はインドへ
7. 気になるお前
8. 夕映えの海
9. よみがえる愛
10. 夜の翼
11. ある青春
12. ララバイ・フォー・ユー

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少しご無沙汰してしまいました。
短い記事でもよいから間を置かずすぐに更新を!と考えていたのですが、前回更新後に酷い風邪をひきましてね・・・思い通りにはいかないものです。

発症は先月20日過ぎでした。
まず喉が痛くなって熱が出て、それは数日で治まったもののその後もずっと咳だけが残って、いまだに眠れないほどゴホンゴホンしている夜もあります。
実はこの風邪、カミさんの方が先にかかってそれを貰ってしまったみたいで。
病院では2人ともインフルエンザ陰性で風邪の診断、まったく同じ薬を処方されました。カミさんの方もまだ咳が多少残っていて、本当にしつこい風邪です。
聞けば、この場合の咳は身体が温まると出やすくなるのだとか。それで就寝中に苦しむのですな・・・。


ひとまず気をとり直しまして。
相変わらず忙しくしており新たな採譜の時間がとれませんので、しばらくの間は「過去に採譜済み」のジュリー・ナンバーの中からまだ記事にしていない曲をお題に選び、さまざまな時代の名曲を駆け巡っていきます。
既に採譜しているということは、「自分でも弾いてみたい」と思った曲であり、すなわち個人的に大好きな曲ということ。今日はアルバム『JULIE Ⅵ -ある青春』から、「悲しき船乗り」を採り上げたいと思います。

僕がこの名盤を購入したのは『ジュリー祭り』よりさらに前の、2006年だったかな。
LIVEには行かず、おもにポリドール時代の再発アルバムを大人買いしていた、いわゆる”第一次ジュリー堕ち期”でした。
コンセプト・アルバム『JULIE Ⅱ』がフェイバリットだった僕は、『JULIE Ⅵ -ある青春』をその「続きの物語」を描いたアルバムとして聴いたものです。『JULIE Ⅱ』主人公の少年が成長し、いっぱしの「男の船乗り」として世界中の港を渡り歩いている・・・そんなふうに感じさせてくれる曲がいくつかあるんですよね。
「悲しき船乗り」もそのひとつで、ジュリーファンの間であまり語られることの少ない印象の曲ですが、個人的には大好きな1曲なんです。

『JULIE Ⅵ -ある青春』は、山上路夫さん=森田公一さんコンビとZUZU=KASEコンビが楽曲クレジットを分け合う構成。それぞれのコンビの作品が、似通ったテーマの曲同士で個性を違えながら不思議に対を成し、共鳴し合っているという奇跡の名盤です。

例えば「壮大なスケールで描く海洋物語」のテーマで「朝焼けへの道」VS「船はインドへ」。
「若き日の愛の痛みを美しく歌う」テーマだと「ある青春」VS「二人の肖像」。
そして「ゴキゲンな長調ビート・ロック」ならば「気になるお前」VS「悲しき船乗り」となります。

実は”第一次ジュリー堕ち期”の僕は、後に「LIVEの定番曲でありロックなジュリーの代名詞」だと知る「気になるお前」よりも、「悲しき船乗り」の方が好きでした。
言うまでもなく現在それは逆転しているのですが、何故当時の僕がアルバム収録曲中の貴重なビートものとして「悲しき船乗り」の方を高く評価していたのか。それは、LIVEに参加せずCDのみでジュリーを楽しんでいた者として、ジュリーの「作りこまれたピースに歌を嵌め込む」才能にまず惹かれていたから・・・でしょうか。

『JULIE Ⅵ -ある青春』で言うと、「悲しき船乗り」はじめ山上路夫さん=森田公一さんコンビ作品はレコーディング音源自体「これで完成形」という仕上がりです。
ジュリーはその完成形に「最後のピース」としてヴォーカルを組み込むことで楽曲に貢献している、というのが僕の考えで、これは『JULIE Ⅱ』収録曲にも同じことが言えましょう。

一方「気になるお前」はじめZUZU=KASEコンビの作品は、「その気になればまだまだ変化する」余地が残された「発展途上」の状態でトラック収録されています。つまり、小節割りやメロディーが、主役である歌い手・ジュリーの意思でいくらでも自由に成長し得る、その途上でのアルバム収録です。
それらZUZU=KASEコンビの作品がいつ「完成形」を迎えるかと言うと、スバリLIVEステージなのですな~。
ですから完成形はひとつではなく、LIVEの瞬間瞬間で多様に渡り現在もなお僕らはそんな場面に出逢えてしまうという・・・ジュリーの本質、第一の魅力が正にそちらであることを、『ジュリー祭り』以降の”第二次ジュリー堕ち期”で僕は思い知らされました。

しかしみなさま。
ジュリーが「最後の1ピースであるヴォーカル・テイクを、完成形として提示された楽曲トラックに吹き込む」・・・言わば「歌わされている」(言葉が悪いですけど、そうとしか言いようがない)時に発揮する天賦の才というのは世界トップレベルに凄まじいのですよ、と僕はここで訴えておきたいのです。

加えて思うのは、「悲しき船乗り」ってジュリーがいかにも好きそうな曲でもあるんですよ。
ロック・ナンバー独特のオーティス・レディング風にせり上がるコード進行は、ジュリー本人作の「処女航海」(ザ・タイガース)や「熱愛台風」(ジュリーwithザ・ワイルドワンズ)でもよく似たパターンで採用されています。
間奏のギターはまるでクリーム期のエリック・クラプトンのようで、これもジュリーの好みでしょう。
それにこの曲は、「許されない愛」シングル・リリース時にジュリーが「自分に合ってる」と語った「ブラス・ロック」として仕上げられていますからね。

「気になるお前」のように、LIVEにおけるロック・バンド・スタイルの自由度の高いヴォーカルと演奏はもちろん最高ですけど、腕利きのミュージシャンが「スコア通り」に演奏し、そこにジュリー天性の才で歌入れされたレコーディング音源の説得力というのもまた素晴らしいものです。
その意味で「悲しき船乗り」の出来映えは、『JULIE Ⅵ -ある青春』収録曲中でも屈指と僕は思っています。
是非みなさまに再評価されて欲しい、隠れた名曲・・・この機にじっくり聴き返してみて!


それでは、久々の・・・オマケです!
福岡の先輩からお預かりしている『ヤング』バックナンバーで、73年7月号掲載のジュリーの話題をどうぞ。

730702

730703

あと、この73年7月号の「スター・アンケート」のコーナーには堯之さんと岸部兄弟が登場しているので、そちらも貼っておきましょう。

730705 



さて、みなさまも5月からのジュリー全国ツアー、前半のチケット申し込みを終えられたことと思います。
今回のスケジュールは、序盤に限って言うと関西のファン泣かせな感じですね。関西限定で考えると、6月の京都までだいぶ間があります。「辛抱たまらん!」と遠征を決意された関西のかたも多いのではないですか?
すなわち、ツアー初日NHKホールの競争率がハンパない状態なのではないかと。

「初日には絶対参加したい派」の僕ももちろんNHKホールは申し込みましたが、第2希望は書けませんでした。
ただただ抽選に引っかかってくれることを祈るばかりです。席はどんな後方でもよいのですから(と言うか、僕のジュリーLIVE席運は50周年ツアーで完全に使い果たしたのだ、とこの2年で実感させられています笑)。

あと、YOKO君はじめバンド仲間を誘って申し込んだのが6月の川口リリア。
今回は男4人での参加ですが、こちらはメンバーと相談して第2希望を武蔵野として記入しました。
でも、やはり川口と言えばYOKO君がもう30年住み続けている街ということで、彼の「地元枠」として当選を期待したいところです。

ともあれ本当に楽しみな全国ツアー、みなさまの良席ゲットをお祈り申し上げます。
コロナウィルスにインフルエンザ、何かと騒がしい冬。
お互い充分気をつけて、暖かい春を待ちましょう!

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2020年1月 8日 (水)

沢田研二 「お前は魔法使い」

from『Jewel Julie -追憶-』、1974

Jeweljulie 

1. お前は魔法使い
2. 書きかけのメロディー
3. 親父のように
4. ママとドキドキ
5. 四月の雪
6. ジュリアン
7. 衣裳
8. ヘイ・デイヴ
9. 悲しい戦い
10. バイ・バイ・バイ
11. 追憶

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こんばんは、ジュリーのお正月LIVE・絶賛ネタバレ我慢中のDYNAMITEです。

2020
年、「平穏な1年であれ」と願ったのもつかの間、危うい世界情勢に不安を募らせるばかりの年明けとなってしまいました。
そんな中、ジュリーのステージを楽しみにするという幸せを持つ自分が後
ろめたくも、やっぱり身近な現状の平和平穏を噛み締めています。

さて、お正月ツアー初日と
なった名古屋公演の5日以降、僕はいつも訪問させて頂いているお気に入りのブログ様巡りも我慢し、仕事の残業を頑張りながらなんとか情報をシャットアウトできているという状況。
自分のブログだけ見ていればネタバレはないだろう、と思っていたら、昨日うっかり管理
ページのアクセス解析を開いて「人気記事一覧」をチラ見してしまいました!

最近この
ブログはあまり繁盛しておらず(昨年は休止期間もありましたからね汗)アクセス解析も閑散状態が続いていたので、本当に油断してた・・・ジュリーLIVEの初日後数日に限っては、セトリの楽曲タイトルで検索された方がそのお題記事を読んでくださるという特殊なアクセス集中の時期なのですな~。
「やば!」と思いすぐに目を逸らせたのですが、
1曲のタイトルだけバッチリ視界に捉えてしまった・・・。

いや、もちろんその曲がセト
リ入りしているのかどうかは実際参加してみないと分かりません。でも、かなり昔に書いたそのお題記事がいきなり現在の「人気記事」の上位ランクインって・・・しかも一般的にはまったく知られていない、アルバムの1収録曲ですからね。普通の時期ならあり得ません。
どうやらこの1曲、ネタバレしたかな?
まぁ大
好きな曲なので、生で聴けるとすればメチャクチャ嬉しいんですけどね。
セトリ
をご存知のみなさま、どの曲か当ててみて!
ヒントは、「一瞬のチラ見だけでも目に
飛び込んできやすい字面のタイトル」の曲であること。僕は今日から10日夜まで頂いたコメントも覗かないようにするので、思う存分ネタバレしてコメントにて当ててくださってよいですよ~(あ、僕と同じくネタバレ我慢中の方々は、それぞれの参加日まで本文のみ読んでくださいませ)。


で、今日は遅まきまがら”『SHOUT』ツアー・セットリストを振り返る”シ
リーズということで、短い文量ではありますが更新させて頂きます。
昨年全国ツアーセ
トリの中で唯一まだ記事を書いていなかった曲(厳密には「吉いらんか」も書いていませんが、そちらはまだ正規音源が出ていないということで除外)・・・「お前は魔法使い」。
長いジュリーファンの先輩方なら「セトリ入り率高め」と認識されている1曲でしょうが
、『ジュリー祭り』デビューの僕にとってこれは、ようやく初の生体感が叶った「ダイブ曲」だったのです。

名盤『Jewel Julie -追憶-』冒頭1曲目にしてジュリーの自作曲。
74年リリースのその音源からは
「よ~し、井上バンドと一緒にロックを極めるぞ!」
という若きジュリーの漲る気合が感じられます。

洋楽も聴いていらした先輩の中には「ジュリー、まるでミック・ジャガーみたい!」と思った人もいらしたのではないですか?
そう、これはリアルタイムでジュリーや井上バンドがローリング・ストーンズの影響を受けた1曲ではないかと僕は思っています。
当時のストーンズはミック・テイラー在籍時。「お前は魔法使い」で聴ける速水さんのトリル奏法は、ミック・テイラーのおハコでした。ジュリーが「無人島に持っていきたい1枚」として挙げた『スティッキー・フィンガース』収録の「スウェイ」でのプレイを彷彿させます。

ただ、アレンジ全体の主導権はジュリーの作曲そのものが握っていたのでは、というのが個人的な推測。
70年代にキース・リチャーズが開眼確立し、のちに邦洋問わず幾多のバンドが踏襲していった「クリシェ・コード・リフ」の手法は、ギター・アレンジの域を超えた「作曲と一体」なるセッション想定が肝で、ジュリーも作曲段階から「お前は魔法使い」のコード・リフを考案していたのではないでしょうか。

オリジナル音源のようにバンドの演奏となればそこから様々な味付けが成されますが、サイド・ギターのトラックのみを拾い上げると分かり易い。例えばギター1本スタイルの『SHOUT!』ツアーで柴山さんはこの曲のリフを
「じゃ~、じゃっ、ちゃっ、ちゃ、じゃ~♪」
と弾いていたかと思いますが、これは「じゃ♪」の箇所をトニック、「ちゃ♪」の部分を「sus4」で組み合わせたクリシェです。つまり冒頭から
「E→Esus4→E」「F#→F#sus4→F#」「A→Asus4→A」
これで、「お前は魔法使い」のサウンドになります。
作曲時の根っこの姿を重視してくれたような柴山さんの音は、ジュリーも歌っていて心地良かったでしょうね。

一方でこの曲には、ストーンズへのオマージュ以外の魅力も盛りだくさんです。
以前に採譜する機会がありコード進行も頭に入っている曲ですが、サビに向けて曲調が一転する箇所は調号の変化も無く一見オーソドックスな並行移調。でも音符割り、小節割りが独特で。
ジュリーの粘り強い作曲手法がよく表れていて、最後の着地点「あやつり人形みたい♪」は、後の「夜の河を渡る前に」での驚異的なジュリー・オリジナリティーに繋がる進行です。

また演奏面でも、ミック・テイラー在籍時のストーンズはこうしたギター・サウンドに鍵盤を絡める際、ロック・ビート系はピアノ、バラード系がオルガンとしていたのに対し、井上バンドの場合はビート系にオルガンを採用するんですよね。
大野さんのプログレ志向でしょうか。
幼少時から『太陽にほえろ!』サントラ好きの僕にとっては嬉しいアレンジです。

『SHOUT!』ツアーでの生体感や、90年代以降のLIVE-DVDももちろん素晴らしいですが、やはりこの曲への思い入れは、井上バンド時代を知っている先輩方には敵わないんだろうなぁと思います。初期井上バンド流のロックとして集大成的な1曲ではないでしょうか。
それがジュリー自身の作詞・作曲作品であったことに、今さらながら驚嘆させられるばかりです。


ということで。
いよいよ明後日の東京国際フォーラム公演が僕の『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』ツアー初日です。
今回授かった席は、1階後方。しょあ様命名されたところの「あさきゆめみし席」というやつで、しかも「みし」のあたりです(笑)。
ジュリーの表情や柴山さんのフォームまでは肉眼で見えないけれど、「お正月LIVEならではのセットリスト」に期待は高まるばかり。
先述の通り今日からLIVE当日までは、頂いたコメントを拝見するのも控えますので、みなさま思い切りネタバレ全開で「あの曲が良かった」「この曲はサプライズだった」など、存分にそれぞれの感想を教えてくださいね。
フォーラムから帰宅後楽しみに拝見したいと思います。

なかなか時間が無いので僕の感想はLIVE全体のレポではなく、セットリストから「この1曲」を選んでの楽曲お題にて記事更新するつもりです。
ちょうどツアー千秋楽くらいに書けるタイミングになるんじゃないかな。

それでは10日フォーラム、行ってまいります!

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2019年12月28日 (土)

沢田研二 「ZOKKON」

from『A WONDERFUL TIME.』、1982

Wonderfultime 

1. ”おまえにチェック・イン”
2. PAPER DREAM
3. STOP WEDDING BELL
4. WHY OH WHY
5. A WONDERFUL TIME
6. WE BEGAN TO START
7. 氷づめのHONEY
8. ZOKKON
9. パフューム
10. 素肌に星を散りばめて

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2019年、ラスト更新です。

まずはお知らせから。
ザ・タイガースのファンのみなさまならご存知、あの1・24の重要登場人物でもいらっしゃる坂田さんが、ブログを開設されました。
坂田さんは、2012年のピーさんとタローさん(&スーパースター)のジョイント・コンサート中野公演で何と僕のお隣の席にいらして、その時まず僕の顔を覚えてくださり(本当に僥倖でした。一緒にいらしていた綺麗な奥様が、少し離れた席に来場していたサリーさんとお話するのを目の前で拝見したりとか)、その後坂田さんの青山でのLIVE(ゲストでタローさんも参加)で色々とお話させて頂いて以来、望外のご縁を賜りました。
ブログの開設もメールで知らせてくださって(熱で寝込んでいる僕に、「ウィルスなんかダイナマイトでふっとばせ!」とエールもくださいました)、これは僕としても微力ながら広く皆様に案内しなければ・・・と、ここでご紹介させて頂く次第です。
どうぞよろしくお願い申し上げます。

さて本題です。
2019年も残り僅か・・・ということはすなわち、ジュリーの2020年お正月LIVE『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』開幕がもうすぐにまで迫っているという。
僕は今回残念ながら初日名古屋公演には参加せず、10日の東京国際フォーラム公演までセットリストのネタバレ我慢を敢行しますが、「ジュリー自身の作詞・作曲作品がかなりの比重を占める」と予想しているのは前回「AZAYAKANI」の記事中で書いた通り。
今日は”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズ第2弾として、これもやはりジュリー作詞・作曲のナンバー「ZOKKON」を採り上げ、賑やかな名曲にあやかって今年を締めくくりたいと思います。

僕にとって2019年は仕事が忙しかった1年でした。
中でも大変だったのは、本社ビルの移転に伴う資料本スコアの取捨・整理を一手に任されたことです。
勤務先の会社は昭和42年創業、しかも「とにかく新刊を矢継ぎ早に出す」ことが宿命づけられている楽譜業界の出版社ですから、地下資料室に残されている50数年ぶんの資料本の単体冊数たるや・・・眩暈がするほどでした。
90年代に入社した僕がこれまで目にしたことの無かったスコアもたくさんありまして、それを早急なスキャン化が必要なもの、今後その可能性があるもの、不要廃棄処分のものと自分の判断で選別のうえ保管作業までしていかねばならず、責任重大にして労力も莫大(本って纏めるととても重いですからね)。
ただ僕は元来スコアフェチですから、未知の資料を吟味する作業というのは大変ではありましたがさほど苦ではなかったです。

ジュリーのギター・スコアやピアノ・スコアも点数は少ないながらすべて発掘。最終版は82年ながら、当然「今後の可能性」アリとして大切な保管組としました。
で、ジュリー単体のスコアではないけれど、言わば「関連商品」と呼ぶべきもの・・・混載のオムニバス以外に、こんなスコアも発掘したのです。

Zokkon1

ジュリーファンの先輩方ならばピンと来たはず。
そう、ジュリーはシブがき隊のファースト・アルバムに2曲の楽曲を提供しているんですよね。

1982年と言えば、ジュリーが「作曲家」として完全覚醒した時期。僕もジュリーの彼等への楽曲提供したこと自体は数年前に知っていましたが、こうしてスコアを見て曲調を把握する機会は初めてでした。
そしてまず驚愕。
これまで僕は、てっきりジュリーは作曲のみの提供で作詞は森雪之丞さんなのだろう、と勝手に思い込んでいたのです。ところがジュリーは提供2曲いずれも作詞・作曲まで1人で担っていたのですねぇ。
先輩方としては「何をいまさら」と仰りたいところでしょう。これは完全に僕の勉強不足でした。

でこうなると、音符やコードだけでなく歌詞についてもじっくり吟味しつつスコアを読み解きたくなるのは必然。すると

Zokkon2

Zokkon3

こ、これは・・・!
2曲とも明快に「ZOKKON」系ではないですか!

オラオラ・モードな口調でイキがって迫っているけれど、内心目の前の彼女にはメロメロにしてお手上げ。そんな主人公がすっかり舞い上がってすったもんだしている、という「バカ・ロック」(←念のため書きますが、この表現は最上級の褒め言葉ですからね!)な仕上がり。
その上で詞曲には時代にジャストな「流行歌」エッセンスがあります。正に「ZOKKON」系列なんですよ。
もちろん各曲それぞれバラエティーに富みキーも違います。「Weather Girl」は短調の進行ですし、「ハートでCOME ON!」の詞には「ZOKKON」以上に「氷づめのHONEY」を連想させるフレーズが登場。
ただ、ジュリー渾身の「バカ・ロック」はやはり「ZOKKON」に集約されまると思いますから、この曲がボス的位置なんですよね。

同い年の男性ジュリーファンの友人が、かつてヤマハさんから出版されていた『A WOUDERFUL TIME.』のマッチング・エレクトーン・スコアを持っていて見せて貰えているので、「ZOKKON」とシブがき隊2曲はスコア比較としても非常に興味深い類似を楽しめました。

シブがき隊のファースト・アルバム『ボーイズ&ガールズ』は82年7月リリース、一方「ZOKKON」がシングル「”おまえにチェック・イン”」のB面としてリリースされたのは同年5月(アルバム『A WOUDERFUL TIME.』は6月)。とすれば「ZOKKON」とシブがき隊への提供2曲はほぼ同時期に作詞・作曲されたと考えられます。
ここで、拙ブログ得意の「勝手な推測」(妄想、邪推とも言う笑)が炸裂。

「ZOKKON」は元々、ジュリーがシブがき隊アルバムのオファーを受けて作った曲のひとつではなかったか?

という。
シブがき隊には翌83年の「ZOKKON 命(LOVE)」というヒット・シングルがありましたし(こちらの作詞が森さん)、そもそも「ZOKKON」なるタイトル・フレーズがデビュー時の彼等のイメージにピッタリ、という後づけ要因もあります(ちなみに上記スコアは彼等のサード・アルバム『夏・ZOKKON』までの全曲を収載)。

ところがジュリーはシブがき隊のために作った曲の中で「ZOKKON」の出来を大いに気に入り、自らの次シングル曲としてプリプロにかけたのではないでしょうか。
福岡の先輩から授かった80年代のラジオ音源でジュリーは「シングルのA面とB面は、最初はどちらもA面のつもりで作って、その上で皆で話し合っていずれをA面にするか決めている」と語っていました。結果的には彗星のごとく登場した大沢誉志幸さん作曲の「”おまえにチェック・イン”」にA面の座を譲りましたが、当時ジュリー・シングルの流れは「ス・ト・リ・ッ・パ・-」「麗人」と自作曲が続いており、そこで今度は作曲のみならず作詞も自ら手がけた「ZOKKON」で勝負!とジュリーが考えた、というのはあながち無理な推測でもないような気がするのですが・・・深読みですかねぇ。

ともあれ「ZOKKON」は、元気で脳天気で愛すべき名曲です。長いファンの先輩方にとっては「セトリ率高め」のイメージもあるかもしれません。
しかし『ジュリー祭り』堕ちの僕は、この曲をまだ生で聴けていないんです(と言うかアルバム『A WONDERFUL TIME.』の中では「”おまえにチェック・イン”」しか生で聴いたことがありません)。
お正月、期待したいです!


さて、来年も今年ほどではないにせよ忙しそうなので、ライトな文量&内容の記事が続くと思いますが、更新はなるべくマメにやっていこうと思っています。
今年はとにかく約半年間のブログ放置状態がありましたから・・・いつも読んでくださっているみなさまには本当に申し訳なかったです。
2020年はそんなことがないよう頑張ります。

春に発症した五十肩ともつきあいながらバッタバタで駆けた2019年も、もうあと少しで終ります。
今日からは9日間の冬休みに入りました。実感する連休のありがたみ・・・ひさしぶりにゆっくり過ごしたいです。

それではみなさま、風邪、インフルエンザ等に気をつけて、よいお年をお迎えください。
来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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2019年12月20日 (金)

沢田研二 「AZAYAKANI」

from『新しい想い出2001』、2001

Atarasiiomoide 
1. 大切な普通
2. 愛だけが世界基準
3. 心の宇宙(ソラ)
4. あの日は雨
5. 「C」
6. AZAYAKANI
7. ハートの青さなら 空にさえ負けない
8. バラード491
9. Good good day

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一昨日に瞳みのる&二十二世紀バンド四谷公演の記事を書いたばかりですが・・・本日12月20日は毎年の更新日と決めていますので、本当に短い記事ですがupいたします(実は38℃の発熱で今日は仕事を休ませて貰ったのです汗)。

不肖DYNAMITE、
今日で53歳となりました。
毎年書いていますが、同年代の友人や同僚達は今や誕生日を
迎える度に「こんな歳になってしまったのか・・・」と表情も沈みがち。僕もジュリーファンになっていなかったら同じだったでしょう。
でも、「今の自分と同い年だったジ
ュリー」の活動は幾つであっても現役バリバリ。毎年勇気づけられています。

あと、
「53歳」というのはプロレスファンとしても特別な数字で、今は引退されましたが、あの天龍源一郎さんが今の僕と同じ年齢で開発した必殺技の名前がズバリ「53歳」。
変形の
脳天砕きなんですけど、とにかく53歳の天龍さんは、才能豊かな若い選手やリヴィング・レジェンドを向こうにまわしバッタバッタとこの「53歳」で試合に勝ちまくっていました。53歳なんて、全然老け込む歳ではないのだと教えてくれました。

僕は凡人ですからジュリーや天龍さんのようにはいかないけれど、リスペクトする人生の先達に少しでもあやかりたいものです。

さて、ジュリーが今の僕と同い年・53歳の年にリリースしたア
ルバムは『新しい想い出2001』。
収録曲の少なさ(全9曲)や、この作品からジャケッ
トにジュリーの写真が載らなくなるなど一見地味な印象のアルバムですが、これはジュリーファンならば心から愛すべき名盤!
今日は、まだ記事を書き終えていなかった収録曲の中から「AZ
AYAKANI」をお題としました。

「AZAYAKANI」・・・ジュリー自身の作詞・作曲。これは
お正月LIVEに向けての『恒例・全然当たらないセットリスト予想』シリーズも兼ねた楽曲お題です。
僕は参加できませんでしたが、『SHOUT!』ツアー大千秋楽、東京国際フ
ォーラム公演でジュリーが少しだけお正月LIVEの告知MCをしてくれたのだそうですね。
曰く、「(セットリストは)1曲以外総入れ替えする」と。
いやぁワクワクします。ど
んな曲が選ばれるのでしょうか。ジュリーは「出来の悪い子(曲)ほど可愛い」とも言っていたそうですから、アッと驚くサプライズ選曲が期待できそう。
もちろん僕らファン
からすれば、ジュリー・ナンバーで「出来の悪い」ものなど皆無です。ただ、ジュリーがそうした表現をする時、どんな歌を頭に思い描いているか・・・それを僕は「ジュリー自ら作詞・作曲した歌」ではないかと想像しています。
今度のお正月にはジュリー作詞・作
曲の名曲が多くの比重を占める、というのが僕の予想。「明日は晴れる」なんて、個人的には鉄板だと思いますよ!

『新しい想い出2001』からまず僕がセトリ入りを切望するのは、
未だ生体感が叶っていない「Good good day」(これもジュリー自作)ですが、「当てに行く」予想をするならば「AZAYAKANI」に軍配が上がるでしょう。
2009年の『Pleasur
e Pleasure』ツアーで採り上げられたように(GRACE姉さんの「ダバダバダ~♪」コーラスが懐かしい!)、ジュリーが「さぁ、この先10年また行くぞ!」とギアを入れ直すステージにふさわしい選曲ではないかと思うからです。
また、「彼岸と此岸」についてのジュリーの考
え方が初めて作詞にハッキリ表れた、という意味でも重要な1曲。つまり、近年の詩人・ジュリーの創作ととても近しい名曲と言えます。
個人的には「君の記憶に残りたい、僕の記憶
に残したい」なるメッセージは「たとえ(此岸で)君が僕のことを誰だか分からなくなっても、僕は君と一緒にいる」という決意をも併せ持つ、と考えます。
みなさまはいか
がでしょうか。

ともあれ、53歳当時のジュリーを見習い、しっかり地に足をつけてこれ
から先の道を見出す・・・そんな1年にしたいものです。

それでは、なんとか年内にも
う1本セトリ予想の記事を書いて2019年を締めくくるべく、頑張りたいと思います。

寒暖の差が激し
い年末となり、インフルエンザも流行しているようです。僕は既にやられてしまいましたが、みなさまは充分お気をつけて!

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2019年12月 3日 (火)

沢田研二 「君をのせて」

『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』収録
original released on 1971


Myboatforyou 

1. 君をのせて

2. 恋から愛へ

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大変ご無沙汰しております。
長い間コメントのお返事も遅れてしまい、
本当に申し訳ありませんでした。

その間ジュリーは全国ツアー
『SHOUT!』を見事完走。オーラスのフォーラムではお客さんも参加して楽しいレコーディングも催されたとか?
立ち会えたみなさまが羨ましい限りです。

さて不肖DYNAMITE
、勤務先の本社移転が無事終わったとは言えまだまだ忙しい日々ではあるのですが、ブログに向かう余裕はどうにか戻ってまいりました。
僕にとっては(きっと多くのジュリーフ
ァンにとっても)大切な日付である本日、12月3日の『ジュリー祭り』記念日(早いものでもう11周年ですか~。ちなみに個人的に今年は結婚10周年の記念日だったりもします)にブログ復帰したいと思います!

毎年この日は、常々宝物のように思っている『ジュリー祭り』
セットリストの中から記事お題を選ぶことにしていて、鉄人バンドのインスト2曲も含めたセットリスト82曲についてはジュリー70歳の誕生日に全曲の記事を書き終えることができましたので、昨年からは「改めて2度目の記事を書く」ということをやっています。

今回は「君をのせて」を選びました。
と言うのは、なにせ今年の目まぐるしかった
日々・・・ブログも長期に渡り放置状態となり、初日の東京国際フォーラム、7月の守山、9月の八王子と『SHOUT!』ツアーに3度参加するも結局LIVEレポは書けずじまい。この機に今年のツアーを振り返りたいという思いもあって、『SHOUT!』ツアー・セットリスト本割トリで歌われたこの名曲に再び挑ませて頂こうというわけです。
これまでの
拙ブログお馴染みの大長文とはいかず短めの記事となりますが、どうぞよろしくおつき合いください。

僕は『ジュリー祭り』で本格ジュリー堕ちを果たした
後、裕也さんとのジョイント『きめてやる今夜』を除くすべてのツアーに参加してきました。その中で、ツアー途中にこれほど大きく演奏スタイルが変化した楽曲は他に記憶が無い・・・それが今年の「君をのせて」。
しかもギター1本体制での出来事です
からね。今日は是非その点を文章記録として残しておきたいです。

まず初日フォーラム。
柴山さん
の伴奏は指弾きでした。間奏ソロは親指で低音部を、高音部はひとさし指、中指、薬指を駆使し、掌で弦を包むような奏法で「1人ツイン・リード」を披露してくれたのです
この奏法は、下山さん不在となった後に「いくつかの場面」のソロでも採用されたこと
があって、「そこまで1人でやってしまうのか!」と驚かされたものでした。それが今年の「君をのせて」で再現されたのですね。

ところが次参加の守山公演ではガラリ一変

ピック弾きで、ソロについては単音。これはバンド時代スタイルのギター、ピアノ、
ストリングスの各パートを網羅したヴァリエーションです。
それだけでも凄まじいのに
、さらに驚嘆したのは歌メロ部のバッキングでした。
コード・アルペジオと言うより「
フレーズ・アルペジオ」とでも表現すればよいのでしょうか・・・ギター・アルペジオというのは普通縦の動きですが、ここでは左右の横移動が肝。
柴山さんはこの短期間で、ジュリ
ーが歌うメロディーとは別の裏メロを考案していました。1小節1拍ごとに「3連・4分音符・3連・4分音符」が基本スタイルで、「君をのせて」のシンコペーション・メロディーとガッチリ噛み合っています。
冒頭で言うと、「風に~♪」の「に」が小節の頭です
からそこで3連。「むかい~♪」の「むか」でジュリーのヴォーカルとぶつからないように4分音符で音を伸ばし、「い」で再び3連という・・・素晴らしいアレンジ構成力!

初日から7月の守山までの間、いつこのように演奏を変化させたのかはまだ
分かっていませんが、ピック弾きへの変更は「伴奏の輪郭をハッキリさせた方が歌っていてしっくりくる」というジュリーのサジェスチョンかなぁと僕などは想像しています。
そこで
単に弾き方だけでなく構成までガラリと変えてきた柴山さん、「さすが!」のひと言ですね。

・・・と、ここまで演奏のことばかり書いてきましたが、今回『SHOUT』ツアー・セットリストから個人的に「この1曲」ということで「君をのせて」を採り上げたのは、やっぱり(初日の段階から)昨年亡くなられた先輩のことが思い出されてならない歌だったから。
旅立たれる3ケ月ほど前に緩和病棟にお見舞いに行った時「私を『songs』ヴァージョンの「君をのせて」で送ってね」と仰られたあの日のことを今でも鮮明に覚えていますし、その曲をいざジュリーの生歌で体感すると、悲しみだったり暖かみだったり、いろんな感情が押し寄せてくるのです。
ジュリーが先輩を送ってくれている気がしてね・・・。

思えば、「君をのせて」がジュリーにとってもファンにとってもこれほど大切な1曲となったのは、一体いつ頃からなのでしょうか?
僕は後追いのファンですから、油断すると「君をのせて」を「誰もが知るジュリーの大ヒット・シングル」と書いてしまいそうになります。でも実際はヒットと言うほどヒットしていなくて。『ROYAL STRAIGHT FLUSH』の選からも漏れているくらいですし。
しかも、かつてジュリー自身が「あまり好きな曲じゃない」というようなことも言っていたらしいですね。
シングル盤のB面に配されたジュリー自作の「恋から愛へ」がコード進行やリズム展開細部に至るまで凝りに凝った作品であることを考えると、ジュリーはその頃「自分の歌は自分で作りたい」との希望があり、そんな思いからの発言だったかもしれません。

一方で「君をのせて」をリリース当時から絶賛派だったのが加瀬さん。
「ああああ~♪」というところが実に沢田らしくてイイ!」
とは我等が加瀬さん、さすがの慧眼ですが
「それ以来私は、あ~あ♪と歌う曲が増えました」
と、ジュリーが面白おかしくMCで語ってくれたのは、いつのツアーだったかな。

とにかく今では「君をのせて」はジュリーもファンも双方が大事にしている「知る人ぞ知るソロ・デビュー・シングルにして不朽の名曲」となりました。

以前書いている通り、この歌には普遍性があります。
誰の胸にも覚えがある青春の情愛。それを久世さんのように「男同士の歌」と見るのももちろんアリです。
男女限らず、心通った同姓の友人と実際に遠慮なく「肩と肩をぶつけながら」歩くというのは、まぁ20代まででしょう。大人になってしまえば、そうした気持ちはあってもやっかいな「分別」が邪魔をしますからね。
ジュリーの「君をのせて」はその分別を取っ払ってくれます。だから、「大人になってから」の方がよりこの歌への愛情が増すんじゃないのかなぁ。ジュリー自身にとってもそうじゃないのかなぁ?

ジュリーはもしかしたら今年「君をのせて」を歌いながら、ショーケンと一緒に仕事をしていた頃を思い出すことがあったかもしれませんね。


さて、ひとまずブログ復帰は果たしましたが、この1年で勤務先の人員がかなり減ったこともあり・・・今までのように毎日帰宅後じっくり下書きを積み重ねていったり、耳だけでは採譜しきれない箇所を楽器と合わせて検証したり、お題に合ったオマケ画像をあれこれ探して選別するなどの時間がありません。
今週末に迫った瞳みのる&二十二世紀バンドのLIVEや、チケット到着が待ち遠しい年明けのジュリー正月LIVE『名福東阪阪東・寡黙なROCKER』についても、全セトリ網羅の長文レポではなく、今日のような「この1曲」がお題の簡単な振り返り記事にするつもりです。
あらかじめ、よろしくお願い申し上げます。

そうそう、ジュリーの正月LIVE参加会場は珍しく締切ギリギリまで悩んだ末に、どうにか早退できそうな金曜日の東京国際フォーラムに決めました。
オーラスのNHKホールは休日だけど用事ありで断念。日帰りで初日名古屋参加を最後の最後まで考えたんですけど、僕はこの日が正月休みのラスト日で、やはり翌日仕事初めというのがね・・・絶対休めないし万一のことがあってはいけませんから。
2011年『BALLAD AND ROCK'N ROLL』以来となるツアー初日不参加、ネタバレ我慢決定です。
忙しいぶん、我慢はできるかな~。

それでは次回は瞳みのる&二十二世紀バンドLIVE後の更新です。
僕は今年ここまでジュリー以外のLIVEには一切行けていないので、「バンドサウンドのステージ」を体感すること自体が昨年の四谷公演以来。
楽曲お題はもちろんセトリを体感してから決めます。
ピーファンの先輩方とお会いするのも本当に久しぶり・・・楽しみです!

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2019年3月19日 (火)

沢田研二 「叫び」

from『比叡山フリーコンサート 時の過ぎゆくままに』

Freeconcertaimthiei

~opening~
1. ビー・マイ・ブラザー、ビー・マイ・フレンド
2. 夢のつづき
3. グッドナイト・ウィーン
4. 夜の都会(ナイト・タイム)
5. 恋のジューク・ボックス
6. 十代のロックンロール
7. キャンディー
8. トゥ・ラヴ・サムバディ
9. 時の過ぎゆくままに
10. お前は魔法使い
11. メドレー
 a.グループバンド
 b.ムーヴ・オーバー
 c.ジーン・ジニー
 d.ユー・ガッタ・ムーヴ
 e.シー・シー・ライダー
12. 美し過ぎて
13. 花・太陽・雨
14. 自由に歩いて愛して
15. ホワッド・アイ・セイ
16. 聖者の行進
17. 気になるお前
18. 悲しい戦い
19. 残された時間
20. 叫び

---------------------

インフォ来ましたね!
今年も必ず「祈り歌」の新譜リリースがある。そしてジュリーは「作るからには3.11リリースでないと意味がない」・・・そう考えているのではないかと期待しつつ、さすがに日が迫り「間に合わないのかなぁ?」と心配していただけに嬉しい新譜情報の解禁でした。

そこで今日は、ジュリー作詞・作曲の70年代ナンバー「叫び」をお題に借りまして、まもなく発売される新譜の内容を予想してみたいと思います。
拙ブログ恒例の「全然当たらない予想」パターンにはなりましょうが、今夜はたまたま時間もあり、急遽一気書きの短い記事にておつき合いくださいませ~。


インフォによりますと、今年の新譜は2曲入り。
各トラックの詳細は

1.「根腐れPolitician」
作詞・沢田研二/作曲・柴山和彦

2.「SHOUT!」
作詞・作曲・沢田研二

となっています。
タイトルだけパッと見ると、曲調は2曲ともに武骨なロック・ナンバーを思わせます。
少なくとも柴山さん作曲の「根腐れPolitician」はそうでしょう。根拠は「politictian」なる英フレーズの語感です。詞の内容は「一極化」へとひた走る政権の腐敗に向けた痛烈なメッセージかと思いますが、その前の段階・・・ジュリーは80年代以降、自作詞に際し「メロディーに載せた際の語感とフレーズの韻」に拘り続けているように思えますので、柴山さんの作ったキメのフレーズに嵌る単語としての「politician」。ジュリーの作詞動機と最初の作業はそこだったのではないか、と想像しました。
それにしても「根腐れPolitician」とは、かなり「思い切った」タイトル。ジュリーとすれば、もう容赦はならぬ、といったところでしょうか。
ジュリー得意のダブル・ミーニングが鋭く散りばめられたリフ・ロック・ナンバーと予想しておきます。

続いて、5月からの全国ツアー・タイトルともなっている2曲目の「SHOUT」。
こちらは久々にジュリーの「書き下ろし」作曲作品である可能性が高く、それだけで心躍ります。
しかし反面、ジュリーの詞に悲痛を感じさせるタイトルと言えるかもしれません。被災者を含めた「弱者」の声ならぬ「叫び」を歌っているのではないでしょうか。
そして・・・その曲調について僕の予想の振り幅はとても大きいのです。

まず「ロック調」と仮定してみた時、ジュリーにしては珍しいストレートなコード進行と予想します。
キーはホ長調。何故曲のキーまで予想に入れるかと言うと、ジュリーが詞だけでなく作曲においても何らかの「隠しメッセージ」を込めている場合を考えたから。
ホ長調のスリー・コードは「E」「A」「B」。これを使って「A」→「B」→「E」と和音進行させメロディーを載せることができると気がつきました。
「A」→「B」→「E」です。お分かり頂けたでしょうか。
もし詞の内容が特定の人物に向けた弱者達の叫びを代弁し歌ったものだとすれば、コード進行がそのまま歌詞中の二人称を指す手法となり得る・・・今のジュリーなら、そして今の世の中なら、怒髪天・ジュリーがそこまで斬り込んでも不思議はないと思ってしまったのですが、まぁさすがにこれは考え過ぎですか。
予想と言うより妄想かな(汗)。

一方で。
「ホ長調スリー・コードのロック・ナンバー」案はジュリーの「作曲」クレジットの意義を深める予想ではありますけど、それ以上に魅力的な予想が、「SHOUT!」のタイトルでバラードを歌うジュリー(!)というもの。

ここで振り返ってみたいのが、本日のお題に借りた「叫び」。先輩方はよく御存じの、70年代ジュリーの自作(作詞・作曲)曲の中でも特に重要な名曲です。

僕が『比叡山フリー・コンサート』で歌われたこの曲の存在を把握したのは『ジュリー祭り』から数年後でしたが、歌詞の一部については今から15年ほど以前、『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚のリマスター再発試聴盤を機に僕自身に訪れた「第一次ジュリー堕ち期」(ポリドール期のアルバムを大人買い)に、それとは知らず目にしていたのでした。これです。

Sakebi01


見事に折り目がついてしまって・・・すみません。
それだけ大好きなアルバムで、歌詞カードも読み込んでいるということでどうかひとつ(汗)。


78年リリースのアルバム『今度は、華麗な宴にどうぞ』歌詞カードに記された刺激的な一節。
新規ファンの僕は当時これを、当アルバム製作に寄せて、トップスターの道を行くジュリーが決意を表し書き下したコンセプト・フレーズだと勘違いしました。
『ロックジェット』にジュリー・アルバム解説を連載されたヒロ宗和さんも、その時の僕の解釈とまったく同じことを書いていらっしゃいました。しかしそれは誤りで、これこそが「叫び」からの歌詞引用だったのですね。

「歌を枕に」を文字通り芸能活動とリンクさせ始めたスーパースター・・・良い意味での「虚像」を演ずる阿久=大野時代のジュリーを象徴するにふさわしいキャッチフレーズとしてこの引用は的確とは言え、実際にはそれはさらに若き日の「人間・ジュリー」による本音の言葉であり決意であり、偽らざる心情の吐露でした。
そして、過激とも言える楽曲タイトルや歌詞フレーズからの連想とは真逆、というくらいに「叫び」の曲調は穏やかにスタートします。
ジュリー自身が奏でるギターの説得力。シンプルな演奏に載せて迸る「歌」。それがジュリーの「叫び」。

その後40年以上の年月が経ち・・・近年のジュリーにとって「SHOUT」(叫び)とは、相反しつつも「祈り」とごく近しいフレーズとなっているのではないでしょうか。
例えば2013年リリースのGRACE姉さん作曲「Pray~神の与え賜いし」に載せたジュリーの歌詞とヴォーカルには、穏やかに始まる曲調の中にギリギリと憤りを増してゆく「SHOUT」のニュアンスが歴然とありました。
27歳の時、「叫び」という自作曲に自らの歌人生に向けての「祈り」を歌い上げたジュリーが、古稀を超えて今度は「SHOUT!」のタイトルで弱者に成りかわっての「祈り歌」を歌う、とすれば。
それが穏やかなバラード・ナンバーであることは、特に比叡山での「叫び」をリアルタイムで体感された先輩方にとって何ら違和感は無いのではないか・・・と、僕はそんなふうにも考えてみたのですがいかがでしょうか。

いずれにしても(予想が当たるかどうかはともかく)、今年もジュリーの新曲が聴ける・・・もちろん柴山さんの演奏も楽しみですし、本当に嬉しく、変わらぬ姿勢のジュリーを頼もしく思った新譜の情報でした。

最後に余談ながら・・・。「叫び」は世間的には相当マニアックな曲だと思いますが、なんと僕の手元にはかつて市販されていたスコアがございます。

Sakebi02

↑ 『沢田研二/イン・コンサート』より


僕の勤務先からちょうど40年前に発売されたギター弾き語りスコアで、なにせ発売当時僕はまだ小学生だったくらいですから、編集担当者が誰だったのか(そもそも僕の知っている人なのか)等、製作の詳細は今ではまったく分からなくなっています。
想像するに、参考音源として取り寄せたレコードの中に『比叡山フリー・コンサート』のライヴ盤もあって、「この中からも1曲」という流れだったのでしょう。「残された時間」こそ収載を見送られていますが(採譜作業が大変な曲ですからね←経験者は語る笑)、「叫び」の貴重なスコアが残されたこと、僕が思いもかけずそれに出逢えていること・・・不思議な縁だなぁと思います。

ちなみにレコード時代にありがちな正規音源のピッチの曖昧さ故でしょうか、このスコアで「叫び」は変ホ長調(E♭)で採譜されています。
しかし僕は、ジュリーはこの曲をニ長調(D)で作曲していると確信します。
イントロから登場する「sus4→トニック→add9」のクリシェ進行は、Dのフォームのギターで演奏するのが一番カッコ良い、とロック界では決まっていますからね!

さて新譜リリースは今年も当然3月11日。
現時点ではネット店舗の予約が開始されておらず、発売日に聴くためには当日ショップに出向くことが一番確実、という状況です。
ただ僕は来週、公私共にバタバタに拍車がかかる予定なんですよ~(泣)。
11日にショップに行くのは無理かと思います。残念ながら、発売日より遅れての購入となるでしょう。

僕はLIVEツアーとは違い新譜の歌詞や曲調の事前ネタバレはOKですので、先に聴かれたみなさまの感想、この記事のコメントにてお待ちしていますね。
ジュリー2019年の新曲、楽しみです!

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2019年3月 2日 (土)

沢田研二 「サムシング」

from『Gentle Guitar Dreams』、2002

Gentleguitar

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ご無沙汰しております。
多忙と風邪(汗)のためブログ更新ままならぬ日々ですが、あまりに間が空いてしまうとみなさまに忘れられてしまう・・・時々は頑張って書いていきますよ~。

2月を振り返れば、ジュリーの古稀ツアーも無事終了、オーラス大宮も武道館3daysに負けないほどの大変な盛り上がりだったようで、参加されたMママ様が当日夜にお電話くださいました(「声が最高だったよ!」と大興奮状態←うらやま)。
聞けば何とMCで「お正月コンサート復活」を宣言してくれたというではありませんか。これは嬉しい!
大都市限定のお正月コンサートはセットリストが独特。例えばこれまでお正月のツアーに参加したことのないYOKO君は未だに「PEARL HARBOR LOVE STORY」を生体感できていません。僕などからすると「結構セトリ入りしているなぁ」と感じるのですが、『ジュリー祭り』以降に限るとこの曲はお正月しか歌われていないんですよね。
気の早い話ではありますが、その2020年のお正月コンサートは新年早々の5日東京国際フォーラムにて開幕予定とのことで、調べるとこれが日曜日。YOKO君に限らず音楽仲間を誘い易い日程です。
現時点でリリースされている2019年全国ツアーのスケジュールだと彼等を誘うのは難しい、と肩を落としていたので本当に嬉しい情報でした。YOKO君も遂に初の正月LIVE参加実現なる・・・かな?

さて本題。
今日はジュリーの幾多ある洋楽カバー名演・名曲の中から、ビートルズの「サムシング」をお題に採り上げたいと思います。
作詞・作曲はジョージ・ハリスン。ジュリーのカバー・ヴァージョンは、2001年に亡くなったジョージへの追悼トリビュート・アルバム(邦楽アーティスト、バンドによるジョージ・ナンバーのカバー集、2002年リリース)『Gentle Guitar Dreams』に収録されています。
僭越ながら伝授!


①OLD GUYSとジョージ・ハリスン

このお題記事を書こうと決めたのは、僕の古稀ツアーのラスト参加となった1月20日武道館公演でのジュリーのMCをその後よく思い出していたからです。

「ロックの聖地」と言われる日本武道館も渋谷公会堂同様にいよいよ改修の時期が来て、今年には着工するとか。
ザ・タイガース解散コンサート、デビュー25周年記念の『ジュリーマニア』、タイガースの完全再結成、そして今回の古稀ツアー3days・・・等々、ジュリーにとっても特別な思い出の会場であろう武道館。会場に駆けつけたファンともども色々な記憶を甦らせたに違いありませんが、ジュリーがMCで語ったのは自身のデビュー前、ザ・ビートルズの来日公演(「初」にして「最後」の来日です)鑑賞時のエピソードでした。
「確か南西スタンドにいました」というジュリーは、周囲が「ジョ~ン!」とか「ポール!」とか叫んでいる中で、1人「ジョージ!」と声援を送っていたのだそうで。

後追いジュリーファンの僕は、ジュリーがかつて「ビートルズ・メンバーの中ではジョージが好きだった」と語っていたことを『ジュリー祭り』後に知りました。
それまでジュリーに「幼少時に観ていたテレビの中のスーパースター」のイメージしか持てていなかった僕にとって、『ジュリー祭り』からの数年間は「人間・ジュリー」を学ぶ濃密な時期となりましたが、ビートルズの4人の中で当時「静かなビートル」と呼ばれあまり目立つ存在ではなかった(らしい)ジョージに着目し惹かれる、というのがまたジュリーの人間味を示しているようで興味深く、そして納得もしたものです。
テレビではあれほど目立ち、比類なき存在感を誇るジュリーが実は素の部分ではとてもシャイで、ちょっとだけ神経質で、決して「俺が、俺が」のタイプではなかった・・・ジョージが好きだ、というのも自らの性質と似た部分を見ていた故ではないのかなぁ、と。

ビートルズのLIVEステージでもジョージは黙々と演奏するので、よく「何故他のメンバーのようにアピールしないのか」と記者に尋ねられたりしたのだそうです。
するとジョージ答えて曰く「僕はリード・ギターだから。他のメンバーは多少間違えてもお客さんは気づかないけど、僕は間違えられない」と。
この頃のリード・ギターのソロって、今のように「くあ~っ!」とか「ぬお~っ!」とか陶酔して弾きまくるんじゃなくて、楽曲アレンジの根本としてのフレーズありき(もちろん例外もありますけど)だったんです。
分かり易いのが、歌メロと同じ音階をギターが間奏で受け持つパターン。タイガースで言うと「銀河のロマンス」ね。ファンは皆メロディーをよく知ってるから、その通りにギターも弾かなきゃいけないんだ、という着想で、当時のジョージは頑固なまでにそこに拘りました。

この話と関連して僕が今回の古稀ツアー『OLD GUYS ROCK』について強く感じていたのが、ジュリーと柴山さんの演者としての変化なのです。
「冒険」的なギター1本体制。どちらかが自由に走ってしまうと、もちろんこの2人の実力であればそれはそれで素晴らしいパフォーマンスたりえるけれども、原曲のイメージを逸脱させてしまう。それぞれの曲を「2人だけでどう再現するか」に徹して練りこまれたアレンジ、フレーズをキッチリそのまま歌と音にすることがとても重要になったわけで。
だから、原曲とは異なるリズム割りの「風は知らない」についてはツアー中の試行錯誤も出てきた・・・それは必要なことだった、と今僕は考えています。

「間違うわけにはいかない」とのかつてのジョージの心構えが、この先のジュリーと柴山さんにも同じようについてくるはずで、特に柴山さんにかかるプレッシャーは相当のもの。それでも静かに、しかしハートは熱く柴山さんはやり遂げてゆくでしょう。それが出来るギタリストと出逢えていたから、ジュリーはこの道を選べたのだと思います。
ギターのスタイルはずいぶん違えども、ジョージ・ハリスンのことが好きなジュリーは、柴山さんのことも大好き・・・間違いありませんよ。
まぁそれはジュリー自身が古稀ツアーのステージ上で堂々カミングアウトしてくれましたが(笑)。

②「正攻法」で捧げるジョージ愛

僕はジョージについてはビートルズ期はもちろんソロ時代もすべての公式リリース音源を所有する黒帯ファンですが、そんなマニアな視点で見てもこのトリビュート盤のラインナップはとても濃厚で、提供アーティスト、バンドそれぞれのジョージ愛を感じる素晴らしい選曲となっています。

Gentleguitarback

特に「ザ・ライト・ザット・ハッド・ライテッド・ザ・ワールド」(ソロ・アルバム『リヴィング・イン・ザ・マテリアル・ワールド』収録)や「ファー・イースト・マン」(ソロ・アルバム『ダーク・ホース』収録)の2曲は、隠れた名曲に光が当てられたようで嬉しく思います。
さらにザ・コレクターズがジョージのソロ最高傑作と言われるアルバム『オール・シングス・マスト・パス』から有名な「マイ・スウィート・ロード」ではなく敢えて「美しき人生」を採り上げているのも最高に渋い。また音の面でもムーンライダース提供の「アイ・ニード・ユー」(ビートルズ『4人はアイドル』収録)、BOX提供の「タックスマン」(ビートルズ『リボルバー』収録)は、カバー・タイトル以外のジョージ作品が合わせ技のアレンジで組み込まれ、ジョージへの深いリスペクトを感じさせます。
ただし、そうしたマニアックで「我こそは」的な選曲群の中に、「これは誰でも知ってるよね」という「看板」曲があって初めてトリビュート盤の完成度は保たれ豊饒の遺産たり得るわけで、ここでその看板を背負っているのが我らがジュリー!なのですよ。

ジョージ・ナンバーで世に最も知られているのは間違いなくビートルズの「サムシング」でしょう。
ジョージの作品としては唯一のビートルズ・シングルと言うだけでなく、完璧なメロディーとコード進行にアレンジ、崇高な詞は正にロック史上に輝く大名曲です。
ジョージが亡くなった後はポール・マッカートニーがこの曲をLIVEの定番ナンバーとして歌い継いでいますが、歌い終えた後時々話してくれるMCネタがあって


この間、○○っていう人(←結構な有名人)に初めて会ったんだけど、僕とビートルズの大ファンということですごく感激してくれてね・・・でも、彼がこう言うんだよ。一番好きなレノン=マッカートニー・ソングは「サムシング」だ!ってね・・・。

と、「それ俺の曲じゃないし・・・」みたいな感じでおどけて肩をすぼめる、という。
これを要するに、「サムシング」は本当に有名なビートルズ・ナンバーだけど、それがジョンやポールではなくジョージ・ハリスンの作品だというのは(一般的には)意外に浸透していないのではないかと。
ですから、「ジョージ・ハリスンのトリビュート」を広く世に問うにあたり「あの有名な「サムシング」はジョージの曲なんだよ」との大看板を担うことは、大変な責任を伴います。生半可なテイクを収めるわけにはいきません。

白井良明さんがジョージファンであることは、ジュリーの「愛は痛い」や「勇気凛々」でのリードギター・トラックを聴けば一目。そんな白井さんでも、ジュリーというヴォーカリストなくしてこの企画にジョージ最高峰の王道ナンバー「サムシング」を立てて挑み、故人に捧げることはできなかったでしょう。
ジュリーは何らトリッキーに走ることなく、背伸びもせずへりくだりもせず、誰もが知るこの楽曲をただ心を込めて歌う・・・そこに徹するのみ。
CDを通して聴けば歴然なのですが、その歌声はもう他収録曲とは別次元なんですよ。ジュリーの正攻法は、ジョージへの最高のリスペクトだと感じます。

見事看板を担ったジュリーと、「沢田さんが歌うならそれができる」と確信を持った白井さんに、ジョージファンとしても大きな拍手を贈りたいです。

③キーボードレス期ジュリー・アレンジの基本形

最後に、ジュリー版「サムシング」の音について簡単に。

ジョージが天国へと旅立った2001年は、ちょうどジュリーが新たな創作スタイルへとシフトした時期でした。翌2002年から始まるキーボードレスのハード・ロック期。そのすべてにレコーディング音源のアレンジマスターとして大きな役割を果たしたのが白井さんで、このトリビュートに収録された「サムシング」はその音作りの基本形、と見ることができます。
ベースにスティング宮本さん、ドラムスにカースケさんという当時のジュリー・アルバムでもお馴染みのリズム隊。そこに白井さんの多様に絡むギター・トラックが載って全体のアレンジが構築されます。
白井さんのギター・トラックは3つ。それぞれ明快に音色が異なる上、几帳面にPANが振られているので聴き取り易いですね。
リード・ギターのフレーズについてはオリジナル完コピ。イントロから鳴っているアルペジオのバッキング・トラックのみ白井さんの新たなアレンジ提案で、これは「サムシング」でのジョージ渾身の美しいクリシェをこれでもかと詰め込まれた進行を強調し聴き手に伝えようと編み出されたのではないでしょうか。

そして何より、ジュリーのヴォーカルがガツン!と耳にダイレクトで飛び込んでくる感覚こそが2000年代ジュリー×白井さん創作音源の真骨頂。
僕はジョージファンでありながら長らくこのトリビュート盤を耳に留めず、ジュリーの「サムシング」含め初めて聴いたのが『ジュリー祭り』後の本格ジュリー堕ちの後だった、というのも「遅れたけれど出逢いのタイミングとして最高だった」と今は思っています。
良い曲を、良い声で歌うという朴訥かつ武骨な2000年代ジュリーの基本形・・・ジュリーの「サムシング」は、ここへ来てまた増え続けている新しいジュリーファンの皆様にも是非押さえて欲しい1曲です。


さて、5月から始まる全国ツアーのタイトルは『SHOUT!』と発表されました。なんとも心躍る一発フレーズ・・・ジュリーの並々ならぬ気魄を感じます。
これは今年の新譜タイトルでもあるのでしょうか?
昨年の『OLD GUYS ROCK』は、収録各曲とは別にCDタイトルがつけられそれがツアーのタイトルにもなりました。今年も同じパターンなのかなと予想していますが、その新譜情報が3月に入ってもまだ解禁されません。

今年はツアーの振替公演が2月に入ったことで、新譜制作のスケジュールが相当タイトになっていると予想できます。普通に考えれば不可能でしょう。
しかしジュリーは毎年の「3・11リリース」には無理をしてでも拘ってゆくと思うので、ギリギリの日程でやはり今年も新譜発売はあるのではないでしょうか。
情報解禁を楽しみに待ちましょう。


風邪はだいぶ良くなってきました。気温変動の
激しい折、みなさまもどうぞご自愛ください。

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2018年12月20日 (木)

沢田研二 「この空を見てたら」

from『耒タルベキ素敵』、2000

Kitarubeki


disc-1
1. A・C・B
2. ねじれた祈り
3. 世紀の片恋
4. アルシオネ
5. ベンチャー・サーフ
6. ブルーバード ブルーバード
7. 月からの秋波
8. 遠い夜明け
9. 猛毒の蜜
10. 確信
11. マッサラ
12. 無事でありますよう
disc-2
1. 君のキレイのために
2. everyday Joe
3. キューバな女
4. 凡庸がいいな
5. あなたでよかった
6. ゼロになれ
7. 孤高のピアニスト
8. 生きてる実感
9. この空を見てたら
10. 海に還るべき・だろう
11. 耒タルベキ素敵

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『瞳みのる&二十二世紀バンド LIVE2018』四谷公演レポートの連載途中ではありますが、ひとつジュリー・ナンバーお題の記事を挟みます。

私事ながら今日12月20日は僕の52歳の誕生日。毎年この日は「ジュリーが自分と同じ年齢の年にどんな歌を歌っていたか」をテーマに更新すると決めていまして、四谷のレポ連載に全力投球中ですので今年は楽曲考察ではなく、お題曲にあやかって思うところを自分の年齢にも重ねて少しだけ書きとめておくという短い文量の記事となります。
曲は、52歳のジュリーが自らの原点であるザ・タイガースのメンバーをゲストに、作曲にもすぎやま先生を迎えて歌った「この空を見てたら」を選びました。
ジュリーの沖縄公演に思いを馳せながら・・・気軽におつき合いくださいませ。


52歳ねぇ・・・。あの『ジュリー祭り』から10年経っているのですから当たり前のこととは言え、僕もいよいよ「初老」の男になってきましたよ。
ただ、同い年の友人や会社の同僚などが「こんな年になってしまった・・・」と肩を落としている中で、僕はそういうマイナスの思いは全然無いのですな。だって、52歳ってジュリーがアルバム『耒タルベキ素敵』をリリースした年ですよ。バリバリじゃないですか!
もちろん僕も身体のあちこちにガタは来ています。それでも「『耒タルベキ素敵』のジュリーと同じ年」というのは何と励みになることか。

僕は「『耒タルベキ素敵』も後追いで聴きましたから、初聴時には世間一般の額面通り
「2000年というメモリアルイヤーに、ジュリーが過去に縁のある作家陣を集結させて豪華絢爛のミレニアム記念盤を製作した」
というその1点を以ってのみ、すぎやま先生の作曲およびサリー、タローのゲスト参加の動機をなんとか把握するに留まっていました。
その後じゅり勉に励むこと10年。
リアルタイムの先輩方はきっと「この空を見てたら」を、「TEA FOR THREE」の最新曲という意味合いも加味して聴かれたのではないか、そして「作曲・すぎやまこういち」のクレジットに心躍らせ、ザ・タイガース復活への道程もチラリと考えていらしたのではないか・・・今はそんなふうに想像しています。

すぎやま先生が作った「この空を見てたら」のメロディーは、もちろん良い意味での大衆性、娯楽性を突き詰めたかのようなプロフェッショナルな力作。メロディーとリズムだけ抜き出してみると、例えば特撮ヒーローもの、戦隊もの、或いは人気アニメ・ドラマの主題歌としても成立する普遍性を感じます。
そこにジュリーが詞を載せ歌い、サリーとタローがコーラス参加することでTEA FOR THREE色ひいてはザ・タイガース色に仕上げられている、というのが僕の考え方。ただし、最終的に重厚なギター・サウンドに転換しアルバム収録曲としてバランスを整えた白井さんの功績も忘れてはいけませんよね。

2000年のこの曲のリリースから時を経て夢のザ・タイガース完全再結成は実現し、さらにその後のメンバーそれぞれの活躍も続く現在は、熱いエネルギーが再び溜め込まれ雄伏している時期なのかもしれません。
今年古稀を迎えたジュリーは、「大好きなギタリスト」柴山さんと2人だけで今後の歌人生を歩む、という大きな決断をしました。
ジュリーは必ずそれを貫き通すはずです。しかし、ふと「バンドのLIVEが恋しいな」とジュリーが考える瞬間もまた近々に訪れるんじゃないか、と考えたりします。
そんな時、孤高の古稀越えロッカー・ジュリーが唯一、弟キャラで「バンドの音を頼ろう」と考え得る存在はザ・タイガース以外無いでしょう。

同じ志の年長者がいる、というのは本当に有難くて、僕の場合この12月、自分の誕生日の前に18日、19日と敬愛するJ先輩の誕生日が続き、「好きな人の年齢を追いかける」感覚の尊さを毎年実感します。
ジュリーにとってタイガースのメンバーがそんな存在ではないか、と思うのです。
今「この空を見てたら」を聴きながら、僕らはもう一度ザ・タイガースのあの熱いエネルギーを受け止める準備をしておくべきなのでは、と夢想するのですが・・・それは勝手な願望、なのかなぁ?


今日は下書きもしない一気書きの短い記事にて失礼いたしました。オマケ画像もなくて、すみません。
次回更新は再び瞳みのる&二十二世紀バンド四谷公演のレポに戻って、連載第4回『怒涛のタイガース・レパートリー』編をお届けします。
連載はそれも含めてあと2回、なんとか年内に完成させたいと思っていますが・・・。

ともあれ不詳DYNAMITE、52歳の年も気合を入れてジュリーを応援する所存。変わらぬおつき合いの程、よろしくお願い申し上げます!

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