瀬戸口雅資のジュリー一撃伝授!

2018年4月15日 (日)

沢田研二 「嘘はつけない」

『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』収録
original released on 1980 シングル「酒場でDABADA」B面


Dabada

disc-31
1. 酒場でDABADA
2. 嘘はつけない

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新しいNHK朝ドラが始まっていますが、みなさま観てますか?(朝ドラ好きのジュリーはたぶん観てる・・・と思うけどどうかな?)
僕は会社の昼休みにテレビでNHKがつけっ放しになっているので自然と朝ドラは再放送で全作網羅する感じなんですが、今回の『半分、青い』は、普段朝ドラに見向きもしないカミさんがせっせと録画をしておりますので自宅でも観ることができます。
と言うのも、カミさんは数年前から佐藤健さんに嵌っているのですな~。
『半分、青い』に出演する佐藤さん(たぶんヒロインの相手役なんだと思う)は他NHK番組での番宣露出も多く、最近の我が家は夕食のお供がほぼ佐藤さん出演番組の録画鑑賞という状態になっております。
カミさん曰く
「朝ドラ観てるジュリーファンの中で何人かは必ず佐藤健に堕ちるはず!」
とのことで、女性から見ると佐藤さんはちょっとジュリーに重なる魅力もあるっぽいです。

それにしてもこの数年、カミさんはことあるごとに佐藤健が佐藤健がと連呼するので、僕は遂に昨年、旦那の威厳をもってガツン!と叱りつけてやりましたよ。

『仮面ライダー電王』観ずして佐藤健を語るな!

と(笑)。
僕は昔から特撮好きではありますが、DVDを全巻購入するほどまでに入れ込んだ作品はほんの僅か。佐藤さんの出世作となった『仮面ライダー電王』(2007年放映)はその中でも筆頭格でした。
旦那の意見を素直に聞き入れ『電王』を観始めたカミさんはまたたく間に主人公を演じる佐藤さんのみならずスーツアクターの高岩成二さんにまで嵌り、現在カミさんの部屋は『電王』登場キャラクターであるイマジンのフィギュアで溢れかえっています(笑)。

180325_9


こちらは先月川越に遊びに行った際に訪れた、『仮面ライダー電王』ロケ地として有名な『モダン亭太陽軒』さん。
実際には洋食屋さんなのですが、『電王』作中では佐藤さん演じる主人公のお姉さんがきりもりしている喫茶店『ミルクディッパー』の外観として登場します。

ということで僕らは夫婦で佐藤健さんを応援中。

『半分、青い』は今週から青年期に突入するという、ちょうど佐藤さん登場のタイミングです。ジュリーファンのみなさま、是非『半分、青い』を観ましょう!


おっと、久々にお題とはまったく関係のない枕を長々と・・・失礼いたしました。
前回に引き続き、今日もジュリー珠玉のシングルB面曲を採り上げます。
『酒場でDABADA』のB面で糸井重里さん作詞・ジュリー作曲「嘘はつけない」、伝授です!


①50周年ツアー会場BGMの思い出

と言いつつ、今日は曲の考察自体は少なめです。
枕に引き続き、記事本文でものっけから話が逸れてしまうのですが・・・。先の50周年ツアーの参加会場でBGM体感したジュリー・シングルB面曲を、僕はあれこれと今改めて思い出しているところ。

僕の場合は初日のNHKホールと11月の松戸がほぼ同じ内容だったりするなど、全時代まんべんなくとはいきませんで、結果オールウェイズ&エキゾティクス期、CO-CoLO期、JAZZ MASTER期をまったく聴くことなくツアーを終えました。
やっぱり「もうするステージが始まる」という緊張感、期待感の中で会場内音響で体感するBGMというのは、ただ自宅で聴く時とは違う味わいがあって、しかもそれがシングルB面群という素晴らしい趣向・・・全時代をひと通り聴いてみたかったのでその点は少し残念。まぁ巡り合わせですから仕方ないんですけどね。
今日のお題「嘘はつけない」も僕の参加会場では遂に聴けずじまいでした。

みなさまはそれぞれ参加された会場で特に印象に残ったB面曲、ありましたか?
僕が「おおおっ!」と盛り上がったのは、12月の武蔵野公演。おフランス・シングルのあたりで入場して、着席してからはじっくりと阿久=大野時代の濃厚なB面名曲群を満喫。今さらながら凄い詞曲の組み合わせだなぁと聴き入っていたら、「真夜中の喝采」が終わったところでブザーが鳴って「まもなく開演」のアナウンス。
「え~と、アナウンスの後もBGMって流れるんだったっけ?」と考えた瞬間に「バタフライ革命」のイントロが始まりました。いやはや、「まもなく開演」からの「バタフライ革命」って・・・インパクトあり過ぎでしたよ~。

詞を普通に考えれば、曲想的には「パーティーさわぎ~♪」と歌う「真夜中の喝采」が軽快なテンポで、「お前は男~♪」と歌う「バタフライ革命」がしっぽりとしたバラードとするのが本来似合いそう。でもそれを平気でひっくり返しちゃうのが阿久=大野時代の醍醐味なんだよなぁ、とそんなことを考えつつジュリーとバンドの登場を待っていた・・・これが僕の50周年ツアー・会場BGMの一番の思い出ですかね~。

ファンはそれぞれ自分の中に「ジュリー像」を体現する詞曲というものを違う形で持っていると思うけど、世間一般のジュリー像って、やはりこの時期の阿久さんの詞のイメージだと思います。
阿久さんは「男のやせがまん」という言葉を使っていたと聞きます。まぁ「ダンディズム」になりますね。
男性作詞家が書く(投影する)ジュリーの詞、突き詰めればここに極まれり。80年代以降、大津あきらさんや秋元康さんが阿久さんのその路線を踏襲しつつ、名編を生み出していきました。

では、比類なきオリジナリティーで新たな「ジュリー像」を果敢に切り開いた糸井重里さんは、その点どうだったのでしょう?
「TOKIO」「恋のバッド・チューニング」。はたまた「MITSUKO」「みんないい娘」「HEY!MR.MONKEY」「クライマックス」・・・糸井さんの描くジュリーは、いかに主人公の「男」が漲っていようとも阿久さんのそれとはまったく違うように感じられます。
しかしただ1篇だけ、阿久さんが確立させた「ジュリー像」にとても近い作品、それが今日のお題「嘘はつけない」ではないでしょうか。
といったところで、次のチャプターからようやく楽曲の考察に入ります~(汗)。


②「みんないい娘」とは兄弟曲?

僕が「嘘はつけない」を初めて聴いたのは2009年、大枚はたいて購入した『JULIE SINGLE COLLECTION BOX~Polydor Yeas』でした。
僕もまだまだジュリーファンとしては基本知識が浅く、未知のB面曲を単独で聴いた時にリリース時期も特定できないような状態の頃。それぞれの曲を一応歌詞カードとクレジットを見ながら聴いていましたから、初聴時に「これは○○のB面」と頭に叩きこんでいくわけですが、何せ「こんな名曲があったのか・・・全然知らなかった」という、その数が多い。すべてをいっぺんには覚えられませんわな。
だからなのでしょうか、「嘘はつけない」のクレジットもずっと記憶が曖昧で。

作詞・糸井重里さん。
作曲・ジュリー。
編曲・松任谷正隆さん。

いずれも「へぇ、そうだったのか」とCDを取り出したその都度再確認してきた感じです。編曲の松任谷さんなんて、ジュリー・ナンバーとしては珍しいですよね。

まず僕はこの曲の作詞者を一時期阿久さんだと思い込んでいました。

裸のあなたがカメラを向けた
Em                                    D  Em

冗談(ジョーク)はよせよ
Am

思い出ができちまう
Am                    Em    F#7  B7                            

そろいのグラスでシャンパン飲めば
C          Em       D                    B7

愛に似たような 気分になれる ♪
Am         Em     F#7           B7

出だしから、阿久さんっぽくないですか?
「よせよ」とか「できちまう」とか「気分になれる」とかね。断定的と言うか、阿久さんの描く「男」の台詞回しを僕は連想してしまいます。

次に作曲者がジュリーという点。
これはね、特に違和感は感じていなかったんですが、昨年福岡の先輩から授かったジュリーのラジオ音源の中の『NISSAN ミッドナイト・ステーション』特別企画『ジュリーB面ベストテン』放送回で、ジュリー自身がこの「嘘はつけない」を「加瀬さんの作曲」と紹介しているんですよ(詳しくは次のチャプターで!)。
これは単なるジュリーの勘違い?
それとも当時のシングルレコードのクレジットが誤って「作曲・加瀬邦彦」と記されていて、ジュリーはそれをそのまま読み上げてしまった?
シングル盤『酒場でDABADA』をリアルタイムで購入し今も保管されている先輩方、お手数ですがその点チェックして頂けると嬉しいです。

僕の想像ではおそらく、当時ジュリーが作ったプリプロのデモ音源を加瀬さんが相当な範囲で手直しして、ジュリーとしては「ずいぶん感じが変わった」=「ほとんど加瀬さんが仕上げたような曲」というイメージが強く残り、その後「加瀬さんの曲」と認識するに至った、という・・・いかがでしょうか。
それ以前の曲にも、例えば「コバルトの季節の中で」は加瀬さんが手直ししてくれた、と話がありましたし、逆に「危険なふたり」はキメのメロディー部をジュリーの希望で変えたと言いますし。
ジュリーと加瀬さんはずっとそんなふうに「曲作り」を二人三脚でやってきたのでしょうからね。

で、「嘘はつけない」に加瀬さん色を感じながら改めて曲の仕上がりを紐解くと、リリース時期の近いアルバム『BAD TUNING』収録の加瀬さん作曲の名曲「みんないい娘」との共通点が浮かびあがります。
キーこそ違いますが(「みんないい娘」はニ短調、「嘘はつけない」はホ短調)、いずれもミディアム・テンポの短調によるビートもの。また、オルガンを前面に押し出すシャキシャキとしたアレンジや、サビでの並行移調のニュアンスもそっくりです(「みんないい娘」はヘ長調へ、「嘘はつけない」はト長調へ)。
さらに、作詞がどちらも糸井重里さん。これはまるで「兄弟曲」のような関係ではないですか。

そう考えると、先に「嘘はつけない」は糸井さんが唯一世間的なジュリーのイメージに沿って阿久さんの詞に近づいた、と書いた僕の考察も怪しくなってきます。
「みんないい娘」にはズバリ「嘘はつけない♪」というフレーズも登場。浮気な色男が可愛い女の子達を手当たり次第に口八丁手八丁で口説いていた中で、1人だけストップモーションの特別な存在を意識したのは、「大人の女性」だったのでは?

嘘はつけない 大人の女(ひと)に
G       Bm7     C        D7         G

嘘はつけない 大人の男 ♪
Bm7   Em       F#7       B7

「嘘はつけない」と「みんないい娘」は同じ女性のことを歌っているのかもしれないなぁ。てか、下手するとそれが「MITSUKO」さんなんだったりして。
糸井さん作詞のジュリー・ナンバーは約2年という短期間に限定されていて、だからこそそれぞれの詞の密度はとても濃いです。こうして色々と(強引に)作中の登場人物を関連づけてみるのも面白いですね。

糸井さんは今も多方面で大活躍されています。福島の原発事故については一貫して「反差別」の志を持つ糸井さん・・・それは先月「ロイヤル・ピーチ」の記事で書いた僕自身の考え方とよく似ていて、僕としては本当にリスペクトする人です。
ただ、ジャイアンツファンなんですよねぇ、糸井さんって。そこだけはちょっと・・・(笑)。

あと、このシングルのA面の方・・・「酒場でDABADA」についても少しだけ書かせて下さい。

盟友YOKO君の「元祖・ダイブ曲」です。
10年前の12月3日、2人連れ立って参加した初のジュリーLIVE『ジュリー祭り』の開演前、遥か高い2階スタンド席に着いて眼下のアリーナを眺めながらふと「どの曲のイントロが来たら、あそこ(アリーナ)にダイブする?」という物騒な話(笑)になって、僕は「ロンリー・ウルフ」、YOKO君は「酒場でDABADA」を挙げました。
あれから10年が経ちますが、その時僕らが口にした2曲はそれ以来未だにツアー・セットリスト入りしていません。ビッグチャンスだった先の50周年記念ツアーでも見送られ、「何故ジュリーはなかなかこの2曲を歌わないんだろう」と不思議に思い、昨年ジュリー道の師匠の先輩に疑問をぶつけてみました。
先輩は「酒場でDABADA」について、「以前DYさんがDABADAをセトリ予想で書いた時、昔からのファンは皆”それは難しいんじゃない?”と思っていたのよ」と。
しかし「でも、今年のツアー(50周年ツアー)を観てたら、”今のジュリーならDABADA歌えるわ!”と思った」のだそうです。

僕は新しいファンなので先輩の教えをうまく噛みくだけてはいないんですけど、「ジュリー本人が”その気”になる」ための高いハードルが「酒場でDABADA」という曲にはある、ってことなのかな。
先輩曰く「今のジュリーなら歌える」・・・僕には、数年前のジュリーと50周年ツアーのジュリーとでどんな変化が先輩に見えているのかまでは分からないのですが、古稀ツアーでの「酒場でDABADA」降臨に期待を膨らませています。
ということなので、さいたまスーパーアリーナのスタンドから10年越しのダイブを敢行するYOKO君を目撃したいみなさま、万難排して是非さいたまスーパーアリーナに集結してください!(笑)


③『ジュリーB面ベストテン』(後半部)

さぁここでは、昨年来猛勉強中のジュリー過去のラジオ音源、今日は前回の続きで『NISSAN ミッドナイト・ステーション』特別企画『ジュリーB面ベストテン』放送回の後半をお届けしますが、まずはお詫びから(汗)。
前回記事の予告で「惜しくもベストテンから漏れた11位から20位の曲」と書いてしまいましたが、『B面ベストテン』で発表されているのは11位から15位まででした(『A面ベストテン』の方では20位まで発表しているんですけどね)。ごめんなさい。
ということでその11位から15位の「隠れた名曲」についてジュリーのコメントを聞いていきましょう。

11位「世紀末ブルース」(35票)


何というタイトルなんだこれは(笑)。
またこれ演奏した時大変だったんですよ。横浜球場で。病気して、病気明けの時でございますよ~。その頃はオールウェイズというね、バックバンドでございました。
恐怖の世紀末ブルース、うん(笑)。


厳密には「シングルB面」としての「世紀末ブルース」はスタジオ・レコーディング・ヴァージョンなんですけど、やっぱりジュリーはアルバム『BAD TUNING』収録のLIVEヴァージョンのイメージの方が強いようですね。
そうかぁ、大変だったんだ・・・オールウェイズの演奏自体が大変なことになってるのに加え、ジュリーはまだ体調が万全ではない中での激しいパフォーマンスだったということなんでしょうね。
ちなみにほぼ同世代の男性ジュリーファンであり、じゅり風呂の大先輩でもあるkeinatumeg様が最近の記事で、「自分は世紀末ブルースに投票した」と書いていらっしゃいます。このラジオ番組をリアルタイムで聴いていらしたんですねぇ。羨ましい!

12位「遠い旅」(31票)


これはなかなかねぇ、渋い曲でございますよ。井上堯之さんの生ギターでね。難しい、何分の何、というコードが出てくるやつでございますよ。僕には弾けないという・・・ハッハッハ!

ジュリーは弾けないみたいですが僕は弾けますよ~。ただしカポ2のCで。

僕が現在のジュリー知識のまま『NISSAN ミッドナイト・ステーション』放送当時に遡ってラジオを聞いていたとしたら、たぶんこの「遠い旅」に投票しただろうなぁ。
前回書いた「美しい予感」も同じくらい好きなんだけど、あちらは「アルバム収録曲」のイメージが強いですからね。「B面」の括りなら僕は「遠い旅」推しです。

13位「旅立つ朝」(28票)

ちょっとこれはタンゴ調のリズムになっておりましてね。なかなかステージ映えした曲でございますよ。

14位「嘘はつけない」(25票)


糸井重里さんの作詞でございますね。曲は加瀬邦彦さん。

・・・ね?「曲は加瀬邦彦さん」って澱みなく言ってるんですよ、ジュリー。
先のチャプターでも書きましたが、実際のところどうなんでしょう。とにかく僕はこのラジオ音源を聞いたのが昨年のことで、ま~ブッたまげました。
だって、2015年の時点で僕は「加瀬さん作曲のジュリー・ナンバーはすべて記事に書いた!」と堂々と言ってしまっているわけですから。
慌ててCD取り出してクレジットを確認しましたし、ウィキも見てみて・・・やっぱり「作曲・沢田研二」となっているんでホッとしたんですけど。


この頃になると割と最近だから、これといって思い出も・・・あっ、そうだ。ジャケット見ました?髭はやして・・・髭薄いのに!
この時これね、睫毛につけるやつ・・・マスカラ?マスカラで(髭を)濃くしてね、撮影したんです。こんな写真のように濃くはならないんですよ、僕の場合は。


男性は、普段髭の濃い人より薄い人の方がカミソリ負けしやすいと聞いたことがあります。だから今ジュリーは髭を剃るのをやめて整えるだけにしているんじゃないかな。カミソリ負けが酷い人は「朝から大流血」なんて日常茶飯事らしいですから。
かく言う僕は・・・濃いです!南国系ですので(笑)。


15位「夕なぎ」(22票)

この曲は・・・この番組でも言いましたっけね、ワイルドワンズがタイトルを変えて、詞の内容も変えて、メロディーはそのまま使ってLPに入れとるんです。
しっかりしとるぜ、加瀬さん、作曲家!(笑)


以上が11位から15位。なかなか興味深いラインナップです。先輩方に人気が高い、というイメージがある「青い恋人たち」が入ってないのが意外でした(ベスト3にもランクインしていません)。
それではいよいよ3位、2位の発表です。

3位「月曜日までお元気で」
(89票)

これはもう今年の1月に発表した『麗人』のB面なんですけど、まぁこの1年足らずの間にね、ずいぶん僕のサウンドも変わったなぁとつくづく思いましたね。
それからやっぱり、曲のテンポを決めるっつうのは難しいな~。ステージなんかでやってると、もうちょっとゆったりめだもんね。(この曲は)ゆったりめの方が気持ちいいもんね、うん。


2位「ZOKKON」(108票)


これは僕の作詞・作曲でございましてね。
え~まぁ、「この曲はどういうふうに書いたんですか?」というお便りを当時たくさん頂きましたね。「これ、ひょっとして田中裕子さんのことを思いながら書いたんじゃないですか?」とか。そんなことは決してございません、ハイ。


なるほど、「ZOKKON」はそういう時期のリリースですか。でもこれはジュリーの言う通りだと僕は思いますよ。アルバム『A WONDERFUL TIME.』に収録されているジュリーの自作曲は詞曲とも「夏に向けて」という明快なコンセプトがあります。作ったのはちょうど今くらいの時期か、もうちょっと前でしょうけど、「夏からの新しいアルバムのツアーで歌う」ことを念頭に、夏らしい曲をということで2曲それぞれこういう詞になったんじゃないかな。
あとこれはね、「景気づけ」という役割を持つ曲。ジュリー自身が自らを鼓舞する・・・そんな進行、譜割りになってます。いずれ考察記事を書きますが。

ちなみにタイトルを発表する際ジュリーは「ぞっこん」ではなく「ぞここん~!」と発音しています。

さてここまで進んだところで、ジュリーがひとしきり「B面とは」と講義してくれています。
チャプターがかなり長くなりますがとても興味深い内容ですから、書きおこしてみましょう。


やっぱりB面って言うと・・・(シングルを買った人は、まず)A面聴いて「うん!」と。まぁ2、3回A面聴きますわね。で、ちょっと気分直しに「ああ、B面?あったね」という感じでB面パッと聴いて、「あ~、ふ~ん、B面ね」って感じで、またA面を聴くという。本当に「恵まれない」という感じがするんですけれども。
かと言って僕たち作る側としては、「これはB面用」なんて思って作るわけでは決してないんですよね。
いや・・・でも正直言ってあるかもしれないなぁ。
作家の心理としてはですね。「これがA面、ギンギンに行く!」・・・で、もう1曲、まぁ2曲ぶんシングル用で頼まれていたとしたらよ?例えば、(何も)言われなかったらどっちが(A面かB面か)分からないわけだから一生懸命に、僕の場合でも作るんだけど、割とね、(製作サイドから)2曲シングル用って頼まれる時には、詞が先にあったとしたら「こっちの詞のやつをバ~ッと思いっきりやって下さい。あとは(もう1曲は)流して結構です」なんて言われる時もあるね。時々あるよ!うん(笑)。

それからね、シングル候補が2曲あった時に、「1位、2位」ということで「A、B」となる場合と、LPを出す都合とかそういうのが色々とあってやね、「LPにも入ってる、シングルにも入ってる」ということよりも、「シングルにはLPに入ってない曲を入れると、ファンの人が買ってくれるんじゃない?」というそういうセコい考えで入れるような場合も、あるようでございますよ。
いや、決して僕のことっていうのではなくて・・・あるようでございますねぇ(笑)。ここだけの話ですが。
今日は暴露話になっております(笑)。


僕のシングルに関しては、ここ2、3年は本当に「1位、2位」になっていますね。A面をすべった曲がB面に入ってる、という場合が多いですね、うん。
まぁ何はともあれですよ、「出してみないと分かんない」ということがあるじゃない?
いつも決まったスタッフなりがいてね、そういうスタッフが決めるわけだ。「こっちもイイんだけどな~。どっちだろう?」なんて言いながらこう、いざパッと出して、「B面もイイ」なんて言われる場合がしょっちゅうあるわけですよね。人の好みにもよるだろうし。
でも過去において一番凄かったのは、タイガースの頃にね、「銀河のロマンス」、A面ね。B面が「花の首飾り」。これが完璧逆転しちゃったわけよ。こういうことっつうのはまぁ、凄いね。

それからね、「サムライ」を出した時に、(B面が)「あなたに今夜はワインをふりかけ」。「これもイイ!」って、ある番組なんかね、こっちの方がリクエストが多いとか、ラジオなんかでね。いわゆるオリコンなんかにも、「あなたに今夜はワインをふりかけ」が単独でランクに入ってきたりね。
でもそれが(A面とB面を)逆転する、ということまでにはいかなかったということでございましてね。
まぁ本当に、いまだに決して忘れないのは「花の首飾り逆転事件」というね。これはもう永遠にワタクシのウィークポイントであったりなんかするわけでございますけれども(笑)。


いやぁ面白い話です。
「花の首飾り」って、僕なんか新規ファンですから「かつてそういうことがあった」というのはまぁ知識としてありつつ、でもそんな気にすることのほどでも・・・なんて思っているのに、ジュリーファンの先輩方は一様にすごく気にされているから不思議に感じていたんです。
そうかぁ、ジュリー本人がず~っと気にしていて、みなさんそれをご存知だったということなんですね。

あと、A面B面を2曲纏めて作曲依頼される時の話も興味深い。ジュリーは実体験から話してくれていると思うので、アン・ルイスさんの『ラ・セゾン』の時にそんなことがあったのかな。
B面の「Clumsy Boy」も名曲だと僕は思いますが、じゃあそちらがA面で違和感無しか、と言われるとやっぱりねぇ。ジュリーは「あとは流して結構です」を真に受けて作ってはいないでしょうが、どうしてもそんなふうに依頼されてしまうと入魂度も違ってきたりするものなのでしょうか。

では放送本編に戻りまして、ここでジュリー本人からのリクエスト・・・「15位以内には漏れたけど僕が好きな曲」ということで

番外篇「甘いたわむれ」

がオンエア。
そしていよいよ1位の発表です。

1位「あなたに今夜はワインをふりかけ」(186票)


『ジュリーB面ベストテン』、栄えある第1位は、186票のダントツで「あなたに今夜はワインをふりかけ」でございました。
順当なところですね、この1等賞は。うん、そう思いますね。
さっきも話が出ましたけれども、これも「何でB面なんでしょう?」っていうお便りもね、たくさんありました。
でも僕たち思うんですけど、「この曲イイから、今度のシングルにとっておこう」なんてすると、絶対古くなるんですよ。「あの時のやつ出せばいいのに」と思っても大概ダメ。だからその時その時にやっぱり、新しいチャレンジをして、B面にしろ何にしろね、作ってやっていきたいと思いますね。「ストックの曲をB面に入れる」とかそういうことは決してしないようにしようと思っておりますよ、ハイ。
みなさまもこれからは、恵まれないB面に愛の手をさしのべて頂きたいと思っております。


その後時代は大きく変わり、今はもう「シングル・ヒット」なんて言葉すら意味が希薄となりました。
それこそジャケ違いだなんだと「セコい考え」のセールス戦略がが当たり前になったり、タイアップありきになったり・・・。最早「A面があってのB面曲の素晴らしさ」が前提として語れない時代になってしまいましたから、今の若い人達がこのジュリーの「B面講義」を聞いてもよく飲み込めないかもしれませんね・・・。

『ザ・ベストテン』全盛世代の僕はギリギリ「シングル・ヒット」の意味を知っています。
ウィングスの「デイタイム・ナイトタイム」、邦楽だとゴダイゴの「ア・フール」、ツイストの「cry」とか、「お気に入りのB面」が入ったシングルが実家に残っています。
僕は、今となってはもう貴重な、いい時代を過ごすことができた・・・『ジュリーB面ベストテン』のラジオ音源は、改めてそんなふうに実感させてくれましたねぇ。
ジュリーファンのみなさまの「私にとってのイチオシB面曲」、この機に是非教えてくださいませ。


それでは、オマケです!
今日は『G. S. I LOVE YOU』パンフレットの中から、「マスカラで髭を濃くした」ショットを4枚どうぞ。


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Gs6

Gs5



では次回更新は、4月20日の予定。
加瀬さんの4回忌ということで、ワイルドワンズの曲を採り上げたいと思います。

どの曲を書くかはもう決めているんですけど(2曲同時執筆のつもり)、問題は20日までに記事を仕上げられるかどうか。実はその20日金曜日から日曜まで、2泊3日でカミさんの実家のお墓参りに帰省するのです。
ですから前日の木曜日までにすべての下書きを済ませ、20日の朝出かける前にupという段取りに。
間に合うかなぁ?
もし間に合わなかったら、加瀬さんごめんなさい!

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2018年3月 6日 (火)

沢田研二 「絆(きずな)」

from『FOREVER ~沢田研二ベスト・セレクション』

Forever

side-A
1. 危険なふたり
2. 立ちどまるな ふりむくな
3. 巴里にひとり
4. あなただけでいい
5. 君をのせて
6. ある青春
side-B
1. 時の過ぎゆくままに
2. 許されない愛
3. あなたへの愛
4. 魅せられた夜
5. 今、僕は倖せです
6. 追憶
side-C
1. ウィンクでさよなら
2. 恋は邪魔もの
3. 燃えつきた二人
4. 胸いっぱいの悲しみ
5. 死んでもいい
6. 白い部屋
side-D
1. 悪い予感
2. WHEN THE LIGHTS WENT OUT
3. ELLE
4. 愛は限りなく
5. 絆(きずな)

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帰宅したらインフォが届いていました~!
まぁ何と言うか・・・改めて驚嘆、圧巻ですよね。これが今年古稀を迎える歌手のスケジュールだとは。やはりジュリーは別格です。
凄まじい人のファンになったものだとしみじみしつつ、自分の参加会場は1週間ほど使って(お誘いする人の都合も聞いて)、じっくり考えたいと思います。

とりあえずは、今日の更新に集中!

さて、楽曲お題の記事としては久々の更新ですが、今日は「考察記事」という感じではなくなりました。
僕は先の2月25日、タイガース・ファンとしてリスペクトする先輩であり、ひとまわり年長のロックな友人でもあるYOUさんの企画LIVE(大岡山PEAK-1、『ゆうちゃん三昧2018』)に行ってきました。

YOUさんは普段からX-JAPANのコピーバンド「ゆうちゃんバンド」でのギタリスト活動をメインに、毎回個性派の対バンを迎えPEAK-1さんで精力的に企画LIVEを継続しています。そんな中今回は、ゆうちゃんバンドに加えオープニング・アクトでジュリーのコピーバンドを臨時結成、ヴォーカリストとしても出演されました。
YOUさんがジュリーを歌うのは4年ぶりのことで、当時の経緯については拙ブログのこちらの過去
記事をご参照ください(メチャクチャ大長文ですが汗)。

今年で64歳となったYOUさん、全力勝負の2バンドのステージを終えた後はさすがに疲労困憊のご様子でしたが(お別れ際に「本当に疲れた」と仰っていました。「疲れた」と口にすることは滅多にない人なので少し心配です)、出演3バンドをじっくり堪能し(もうひとつの出演バンドはGSのコピーバンド。ジュリー絡みでは「白夜の騎士」「自由に歩いて愛して」を演奏してくれました)、YOUさんのLIVEでいつもお会いする先輩方はもちろん、僕よりもずっと若いJ友さんと『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアー・びわ湖公演以来の再会が叶ったり、4年前のYOUさんのLIVEでビフォーを共にした車椅子のJ先輩ともその日以来お会いできたりと、楽しい1日を過ごしました。
訪れるのは今回で5度目のPEAK-1さんはこの日も盛況。音響、演奏者、お客さんへの心遣いが素晴らしいライヴハウスだと改めて感じました。

さて、僕は今回のYOUさんのジュリー・コピーバンドについても4年前に引き続き採譜(バンド・リハの叩き台)でお手伝いさせて頂き、そのためセットリスト全10曲を半年前に既に把握していました。
今日はその中から、YOUさんが本番のMCで曰く
「世の中にジュリーをコピーするバンドは多いけど、この曲はまずやらない。下手すると知らない」
という名曲、「今回の企画はこの曲ありき、で決まった」とセットリスト決定の時点で並々ならぬ気魄と覚悟を漲らせていた名曲・・・ミッシェル・サルドゥの日本語詞カバーで「絆」をお題に更新させて頂きます。

いつものように「伝授!」などとはとても言えない圧巻の名曲であり、新規ジュリーファンにとってはさらなる今後の勉強が必要な曲です。
本家ジュリー・ヴァージョンのお話は少ない記事内容なのですが、YOUさんとのご縁あってこの名曲と真剣に向き合う機会を得た今、頑張って記事に残しておこうと思います。よろしくおつき合いくださいませ。


①大名曲、再確認と勉強の日々

新規ファンの僕にとって、ジュリーがこれまで歌ってきたすべての楽曲を網羅し音源なり映像なりで血肉とするのは、気が遠くなるほど大変な作業です。
オリジナル・アルバムをすべて揃えて身体に叩き込んで・・・それでようやく半人前というのがジュリー道。お芝居で歌った曲、LIVEやテレビ番組、ラジオ番組で歌った曲・・・本当に一体どれほどの曲があるのか。
僕は多くの先輩方のご好意で、ファンのキャリアからするとそれら音源を手元に多く持っている方だとは思いますが、なにせ追いつかない。たった一度聴いたくらいの曲では血肉にはなりませんしね。

4年ぶりにジュリーのカバー・バンドでLIVEをやる、と決心を固めたYOUさんから「セットリストを決めました」と採譜依頼のメールが届いたのは昨年夏の終わりのことでした。もう演奏順まで決めていらっしゃって、思わず手を打ついかにもYOUさんの選曲っぽい70年代のジュリー・ナンバーがヒット曲レア曲問わず列記される中、最下行に見慣れないタイトルを見つけました。
「絆」。
本当にお恥ずかしい話、その時僕は「?」と。
「最後の1曲だけ僕が知らない曲のようです」とYOUさんにも返信しましたし、こういう時いつも頼りにしている長崎の先輩への「歌詞カードをお持ちでないでしょうか?」とのお願いメールにもいったんは「これは知らない曲で・・・」などと書いていました。

早速YOUさんから音源が送られてきて、聴いているうちに「いや、これは前に聴いたことあるぞ!」と。
そこで思い出したのが、あれは2010年だったでしょうか・・・別の長崎の先輩を介して、敬愛するじゅり風呂の先輩が編集作成してくださった『ジュリー洋楽カバー集』(何とCD15枚組!)を聴かせて頂いていたこと。
少しづつ勉強はしていたのですが、まだまだそのすべてを血肉とするには至っていません。
久しぶりに取りだして確認してみると、当然ながら「絆」は収録されていました。
改めてそちらを聴くと、YOUさんから送られてきた音源とはヴァージョンが違います。
YOUさんの音源は『ビッグショー』のものだとメールに記してありましたが、さてこちらは・・・?というところまでは未だに勉強できていません。『FOREVER ~沢田研二ベスト・セレクション』収録がどちらのヴァージョンなのかも僕には分かっていません(恥)。
いずれにしても素晴らしい名曲、名演。僕はどちらかと言うと先輩がカバー集に入れてくださっていたヴァージョン方が、より好みでしょうか。

それにしても・・・凄い。
これほどの名曲を中途半端にかじり聴きしたまま数年放置していた自分が信じられません。25日のLIVEでのYOUさんのこの曲を歌う前のMCで仰った「圧倒的なジュリー」との表現、正にピタリです。

YOUさんから頂いた全セットリスト中、採譜作業は「絆」が最後。『FOREVER ~沢田研二ベスト・セレクション』付録の貴重なスコアも長崎の先輩から見せて頂くことができましたが、やはり時代のせいか五線譜はともかくコード・ネームの採譜精度が低かったため参考資料とはせず、1からの自力採譜となりました。

採譜というのは、単にコード進行や楽曲構成を把握する以外に、楽曲全体の理解度ひいては愛情を高めてゆく作業でもあります。歌詞も一字一句書き起こしますし、演奏の細かい部分まで何度も繰り返し聴いて確認するわけですからそれも当然。
「絆」は予想に違わぬ難曲でしたがなんとか清書は成りました。これにて僕はようやくジュリーの「絆」を自らの血肉にしたとは言えます。
ただ、新規ファンの僕には曲にまつわる根本の知識が足りません。「ミッシェル・サルドゥの歌」だと教わっても、僕はミッシェル・サルドゥの名前すら今回初めて覚えたのですから。
この曲についてだけでもまだまだこれから勉強すること、たくさんあるんだろうなぁ・・・と、僕はひと段落つきながら暢気にそんなことを考えていました。

その後僕の採譜は無事バンドの叩き台となったようで、YOUさんから「リハは順調」とのご連絡も頂き、特に「絆」に期待しながら来たるLIVEを楽しみにしていた、そんな頃。昨年12月はじめのことでした。
本当に、こういう時って不思議な偶然が繋がるものなんですね。いつも楽しみに読ませて頂いているRスズキ様のブログで、ジョニー・アリディさんの訃報についての記事更新がありました。
「え~と、ジョニー・アリディって何かジュリーに関係のある人なんだっけ?」などと無知丸出し状態のまま御記事を読み進めてビックリ。有名なジュリーの『ハムレット』が元々アリディの作品であったというお話も驚きでしたが、オリジナルの「絆」はミッシェル・サルドゥが親友であるジョニー・アリディに捧げた歌だ、というではありませんか(原題は「Hallyday(Le phenix)」、邦題は何と「不死身のアリディ」!)。
「絆」が「友情の歌」であることは歌詞からも一目だったとは言え、ミッシェルとアリディのそんな背景がこの歌にはあったのだなぁ、とその時僕は知ったのです。
竜真知子さんの訳詞はその背景を尊重した上で、あの素晴らしい日本語ならではの叙情性、物語を作り上げているようですね。

このように、今回YOUさんのLIVEのお手伝いを機に僕はジュリーの「絆」という大名曲を本当の意味で知り、僅かながらもリアルタイムの空気や背景を勉強することができました。
そして、この「圧倒的なジュリー」にのめり込めばのめり込むほど、アマチュアのバンドが「絆」という名曲をカバーする、歌い演奏するというのは、「難易度が高い」を通り越してほとんど暴挙に等しいのではないか(笑)とLIVE当日が楽しみのような心配のような、複雑な気持ちになっていきました。
さぁ、YOUさんの挑戦はどのような結果となったでしょうか。次チャプターで書いていきましょう。

②YOUさんとJULIE LOVEの「絆」ふりかえり

今回YOUさんが4年前とは異なるメンバーで「ジュリーを歌う」ために結成したバンド名はズバリ「JULIE LOVE」。採譜、と言うかリハの叩き台を提示した身としてはやはり、この日一番のお目当て出演バンドです。

ジュリーファンは総じて、「ジュリーの曲を他の人が歌う」ことについてはそれがプロであれアマチュアであれ大変厳しい。これは僕自身もそうです。
それでもジュリー・ナンバーのカバー、コピーバンドを聴くとなれば、僕の場合はまず「世の誰もジュリーの歌をジュリーのようには歌えはしない」という思い、大前提がありますから(これはみなさまもおそらくそうでしょう)、「容姿が美しい」とか「歌声が本家に似ている」などという要素は一切評価の対象にはなりません。
僕が見るのは「何故ジュリーを歌うのか」「その曲へのリスペクトと、自ら歌おうとする覚悟が見えるか」・・・つまり歌や演奏の巧拙より、動機と志です。

YOUさんはこの点については絶対に大丈夫な人、というのは4年前のステージで既にハッキリしていますが、「絆」に限ってはどうだろう、さすがに演ずる側も観る側も辛いのではないか、とLIVE前は考えていました。
しかしそれは良い意味で見事裏切られたのでした。

この日出演の3バンド、全演目の中で僕はYOUさんが歌った「絆」が圧倒的に素晴らしかったと思います。
アマチュア・バンドのLIVEで、観ている側が「忘我の境地」を体感できることなどなかなかありませんよ~。YOUさんもJULIE LOVEのメンバーも、この曲では完全にゾーンに入っていた感じでした。

まずJULIE LOVEの全セトリをおさらいしますと

1. お前は魔法使い
2. ウィンクでさよなら
3. 遠い旅
4. 旅立つ朝(これはYOUさんの奥様が一番好きなジュリー・ナンバーなのだそうです)
5. ダーリング
6. カサブランカ・ダンディ
7. 白い部屋
8. 時の過ぎゆくままに
9. 勝手にしやがれ
10. 絆(きずな)

バンドの演奏、とても良かったです。
「絆」を別格として、僕がこのセトリで特にバンド・アレンジ再現の難易度が高いと考えていた曲は「旅立つ朝」でしたが、これがまた素晴らしかった!
中でもキーボードさんは3つの音色を駆使し、変幻自在の大活躍。ラストのピアノ・グリッサンドは音はもちろん両手の動きがバシッ!とキマって、本番に至るまでの猛烈な稽古量を感じさせてくれました。
採譜作業過程でのやりとりの中で僕はYOUさんに「旅立つ朝」のバンド再現はかなり難しいのではないかという話も何度かしていたんですけど、その度にYOUさんは「僕の歌はともかく、バンドについては期待して良いですよ!」と自信満々。それも今は大納得です。

「遠い旅」のギター・アルペジオには目を奪われました。
僕自身はこの曲を普段「2カポ」のCで弾きます。オリジナル・キーの「D」のフォームでは弾きにくい運指だと決めてかかっていました(ジュリーもラジオ番組『ミッドナイト・ステーション』の企画『ジュリーB面ベストテン』の放送回で、「遠い旅」の分数コード・アルペジオは自分は弾けない」と語っています)。
でもJULIE LOVEのギタリストさんの演奏を観て、なるほどそう弾けば良いのか!と。
YOUさんには「2カポ用の採譜が必要な場合は改めてお知らせください」と伝えていましたが、どうやらそれはまったく必要なかったようです。
そうそう、YOUさんは今回のセットリストを知らせてくださった際「DYNAMITEさんのリクエスト曲を聞かないまま全曲決めてしまってすみません」と仰っていましたが、僕が4年前に「次の機会にはまたリクエストしたいです」と胸に留めておいた曲は「遠い旅」でしたから、結果万事OKということになりました(笑)。

ギター演奏では他に、「お前は魔法使い」でのトリル奏法の完璧な再現にも感動しました。

ベーシストさんは、YOUさん曰く「(メンバーの中で)自分と最も年齢が近い。今回の選曲も彼が一番共感してくれたと思う」とのことで、「白い部屋」について「この曲YOUさんに合ってるよね」とお話されていたとか。
この日の演奏では、「カサブランカ・ダンディ」のハイフレット・フィルが特にカッコ良かったです。

さらに今回のJULIE LOVEでは女性コーラスさんもメンバーに加わっていて、このお姉さんは何と以前に野口五郎さんのバック・コーラスをされていたそうです。
また作詞家としてもオリコン・チャート11位のヒットをお持ちらしく、とにかく凄い方なのですね。
さすがのキャリアに裏打ちされたコーラスは素晴らしく声の通りが良く、「ウィンクでさよなら」で「hoo・・・♪」と歌うパートひとつとっても存在感抜群でした。

そして、JULIE LOVEのバンドマスターはドラマーさん。
採譜のやりとりメールの中に、YOUさんはこのドラマーさんへの信頼を何度も綴られていました。
バンド・リハ始動に先立ってドラマーさんは「何故この選曲になったのか1曲ずつ理由を聞かせて欲しい」とYOUさんに尋ねてこられたのだそうで、ドラムスというポジションでそこまで演目への動機を求める人ってプロでもなかなかいないと思うんです。
演奏は当然ながら頼もしいバンマスっぷりでした。

さて、「絆」です。
本当に素晴らしい演奏だったと思いますが、僕は今回この曲ではYOUさんから目を離せませんでした。苦労して採譜しましたからバンドの細かい箇所も注視したかったのに、それができないという・・・これはまるで「神席ジュリーLIVE」の時にジュリーだけに釘付けになってしまうのと同じ状況ではありませんか。
YOUさんはヴォーカルにしてもギターにしてもどちらかと言うとステージではサービス精神旺盛なタイプで、どうしたらお客さんが喜んでくれるか、楽しんでくれるかを突き詰めて表現してくれる感じなんですけど、「絆」だけはまったく違いました。
例えば曲中の「立て!」「そうだ・・・!」の箇所。もしほんの少しでもYOUさんに「照れくさい」「いいカッコしたい」といった邪念があれば、ああはなりません。
むき出しで、荒々しくて、ただひたすらに歌う・・・そんなYOUさんを僕は初めて観ました。

この曲の直前のMCで「絆」を選んだ理由を少し話してくれていましたが、それが無くともこの日のYOUさんの「絆」を聴けば、「伝えたいことがある」「伝えたい人がいる」から歌っているのだとハッキリ分かりましたし、僕の「いやぁこの曲はさすがに難易度高過ぎなのでは・・・」との事前の心配がまったくの的外れだったと思い知らされました。
人前で歌う理由がある、動機があるというのはこれほどパフォーマンスを高めるものなんですねぇ・・・。
バンドメンバーもYOUさんの気魄に引っ張られての熱演だったでしょう。

いつだっておれは おまえの友達  だ
Fm              Fm7  Fm6            D♭ C7

だからこそこの手が さし出せな  い
Fm           Fm7        Fm6      D♭  C7

おまえの本当の 力をためしたい
Fm     A♭  E♭  D♭          C7

信じてるこのおれを 悲しませないでくれ ♪
Fm     A♭         E♭D♭                C7

考えてみれば、YOUさんご自身が「絆」の主人公のようにとても友情に厚い人なのです。
僕のような若輩者がそんなYOUさんに「友人」として接して頂けていることをいつも嬉しく思っていますが、ただしYOUさんは「絆」の歌詞と同じく、友人が悩み或いは怯んでいる時に「俺が助けてやる」「俺が代わりにやってやる」という甘やかしのような激励をする人ではありません。
次元の低い話で恐縮ながら、僕も4年前に一度YOUさん流のエールを体験しています。「残された時間」の採譜について一度は「荷が重い」と怯んだ僕を本気にさせたのは、間違いなくYOUさんの仕業(笑)でした。「怖れず踏み込んでみろ」「お前の本当の力を俺に見せてくれ」という激励の仕方をする人なのですよ。
今回の「絆」は、YOUさんが最近そんなふうに接し対峙した友人の存在があり、その友人が見事自力で立ち上がった経緯を受けての選曲であり熱唱だったのではないか、と僕は推測しています。
LIVE後に「絆」のお題で記事を書くことは前々から決めていて、採譜の苦労話などをつらつら書くことになるかなぁと考えていましたが・・・さすがはYOUさん、そんな生ぬるいことはさせてくれませんでしたね。

僕が今回のYOUさんの企画、採譜依頼のお話を頂いた時にまず「えっ?」と驚いたのは、YOUさんがその時正に、この数年闘い続けているご病気の特に辛い治療期間真っ只中であることを知っていたからです。
その状況で毎日の奥様の介護だけでも大変な筈なのに・・・やっぱり凄い人だ、と改めて感服したことなども思い出しながら、この日のYOUさんのLIVEを観て、特に「絆」に僕は大いに感動させられたのです。
本当に良いものを魅せて頂きました。

③驚異!ジュリー・ヴォーカルの3連適性

今日は本家ジュリーの話が少なくて申し訳ありません。最後に少しだけですが書いておきます。
昨夏「絆」にのめり込んで以降、僕は先述した先輩作成のジュリー洋楽カバー集CDを聴く機会が増えました。そうすると、特にヴォーカルについて「これは!」と思う名カバー曲の「3連」率が高いことに気がつきます。
ソロ・デビュー後のオリジナル・シングルも「君をのせて」に始まり「あなただけでいい」「胸いっぱいの悲しみ」「おまえがパラダイス」「渚のラブレター」「きわどい季節」「太陽のひとりごと」・・・それが8分の12の過激なロッカ・バラードであれオールディーズ寄りの甘いバラードであれ、ジュリーの3連ヴォーカルには独特の「らしさ」があり、LIVEでもその曲1発で空気を変えてしまう不思議な適性がありますが、僕が今回着目したいのは「短調の3連」ナンバーです。
ジュリーはこの曲想に内から湧き上がる情念のようなものを無意識に載せることに抜群に長けているようで、その原点はタイガース時代の洋楽カバー「ハートブレイカー」に遡ります。
ジュリー自身に「自分は短調3連が得意」という自覚があったかどうかは分からないんですけど、”「ハートブレイカー」っぽい”ヴォーカル・スタイルを探求するが如く、PYG結成時はまず自作の「やすらぎを求めて」で同パターンを採り入れていますし、72年の段階では「ソロになってからのシングルで一番気に入っている」のは「あなただけでいい」との発言もあったみたいですね。

「絆」はヴォーカリスト・ジュリーにとってそんな「ハートブレイカー」の地脈を受け継ぐ洋楽カバーで、曲との出逢いに当時すごく燃えていたんじゃないか、張り切っていたんじゃないかと想像します。
その上でこの歌詞。
美貌、美声の歌手にナルシズムはつきものかもしれませんが、ジュリーは特異な例外。
ナルシストでは到底歌い得ない名曲「絆」のジュリー・ヴォーカルの向こう側に、後追いファンの僕はタイガース時代から変わらぬジュリーの無垢無心の天性を見てしまうのですが・・・みなさまはいかがでしょうか。

この10年、ジュリーは唯一「Pray~神の与え賜いし」(8分の6で解釈したい曲です)を除き3連ナンバーの新曲をリリースしていません(ジュリワンの「アオゾラ」はワイルドワンズの植田さんがヴォーカル)。
そろそろ今年あたり来るかな?と、今年も3月11日に発売される新譜『OLD GUYS ROCK』に、「泣く子も黙るジュリー3連ロッカ・バラード」久々の収録を期待していますが、さて実際はどうでしょうか。


それでは、オマケです!
今日は、1977年1月25~31日公演、日本劇場『沢田研二ショー』のパンフレットから数枚どうぞ~。


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記載のセットリストに「絆(きずな)」は見当たりませんが、「悪夢」「愛の出帆」など後半怒涛の洋楽カバー攻勢は、新規ファンからしますと当時参加されていた先輩方がとにかく羨ましいばかり。
直近の発売中レコードとして、『チャコールグレイの肖像』とともに『FOREVER~沢田研二ベスト・セレクション』も紹介されていますね~。


では次回更新から、ジュリー古稀イヤーのメモリアルな新譜『OLD GUYS ROCK』収録4曲の考察記事に取り組んでまいります。

発売前の現時点で分かっているのは楽曲タイトルと作詞・作曲者のクレジットのみ・・・4曲それぞれどんな曲なのか僕には想像もできていませんが、今回も心に刺さるメッセージ・ソングが届けられるでしょう。
まずは気合入れてじっくり聴き込みたいと思います!

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2018年2月22日 (木)

沢田研二 「C」

from『新しい想い出2001』、2001

Atarasiiomoide

1. 大切な普通
2. 愛だけが世界基準
3. 心の宇宙(ソラ)
4. あの日は雨(Album Version)
5. 「C」
6. AZAYAKANI
7. ハートの青さなら 空にさえ負けない
8. バラード491
9. Good good day

--------------------


決算月でなかなか慌しい日々を送っています。インフォと新譜リリース情報が待ち遠しいですな~。
今日は、先日の記事で鉄人バンドへの想いを出し切った勢いのまま、ほぼ下書きナシ一発の状態でGRACE姉さん作詞のジュリー・ナンバーを採り上げ、一気に書き上げたいと思います。

バンド解散の報を受けこれまでの様々なシーンを思い起こす中で、僕はもしかしたら4人の中で(演奏もキャラクターも)GRACE姉さんに特に強い思い入れを持っていたのかなぁと考え始めています。
ずいぶん前になりますが、しょあ様に「DYさんも鉄人バンドのバラ売りを観にいきなよ~」とお勧め頂いたことがあります。その時僕は「まず誰のLIVEに行けばいいでしょうか?」と尋ねました。しょあ様は少し考えて、「DYさんだとパッと下山さんが浮かびそうだけど、意外とグレースなんじゃないか、と私は思う」と仰いました。
当時は「そんなものかなぁ?」と深く考えませんでしたが、たぶん当たってます。GRACE姉さんは精力的に活動されているようですし、なんとか今年中には・・・。

さて、数あるGRACE姉さん作詞ジュリー・ナンバーの中から今日お題に採り上げるのは、一見武骨、シンプルに見えて実はデリケートな魅力をも併せ持つ名盤『新しい想い出2001』に収録されている「C」です。
男子たる者誰しも「自分だけのC」を持っているものですが、女性そして詩人でもあるGRACE姉さんから見た「ジュリーのC」やいかに・・・?
ということで伝授です!


①「GRACEの作ってくれた詞が大好きです!」

・・・と、50周年記念ツアー大千秋楽NHKホールでのメンバー紹介の時にジュリーは言ったそうですね。
話を伝え聞いただけで感激してしまいました。
詩人の魂を持つGRACE姉さんがずっとジュリーのバンドメンバーとしてステージを共にしていたことは、ジュリーにとってとてつもなく大きかったと想像します。
2000年の「アルシオネ」から2009年の「Pleasure Pleasure」まで、僕もGRACE姉さんの作詞作品には大好きな曲が多いです。

ジュリー・ナンバーでのGRACE姉さん作詞は、大きく3つのテーマに分類できると思います。

①尊い人や何気ない日常に寄せる心情、決意(「明日」「ロマンスブルー」など
②壮大な自然、地球、宇宙への敬愛、畏怖(「アルシオネ」「不死鳥の調べ」など
③豪快な「ズバリ」の描写で攻める「エロック」(「感情ドライブ」「Caress」など)

これら3つすべてが50代からのジュリーの歌人生に見事リンクしているのが凄いんですよねぇ。
「ジュリー自身の作詞なのでは?」と思わせる(他アーティスト作品ではあり得ない)特異突出の名篇も多く、特にアルバム『新しい想い出2001』においては、同じくジュリーの歌人生へのリンク度が高い覚和歌子さん、そしてジュリー自身と収録全9曲の作詞を3人で分け合い、3人のどの人がどの曲の作詞なのか混同してしまうほどの一体感があります。

このアルバムでGRACE姉さんが担った作詞ナンバー3曲は、ちょうど上記3つのテーマにそれぞれ当て嵌まり、①が「大切な普通」、②が「心の宇宙(ソラ)」、③が本日のお題「C」。
そして、ジュリー自作詞、或いは覚和歌子さん作詞、等々数あるジュリー・エロックの中で”「経験」の無い少年少女達にはワケ分からない”代表格がこの「C」ではないでしょうか。

君の汗のにおいと 君の謎めく囁き
Dm            Gm Dm             A7  Dm

君の瞳の深さと 君の細い足首
Dm        Gm  Dm             A7 Dm

oh Honey   Love is Diamond ♪
Dm    Gm   A7           Dm

う~む、どういう体位だこれは(笑)。
「C」つまり炭素は、「同素体」が多い特殊な元素なのだそうです。ダイヤモンドはそのひとつ。
岩より硬い、鉄より硬いダイヤモンドが愛だ、と言っているのですからこれを「エロック」と言わずして。

この時期のジュリーはおそらく、最初にアルバム収録の「曲」(メロディーとヴァース構成)をすべてプリプロで確認し、その中からまず自分で詞を載せたい曲を選んだのち、残った曲を覚さんやGRACE姉さんに託すという順序で製作進行させていると思います。
その際曲によっては「エロいやつをお願い!」な~んてリクエスト付で作詞依頼する場合もままあったのではないでしょうか。97年の覚さん作詞作品「オリーヴ・オイル」では実際そういうことがあったみたいですしね。
「C」はその意味で「ジュリーのお眼がねに適った1曲」だったかもしれません。

ただ、このGRACE姉さんの詞は「エロい」だけではないですよね。
Aメロの文節の並びは確かに「褥のくんずほぐれつ」を表すレトリックでしょうが、サビがとても爽快で、何と言っても最後のキメのフレーズ

全然悪くないさ ♪
A    A7        Dm

これがGRACE姉さんならではの潔さ。
無心無償の心のありようが人生である、と「営み」の描写を超えて僕はそこまで考えてしまいます。だって、アルバムの次曲「AZAYAKANI」でのジュリーの詞
「君の記憶の中に残りたい♪」
「200万光年の彼方まで♪」
と完全に繋がってるじゃないですか。
『新しい想い出2001』の「作詞トライアングル体制」って、こういうところが素敵なんだよなぁ。

NHKホールでGRACE姉さんの作詞を称えた時、真っ先にジュリーの頭をよぎったのは「ROCK'N ROLL MARCH」だったと思います。間違いなく今後のステージでジュリーが大切に歌い続けてゆく曲でしょう。
でも、2016年のお正月で突然「彼方の空へ」を歌ってくれたように、他のGRACE姉さん作詞のジュリー・ナンバーもどんどん(僕にとっての)サプライズで採り上げて欲しいです。
セットリストに必ず1曲はエロックを入れたがるジュリー・・・「C」は特にロックバンド映えする曲でもありますし、この先期待したいと思います!

②昂ぶるリビドーのビート(?)が引き出す名演

それでは、「C」はどのように「ロックバンド映え」するのか、について掘り下げてみましょう。
この曲はお聴きの通り「ん・た、ん・た、ん・た、ん・た・・・♪」とアクセントを2ビートの裏拍で刻んでいますね。他のジュリー・ナンバーですと「BACK DOORから」「勝利者」「海に還るべき・だろう」がお仲間です。
これ、まず演奏の難易度が高い!
かつて『イカ天』にてJITTERIN'JINNの女性ドラマー・入江さんが熱演したこのビートが、審査員で「ベスト・プレイヤー賞」を担当していたあの吉田建さんから絶賛され、後に「(自分のベースと)一緒にやりたい」とまで言わしめたのは有名な話。
要は、優れたプレイヤーにとって腕が鳴るリズム・パターンなのです。

ジュリーの「C」ではレコーディング音源のドラムスがパール兄弟の松永俊弥さん。
曲の冒頭から裏拍のビートをリードするのは白井さんのカッティングなんですけど、エンディングでは松永さんの鬼のハイハットがそれにとって代わります。さすがの名演!最高にスリリングです。
一方ベースはマルコシアス・バンプの佐藤研二さん。見せ場はブレイク部です。
ルートを外した「ラ」の音が妖しくうねっていますね。どうしたらこんな音が出るのか、僕にはサッパリ分かりません。たぶん手袋はめただけじゃダメだと思う・・・。

さらにこの曲には、白井さん流「ロックな」アレンジの仕掛けも満載です。
白井さんの作曲としては珍しく、メロディー部についてはシンプルなニ短調の王道。ところが間奏の進行が突然ヤバイんです。
出だしの「Dm→C#」の時点で既に変態ですが(←褒めています!)、同主音による移調が4小節ごとに入り乱れるというのが凄い。ギター・ソロ弾いててよくスケールがゴッチャにならないものです。
おそらくGRACE姉さんの詞が載って以後のアイデアではないでしょうか。Aメロ部の詞に倣って、「音」でレトリックをやってしまった、と。

エンディング、曲の最後のオチは「Dm6」。
マイナー6thは「ポワ~ン」とした脱力系の響きが特徴のコードで、「C」でのそれは間違いなく「イッちゃった」表現だと思います。

このような様々な手管が過激な裏打ちのビートでグイグイ迫ってくるわけですから、ジュリーのヴォーカルがキレるのも必然。個人的には「足首♪」の発声が一番好きです(とにかくエロい!)。
また、歌詞カードの表記は「ダイヤ」ですがジュリーはどちらかと言うと「ダイア♪」と歌っていますね。この曲の場合はその発音の方が「突き抜けた」感が出てより良いのではないでしょうか。
それと、僕にはジュリーの歌う「灰」が「ハイ(HIGH)」に変換して聴こえるんですよ。

いつかボクが燃え尽きて 灰になっても ♪
B♭                              Fmaj7

「ハイになっても♪」ってね。これまたカッコイイ!

ジュリーはきっと『S/T/R/I/P/P/E/R』の頃に馴染んでいたハード・ロカビリーの感覚で「C」を歌っていると思います。
僕はこの曲をまだ生で聴けていませんが、これまで体感したツアー・セットリストで言うと、ジュリワンでの「Oh!Sandy」や、『こっちの水苦いぞ』での「ねじれた祈り」みたいなテンションで歌うジュリーを想像できます。
最高にロックなヴォーカルですね!

③隠れた名盤、『新しい想い出2001』

僕は『ジュリー祭り』での参加で完全ジュリー堕ちを果たしたという、ジュリーファンとしては相当な新参者ですが、ジュリーはその後ますます人気が再燃し、今なお新たなファンの獲得、中抜け組のみなさまの復帰を勝ち取っているようです。
そこで、「今現在のジュリー・ロックにズッポリとハマリ中」と仰るそんな方々がこのブログを読んでくださっていて、未聴のアルバム大人買い期間だったとしたら・・・僕はこのアルバム『新しい想い出2001』を自信を持ってお勧めいたします。

無機質なジャケット(アルバムのジャケットからジュリーの写真が消えたのはこの作品から)、収録曲の少なさなどから、予備知識無しだと購買意欲をそそりにくいアルバムなのですが、「今のジュリー」に嵌っている人が聴いたら、まず間違いのない名盤です。
『ジュリー祭り』のセットリストに1曲も選ばれていない、というのが逆にミソで、それ以降ジュリーは自分の気持ちの埋め合わせをするかのように、このアルバムから「AZAYAKANI」「ハートの青さなら 空にさえ負けない」「あの日は雨」を次々と歌いました。今のジュリーがそのままの気持ちで歌って違和感の無い内容の曲ばかりなんですよ。
ジュリーの自作詞曲はもちろん、覚和歌子さん、GRACE姉さんの3人が作詞を分け合い、そのいずれもがジュリーの生き方、考え方とリンクした名篇です。

上記3曲以外で今後生のLIVEで体感できそうなのは・・・僕はこのアルバムについては何故か全曲期待してよいのでは、と以前から考えているんですね。
その中でも「今か今か」と毎回ツアー初日にイントロの瞬間を心待ちにしているのが「Good good day」。ジュリー自身の作詞・作曲作品で、何と言っても僕はこの詞が大好きなんです。
遡ると、一番最近歌われたのは2007年の『ワイルドボアの平和』ですか。そろそろじゃないかなぁ?
あとは「バラード491」。今のジュリーが歌ったら凄まじい説得力があると思います。

もちろん「C」含めた他の曲、どれが来ても僕にとっては「待ってました!」なダイブ曲。
今年はジュリー古希イヤーの特別なメモリアル・ツアーです。50周年記念ツアーは「過去のヒット曲総まとめ」という感じでしたが、次はジュリー、70歳にして「新たなスタート」をコンセプトとしたセットリストを組んでくるような気がしています。
『新しい想い出2001』・・・正にそんなコンセプトにふさわしいアルバム、楽曲群ではありませんか。

新規ファンでまだこのアルバムをお聴きでない方がいらっしゃいましたら、是非ツアー前に予習を!
(1曲も歌われなかったらごめんなさい笑)


それでは、オマケです!
2001年は「ジュリーが積極的にテレビ出演を果たした最後の年」ということになるでしょうか。メディアへの露出も多かったようですね。

まずは、2000~2001年放映『オードリー』出演についての、2001年のインタビュー記事をどうぞ。


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続いて、『ウインズ』に掲載されたインタビュー。

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さらに『日刊スポーツ』にも登場!

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そして最後は、『Telepal』に掲載された、クイズ番組『目からウロコ』出演についての記事です。

2001telepal1

2001年のジュリーはこんな感じでメディアや雑誌で採り上げられる機会も多く、先輩方からお預かりしている資料もまだまだ手元にありますが、今日はこのくらいにして、また次の機会にとっておきましょう。


では次回更新、お題はもう決めているのですが現時点ではトップ・シークレットでして(笑)。と言うのは・・・。

ザ・タイガース復活を機に親しくなったひと回り年長の男性タイガースファンの先輩・YOUさんが、来たる25日にジュリーのコピーバンドでライヴを開催します。
YOUさんがジュリーのコピー・バンドを率いて「ヴォーカリスト」(普段はギタリスト)となるのは2014年以来のことで(当時の詳しいいきさつは「残された時間」の記事をご参照ください)、今回も僕がセットリストの採譜でお手伝いすることになりました。
つまり、バンドメンバー以外で25日のセットリストを知っているのは僕一人という状況。
YOUさんは昨夏に全選曲を知らせてくださり、僕はそこから約2ヶ月かけて採譜をがんばったのですが、その中に「え~っ、YOUさんこれを歌う気なの?!」と腰を抜かした曲がありました。
YOUさん曰く「今回のライヴ企画はこの曲ありき、で決まった」とのことで、僕からするとYOUさんのそのチャレンジ・スピリットに心底驚かされたという名曲です。

実際のライヴがどんな感じになるかは当日のお楽しみ。とにかく僕個人も採譜作業を通して昨年真剣に向き合った曲ですから、YOUさんのステージを観終わったら考察記事を書こう、と前々から決めていました。

きっとジュリーファンならみなさま大好きな曲のはずです。どうぞお楽しみに!

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2018年1月12日 (金)

沢田研二 「TRUE BLUE」

from『TRUE BLUE』、1988

Trueblue

1. TRUE BLUE
2. 強くなって
3. 笑ってやるハッ!ハッ!!
4. 旅芸人
5. EDEN
6. WALL IN NIGHT
7. 風の中
8. 痛み

---------------------

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH 1980-1996』
original released on 1988、single


Royal80

disc-1
1. TOKIO
2. 恋のバッド・チューニング
3. 酒場でDABADA
4. おまえがパラダイス
5. 渚のラブレター
6. ス・ト・リ・ッ・パ・-
7. 麗人
8. ”おまえにチェック・イン”
9. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
10. 背中まで45分
11. 晴れのちBLUE BOY
12. きめてやる今夜
13. どん底
14. 渡り鳥 はぐれ鳥
15. AMAPOLA
16. 灰とダイヤモンド
17. アリフ・ライラ・ウィ・ライラ~千夜一夜物語~
disc-2
1. 女神
2. きわどい季節
3. STEPPIN' STONES
4. CHANCE
5. TRUE BLUE
6. Stranger -Only Tonight-
7. Muda
8. ポラロイドGIRL
9. DOWN
10. 世界はUp & Fall
11. SPLEEN ~六月の風にゆれて~
12. 太陽のひとりごと
13. そのキスが欲しい
14. HELLO
15. YOKOHAMA BAY BLUES
16. あんじょうやりや
17. 愛まで待てない

---------------------

改めまして、新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

年末から引き続き仕事で忙しくしています。そんな中、新年早々悲しいニュースが・・・。
星野仙一さん、70歳。あまりに早過ぎる旅立ちです。
闘病されていたことすら知らなかった・・・のは当たり前で、星野さんの大親友である山本浩二さんですら病気のことを知らされていなかったというのですから。
星野さんの美学、なのでしょうか。それとも矜持なのでしょうか。あまりに大きな精神力、周囲への気遣いは僕などでは推し量ることもできません。

ドラゴンズファン、或いはイーグルスファンの皆様には怒られるかもしれませんが、僕にとって星野さんは「阪神タイガースの監督」です。

吉田監督のもと、球団史上初の日本一になった85年に僕は阪神ファンになりました。しかしその後、ファンとしては長い暗黒時代が続きました。
万年Bクラスの流れを断ち切るべく「監督外部招聘」に踏み切ったタイガースは、まず野村さんを迎え、引き継いだのが星野さん。そして2003年のリーグ制覇。ジュリーが『明日は晴れる』ツアーで「Rock 黄 Wind」を歌うたびに圧倒的に勝ちまくった年です(その頃僕はまだジュリーファンではなかったのですが・・・)。
以来、岡田さん、真弓さん、和田さん、金本さん。監督は代わりましたがタイガースは常にリーグ優勝を争うチームとなりました。阪神が本当に強くなったのは星野監督から・・・僕にはそんなイメージがあります。

星野さん、どうぞ安らかに・・・。



では、ひとまず気をとり直しまして。
今日は新年最初の楽曲考察記事となります。お題は昨年から決めていました。
いつもより短めの文量となりますが、2018年を僕はまずこの名曲からスタートさせたいと思います。
「TRUE BLUE」伝授!


①2018年、世界が平和な年でありますように


毎年この思いに変わりはありませんが、新年を迎えての祈りは平和な1年であること。これに尽きます。

「TRUE BLUE」の作詞者である加川良さんについて、僕はほとんど知りません。ただ、加川さんの曲で唯一知っているのが、あまりにも有名な「教訓I」。


Kyoukun1

↑ 『魂のフォーク・ソング大 全集』より

この1曲をして僕は加川さんを「反戦フォークの人」だと、長い間そんな認識でいました。

昨年末、忘年会をご一緒したジュリー道の師匠の先輩と、何がきっかけだったか加川さんのお話になりました。その先輩は「ロック」をリアルタイムでプレスリーからご存知で、ビートルズもザ・タイガースもその出現から体験されたお方。当然、後のフォークソング・ムーヴメントもリアルな想い出を持っていらっしゃいます。
加川さんのことを「反戦フォークの人、ですよね?」と言う僕に、先輩が怪訝な顔で仰るには
「(「フォーク」のジャンルには違いないけれど)あの人はロックよ」「ロックで、そしてハンサムよ」
と。
GS贔屓(ロック贔屓)な先輩が、当時世に登場した多くのフォークシンガーの中で好きだったのが「拓郎さん、泉谷さん、加川さん」だそうです。
改めて、あぁそうなのかぁと。敬愛する先輩がそこまで仰るからには、加川さんはデビューの頃から素敵な歌手だったに違いないです。

「教訓I」の付け焼刃な自分の先入観からひとまず離れてジュリーの「TRUE BLUE」を聴くと、そう確かにこの詞を書いた加川さんの根本は「反戦」というある意味煽動的な表現で断ずるよりも「平和への祈り」と考えた方がしっくりきます。

「TRUE BLUE」で歌われるのは「日常」ですよね。

悲しみは つよく抱いて
E7                   Am

ほほ寄せて 溶けるまで
   G                    C

よろこびは 静かな祈り
E7                    Am

君に贈る たったひとつのことば ♪
        Dm7            G7

悲しみの中にいる人、よろこびの中にいる人。そしてその人の近くにいる自分。
これはジュリー作詞の「揺るぎない優しさ」とまったく同じ「優しさ」の在り方なのだ、と感じます。
考えてみれば、平和について思う時僕らは最終的にはごく身近な日常の、身の回りにいる人への接し方、心の持ち方を自問するところに辿り着きます。
そうした日常の中で、「君とまもる」のは空の色・・・なるほどこれは加川さんらしい素直な直球の詞なのかな、とその人柄まで想像してみたり。

「TRUE BLUE」が88年のジュリー・アルバムのタイトルチューンとなったこと。
そして今この名曲が、長いファン歴の先輩方の間でも大きな再評価を得ていること(50周年ツアーが始まる前、セトリ入りを切望されていた方が僕の周りにとても多かったのです)も考え合わせ、リリースから30年後の今年2018年の平和を祈念するにあたってふさわしいナンバーなのではないか、ということで僕は今日この記事を書いているところなのです。


②シングルとアルバム、2つのヴァージョンを比較

以前「EDEN」の記事を書いた時にはできなかった、シングルとアルバムのヴァージョン聴き比べ・・・「TRUE BLUE」については『ROYAL STRAIGHT FLUSH(黒盤)』でシングル・ヴァージョンを聴くことができますので是非これはやっておきませんとね~。
いずれのヴァージョンも印象は似通っていますが、細かい部分でずいぶん違います。

まずはトータルタイム。アルバムの方が長いです。
と言っても2つのヴァージョンはマスター音源は同一のようで、エンディングのフェイド・アウト部のミックス違いでそうなっているんですね。
何故そこまでの差が出たか・・・これは石間さんのギター・トラックが別物なのです(フレーズが全然異なりますからみなさまもそこはお気づきのはず)。
レコーディングを終えた甲乙つけ難い2つのギター・トラックがあり、双方をシングル、アルバムで振り分けたという。キッチリと決めたフレーズで「リフ」しているのがシングルで、自由度が高くアドリブっぽい仕上がり(それでも「弾きまくり」な感じにならないのが石間さんらしく、CO-CoLOの特性でもあります)なのがアルバム・ヴァージョン、と言えましょう。

あと、全体的にはシングルの方がシンプル。シンセなんて、アルバムでは2番から全開の音量で噛んでくるのに対し、シングルは「薄~く聴こえてくる・・・かな?」と感じる程度の絞ったミックスです。
さらには、「アルバムにはあってシングルには無い音」も。そう、間奏で鳴っている「キラキラキラキラ~♪」という美しい音ですね。これは「ツリーチャイム」というパーカッションではないでしょうか。「アレンジ重視」のCO-CoLOらしい装飾。他のトラックはすべて最初のレコーディング(シングル)の時に揃っていたでしょうが、このツリーチャイムだけはアルバム・リリース時に追加された可能性が高いです。

そして、ジュリーのヴォーカル。同一のトラックかもしれませんがエフェクトは違います。
それでもジュリーの「声」はエフェクトに左右されない圧倒的存在感で、ほとんどのリスナーがその違いに気づくのは、歌メロの締めになってからだと思います。

TRUE BLUE     BLUE TRUE LOVE
C       Em        Dm7   G7     C

TRUE BLUE     BLUE TRUE LOVE ♪
C       Em        Dm7   G7     C

アルバムではこの箇所のエフェクトが極限まで深くセンドリターンされていて、「シンプルなシングル・ヴァージョン」「おめかししたアルバム・ヴァージョン」の違いをジュリーのヴォーカルにも見出すことができますね。
ただしアルバムの方も一番最後の「BLUE TRUE LOVE♪」ではエフェクトが忽然と消え、ほとんど「素」のジュリーの声に。深いディレイ・コーラスの直後だけにドキリとさせられます。
その上でシングル・ヴァージョンを聴くと・・・まぁ何とピュアな歌声であることか。
先輩方はこの曲をシングル→アルバムの順に聴かれたと思いますが、後追いの僕は逆のパターンでしたから・・・『ROYAL』黒盤で初めて聴いたシングル・ヴァージョンは鮮烈に感じたものです。

ちなみにこのラスト2行、コード進行は同じですが単に繰り返しではなく、メロディーもジュリーの声の伸ばし方も異なりますよね。
僕は2行目の方の「BLUE TRUE LOVE♪」を聴くたび、ジョン・レノンの「LOVE」最後の「To Be Love ♪」のメロディー、発声を思い出します。チト河内さんの作曲中、或いはジュリーを含めたレコーディング中のCO-CoLOメンバーに、ジョンのこの名曲がよぎっていたかもしれません。
旋律の類似のみならず、歌い手の胸にある「真実」がそのまま声に出ている感じ・・・僕は『TRUE BLUE』というアルバムへの評価がずいぶん遅れてしまいましたが、今は「ジュリー版『ジョンの魂』みたいだなぁ」としみじみ聴いています。名盤です!

③50周年LIVE、セトリから漏れた名シングル達

ジュリーデビュー50周年記念のメモリアルツアーもいよいよ残り僅かとなり、僕の参加は14日に遠征する熊本公演が最後。
今年2018年は、さらなるメモリアル・イベントの古希記念ツアーが予定されていて(武蔵野公演でジュリー曰く「準備万端整っております」とのこと。夏くらいからスタートなのかなぁ?)、50周年記念ツアーでセットリスト50曲から漏れた名シングル群がスライドして今度こそ歌われるのではないか、と僕らはどうしても期待を持ってしまいますよね。
今回のセトリから外れているシングルと言えば、まず「カサブランカ・ダンディ」「おまえがパラダイス」。おそらく多くのジュリーファンがツアー初日の時点で「えっ、歌わないの?」と意外に感じた曲かと思います。タイガース「銀河のロマンス」、PYG「花・太陽・雨」もそうかな?

他にもまだまだありますが、僕が今から期待しているのは(というか願望ですな)、今ツアーを通してジュリー自身の中に「CO-CoLO期のナンバーへのゴキゲンな手応え」が生まれていて、それが古希ツアーに反映されるのではないか、というね。
過去に1度だけ生体感済みの「女神」、そして(こちらはまだ未体感)今日のお題「TRUE BLUE」というCO-CoLO期のシングルのセットリスト入りを夢想しています。
特に「TRUE BLUE」は、ジュリーが近年歌い続けている「平和への祈り」「日常の無事」というテーマにも沿っていると思いますし、なんとか1度、生で歌っている姿が観たい!と。
もし実現したら、柴山さんはアコギを持つと僕は予想します。元々CO-CoLOのオリジナルテイクがいかにも「エレアコ」な響きということ、さらには「柴山さんがアコギで単音のソロを弾くシーンが観たい」という個人的な興味もありまして。
つまり、昨年「アルシオネ」で魅せてくれた「エレキを背負って、要所でスタンドのアコギからチェンジする」スタイルではなく、最後(エンディングのソロ・パート)までアコギ1本で通すアレンジに期待しているのです。
シングル・ヴァージョンのスロー・ハンド・フレーズを柴山さんがアコギで再現・・・ジュリーの神々しいヴォーカル直後のシーンとなるだけに想像するとワクワクしてきますが、「TRUE BLUE」の古希ツアーでのセトリ入りについて、みなさまの予想はいかがでしょうか。


ということで、新年1発目の楽曲考察はちょっと駆け足でしたが・・・待ちに待った熊本遠征がいよいよ明後日、というところまで迫ってきました。
隣県の鹿児島出身の僕はもちろん何度も訪れたことのある地、熊本。でもいつ以来かと思い出すと、これがもう30年ぶりになるのですな~。

現在は従弟一家や、高校時代に一緒にバンドをやっていた友人(税理士として独立、一城の主となっています)も住んでいるという、九州各県の中でも特に身近な土地です。そしてあの震災の時、オフィシャルサイトでメッセージを残してくれたジュリー・・・満を持して現地での新年公演が実現。
ジュリーは「いつも通り」「普段通り」に頑張ってくれるに違いありませんが、やっぱり今ツアーのこの熊本公演のスケジュールに特別の意味を感じてしまいます。
同じように思っていらっしゃる先輩方も多いようで、僕が把握しているだけでも、九州各県はもちろん、関東から、東海から、山陽から・・・遠征される方々も多数。本当に久しぶりにお会いできるかな?という先輩も何人かいらして、それも大きな楽しみです。
何より地元・熊本のジュリーファンのみなさま・・・どうぞよろしくお願いいたします。

次回更新はその熊本公演のレポを予定しています。
また更新間隔が空いてしまうでしょうし、今日はお題関連のオマケ画像も無いので、若き日のジュリーのショットを1枚、お留守番代わりに置いておきます。


011

それでは14日、行ってまいります!

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2017年12月21日 (木)

沢田研二 「奇跡」

from『いい風よ吹け』、1999

Iikazeyofuke

1. インチキ小町
2. 真夏・白昼夢
3. 鼓動
4. 無邪気な酔っ払い
5. いい風よ吹け
6. 奇跡
7. 蜜月
8. ティキティキ物語
9. いとしの惑星
10. お気楽が極楽
11. 涙と微笑み

---------------------

日付、変わってしまった・・・(汗)。不肖DYNAMITE、12月20日を以て51歳になりました!
誕生日のこの日は毎年「寒い」という印象で、風邪をひいていることも多いのですが今年は大丈夫。みなさまはお変わりないでしょうか。

さて今日は例年通り「ジュリーが自分と同じ年齢の年にどんな歌を歌っていたか」をテーマに考察記事お題を選びました。連日の更新で長い枕を書いている時間がありませんので(笑)、サクサク行ってもよろしいでしょうか?(←ジュリーMCのマネ)。
ジュリーが51歳となる年(1999年)にリリースされたアルバム『いい風よ吹け』収録曲の中でも特に好きな曲のひとつです。
「奇跡」、伝授~!


①2009~2018 ジュリーの「奇跡10年」、開幕曲!

未だに「自分はこの曲を生で聴いたことがある」という事実がまるで夢の中の出来事だったように感じる時がある・・・そんな1曲です。

還暦を超えて二大ドーム公演を大成功させたジュリーは、そこから次の節目である自身古希までの10年を「奇跡10年」であると位置づけました。
よって、2009年最初のお正月LIVEのツアー・タイトルが『奇跡元年』。記念すべきセットリストのオープニングとしてジュリーが抜擢した曲が「奇跡」でしたよね。

僕は本当に「一度くらい沢田研二を観ておくか」程度の軽い気持ちで『ジュリー祭り』東京ドーム公演に参加しました。ですから『ジュリー祭り』後の熱病のような「本格ジュリー堕ち」などまったくの想定外。
ついでに、世の中の反応など予想もせずに書いた東京ドームのレポート記事で、これまでお目にかかったことのないアクセス数を目の当たりにしたことにもまたビックリ。以後このブログは完全に「じゅり風呂」へとシフトしたわけですが、あのドームの記事を書いていなかったら僕は『奇跡元年』に参加できていません。
コンビニをハシゴして「お正月LIVE」のチケットを探し求めるも購入できず途方に暮れていたところに、あの記事に目を通してくださったジュリーファンの先輩方とのご縁が重なり繋がって、僕はどうにか『奇跡元年』CCレモンホール(渋谷公会堂)公演への参加が叶ったのでした。
ドームから間を置かず渋公のジュリーを観た、というこの流れが僕のジュリーファンとしての道を大きく変えた、と言っても過言ではありません。

さて、「奇跡」。
『ジュリー祭り』後に怒涛に大人買い→猛勉強した未聴のアルバム、幾多の名盤の中に『いい風よ吹け』もあり、『奇跡元年』なるツアー・タイトルなんだからこれはやるかも知れない、と『奇跡元年』参加前夜にヒヨッコなりにみっちり予習していたという名曲。
予想は当たり、ジュリーにしてはストレートに(と言うか、ジュリーのツアー・タイトルとセトリの関係が一筋縄ではいかない、と僕が知るのはまだまだ先の話になるのですが)、これが見事セットリストの1曲目でした。
今でもあの「初めて体感するお正月LIVEの1曲目」のイントロの興奮はハッキリ身体が覚えています。本当に、血が滾った瞬間でした。
ジュリーファンの先輩方はもう何回もこの感覚を味わっているのか、と羨ましく思ったりしましたね。

実は「奇跡」は僕が初めて”おいっちに体操”に参加した曲でもありまして。
東京ドームの時はYOKO君と2人で2階席から、「あぁ、アリーナの皆さんやってるな~」としみじみ”おいっちに体操”の図を眺めてはいたんだけど、自分達はそこまで踏み出せなくて。
『奇跡元年』参加が確定した段階で僕は、「今度は絶対俺も一緒にやる!」と意気込んだものです(笑)。
でも、ジュリー今回そういう曲やってくれるのかなぁ、なんて思ったりもしてたものですから、「奇跡」のイントロで早くもジュリーが繰り出した”おいっちに体操”に僕は「来た来た~!」と大喜び。今にして思えば、物凄いテンションで腕振り上げてたんじゃないかなぁ。
席が1階の最後列だったしね。『ジュリー祭り』と違って後ろの人を気にせず暴れられましたから。

ジュリーの”おいっちに体操”ナンバーはいくつかありますが、「奇跡」はメロディーラインも綺麗で、でもコード進行はロックに尖っていて、詞もヴォーカルもハジけまくっているという「万能」タイプなんです。
泰輝さんのジュリーへの楽曲提供は、『第六感』収録の「夏の陽炎」に次いで2曲目。どんなパターンの曲も作れる泰輝さんが、おそらく99年当時の「ジュリー」をそのままイメージして作曲し、そこに覚さんが「ズバリ」の詞を載せたのでしょう。

引き際が早くて がんばらない僕が
F#          E           B             D

あきらめなかったの 何故だ ♪
F#              E                B    D

Aメロは、無骨なロック進行に究極にポップなメロディー。そして僕ら凡人でも難なく共感できる、「ささやかな人生の誇り」を描く詞をウキウキと歌うジュリー。
こういう曲が入っている『いい風よ吹け』って、やっぱりエポックなアルバムです。
ジュリーとファンの年齢のことを考えてもね。

「奇跡」ではさらに

小さなキスさえ   奇跡にみちて
D#m        D#mmaj7  D#m7  G#7

この世はまだ 捨てたものじゃない よ
B                  E                   D#m   G#7

熱い夏が終わり告げても ♪
   F#      C#               F#

このBメロは、クリシェの美しい王道コード進行も、覚さんの歌詞も本当に感動的。
「夏の終わり」って、人生を四季に例える時かなり切ないイメージとなる筈なのに、ジュリーの「奇跡」は「いやいや、むしろこれからが本番でしょう」と。
日常のほんのふとした出来事、人との触れ合いが奇跡のように嬉しく、愛おしく思えることがある。
それが正に50を超えてからの人生・・・なのかな?

その上で、スウィートなだけの曲というわけでもないのがまた素晴らしい。
このアルバムに限らず白井良明さんのアレンジはいつも「過激」ですが、明快にエレキ・サウンドを押し出したという点で、アルバム『いい風よ吹け』は白井さんアレンジのジュリー作品の中で重要なターニング・ポイントとなる1枚でしょう。
『サーモスタットな夏』ではビートルズやレッド・ツエッペリン、『第六巻』ではクイーン、とそれぞれのギター・サウンドのオマージュが60年代から70年代の洋楽ロックを元にしてきた白井さんが、この『いい風よ吹け』では突如、当時リアルタイムで全盛を誇ったオルタナ・ロックへと趣向を変化させます。
特に想起させられるのは、90年代にグラミー賞を二度も受賞し飛ぶ鳥を落とす勢いだったレッド・ホット・チリ・ペッパーズの破天荒なギター・アレンジ(ただし、彼等のギター・サウンドと言えばまずヒレル・スロヴァクによる歪みまくったブラッシングを効かせたカッティングですから、ギター・オマージュとしては80年代ということにもなるのですが)。
白井さんのこの試みは、「ライヴ」での表現をこれまで以上に渇望するジュリーの歌人生、さらには音の好み(ジュリーはエレキギター好きなのだとか)ともリンクし、2000年代の重厚なサウンドへと繋がってゆきます。
そんな中、僕はこのアルバムの「奇跡」~「蜜月」の2曲の流れに、エキゾティクス期『S/T/R/I/P/P/E/R』収録の「テレフォン」~「シャワー」をも重ねるのです。
過激で、ラウドで、容赦無いほどにロックで・・・でも実はとてもメロディーがポップで、スリリングな「2曲で1曲」の感覚。大好物です。

あと、「奇跡」は伊豆田さんのコーラスが素敵ですねぇ。
「Can't you see♪」は聴くたびにとろけそうになります。みなさまはいかがでしょうか。

②人生は51から?

ここから先はお題曲の考察からはちょっと外れて、アルバム全体のことを短めの文量で書いていきます。

アルバム『いい風よ吹け』は、(今日のお題「奇跡」もそう言えますが)覚さん、GRACE姉さんのの作詞作品も含め「年齢と向き合う」ジュリーのリアルなメッセージが初めて前面に押し出された名盤です。
50歳を超えるとやはり身体のことがあちこち気になってくる・・・その一方で、気持ちは不思議に正直になってきますよね。ある意味「この世に生まれた状態にリセット」する時期、ということかもしれません。

以前、ご事情あって断捨離された大分の先輩から授かった大量のジュリー関連の資料の中にこのような切り抜き記事がありました。


Img4981

Img4982

小林信彦さん・・・僕が敬愛する作家の一人です。
名作揃いの小林作品の中でも溺愛しているのが『オヨヨ大統領』シリーズで、「日本の小説の中で最も愛する作品は?」と問われたら僕は迷わず「合言葉はオヨヨ」(シリーズ中最長にして最高の傑作)と応えるほど。
その小林さんが2000年(その時ジュリーはまだ誕生日を迎える前の51才)に「特にファンというわけではないけれど」としながらも、ジュリーについてこんな素敵な文章を書いていらしたのですね。

現在51才になったばかりの僕はまだ、「人生は51から」の言葉を実感することはできません。
還暦も過ぎて(2000年当時)なお精力的に活動されていた小林さんだからこそ、の真理なのだろうなぁと。
この先僕もひたひたと老人になってゆく中で「そういえば51才あたりから・・・」と後になって感じる人生の醍醐味がきっとある、と信じたいものですが・・・。

ジュリーはこの年齢の頃から「日常」や「平和」を歌い始め、還暦を超え「奇跡10年」をもうすぐ達成、というところ。まっとうに、当たり前に成果を残してきました。
「お客さんが入らない時期もあった」というジュリーの話は、『ジュリー祭り』が初ジュリーLIVEだった僕にはなかなか想像し難いんですけど、そんな状況があればこそ「ステージで一生懸命に歌う姿を見せる」ことへの確信も生まれたのかなぁとも思うし・・・自分にとって一番大切なことを見つける、やり続けるって、なかなか普通の人にはできないこと。僕らは少しでもそんなジュリーの「真っ当さ」にあやかりたいですね。

まだ再来年の話ではありますが、古希を超えたジュリーは「次の10年」をどのように銘打つでしょうか。
今からとても楽しみです。

③アルバム『いい風よ吹け』から今後のセトリ入りは?

僕がこれまでアルバム『いい風よ吹け』収録曲のうち生のLIVEで体感できているのは、「鼓動」「いい風よ吹け」「奇跡」「いとしの惑星」「お気楽が極楽」の計5曲。
近年のセトリ入り率はかなり高いアルバムと言えます。

最も聴く機会の多いタイトルチューン「いい風よ吹け」は、先日お題記事を書いた「愛まで待てない」と共に、僕にとっては『ジュリー祭り』での鉄人バンドの演奏で歌うジュリーの印象が今も強く残っている大名曲。今後も必ずセトリ入りする(来年か?)と確信していますが、個人的には「ギター1本体制での演奏がまったく想像できない」というのは、下山さんがバンドから抜けた後に何度か書いている通りです。
『ジュリー祭り』79曲目・・・かつて「アコギを弾く指の感覚が無くなっていた」と下山さんがラジオで語っていたように、「いい風よ吹け」=「アコギ・アルペジオ」というのが僕の絶対的なイメージ。
百歩譲ってエレキで弾くにしても、じゃあ柴山さんが代わりにアルペジオ・パートを弾けば良い、という問題でもありません。何故って、「いい風よ吹け」のもう1つのギター・パート・・・「この曲のためにある」と言っても過言ではない柴山さんの白のフェルナンデス(通称”いい風ギター”(byしょあ様)もしくは”『世界のカブトムシ図鑑』に載ってるやつ”(byDYNAMITE汗)による、無限サスティンのリード・ギターもまた絶対に必要だから。
2つのパートを併用して弾くことは無理だと僕には思えるのですが、柴山さんなら何とかしちゃうのかも、と密かな期待もあったり、まぁとにかく「これから」のこの曲のセトリ入りには複雑な思いを抱えています。

未だ生体感できていない他収録曲で、「これからLIVEに通い続けていればいつかきっと聴ける」と予感しているのは、「インチキ小町」です。ジュリーの「逮捕されてしまえ♪」が生で聴きたい!
他では、「蜜月」「ティキティキ物語」が拙ブログで言うところの「ダイブ曲」ですが、セトリ入りの可能性となると厳しいのかなぁ。
「真夏・白昼夢」は可能性ありかもしれません。イントロ数秒で「来た!」と反応して「ぱぱぱん!」のハンドクラップに合わせられるか?が最大の楽しみです。

今日のお題「奇跡」は先に書いた通り「この曲を生で聴いたことがある」あの幸せな時間は夢かうつつか、という状態でおりますので、なんとかもう一度体感してみたいものですが・・・さて実現しますかどうか。


それでは、オマケです!
今日は、先述の大分の先輩から授かりました資料の中から、99年『アサヒグラフ』に掲載された、『いい風よ吹け』全国ツアーの特集記事をどうぞ~!


19991

19992

19993

19994


ということで暮れも迫ってまいりまして、次回が今年最後の更新になるかと思います。これから仕事納めまで怒涛に忙しい日々が続くので、更新は冬休みに入ってから・・・年末ギリギリになりそうです。
何かジュリーのデビュー50周年イヤーの締めくくりにふさわしい未執筆のお題曲がないかなぁと思いを巡らせていますが、まだ決めていません。いずれにしても、個人的に「大好きな曲」を選ぶことになるでしょう。

インフルエンザが流行っているようです。みなさまくれぐれもお気をつけください。

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2017年12月 3日 (日)

沢田研二 「愛まで待てない」

from『人間60年 ジュリー祭り』、2008

Juliematuricd

disc-1
1. OVERTURE~そのキスが欲しい
2. 60th. Anniversary Club Soda
3. 確信
4. A. C. B.
5. 銀の骨
6. すべてはこの夜に
7. 銀河のロマンス
8. モナリザの微笑
9. 青い鳥
10. シーサイド・バウンド
11. 君だけに愛を
12. 花・太陽・雨
disc-2
1. 君をのせて
2. 許されない愛
3. あなたへの愛
4. 追憶
5. コバルトの季節の中で
6. 巴里にひとり
7. おまえがパラダイス
8. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
9. 晴れのちBLUE BOY
10. Snow Blind
11. 明星 -Venus-
12. 風は知らない
13. ある青春
14. いくつかの場面
disc-3
1. 単純な永遠
2. 届かない花々
3. つづくシアワセ
4. 生きてたらシアワセ
5. greenboy
6. 俺たち最高
7. 睡蓮
8. ポラロイドGIRL
9. a・b・c...i love you
10. サーモスタットな夏
11. 彼女はデリケート
12. 君のキレイのために
13. マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!
14. さよならを待たせて
15. 世紀の片恋
16. ラヴ・ラヴ・ラヴ
disc-4
1. 不良時代
2. Long Good-by
3. 
4. 美しき愛の掟
5. 護られているI Love You
6. あなただけでいい
7. サムライ
8. 風に押され僕は
9. 我が窮状
10. Beloved
11. やわらかな後悔
12. 海にむけて
13. 憎みきれないろくでなし
14. ウィンクでさよなら
15. ダーリング
16. TOKIO
17. Instrumental
disc-5
1. Don't be afraid to LOVE
2. 約束の地
3. ユア・レディ
4. ロマンスブルー
5. TOMO=DACHI
6. 神々たちよ護れ
7. ス・ト・リ・ッ・パ・-
8. 危険なふたり
9. ”おまえにチェック・イン”
10. 君をいま抱かせてくれ
11. ROCK' ROLL MARCH
disc-6
1. カサブランカ・ダンディ
2. 勝手にしやがれ
3. 恋は邪魔もの
4. あなたに今夜はワインをふりかけ
5. 時の過ぎゆくままに
6. ヤマトより愛をこめて
7. 気になるお前
8. 朝に別れのほほえみを
9. 遠い夜明け
10. いい風よ吹け
11. 愛まで待てない

----------------------

from『愛まで待てない』、1996

Aimadematenai

1. 愛しい勇気
2. 愛まで待てない
3. 強いHEART
4. 恋して破れて美しく
5. 嘆きの天使
6. キスまでが遠い
7. MOON NOUVEAU
8. 子猫ちゃん
9. 30th Anniversary Club Soda
10. いつか君は

----------------------

気になっていた今ツアー九州シリーズ第2弾でのジュリーの様子もチラホラと情報を頂いておりまして、僕の故郷、鹿児島の公演もとても素敵なステージだったと分かり、嬉しく思っています。
他、何でも鳥栖公演では、最前列にいらしたいつもお世話になっている長崎の先輩のお1人が「突然ジュリーからトスを受け取って腰砕けになっていた」とか?
最初は何のことやら状況がよく掴めなかったのですが、どうやらジュリーが「鳥栖=トス」のギャグを思いついて、「鳥栖」と言う度にお客さんにトスをしてくれていたのだそうです。
今日の沖縄はどうだったかな?

こちらは慌しい年末でございますが、先月の小田原遠征に続いての忘年会第2弾・・・昨夜は在京のJ先輩お2人にお誘い頂き、根津の『大八』さんにて美味しい和食とともにたっぷりジュリーの話もしてきました。
そして今日、12月3日。今年も僕の「ジュリー本格堕ち」記念日がやってきました。
『ジュリー祭り』9周年です。毎年この日は『ジュリー祭り』のセトリからお題を選び記事更新しています。
もちろんこの日付以外にも『ジュリー祭り』セトリのお題記事は地道に書いてきて、鉄人バンドのインスト2曲も含めたセットリスト全82曲中、今日が何と78曲目!
とうとうここまで来ましたよ~。
来年のジュリー70歳の誕生日に82曲すべてを書き終える予定でおりまして、来年からはこの12月3日の更新どうしよう?セトリの中から『過去記事懺悔やり直し伝授』を選ぶか?などと気の早いことも考えたりしますが・・・ひとまず今日のお題に集中。

採り上げるのは、現在絶賛進行中のデビュー50周年ツアー、”セットリストを振り返る”シリーズの大トリ曲ともなる、「愛まで待てない」です。
いよいよこの曲も書く時が来たか、という個人的な感慨にも耽りつつ、僭越ながら伝授!


①ゆったりテンポの「原型」を想像してみる

「最速」のジュリー・シングル(演奏時間が短いというのではなく、テンポの速度が速い、ってことね)ってどの曲なのでしょうか?

厳密にBPM計測するまでもなくパッと思いつくのが「世界はUp & Fall」と今日のお題「愛まで待てない」の2曲。どちらもファンの人気が高そうなシングルですが、僕はまだ「世界はUp & Fall」を生で聴いたことが無いので(今回のセトリから外れたのは残念)、高速で突っ走るLIVEヴァージョンの実体験も踏まえると、僕の中では「愛まで待てない」が”ジュリー最速シングル”ですかね~。「B♭→B♭sus4」のイントロ数秒の時点で既に「かっ飛び」感があります。
他に『G. S. I LOVE YOU』収録の「彼女はデリケート」も相当早いですが、「愛まで待てない」の方が僅差で1等賞かなぁ。

この「彼女はデリケート」「愛まで待てない」の韋駄天ツートップは僕もLIVEで聴くことができていて、いやぁジュリーの弾けっぷりは甲乙つけ難い。
それぞれギター(或いはベース)が8分音符を縦にカマすアレンジで疾走感を出し、ステージのジュリーがそこに身体ごと乗っかるのですね。
「愛まで待てない」で言うと、会場が「キャ~!」となる歌メロ直前の”その場駆け足”の部分が分かり易いでしょう。今ツアー、依知川さんがジュリーを通せんぼしながら「8つ打ちのビート×4小節」を繰り出すシーンです。
これが16分音符ではなく8分音符なわけですから、とにかく速い速い!

ところが、聞くところによりますとこの「愛まで待てない」は、吉田光さんの作曲段階ではもっと落ち着いたテンポの曲だった、とのことですから驚きです。
さすがに「バラードだった」と言われると想像すらできないのですが、「程好いミディアム・テンポのハード・ロック」としてあれこれ自分の知る洋楽のパターンに思いを巡らせていたら、吉田さんが最初に提示したテイクはこんな感じのテンポと雰囲気だったのではないか、という曲を発見しました。
ズバリ、キッスの「狂気の叫び(SHOUT IT OUT LOUD)」(
こちら)。この曲のテンポを極限まで速めたら、「愛まで待てない」のような仕上がりになりそうです。

それに、原型がこんな感じだったとしたら吉田さんはおそらくイ長調で作曲していたと思うんですよ。
僕らがCDで耳にしている完成形「愛まで待てない」のキーは変ロ長調。レコーデング段階ではテンポだけでなく、キーも上げたのではないでしょうか。ジュリーのヴォーカル、白井さんのアレンジにはそのくらいのテンションを感じます。

ジュリーが「もっとテンポを速くしたい」と考えたのはどのタイミングだったのでしょうね。
曲を貰ったプリプロ段階で速攻だったのか、覚さんの歌詞が載った後か、はたまたレコーディングの打ち合わせの時だったのか。
個人的には、覚さんの詞がきっかけだったのではないかと推測します。ジュリーはアルバムのタイトルチューンにもなったこの詞を気に入っていたはずですし。
「愛まで待てない」は、「”会い”まで待てない」でもあります。「君」に会えば、愛の火種を振り撒かれて僕は永遠に燃え続ける。でも、会わないでいる時間に火種が尽きかけて僕の身体の炎は灰になりそうだ、今すぐ会わなきゃ、会わなきゃと前のめりになっている歌ですよね。愛へと急ぐ高速のテンポを詞が求めちゃっているわけです。
まぁ、テンポアップしたオケが既に完成していて、覚さんがそれに合わせてきた可能性もありますが。

このテンポチェンジで白井さんが担った役割は相当大きいでしょう。
「仕掛ける」「いじり倒す」アレンジが得意な白井さんですが、この曲の場合は「テンポをトコトン上げる」アイデア自体が冒険的な仕掛けですから(メロディーについては吉田さんの原曲そのままだったそうですが、取り巻く「音」「構成」には当然白井さん考案の変化があるはずです)、より「素」の白井さんが表れた1曲。
豪快なギター・アンサンブルは勿論として、僕が特に惹かれるのは最後のリフレインの小節割りで、2’24”あたりなんて1小節丸々すっ飛んでいるんですよ(通常の小節割りの2’14”と比べてみてください)。
ダメ押しのサビメロ連打を「これは”突っ込む”曲なんだ」と前倒しで繋げてしまうセンス。これがジュリーの生のステージで最高に効いてくる・・・走り回りながら歌うジュリーは、いつもここで「限界を超えたる!」とばかりにギアを上げてきます。LIVEの生歌を聴いて初めて完結するアレンジの素晴らしさですね。

白井さんって、良い意味で「変態」アレンジャーです。曲を一度開封してしまって、改めて構築し直してから作曲者の個性を甦らせる究極の職人。
ただしその変態性はいつも溌剌、健全です。これが『MIS CAST』の頃にはまだ見出されていなかった「ジュリーと白井さんとの相性」ではないかと僕は考えます。
吉田さんのジュリー提供曲中最もステージで歌われる機会の多い「愛まで待てない」は、メロディーを変えずに仕上げたぶん、白井さんの「溌剌」「健全」がフルに生かされたジュリー・シングルではないでしょうか。

年明けのファイナルまで残り少なくなってきた今ツアー、「愛まで待てない」を歌うジュリーも会場のお客さんも、これから一層加速してゆくでしょうね。

②B面「君をのせて1990」について

今年のツアーは、入場してから開演までのBGMも楽しみですね。早めに会場入りしたくなります。
僕はここまで、初日と松戸のBGMがかぶっちゃって(タイガースから70年代初期)。あと大宮では「祈り歌」。次回参加の武蔵野ではまた別の時代の曲を楽しみたいところですが、さてどういう順番が巡ってきますか。

本日のお題「愛まで待てない」のシングルB面は、「君をのせて1990」。
何故90年に製作されたこの曲が96年のシングルB面(と言うかカップリングね)に抜擢されたのか、などの知識を僕はまったく持ちませんし、そもそも時のCMの記憶すら無いのですからお話になりません。
それでも、2009年に兵庫の先輩にCO-CoLO期以降のシングルB面集CDを作って頂き聴いた時から、僕はこのジュリーにしては珍しいリメイク・レコーディング・ヴァージョンがかなり好きで、いつかの機会にこのヴァージョンのことを書きたいと思っていました。
せっかくですからA面がお題の今回、併せて簡単に書いておこうと思います。

そりゃあ71年のオリジナル・テイクには敵いません。音がどれだけクリアになろうと、リズム解釈に斬新かつ高度な味つけがあろうと、やっぱり「君をのせて」はジュリーのソロ・ファースト・シングルが最高。
例えば、「1990」では間奏のストリングスが「ミソラ~♪」まで。そこで「ソミド~、レミレ~♪まで行ってくれよ!」と感じるのはおそらく僕だけではないでしょう。
でも、僕はそこもひっくるめて「1990」が大好き。
オリジナルとは異なる歌とアレンジで「とんでもない名曲なんだ」と再確認できるだけでも、リメイク・レコーディングの意義があったと思います。

で、そういうジュリー・ナンバーは「君をのせて」が唯一だ、とも思うのです。
「君をのせて」はどんなアレンジでも、どんな歌手が歌っても名曲(もちろん僕らにとってはジュリーが一番ですが)。数年前、ドラマのワンシーンで瑛太さんがカラオケで歌ったことがありました。また、今年だったと思いますが、玉置浩二さんがNHK『SONGS』で「沢田研二さんの曲です」と紹介してからこの曲を歌っているのを観た人も多いでしょう。
それぞれが本当に素晴らしく・・・いざ「風に~♪」と歌い出せばその人の、そのシーンの歌になる。同時に「名曲」の本質は変わらない。それが「君をのせて」。
これほど普遍性の高い曲はジュリー・ナンバーで他に無いのではないでしょうか。
それはすなわち、ジュリー自身がどんなアレンジで歌っても普遍の名曲であるということ。
『ジュリー祭り』直前の『SONGS』でしたか、白井良明さんが大胆にアレンジを変えた「君をのせて」をジュリーが歌っていましたよね。白井さんも「これはそうしてよい曲だ」と考えたのだと思います。

「1990」は吉田建さんのアレンジです。連なる3連符それぞれの最後の裏拍にアクセントをつけ、「お洒落」に仕上げていますね。建さんとしては、「これからちょっとお出かけ」みたいなウキウキ感を狙ったのではないかと僕は考えています。
ジュリーの歌もバックの演奏も、とても素敵な意味で「外向き」です。聴いている僕らも「よし、じゃあ一緒に行こうか!」と爽快な気持ちになる・・・そんなヴァージョンだと思うんですよ。

演奏トラックで特筆すべきはアコギ。「1990」のストロークは早い段階から「じゃんじゃかじゃか、じゃんじゃかじゃか♪」と3連を跳ねて弾きます。
これは『Barbe argentee』での柴山さんのアコギとまったく同じ演奏なのですね(2016年お正月LIVE。ギター1本体制となったバンドで、柴山さんがこの曲をアコギ1本で最後まで通したステージは今でも鮮明に覚えています)。後追いファンの僕は知識を持たないのですが、「1990」のレコーディングでは柴山さんがアコギを弾いているのではないですか?

「君をのせて」という曲は、歌詞の解釈も歌手によりアレンジによりシーンにより聴き手の心境により様々です。
久世さんの有名な言葉のように「男同士の友情の歌」でもありましょうし、愛する人に向けてのピロートークでもあり、ちっぽけな存在である自分を嘆く歌でもあり、強い自分を奮い立たせる歌でもあり・・・。
ジュリーはいつも「リアル」な歌手ですから、何度歌ってもその都度解釈は違うかもしれません。今年のツアーはどんな気持ちで歌っているのか・・・僕には、歌詞中の「君」をファンのこととして歌っているように思えて仕方ありませんが、みなさまはいかがでしょうか。
とにかく、こんな普遍の名曲がソロ・デビュー曲であったというそのことひとつとっても、ジュリーは「選ばれた」歌手なんだなぁと今しみじみ思うばかりなのです。

③2008年12月3日(仏滅)の衝撃、醒めやらず

さて、「愛まで待てない」の話に戻ります。
タイトルから曲を思い浮かべる時、僕にはCD音源よりLIVEでの歌、演奏の方が先に出てくるジュリー・ナンバーがいくつかあります。
これは、『ジュリー祭り』以前はほとんど知らなかった→その後LIVEに通い始めてから何度も生で聴いた、という曲に限られていて、「睡蓮」「届かない花々」なんかもそうだけど、その点で圧倒的なのが「いい風よ吹け」「愛まで待てない」の2曲。ご存知の通り、あの『ジュリー祭り』のラスト2曲です。
音で言うと、「いい風よ吹け」と言えば下山さんのアコギ・アルペジオですし、「愛まで待てない」のソロは柴山さんの速弾き・・・僕にとっては今でもそうなのです。

僕が「愛まで待てない」という曲を初めて知ったのは、確か『ジュリー祭り』の前日。まったく初めてのジュリーLIVEを目前にして「知らない曲もやるだろうから、少しは予習していかなきゃ」と思い立って、You Tubeハシゴ勉強一夜漬けの中の1曲でした。
正直なところ僕は、『ジュリー祭り』と銘打つほどの一大イベントなのだから、大野さんや吉田建さんあたりは飛び入りのゲスト参加があるだろうし、セットリスト最後は「誰でも知っている」有名な曲で締めくくられるだろう、とそんな心構えで東京ドームに参加していました。
しかし・・・鉄人バンド4人と共にひたすら歌い、ひたすらに弾き、という感じでステージが進んでいき、「あと、有名な曲って何が残ってるっけ?」などと考える余裕も最後には吹き飛び、過ぎ去る6時間。79曲目の「いい風よ吹け」が終わって、巨大モニターに映ったジュリーが「79曲歌っちゃったか~?」と(モニターには泰輝さんも映っていて、「うんうん」と頷いていました。今でも鮮明に覚えている『ジュリー祭り』名シーンのひとつです)。
もうその時に、「最後も俺等(僕とYOKO君ね)のよく知らない曲が来る!」と直感しましたね。
「無知の知」ではありませんが、僕にとっては「自らのヒヨッコさ加減を覚醒」の瞬間です。

始まった曲は、ギリギリ予習が間に合っていた「愛まで待てない」でした。
今思えば・・・80曲歌い通すセットリストのラストが、80曲の中で一番テンポが速いロック・ナンバーですよ。走るジュリー、叫ぶジュリー、「何なんだこの60歳!」と呆然と観ていたように思います。自分が手拍子したか、してないかの記憶も無い・・・その驚異の気力、体力にただただ「参りました」って感じだったなぁ。

今年の「デビュー50周年」セットリストのラストに向かう数曲もいわゆる「有名曲」ではないですよね。
ジュリーLIVE初参加の人の中には、『ジュリー祭り』の時の僕と同じような心構えで来て、最後の最後に「よく知らない曲」連打で逆に「参った!」したお客さんがいらっしゃると思います。そうして虜になる、知らない曲も改めてCDを聴いてみて、また来ようと思う・・・そんな「次」への繋がりがあります。
今ジュリーが自然体でやっていることが、そのまま最高の集客戦略となってしまう不思議な奇跡。やっぱり継続の尊さ、ジュリーの歴史の偉大さ、でしょうね~。

その意味で『ジュリー祭り』80曲目の「愛まで待てない」は、僕の中で宝物のような1曲です。まぁ、『ジュリー祭り』で歌われた全曲が宝物なんですけど。
「ジュリー70越えまでに『ジュリー祭り』セットリスト全曲の記事を書く」と決めたのは『Pleasure Pleasure』ツアーの時ですが、「公言してしまったけど本当にそんなことできるんかいな?」という不安もありました。
でも、あの東京ドームから丸9年・・・残す曲は鉄人バンドのOVERTURE含めて僅か4曲となりました。
僕のような凡人でも、コツコツ続けていればここまで来れます。それもジュリーが導いてくれたこと。
感謝しかありません。
来年の6月25日、ジュリー70越えのリミットに向けて、何とか達成したい大目標です。


それでは、オマケです!
お題「愛まで待てない」リリースの1996年のネタが手元に尽きておりますので、今日はチャプター②で強引に触れた「君をのせて」関連のものを。
Mママ様からお預かりしている切り抜き資料です。


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ということで僕の次回ジュリーツアー参加は15日の武蔵野ですが、その前に瞳みのる&二十二世紀バンドの四谷公演が控えています。

ピーさんが音楽活動を再開してから、年に1度のLIVE参加は大きな楽しみのひとつ。ジュリーのそれとはまた違った素晴らしさ、面白さがあるんですよね。
次の更新は(またまた間隔が開いてしまいますが)、そちらのLIVEレポートになるかなぁ。
参加されるみなさま、会場でお会いしましょう!

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2017年11月 1日 (水)

沢田研二 「STEPPIN' STONES」

from『告白 -CONFESSION-』、1987

Kokuhaku

1. 女びいき
2. 般若湯
3. FADE IN
4. STEPPIN' STONES
5. 明星 -Venus-
6. DEAR MY FATHER
7. 青春藪ん中
8. 晴れた日
9. 透明な孔雀
10. 護り給え

-------------------

ジュリーの全国ツアーも進化しながら順調に進んでいるようで、いよいよ明後日が松戸公演!というところまで来ました。
秋も深まり(と言うかもう冬なのか?)朝晩冷え込んできましたが、みなさま風邪などひいていないでしょうか。僕は先週完全にこじらせてしまいましたが、なんとか松戸公演の前に体調を戻すことができました。

で、松戸公演の前日・・・つまり明日には、以前からお知らせしているBARAKA・20周年記念LIVEもございます。残念ながら僕は仕事で参加できませんが、カミさんが応援に駆けつけますし、ジュリーファンの先輩の中にも何人か参加される方を知っています。

Baraka3

依知川さんはBARAKAのフォーラム、翌日がジュリーの松戸と連日のステージとなりますね。
いずれの会場も大成功、大盛況となりますように。


さて今日は、ジュリー50周年記念LIVE”セットリストを振り返る”シリーズ第4弾として、前回に引き続いてのCO-CoLO期、ジュリー作詞・作曲による名シングル「STEPPIN' STONES」をお題に採り上げます。
「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」同様、僕としては特に「勉強途上」を自覚している時期の作品です。無知故の至らぬ点も多々あるかと思いますが、今のベストを尽くして考察記事を書いてまいります。
枕もそこそこに、伝授!


①山あり谷あり・・・されど「光」あり!

30代の後半って、ジュリーのような特別な人に限らず僕らのような一般ピープルにとっても、それまで続けてきた仕事で「正念場」「過渡期」「踏ん張りどころ」を迎え、もがき悩むと同時に、自分自身の才覚と行動を以ってそれを乗り越えようとガムシャラに頑張る・・・多くの「仕事を持つ人間」の人生においてそんな時期なのではないでしょうか。

ジュリーとは比較にならないくらいの低いレベルだけど、僕も40才になる直前はそうだったなぁ。
色々な選択肢が見える中で、僕の場合は「なんとかしてスキルを上げてこのまま同じ仕事を続ける」ことを頑張って乗り越えたわけだけど、人によっては変化と可能性を求めて違う世界の仕事に飛び立つパターンもあるし、「ガムシャラ」の方向性は人それぞれ。30代後半のこの時期にどれほどガムシャラになれたか、は後々の人生に大きく影響してきます。
まぁそんなふうに振り返るようになったのは、つい最近なんですけどね。

ジュリーはいつの時代も全力、入魂の姿勢を変えませんが、「乗り越えよう」とするガムシャラがハッキリ見えるのは、やはり30代後半のCO-CoLO期。
それがそのまま自作曲として反映されたシングルこそ「STEPPIN' STONES」だと僕は考えます。

今ツアーのMCではこれまでの歌人生を振り返って「山あり谷ありだった」と語ることも多いジュリー。
僕などは後追いの新規ファンなので、ジュリーの「正直過ぎる」(と感じる)MCにはいまだに驚いたりドキドキしたり、ということもあるんですけど・・・。

ジュリー自身の「谷」の想い出のひとつ、なのでしょうか、先の広島公演で「バンドメンバーの意を汲んで一度小さな会場でやってみたけど・・・」と話をしてくれたそうです。ジュリーは大きな会場で、自分のファン以外のお客さんも混ざっている中で歌うのが好きなんだ、と続けて今後の決意を語ってくれた、と
僕は詳しいことは分からないのですが、その「小さな会場」って正に今日のお題「STEPPIN' STONES」を歌ったという、このステージのことなのでしょうか?


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『不協和音 Vol.6』より。今日の記事は文脈に沿う形で、これがそのままオマケ画像コーナーとなっております~。


実際のステージがどんな感じだったのか・・・想像すら難しいのですが、僕は『INKSTICK』を観ている先輩方を心底羨ましいと思います。たとえジュリーが「小さな会場」に気乗りしていなかったとしても、それは素晴らしい「LIVE」だったんだろうなぁ。
そして、そこでのジュリーの歌、ステージの素晴らしさを「STEPPIN' STONES」というシングル曲の考察を以って後追いすることは可能ではないでしょうか。

めざす道にかすか見える光 虹色
D                                  C       D

夜の奥で拳かざす 髪を清めて
D                             C       G

祈る言葉も響かない 静かな日々に別れ告げ ♪
A                            G                           A7

苦境の中でベストを尽くす・・・本当に難しいことだけれど、そこでガムシャラに頑張るだけなら僕らにもなんとかできなくはない。でもジュリーが凄いのは、しっかり「虹色のかすかな光」を見据えていたこと。
誰にでもできることではありません。
その「光」を遂にジュリーが手にしたのが還暦の『ジュリー祭り』だったのだ、という少し前までの僕の考えは、単に自分のファン歴に無理矢理こじつけていたんだなぁ、と反省し畏れ入ったのが今年の50周年ツアー。
とにかく僕は今回初めて「STEPPIN' STONES」を生で聴きましたのでね。やはり生歌を聴くと、楽曲の解釈もずいぶん変わるものです。

ヒシヒシと感じたのは、ジュリーの「継続する(Keep on running)」力の尊さでした。
「夜の奥で拳かざす」ような時期は、人生を振り返れば誰しも(特に男性は)覚えがあるはず。
ではそこでどうするか。祈るだけでなく行動しよう、自分の力で何かやろう、と。
ジュリーにとってそれが歌を作り歌うことだったわけで、今もずっとそれは継続していて。
ゴールを決めない、妥協しない、迎合もしない、というのは本当に強い人にしかできないことで、ましてやそれをひたすら続けるなんてねぇ。何度も書きますが、あれだけの才と実績を誇る人が「地道に一生懸命努力し続ける」ことを大切にしている・・・僕はそんなジュリーにどうしようもなく惹かれます。
普通の人は、いつもぬくぬくとしたお湯に浸かっていたいと思うものですよね。でもジュリーはそういう道は選ばない、と。

実は、僕が「STEPPIN' STONES」のジュリーの詞の素晴らしさを実感できるようになったのは、ほんのここ数年のことでして(恥)。
最近はそういうことも少なくなりましたが、僕の場合はまず「自分の持つ引き出しと照らし合わせる」聴き方をしてしまう傾向があり、「STEPPIN' STONES」についてはその点で詞よりも強烈なインパクトがあったものですから、却って曲全体の本質を把握できなかったのだと思います。
数年前までの僕はこの曲をどのように解釈し聴いていたのか・・・甘い考察だったとは言え「間違い」でもなさそうなので、次チャプターではおもにジュリーの「作曲」の面からそのあたりのお話をしてみましょう。

②「ローリング・ストーン」と「ステッピン・ストーン」


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今日の参考スコアは当然『不協和音 Vol.6』。残念ながら五線譜ではなくコード付歌詞の表記ですが、貴重な資料です。


僕が「STEPPIN' STONES」を初めて知ったのは、前回お題「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」と同時です。
ただし、聴いた瞬間にジュリーの自作詞に魅せられた「アリフ~」と違い、当初「STEPPIN' STONES」の詞については軽視していた・・・これは先述の通り。
僕が真っ先に見つけた「STEPPIN' STONES」の魅力とは、「この曲のジュリー、ミック・ジャガーにそっくり!」という洋楽フェチならでは、そして「映像から先に曲を知った」という後追いファンならではのものでした。

CD音源だけで明快にミック・ジャガーを見出すことのできる「お前は魔法使い」に対し、「STEPPIN' STONES」はレコーディング音源についてはさほどミック・ジャガーの影響、ローリング・ストーンズへのアレンジ・オマージュは強く感じません(個人的に石間さんのギターはストーンズ脱退後のミック・テイラーという印象)。
スタジオLIVEでせり上がるようにして熱唱するジュリー、そのアクションがミックっぽいわけですね。

とは言え、ジュリーが作曲段階で相当ストーンズを意識していたことは間違いないでしょう。
サビでトニックから連なるロックンロール王道のスリーコードにトーキング・スタイルを織り交ぜた抑揚のメロディーを載せるあたりは、「ひとりぼっちの世界」で確立したストーンズ独特のグルーヴ・パターンですし、なにせタイトルが「STEPPIN' STONES」。
CO-CoLO時代のインタビューではストーンズに言及していることの多いジュリーです。前回書いた「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」では「どんなメロディーが自分の声に合っているのか」を突き詰めていたのが、翌年のこの自作曲では「自分はどんな曲が本当に好きなのか」を突き詰めたのではないでしょうか。
「大好きなストーンズみたいな曲」をとっかかりのコンセプトとして生まれたシングルが「STEPPIN' STONES」だったと僕は推測します。

重要なのは「ローリング・ストーンズ」転じて「ステッピン・ストーンズ」の発想。
以前何かの記事でも書いたことがある通り、「ローリング・ストーン=転がる石」なるフレーズには「とるに足らない存在」という意味合いがあります。
かつて栄華を極めた人物が奈落の底に転落し、誰からもその存在を気にもとめられなくなる・・・「どんな気分だ、転がる石のような今のそのザマは?」と歌ったのはボブ・ディランですが(「ライク・ア・ローリング・ストーン」)、ジュリーは「いや、それは傍から見てる奴の言い草だろう」と言わんばかりに、「ステッピン・ストーン」なるフレーズを考案。このタイトル・フレーズがジュリー自らの行く様、歌人生を表現していることについては、先輩方も異論の無いところでしょう。
(ちなみにこの曲、ジュリーはストーンズだけどCO-CoLOはディラン、というのがレコーディング音源初聴時の僕のイメージ。ゴスペルっぽいコーラスも、70年代末から80年代にかけてのディランを想起します。以前も書きましたが、僕がジュリーの曲にディランを重ねるのはCO-CoLO期のみです)

ここからは最近の考察となりますが・・・ジュリーは何を置いても歌う、どんな状況でも歌う、例え世間からは谷底へ転がり落ちる石のように見える状況(三流紙お得意の「浮き沈みを論ずる」対象となることもそのうちのひとつでしょう)であろうとも、ジュリー自身の感覚は「Keep on runninng」なステッピン・ストーン。
歌い続ける限りはそうであると。

不思議なことに、今ツアーで生体感した「STEPPIN' STONES」を歌うジュリーに、僕はまったくミック・ジャガーの影を見なかったという・・・髄までジュリー、ジュリー以外の何者でもない歌だなぁ、と思ったわけです。

さあ我を忘れて さあ肌を立たせて
G           D        G             D

さあ遥か見つける HALLELUJA ♪
G             D                   A7

1番のみのショート・ヴァージョンなので今ツアーではこの2番の歌詞までは聴けないんだけど、歌詞その通りのジュリーが今確かにそこにいます。
虹色の光はもう「かすか」ではなくハッキリ見えていて、ジュリーの身を纏っていますね。

「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」「CHANCE」ともども、ジュリーは今回のステージでCO-CoLO期の名シングル群でのお客さんの盛り上がりをひときわ嬉しく思っているように見えます。
これを機に、来年以降CO-CoLOナンバーのセットリスト入り率が上がっていくことを期待したいです。

③『NISSAN ミッドナイト・ステーション』より ジュリーA面ベストテン(後半部)

ここでは前回記事の続き・・・「シングルA面」ということだけにあやかりまして、82年放送のラジオ音源『NISSAN ミッドナイト・ステーション』から特別企画『ジュリーA面ベストテン』の後半部をお届けいたします。
まずは第4位から2位までの発表。


4位「コバルトの季節の中で」(168通)
3位「勝手にしやがれ」(190通)
2位「時の過ぎゆくままに(221通)

「コバルト」、これが4位ってのは予想外でございましたね、うん。まぁひょっとしてベストテンの中に入るかなとは思っておりましたが、こんなに上位に食い込むとは。大健闘でございますね。
今年は秋になってからも暖かい日が続いたりなんかして、やっと今「秋」という感じでね。ちょうどこの曲が合うのかな、とそんなことを思ったりなんかしたんですけれども。
まぁ「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」というのは順当なところではなかろうかと思いますが、しかしこうなると1位は何でございましょうか。


と勿体つけるジュリーですが、その第1位の発表の前にここで少しの間、僕としてはかなり興味深い、なるほどなぁという話をしてくれています。

しかし、(シングルを出す時に)A面を選ぶっていうのもね~、本当に難しい作業なんですよね。
まぁ、割とここんところ(最近)は、「シングルだから」というような、いわゆる「大衆にウケなければいけない!」ということでもって、ある種の迎合と言いますかね、そういうものはとんと無くなってきまして。どんどんどんどん突っ走れと。新しいのがイイんだ、というようなね、沢田研二のA面に関しては、そういう具合になってきました。
だから、「こんなのが大衆に受け入れられるのか?」というようなね、今の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」みたいなああいうサウンドが、大衆の中にこう、すんなり入っていくっていうのは凄いことだ、と言ってくれた評論家の人達もいたくらいで。
やっぱり、大ヒットするような曲を見ますと、サウンド的には「新しいと売れない」みたいな、逆にね、そういうところもあるでしょ。あみんの「待つわ」にしても別に「新しさ」っていうものは(サウンドについては)無いんだけど、歌詞の中にはそういうね、女心のね、あんたがフラレるまで待つわ、というような、(大衆に)引っかかるところがあるわけで、あれは歌詞で売れたんじゃないかな、と僕は分析してるんですが(笑)。

とにかく僕の場合はサウンド面、バンドを従えてのサウンドということもあったりなんかして、必ずこう、大きなヒットになるっていうのは過去見てまぁ、例えばレコードの売上が1等賞になったのが「危険なふたり」「追憶」「時の過ぎゆくままに」「勝手にしやがれ」「カサブランカ・ダンディ」と、こういう具合に、この1等賞になった(5曲の)中には「重なったパターン」ってのが無いわけね。
だから、独自のパターン、5つのパターンっつうのがあるもんかと。この5つ以外のもの(パターン)でヒットを出さなきゃいけないっていうことで、その後ず~っとやっとるわけだよね~。
でも、まぁしかしねぇ・・・ほんっとに最近は、ヒットを生むというのは・・・え~~~・・・・痛みを感じますなぁ、うん(笑)。
何度も何度も言うようではございますが、これだけヒット曲があるっていうのは本当に嬉しいことでございますね。

で、ここでね、1曲聴いて頂きたい曲があるんですけれども・・・ソロになってからの最初のヒットなんですよ。
レコード大賞の方でもね、歌唱賞に初めて選ばれて、昔は歌唱賞ってのは5人選ばれたんですよ。その中から最優秀歌唱賞ってのがまた選ばれてたんですけれども、今は「金賞」って言って10人選ばれる。倍になって値打ちが薄なった、って感じがするんですけど、まぁそんなことで、初めての歌唱賞受賞曲でもございました、「許されない愛」。これを聴いて下さい。


「許されない愛」オンエア

これは、1972年。ロンドンで録音して、LPの中に入ってた曲なんですけれども、まぁ、周りの、正論を仰る人達の反対を押し切って出したら、当たったというやつなんですね(笑)。
だから僕はやっぱり、結局は「冒険をしないとイカン」ということなんやね、最後まで。うん、そう思っております。


ジュリーのアルバムの中で『JULIEⅡ』が一番好き、という僕にとって「許されない愛」は格別に思い入れのあるシングル曲(リアルタイムで知っていたわけではないのですが)。でもなんとなく「アルバムの中の1曲」としての評価の方が高くて。
ジュリーの話を聞き、やっぱりそうかと思いました。
シングル・カットの話が最初からあったのではないのですね。会社の上層部の難色を、おそらくジュリー本人や加瀬さん、池田さんあたりが押し切ってシングルとして出して、それが大当たりしたと。
それで、以前から知っていた「会社が”許されない愛”大ヒットのご褒美としてジュリーのセルフ・プロデュース・アルバム製作(『JULIE Ⅳ 今、僕は倖せです』にGOを出した」という話にも繋がります。
いやぁ、勉強になりました!


さて!残る1曲(第1位)は何でございましょうか。
大好きなのに(まだ)かかってないという、あの曲でございますよ。あなたの予想とピッタシ行きますかどうか。

第1位「ス・ト・リ・ッ・パ・-」(253通)


というわけで1等賞は「ス・ト・リ・ッ・パ・-」ということでございましてね、うん。そうか~。自分で作った曲でございますからね、嬉しいんですが・・・何が(良くて)1位だったのかなぁと色々分析しておるんですがね。割と最近(の曲)である、ということと、エキゾティクスとの最初の仕事でもあったし、それから、テレビなんかの出方が結構派手に、「ヒラヒラ巻物」が印象的でもあっただろうし、というね。色んなことが考えられるわけでございますけれども。
エキゾティクスのファンの人達の票も入ってる(笑)、という、そんな分析もしておりますね。


82年という時期を考えますと、ファン投票の1位が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」というのは当然に感じます。
ジュリーも「そうかそうか~」と満足げですが、最後にひと言だけボソリと


「ス・ト・リ・ッ・パ・-」・・・なんでもっと売れなかったのかなぁ?なんて思ったりもするんですが。

と。
「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は実際のセールス・ランキングでは「1等賞」に届かなかったのですね。少年時代の僕の記憶では「すごく売れている」印象なのですが。


さて、このリスナー投票のA面ベストテン企画、今実現したらどうなるんだろう、とどうしても夢想してしまいますが・・・順位は大きく変動するでしょうね。第1位の本命は「そのキスが欲しい」ではないでしょうか。
そんな中、この当時と変わらず「コバルトの季節の中で」は上位に食い込んでくるはずです。

ちなみに先輩方の多くは覚えていらっしゃるのでしょうが、この『ジュリーA面ベストテン』の前回放送では『B面ベストテン』も開催されています。
これがまた面白い!
いずれシングルB面曲のお題記事の際に書きたいと思っておりますので、気長にお待ちくださいませ。


では次回更新は、松戸公演のレポートです。8月の大宮以来のジュリー・・・待ち遠しかったです。

今回はYOKO君も含め音楽仲間(&その奥様2名)を誘い、総勢7名での参加。
この人数だとどんなふうにチケットが来るんだろう、と思っていたのですが、前後2列に3名、4名ずつで固まるパターンでした。
YOKO君が「DYNAMITEの真後ろ希望」と言っておりまして、どうやら彼は今セットリスト中で熱烈推しの「STEPPIN' STONES」のイントロで後ろから僕の首を絞めようと企んでいるらしい・・・なんとかその着席配置だけは避けたいです(笑)。
1階の、前過ぎず後ろ過ぎないセンターブロックということで、初めてのジュリーLIVEとなる面々を引き連れて参加するには絶好の席を頂けたと思います。
皆のビビッドな反応、感想が楽しみです。

50曲すべてのレポを書くとひと月かかってしまうことが分かっているので、何か別のスタイルで、とは考えていますがまだ具体的なことは決めていません。
こればかりは、実際終わってみないとね~。
何はともあれ、気合入れて行ってまいります!

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2017年10月18日 (水)

沢田研二 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

from『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』
original released on single、1982

Royal3

1. どん底
2. きめてやる今夜
3. 晴れのちBLUE BOY
4. 背中まで45分
5. 6番目のユ・ウ・ウ・ツ
6. ”おまえにチェック・イン”
7. 麗人
8. ス・ト・リ・ッ・パ・-
9. TOKIO
10. サムライ
11. 勝手にしやがれ
12. あなたへの愛
---------------------

みなさま大絶賛のフォーラム公演の後、先の土日にジュリーの50周年記念ツアーは”プチ関西シリーズ”の奈良、三田の公演を終えました。
この三田公演の評判がまた大変良いのですな~。
ジュリーとお客さん双方がどんどん高め合い、暖め合う素晴らしい雰囲気のステージだったようで・・・僕は参加していないので実感は沸きませんが、小さな会場での名演は、昨年で言えば三木公演のような感じだったのでしょうか。フォーラムともども、体感されたみなさまを羨ましく思うばかりです。
今日の新潟はどうだったでしょうか。

さて、前回からスタートした今ツアーの”セットリストを振り返る”シリーズ。今日のお題は超・有名曲「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。
セットリストの佳境、この曲で一般ピープルのお客さんも完全に巻き込み、直後に怒涛の「愛まで待てない」→「ROCK'N ROLL MARCH」→「そのキスが欲しい」の流れへと繋がっていく・・・重要な位置に配された大ヒット・ナンバー。次回参加、松戸公演に誘っている音楽仲間達も絶対に知っている曲で、反応が楽しみです。
新規ファンの僕が最近になって知ったこの曲にまつわる逸話も多く、またまた大長文となるやもしれませんので枕もそこそこに・・・僭越ながら伝授!

①「6番目」の解釈、意味づけ・あれこれ

まずはこの摩訶不思議な楽曲タイトル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」・・・「何故”6番目”なのか」についての諸説様々な解釈を考えてみたいと思います。

とは言っても「6番目」なるフレーズには「特に意味は無い」という事実、先輩方ならご存知ですよね。僕はそのことを今年になって勉強した『歌謡ベストテン』のラジオ音源でのジュリーの話で初めて知ったのでした。
しかしジュリーファン以外の一般のリスナーが、特によく知られているこの大ヒット・シングルのタイトルについて、当時から現在に至るまで「どういう意味だろう」と考えてみる、というのはごく自然なこと。数え切れないほどの解釈が世に存在するのでしょう。
まずは82年秋から冬にかけ『ザ・ベストテン』で毎週のようにこの曲を聴いていた若き日のDYNAMITE少年がどう考えていたのか、から書いていくことにします。

僕の場合は、「6番目」=「第六感」と推測しました。
確か曲と同時期、もしくはその少し前だったかもしれませんが、『霊感・ヤマカン・第六感』というテレビ番組を時々見ていて、そこから連想したのだと思います。
人間の基本感覚である「五感」、加えて選ばれし人だけが持つ超常能力としての「第六感」。後にジュリーがズバリのタイトルで98年にアルバム・タイトルとしたこの言葉は、「科学的な説明はできないけれど、感ずる当人にとっては何よりも確かな”誠”の感覚」といったところでしょうか。
今年のツアーではそのアルバム『第六感』から、名曲「永遠に」が歌われていますね。

幼い頃からSFやミステリーが大好きだった僕は、「特殊な超常能力の持ち主であるミュータント(エスパー)の、その能力故の孤独」を扱ったような小説もたくさん読んでいましたから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」とはそうした「特殊な人間」の苦悩(憂鬱)をテーマにした曲であろうとの解釈に至ったわけです。
例えば「ミュータントもの」で考えるなら、どんなに素敵な恋人であろうと相手の心が完全に読めてしまっては、そりゃユウウツにもなるわな、という。
その解釈は、テレビで観る妖しく神秘的なジュリーのルックスとも自然にリンクするものでした。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」なるタイトルについて僕のこの考え方は、おそらく多数派だったんじゃないかな。
それとは別の、僕などでは想像もできないような様々な少数派解釈もあったはずで、何と言っても有名な曲ですから、今に至るまで多岐多様な解釈の拡がりが継続し、世に存在しているのではないでしょうか。

その中のひとつ・・・ここでご紹介したいのは、「歌詞(タイトル)解釈」というのとは少し違いますが、某病院の仲○和正医師による「老人の鬱病」総説です。
これは以前、J先輩から教えて頂いていた論説で、仲○先生がが3年前に発表されたもの。本文こそ専門的で難しい内容ですが、冒頭にジュリーの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の紹介があり、歌詞の引用が登場します。
原文のまま書き出しますと


昔、沢田研二(ジュリー、66歳)の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」(三浦徳子作詞)という歌がありました。家内の友人がジュリーのファンで毎年欠かさずコンサートに行ってるのですが、ジュリーが「75歳までコンサートやるぞ!皆いいか!」と言うと「オー!」とおばさん、おっさん皆で総立ちで歓声を上げるのだそうです。

という「掴み」に始まり


6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の歌詞は次のようなもので、大うつ病(Major Depressive Disorder)の診断クライテリアのうち6つ満たします。5つ以上で「うつ」確定です。

「毎日僕ねむれない(不眠)やるせない(焦燥感)
毎日僕生きてない(無価値感)愛せない
あなたを抱いても 誰かを抱いても ユ・ウ・ウ・ツだよ(喜びの消失と憂鬱感)」
「もっと血を流してみたい 見知らぬナイフに傷つけば そこはmisty zone(自殺念慮)」

特に、「誰かを抱いても、ユ・ウ・ウ・ツだよ」こそは、鬱病の中核症状(core symptom)である2大症状、すなわち喜び・興味の消失(anhedonia)と憂鬱(depressed mood)とを含んでいます。
中核症状を忘れたら「誰かを抱いてもユウウツだよ」と歌ってみれば良いのです。だけど、この歌は、歌詞は鬱っぽいけどリズムが良くて歌うと元気になると思います。

「6番目」のタイトルをヒントと捉え、鍵となるフレーズを歌詞本編の中から6つ拾い上げる、という考察。正に理系ならではの着眼で、純文系の僕には到底思いもつかない斬新な切り口。面白いですね~。
そう、確かに暗い、危険な感覚の歌詞なのです。でも「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」という歌は歌うと元気になる・・・先生の仰る通りではないでしょうか。

こんなふうに、本当は「特に意味は無い」のだとしても、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」は聴き手の数だけ自由に内容を紐解ける懐の深さがあります。まるで謎解きをしているかのように楽しめるミステリアスな名曲・・・その意味で数あるジュリー・シングルの中でも唯一無二、素晴らしい「大ヒット曲」と言えるでしょう。
みなさまは、それぞれどのような「6番目」の自由な解釈を思い浮かべるでしょうか。

②謎解きの楽しさは歌詞(タイトル)のみにあらず!


Yuuutu21

Yuuutu22


続いて楽曲全体の考察ですが、この名曲の「謎解き」の楽しさは歌詞(タイトル)にとどまらず、様々なポイントでミステリー感が満載!です。

最も基本的な「謎
」と言えば、あの印象的な「擬似・女声コーラス」ですね。
サビにも負けないインパクトがあって、幼い子供達の琴線にも引っかかる重要なパートですが、じゃあその声が実際何と歌っているか、という。

僕自身は今でこそ「I don't need your love at all♪」の認識は持っていますが、いつ頃「正解」を把握したかは我が事ながら不明。確かなのはこの曲が大ヒットしていた当時はまったく分かっていなかった、と。
謎は謎のまま残しておいて、テレビのジュリーを観ながらあのコーラスを楽しんでいました。
今でもハッキリ覚えていますが、当時DYNAMITE少年が通学の自転車に乗りながら口ずさむこの曲は必ずコーラス部で、言葉の意味などまるで意識せずに

あどみちゃ、らばほ~、らばほ~、らばほ~
あどみちゃ、らばほ~、らばほ~ほ~、hoo!


と歌っていましたねぇ。
って、計算してみたら僕は「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が流行っている頃にはもう高校1年生になってるぞ・・・。そんなアホだったのか僕は(笑)。
英語の成績は悪くはなかった筈ですが・・・まぁ、学校の勉強と人生現場の実践とはまた全然別の話、ってことなのでしょうな~(←言い訳)。

続いて「音」の面。これね、「この曲のオリジナル・キーは?」という大きな謎があるのです。
82年にリリースされたオリジナル音源のキーは、「ホ短調とへ短調の間」、つまり一番最初の和音で言うと「ミ・ソ・シ」なのか「ファ・ラ♭・ド」なのかが曖昧。この曲は最初から最後まで「鍵盤には存在しない」微妙にズレた音が鳴り続けているんですよ。こういうマスタリングって、ピッチ・コントロールのマスターテープ録音の時代には時折あるんですが、絶対音感をお持ちの方々にはどんなふうに聴こえるのかな。
要は、楽器と歌すべてのトラックをレコーディングした後にピッチをいじってミックスダウンしているわけですが、元がヘ短調の録音であればピッチを下げて(テンポを遅くして)、ホ短調の録音であればピッチを上げて(テンポを速くして)処理しているということ。

手元には、同い年の男性ジュリーファンの友人がコピーしてくれたこの曲の貴重なバンドスコアがあり、そこでは♭4つのヘ短調(Fm)での採譜となっています。


Yuuutu


でも僕は、この曲は元々ホ短調(Em)でレコーディングされていた、と解きます。
根拠はジュリーのヴォーカル。よ~く聴き込むと、この曲のジュリーは当時の地声より少しだけ高い、細い声で歌っているように感じませんか?
つまり、一度ホ短調で完成したテイクがあり、その後から(おそらく加瀬さんあたりの)「もうちょっとテンポを速くした方がいいんじゃない?」との提言を受け、ピッチを上げてミックスダウン作業に移行した、という推測ですね。
この謎解き、僕は自信ありますよ。ですので以下の考察はすべて、参考スコアとは違うホ短調のコード表記とさせて頂きます。

SFやミステリー小説は、物語導入からしばらくは一見関連性の無いいくつかのエピソードが描かれ、それが物語が進むに連れて密接に関わり絡み合い「謎」が一気に収束していく・・・そんな醍醐味があります。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」で西平彰さんが作り上げた楽曲構成は正にそれ。Aメロ、Bメロ、そしてサビ。それぞれ別の曲から持ってきたようなヴァースが見事に絡み合い進行していくディープ・インパクトは、ジュリー・シングルの中でも抜群の構成力を誇ります。
次チャプターでラジオでのジュリーの言葉を借りて書きますが、この「新曲」のキャッチ・フレーズは「クラシカル・ニューウェイヴ」。その心は、「新しい魅力もあれば、古い(懐かしい)魅力もある」曲なのだと。
言われてみますとAメロは

泣きたいときにはいつも
Em7        Bm7          Am7   Bm7

聖母のほほえみで・・・ほら
Em7    Bm7        Am7    D

レースのハンカチーフ 僕に差し出すよ
Am                           Em

できすぎた  恋人さ ♪
G         D(onF#)  A


(う~ん、こりゃ主人公だけじゃなくて相手の恋人もテレパスという状況でしょうか笑)

コード進行も歌メロも、懐かしき歌謡曲黄金時代・・・ジュリーで言えば阿久=大野時代の雰囲気。ミディアム・テンポの艶やかなヒット性を感じます。
それがBメロになると突然イ長調に転調して(ホ短調でも違和感の無い「A→G」を一度経て、「あふれすぎて♪」の「D」がサブ・ドミナント、「いるよ♪」の「A」でようやくトニックという仕組みですから、ここは転調に気づかず聴いている人も多いと思います)「ビート」感がハッキリと出てきます。
続く強烈なサビ。このサビに繋ぐ(ホ短調に舞い戻る)瞬間の進行がまず斬新過ぎます。

この部屋は暖かすぎる まるで safety zone ♪
A             G           D            A

この1行、最初「A」と最後の「A」の鳴りが、同じ和音なのに全然違う・・・こんな戻り方、聴いたことないですよ(西平さんのメロディー展開の素晴らしさ故です)。
しかもジュリーの「safety zone♪」があまりに妖しく美しく、盛り上げ感が凄い。「さぁ、サビ行くぞ!」と煽られた聴き手はワケもわからずサビの「ハッ!ハッ!ハッ!」までグ~ッとそのまま引っ張り込まれるという・・・ミステリー・パズルの完璧な収束ですね。

このシングル盤、ジュリーは自作曲をA面にするつもりでいたのを(「ロマンティックはご一緒に」のことでしょうね)、西平さんの「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」と入れ替えられた・・・「彰に負けた」と当時ジュリーがよく話していた、と先輩から教えて頂いたことがありますが、これほどの曲が出来たからにはジュリーも「これはイケる!」と納得のA面リリースだったのではないでしょうか。

で、先程レコーディング後のテンポ・アップの話をしましたが、Aメロについては元々のテンポ(キー)がしっくりきて、それで録音したと思うんですよ。
出来上がってみたらあまりにBメロとサビのビートの説得力が凄いので、それを生かすために「全体のピッチを上げる」アイデアが生まれたんじゃないかなぁ。

長くなってきましたが(汗)、蛇足ながら、もうひとつだけこの曲の「謎」の話を。
これは僕の長年の「うっかり」で、実はこの記事を書き始めてからようやく氷解したという、無知なヒヨッコならではのくだらない「謎」なんですが・・・。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」って『ROYAL STRAIGHT FLUSH Vol.3』の5曲目に収録されているじゃないですか。僕は「せっかくの特別な編集盤なんだから、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」を6曲目にする気の効かせ方ができなかったのかいな」などと考えていました。
今回の記事で冒頭に収録曲目を書いていて・・・「あっ、これ”新しい”曲順に並んでるんだ!」と。
気づくのが遅い、話にならんぞDYNAMITE!
このルールはポリドール期の『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚の中で『3』だけのものですから、今まで完全に見落としていました(恥)。
それでラストが「あなたへの愛」なんですね・・・。

③『歌謡ベストテン』よりジュリー・インタビュー

ここでは、僕が今年勉強したラジオ音源の中から、シングル「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース直後の『コーセー・歌謡ベストテン』での話をご紹介です。

当時テレビはベストテン形式の番組全盛期ですが、同形式のラジオ番組もあったんですね。『歌謡ベストテン』・・・恥ずかしながら知りませんでした。
「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」をリリースしたばかりのジュリーがゲスト出演し、色々とお話をしてくれた回のこの音源を、僕は最近になって勉強したばかり。
全編書き起こしてみましょう。



- ツアーが始まりまして、今日静岡なんですけれども、出発前の大変慌ただしい時にお邪魔をしまして、どうもすみません。

J 「いえいえ」


- 新曲の方が・・・今年最後のシングル盤になりますね?

J 「たぶんそうだと思いますね。まぁこの調子でいきますと、(年内この曲で)持つと思います(笑)」


- 「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、今大ヒット中で『歌謡ベストテン』では今週第7位なんです。

J 「ああそうですか。ありがとうございます」


- この曲を初めて聴いた時、ものすごく印象的で、不思議な世界に惹き込まれるみたいな感じがしたんですけど。パンクっぽい、と言うのか・・・(本人としては)どういう曲なんですか?

J 「まぁね~、パンクっぽい雰囲気もあるし、ファシズム的な匂いもしないでもないし、クラシカルな面もあるし、ってんで・・・スタッフなんかも相談して、キャッチフレーズは「クラシカル・ニューウェーヴ」っていうね。古い部分もあって新しい部分もあって、ってそういう感じの曲にしたつもりなんですけどね」


- ”6番目”ということにはあまり意味は無いそうですね。

J 「タイトルを決める時に結構苦労したんですね。みんなで徹夜で考えて朝までかかってね。
まぁ”6番目”ってすると”何で6番目なんですか?”って言われるんじゃないかとかね、その時のために答を用意しておかないといけないけれども。でも、なんとなく映画のタイトルみたいでね。『7年目の浮気』とか、そういう映画ありましたよね?だからそういう感じで、”何か意味があるのかな?”と思ってみんなが考えてくれるんじゃないか、とか言ってね(笑)。結局これになったんですけども」


- それでは、「クラシカル・ニューウェーヴ」の「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」です。

(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」、フルサイズでオンエア)

- さて、いま秋のコンサート・ツアー中ということで、今日の静岡から始まりまして、相模原、千葉、豊田、四日市、松山、久留米とその他14箇所、夏にず~っと(ツアーを)まわっていらして、そこをまわれなかった所をカバーするということで。

J 「そうですね」


- じゃあ、内容的にはほとんど同じ?

J 「ほとんど同じで、あと新曲が入って、中身が少し・・・一部変わる、ということですね」


- (ツアーの)タイトルも、『A WONDERFUL TIME パート2』という・・・。やっぱりあの、『パート1』を終えて、反省の意味もこめてパート2はこうしたいんだ、みたいなところはあります?

J 「そうですね~。(パート1」は)結構喋る時間が長かったんですね。30分か・・・ちょっとハメ外すと40分くらい喋ってて。評論家のかたに「ちょっとダレ気味だった」とか書かれてね。(今回は)短くしようと思いまして、喋りを(笑)」


- 今年の予定としては、あと映画をやる、というお話も来ているようですね。それから、アルバムも12月頃には出る予定だということですけれども、今年はもう沢田さんが頭からずっと連続ヒットで、とてもいい年だったと思うんですけれども、やはり歌謡界はもう10月ともなりますと(1年の)終わりというのが近づいてきましたから・・・振り返ってみてどうですか?

J 「まぁあの~、今年は歌の方ではタイガース(同窓会)があったでしょう。で、「色つきの女でいてくれよ」ってのが、これがもう当たったもんですからね~。沢田研二個人としては、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」でその(売上)枚数を抜かないと(笑)。なんか、タイガースに賞を持っていかれそうな感じですから(笑)。
ですから、なんとか頑張って・・・(賞については)岩崎宏美さんもいるし、細川たかしさんもいるし、聖子ちゃん、マッチ、トシちゃんと・・・この中に入って何となく6番目あたりにつけてるな、って感じなんでね(笑)。これではイカンので。
なんとかもうちょっと頑張りたいと思ってます」


- この曲(「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」)はまだ出たばっかりですからね。まだまだずっと上位までいきそうですから、頑張って下さい。今日はどうもありがとうございました。

J 「ありがとうございました」



なるほど、曲先の作業で作詞は三浦さんだけど、タイトルについてはレコーディングの最後の最後まで正式決定していなかったわけですね。

一般のリスナーはそんなことはないでしょうけど、「今週第7位です」に対するジュリーの「ああそうですか」に、「まだ7位なのか~」というニュアンスが混ざっているのは、ジュリーファンなら分かっちゃいますよね~。
いつも思うことですが、ジュリーって正直過ぎるくらいにその時の気持ちが声のトーンに表れる人です。そこがイイんですね。だから、ジュリーが嬉しいとこちらも嬉しい、悔しいとこちらも悔しい・・・そんな不思議な気持ちの疎通があって、長いファンの先輩方はずっとそうしてきたんだなぁ、と。

「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」はこのインタビューでも語られた通り、82年末の賞レースに向けて「この曲で勝負!」的なリリースだったようです。「大ヒット」と言って良い曲なのでしょうけど、その意味ではジュリーの目指した特等賞には惜しくも届かず、という結果でした。
ただ、そこから30数年、リリース時のキャッチ・フレーズ「クラシカル・ニューウェーブ」がまったく色褪せないまま今もステージで歌い続けられていること、それが本当に素晴らしい。今この曲をひょんなことで聴いて、「こんな曲を歌いたい!」と考える若いアイドル、歌手は多いんじゃないかな。
時代が変わっても、楽曲の鮮度は変わらないまま。

数あるヒット曲の中でもLIVEセットリスト入り率の特に高い1曲で、『ジュリー祭り』から僅か9年のキャリアの僕ですら、もうオリジナル音源よりもLIVEヴァージョンのイメージの方が強くなってきているシングルのひとつ。
先輩方はそれこそリリースから30数年この曲の生歌を聴き続けていらっしゃるわけですから、たまにCDでこの曲を聴いた時に「あれっ、6番目のユ・ウ・ウ・ツって最後フェイドアウトだったんだ」と再確認、なんてこともあったりするんじゃないですか?

ともあれ次参加の松戸公演では、仲間達の前でビシッ!と最後の「ハイ!」を合わせてきますよ~。
チケット、早く来い来い!


それでは、オマケです!
今日は、『ミスキャスト』ツアーのパンフレットから、まだ過去に添付していないジュリーのショットです。
このツアー・パンフレットは、写真撮影がちょうど「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」がヒットしていた時期(或いはリリース直前)と思われ、アルバム『ミスキャスト』より少し前のジュリー、というイメージのショットが多いです。


Miscast3

Miscast6

Miscast13

Miscast14

Miscast9


次回のお題は「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」です。
この曲については、まだ僕の知らない事実や逸話がたくさんありそう。先輩方に色々とコメントで教えて頂かなければならない内容の考察になりそうですが、ひとまず自分のベストを尽くして書いてみます。

あと、前回記事でちょっと触れた『NISSAN ミッドナイト・ステーション』の特別企画『ジュリーA面ベストテン』についてお2人の先輩から「興味津々」「懐かしい」とのお言葉を頂いておりますので、「シングルA面」というそれだけにかこつけて、ラジオ音源コーナーのチャプターも設けます(僕自身の勉強のためにも)。
ただし、なにせ『NISSAN ミッドナイト・ステーション』は60分番組です。一気に全部書くと大変な文量になってしまいますから、次回「アリフ・ライラ・ウィ・ライラ」、次々回「STEPPIN' STONES」と2つのお題に分けて書いていくことにいたします。どうぞお楽しみに!

今週は肌寒い日が続いています。またか、とお思いでしょうが実は月曜から少し喉の調子が・・・(汗)。
みなさまも油断なさいませぬよう。

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2017年10月14日 (土)

沢田研二 「愛の逃亡者」

from『愛の逃亡者』、1974

Fugitive

1. 愛の逃亡者/THE FUGITIVE
2. ゴー・スージー・ゴー/GO SUSY GO
3. ウォーキング・イン・ザ・シティ/WALKING IN THE CITY
4. サタデー・ナイト/SATURDAY NIGHT
5. 悪夢の銀行強盗/RUN WITH THE DEVIL
6. マンデー・モーニング/MONDAY MORNING
7. 恋のジューク・ボックス/JUKE BOX JIVE
8. 十代のロックンロール/WAY BACK IN THE FIFTIES
9. 傷心の日々/NOTHING BUT A HEARTACHE
10. アイ・ウォズ・ボーン・ト・ラヴ・ユー/I WAS BORN TO LOVE YOU
11. L.A. ウーマン/L. A. WOMAN
12. キャンディー/CANDY

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50周年ツアーも一昨日の東京国際フォーラム公演を終え(タイガースや沢田組メンバーを客席に迎えての素晴らしいステージだったと聞いています。参加されたみなさまが羨ましい!)、今日が奈良。長いツアーのほぼ折り返し地点というところでしょうか。
例年であれば「もう全国ツアーの公演会場も残すところ僅か、という季節なのですが今回はまだまだ続きます。ジュリー達に疲れが無い筈はありませんが、元気いっぱいのパフォーマンスが各地で続いているようで、本当に頼もしいですね。

さて今日からはその50周年記念LIVEの”セットリストを振り返る”シリーズとして、僕の次回参加の松戸公演(チケットまだかいな~。発送が待ち遠しいです)までに5曲を採り上げ考察記事を書いてまいります。
本当は前回更新から間髪入れず開始する予定だったんですけど、いつもコメントをくださるねこ仮面様が、奈良公演までセットリストのネタバレ我慢を続けていらっしゃるようで(素晴らしき鋼鉄の意志。ツアー初日から3ケ月のネタバレ我慢など僕には到底無理です)、記事本文は読まずとも、うっかり僕のブログを開いてレアな楽曲タイトルが目に飛び込んできたりするとあまりに申し訳ない・・・ということで、今回のこのシリーズ第1弾更新は奈良公演の当日に、と待ち構えていた次第。

本日、シリーズ第1弾のお題は「愛の逃亡者」です。
神席で観たばかりの(自慢汗)今年のジュリーのステージを思い浮かべながら・・・張り切って伝授!


①「完璧な音」ゆえの現地セールス苦戦?


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以前ピーファンの先輩にお借りした75年お正月LIVE『新春歌いぞめ』パンフレットより。
「愛の逃亡者」が最新シングル、というステージですね。


「パリは良かった、ロンドンはダメだった」
74年末から勇躍開始された海外戦略、フランス、イギリス双方の現地ファースト・シングル「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」「愛の逃亡者」のセールスについてジュリーは近年も(今年の大宮公演でも)よくそんな話をしてくれます。
2曲とも素晴らしい名曲ですが、どういうわけでセールスにそれほどの差がついたのでしょうか。

最後のチャプターで詳しく書きますが、僕は今年になって『愛をもとめて』のラジオ音源を勉強し、イギリスとフランスでのレコーディング手法の違い、ジュリー自身の手応えの有無を、2曲それぞれについて今さらのように実感しているところです。
フルアルバム12曲ぶんを一気に録ったロンドンと、とりあえず第1弾シングルに絞ったパリとではそりゃあ単純比較はできません。でもジュリーのラジオでの話を聞くと、双方の現地プロデュースに両極とも言える大きな違いがあったことが分かります。

まず、「歌入れ終わったらもう大丈夫。あとは完璧に仕上げておくから任せて!」というイギリスはビッカートン&ワディントンのポップ職人幼馴染コンビ。
ジュリーの発音についても「普段喋ってる言葉じゃないんだから」とフォロー発言すらあった・・・というのは以前先輩から教えて頂いた逸話でした。
これまで何度か書いてきた通り、ビッカートン&ワディントンは驚異のポップ性を持つ名コンビで、ジュリーのアルバムについても「序盤・中盤・終盤隙が無い」音作りで完璧、極上の名盤を作り上げてくれました。
もちろんジュリーの歌だって最高に素晴らしい。ただ、僕レベルでは分からないのですが、完璧な音ゆえに「現地で通用する発音」として見るとジュリーの「歌」の方には若干ハンデがあったかもしれません。
アルバム収録曲で言うと、例えば「傷心の日々」での「everyday」「teardrop」などの単語は(あくまで発音については)僕でも「んん?」という違和感はあって、そのあたりが「愛の逃亡者」についても現地のリスナーにハッキリと持たれたりしたのかなぁ、と。

対して「一番の土台(歌)がキチンとしていないとダメ。話はそれからだ」というパリはフランス・ポリドールのピエールさん。
実は、このロンドン、パリのプロデュース手法でどちらが個人的に肌が合うかと言うと、僕はビッカートン&ワディントンの方なんですね。
これはおそらく加瀬さんもそうだったと思います。加瀬さんには「ジュリーという天賦の素材をプロデューサーの色に染める。そこでジュリーがどう映えるかを楽しむ」という感覚はあった筈です。その点、「愛の逃亡者」の仕上がりには満足していたんじゃないかな。

言わば、「音楽人気質」のプロデュースと「ビジネス気質」のプロデュースの違い。
ジュリーは歌手なんだから前者の方が良いだろう、とは単純にいかないところがまた音楽の面白さ。タイガース時代「時計の針のよう」と言われたと聞く「きっちり、しっかり」派のジュリーにとって、パリでのビジネス気質のプロデュース・・・徹底的にしごかれる、それに対してなにくそと徹底的に努力する、というレコーディングの方が性に合っていて、結果それがイギリスとパリとのセールスに素直に反映されたのかもしれません。

とは言え、僕ら日本人が「ジュリーの英語曲」として聴く限りは「愛の逃亡者」は大変な名曲。何よりジュリーが今も歌い続けてくれている、というのが大きい。
時間を超えて、当時のセールス状況に惑わされずに聴くジュリー・シングル。今年は「CHANCE」もそうでしたが、「愛の逃亡者」も僕などは初めて生体感してようやく「いや、これは素晴らしい曲だ」と大興奮でした。新規ファンにはそういう人は多いと思います。
次のチャプターでは、僕が今年改めて頭に叩き込んだこの曲の魅力について紐解いていきましょう。

②これほどの名曲!再確認させられたセトリ入り


Ys75012

今日の参考スコア、『YOUNG SONG』75年1月号より


今ツアーでは、「時の過ぎゆくままに」→「勝手にしやがれ」という超特大ヒット曲連発の直後に配されたこの曲。後に続くのがCO-CoLOコーナーというのがまた渋くて、セトリ順を完全に覚えこんだ状態で臨む今後参加会場では、「待ち構える」感覚で楽しみにしている僕にとっての「LIVEレア曲」です。
考えてみると『ジュリー祭り』から9年、僕はアルバム『愛の逃亡者』収録曲を今年初めて生体感したことになります(「キャンディー」を歌った2009年の『きめてやる今夜』は無念の不参加でした)。

洋楽に詳しいつもりでいながら、ビッカートン&ワディントンの魅力を初めて知ったのも2005年のポリドール再発シリーズで購入したこのアルバムで、ジュリーの名盤の中でも格別に好きな1枚です。
ただし、実はタイトルチューンにしてシングルの「愛の逃亡者」は今まで軽視していました。イギリスのセールス戦略、これじゃなくてアルバムの他収録曲にシングル・カットの有力候補があったのでは、みたいなことも生意気に以前の記事で書いたこともあります。
それが今年の初生歌、初生演奏で見事ヤラれたという。素晴らしい存在感を持つ曲ですよ!

その上で改めて74年のレコーディング音源を聴くと、ジュリーの歌はもちろん、鳴っているすべての音が心地よいんですよね。
まずはギター。左右に分けてミックスされたトラックはいずれもバッキングに徹し、ワウを効かせて楽曲全体の輪郭を作り上げます(今年のツアーで柴山さんもワウを使用しています)。

あとはベース、ドラムスの基本隊に加えてブラス、ストリングス、そして何より素晴らしいのが鍵盤パート。この曲はキーボードが2トラックですが、2つの異なる音色が入れ替わり立ち替わり、かと思いきやユニゾンしたり・・・さすがはビッカートン&ワディントン御大のプロデュース、本当に緻密かつ耳に優しいです。
そして「あぁ、泰輝さんも確かにこのアレンジ、この通りの音色で演奏していたなぁ」と、今ツアーで聴いたばかりのこの曲に思いを馳せるのです。泰輝さんのキーボード、最高にカッコ良かったですからね~。
松戸では再度チェックしてきます!

ジュリーのヴォーカルはガ~ッと一気に録った感じなのでしょうか。僕はこのアルバムのヴォーカルはとても好きですが(良い意味で「歌わされている」時のジュリーになにやら「歌の神」が降臨するパターンのヴォーカル・・・個人的には「ウォーキング・イン・ザ・シティー」に最もそれが表れているように思います)、ジュリー本人には「もっと良くなったかもしれない」といった心残りは多少あったのではないでしょうか。
これは『愛をもとめて』でのロンドン報告とパリ報告でのジュリーのテンションの違いから感じること。
いや、ロンドン報告は「いつものジュリー」なんですよ。ただ、パリ報告の方が尋常でなくテンションが高いんですね。まだいずれもセールスの結果が出る前の放送ですから、それはジュリーの率直な手応えを反映していると考えて良いでしょう。パリは「やりきった」、ロンドンは「もう少し頑張れたんじゃないか」と。
今も変わらず、当時からジュリーは「話す」ことについては本当に正直で、気持ちがそのまま声に表れる人なんだなぁと思ったり。

でも、先述したように・・・だからこそ作品化された後もその時の曲達をステージで歌い続けているジュリーに特別さ、格別さ、突出性を感じます。
アルバム『愛の逃亡者』なら、長い歌人生の中でLIVEセットリスト入り率の高い「キャンディー」そしてシングル曲「愛の逃亡者」は正にその代表格でしょう。
あと、アルバムではさほど目立たない(←個人的な感想です)「ゴー・スージー・ゴー」のLIVEヴァージョンを聴いた時の衝撃たるや。確か2009年、先輩に聴かせて貰った比叡山のテイクだったかな・・・レコーディング音源の時からあっという間に進化を遂げています。きっと発音も、もちろんエモーションもね。
僕はジュリーの「努力家」の面がとても好きです。あれほどの才能、輝きを持っていながら努力家ってのが本当にイイですね~。元々が素晴らしいので、努力の成果の表れ方も凄いですし。
イギリス現地では思うような結果は出なかったかもしれませんが、今年のツアーで「愛の逃亡者」を聴いて、ジュリーのそんな資質を観た気がします。

ジュリー・ナンバーに「裏打ち」のレゲエ・スタイルはさほど多くはありませんから、その意味でも「愛の逃亡者」は貴重な1曲。
似通ったコンセプトやリズムの曲を連続で繰り出すセトリ順を好むジュリー・・・レゲエ・ビートに必要不可欠なベースについても、今は依知川さんもバンド復帰してくれましたし、いつか「愛の逃亡者」→「EDEN」→「海に還るべき・だろう」なんていう夢のようなセットリストを体感してみたいものです。


③『愛をもとめて』より”イギリスの報告”編

最後に、ジュリー・ラジオ音源のコーナーです。
このコーナーは僕自身の勉強の意味もあって、参考資料として最近の考察記事ではよく採り上げているんですが、多くの先輩方にとっては「昔からよく知っている話題のおさらい」という感じになるのかなぁ?

今日はもちろん、75年(たぶん2月初めの放送)の『愛をもとめて』からお届けいたします。
現地でリリースされた曲のプロモーション遠征から帰ってきたばかりのジュリーのお話です(この次の放送回が、以前「マ・ゲイシャ・ドゥ・フランス」の記事で書いた「パリの報告」という順序になります)。


イギリスでは、ご存知「愛の逃亡者」・・・もちろん英語版でございますが、向こうでは正式に「THE FUGITIVE KIND」というタイトルになっておりましてですね。B面が日本では「I WAS BORN TO LOVE YOU」でしたけれども向こうでは「NOTHING BUT A HEARTACHE」というのが入っております。

「愛の逃亡者」は日本盤では併記の英語タイトルが単に「THE FUGITIVE」ですね。そこがまず違う、と。
また、日本盤とイギリス盤のB面収録曲の違いは以前先輩にコメントでご指摘頂いたことがあり(僕はその時まで同じカップリングだと思い込んでいました)そこはもう知識として持っていたんですが、「愛の逃亡者」と「傷心の日々」の組み合わせって、相当攻めていますね。イギリスではまず「ロック」に拘る、という戦略を加瀬さん達スタッフも持っていたのではないでしょうか。

それはさておき、続いて僕がこのラジオ音源を聞くまで知らなかった話が飛び出します。


で、「FUGITIVE KIND」のミキシングね、日本で出たやつは「あっ!」「うっ!」っていう掛け声が入ってるでしょ?あれが(イギリス盤シングルでは)無くなってましてね。

これ、何故なんでしょうねぇ。あの掛け声は間違いなく「愛の逃亡者」の肝だと思うし、現地でもあった方が良かったんじゃないかと思うのですが・・・。
これはビッカートンさんの好みの問題なのかな。声を余計に入れるよりも、後からオーヴァーダブした豪華なブラスやストリングスにリスナーの耳が行くよう仕上げたい、という狙いだったとするならそれはそれで分かるような気もします。


そのレコードのプロモートのために行ったわけですが、1月26日の日曜日ですかな・・・その日はロンドンに泊まりまして、月曜日にはロンドン以外のおもな都市を歩いたんです。歩いたって言うか、要するにラジオ局を回ったんですね。

ジュリーの話によれば、イギリスでは国営放送(BBC)の支所がローカル局として各都市にある、加えて民放もある、それを順繰りに訪ねていったようです。
各地を歩き回った中でジュリーが特に挙げて話をしてくれた町は、サウスポート。


リバプール近くの小さな町なんですけど、(ジュリーが訪れる)一週間くらい前から、ケンジ・サワダという日本で有名な歌手が来ます、というチラシがあってね。結構女の子達もいっぱい集まってて、その中にね、去年の夏頃までかな、原宿に住んでたっていう女の子がいてね。
裏口から入って控室みたいなところにちょっと待機してたら、「いらっしゃいませ」なんてこう日本語で言われてね。「あっ?」てね。話を聞いてみたら、「私、一番好きなのジュリーさんね。その次マチャアキ、その次ににしきのあきらさん」ってね、そういう女の子もいたんですが。


いやぁ、日本じゃ「控室でジュリーとお話する」なんてことは夢物語ですからね。当時ラジオを聞いていらした先輩方は、「ムキ~!」となったんじゃないですか?

イギリスでよく尋ねられたのは、左手の薬指に指輪をしていたので「結婚してるのか?」とか、「日本でそんなに有名なのに、何故またこっちでやるのか?」というようなことだったとか。
あと、「君はイギリスの歌手で言うと誰なんだ?デヴィッド・○○か?」(○○の部分が聴き取れません涙。「ボウイ」とは言ってないように思いますが)と言われて、「いや、ミック・ジャガーだ」と答えたらしいですよ~。
なるほど、「日本のミック・ジャガー」がイギリスでシングル・リリースとなったら、B面は「アイ・ウォズ・ボーン・トゥ・ラヴ・ユー」よりも「傷心の日々」の方がふさわしいですか。納得です。

そしてジュリーの話は現地のセールス状況に。


なかなかこれ難しいんですね。ってのは、レコード屋さん自体が買取でね、返品できない、そういう日本なんかとは違う販売システムで、BBCっていう国営放送のポピュラー音楽ベスト50位以内に入らないと店頭には置かないっていう・・・損したくないっていうね。

この話は聞いたことあるなぁ。いつか何処かのジュリーのMCで聞いたんだっけなぁ?思い出せません。
ただこのシステムはラジオからじわじわと火が点いてヒットに繋がるパターンも多いらしくて、日本のように(シングルで出した曲が)1ケ月経ってダメだったらその後もずっとダメ、ということは言えないみたい。


だからプロデューサーの人も言ってましたけど、10週間はかかるだろうと。2ケ月経ってやっとこう、どうなのかな、っていう状態が掴めると。まぁ、(まだ)分かんないですね、とにかく。あとは成りゆきに任せるしかないし。

このあたりのジュリーの発言が、次放送回のパリ編とずいぶん違うんです。
「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」については「楽しみ楽しみ!」みたいなことを、セールスの結果が出る前からジュリーは盛り上がって話しているわけですから、やっぱりこれはジュリー本人のレコーディングの手応えが違ったのでしょう。
それでもイギリス戦略についてジュリーは最後に


自分自身への戒めと言うか、教訓を授かるっていうことが多いしね。勉強になるだけでもいい、と思っている次第であります。

今年のツアーで自らの歌手生活50年を振り返り、「良いことだけでなく悪いことも糧としてきた」といった内容のMCを時々聞かせてくれているジュリー。
イギリスの「愛の逃亡者」も、フランスの「モナ・ムール・ジュ・ヴィアン・ドゥ・ブ・ドゥ・モンド」も同じように血肉としてきた、ということでしょうか。

まぁ大宮のMCではロンドンの話は数秒、パリの話は30分近く(あくまで僕の体感ですが)、と双方にかなりの差が出てましたけどね(笑)。


それでは、オマケです!
今日は、冒頭にも1枚添付しました75年『新春歌いぞめ』パンフレットから数ページぶんをどうぞ~。


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このLIVEに参加されていた先輩方は、衣装やセトリを覚えていらっしゃるのかな?
ステージの様子は、こちらは福岡の先輩からお預かりしている資料『ヤング』75年2月号で(1ページだけの記事ですが)窺うことができます。


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さて、次回更新では僭越ながら、「一般ピープルもよくご存知」な超有名曲「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」の考察に挑戦させて頂きます。
もうとっくに書き終えていても不思議のない曲ですけど、ここまで記事お題に採り上げるタイミングを逃していたのが逆に幸い・・・これまた今年になって勉強したラジオ音源で初めて知ったあれやこれやの逸話がとても多いシングル曲なのです。
ちょっと前までは『NISSANミッドナイト・ステーション』で開催されていた『ジュリーA面ベストテン』という企画放送回をご紹介するつもりでいましたが予定を変更。
ズバリ「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」リリース直後に放送された『歌謡ベストテン』でのジュリーのインタビュー音源を採り上げつつ、この名曲の妖しげな魅力を僕なりに紐解いていきたいと考えています。


去年の今頃は痔核切除の術後の激痛にのたうち回っていたので、「秋をしみじみ実感する」余裕など無かったですが、今年はなんとか元気に過ごせています。
こちら関東は昨日の雨で急激に気温が下がり、まぁ涼しくなってよく眠れるのは嬉しいんですけど、体調管理には特に気を遣わなければいけない季節(僕は季節の変わり目によく風邪をひくので)となりました。
みなさまもどうぞお気をつけて!

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2017年10月 4日 (水)

沢田研二 「Aurora」

from『俺たち最高』、2006

Oretatisaikou

1. 涙のhappy new year
2. 俺たち最高
3. Caress
4. 勇気凛々
5. 桜舞う
6. weeping swallow
7. 遠い夏
8. now here man
9. Aurora
10. 未来地図

---------------------

はじめに。
またしてもロック・レジェンドの訃報・・・トム・ペティの突然の旅立ちにはただただ驚き、肩を落とすばかりです。
過剰な装飾音を嫌い、土の匂いがするロックを貫いた偉大なシンガーであり、プレイヤーでした。訃報を受けてのボブ・ディランのコメントが本当に切ないです。
天国でジョージ・ハリスンやロイ・オービソンとも再会を果たし、早速バリバリ活躍しているんだ、と今はそう思うことしかできません。ご冥福をお祈りいたします・・・。

☆    ☆    ☆

10月です。すっかり秋ですな~。

ツアーが始まってから記事更新の頻度が落ちているので、今月は頑張りますよ!せっせと更新を頑張っているうちに、僕の次回参加会場・松戸公演が自然に近づいてくる、という目論みです。
で、恒例の”セットリストを振り返る”シリーズに入る前に、今日はアルバム『俺たち最高』から1曲採り上げておきたいと思います。

枕もそこそこに・・・なるべくタイトな文量で、とは考えていますがどうなりますやら。
依知川さんの作曲作品で、「Aurora」伝授です!


①応援!BARAKA結成20周年記念公演

まずここでは依知川さん作曲作品のお題にあやかり、依知川さん率いるプログレッシヴ・バンド、BARAKA(ジャンルで括るにはあまりにも多彩なクオリティーを誇るバンドですが、ひとまず「プログレ」とするのが最も適切でしょう)について書かせて頂きます。

僕は今年の5月、依知川さんと浅野孝巳さん(ゴダイゴのギタリスト)のユニット「あさいち」のLIVEに参加、そこでたまたま同席させて頂いたBARAKA後援会の男性お2人とお友達になり、BARAKAが今年結成20周年を迎えること、そのメモリアルLIVEとして来たる11月2日の東京国際フォーラムC公演が決定しており、「なんとか会場満員のお客さんでお祝いしたい」と後援会一丸となって集客を頑張っていらっしゃることを知りました。

僕自身は11・2への参加は仕事的に厳しい状況なのですが、お2人の熱意に打たれメモリアルLIVE成功祈願と、ジュリーファンへの呼びかけをお約束し、これまで何度か記事中にてこの件に触れてきました。
いよいよ公演まで残すところ1ケ月を切ったというタイミングですので、今日は改めての告知です!


Baraka3

BARAKAを未体感のジュリーファンのみなさまが気になるのは、「そもそもBARAKAってどんなバンドなの?」ということかと思います。
僕は先の9月1日、BARAKAの埼玉・鶴ヶ島公演を観てきましたので、その時の感想を交えて僭越ながらここで解説させて頂きましょう。

楽曲はインストゥルメンタル(歌無し)が中心です。
20年間のキャリアで多数のオリジナルCDをリリースしてきたBARAKA。その中から、会場で再会した後援会のM様お勧めの1枚を購入してみたところ、歌入りのオリジナル曲もありフォーラムではそうした曲も披露されるとは思いますが、鶴ヶ島ではアンコールの2曲(ビートルズとジミヘンのカバー)を除きセットリスト本割はすべてインストでした。

プログレというのは大作志向が強く、BARAKAのオリジナル曲も例外ではありません。特に鶴ヶ島セトリ本割ラストの曲は超大作で、40~50分くらいの演奏時間だったでしょうか。ただし長時間とは言っても、楽章形式とも言うべき無数のアイデアを凝縮した楽曲構成は、パートの見せ場が矢継ぎ早に繰り出されるスリリングな「音の物語性」重視でまったく飽きさせません。
美味しいメロディーやテクニカルなソロが代わる代わるに織り成す「ロックバンド」の醍醐味が味わえる「超大作」なのです。

演奏されたほとんどの曲のリズムは複雑怪奇で、僕も最初は「今いったい何分の何拍子なんだ?」と意地になって確認しながら聴いていましたが、あまりに高度過ぎて途中でギブアップ。本割のセトリで唯一の洋楽カバーとして披露されたビートルズ・メドレーにしても、一体何処から何処までが「キャント・バイ・ミー・ラヴ」で何処から何処までが「サムシング」なのか・・・ビートルズ・ナンバーならばメロディーもアレンジもすべて頭に叩き込んでいる、と自負する僕が迷子になるほどの斬新なアレンジには完全に白旗状態でした。

(追記:記事を読んでくださったM様よりご紹介頂いた、BARAKAの「キャント・バイ・ミー・ラヴ」「ラヴ・ミー・ドゥ」「「サムシング」一発録り生演奏映像です)

ところがBARAKAの音って、「頭で考える」聴き方を放棄してからが凄まじい快感で。
余計なことは考えず無心で演奏を受け入れる状態こそが心地よい・・・そんなサウンドなのですよ。

パートはギター(高見一生さん)、ベース(依知川さん)、ドラムス(平石正樹さん)の3人編成。
曲によって時折シンセの音色が流れてくるのは、依知川さんがサスティン・ペダルを併奏しているんじゃないかな(鶴ヶ島で僕は依知川さん真ん前のテーブル席で観たのですが、残念ながら足元は死角でした)。

3人とも超絶のテクニシャンです。分かり易く例えるならば、正にこのフライヤーのキャッチコピーの通り。


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「ジミヘン」はジミー・ヘンドリックス、「マッカートニー」はポール・マッカートニー(ビートルズ)、「ボンゾ」はジョン・ボーナム(レッド・ツェッペリン)。
そんな3人が個性と技量をぶつけ合って「プログレする」のですからそりゃあ凄いわけですよ!

依知川さんはジュリーLIVEとはガラリとスタイルを変え(と言うかこちらが「普段」の姿)、5弦ベースを徹底的に指弾きで魅せてくれます。楽曲中でギターと交互に主メロを高音で担当するシーンも多く、かつて「まるでリード・ギターのように動き回る」と評されたポール・マッカートニーへのリスペクトが確かに感じられます。

僕は今回の鶴ヶ島公演が初めてのBARAKA体感だったわけですが、最も感銘を受けたのが高見さんのギター演奏でした。
特に楽器演奏についての知識など無くても、高見さんのギターの「凄さ」は万人に伝わるものと思います。「百聞は一見に如かず」ですから、余計な説明は野暮というもの。「自由度の高さ」という点で、僕がこれまで生で観た中ではダントツのギタリストですね~。
アンコールでの「カム・トゥゲザー」(ビートルズ)なんて、あのお馴染みのリフをそのままではなく3度上、5度上で弾く・・・そんなスタイルの演奏が炸裂しまくり。まったく新しいフレーズを弾いているように聴こえるんです(依知川さんがキッチリとオリジナルそのままに弾いているのがまた不思議なハーモニーへと昇華)。
高見さんは演奏時の表情も豊かで、「良いギタリストって、チョーキングで「ぬお~っ!」となるものなんだなぁ」と改めて納得した次第です。
これほどまでに自由奔放なスタイル、しかもメンバー中最年少の高見さんが、結成時からずっとBARAKAで演奏を続けていることが即ち、依知川さんと平石さんの高い技量、度量を証明しているとも言えそうです。

加えて高見さんは、ハードで攻撃的な演奏と人懐っこい天然なキャラクターのギャップも魅力。
例えば、BARAKAは来年2月に海外遠征ツアーも決定しており、それが何とイエス主催(!)による世界に名だたるプログレッシブ・ロックのレジェンドが一同に会する豪華な対バン形式の船上公演なのだとか。
それについて依知川さんの場合はMCで
「(世界のレジェンド達に対して)もちろんリスペクトはありますけど、同じ人間。ステージ上では対等、という気持ちで臨みたいと思います」
と静かな闘志を燃やしていたのですが、片や高見さんはと言うと、のんびりとした口調で
「(競演者の)スティーヴ・ハケット(ジェネシス)とジャック・ダニエルが飲みたいな~」
とまぁ、驚異的なまでの超自然体モード。
その気負いの無さこそ、高見さんのスケールの大きさなのでしょうか。

ともあれBARAKAの演奏は世界に通じる素晴らしいものですから、来年の海外ツアーでは世界のレジェンド達の間でも、「ジャパンから来た3人組、相当ヤリやがるぜ!」と話題となること、疑いありません。
演奏を終えた高見さんにスティーヴ・ハケットが駆け寄ってジャック・ダニエルを振る舞う、というシーンはきっと現実となるでしょうね~。

ただ、その前に今年11月2日、BARAKAにとって大きなステージが控えているという状況。
鶴ヶ島公演の時点で「あと2ケ月」に迫っていたフォーラム公演。依知川さんがMCで曰く「まだ良い席も残っている」とのことでした。
後援会のM様も、集客の手応えは「まだまだ」と満足には至っていないご様子で、「是非ともジュリーファンの方々も」と改めてお誘いを頂きました。

ジュリーファンのみなさま、依知川さんのジュリーバンド復帰というタイミングでの巡り合わせ・・・これも何かのご縁です。ここはひとつ、フォーラム満員のお客さんでBARAKAの20周年お祝いと行きましょう!
ご都合のよろしい方は、是非11月2日の公演にご参加ください。ジュリー松戸公演の前日です。
よろしくお願い申し上げます!

②「Aurora」楽曲考察

チャプター①が想定以上の長文となってしまいましたので、ここからはちょっと駆け足でまいります(笑)。

アルバム『俺たち最高』はジュリー初のベースレス・アレンジのアルバムですね。後追いファンの僕は『ジュリー祭り』の年に予習として『ROCK'N ROLL MARCH』を購入した時にもベースレスのアレンジに強烈な違和感を覚えましたが、その後遡って聴いた『俺たち最高』の方がその感覚はより強かったような気がします。
『生きてたらシアワセ』『ROCK'N ROLL MARCH』とは違い「ドラムスは生なのにベースが無いなんて・・・」と、生意気にもそんなふうに考えた記憶が(汗)。
ただ、収録曲で言うと「Aurora」についてはその感覚はありませんでした。
初めて聴いた時に「おっ、これはドアーズだな」と思ったからです。

ベースレスでのアルバム製作は、音源作品とステージとの乖離を最小にとどめたい、という以前からのジュリーの考え方に沿う手法だったでしょうが、ジュリーは当初そのことについて
「LIVEではキーボードが左手でベースを弾く。ドアーズみたいでカッコイイ!」
と話していたそうですね。
斬新な試みを以ってアルバム『俺たち最高』のアレンジを託された白井良明さんにも当然「ベースレス・ロックバンドの先駆者」であるドアーズの楽曲群は引き出しにあったはずです。それが最も明快に表れた収録曲が「Aurora」というわけ。

肝はキーボード。良い意味でチープなオルガンの音色が、左右のギター・トラックとくんずほぐれつに絡み合う・・・具体的には、ジュリーの歌メロ部では左サイドのバッキングとリズムを揃え、歌の隙間に右トラックのリード・ギターと音階を揃えます。
それをワントラックのキーボードでやる、というのがドアーズのレコーディング作品でよく見られるレイ・マンザレク直系のスタイル。
このオルガンを柱としたベースレスのアレンジは、後の鉄人バンドによる「こっちの水苦いぞ」の演奏で、より洗練された形で引き継がれていると思います。

依知川さんのジュリーへの提供曲は、昨年の「犀か象」以外すべて直球。
BARAKAではメロディーもリズムもあれほど変則的な作曲をする依知川さん、懐が深い!のひと言です。
「Aurora」でも調号の変化は無く、シンプルなリズムに王道・イ短調のメロディーを採用。コード割りは白井さんが相当イジリ倒していると思いますけど。

僕がこの曲で今着目したいのは、ジュリーの作詞に登場する英フレーズ。今年の新譜「ISONOMIA」と比較してみるととても面白いのです。
「ISONOMIA」には、英フレーズが計8単語が繰り出されます。それぞれジュリーが「良い意味」と考える「~ful」が4つ、「悪い意味」の「~ness」が4つずつ。良い、悪いの対比はハッキリしていますね。
一方「Aurora」に登場する英フレーズは3つで、「Happiness」「Loneliness」「Tenderness」。
普通に考えると「Happiness」「Tenderness」は「良い」、「Loneliness」は「悪い」意味合いでしょうが、ジュリーがそれぞれに組み合わせた日本語が逆説的で

「薄光のHappiness」
「女神はLoneliness」
「寒風のTenderness」

となっています。「薄光」「寒風」は楽曲タイトル「Aurora」からの連想、そして「オーロラの見える国」=「平和な国」とするなら、本来は平和の象徴であるはずの「女神」・・・これは「届かない花々」に同じく「9.11」の意味を持たせてジュリーは言葉を選んでいるかもしれません。

『俺たち最高』は音作りの面でも前作『greenboy』とはガラリと作風を変えましたが、「Aurora」などいくつかの収録曲では「日常の尊さ」をコンセプトとして受け継ぎつつ、さらに平和へのメッセージが強く加味するという、貴重なターニング・ポイント的な名盤と言えるのではないでしょうか。

それにしても「旨いものなさそうだけど♪」はジュリーらしさ全開ですよね~。
はからずも明日から東北・北海道へと向かう50周年記念ツアー。ジュリー達は各地で美味しいものをたくさん食べるのでしょう。
それが楽しみで、この季節に北へと向かうスケジュールを組んだんだったりして・・・。

③アルバム『俺たち最高』、今後のセトリ入りは?

最後に、「隠れた名盤」とも言うべきスタンスかと思いますが、アルバム『俺たち最高』について。
先日お会いしたJ友さんとたまたまこのアルバムの話になって、「最初はとっつきにくかったよねぇ」と。

これは新規ファン独特の感覚なのかな・・・僕の場合はまず先述の「ベースレス」への違和感があり、加えて、今でこそ「ジュリーってこんな感じ」としっかり身につけているんですけど、ジュリーの自作詞の奇抜さと言うか奔放さと言うか、そういう面が目立つナンバーが多く収録されているように感じていました。
例えば僕は長い間「涙のhappy new year」の詞の言葉並びが苦手で(今はそうは思っていませんよ!)、このブログでも「三大壁曲の筆頭」と書いていたほど。
2014年お正月LIVEでのジュリーの生歌と鉄人バンドの演奏の素晴らしさで完全に克服、今では大好きなジュリー・バラードとなっていますが、「1曲目がダメ」という長い時期がこのアルバムの正当な評価を個人的に遅らせていたことは事実です。でも実際は、本当にジュリーファンが愛すべき1枚・・・名盤なんですよね。

収録曲中僕がこれまで生のLIVEで体感できているのは、今触れた「涙のhappy new year」と、「俺たち最高」(『ジュリー祭り』)「桜舞う」(『燃えろ東京スワローズ』)の計3曲。2000年代のアルバムとしては、セトリ入り率は低い方なのかな。
アルバムで一番好きな曲は「未来地図」。ただし「この先LIVEで一番聴きたい曲は?」ということになると圧倒的に「weeping swallow」です。毎回、ツアーの度に期待をかけていますが未だ実現せず・・・これまで何度も「セットリスト予想」に書こうと思いつつ機を逸しているうち、「そう簡単に書いてよい曲じゃないぞ」と考えが変わってきました。なにせ昨今のこの国、ひいては世界情勢がね・・・もしこの曲の考察記事を書くなら、自分の中の「NO WAR」をトコトン追求してからでないと、と今は思っています。
今日のお題が「Aurora」ということで、アルバム『俺たち最高』収録曲の中で僕がまだ記事未執筆の曲は「weeping awallow」1曲を残すのみとなっておりまして、いつか「平和」を実感しながら書くのが一番ふさわしいとは思いますが、まだ時間はかかりそうですねぇ。

この「weeping swallow」をはじめ「勇気凛々」「遠い夏」、そして「Aurora」・・・これらジュリー作詞のナンバーはいつツアー・セットリスト入りがあってもおかしくないと僕は思っています。
中でも「Aurora」は依知川さんの作曲作品ですし、近々要チェックの予習必須曲ではないでしょうか。

「エンドレスで歌い続ける」と宣言してくれたジュリー・・・今後は「久々に歌うか~」と次々にレア曲を採り上げてくれるのではないか、と。
とりあえず来年の古希イヤーでは、『ジュリー祭り』以来となるアルバム・タイトルチューン「俺たち最高」のセトリ入りに期待しています!


☆    ☆    ☆

さて、今日はオマケの添付画像がありません。
2006年関連資料の手元のネタが尽きてしまっているのですよ・・・。そのぶん次回は奮発するつもりです。

それでは次回から”『沢田研二50周年記念LIVE』・セットリストを振り返る”シリーズへと突入します。
今回のセトリで記事未執筆の曲は全部で6曲。その中から「時の過ぎゆくままに」以外(以前からの予告の通り、「時過ぎ」は来年の6月25日の更新お題と決めています)の5曲を矢継ぎ早に書いてまいります。
どうぞお楽しみに~!

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