伝授・特別編 灼熱ライヴレポート

2016年9月 9日 (金)

2016.9.3 NHKホール 沢田研二『un democratic love』簡易レポ

まずは・・・もうほとんどのジュリーファンのみなさまはご存知かと思いますが、三木労音さんが素敵なブログをupしてくださっていますので、大変遅ればせながらこちらでもご紹介を(こちら)。
スタッフさん念願の大ホール満席、公演の大成功、本当におめでとうございます!

僕もsaba様に倣ってこの機に三木労音さんのツイッターを遡って拝見させて頂きました。
LIVE当日までのドキドキ感、盛り上がってゆく様子もちろん素敵ですけど、公演後の「余韻醒めやらぬ」感が1ジュリーファンとしても我が事のように嬉しい!
ブログの御記事では、「三木市の空から♪」が緑色の特大フォントというのがまた素敵です。
公演に参加していた関西のJ友さんに、当日配布されたスタッフさん手作りのプログラムを見せて貰う約束をしていますのでそれも楽しみ。

三木公演の後もジュリー達は大盛況の各地各会場を駆け回り、今年の全国ツアーもあれよあれよという間に進んでいきます。
そして僕も、これまた満員の会場で開催された9月3日NHKホール公演に行ってまいりました。

はじめに。
今回は事情がありいつものようなセットリスト各曲ごとの大長文ではなく、簡単なレポしか書けなくなってしまったこと・・・申し訳ありません。
体調不良の中での参加でした。
そして決断・・・私事で恐縮なのですが、来月10月に手術をすることになりました。
いやいや、身を乗りださないでください。手術と言っても深刻な重病というわけではなく(まぁ本人としてはそれなりに深刻ではありますが)・・・どちらかと言えばハレンチな(汗)、恥ずかしい病気です。

僕には長年つきあい続けている持病が3つあって、そのうち2つ・・・「胆石」と「腰痛」についてはこのブログでも時々症状に触れており、みなさまにご心配をおかけしています。しかし今回手術するのは残る1つ。
病名は「脱出性内痔核」と言います。
あ、検索はなさらない方が良いです。ロクな画像が出てきませんから(笑)。

実は「痔の手術」については、YOKO君が先輩です。
ただし彼は症状が出た時点(もう数十年前のことです)で即決断したので、簡単な手術で済みました。僕の場合は長年の様子見が祟り、結局最も辛い選択肢・・・「切断除去」「術後2週間の安静」という方法しかなくなっていました。このあたりが、僕とYOKO君の大きな性格の違い・・・つまりは危機管理根性(?)の有る無しによる大難、小難の別れ道なのですな~。
今さらのように身をもって実感しているところです。

まぁ手術とは言えシンプルなものですし、ジュリーファンの先輩方の中にはもっと大きな手術、ご病気を体験されているかたも多いでしょうから、今回の僕なんて客観的に考えれば大したことはないのです。
先日は、かまやつひろしさんの闘病を伝えるニュースがありました。かまやつさんの「絶対復活するから心配しないで」との力強いメッセージ・・・世の中には、僕などとは比べものにならない大変な病気と向き合い果敢に闘っている人達がたくさんいらっしゃいます。
病気のことばかりではありませんね。自然災害、或いは不条理な人災によって大変な困難に見舞われ、平穏な日常を取り戻すために今も日々立ち向かっている人達が多くいらっしゃるというのに・・・これしきのことで、僕はホントに意気地が無いなぁ。

白状しますと、不思議なもので手術が確定するや症状がパタッとおさまって、「あれっ、これなら日常生活に支障はないじゃん。やっぱりこのまま薬で様子を見て、辛い手術なんてやめちゃおうかな・・・」などと、ふと考えてしまう弱い自分がいます。
これがジュリーみたいに肝の据わった人なら
「考えたってしゃあない、なるようにしかならんわ!」
と、腹を括れるのでしょうけど。

担当の先生から聞かされているのが
術後数日間は、とにかく痛い
という・・・(泣)。
身から出たサビ、自業自得。
加えて、僕個人が本格的な外科手術は初めてということもあり、今は正直「怯えている」状況です。

話を戻しまして、9月3日。
折悪く、ハッキリとした自覚症状(「脱出」している時は痛いのですよ涙)を抱えてのNHKホール参加。
この状態の時は、「立ちっ放し」が一番辛いんですけど、こうなってみると幸いなことで、今回澤會さんから授かったお席が3階最前列でした(思いっきり端っこでしたが)。隣のカミさんも僕につき合ってくれて、今回は僕自身初となる「最初から最後まで着席して楽しんだジュリーLIVE」となったのでした。
それはそれで新鮮に、じっくり楽しむことができました。
確かに、しょっちゅうお尻を気にしながら(実は大宮でも後半はちょっと・・・汗)のLIVEなので、いつもより集中はできていなかったとは思います。
でも、ジュリーの歌は素晴らしくてね・・・。

大阪、福岡、君津と声の調子が今ひとつ、とジュリー本人も気にしていたと聞いていましたからこの日もどうか、と思っていましたがなんのなんの。2曲目「
渚のラブレター」の時点でもう神々しいまでの熱唱で。
一方で、本割ラストの「
ヤマトより愛をこめて」は、過去に一度体感したことのある「別の喉を使う」ジュリーのテクニック・・・囁くようなハスキーボイスで切々と。
「男の矜持」がヒシヒシと伝わってきました。そして、阿久さんの歌詞一節一節が、直後のMCでの「来年、再来年のイベントのために、みなさんもお元気でいてください」というジュリーの言葉と重なるようで、その囁く歌声がとても優しく感じられて。
「オマエ、ワシの大イベントの前にキチンと身体を治しておけよ」とジュリーからメッセージを貰ったように終演後に思い出されました。

巡り合わせの不思議と言うのでしょうか・・・ジュリーの今年の全国ツアー・スケジュールは僕にとっては寂しいことに、このNHKホール公演で早くも最後の参加となってしまいます。11月に、2年に1度の大きな仕事『楽器フェア』が待っていて、その搬入日がオーラスの東京国際フォーラム公演と重なってしまったためです。
どのみち今の身体の状態のままでは『楽器フェア』での終日立ちっ放しの仕事は厳しいですし、それまでジュリーのツアーの参加予定もありません。
ならば9月いっぱい仕事を頑張って、可能な限りの不在時の段取りをしておいて、10月下旬に復帰できるようなスケジュールで手術をしてしまおう、と。
すべてが「今年ジュリーがくれたチャンス」のように思えてきたんですよね。

NHKホールのジュリーが僕に伝えてくれたものは、本当にたくさんあります。

「感じすぎビンビン」は豪快にして痛快。
彼方の空へ」は、ただただ愛おしく。
我が窮状」の澱みない歌声。
un democratic love」の戦慄スレスレの感動。
若者よ」の力強さ。
緑色のkiss kiss kiss」の爽快な高揚感。
サムライ」の色気。
ス・ト・リ・ッ・パ・-」のカッコ良さ。やっぱり、この曲には「カッコイイ」という言葉が一番似合うなぁ。

色々あるけど、ステージ全体を通して僕がこの日ジュリーに貰った一番の宝物は、「勇気」でした。

小心者の僕は、もしジュリーファンでなかったら今回手術の決断はできなかったと思います。
先生の初診は「このままにしておいても、すぐに重篤な事態を引き起こすようなことはない。でも、今の辛さとサヨナラしたいとお考えなら手術をお勧めします。あとはご本人の判断です」というものでした。
僕くらいの症状に進行してもなお、特に男性には、手術を怖がり薬で腫れや痛みを和らげて様子を見る方法を選ぶ人も多いみたいです。
しかし、NHKホールから3日後の2度目の診察で僕は、手術を希望しました。先生も「よくぞ決断した」という感じで、すぐにスケジュールを組んでくれました。

いや、僕は今でも手術がとても怖いことは怖いんですよ。僕は元々、そういう情けない性分です。
でも、ジュリーの歌を聴いて「踏み出す」勇気を得ました。結婚の時もそうでしたが、僕のような根性無しの者に「人生の大決断」(大げさですみません)をさせてしまうジュリーって、本当に凄いのです(笑)。

そんな凄い人が、来年はデビュー50周年ですよ!
再来年は古希ですよ!

もはや「凄い」を超越しています。とてつもない歌手・ジュリーのメモリアル・イヤー奇蹟のイベントに、お尻の調子を気にしながら参加するなど言語道断
僕も今年で50歳になります。
身体のこと、ひとつひとつクリアしていこうと決めました。今回の手術は、その第一歩目となります。

NHKホールはバンドの演奏も素晴らしかった・・・ちょっと端っこ過ぎたので音響に偏りはありましたが、あの感じだと3階でもセンター附近ならすごく良い音で聴こえるんじゃないかな。昔ながらの、暖かい音。
特に演奏が心に残ったのは「
犀か象」と「マッサラ」。
カミさんが「犀か象」について「エルヴィス・コステロみたいだね」と言っていたのは目からウロコでした。ホント、アトラクションズみたいにタイトなブリティッシュ・ビートだったと思います。
これは「
福幸よ」にも同じことが言えますね。
対して「
Welcome to Hiroshima ~2014年(平成26年)『平和への誓い』より」は「ブライアン・アダムスっぽいね」と。これまた納得、「なるほど」と思った次第。

「マッサラ」は、依知川さんのAメロのベースがとにかくカッコ良過ぎです。あの激しい移動のブルーノート・フレーズを指弾きですから。
そうそう、大宮では確認できなかったのですが、依知川さんは「ヤマトより愛をこめて」「サムライ」も指弾きでした。あと「
TOKIO」のスラップは親指!

もちろん柴山さんも相変わらずの大活躍。
「マッサラ」は入魂のワウ・プレイで、あまりに気持ちが入っていたのか、ワウの設定のままで次曲「
お気楽が極楽」のイントロのリフを弾き始めてしまい、ノッケからギターの音色までもが「Himitsu-kun」状態。
すぐに「やべっ!」と右足でスイッチ切ってました。
柴山さんって時々このパターンあるんですよね~。いや、バンドフェチとしては良いものを観ましたよ。

「お気楽が極楽」は、歌詞も沁みたな~。「誰も助けてくれないんだよ♪」が何故か前向きに聴こえたのは、僕がこういう状態だったからでしょうね。
自分の身体のことは自分自身で向き合わなければなりませんし、誰も代わってはくれません。
例えば今回の僕の場合でも、先生は「完治するにはこういう方法しかない」と丁寧に説明した上で「どうでしょう?」と手術を勧めてはくれますが、「手術しなさい」と強制するようなことはありません。結局、決断するのは自分なんですよね。
「お気楽が極楽」って、そんな時に陽気に背中を押してくれるような詞です。なるほど、人生経験が浅いままでは、魅力に気づけない歌なのかもなぁ。

世紀の片恋」のGRACE姉さん、「王手かける♪」の箇所のカウベルの尺が長めになってたなぁ・・・ツアーの中でアレンジも細かく進化してるんですねぇ。
「ヤマトより愛をこめて」の姉さんのドラムスはいつ聴いても素晴らしいですし。「
アルシオネ」のスネアも大宮でYOKO君が絶賛していた通り。

泰輝さんの「
ポラロイドGIRL」でのエレクトリック・ピアノとストリングスの音色の切り替え、「カサブランカ・ダンディ」Aメロ2回し目でジュリーのヴォーカルを華麗に追いかける、正に歌詞通りの「ピアノのメロディー♪」も堪能しました。

大宮からは2週間しか経っていませんが、ジュリーの髪も「ええ加減♪」な感じに伸びてきたかな、と。
「あれっ?」と思ったのは、「
届かない花々」と「コバルトの季節の中で」。
YOKO君が大宮で「大好きな2番の詞を目の前で歌ってくれた!」と言っていたんだけど、この日のジュリーは2曲とも1番を上手側、2番を下手側で歌っていたんですよね。YOKO君の話とは逆です。
ジュリーってそういう動きをコロコロ変える人ではないと思うし、YOKO君記憶違いかな?
何たって彼は、テレキャスのボディーにアームの幻影を見てしまう男ですからね・・・。

あと、この日は客席にサリーとタローが駆けつけていたらしく、MCで「デビュー50周年」に絡んでタイガースの話もしてくれたジュリー。タイガースのことを話すジュリーは、普段のMCでの様子とはうって変わって見事な「弟キャラ」になるんですね。
50周年を迎えてピーやタローも何か考えているでしょう、というくだりでは、「(どんなことを考えてるのか)知りたいな~!」と愛嬌たっぷりの声になったりとか。

来年、ザ・タイガースで何か特別な企画が・・・そんな可能性はあるのかなぁ?
個人的には、4曲入りのマキシで良いので50周年記念の新譜をリリースして欲しい!
ジュリーは今でも「作曲」に意欲を持っているようですが、最近の新譜制作スタイルでは発表の機会がありません。それをザ・タイガースで、ジュリーの作曲作品にサリーが詞を載せてくれれば最高。
タロー作曲・シロー作詞というのも面白いんじゃないかな。実現すれば、タローはすべてのタイガースのメンバーとの「作詞・作曲コンビ」達成となります。
ピーとトッポは頑固に作詞作曲をひとりで担い、それを他メンバーがいじり倒す感じで・・・これで全4曲。
いやいや勝手な妄想ですよ。もちろん、再々結成LIVEがあればそれが一番です。
そう考えていると、ますます来年に向けて身体のことをしっかりしておかねば、と思えてきます。

そして・・・僕自身の気持ちの影響もあったんだろうけど、NHKホールでのジュリーの歌が格別に真っ直ぐに胸に響いてきたの曲が「
君をのせて」でした。
ほんの一瞬の日常を切り取りながら、長い人生の悲喜すべてを描ききっているような岩谷さんの詞。ピュアで透き通った宮川さんのメロディー。
僕が今回受ける手術で最大の頑張りどころは、「術後数日間続く強い痛み」だと説明を受けています。そんなことを聞かされたら、そりゃあ怖いですよ。
でも、NHKホールで聴いた「君をのせて」のジュリーの歌を思い出していたら、「人生」という長い長い大変な旅路の中にあって、今回の僕の試練なんて本当にちっぽけな「一瞬」なんだろうなぁ、と思えてきました。

怖れるからこそ踏み出す勇気。
再び取り戻す日常の有難さ。

NHKホールにご参加のみなさまはご存知のことですが、実はこの日の「君をのせて」で、ジュリーは最後のあのお辞儀ポーズの時によろけてしまったんです。
これはジュリー本人も想定外だったらしく、マイクを通して(ユーモラスに、でしたが)息切れの声を聴かせてくれたばかりか、アンコール前のMCでもこのシーンに触れて、「腰が痛くなって・・・ビックリした」と。

ジュリーはきっと他にも、僕らの分からないろころで様々な身体の変調に立ち向かいながら、あれほどのステージを魅せてくれているのだと思います。
なのに、まだまだ若輩の僕が弱音を吐いたり、手術なんか怖がっている場合ではありません(と言いながらここでは書いてしまって・・・すみません)。


ということで。
10月の手術に向けて、今からやっておかなければいけない仕事も山積み。
並行して、術前の様々な検査もあります。そのひとつが来週早々、これまた人生初の「大腸内視鏡検査」。かかりつけの病院では、痔の手術の術前検査として必ず行っているんですって。
普通なら楽な検査でも、僕の今のお尻の状態では相当な痛みを伴うことが予想されます。患部に管が当たりっぱなしになるわけですからね(涙)。
検査結果含め、大事無いことを祈るしかありません。

当分はいつものような大長文は無理ですし更新頻度も下がるでしょうが、気晴らしにもなりますから、手術までにいくつかの記事は書きたいとは考えています。
少なくとも”セットリストを振り返る”シリーズで「感じすぎビンビン」は書いておかなくては。
とりあえず

・『楽器フェア』までに仕事に復帰する!
・『瞳みのる&二十二世紀バンド・横浜公演』までには完全復活する!

この2つを大きな目標に、NHKホールのジュリーに感謝しながら色々なことを頑張りたいと思います。

今回は、レポとは名ばかりの、こんな感じで僕のプライヴェートの話にみなさまをつき合わせてしまうような記事となり、すみませんでした。
手術当日までの不安な日々、さらには術後の静養期間中・・・何よりの安らぎであり楽しみなのは、この先のジュリー・ツアー各地各会場に参加されたみなさまからのご感想のコメントです。
すぐにお返事できない場合もあるかもしれませんが、心待ちにしておりますので・・・どうぞよろしくお願い申し上げます。

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2016年9月 1日 (木)

2016.8.20大宮ソニックシティ 沢田研二『un democratic love』セットリスト&完全レポ

あっという間に9月です。
今日9月1日は「防災の日」なのですが・・・。

上陸した台風10号が、北海道、東北に大変な被害をもたらしてしまいました。亡くなられた方々、まだ行方のわからない方々もいらっしゃいます。
そして熊本では、昨夜に震度5の地震が発生、今日も震度3の揺れを観測しています。
熊本市が、熊本地震について「初動を超え復旧・復興のステージに入った」として、31日には警戒レベルを引き下げようとしたその夜に起きた震度5の地震。
夕食の時間、安心しきっていたところに・・・地元の方々は、どれほど怖い思いをされたことか。

人間は未だ、自然災害を完璧に予測し被害を完全に防ぐことができずにいます。この台風と地震でそれが改めて浮き彫りとなりました。
川内、伊方、このままで良いわけがない・・・自然の脅威を、自らの過信を、何故恐れない?

僕らは無力感にさいなまれながら・・・ただ祈ることと、日々自分の生活で何事にもベストを尽くすこと・・・それしかないのですね。
北海道、東北、熊本・・・各地への気持ちを忘れずにブログを書くことも、僕が「ベストを尽くす」こと
のひとつ。
今回も頑張って書きました。
他に何ひとつできることはありませんが、台風や地震で怖い思いをされたジュリーファンのかたが読んでくださっているとしたら、この無力感も救われます。

☆    ☆    ☆

大変、大変更新が遅れましたが・・・。
今年も無事行ってまいりました。年に一度のYOKO君祭り、ジュリー大宮公演!

毎年毎年鋼鉄の意志でセットリストのネタバレ我慢を貫き通して参加し、隣でビビッドな反応を見せてくれるYOKO君。昨年は特別な「KASE SONGS」オンパレードだったこともありレアな選曲が多く、イントロが流れるごとに大暴れしていましたが、今年はどうでしょうか。
いわゆる彼の「ダイブ曲」ということで言うと、事前に僕が予測できたのは2曲目「渚のラブレター」くらいで、あとの曲は彼がどんな反応をするのか皆目見当もつかず・・・逆にそれも楽しみでした。

毎年お正月LIVEに参加しない(できない)YOKO君は僕に比べると「LIVE未体験」の曲がまだまだ多く、今年は新曲以外だと「渚のラブレター」「感じすぎビンビン」「彼方の空へ」「アルシオネ」「マッサラ」「お気楽が極楽」が初めての体感となります。
やっぱり「一度も生で聴いたことのない曲」はイントロで「おおっ!」となるものですから、それらの曲では特にビビッドな反応が期待できるでしょう。
それに今年はYOKO君久々の神席(『3月8日の雲~カガヤケイノチ』大宮公演以来)・・・センターブロック上手端4列目という素晴らしい席を授かっています。

楽器店で待ち合わせてからお茶したんですが、準備万端のYOKO君、春に2人でおちあって「答え合わせ」をした時の『un democratic love』収録全4曲のコード採譜を印刷して持参、「柴山さんのコードで正解を確認する!」と気合充分の様子です。
その点については結局終演後に「新曲、ほとんどジュリーしか見てなくて・・・」と肩を落としていましたが、ジュリーLIVEの神席って本来そういうものですから。
僕は2度目のツアー参加だったのでYOKO君よりは余裕があり、柴山さんのフォームや依知川さんのフレット移動も結構ガン見できましたけどね。

ともあれ、「こんな近距離でジュリーを見られる幸運は今回が最後になってもおかしくない」と、感謝と覚悟をもって臨む!ということで、張り切って着席。
ローディーのお兄さんが目の前でジャズマスターをチューニングしているのを見つめるYOKO君。
そう言えばお正月のセトリを伝えた際に、「ス・ト・リ・ッ・パ・-が1曲目って凄えよな!」と言っていたっけ、と僕は僕で彼の胸の内を量りながら・・・。

枕もそこそこに、開演!


1曲目「
ポラロイドGIRL

Royal80_4

この日YOKO君は道中、アルバム『彼は眠れない』を聴きながら大宮までやってきたのだとか。
これは、会場で彼が初対面のご挨拶をする予定でいたMママ様への感謝の意味があったそうで(Mママ様がリリース当時1枚余分に購入されていた封も切っていない新品同然のCDを、僕を通じてYOKO君にプレゼントしてくださった、ということが2009年にあったのです)、イントロの柴山さんのギターが「ぎゅ~ん!」と来るや立ち上がったYOKO君、「さっき聴いたばっかりDA~!」と叫び、早くも興奮度MAX状態に。
ただ、予想通りこの時点では彼の”おいっちに体操”は控えめに腕を動かす程度・・・照れているようで、時々僕の視線をチェックしてます。

それにしても、ここまで近い距離でジュリーを観るのは僕も本当に久しぶりでした。『燃えろ!東京スワローズ』の初日(端っこだけど2列目でした)以来かな。
この日はセンターブロック4列目の上手端に2人並んでいたんですが、ジュリーの衣装もネクタイの柄までハッキリ見えますし、柴山さんのコードフォーム、依知川さんのフレット使いも丸見えです。
GRACE姉さんはお顏が完全にシンバルに隠れていますが、スティックの打点はよく見えました。
問題は泰輝さん。下から見上げる体勢なので上段の鍵盤を弾く指はまったく見えず・・・下段の演奏時は、2段キーボードの隙間から辛うじて指が見え隠れする、という状況でした。それでも肉眼で指の動きが見えるのですから、これ以上は贅沢というもの。

初日に観てからひと月近くが経っていましたが、ジュリーはそれほど髪が伸びてなかったなぁ。
右手にはリストバンドが2つ。左右に駆け回り、サビでジャンプし・・・ジャケットから覗くシャツに早くも汗が光り、肌に吸い付いているのが分かります。

弦楽器隊のフォームはイ長調で原曲通り。
Bメロの柴山さんのバッキングが素晴らしい!単に「D→A→D→A」ではない箇所があるのです。
5小節目の「ダーリン、ダーリン・・・♪」が5弦セーハのD、「子供のまま♪」がローコードのA。そこから「深入りしている♪」でルートを2弦、3弦、4弦と1拍ずつ経過音で上昇させて再度5弦のDへ。流れるような指の移動にただ見とれるしかありません。
何度も生で体感している曲でも、まだまだ新発見がある・・・神席というのは有難いものです。

2曲目「
渚のラブレター

Royal80_3

今回もセットリストのネタバレ我慢を貫徹して臨んでいたYOKO君。僕としては彼のビビッドな反応を一番楽しみにしていたのがこの2曲目でした。
案の定、イントロのハモンドが鳴ると僕の横腹を思いっきり突いてきます。ここは僕も心の準備ができていたので体勢を崩さず踏ん張れました(笑)。
YOKO君は当然初体感となる「渚のラブレター」。打ち上げでは「シングル・ヴァージョンかぁ、と思いながら興奮してた!」と。

サビの高音、美しく伸びるジュリーのヴォーカル。柴山さんのせり出してのソロも圧巻。
歌もギターもドラムスまでも、オリジナル音源にすごく近く感じるというのがね・・・本当にとてつもないことです。そりゃあ銀次さんも感慨深いはずですよ。

この日も初日同様、眼鏡男子な依知川さん。意外や「渚のラブレター」はピック弾きなのですね。3連フィルのダウン・ピッキングを重視したのでしょう。
泰輝さんがピアノで3連を弾いていますから、ユニゾンの箇所で音を尖らせたいのでしょうね。いやぁ完全にロッカ・バラードのアンサンブルです。
一方で僕は「早く依知川さんの指弾きを確認したい」とこの日の神席を楽しみにしていた、という部分もあって。意外やこの後、指弾きの曲までには数曲待たされることになるのでした。

演奏が終わるとYOKO君は「素晴らしい!」と絶叫。
新バンド体制で恒例となったジュリーの「フォ~!」が飛び出して、下手側に手をかざしての「フォ~!」では依知川さんが深々とお辞儀をしていました。
近い距離で見ていますと、その髪のヴォリュームに改めて驚嘆させられますな~。

~MC~

「ようこそ『un democratic love』へお越しくださいました!大宮は毎年満員になりますが・・・みなさん大宮のかたなのでしょうか?」
とても交通の便が良いところなので、全国各地からお越し頂いているのかなぁ、と自分を納得させるように言ってお客さんを笑わせてくれます。

お盆休みの間にリオデジャネイロ五輪も始まり、「オリンピック休み」を満喫していたに違いないジュリー、この時点で話題は早くも「今日は、男子400メートル・リレーで銀メダルをとりました!」と。
実はYOKO君は常々「オリンピック男」と自ら名乗るほどの五輪ファンで、しかも「極力リアルタイムで応援!」派を公言、寝不足かえりみず夜中にリモコン抱えてあちこちチャンネル切り替えながらテレビに向かっていた、という男ですから、今回大宮でのジュリーのオリンピック・ネタ満載のMCには大喜び。
珍しくジュリーの言葉に「うんうん」と頷いてしまう時もあったのだとか(終演後、打ち上げの席で「(ジュリーとオリンピックの話をツマミに)一緒に酒飲みてぇ!」と言い放ち顰蹙を買っておりました)。

言うまでもなく男子陸上、400メートル・リレーの日本銀メダル獲得は大変な偉業。
「いやぁ、お爺ちゃんは嬉しい!・・・オリンピックに出てる選手はみんなワタシの孫のようなものですから・・・孫が頑張ってくれてお爺ちゃんは本当に嬉しい」。
遂には
「若者よ、俺達は信じてるぜ!」
と自らの歌詞を引用してリオ五輪出場日本人選手の活躍を讃えていました。

〆は
「一生懸命、つとめます!」
の片膝つき。この日はここではまだ「上機嫌」のキーワードは登場しませんでした。

3曲目「
世紀の片恋

Kitarubeki

イントロではまずGRACE姉さんのカウベルをガン見。いやぁカッコイイ!
さらにジュリーの”おいっちに体操”が始まるとYOKO君をチェック(笑)。おぉ、「渚のラブレター」で見事ジュリーに落とされたYOKO君、嬉々としてやってはいましたが、動きはボクシング系になってます。

トリッキーなコード進行の変態曲(褒めてます!)が多い下山さんのジュリーへの提供曲の中にあって、これはストレートな作曲にアレンジ段階で白井さんが様々な仕掛けを施したタイプのロック・ナンバー。
白井さんは99年のアルバム『いい風よ吹け』から、ジュリーの「LIVE」に重心を置くアレンジ作業へとシフトしたように思います。それ以前は結構、多重録音の趣味性がフィーチャーされていますからね。
「世紀の片恋」は、「ライヴ・ヴォーカリスト・ジュリーのアレンジャー」としての白井さんのセンスを確立させたような1曲。この先もセットリスト常連でしょう。

ジュリーは本当によく駆け回っていましたが、ちょうど目の前を通りかかった際に、そのまま下手側へ「移動するぞ」と見せかけておいて、膝を折って上半身だけこちらに逆戻りするような格好をしたり、とお茶目全開のモードです。嬉しいですね~。

間奏ではまず柴山さんが眼前に進出して「ぬお~っ」「あう~」とこちらも早々に絶頂モード。
ジュリーはその間にキーボードの横まで進出、泰輝さんのピアノ・ソロに繋がります。
依知川さんもドラムセットの後ろをノッシノッシと歩いて泰輝さんの背中に仁王立ち。遅れて柴山さんも加わりまして、キーボードの周囲が人口密度高めの空間に。初日はここまでくんずほぐれつ状態にはなってなかったような気がするなぁ。

あとこの曲、1番で言うと「王手かける相手は同じ♪」の歌メロ部にも1小節ずつのカウベルの出番があるんですね。GRACE姉さん、素晴らしい切り替えでした。
僕の位置からは、ゴキゲンなカウベルを炸裂させるGRACE姉さんの表情がシンバルで隠れて見えなかったのが本当に残念です。

4曲目「感じすぎビンビン」

Boukyaku

暗転して響いてくるドラム・ソロ、手拍子をリードするジュリー。YOKO君からの「あれ・・・この曲何だっけ?」というテレバシーを、正にビンビン感じながら始まった「感じすぎビンビン」。
ギターが入ってようやく隣の空気が「あぁ、あれか!」みたいな感じで安定しましたけどね。

YOKO君も大好きなアルバム『忘却の天才』(僕が『ジュリー祭り』後すぐに最初に購入してYOKO君に聴かせた数枚のうちのひとつ)から、彼は初体感となる曲。
演奏が終わってすぐに「ロックだな~!」と声に出していたくらいですから、盛り上がって聴いていたようですね。打ち上げでは「CDとはまた全然違うんだよな」と最初にこの曲の感想を口にしていました。

ホント、改めて凄い曲なんですよね。
”セットリストを振り返る”シリーズの考察記事執筆に向けて初日後、すぐに採譜してみると、ジュリーの作った進行はシンプルなんですが、白井さんがアレンジ段階で相当いじり倒していることが分かりました。


16085

一番シビレるのが、突然転調する間奏の進行。
でも、この日はCDのコードが完全に頭に入っている状態で臨んだのに、演奏陣の手元にはあまり注目できなかった・・・ひたすらジュリーに視線を奪われていました。依知川さんがピック弾きしながら渾身のコーラスをとっているシーンは印象に残っていますが。

この曲のメロディーはTEA FOR THREEの時にジュリーがサリーのヴォーカル用に用意していたらしく、そのあたりを考察記事でも書く予定ですが、『忘却の天才』で完成した正規ヴァージョンのエロっぷりは、やはりステージで歌われてこそ伝わってきます。
柴山さんのソロ、そしてリズム隊だけをバックに歌われる3番のアレンジのメリハリも官能的です。

そうそう、CDのミックスを忠実に踏襲したヴォーカル・エフェクトもこの日確認。
さすが大宮のミキサーさん(YOKO君曰く「短髪の真面目そうな彼」)は良い仕事をします。
昨年の大宮はミキサー席の真後ろで参加して見ていましたから、実は開演前にYOKO君と「同じお兄さんかな?」と確認しに行ってたんですよ。変わらぬお姿を拝見し、「彼ならば今日の音響は安心!」と。そうしたことも含めて素晴らしい「感じすぎビンビン」でした。
それにしても、この曲の3番の泰輝さんのオルガンは素晴らしい。こりゃほとんどプログレですよ!

サビだったかな・・・正面両サイドの壁に幾何学模様っぽい円形の照明が当てられてグルグル回転していたけど、ちょっとコミカルな感じがしたなぁ・・・。

5曲目「彼方の空へ

Croquemadame

考察記事はもう執筆済みですが、この曲も初日後に改めて採譜し清書してみました。

16088


隣に並んでいるのは、先日購入した高橋秋子さんの句集『ジュリー贔屓』。とても良かったです!時々、言葉の意味や漢字の読みを調べながら(汗)、繰り返し楽しんでいます~。


「感じすぎビンビン」と違い、こちらは優しい詞曲に沿ってシンプルに貫かれたアレンジです。白井さんはギター・リフの組み立てで仕上げていったのでしょう。
ジュリーのコード進行が変化球の場合はアレンジはシンプルに、という手法なのかな。

初日から変わらず、今回のツアーではCDよりもテンポを落とした演奏となっています。
YOKO君は前日に『CROQUEMADAME & HOTCAKES』のDVDを鑑賞したそうで、この曲はイントロからすぐに反応できていた様子。
DVDでは「G」でのGRACE姉さんと依知川さんのコーラス・ワークが強く印象に残ったとのことで、「さすがリズム隊だよな~。コーラスしながら笑顔で身体揺らすとこまでピッタリ合ってた」んだとか。
柴山さんのフォームはオリジナル通りのホ長調。Bメロ最後の「B♭→B」で確認しました。

初日も感じましたが今のジュリーの声、今のバンドの音にとても合っている曲です。声高に気張っていなくて、でも気持ちは深く入っていて、旅立った人へのメッセージ・ソングとしても普遍的でね。

大名盤『CROQUEMADAME & HOTCAKES』については、これまで2004年のツアーでしか歌われていなかった収録曲も今後要注意ですね。「ロックしたい」ジュリーが歌いやすそうな楽曲ばかりだと思いますから。
今回「彼方の空へ」がセットリストに選ばれたのは、やっぱりGRACE姉さんの歌詞へのジュリーの個人的な何らかの思いがあったんだと想像しています。
来年のツアーは『きめコン』以来の「Whisper」に期待!

6曲目「
カサブランカ・ダンディ

Acollection_4

お正月、そして今ツアー初日もそうでしたが、新生バンドとなって僕がその演奏に一番シビレている曲がこの「カサブランカ・ダンディ」。
ジュリーのヴォーカルがこれまで以上にソウルフルに聴こえるほど。ジュリー自身が、歌っていて相当気持ち良いんじゃないかな~。
何と言っても依知川さんのベース・・・そう、華麗、豪快にして緻密な指弾きベースが遂に降臨です。待ちに待った依知川さんの指弾きが間近で観られただけでも、神席万歳!カサダン万歳!でした。

ハーフタイム・シャッフルのグルーヴを一手に引き受ける依知川さんの重厚な表拍2つ打ち、咆哮の高音フィル。これぞベース、これぞ「カサブランカ・ダンディ」。
柴山さんのリードギターと駆け合いのように組み立てられたアンサンブルが素晴らし過ぎます。

ジュリーもお茶目モードで絶好調。
ペットボトル・プレイはイントロとエンディングでそれぞれ一度ずつ失敗(わざとか?)して落下。1度目は「しもた!」みたいな表情、2度目はいったん指に当たってから落下したので、その指を押さえて「あいたっ!」のゼスチャーで楽しませてくれました。
ジャケットを落とすタイミングは初日より遅く、「背中のジッパー♪」のアクションの時にはまだ着ていました。その直後くらいでハラリ、と落としたんだったかな。

間奏ではもうね、柴山さんも依知川さんもガン見したいところなのに、ジュリーがセンターからやや上手寄りに位置どってエビ反り背中水噴きを何度も何度も繰り返すものですから、そりゃ釘付けになりますよ。
間奏の最後には、「いてて・・・」とグーでポンポンとエビ反りで酷使した腰をいたわっておりました。
間隙を縫ってチラッと見たところ、柴山さんは腰をクイクイくねらせながらのソロでしたね。

ちなみにYOKO君、直前にこの曲のリードギターをコピーしてスタジオで弾いていたのだそうです。
日刊スポーツに載ってた写真だけ見て「カサブランカ・ダンディは歌うな!」と決めてかかり準備していたんだって。でもあの写真自体はポラGですよね。

7曲目「
君をのせて

Acollection

依知川さん、引き続きこの曲でも指弾きです。
この日ハッキリ確認できたベース指弾きの曲は7曲だったんですが、ロックのグルーヴでスラップ音を繰り出すタイプと、バラードの優しいタッチを重視するタイプ、大きく2つのタイプに分かれていました。
「君をのせて」は当然後者。しかも依知川さんは1番歌メロを親指で弾いてくれます。
ベースを指で弾く場合、基本親指はピックアップ(或いは4弦)に支えとして置き、ひとさし指、中指、薬指で演奏するのですが、バラードのロングトーンでは親指で「ず~ん♪」という感じで弾くことがあります。
僕は未だその奏法はマスターできていないんですけど、依知川さんの巨体から沁み出てくる親指のルート音は本当に心地良い・・・。
おそらく柴山さんが「じゃ~ん、じゃっか、じゃ~ん、じゃっか♪」と大きなストロークで演奏する箇所に限って親指で合わせてきているのではないでしょうか。

初日同様、柴山さんはハ長調の段階からセーハ弾きでした。気になっていた「F#dim」はひとさし指が2フレットのセーハ、中指が5弦3フレット、薬指が4弦4フレット、小指が2弦4フレットというフォーム。
鉄人バンドのこの曲では下山さんが1~4弦のみのローコードで「F#dim」を弾いていましたから、それだけでもずいぶん響きが違うでしょうね(「ファ→ファ#」の低音移動がより強調されます)。

それにしてもジュリー、この曲については絶対にキーを下げようとしませんね~。
転調後の嬰ハ長調のサビは相当な高音ですが、ジュリーはまったく問題なく「ああぁあ~♪」と艶やかに歌います。「君をのせて」「我が窮状」の2曲はよほどジュリーの喉に合うメロディーなのでしょうか。

8曲目「
アルシオネ

Kitarubeki

「君をのせて」のジュリーの優雅なお辞儀を見届けると、すぐに上手側の動きをチェック。照明は落ちているのですがそこは神席、バッチリ見えました。
スタンドに固定された12弦アコギが運びこまれ、その奥で柴山さんはエレキにチェンジ。ストラップを肩に通してから、「えいやっ!」と勢いよくボディーを背中に回します。正面に向き直ると、背中のエレキのネックが下がって正に小リスの尻尾状態!
初日、背中からネックが上に向かって覗いているように見えたのはたぶん勘違い。このスタイルだと、どうやっても尻尾体勢にしかなりようがないです。

間近で観たイントロのコード進行はなかなか斬新で、「B♭」まで使っているんですね。「じゃらり~ん♪」と弾く12弦アコギのシャリシャリ感は70年代ロック独特の音色。2000年リリースの「アルシオネ」には、ジュリーのために「70年代回帰」のコンセプトを注いだ銀次さんと白井さんの魂が確かに宿り、さらに2016年、こうして柴山さんによって正しく再現されました。ブラボー!

YOKO君が絶賛していたのは、柴山さんのアコギが(エレキへのチェンジのために)空白となる僅かな時間のGRACE姉さんのスネアです。彼曰く
「アコギとスネアは強弱のシンクロ率が高い。GRACE姉さんはそれを体現してくれた」
とのことで、キーボードやベースよりもむしろドラムスがその僅かな空白をしっかり埋めていたのだ、と力説していました。

一方僕はこの日の柴山さんの「イッちゃってる」間奏ソロで確信を得ました。「アルシオネ」は楽曲全体としてはデヴィッド・ボウイ「スターマン」へのオマージュですが、リードギターのソロについてはポール・マッカートニーの「メイビ・アイム・アメイズド」(「恋することのもどかしさ」「ハートのささやき」2つの邦題があり)がオマージュ元ではないのか、と。
どうでしょう、白井さん?

最後はジュリー2度の「ア~ルシオネ~♪」の熱唱でドラマティックに歌い終わり、打ち上げでも「特に良かった」1曲として挙げる人も多かったこの日の「アルシオネ」でしたが、ふとその席で「アルシオネってどういう意味だっけ?」と尋ねられ
「・・・なんか、星!」
としか答えられなかったDYNAMITE。情けない・・・。

9曲目「
届かない花々

Croquemadame

僕はこの日久々に至近距離でジュリーの姿を拝むことができましたが、ハッキリ「目が合った」「正面で歌ってくれた」という瞬間は今回はありませんでした。「目の前に立ち止まった」と思いきやジュリーの立ち位置と視線は微妙に右、という状況が多かったのです。
僕から見て「微妙に右」・・・つまりYOKO君の真正面という状態なわけで・・・羨まし過ぎるぞこの男!

その中で、YOKO君が「漏らしそうになった」シーンは2回あったと言います。
いずれもジュリーはいつものように「1番はちょっと下手側、2番はちょっと上手側」のルーティーンで歌っているに過ぎない曲なんですが、その「ちょっと上手側」が今回YOKO君の眼前になったのですね。
まずはその1曲目が「届かない花々」。
YOKO君はこの曲の2番の歌詞がすごく好きなのだそうで、その部分をジュリーに見つめられながら歌われてとても嬉しかったのだとか。
で、その歌詞部というのが

feel 硬い石にさえ 運命はあるということ♪

YOKO君は言うのです。
「この詞・・・ジュリーはひょっとして映画『道』が好きなんじゃないか」と。

僕は『道』という映画を観たことすらないですし、そもそも最近になってactシリーズの『NINO ROTA』を聴きこんでいなければ、タイトルを言われても全然ピンと来なかったでしょう。ところがYOKO君は以前からニーノ・ロータの大ファンで(そんな話、今回の打ち上げで初めて知ったんですけどね)、特に『道』が好きだ、と。
その映画『道』の中で
「どんな石だって、意味を持たない石は無い。だからお前もそうなんだ。意味のある存在なんだ」
といった感じの台詞があるんですって。
ジュリーはそのシーンを踏襲して「届かない花々」の詞に託したんじゃないか、というのがYOKO君の考察。実際のところはどうか分かりませんけど、無学な僕は「へぇ・・・」と感動しながら話を聞いていたのでした。

YOKO君は逆にジュリーのact『NINO ROTA』を知らないので、2人で毎週行っている「週一スコア研究会」の題材に、近々にも「ジェルソミーナ」を採り上げるつもりです。そう言えば、「ジェルソミーナ」の日本語詞は加藤さんではなくジュリーが書いているんですよね・・・。

そんなこんなで今回のYOKO君、「届かない花々」についてはすっかりジュリーの歌に心奪われ、そのぶん演奏の記憶が薄くなってしまった様子。
依知川さんのオリジナル音源を忠実に再現した名演(ピック弾きは意外でしたが)はさすがに強烈な印象があったらしく話題になりましたけどね。また、アコギ不在をGRACE姉さんのハイハットが埋めていた、とも。

この日も歌詞に合わせ、ジュリーと「手を繋いで」いる多くのお客さん。白い照明が前方席で差し出されたたくさんの手を照らして・・・僕もその中にいるんだけど、ステージからだとどんなふうに見えるのかな。

10曲目「
我が窮状

Rocknrollmarch

鉄人バンド時代と、柴山さんのパート(ということは他メンバーのパートも)変わっていませんか?
分かり易いのが「ダ~ダバダ~♪」のところ。
今回柴山さんは「hooo~♪」に徹していますが、以前は右耳に手を当てながら「ダ~ダバダ~♪」とやってませんでしたっけ?
いずれにしても、新編成の今のバンドでは依知川さんの「ダ~ダバダ~♪」が大活躍。GRACE姉さんとハモった時の声圧が素晴らしいです。
「我が窮状」はお正月もセットリスト入りしていますが、これは依知川さん相当練習したのでしょうね~。

最近の日本は、「私が”戦争したい”と思ってるとでも思ってるの?」と言う人と、「私が”自分の国は自分で守るべきだ”と思ってないとでも思ってるの?」と言う人の主張がそれぞれで恣意的にねじまげられ、双方の対話がまったく成立しない状況へと進み始めてしまったように、僕には思えてなりません。
この日もジュリーのヴォーカルは素晴らしく、時代に残る名曲と思えばこそ、ジュリーがこの曲を歌わずにいられるような世の中が来ることを願うばかりです。

~MC~

「それでは、今度は新曲を歌います!」
拍手が起こると、「今年は”PRAY FOR JAPAN”と、日本全体のことに拡げて作りました」と。

「あまり堅苦しくなく聴いて頂きたいのですが、そのためには、ワタシが堅苦しくなく歌えばよいのか、と思いまして・・・今年もまた、メンバーにそれぞれ曲を作って貰い、それにワタシが詞をつけました。上機嫌で、お届けいたします!」

11曲目「
犀か象

Undemocraticlove

「(日本各地に)たくさんの原発があるんです。この地震の多い国に・・・これは何とかしなきゃいけない」
選挙応援演説の時のジュリーの言葉です。
「5年経ったか犀か象」「舌の根乾き犀か象」はジュリーの嘆きであり純粋な本音ですが、それをこの依知川さんの変則進行のポップチューンに載せ、ジュリーは全力の上機嫌で歌います。
そこには確かに「楽しさ」があります。なるほど・・・今年の新譜から、まず1番手に「犀か象」を配したセットリストの意味が分かるような気がしてきました。

ツアー2度目の傘下となる大宮公演、最注目箇所としてマークしてたのがこの「犀か象」のイントロ。
CDヴァージョンはいきなりヴォーカルから導入するので、LIVEでの音合わせはどうするのかと初日から注意はしていたのですが、まさかこの曲が新譜から1曲目のセトリ配置になるとはまったく予想しておらず、聴き慣れぬ出だしに「あっ」と思った時にはジュリーのヴォーカルが始まっていたのでした。
微妙な記憶では、全楽器が8分音符で「ジャジャジャジャ、ジャジャジャジャ♪」とイントロをつけて始めたように覚えていましたが、大宮で確認すると違いました。
柴山さん1人が「じゃら~ん♪」と「D」のコードを弾いてGRACE姉さんが1小節カウントしたところで歌に突入(「犀か象」の歌い出しのコードは「G」ですが、キーはニ長調の「D」です)。初日もこうだったのかなぁ。

この曲、フォーラムではほとんど手拍子も無かったんですけど、予想通りその後の数会場公演を経てお客さんも「ノリ」をマスターしたのか、冒頭をはじめとするサビでは表拍の4つ打ち、Aメロでは裏拍、と会場の手拍子も揃いはじめてきているようです。
ノリノリのジュリーは、2番の「バイヤ♪」をほぼYOKO君の正面でキメてくれました。

聴きどころの多い曲ですが、ジュリーの「パオ~!」を合図にマーチング風のリズムとなる間奏の柴山さんのソロとGRACE姉さんのスネアが絶品です。
犀や象のような大きな動物が、人間に責任をなすりつけられて逃げまどっているような・・・「動物の足音」を表しているアレンジだと思いました。同時に「危機迫る!」という緊張感、警鐘のようにも感じました。

タイトルフレーズの発音について、ジュリーは歌詞が強烈な箇所で「さいかどう」とハッキリ歌います。
「リスクだらけなのに再稼働」「神をも怖れない再稼働」という感じですね。特にラストの「神をも怖れない再稼働」は3度の連呼ですからインパクト大。
万が一の事態が起きてしまった時、犀に腹を切らせるつもりなのか。象にゴミを食わせるつもりなのか。「集団的無責任」を鋭くブッた斬り、その上でユニークな比喩で上機嫌に歌える反骨のポップ・ナンバー。
ジュリーのメッセージ、伊方に、川内に届け!

12曲目「
福幸よ

Undemocraticlove_2

イントロ、柴山さんの「Cdim」のフォームをチェックしようと張り切って臨んでいましたが、よくよく考えたらここ、柴山さんはコード弾きではなく単音のソロに決まってるじゃないですか・・・。

「犀か象」と「福幸よ」ではバンドの雰囲気がずいぶん違う気がしました。「犀か象」は曲の流れのままに無心に楽しんで演奏している感じで、「福幸よ」は丁寧に丁寧に、という感じ。
僕だけの感じ方かもしれませんが、これはエンディングのアレンジの印象からそう思うのかもしれません。CDとは違うんですよ。
CDだとギター、ピアノ、ベースにジュリーのヴォーカルの間隙を縫ってそれぞれ1小節ずつのソロが複雑に出番を変えて登場します。ところがLIVEでのソロは依知川さんのベースがメインです。
スネア連打のGRACE姉さんも含めて、4人の集中オーラをヒシヒシと感じるエンディング。
ジュリーの畳みかけるド迫力のヴォーカルにバンドも呼応するのでしょうか。
これを逆に言えば、オリジナル音源はギター1本体制のバンドでの再現が難しい凝ったアレンジだということ。柴山さんの作曲作品は、相当凝るかストレートか、その年によって仕上がりが両極なんですよね。

この曲では依知川さんはピック弾きなので、ソロはスラップ奏法ではなくハイ・ポジションへのフレット移動で「煽る」フィル・フレーズの進化形のような演奏。
タイガースではサリーが得意としていた、これまたロック・ベースの真髄です。

エンディングの大サビで強く印象に残ったのは、バンドの演奏ばかりではありません。
「歩め、さぁ♪」と歌うジュリーの表情がね・・・なんともカッコ良かったです。
歌いながら「何か伝えよう」としていると聴き手が感じる時のジュリーって、数十年前から変わりませんよね。ちょっと「うんうん」と頷く(なめらかに首が動く)ようにして、「凛々しい」男っぷりじゃないですか。
この曲の大サビでジュリーは正にそんな感じで歌ってくれています。この先各会場へ参加されるみなさま、是非「福幸よ」エンディングのジュリーの表情、首の動きに注目してみて下さい。

13曲目「
Welcome to Hiroshima ~平成26年(2014年)8月6日『平和への誓い』より

Undemocraticlove

初日のレポートで書いていた予想が的中。エンディングの柴山さんのソロ、音色が変わりましたね!
僕は初日のフォーラム、この曲のギター・ソロを最大の聴きどころとして気合入れて耳をとぎすまして聴いていました。
CDとは違う、「三年想いよ」の後奏のような深いサスティン・ディレイの音でした。

ところが大宮、オクターバーが来ましたよ!

この日もCDと比べればサスティンも効いていたけど、オリジナル音源とよく似た複音のエフェクトを確認できました。ソロに入る直前、柴山さんが踏んだ見慣れぬエフェクター。それがオクターバーだったのかどうかは僕には分かりません。もしコンプレッサー系だったとするなら、オクターバー・エフェクトはPAのセンドリターン、「短髪の真面目そうな彼」(byYOKO君)の役目だった可能性が高くなるのですが・・・。
いずれにしても素晴らしいソロでした。

この曲のジュリーのヴォーカルは、サビの転調から元のキーに舞い戻る繋ぎ目の箇所・・・「apeal」の発声が特にシビれます。最初の「あ」で既にキーの変化がドラマティックにビシビシ伝わってくるんですよね。
もちろんそれはGRACE姉さんの作曲と、詞についてのジュリーのアイデアが素晴らしいということ。
新曲前のMCを聞いた限りでは、やはりこれも「曲先」で、かねてから(2014年に『こども宣言』を聞いてから)ジュリーが「歌にしたい」と考えていた子ども達の言葉を丁寧に載せ、言葉が合うようにメロディーを微妙に変化させていったのでしょう。

今年の8月6日、僕は朝早く起きて祈念式典をテレビで見て、祈りを捧げてからジュリーの曲の採譜などをして1日過ごしました。
今、この国は平和です。それを自ら壊すようなことは、絶対にあってはなりません。

国同士が「やるか!」「やんのか!」とバチバチ始めることだけが「戦争」ではありません。
そうではない、違う形の「戦争」の扉を今、現政権はまず開こうとしている・・・様々な考え方がある中で僕らが何をすればよいか、それがジュリーのこの新曲に、子ども達の言葉を借りて込められています。

14曲目「
un democratic love

Undemocraticlove_3

ジュリーが「堅苦しくなく」と言ってくれる気持ちは本当に有難いけれど、やっぱり僕は今、「democratic」という単語を過剰に意識してしまっていると思います。

この日僕は、ツアーTシャツを着て参加しました。
初日は変に意識してしまって着ていくことができませんでした。だって、「democratic Japan」は今、見る人が見れば相当に政治的なフレーズですからね。
本当はそれはおかしなことで、「民主主義」なんて当たり前で、普通にデザインフレーズとして何の気兼ねもしなくて良いはず。でも、残念ながら今は違う、ハッキリ違う、そんな世の中です。
僕の敬愛する若者は「民主主義に観客席はない」と言いました。それは本当にその通りで。
もちろん、「難しく考えずに「”民主主義”を身に纏って欲しい」というジュリーの気持ちは分かっているんですけど・・・僕は考え込む性質なんだよなぁ。

例えば、「9」という数字は今もう完全に特別な意味を持ってしまっているんですよ。
今年の春に立川駅に行った時、某政党が駅でビラ配りをしていました。日本は核武装すべきである、と街頭演説をしながら。
ビラ配りや演説自体に問題はありませんし、その考え方に賛同する一般の通りがかりの人もいらっしゃるのでしょう。ただ、僕としてはさすがにそんなビラを受け取る気にはなれません。
ビラを差し出してくる方に、最初はゼスチャーで「結構です」とこちらの意志を示すのだけれど、先方もそりゃあ真面目に政党の考えを普及させようとして活動しているわけですから、「まぁ、そう言わずに」みたいな感じで迫ってきます。
そこで、左掌を拡げての5本指に右手の4本指を重ねて「9」の数字を作って示すと、先方はそれだけで何かを察したようにサッと退いていくのです。
「9」を示した僕のことをどんなふうに思われたのか、までは分かりませんけどね・・・。

後になって考えると、その状況にすごく違和感があって。「相手する輩じゃない」と思われたかなぁ、と。
もうすぐ「democratic」というフレーズも「9」と同じような感じになっちゃうのかなぁ、と考えると切なくなってきて。特別ではない、普通の言葉なのになぁ、と。

この日”上機嫌で”「un democratic love」を歌ったジュリーは、初日のように「自由が好きでも♪」の箇所で声を詰まらせるようなこともなく、ひたすら心を込めてこの美しいメロディーを歌っているようでした。
この曲を歌う自分、聴いているお客さんの思いが「普通」であること、特別ではないということ、それがジュリーの目指すところではあるしょう。
そんな中で僕は「こんなにも名曲なのに、こんなにも大好きな曲なのに、世間にはそうは伝わらないこともあるのかなぁ」と神妙になってしまった大宮でした。
初日のような「感情が思わずこぼれてしまった」ジュリーの赤裸々な歌い方の方が、この曲に関してはどうやら僕は好きみたいです。
あ、でも「君の愛はダダっ子」の箇所だけは初日と変わらず、ジュリーは激しいニュアンスで吐き出すように歌っていましたよ。

初日は柴山さんのソロがすごく猛々しく感じられたけど、大宮では淡々と・・・ジュリーのヴォーカルの雰囲気によって、ギターの聴こえ方も違うのかなぁ。

15曲目「
若者よ

Namidairo

打ち上げで「好き」「そうでもない」という評価が分かれてひとしきり話題となった1曲。
僕とYOKO君は「大好き」派。ただし僕の場合、「大好き」になったのはつい去年のことなのだけれど。

YOKO君はこの曲の「孤高の人♪」という歌詞部が特に好きなんですって。
と言えば大宮に参加したみなさまはピンと来たかもしれません。この日ジュリーは「孤高の人」の箇所を「若者たち♪」と変えて歌ったんですよね。
間違えたのではないだろう、というのが僕とYOKO君の考え。ジュリーの中で、自作詞への思いが変化してきているんじゃないか、と。
「若者よ」は相当時代を先取りした作品(ジュリーの詞)ではあったけれど、2010年リリース時にジュリーが見えていなかったことさえも、既にその詞の中に含有されている、歌える、という奇跡のような不思議。

ポリティクス ロボッ トに任せるな♪

ジュリーは今、強くそれを若者達に求め伝えたいのではないでしょうか。

僕が惚れ込んでいた若者達は、先月8月15日を以てその活動にひと区切りをつけました。
この先それぞれが「孤独に思考し、判断する」というのが残された言葉のひとつ。「孤独に思考する」というのは過激な表現ではありますけど、それは「きちんと自分で考える」こととイコールだと僕は思っています。

ところで今回の「若者よ」・・・柴山さんのフォームで分かったんですが、キーがロ長調だったんだよなぁ(「B」「E」「F#」のコードを確認)。
これはお正月もそうで、その時は次に続く「限界臨界」とキーを揃えてメッセージを送っているんだと思い込みました。どうやらそれは僕得意の邪推だったみたい。
ハ長調の曲をわざわざ「#」がつきまくるロ長調でバンドが演奏するからには、ジュリーの指示でそうしているわけで、移調に特別なメッセージが無いとすれば、やっぱり移調は音域の都合で「半音キーを下げた」ということになる・・・そんなに(ジュリーにとって)高音のメロディーではないと思うんだけど、そういうのって単に音階の問題だけじゃなくて、メロディーの連なりによって色々とあるものなのかな。

オリジナル音源はベースレスのこの曲、どの箇所かは思い出せないんですけど、依知川さんがカッコイイ上昇経過音でコード感を一新していました。NHKホールで特定するつもりです。

リオ五輪での日本人選手の活躍に、この日は思わず「若者よ」の歌詞をMCに引用したジュリー。
ジュリーは「心身ともに調和のとれた若者を育成し、平和な国際社会の実現に寄与する」という五輪憲章、ナショナリズムを持ちこませないとするその基本理念を踏まえて、「若者よ」を熱唱してくれたのでしょう。
「俺達、老人♪」では自分の胸にガッチリ拳を当てたジュリー。初日では変則気味だった「パワーレス・パワー」の発声も、従来の歌い方に戻っていましたね。

16曲目「
マッサラ

Kitarubeki

独特の語感とメロディーの抑揚、ハードかつ端麗なアレンジ、演奏で魅せる名曲・・・いやぁ、お正月に引き続いての濃密な生体感で、この曲もすっかり「特別に好きなジュリー・ナンバー」の仲間入り。本当に、ジュリーの歌でしか「あり得ない♪」名曲です。

イントロの柴山さんのワウ・ギター(オートフィルターではなく、足でペダルを踏んでいます)が始まると、隣のYOKO君の体温上昇も感じとれたりして。
「ベース聴け!ってことね」と小声で話しかけてくるYOKO君。そう、お正月のセトリを伝えた際、この曲のベース・ソロの話をしていたのでした。

で、改めて間近で観る「マッサラ」のベース。
おおぉ、依知川さん指弾きだ~!いや、後でよく考えればこの曲はベース・ソロでスラップ炸裂しまくっているわけですから指弾きは当然なんですけど、「マッサラ」のベースラインって、テンポチェンジ後のイントロからAメロにかけて、相当なハイテンポでの細かい運指がありますからね。しかもイントロはギターが単音ですから、ベースにかかるバッキングの比重はかなりのもの。
依知川さんの指使いの素晴らしさはもちろん、それを黒子でバックアップするのが泰輝さんの”擬似アコギ”です。初日はストローク音のように聴こえたけど指の動きを見るとどうやら単音で、リズムをベースラインとシンクロさせて厚みを作る狙いがあるようです。
それをアコギとチェンバロをかけ合わせた感じの音色でやる、というのが良いじゃないですか。オリジナル音源アレンジへのリスペクトでしょうね。

「君なしにありえない♪」というジュリーの歌詞は、身の廻りのことをしっかりやっている人でないと成立しないメッセージだと思います。ジュリーほどの人に目の前でそれを伝えられてしまったら、年少の僕らは日常で弱音なんて吐いてはいられない、ということ。
アンコール前のMCでもジュリーに言われてしまったことだけど、よく考えずに漠然と「要領よく」やろうと過ごしがちな毎日を、今一度見直さないといけません。

「君努力僕努力 きっといつか結実♪」
「歓喜に鳩が飛び立つ♪」

この詞の素晴らしさは、30代までの僕には分からなかっただろうなぁ・・・。

17曲目「
お気楽が極楽

Iikazeyofuke

「マッサラ」以上に、昔の自分ならまるで理解できなかったと思える曲。と言うか、今年のお正月までそれは正にその通りだったわけで・・・恥じ入る次第です。

YOKO君、この曲はイントロでは一瞬「何だ?」と戸惑ったようですが、すぐ「あぁ、瀬戸口さんの苦手な曲ね」と気づいたとか。
いや、僕はもうお正月で乗り越えたから!

今はもう大好きな曲です。ただ、「もっと早く好きになれたはずだ」とは思っていなくて。やっぱり生のLIVEでジュリーが歌ってくれた、ということと、もうひとつ大きいのは歌詞解釈です。
もし僕がず~っと前からジュリーファンで、アルバム『いい風よ吹け』リリースのリアルタイムでこの曲を聴いていたとしても、1999年の時点で「お気楽が極楽」の歌詞に惹かれることは無かったと思う・・・30代の自分を思い起こすと、その思慮の浅さからくる過少評価状態を容易に想像できるのです。
僕は、今世の中がこんな感じになって初めて、「お気楽が極楽」のような詞を10数年前既に作っていたジュリーの感性に打ちのめされました。
自分が50歳になるギリギリ手前で好きになれて良かった・・・そう思える詞です。
さらに考えるとこの曲って、今ツアーでのジュリーの「上機嫌」志向を体現したような作品なんですよね。

演奏が終わる間際の「Himitsu-kun」登場箇所では泰輝さんに何か動きがあるかな、と注目していましたが、指は鍵盤に触れていないようでした。PAの「短髪の真面目そうな彼」の担当だったのでしょうか。

「New Song♪」のジュリー渾身のロングトーンに導かれる間奏は、突然の転調がスリリング。
「感じすぎビンビン」もそうですが、シンプルな進行の楽曲で意表を突く転調を間奏部に仕込むアレンジが、白井さんの得意技のようです。
生で演奏を体感すると、この白井さんの「ひと工夫」が一層ガツン!と効きますね~。

ジュリーが間奏でステージをグルリと駆け回るのはどうやら定番となったようですね。
この日は「いくぞ!」とまず上手側にダッシュしたジュリーと、「よっしゃ出番!」と前方にせり出してきた柴山さんが交差し衝突寸前の格好になって、一瞬柴山さんが足を止めようとしたところ、ジュリーが迂回して柴山さんにスペースを譲っていました。優しい!

そうそう、噂の「尾は東♪」ポーズも無事確認しました!

18曲目「
TOKIO

Royal80_2

お正月に参加していないYOKO君はこの日の大宮が初の「ベースありジュリーLIVE」ということになったのですが、開演前はやはり下山さん不在への寂しい気持ちも強かったようで・・・。
曰く、入場してふと目にした下手側に
「見慣れたハイワットアンプではなく、ジャズベにベーアン。(下山さん)ホントにいねぇんだな・・・」
と。
「下山さんの素晴らしい変態音と存在感、そうそう簡単に埋められてたまるか!」
とYOKO君らしくファイティング・スタイルで臨んだ大宮、終演後の感想が「参った!」。
もちろん、依知川さんへの絶賛の言葉です。

個人的には、これまで何度も体感したセトリ常連のヒット曲の中、ベースの加入で最も印象が変わったのは「カサブランカ・ダンディ」だと思っていますが、大宮では同じ意味で「TOKIO」もまた最高にカッコ良かった。
YOKO君も終演後「ベースが素晴らしかった曲」として、「(アレンジが)本物だよね!」とまず挙げていたのがこの「TOKIO」でした。

僕は「TOKIO」については初日フォーラムではなんとなく違和感もあったのですが、おそらく音響の問題だったのでしょう。ホント、いつどんな席で体験しても大宮の音響バランスは抜群。
加えてこの日は神席で依知川さんの豪快な指弾きがハッキリ確認できるときていますから、音と視界のリンクを大いに堪能しました。
イチオシはやっぱり「海に浮かんだ♪」からのBメロ。
2拍目の裏でパシ~ン!と響く依知川さんのスラップ音。凄まじい指圧と精密なリズム。あぁ、これが「TOKIO」のベースだよなぁ、と。
本来、ギター1本とベース、シンセサイザーで音階を構成している曲なのですからね。

またYOKO君はこの日の柴山さんのギターについて、「本来SGで弾くべき曲をレスポールジュニア(TVイエロー)に当てて代用してる」と推測。
ハッキリ確認はとれていませんが、先の三木公演ではレスポールジュニアの代わりにSGを使用していたっぽい、との情報もあります)

ブレイク部のジュリーの動きが不思議なパントマイムでした。近くで観ていても何を表現しているのかよく分からなかったんですけど、打ち上げのみなさまの検討では「煙草を出して火をつける仕草をしていたんじゃないか」ということで一応結論づけられました。
大宮ご参加の他のみなさまのお考えはいかに・・・?

19曲目「
緑色のkiss kiss kiss

Pleasure

ちょうどこの「緑色のkiss kiss kiss」の項を下書きしている今・・・ 8月25日の夜なんですけど、続々と「三木公演大盛況・大成功」の報が届いてきています。

『A WONDERFUL TIME.』スコアの件をきっかけに仲良くさせて頂いている関西在住の同い年の男性ジュリーファンの友人も三木公演に参加されていましたが、「ジュリーもメンバーも最後まで笑顔で、ここ数年で一番良いステージでした」と絶賛。
(ちなみに三木で柴山さんがレスポール・ジュニアを使わなかったことを教えてくれたのが彼でした)
多くのファンが当日に至るまでの三木労音さんの努力、志を知っていることもあり、他のみなさまのご感想も歓びの声ばかりで・・・離れた関東の地から公演の成功を祈っていた僕としても本当に嬉しい限りです。
興味津々なのは、会場で配布されたという三木労音さん手作りのプログラム冊子。先述の友人にお願いして、いつか見せて頂こうと思っています。

で。
三木公演と言えば、ファンの間で注目されていたのがズバリこの「緑色のkiss kiss kiss」での「ご当地名歌詞変更をジュリーがどうするのか」という。
先のフォーラムのレポートに書いた通り、今回のセットリストの中でも特にジュリーの思いが強い選曲と考えられる「緑色のkiss kiss kiss」・・・皆がそれぞれ、自分の暮らす場所、親しい人との係わり合いの中から「平和」をもう一度始めていこう、身近で小さなことからその気持ちを作り上げていこう、というメッセージがあると僕は考えていて、「すべての会場で、どんな小さな町だろうとその土地名をこの曲の歌詞に組み込んでいくだろう」と書きました。
心配だったのが、発音僅か2文字となる「三木」を、オリジナルでは4文字「横浜」の箇所にどう当ててゆくのか、ということ。多くの先輩方も「どうするんだろう」と、ちょっとした話題になっていましたね。
公演参加のみなさまの速報によれば、ジュリーは「三木市」の3文字を使い、うまく譜割を変えてしっかりご当地メッセージを成立させていたとか。
嬉しいですね。こうなったら、来年以降の「津」公演実現を期待してみたいですな~。

柴山さんのスライド奏法は要所要所のピンポイントで、下山さんのパートとは使用頻度含めてかなり違いましたが、素晴らしかったです。
「No Nukes!」からの間奏では、ジュリーが泰輝さんのすぐ横まで出張してエアピアノのアクション。泰輝さんは右手の豪快なグリッサンドなど、両手を何度も交差させての熱演でした。
そして、重なってくるメンバーの美しいコーラス。
ソニックシティのステージから、大宮の空に緑色の風のkiss kiss kissが舞い飛びましたね。

20曲目「
ヤマトより愛をこめて

Acollection_3

今ツアー、柴山さんは3本のギターを使用します。
先に「TOKIO」の項でTVイエローについて触れました。あとの2本は、アンコール部ラスト2曲で使うジャズマスター、そして・・・初日からごく狭い世間では何かと話題になっていた、見慣れぬ赤いギター。
柴山さんは今回のセットリストでこの赤いギターをかなりの頻度で使用していて、「ヤマトより愛をこめて」でも活躍します。リード・ギターの感じがこれまでの「ヤマト~」とちょっと違う、との多くの方々のご感想を拝見していますが、僕も初日はそう感じました。
それは、これまでとギターを変えたことによる効果もあったのかもしれません。

で、この赤いギターについて、YOKO君痛恨の記憶違いからすったもんだがありまして(笑)。
僕は事前に「フェンダー・テレキャスター・シンライン」らしい、との情報を仕入れていたんですけど、画像の検索などはしていませんでした。
1曲目「ポラロイドGIRL」から早々に目前にして、「これでテレキャスなのか・・・こんなの初めて見るなぁ」と。
自分が長年テレキャスを愛用していたので、形状に先入観があったようです(ギターはネックの素材の違いによって音が変わると言われていますが、僕の耳ではまったく判別できません・・・)。

問題は終演後。
YOKO君が「アーム付いてた!」と言い出したんです。
「アームあるならテレキャスじゃないじゃん!」ということになって、ボディーの記憶(バイオリンデザインにシングルコイルなど)を頼りにあれこれ検索。フェンダージャパンのムスタングあたりに目星をつけて、カズラーのみなさまに「どう?」と尋ねるも、明らかにピックアップが違う、など辻褄の合わない点が続出。
そのうちYOKO君が「アーム、無かったかも・・・」と自信喪失するに及んで、ならば先に情報を得ていたフェンダーUSAのテレキャス・シンラインであろう、と。
気をとり直したYOKO君が色を調べてくれて、シンラインに「キャンディ・アップルレッド」というのがあるらしいことが分かりました。いかにも柴山さんにピッタリのキュートな愛称じゃないか!ということになりひとまず結論をつけましたが、まだ確信は無いです。
この先も各会場にご参加予定のカズラーのみなさまの新情報に期待!
(後註:アームの有無はしょあ様に確認をお願いしていました。君津公演の御レポートにて、「ついてない」ことが確定。一体YOKO君は何を見ていたのか・・・)
僕はと言えば、早くもツアー・ラスト参加となってしまうNHKホールが3階席なもので、さすがにギターモデルの確認までは無理だと思います・・・(涙)。

この日の「ヤマトより愛をこめて」では、柴山さんが初日より音量を落としていたのか(何度かボリューム・コントロールに手を伸ばすシーンがありました)、ジュリーの喉が絶好調だったのか、はたまた大宮PAのお兄さんのミックスが素晴らしかったのか、不思議にジュリーのヴォーカルに浸ることができました。
素晴らしい歌声でした。
ジュリーと柴山さんばかり見ていたので、依知川さんが指弾きだったかピック弾きだったか確認できず。「君をのせて」同様、親指で弾いていた可能性もあります。
NHKでは確認できるかな・・・?

~MC~

拍手に迎えられてジュリー再登場。
この2着目の衣装・・近くで見ると確かにメチャクチャ凝ってますね。ジャケットと同じ刺繍がシャツにもあって、照明が直で当たると透明色のように見えます。

それでは・・・当日から日も経って細かい記憶は曖昧になっているんですけど、大宮恒例の長~いMCをできる限り再現してみましょう。

「みなさまお疲れでしょう・・・お客さんが入場してくる様子が控室のモニターから見えるんですが、年齢層が高い!」と、まずはお客さんも巻き込んでの年齢ネタから入りました。しかしすぐに
「年をとってくると、自分自身が悲しい、とかいうことでは泣かなくなる。大抵は貰い泣きですよ!」
と、ここから長~いオリンピックネタに突入。どうやらジュリー、夏休みの間はずっとテレビでリオ五輪三昧、日本人選手が勝ったら貰い泣き、負けても貰い泣き、という号泣続きの日々を過ごしていたようです。

最初は(「ワタシの孫の)吉田選手が決勝で負けて貰い泣き、という女子レスリングの話題から。
「勝たせてあげたかった」・・・これは日本全国皆が思ったことでしたね。その後の大阪フェスのMCでは吉田選手現役続行への熱烈なラブコールもあったと聞きましたが、この日はガックリと「無念」を滲ませつつも、その健闘を称えていました。
一方、見事4連覇達成となった伊調選手についても「あれもワタシの孫!」と自慢しつつ(?)
「凄いことですよ。4連覇と言いますけど、一体何年かかってると思います?」
ジュリー曰く、単純に4×4ではないのだ、と。最初に出場した何年も前から、オリンピックで金メダルをとる、と決めて頑張ってきて・・・大変な年数がかかっているんですよ、と伊調選手の偉業をひたすらに絶賛。

また、惜しくも銀メダルとなった吉田選手にも言及しながら、特にレスリングや柔道(ジュリー、格闘技系好きですよね)で、長い時間をかけて頑張ってきた選手にとっての、オリンピック本番たった数分で勝負が分かれてしまう「厳しさ」を切々と説いていました。


続いては女子バドミントン・ダブルス。
「明後日は大宮やのに・・・」と寝不足になるのを気にしつつも、高松ペア金メダル獲得の試合を夜中(明け方)に見ていたというジュリー。ランキングについての薀蓄を語るあたりが通ですな~。
一度寝て、試合開始の1時間前に目覚ましで起きた、とのことですが、時間的にはほとんど寝てないに等しいですよね。でも、日本ペアの最後の連続得点が神がかっていてすっかり目が冴えたとか。

で、YOKO君が思わずジュリーに「うんうん」と頷いてしまった話、というのが・・・。
劇的な大逆転での勝利については僕ら録画観戦組も知ってはいますが、1点を争う試合経過の中で、実は大変なジャッジの問題があったのだとか。
相手のデンマークの選手がお手玉をしたにも関わらず得点になってしまった「1点」があったんですって。松友選手が審判に抗議したんですが判定は変わらず有効。その松友選手のすぐに引き下がる奥ゆかしさ、抗議の姿勢が「可愛らしいじゃないですか~」と。
これは、その前にデンマーク側がラインアウトについてえらい剣幕で抗議して長々と時間がかかった、ということがあったらしいんですね。デンマークの2人(ジュリー曰く、「ガイコツ系」の人と「コギレイ系」の人。YOKO君打ち上げで曰く、「いや、普通に2人ともキレイな人だったけどね・・・ガイコツは酷いよねジュリー笑」とのことです)のうちのガイコツ系の人のその時の抗議がいかに下品であったかを力説するジュリーなのでした。
日本人選手の奥ゆかしさ、可愛らしさを見よ!と。
で、問題のデンマーク選手の「お手玉」なんですけど、松友選手の可愛らしい抗議の時、中継映像でその瞬間のスローが放映されたそうで
「間違いなくポン、ポンとお手玉しとった!」
と。
「もし試合に負けてたら、ワタシは「あの1点を返せ!」とリオまで抗議に行ったろうと思ってましたよ!」
と大憤慨のジュリーです(笑)。
確かに、録画観戦だとそういうシーンや経緯は知らずに編集映像だけ見ることになるわけで、YOKO君ここで大いに頷いたらしく「いやぁ、リアルタイムであのシーン見てたら、誰かに話したくなる気持ち・・・ホント分かるよね」と打ち上げで語っていました。

そして、「(今日)出かける直前まで観ていた」という男子400メートルリレー。
決勝は3位でゴールしたアメリカにバトン受け渡しのミスがあり(ジュリー曰く、「とても疲れている人から、元気いっぱいの人に早くバトンを渡してしまった」)失格となりました。そこでジュリーが言うのは
「アメリカに最後まで抜かせなかった、というのが素晴らしいじゃないですか」
と。
これまでなら、最後に抜かれて3位入線、アメリカの失格で繰り上げの銀メダルだったのではないか、ということでしょう。それを最後まで抜かせず世界をアッと言わせた・・・ジュリーはよほど嬉しかったようです。

「入場の時、刀を鞘から抜いて戻す、というポーズを全員でやった。どういう意味で、誰が考えたポーズやったんやろう?”居合い”か、”斬り捨て御免”か・・・」
きっと試合後にそんなことをインタビューで聞いてくれるやろう、と思いつつ、そこまでは観ることができずにジュリーは大宮に向かったとのことでした。
放映すべてを観てから来場していたYOKO君は「その後のインタビュー、ジュリーに教えてぇ!」と思いながらジュリーの話を聞いていたのだそうです。

またジュリーは「桐生が速かった!」と絶賛。
100メートルもカーブで走らせて貰ったら良いんじゃないか、と桐生選手の「反時計回り」のカーブ適性を熱弁していました。

他には「卓球も良かった!」という話(水谷選手、「喝」なんて全然気にする必要はありませんよ。ジュリーがついています!)。
或いは、試合直後のインタビューはイカン、という話。
これは自身のレコード大賞受賞の時の経験を重ねて話してくれました(受賞直後は頭が真っ白。しかもサリーやらタローやら出てこられた日にゃ、「来てくれたの~」と感激して、マイク向けられても自分が何を話しているのやらワケ分からない状態だった。オリンピックも試合後ある程度時間を置いてから話を聞いた方が良いんじゃないか、と)。
さらには、「東京みたいな成熟したところでまたやらなくても、今まで一度もオリンピックをやったことのない街がたくさんあるから・・・」と、そういうところでやってこその経済効果じゃないか、と持論を展開するなど(大いに頷ける考え方でした)、とにかく話が長い長い!
夏休み明けの大宮のMCはオリンピック・ネタになるのでは、とファンの間でも予想されてはいましたが、まさかここまでとは・・・得をした思いです。

最後に来年(デビュー50周年)、再来年(古希)のお話。
ハッキリ「イベント」とジュリーが言ってくれたんですよね。ということは、古希(武道館公演?)はもちろん、来年も『悪名』特別公演とチケット代値上げ(笑)以外に何か特別なことがあるのかもしれません。
可能性はかなり低いでしょうが、僕としては久々のフルアルバム・リリースを期待してしまいます。
もしくは、絶対に録って残しているであろう2009年以降のLIVE音源の数々を、豪華5枚組くらいでCD化してくれないかなぁ、なんてね。

とにかくファンである僕らも、まず健康でいなければいけませんよね。ジュリー自身はと言うと
「ワタシはたくさん食べますから、長生きしますよ~」
と宣言。大拍手でしたが、続いての
「テレ東の大食い競争にも出られる!」
との発言には、絶句されていた先輩も(笑)。

〆の言葉は
「来年、再来年のイベントを楽しみにしていて下さい。みなさまも身体にはお気をつけて・・・ということで、今日のワタシの短い挨拶(笑)にかえさせて頂きます!」

いつものようにメンバー紹介があり
「それでは、オマケです!」

21曲目「
サムライ

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男子400メートルリレーの日本刀ポーズの話題からアンコール1曲目が「サムライ」。
YOKO君曰く「でき過ぎで感激!」だそうです。

先日、同い年の男性ジュリーファンの方から雑誌『大人のウォーカー』2008年3月号をお借りしました。ご存知の先輩方も多いでしょう、阿久悠さんの特集号です。
とても興味深い内容で、「勝手にしやがれ=肉体労働者」説を改めて考えさせられるような記事があったり・・・採り上げられている楽曲としては「時の過ぎゆくままに」と「勝手にしやがれ」の2曲がメインですけど、阿久さんのジュリーへの提供作品を紐解けば紐解くほど、僕は「サムライ」の歌詞の気づきに至ります。

「男」目線で完結し、敢えて言えば現実離れした阿久さんのアプローチ。
「サムライ」で描かれる男性像は、「犀か象」の「侍」と同じなのか、違うのか、と言われればそりゃあ違うのだけれど、ジュリーという歌手はやっぱり「日本の男」として異性の熱いまなざしを受け、同性からの憧れにふさわしい「侍」=「男」だと思うなぁ。
「男」は、タイガース時代から、いやジュリーが生まれた時から天性で持っている大きな資質です。オリンピックに『男』という種目があるとしたら(←どういう例えだそれは)、日本代表はジュリー以外いないでしょう。


Img072

この画像添付に政治的な意図はまったくありません!と、そんな注釈つけざるを得ない世の中になってしまった・・・。

「男は~♪」の
「は~♪」の時のジュリーの表情と声にはいつも魅せられます。この日もそうでした。
「美声」って、こういう声を言うのでしょうね。
打ち上げでジュリーの歌唱力の話題になり、「歌の上手さ」を皆が絶賛する中で僕が
「いや、音程とか技術だけならジュリーの上をいく歌手はたくさんいるだろうけど、ジュリーの歌の素晴らしさ、美しさ、凄さはそこじゃない。”伝わる声”ということなら、世界でジュリーに比する者無し!」
と酔っ払いつつ熱弁したら、「抽象的でよく分からない・・・」と言われてしまいました。
「サムライ」の「男は~♪」ですよ!
と。具体的に言えば良かったのか・・・。

22曲目「
コバルトの季節の中で

Acollection

YOKO君が「失禁しそうになった」この日2度目のシーンがここで訪れます。
何故かセットリスト終盤になってこちら上手寄りへの進出頻度が上がってきたジュリー。まぁこの「コバルトの季節の中で」の場合はジュリーいつも通りのルーティーンな動きではあったんですけど、これも「届かない花々」と同じく、1番で下手側、2番で上手側へと歩を進めてBメロを歌ってくれる曲です。
YOKO君、これまた2番の歌詞が大好きなんだとか。

あたり構わず吠えまくって、そのくせ「吠えてしまった自分」を後になって引きずってしまう・・・ライヴハウスにたった一人ギター1本の弾き語りで乗り込んでくる奴なんて、多かれ少なかれそういう面はあるわけで。
僕はYOKO君と、お互いがそういう奴だった時期、正にそういう状況で出逢っていますから、「過去を引きずって心乱れる時には、明日のことを話そう」という「コバルトの季節の中で」の2番の詞が好きだという彼の気持ちはよく分かるんだよなぁ。

加えて、かねてから「あなたに今夜はワインをふりかけ」と「コバルトの季節の中で」の2曲には、「俺にジュリーを教えてくれた」叔母さん(「みつこさん」)の部屋で聴いたシングル・レコードの記憶が鮮明に残っている、というYOKO君。ジュリーはその「ひとりぼっちだったから、やさしさが好きでした♪」という2番Bメロのヴァースを再びYOKO君の真正面で歌うことになりました。

YOKO君曰く、「目が合うと照れんだよね。どうしていいか分からなくなる」とのことですが、オマエどれだけ幸せだと思ってるんだ、という話。そうそう簡単にジュリーと目が合うなんて無いことだから!
大抵の場合それは「目が合った・・・ような気がする」程度の妄想です。先輩方ほどではないにせよ、もうそれなりに神席の経験を積んでいる僕とて、確信を持って「ジュリーに見つめられてる」と感じたのは、2013年『Pray』ツアー和光市公演での「あなたに今夜はワインをふりかけ」1番Aメロの1度きりですからね。

さて、柴山さんはここからラスト2曲満を持してのジャスマスター使用。次の「ス・ト・リ・ッ・パ・-」で柴山さんは(見た目では)オリジナル・キーのホ短調で演奏しますが、依知川さんが最後にベースをチェンジしていますから、今回のジャズマスターは1音、或いは半音下げの変則チューニングと推測されます。
ということはこの「コバルト~」は・・・?と、柴山さんのフォームをガン見。
トニックのコードフォームは「B」。つまり、視覚的にはロ長調のスケールとなっています。
これを変則チューニングで演奏しているということは、今回の「コバルトの季節の中で」は実質、半音下げのイ長調もしくはオリジナル通りの変ロ長調で歌われていることになりますね。「ス・ト・リ・ッ・パ・-」と合わせて考えるなら、イ長調が有力かな~。

いずれにしてもジュリーのヴォーカルには澱みなど皆無。なめらかな発声、くっきりとした語尾。
ピュアなメロディー、ピュアな歌詞そのものの、優しさに満ちた「コバルトの季節の中で」。ジュリーはサラリと歌っているようだけど、気持ちが伝わってくるヴォーカルです。改めて、不思議な魅力を持つ名曲です。

23曲目「
ス・ト・リ・ッ・パ・-

Royal80

ラスト1曲はYOKO君も「ス・ト・リ・ッ・パ・-」だとその場で予想できたみたいです。まぁ、柴山さんがジャズマスターに持ちかえて、この曲をやらずにセットリストを終えるはずがありませんからね。

演奏前になにやら下手側でゴソゴソ・・・。
どうやら依知川さんのベース・チェンジでローディーさんの準備が遅れていたみたい。
ジュリーが「あれっ、まだ?」とGRACE姉さんの方を振り返った瞬間が「スタンバイOK」のタイミングと重なり、依知川さんが「失礼しました!」みたいなちょっと照れた笑顔で「GO~!」とヤンチャに1本指を突き立てたものですから、ジュリーも思わず素の笑顔に。
この日、神席で得をしたシーンのひとつでした。

そんなこんなで早くもセットリスト大トリ、演奏が始まって・・・改めて、詞も曲もアレンジもリズムも80年代衝撃のロック・ナンバーだなぁ、と。
ジュリーの代表的なシングルで「まったく古くならない」「後世まで長く長く伝えられる」曲と言うと70年代のバラード系や、レコード大賞をとった「勝手にしやがれ」などの「歌謡曲の金字塔」的なナンバーが一般的には挙げられがちです。
もちろんそれはその通りとして、世間は「ス・ト・リ・ッ・パ・-」を忘れちゃいませんか?と。こんなタイプの大ヒット・シングル、日本では他に無いですよ。

僕は当時のジュリーのシングル群の中では「麗人」びいきではありますが、まったく予備知識の無い人に、「沢田研二を1曲聴かせて」と言われたら(特にそれがロック好きの人であれば)、迷わず「ス・ト・リ・ッ・パ・ー」を選びます。リリースから35年経ってなお、当時世間をアッと言わせたその鮮度は変わりません。
しかも、CD音源で聴いてすらそうなのですから、目の前で今ジュリーに生で歌われたらね・・・今ツアー、「たまたまLIVEを観にきた」ジュリーのヒット曲も知らない一般の若いお客さんをして見事「ジュリー堕ち」の衝撃に打たれる曲があったとすれば、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」か「サムライ」ではないかと僕は思います。
そんな2曲がアンコールに配されたセットリスト・・・ジュリー、意外と確信犯だったりして?

初日と比べると、大宮はテンポ速めでした。僕はこの曲、速めの方が好きだなぁ。
あと、打ち上げでも話題になりましたが、いつか弦楽器隊3人体制でジュリーも加えた「フロント4人並びで横揺れ」のヴァージョンを体感してみたいものです。


☆    ☆    ☆

YOKO君曰く「あっという間だな~」と。楽しい時間は本当に早く過ぎゆきます。

ジュリーとメンバーは長い長いお辞儀(依知川さんが頭を下げながら横目でチラチラとジュリーの方を見て「まだかな、まだかな?」と頭を上げるタイミングをはかっていました)に続き、改めてのメンバー紹介。
最後に自分のことは「おじいちゃんでした~!」と(これにはお姉さま方、一斉に「え~~~っ?!」と大合唱ブーイング(笑)」)。初日同様、スキップしながらゴキゲンに退場したジュリーでした。

今年の大宮も音響、ジュリーのご機嫌、長い長いMC含めて本当に素晴らしいステー ジでした。
YOKO君も「大満足のセットリスト」で、日常へ戻るのに苦労している様子。後日のメールの出だしが
「神席とはよく言ったモノ。お~神よ、幸せであるが故にその反動は罪深い!DA~!」
・・・まぁ、気持ちは分かる気がします。

で、打ち上げでYOKO君と話したことはセットリストそれぞれの項でだいたい書いたので、ここでその彼の後日メールでの改めての感想をかいつまんで。

・依知川さんのベースはもう大絶賛なんだけど、新体制となっても鉄人3人がまったくバランスを崩していないことに感嘆した
・ジュリーのスーパースター・オーラは言わずもがな。息吹が伝わる席だっただけに、いつも以上に歌詞(メッセージ)が突き刺さった

そして最後の一文が
「未だに余韻が身体全体を・・・官能小説のような最高の夏の締めくくりだった」
官能小説のような夏の締めくくり・・・って(謎)。


僕もジュリーのメッセージ、しかと受け止めました。
初日からずっと頭に残っているのは、やっぱり「上機嫌」のキーワードで。嫌なニュースばかりの世の中なんだけど、下を向かずに笑顔でいこうということかなぁ、と今はシンプルに考えています。
ジュリーが歌を歌う場所がいつも、これからも平和であるように・・・僕らひとりひとりも、身近な場所、身近な人達との関わり合いの中で、少しでも小さな平和を増やしていこう、作っていこうと。
ジュリーの「LOVE & PEACE」は本当に心強いです。

そして・・・この日のジュリーMCで一番心に響いた言葉をここで最後に書いておきたいと思います。
オリンピックの話から繋がって
「中途半端に頑張った人は、中途半端な結果しか出せない。要領よくやった人は、要領よくやったそれなりにしか成らない。必死で、死ぬ気で頑張らないと!・・・と、こんなことを言って、またワタシ自身が頑張らなくてはいけなくなりましたが・・・」
ジュリーはそんなふうにユーモラスに話していたけど、胸に突き刺さる言葉でした。
YOKO君とも打ち上げで話したのは、「あんな凄い人が人生の先を走ってる。ジュリーより若輩の俺らが、弱音なんて吐いてられないよね」と。


☆    ☆    ☆

この大宮レポートを書いている時間・・・あっという間に2週間近くが経ち、気づけばNHKホール公演が週末に迫っています。
僕は早くもこれが2016年ラスト参加のジュリーLIVEとなってしまいます。
寂しいですが、来年お正月にジュリーに胸を張って逢えるように、今できる身の廻りのことをその間に・・・NHKホールでジュリーにエネルギーを貰ってね。

それでは、次回更新はNHKホールのレポートです。そちらも全文書き終えてからのupとします。
今回ほど大長文にはならないと思いますが、今年最後のジュリーLIVEレポですから、ゆっくり、じっくり時間をかけて色々思い出しながら書くことになるでしょう。
またまた更新までには、しばしの日数を頂きたく・・・どうぞよろしくお願い申し上げます。

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2015年11月14日 (土)

2015.11.3東京国際フォーラムA 沢田研二『こっちの水苦いぞ』セットリスト&完全レポ

お待たせしてすみません!
『こっちの水苦いぞ』ツアー・ファイナル、11.3東京国際フォーラム公演のレポート、ようやくお届けいたします(でも、当初自分で思っていたよりはずっと早く
書き終えることができたんですけどね)。

今、最後の仕上げにこの枕の部分を書いています。
いつものことですが・・・大長文です。LIVEの様子を書くこともそうですが、素晴らしかったツアー最後のステージのレポートということで、改めてそれぞれの曲の歴史や個性を振り返ってみたり、関連画像を探して添付したり・・・そんなこともやってます。
加瀬さんを思えばどうしても寂しい、しんみりしてしまう気持ちというのも書いていると確かにあります。
でも
なるべく「本当に楽しかった、本当に凄かった」この日のステージそのままの感動を書こうと心がけ、あまり感傷的にならないよう努めました。

長くなりますのでお茶菓子をご用意の上・・・それでも済まない場合は、お身体、特に目をいたわって頂くためにも、3日くらいに分けてお読みくださいますよう・・・。

本文に入る前にひとつだけ、LIVE直前のお話を。
僕はこの日のフォーラム公演、ジュリーがかけるBGMは「FRIENDSHIP」だろうと決めこんでいました。ツアーの最後はジュリーと加瀬さんの友情の歌を会場に流して、キレイに纏めるんだろうなぁ、とね。
ところが、開演前に計4人の先輩方と、オープニングBGMについてお話する機会がありまして、みなさん長いファンの先輩ばかりなんですけど、4人全員「いや、ジュリーは間違いなく”僕達ほとんどいいんじゃあない”で〆る!」「DYさんまだまだ甘いわよ~」と。

結果はみなさまご存知の通り。
考えてみれば、いつもそうなんですよね~。僕がいくら「今日、ジュリーはこう来るだろう」と思い込んでそれをお話しても、「いやいや」と諭し、(後から思えば)当然の予想を伝授してくださるジュリーファンの先輩方がたくさんいらっしゃることが、僕は嬉しい!
そして、伸びかけた僕の鼻をその都度、何度も叩き折ってくれるジュリーは大きい!頼もしい!
未だジュリー道の入り口近辺をウロウロしている自分は、本当に幸せで有難く深いものに触れているんだなぁ、と改めて実感した次第です。

午後4時、東京国際フォーラムの広い場内に流れた「僕達ほとんどいいんじゃあない」の加瀬さんの歌声。遂にツアー・ファイナルの幕が切って落とされます。
開演!


1曲目「
危険なふたり

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初日フォーラム、大宮では気づけていなくて(と言うか見えなくて)、7列目で参加した川越でまず初めて気づいたのは、ジュリーが入場してくる経路でした。
BGMの「僕達ほとんどいいんじゃあない」が終わろうかというタイミング、鉄人バンドより少し遅れて入場するジュリー。今回はドラムセットの後ろを通って中央から登場する最近よくあるパターンではなくて、普通に下手側からゆっくりステージに歩いて入ってくるパターンだったのですね。

この日も本当に凄い拍手に迎えられて入場したジュリーがセンターに位置どると、すぐさまGRACE姉さんのフィルから「危険なふたり」のイントロ。
パ~ッとステージが白い光に包まれて・・・とうとう『こっちの水苦いぞ』全国ツアー、加瀬さんを送るツアー千秋楽のステージが始まってしまいました。
この時点でもう寂しさが・・・。

この日ご参加のみなさまは、「今日は最後にオマケがあるかな?」と考えていらっしゃいましたか?それとも無心で臨まれていらした・・・?
僕は、あれこれと考えていました。

ツアーが始まった頃には
「オーラスの会場(追加で発表があるだろうな、とは思っていました)では”渚でシャララ”を踊るんじゃないか、とまず思って、「いや、それはあったとしても12月3日のワイルドワンズのLIVEだろうな」と思い直して、結局この千秋楽の前には「”ZUZU SONGS”の時みたいに、”危険なふたり”を2回やってくれるんじゃないかな?」
と予想していたんです。
これも、僕の甘さと増長をジュリーがこの日見事打ち砕いた一例と言えます。

ジュリーは「年上のひと」を物色こそしていましたが、「美しすぎる♪」は声に出して歌っていました。
そうすると、「うつくしすぎ~る♪」からの「ちゅくぎゅん!」(←柴山さん)がバッチリ決まるんですね~。

泰輝さんはオルガンのカッティングとストリングス。
ということは・・・やっぱり下山さんがベースラインなんですよ。ステージからは明らかに低音エイト・ビートの音が聴こえていますからね。
これも「ねじれた祈り」の柴山さんのように、コンソールでミキサーさんが音色を設定して出力を切り換えているのか、どうなのか。下山さんの右手は、常に忙しくピッキングで動いていました。

2曲目「
恋は邪魔もの

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イントロ、ツイン・リードを弾きながらせり出してくる柴山さんと下山さん。エアギターのジュリー。
今ツアー・セットリストの中でも、先輩方の支持が高いこの曲・・・僕は今日こそは、との思いでみなさまが絶賛するジュリーの歌とアクションを最後に目に焼き付けよう、とジュリーばかりを目で追いました。

「恋は邪魔さ♪」のサビ(お客さんの手拍子が4拍打ちになります)に突入する直前に「さぁ、行くぞ」とばかりに腕をバッ!と拡げる動きがまずカッコイイ!
あと、今さら気づいたのですが、例の「ちゃ~ん、ちゃ~ん、ずっ、ちゃ~♪」のキメのアクションは、最後の1回だけ腕の振りが違うんですね(ずっ、ちゃ~♪」と逆手で振り上げるトコは同じですが)。
僕がこれまで「手刀」と書いていたのは最後の1回のアクションのことで、それまでは手刀と言うより剣をさばいているような大きな動きをしていたようです。

川越では「あっは~ん♪」を3回で終わらせてしまって勇み足で最後の手刀アクションに移行し、「えっ?」と鉄人バンドを振り向いて焦っていたジュリーでしたが、この日はバッチリとキメました。
リリース当時も、テレビやステージで歌う時には同じアクションだったのでしょうか?

~MC~

「気のせいでしょうか・・・何やら重~い空気が漂っているような気がしてなりません」
と、ジュリーがで言った時僕は「去年のことを思い出して、気を張っている僕らの雰囲気を察しているのかな」と思ってしまいました(終演後の打ち上げでのお話では、同じように考えた人も多かったみたい)。
ジュリーはすぐに加瀬さんの話に繋げていたけど・・・僕は「ジュリーも(去年のことを)気にしているのかな。スーパースターでありながら、そういうことを気にしちゃうところがイイんだよな~」と考えたりして。

「今日のこの日を心待ちにしてくださった方・・・仕事を休んで来てくださった方・・・今日が二度目、三度目四度目の方もいらっしゃるかと思います。既にそういう雰囲気をヒシヒシと感じておりますが・・・(笑)」
ハイ、僕は四度目です(汗)。

〆の言葉は最近の定番で。
「鉄人バンドともども、最後まで一生懸命、つとめます!」

3曲目「
許されない愛

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「つとめます!」で片膝をついたジュリー、少し遅れてそのジュリーに当てられていたピンスポットがサッと消えると、「許されない愛」のイントロが始まります。

GRACE姉さんの重厚なリズム、泰輝さんの狂おしいハモンド、柴山さんの荒ぶるカッティング。
そして下山さんのエロティックなリードギター。
そう、今まで表現できずにいましたが、この曲の下山さんのギターは、エロいのですよ~。
曲の物語の主人公である少年が駄々をこねつつも未練を断ち切ろうとするシチュエーションは、クールな下山さんのキャラクターとはかけ離れているように見えるけれど、ベッタベタな粘着の愛欲表現は共通しています・・・って、なんだかとても失礼なことを言っていますかね、僕は(汗)。
でも今回の「許されない」での下山さんのリードギターは、ベタ~っと曲に絡みつく、ジュリーの歌にまとわりつくような独特のエロスがあると思います。

で、さらにこの日「おおっ!」と思ったのが、2番直前で突如炸裂したGRACE姉さんの3連符。
今までこんなふうに演奏してましたっけ・・・自信は無いんですが、ここまで激しくロール気味に演奏したのは初めてのような気がします。
「今日はジュリーだけじゃなくてGRACE姉さんもひと味違うぞ!」と思った瞬間でした。そんなGRACE姉さんの気合は、アンコールでの「気になるお前」で全力全開となるのですが、それはまた後で。

「逃げて、ゆきたい~♪」をジュリーは声が枯れるまで思いっきり伸ばして、背中を反らせて天を向いたところで嗚咽ともシャウトとも言えない叫びへと繋ぎ、最後のタムのキメに合わせて身体を前方に戻します。
なんちゅうカッコイイ曲でしょうか!

何処の会場でしたか、アルバム『JULIEⅡ』についてジュリー曰く「(ミックスの)僕の声が小さい。でもいいじゃん、カッコイイんだから、と思っていた」と。
結局ジュリーの声を大きめに処理してからリリースされたそうですが(それでも他アルバムと比べるとヴォーカル・バランスはかなり小さめなんですけどね)、その話を聞いて、ジュリー自身も当時『JULIEⅡ』の音作りを「カッコイイ」と思っていたんだ、と僕はとても嬉しく思ったのでした(個人的に一番好きなジュリー・アルバムなので)。
それを今年2015年のツアーで、レコーディング音源以上のカッコ良さで再現してくれたジュリーと鉄人バンド・・・「感動」のひと言です。

4曲目「
死んでもいい

Sindemoii13

「許されない愛」から「死んでもいい」へと繋がる今ツアー・セットリスト。正に怒涛の流れですが、この2曲は色々と似たところがありますよね。
いずれも72年リリースのシングル、当然作曲は加瀬さん。歌詞のコンセプトもほぼ同じですし、短調のハードな曲調に、豪快なブラス・アレンジ。
でも、やっぱりそれぞれ何処か違うシチュエーションを歌うジュリーの魅力を感じます。

「許されない愛」では、主人公がとり残された時間に追いつこうとする焦燥、「死んでもいい」では追いついた時間を逃すまいとする束縛の意志、でしょうか。
この時間軸の違いを、ジュリーの歌で初めて感じます。歌詞だけでは、そこまで分かりませんよね?

ジュリーは、ツアー後半で「愛の、愛の、愛の♪」の発声を変えてきたようです。大宮と川越がずいぶん違っていましたので、川越が特別だったのかと思っていたら、このフォーラムも川越と同じ歌い方でした。
小節の前からタメを作るところは変わりませんが、初日、大宮のようなハスキーに吐き出す歌い方ではなく、地声のド迫力で攻めてくるのです。
喉の使い方、なのでしょうね。ツアー途中で風邪をひいてから意識的に変えたのかなぁ。

また、演奏面での「許されない愛」と「死んでもいい」最大の違いは、リード・ギター。
こちら「死んでもいい」の柴山さんのギターも「許されない愛」の下山さん同様、相当にエロいんです。ただ、下山さんのような「絡みつく」感じではなく、「ねじ伏せる」感じに聴こえます。それは2人の性衝動、もとい「単音衝動」の違いなのでしょうか。
どちらにもSッ気は感じますけど(笑)。

5曲目「
白い部屋

Siroiheya102

同じように感じていらっしゃるかたも多いのかな・・・僕は、今回のセットリスト中、ツアー前と今とで「白い部屋」ほどイメージが大きく変わった曲はありません。
これまでこの曲が僕には「普遍的な悲しい失恋の歌」と聞こえていました。歌詞から「特定の誰か」を思い浮かべることなど、考えもしませんでした。
それがまさか、これほどまでに加瀬さんのことを重ねて聴いてしまう歌になろうとは・・・。

今ツアーでこの曲を歌うジュリーを見るたびに、2番Aメロの同じところでジュリーは歌いながら嗚咽してしまう・・・そこでようやく気づかされた「白い部屋」の意味。
ジュリーに、加瀬さんの部屋で2人レコードを聴きながら過ごした夜が実体験としてあったことは間違いないでしょうし、そこで加瀬さんは本当に「ふざけながら踊ってみせた」ことがあったのかもしれません。

「白い」=「空白」「不在」「無」。
それまでいた人が今はいない、という意味での「白い」部屋・・・以前書いた考察記事では、そんな歌詞解釈にまったく触れることができていません。
恥じ入るばかりです。

演奏でこの日気づいたのは、1番Aメロだけ誰かがハッキリとベースラインを弾いていること。
柴山さんは空間系のエフェクトでアルペジオを弾いているので違います。じゃあ下山さん?と思ったのですが、この日はとてもよく下山さんが見える席だったにも関わらず、「白い部屋」の最初のAメロの時点ではジュリーと柴山さん2人だけに照明が当てられていて、下山さんは影しか見えなくて。
ならば影だけでも泰輝さんの手元の動きを見れば、ということになるんですけど・・・実は僕の席からですと、ジュリーが定位置にいる時すっぽりと泰輝さんを覆い隠してしまっていたという・・・無念。結局ベースの演奏者は分からずじまいでした。
まぁ、世の中には「4鉄封じ込め御席」を引き当ててしまわれたかたもいらっしゃるわけですから・・・。

僕の席は、姿こそ見えなかったけどハッキリ「泰輝さんが出している」と分かる音は、バランス良く耳に入ってきました。この曲で泰輝さんは単独のトランペットの音色設定とは別に、「許されない愛」「死んでもいい」に続くシンセ・ブラスの音も繰り出しています。

「白い部屋」はアウトロが長いですよね。
その間ジュリーは、遠くを見つめながら立ちつくしています。この長めのアウトロが、そのまま「追憶」の歌詞世界へと物語を繋げているように感じました。

6曲目「
追憶

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「死んでもいい」「白い部屋」と今年初体感のナンバーが続いた後、今度は新規ファンの僕もこれまで生で何度も体感している大名曲「追憶」。
僕くらいのキャリアのファンにとっても、今回のセットリスト曲順は最高のバランスで・・・それが中盤の新曲コーナー以外すべて1人の作曲家による作品とは、改めて加瀬さんお畏るべし!

この日のフォーラムでは鉄人バンドの演奏から、「追憶」作曲当時の加瀬さんの少なからぬプログレッシブ・ロックの影響というものを初めて感じました。
以前から『JEWEL JULIE』収録の「ジュリアン」「衣装」については、井上バンドがキング・クリムゾンあたりからインスピレーションを得て演奏、アレンジを仕上げたんだろうなぁ、とは思っていました。
時代を考えると、当時加瀬さんの曲作りにもそういう面はあったかもしれません。
僕としてはこの日、ハードなバンド・サウンドの中で泰輝さんが硬軟織り交ぜ絡ませていたストリングスを注意して聴いていたのでそう感じたんじゃないかなぁ。
昨年の大宮公演で、共に参加したYOKO君が
「い~~や~~~、追憶、ロックだな~!」
と言っていたことを思い出します。ドラマティックな展開なのに、いざギターに耳を傾けるととてつもなくハードなことをやっているという・・・YOKO君はそんなふうにこの曲を聴いていたと思います。

面白いのは、多少意識はしてるかな?と思われる「ジュリアン」「衣装」とは違い、「追憶」でのジュリーのヴォーカルには一切プログレっ気が無い(もちろん、良い意味で、ですよ)ことです。
このあたりが「追憶」という曲が髄から「加瀬さん」である、ってことなのかな。
僕は今、加瀬さんと井上バンド(特に堯之さん)とで、根底では同じ志を持ちジュリーにその才を捧げていながらも、実際の音源制作現場(作曲、演奏、アレンジ)でどのように嗜好やセンス、矜持を違えていたのか、ということに凄く興味が湧いているところ。
この点、敢えて「よく似た曲想とテーマ」を擁した加瀬さんと堯之さんそれぞれの作曲作品を採り上げ比較考察する記事構想を持っていますので、近いうちに書きたいなぁと考えています。

話が大幅に逸れましたが、鉄人バンドのキレッキレの演奏を叙情的なまでに昇華し、「ニーナ♪」の表現をその都度変えながら歌うジュリーには、まず作曲家・加瀬さんへのリスペクトを感じずにはいられません。
Aメロの切なさ、孤独感。サビでのロングトーンには信じられないほどの柔らかさも。
一番最後の「ニ~ナ~~♪」を限界まで伸ばして、マイクをサッと宙に捧げた瞬間に声を切るジュリー。見護る加瀬さんも、「やっぱり名曲だ!ジュリーにピッタリだ!」と自画自賛していたんじゃないかな~。

7曲目「
あなたへの愛

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毎週やりとりしているYOKO君とのスコア研究、先週の課題曲がこの大名曲。
これまで何度か書いてきましたが、これはYOKO君の「とてつもなく好きなジュリー・ナンバー」のひとつで、僕が送ったスコア(『沢田研二/イン・コンサート』より)を彼はとても喜んでいましたが・・・「前にジュリーの船上弾き語り映像でコピーしたのと全然違った!」と軽いショックを受けてもいました。
YOKO君の話によるとジュリーは、かな~り大らかなコード進行に変えて弾いていたみたいですね。

加瀬さん作曲ならではの最大の肝は、Aメロの1回し目と2回し目で、メロディーに当てた和音が一部ひっくり返ること。ほぼ同じメロディーなのに、ですよ!
今ツアーでの鉄人バンドの演奏に倣って、オリジナルより1音キー下げた(下山さんのアコギ・ストロークで確認)ヘ長調で表記してみますと

(1回し目)

あなたが言い出せば 悲しく聞こえる
F                                              Gm

星もまばらな夜 何故か遠い道 ♪
B♭            C7  Gm             C7                  

(2回し目)

いつもなら自然に つなぎ合う手と手も
F                                             B♭

途切れがちな愛の 風に泣いている ♪
Gm               C7    Gm               C7

ね?
「Gm」と「B♭」の登場する順序が入れ替わっているんです。歌詞と合わせて弾いてみると、1回し目と2回し目で歌の雰囲気が全然違います。1回し目の方が優しく、2回し目の方が力強く聴こえるんですよ。

当然、下山さんのアコギは加瀬さんの作った進行で演奏されます。加えて、2回し目の「B♭→Gm」の間に、経過音として「A」のルートを半拍だけ挿しこむ細かな工夫もありました。
あと、基本的に「F」のコードを1~4弦のローコードで押さえる下山さんが、この曲では時折1弦セーハのフォームを魅せてくれるのも個人的ポイントかな~。

柴山さんのエレキは、初日とは随分変わりました。川越やファイナルでは、Aメロで
「ファ~、ファファ~・・・ソ~、ソソ~・・・♪」
というベースラインも弾くまでに進化していました(音色はSGVの6弦そのままの音)。その間隙を縫って、繊細な単音が繰り出されるわけです。

ジュリーも気持ち良さそうに声が伸びます。
キーを下げているとは言っても、転調後の最後のサビでは高い「ソ」の音を楽々と出しているのですから、67才にしてこのヴォーカル、ひれ伏すしかありませんね。

8曲目「
胸いっぱいの悲しみ

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これはレコーディング音源と生演奏のLIVEとでかなり印象が異なる曲です。
もちろん僕はCDで聴く「胸いっぱいの悲しみ」も大好き。でもレコーディング音源には「ロッカ・バラード」をさほど感じません。
YOKO君がこの曲について「最初は演歌みたいな感じがして苦手だった」と言っていた(今は撤回しています)のも、まぁ分からなくはないんだけど、フルオーケストラのアレンジは豪華のひと言ですし、ジュリーの入魂にして青々しいヴォーカルも大きな魅力。
一方、LIVEだと一転、見事にハードな「ロッカバラード」なんですよね、この曲。
演奏も完全にロック・バンドのそれで、3連符連打のピアノに、切り裂くようなギター・カッティング。
リリース当時「この曲で特等賞を狙う!」と宣言していたジュリー。セールスは期待通りとはいかなかったようですが、「胸いっぱいの悲しみ」が加瀬さん作曲の大変な名曲であることは、今年のジュリーのステージを観ていても分かります。

遡って73年。
加瀬さんが自分の作ったこの曲をステージで歌うジュリーを間近で見ていなければ、後のロッカ・バラード「おまえがパラダイス」も生まれてはいなかったでしょう。
「加瀬さんを送る」セットリストで、よく似た曲想の「胸いっぱいの悲しみ」と「おまえがパラダイス」を繋げたジュリーのセンスは、本当に素晴らしいと思います。

Aメロ歌い出しで大きく腕を降り下ろすアクション、全部で4回あるはずなんだけど、この日は3回しか観てない・・・うっかり見逃したのか、それともジュリーが1度やらなかったのか、どっちだったんだろう?

GRACE姉さんのコーラスも相変わらず素敵です。
特に、途中まで泰輝さんのストリングスとユニゾンしていたのが、1小節だけ「キーボードは上昇、コーラスは下降」という箇所があって、これが痺れる!
確か『歌門来福』でも、同じ箇所で感動してたっけ。

9曲目「
おまえがパラダイス

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ご存知のみなさまも多いのかな・・・シンコー・ミュージックさんから18日に発売される『ロックジェット63号』に、ジュリー関連の記事がいくつか掲載されるようです。
アマゾンさんでの
内容紹介によれば・・・。

まずは『こっちの水苦いぞ』ツアー・レポート。
これはおそらく渋谷公会堂公演のレポートで、今回も佐藤睦さんの素晴らしい感性による濃厚な文章を読むことができるのではないでしょうか。
あとは、今年お正月の『昭和90年のVOICE∞』レポートの時のように、いくつかの素敵な写真の掲載があるとファンとしてはとても嬉しいのですが・・・。

さらに、『沢田研二・全アルバム解説』の第4回。
しばらく雄伏期間がありましたが、満を持しての連載復活ですね。EMI期のアルバム・リマスター再発が実現した今、この企画も絶好のタイミングと言えるでしょう。

気になるのは、『こっちの水苦いぞ』ツアー・レポートに枕のようについている
おまえがパラダイスOh Yeah!
という文字。
このフレーズがツアー・レポートとどう絡んでくるのかは、実際本を手にしてみないと分からないんですけど、ひょっとしたらこれは『ロックジェット』が加瀬さんに捧げた独立した記事なのかも?と考えてみたり。
いずれにしても、『ロックジェット』のようなロックに特化した雑誌が「加瀬邦彦・作曲作品」について語るならば、またそこで今回のツアー・セットリストから特に1曲を採り上げてフィーチャーするならば、「おまえがパラダイス」こそふさわしい、と思うのです。
ロックでしかあり得ない曲であり、詞であり、演奏であり、そしてヴォーカルなのですから・・・。

ツアー・ファイナルでも見事に「ロック」を証明してくれたジュリーの「おまえがパラダイス」。
皆が期待していた柴山さんの髪をかきむしるシーンこそ今回はお預けとなりましたが、サビで「抱きしめ~たならば~♪」とジュリーが歌い出せば、まるで魔法のように、「ロック」としか例えようのないグルーヴが鉄人バンド全体に生まれ、「Oh Yeah!」という、言わばありきたりなはずのシャウトが加瀬さんのメロディーに勢いよく溶け込み、唯一無二の「ロッカー・ジュリー」がステージを支配します。
これぞ史上最強のロッカ・バラード。ポールごめん、僕はもう「オー・ダーリン」より「おまえがパラダイス」の方が遥かに好きになってしまったよ・・・。

ファイナルにして初めて気づいたのが、下山さんのアーム・プレイでした。こんなことしてたのか!
この曲では8小節のAメロが3回登場するんですけど、その8小節の中でたった1回だけ(つまり曲中で合計3回)、下山さんがアームを使って「ぎゃわわわわん♪」と鳴らす箇所があったのです。
他の箇所では「じゃっ!」とか「じゃ~!」とかブッた斬るようなカッティングなのに、そこだけは和音が揺れるんですね。何食わぬ表情でアームを引き寄せる下山さんの仕草は、なんだかメチャクチャ男臭かったです。
以前から同じように演奏してたのかな・・・過去のツアーDVDで確認しないと!

10曲目「
夕なぎ

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今ツアーに4回参加した中では抜群に素晴らしかったこの日の「夕なぎ」。
今までと何がどう違ったのか、具体的にはよく分からないのですが、やっぱりジュリーの歌かなぁ。

僕はつい先日になって、渋谷2日目のMCでジュリーがこの曲のことを話してくれたのを知りました。
良い意味で「凄い逸話だなぁ」と思っています。もちろん加瀬さんのこともそうだし、70年代、ジュリーという眩い歌手と共にあった井上バンドの志というのも、何となく分かったような気がしましてね・・・。
僕はそんな経緯(ジュリーの当時おかれていた環境も含めて)を何も知らずに、『チャコール・グレイの肖像』と同時期の作品とは思えない、みたいなことを以前「夕なぎ」の記事に書いてしまったけれど、加瀬さんも堯之さんも「再出発するジュリー」に全力で心血を注ごうとしていたんだなぁ、と今さらながらに。

あと、演奏も当然ながら、この名曲をほとんど40年ぶり(?)に見事再現してくれた鉄人バンドのコーラス、素晴らしいです。一番低い声は誰なんだろう?
ただひとりコーラスに参加しない下山さんが黙々とアコギを弾いているのも、逆にその姿がジュリーのバンドっぽいんじゃないかなぁ、と思えてきます。
オーギュメントをローコードで弾くのにあんなに音圧があるなんてね・・・とても真似できません。

そうそう、僕は最近仕事の移動中にジュリワンのCDを聴くことが多いんですけど、GRACE姉さん作詞の「Oh Sandy」にも「夕凪」というフレーズが登場することに改めて感激、ジュリワン・ツアーでの加瀬さんの雄姿に思いを馳せています。
加瀬さんから「こんな風景を詞にしてよ!」というリクエストがあったのかなぁ。それともGRACE姉さんは、加瀬さんがメロディーに託したイメージをその才で自然に感じとって作詞したのでしょうか。
DVDで観ると、「Oh!Sandy」はジュリーと加瀬さんのツーショット率がすごく高いんですよね・・・。

11曲目「
泣きべそなブラッド・ムーン

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新曲を歌う前に、愉快なMCで気息を整えること・・・ジュリーにとっては必要な時間なんだなぁ、とやっぱりこの日も思いました。ガラリと会場の空気が変わり、「祈り」の新曲コーナーが始まります。

今回の新譜のステージでの演奏順、いざ体感すると「こうしかあり得ない」と思えてくるから不思議。僕の場合は勝手な後づけなんだろうけど、「泣きべそなブラッド・ムーン」以外の他の3曲いずれがこの「新曲1曲目」に配されても、ちょっと違うような気がします。
ジュリーはきっと、毎年じっくり突き詰めて新曲を歌う順番を決めていますよね。

イントロ、泰輝さんの淡々としたピアノが薄暗い照明と相俟って、「人間が直には手を触れることのできないブラッド・ムーン」の出現を思わせる荘厳な雰囲気に。
これは、4小節目のハーフ・ディミニッシュ→ドミナントの進行が凄く効いてるんですよね・・・ビートルズ「ユー・ネヴァー・ギヴ・ミー・ユア・マネー」の「negotiations♪」の箇所と同じ手法です。

2015年、今年も変わらぬ被災地への祈りを込めた新譜がリリースされ、僕はこの「泣きべそなブラッド・ムーン」を聴いて、最初は「優しい歌」だと思いました。
考察記事でもそんなふうに書いて、そこでみなさまから多くのコメントやメッセージを頂き、今度は「激しい怒りの歌」なんだろうと思い直しました。
そして始まった今年の全国ツアー。
この曲を歌うジュリーはとても悲しげなんだけれど、エンディングで手を掲げて花束を誰かに手渡そうとするジュリーの仕草を見ると、やっぱり優しい歌なのかなぁ、とも感じます。
結論は出せませんでした。

ただ、この日のフォーラムのジュリーは、漠然と宙に向けて手を差し出したと言うより、ハッキリと2階席のお客さん達に向けて「受け取って欲しい」と花束を手渡したように僕には見えました。
それをどう捉えるか・・・色々な考え方があるだろうとは思う中で、来年お正月のセットリストに答えがあるのかも、と今は思っています。

12曲目「
涙まみれFIRE FIGHTER

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「恨まないよ」「Deep Love」にも匹敵する、被災地の方の視点を借りて歌われる慟哭のバラード。
「海水の焼ける鼻を煎る匂い」など、あまりにリアルなジュリーの詞には、目も耳を背けたくなるのを今でもグッと堪えなければなりません。
でも、この先も継続して作られてゆく『PRAY FOR EAST JAPAN』をテーマとしたジュリーの新譜には、こうした慟哭のバラードが1曲は含まれてゆくものと覚悟していますし、僕らひとりひとりが少しでも何か考えて、しっかり対峙してゆかねばならないでしょう。

今年の「涙まみれFIRE FIGHTER」は柴山さんの作曲作品ということで、ギタリストの作曲作品ならではの「祈り」と「悲しみ」をその徹底的なマイナー・スケールのコード進行から察することができます。
さらには、前曲「泣きべそなブラッド・ムーン」の半音転調後のキー(嬰ト短調)にイントロを合わせる、というさりげない工夫。2012年からの同テーマのCDすべてについて言えますが、4曲入りのマキシ・シングルにしてこれほどのトータル・コンセプト・アルバムを感じさせる・・・これは、ジュリー1人だけではなかなか為し得ないこと。
ジュリーwith鉄人バンドの作品を僕らはこの数年毎年CDで、LIVEで聴いているのです。
それはきっと、これからもずっと。

イントロの柴山さんの素晴らしいスロー・ハンドについては大宮レポートでも書きましたが、影に徹してのユニゾンでその音階を支えているのが泰輝さんのピアノ。
これで、まるで泣いているような「生身のディレイ」感覚が柴山さんのギターに宿ります。

ジュリーは一部歌詞に迷いつつも歌そのものを途切れさせるようなことはなく、怖いほどに紅い照明の中、アウトロの咆哮を何度となく繰り出しました。
最後は、柴山さんのフランジャーによるジェット・サウンドがジュリーに呼応して叫び、GRACE姉さんのドラムスを合図にプツリと音を断ちます。作曲者自身の演奏であるだけに、意味深なエンディングです。

13曲目「
こっちの水苦いぞ

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この曲を生の歌声で聴いて、川越でも思ってしまったこと・・・「ジュリー、こうしている今も、世の中の動きに物申したい事が山ほど溜まっているだろうなぁ」と。

今年の新譜・・・まず1曲目がこの曲で、僕は故郷が鹿児島ですから、「桜島」「川内断層」というフレーズに耳を奪われ、以来、全国ツアーの鹿児島宝山ホール公演のことがずっと気がかりでした。
結局参加は叶いませんでしたが、今年の宝山ホールは素晴らしいステージだった、MCも楽しかった、と参加された先輩に伺って・・・本当に良かったと思ったけれど、川内原発1号機がフル稼働している現実というものは、今確かにあるわけで。
経済効果と言うけど、じゃあ実際地元のかたでそれを実感している人はどのくらいいるのだろう、と。

その川内1号機の前例を踏襲し、2号機も稼働。そして最近、愛媛県の伊方原発も県知事の承認があり、再稼働へ向けての動きを本格化させています。
伊方では先日、万が一の事態を想定した佐田岬から大分県への避難訓練が実施されたようですが、5千人の避難想定の訓練に参加した地元の住人は僅か70人だったとか・・・ジュリーが歌う「誰のための再稼働?」は、ごく当たり前の疑念でしょう。

また一方では、先月に「防衛装備庁」が発足し、今後は国が積極的に、企業の「武器輸出」を一元的に管理することになります。これは言うまでもなく、「防衛装備移転三原則」の制定から派生してきた流れ。
このように、ひとつの法律が制定されれば様々な連鎖が必然的に起こります。
防衛省は今、来年度の日本海でのミサイル実験実施の検討を開始。先に可決された安全保障法案を受け、それは「必要なこと」とされてしまいました。
どこかの国のように「平和のための実験」と言い張るつもりなのか・・・その国と違いは、「アメリカから支持されている」という1点のみでしょう。
相互利益で安全保障・・・この日「苦渋の米国」の「米国」を「アメリカ」と変えて歌ったジュリー。その心中は穏やかでない、どころか怒りに満ちているはず。

そんな中で救いは、この曲を歌うジュリーがロックなビートに自然に乗ってキレッキレのアクションを繰り出し、会場を重ねるごとに多くのお客さんもノッてきたこと。
さらには、本当に素晴らしい鉄人バンドの演奏。
間奏では下山さんが前方にカッ飛んできて、こちらはゴリゴリなのに美しい旋律を奏でてくれます。ガクンガクンと転調するのに、ギターのメロディーの流れにまったく違和感が無いのが凄い・・・。
ソロが終わると、ジュリーもバンドと一緒になって「じゃ、じゃ!」とキメてくれます。

慕ってますフォーメーション”は、初日と比較するとずいぶん明快に、分かりやすくなりました。これは、柴山さんがギターの音色設定をツアー途中で変えたからではないでしょうか。
ハードに歪ませているのは初日からそのままですが、川越やファイナルでは明らかにワウ系のエフェクトのかかりが強くなっていて、「気になるお前」の設定に近くなっているような印象を受けます。

エンディングでは、いつものように僅か3秒でスタンドのアコギへと移行した下山さん。
最後の最後に鳴らす「Dmaj7」、川越ではルート音を強く鳴らしていましたが、この日は3弦2フレットの指で4弦のルートをミュートさせ、硬派に締めくくっていました。
将棋の大駒に例えると(すみませんまたこんなマニアックな話で)神出鬼没の「角行」、縦横無尽の「飛車」・・・鉄人バンドの2人はいずれの役割も互いに入れ替わって担えるわけですから無敵です。名演!

14曲目「
限 界 臨 界

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個人的には、今年の新曲の中で今は1番好きな曲。
2年連続で、全国ツアーを経てGRACE姉さんの作曲作品が「今年1番の曲」になりました。

リリース時には「重いテーマの歌詞だなぁ」と感じていて、考察記事もかなり重たい内容になったんですけど、今はこの曲に明るい視界が開けて見えます。
何度も書いているように、その後僕はジュリーの言う「未熟でも若い者」達の登場に「諦め」の心をド突かれ、すっかり彼等に惚れこんでしまったのでね・・・。

「明るい視界が開けた」と言えば・・・実際に生のLIVEでジュリーの歌と鉄人バンドの演奏を体感してから気づいたこの曲のアレンジの肝は、淡々とクールに進行していた演奏が、間奏(下山さん入魂のソロ!)を境に感情を爆発させると言うのか、決意を高らかに宣言すると言うのか、視界がスパ~ン!と開けるように激しく盛り上がる構成。
CDで聴いていた時にはさほど気に留まらなかったんですけど、間奏後のGRACE姉さんのタム連打が本当に凄いのです。
しかもそれがこの日は特に激しかった!

その証拠に、ソロを弾き終わった下山さんが、その後はず~~っとドラムセットの方を向いてGRACE姉さんを見つめながら演奏していましたからね。
下山さん、姉さんの熱演に見とれてた?

エンディングのジュリーの「限界臨界」のワンフレーズは、ツアーの間に変化を辿ってきました。大宮の頃はギリギリとした強烈なシャウトだったのが、ファイナルでは低音でしぶとく喘ぐようなニュアンスに。
実際に作詞した時点でのジュリーは「憤懣やるかたない」思いでこの曲を仕上げたと思うけど、今は「希望」を見据えているんじゃないか、と僕は今の自分の気持ちを勝手にジュリーに重ねつつそう思っています。
相変わらずキナ臭いニュースは次々に耳に届くけれど、もうそれを「見ないフリ」はしませんよ。

15曲目「
ウィンクでさよなら

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新曲から間髪入れない「KASE SONGS」の楽しいセットリストへの帰還も、ファイナルまで来ると不思議と違和感が無くなってきました。いつもジュリーの切り替えがしっかりしていたからでしょうね。

細かい歌詞の状況説明をフレーズに合わせて身体で表現しながら歌うジュリー。
「I love you♪」「I need you♪」の求愛ポーズは、歌詞に遅れて繰り出されてはいましたが、上手側、下手側それぞれ1度きりではなく、どんどん端の方へ出張していく感じで、丁寧に膝まずいていました。
初日は、「I love you~♪」と歌いながら膝でスライディングでいたわけですから、この曲でのジュリーの魅せ方も、ツアー中にずいぶん変わったようです。

イントロ最初の4小節、GRACE姉さんはハイハットではなくタムでエイトを刻んでいたんですね~。

16曲目「
バイバイジェラシー

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添付の4画像は、『ヤング』81年6月号より。スターに1日密着!という企画で、ちょうどこの取材の日にジュリーはテレビスタジオで「バイバイジェラシー」をチェックのスーツ姿で歌っていたようです。
僕はこの放映を生で観ることはできていません。当時のファンの反応も、この名曲への先輩方の熱烈な支持も、これまで実感としては分かっていませんでした。
今ツアー、ようやくです。
まさか、と思ったサプライズ選曲。「きわどい季節」「甘いたわむれ」あたりはあり得るかな、と予想していたけど、この曲と「夕なぎ」の2曲は本当に頭に無くて。初日に歌われた時には大興奮したものです。

その興奮は、参加を重ねるごとに落ち着くどころかますます増してきているという・・・だって、会場のみなさんの盛り上がりがまず凄いんだもの。
やっぱり、最高のロック・バンドをバックにジュリーがステージ狭しと動き回りながらながら歌うこうしたタイプの曲は、長いファンの先輩方としても「待ってました!」という感じなのかな~。

ジュリーは次から次へと歌詞の状況を身体の動きで表現してくれます。
「ペンダント、何処やったっけ?」みたいなしらばっくれた動作。「それだけさ♪」では、「どうだっていいじゃん!」と言うように彼女の疑問を放り投げる仕草も。
2番で一瞬だけ歌詞に詰まった時に、同時に身体の動きもピタッと止まっちゃったりしてね。
そう言えば、「バイバイジェラシー♪」のところで手を振るシーンがこの日は一度も無かったような?

ジュリーが上手側下手側に出張した時に見えた感じでは、泰輝さんは両手を忙しく動かしながらピアノの音色を弾いているようでした。ひょっとしたら左手はベース音に近い設定になっているのかも。
柴山さんのソロも相変わらず素晴らしかったです。ニコニコとあのフレーズ弾きながらずずい、とせり出してくるシーンも素敵ですけど、涼しい顔で最後のあのフレーズを弾きながら余裕で定位置に戻れる、という神技が僕には信じられません。
どんな体勢だろうと、どんな動作だろうと、指が勝手に動いちゃうんでしょうね。

17曲目「
甘いたわむれ

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こんなにポップで可愛らしい曲なのに、紐解いてみるとメチャクチャ高度な構成の大名曲。
とにかく、ヴォーカル最後の「夢みたい~♪」からリフ部へと繋がる部分の斬新さには惚れ惚れするばかりです。加瀬さん、素晴らしい!「追憶」とどちらをシングルA面にするか迷った、という逸話も肯けます。

「なんとかスカッと失敗してキュートな地団太サービスを!」と、ツアー各会場でジュリーが考えていたのかどうかは分かりませんが・・・大宮、川越でそういうシーンを観てきていたので、この日もジュリーの指笛に注目して観ていました。
結果、見事なまでに成功を連発するジュリー。ツアー最後の最後に真面目な方向で本気出した?
歌い出す寸前まで鳴らしているのは本当に凄いな~。
川越公演の後に僕は、DVD『ワイルドボアの平和』収録の「俺たち最高」のイントロで、ジュリー至高の指笛テクニックをおさらいしてみました。
どう見ても、指を離した瞬間に息を大きく吐いているんだけど、何故その直後にあんなに自然に歌えるのか・・・何か特別な、ジュリーならではの奥義があるのでしょうが、その手法はまだ謎のままです。。
オリジナル音源の「甘いたわむれ」での指笛も、ジュリー自身が鳴らしているのかな?

イントロなどに登場するリフは、柴山さんのギターと泰輝さんのシンセ(「許されない愛」「死んでもいい」と同じ音色設定だと思います)のユニゾンでした。

18曲目「
恋のバッド・チューニング

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オーラスにしてまたまた新たな発見。
今まで僕はこの曲のギター分担について「下山さんが単音で柴山さんがバッキング」と書き続けてきました。違いました~!(汗)
いや、確かにまずサビが来て「ばっ、ちゅにん♪」に行って、その後のAメロ前の単音は下山さんが弾きます。しかし、1番最後のロングトーン「ばっ、ちゅ~~~うに~~ん♪」直後のソロ4小節は柴山さんがリードギターを弾いていたんです。

2人のギタリストが要所要所で単音パートを入れ替わり立ち替わりするスタイル。
互いの「ギター愛」「リスペクト」の交換。愛の電波はどこでも届く・・・だからこの曲では柴山さんも下山さんも特に楽しそうに見えるんですね。

糸井さんの詞は「TOKIO」も突き抜けているけど、こちら「恋のバッド・チューニング」も劣らず凄い。
語感がね・・・「周波数」が3音節の英語みたいに聴こえます。このあたりはいかにも「曲先」作業の妙と言うか・・・曲のデモを作った際、加瀬さんはその箇所にどんなデタラメ英語を当てはめていたのかな。
そのイカした語感を歌に乗せ、「ちょっとずれてる周波数♪」から1本指を立てて宙を乱れ撃ちしながら闊歩するジュリーが両サイドに出張すると、それぞれ柴山さん、下山さんがノリノリで待ち受けているのが目に入る、というわけです。いやぁ楽しい!

今ツアーではジュリーは結局最後まで本来コーラス・パートである「ばっ、ちゅにん♪」を自ら歌っていたけど、いつかまたこの曲を歌う時にはシャウト・コーラスは柴山さんに任せて、「ばっ、ちゅに~~~ん
♪」の主旋律を重ねて欲しいなぁ。
あと、これは先輩方からどのように思われていたのか把握していないのですが、『REALLY LOVE YA !!』で魅せてくれた(もちろん僕はDVD鑑賞での後追い)「気持ちが、あっはん、いいから、あっはん」ヴァージョンも一度は生で体感してみたいです。

19曲目「
ねじれた祈り

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相変わらず、イントロの「きゃ~!」が凄いです。

さて、加瀬さんがジュリーのために作った曲には様々なタイプの名曲がありますが、ロカビリー・タッチというのは意外と少なくて、3曲だけです。
アルバム『S/T/R/P/P/E/R』あたりにはコンセプト的にも「バイバイジェラシー」以外にもう1曲ロカビリー調ナンバーの提供があっても不思議はないところなんですけど、ジュリー自作のシングル・カット曲「ス・ト・リ・ッ・パ・-」や、かまやつさんの「想い出のアニー・ローリー」があったりするので、アルバム・プロデューサーの加瀬さんとしてはバランスをとった、ということなのかな。

「バイバイジェラシー」の次に”加瀬流ロカビリー”がジュリーに提供されたのは、2000年。この「ねじれた祈り」まで時を待つことになります(もう1曲は2010年、ジュリーwithザ・ワイルドワンズの「Oh Sandy」)。
そんなことを考えると、「バイバイジェラシー」と「ねじれた祈り」がセットリストに同居するステージというのは本当に貴重なんだなぁ、と。

でね、この2曲は同じロカビリー調ということでリズムも似ていますから、お客さんのノリ方は似た感じになるんです。でも、ジュリーは違うんだな~。
曲の世界に(歌詞まで考えて)入り込んで、それぞれ身体の動きに明快な違いがあるんですよね。
「バイバイジェラシー」はモータウン・ビートに乗せてスキップするように、ウキウキと縦ノリの軽快さを押し出します。一方、「ねじれた祈り」は重厚な横揺れ。腕もちぎれよ、とばかりに思いっきり身体をブン回し、お客さんを完全支配しようかという・・・。

「背中を~♪」の歌詞部では、この日もステージに背を向けて鋭く腰を振るジュリー。
先輩方の間ではその際のお尻が大変な評判のようですが(笑)、その後にクルッと向き直った時の、ドSな表情と豪快な歌声も素晴らしいですよね。

20曲目「
きわどい季節

Fukyou614

やっぱり柴山さん、最初から3連符のアルペジオを弾いてるなぁ。大宮でのベース演奏、YOKO君も一緒にいたし、見間違いだったとは思えないんだけど・・・。

先輩から教えて頂いたんですが、何処の会場と仰っていたかな・・・この曲の間奏で客席から自然に拍手が起こったことがあったんですって。
僕はすぐに、「あぁ、”君をのせて”みたいで良い話だなぁ、と思いました。考察記事でも書いたけど、僕は「きわどい季節」って”加瀬さん版「君をのせて」”だと思っていますから。
そう考えると、阿久さんの載せた歌詞は加瀬さんのメロディーとは一見乖離がありそうに思えるけど、いざジュリーが歌うと実はそんなことはないぞ、と。
阿久さんの詞は「これから君の本当の人生が始まる。迷わず行けよ」ってことだと思うんですよね(まぁ、しつこいようですが僕はこれ、父親が二十歳になった娘を思うシチュエーションなのでは、と解釈していますが)。それは、ジュリーが独立した時期に加瀬さんが「これからは自分の好きなことをやれば良いよ」と言葉をかけてくれた、という話とシンクロします。

あとね、川越でも書きましたが、最期の転調後のサビからGRACE姉さんが本当に繊細で美しい3連ハイハットの刻みを入れてくるんです。
曲のテンポは変わらないのに、そのハイハットが加わることで何かスピード感が出てきて、「時が流れ出した」ような雰囲気になります。
そこでジュリーがあの優しい伸びやかな声でダメ押しのサビを歌うわけですから・・・同じ歌詞のリフレインなのに、それまでとはニュアンスが違って聞こえてくるし、両手を拡げるジュリーは今、あの時(独立した時)加瀬さんにエールを送られながら選んだ道を真っ正直に歩いてきたんだなぁ、としみじみ思えます。

いやぁそれにしても、下山さんのアコギの弾き方も本当に「君をのせて」にそっくりだったな~。

~MC~

長くて楽しい「加瀬さんとの思い出」MCでした。
詳しい内容はもうご存知のかたも多いでしょう。ここでは特に面白かった(と同時にジュリーの暖かな語り口に癒された)2つの話題・・・「ツアー中での加瀬さんのいたずら・あれこれ」と「加瀬さんの恋とその後のマイッタ話」についてだけ、書いておこうと思います。

まず、加瀬さんのいたずらについて。
ジュリーは何と6つの「本当にあった怖いけど楽しい話」を披露してくれました。
このうち、渋谷2日目の「新曲(僕はそれが「泣きべそなブラッド・ムーン」だった、と参加されたみなさまの情報で知りました)の歌詞を盗みとられた事件」、北陸シリーズ移動中の「ドライヴインの休憩時に突然雨が降ってきた事件」、そして(ジュリー曰く「一番凄いの」だそうですが)明石での「老人会の開演時間勘違いによる2階席ガラガラ事件」の3つは、空で見護る加瀬さんも「こらジュリー、俺のせいにするな!」と苦笑していたかもしれませんが・・・残る3つの事件は、「本当に出た」っぽいですよ。

オープニングBGMについての話は
「都会では「僕達ほとんどいいんじゃあない」、地方では「FRIENDSHIP」をかけるつもりでいたんですが、「FRIENDSHIP」をかけようとしていたのに、「僕達ほとんどいいんじゃあない」がかかってしまったことがあったんですよ・・・しかも2回!」

さらには
「ステージが終わって、ワタシが先に楽屋に戻った時には通路に電気がついていたのに、遅れて鉄人バンドのメンバーが退場したら、電気が消えていた」
このお話はツアーの結構初めの方でしてくてれたみたいですね。コメントで教えて頂いたんですけど、「それって・・・本物じゃん!」と思いましたよ。

そして、川越の事件。
川越公演に参加した僕はその時点でのいきさつをジュリーのMCで聞くことができていますから、これは川越とファイナル双方のMCを詳しく書くことにしましょう。

ウェスタ川越は新しいホールで、ジュリーも初めて使う会場だったようですね。
以下しばらく、川越でのMCから。

「ホールによって楽屋も色々とありますが・・・ここは楽屋にピアノが置いてあるんです。
ピアノと言っても大きなグランドピアノじゃなくて、アップライトみたいな(おそらく、弦を垂直に張ってある家庭用のタイプなのでしょう)やつで。
部屋は冷房が効いているんですが、設定温度が22℃ですよ!いくら何でも寒いやん・・・?
だからワタシ、スイッチを切ったんです。
その後しばらく部屋を出ていて、戻ってきたら切ったはずの部屋の冷房がまたついてるんですよ!」

「よく見ると冷房のところに紙が貼ってあったことに気がついて。ピアノに最適の温度に設定してあるので、スイッチを切らないでください、って書いてあるんですよ。
ワタシが勝手に切ったから、ホールの人がピアノのためにまたつけに来たんかな、と思いましたが、これ、そんな気を遣うほどのピアノか~?とか思って(笑)。
だって、22℃ですよ?
ピアノはいいけどワタシの身体はどうなります?せめて、ピアノとワタシを同等に扱って頂きたい!」

「その話をみんなにしたら、「(ジュリーが部屋を出た時にまた冷房つけたのは)加瀬さんだよ~!」と。
一応ホールの人には「これこれこういうことがあって、ワタシが一度消しました」と伝えておいたんですが、まだ何の返事もない・・・もしや今頃、大変な騒ぎになっているのではないでしょうか(笑)」

・・・と、川越のMCはだいたいこんな感じ。

この時点では、「ジュリーが出ていった隙にスイッチを入れたのは加瀬さん」という説はまぁ冗談で、ホールの人がピアノを気遣ってつけに来たか、消すと自動的に再点灯する仕組みになってるんだろう、ということでジュリーも話をしていたと思います。
ところがフォーラムではその後日談があって

「その日(川越公演当日)は土曜日ということで、ホールについて詳しい人がいなかったらしくて。
後日改めて聞いたところによると、誰もスイッチをつけてなどいない、消したらまた自動的に着く設定などしていない・・・そもそも

そんなことは出来ない!

と言うんですよ。だからこれは加瀬さんの仕業!」

これ・・・さすがにどう考えても、本当に加瀬さんお出ましになっていますよね?
いやぁ何故でしょうか、全っ然怖くない。
むしろ、すごく暖かい気持ちになります・・・。

続いて、こちらも川越MCで途中まで話してくれて、いいトコで切り上げて「続きは国際フォーラムで!」と予告してくれた、加瀬さんのちょっとほろ苦い恋の話と、そのとんでもない後日談。

「加瀬さんが「(好きになった)女の人と会うことになっているんだけど、ついてきてくれないか」と言うのでワタシもついていったんです。そしたら相手の人は、ワタシも顔をよく知ってるモデルさんで。
その後、その人の家に遊びにいくこともあって、ワタシもまたついていって。大きな家で、甥っ子さんや姪っ子さんも一緒に住んでて、挨拶したりしてね。
結局その人と加瀬さんは、加瀬さんが思ったようにはいかなくて・・・ワタシもずっと胸にしまっていたんですが、何年か経って、ワタシとは違う音楽事務所の人とお話する機会があって、その人がいきなり
「実は私、以前沢田さんがつき合ってた女性と今おつき合いしているんですよ」
と。
はぁ?」(笑)
「だ、誰ですか?」と尋ねると、それが加瀬さんと一緒に会ったそのモデルさんのことだったんですよ。なんでも、その人がそのモデルさんの部屋で甥っ子達とテレビを観ていたら、ちょうどワタシがテレビに出てて、甥っ子がワタシを指差して
この人、家に来たことある~!
と言ったんだそうで(笑)。
ワタシは「いや、違います違います」と言ったんですが・・・加瀬さんの名前は絶対に出せないわけですよ~。ただひたすら「いやいや違います。本当に違います」と言うしかないんですが、その人は「まぁまぁいいからいいから」みたいな感じで「ふ~ん、そうだったの~」とか言ってるんですよ・・・」

結局その音楽事務所の人は「ジュリーの元カノとつき合った」と思い込んだまま、もう亡くなられたそうです。加瀬さんもジュリーもずいぶん若い頃の昔話でしょうが、ジュリーはずっと胸にしまっていたんですね。
加瀬さんがあんまりいたずらするので、ツアーの最後にお返しで話しちゃった?

その他にも、ローリング・ストーンズのパリ公演を2人で観に行った時の加瀬さんの愉快な行動の話など、いつまでも加瀬さんのことを話していたそうなジュリーでしたが、時はあまりに早く過ぎゆきます。
照明が切り替わって、鉄人バンドの4人も再登場。
ジュリーはいつものようにメンバーひとりひとりを紹介すると、大きな拍手を受けながら
「それでは、よろしゅうございますか?」

KASE SONGS、あとみっつ~!!

~アンコール~

21曲目「
TOKIO

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LIVE翌日、カミさんが言っていました。「TOKIO」は別格やな、あの曲はやっぱり凄い、と。
そうだよねぇ・・・詞曲ともに完璧なだけでなく、あのパフォーマンス。幼い頃にテレビで観ていたパラシュート。意味は全然分からなかったけれど、圧巻でした。「他の人とは違う」と感じていたと思います。

「賛否ある中で色々なことをやってきた」とこの日もジュリーは加瀬さんとの思い出話をしてくれたけど、当時次から次へとビックリさせてくれるジュリーの新曲でのパフォーマンスに、子供達は大喜びでした。
シングル・リリース時、僕は小学校6年生だったんだなぁ・・・。加瀬さんは「女性と子供に圧倒的に支持されているジュリー」を誇りに思っていたでしょう。

僕はこの日の「TOKIO」で、下山さんの演奏に注目してみました。『ギター・マガジン』のインタビューで下山さんは「勝手にしやがれ」や「TOKIO」について「僕のパートがない(レコーディングされているギター・トラックがひとつしかない)ので、自分で自分のパートを作っている」と言っていたのをふいに思い出したのです。
ダウン・ピッキングの連打とコードの突き放しの組み合わせ・・・見事なバッキング・パートです。

帰宅後、「下山さん不在のジュリワンでは、どんな感じだったっけ?」と思い立ち、DVDを観ました。
泰輝さんが通常のジュリーLIVEとは違う演奏を加えていたことは覚えてる。でもギターは?
確認して驚愕。加瀬さんのギターが凄いんです!
今まで、ジュリワン「TOKIO」の加瀬さんの演奏と言えば、宇宙遊泳のピッキング・スクラッチしか印象に残ってなかったけど、とんでもなかった・・・。
正に職人技のギターでした。当然下山さんとも全然違ったアレンジで・・・柴山さんとのアンサンブルは、華麗にして綿密、「理に聡い」ギターでした。僕の中の加瀬さんのイメージは、またひとつ修正されました。
しかも、その素晴らしい演奏の合間を縫って「チャ・チャ!」の手拍子や「ト~キ~オ♪」の腕振り上げもやってるんです。手を振り上げた、と思ったら次の瞬間には「じゃ~ん♪」と本当に的確なタイミングでギターを鳴らしています。

あぁ、ツアー前に、いや少なくともファイナルのフォーラムの前にそういうことに気がついていれば、「TOKIO」では加瀬さんと下山さんのギターの比較で、もっと楽しい見方も色々できただろうになぁ・・・。

ジュリーの片足立ちはこの日も完璧。
これ、ツアー途中からジュリーにとっては、何かゲンかつぎみたいなパフォーマンスになってたのかなぁ。ファイナルまで見事、完走です!

22曲目「
気になるお前

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次の「海にむけて」が「KASE BALLAD」の大トリなら、この「気になるお前」は「KASE ROCK」の大トリ。
『ジュリー祭り』に参加した頃の僕は、この曲がこれほどジュリーLIVEにとって重要な、大切なロック・ナンバーだとは分かってなかったなぁ・・・。

間奏リレーでは、また下山さんがドラムセットとキーボードの後ろを徘徊して柴山さんのソロ部で上手側に出現してのフロント3人横並びのシーンなどもあり、ツアー・ファイナルにふさわしい熱唱・熱演でした。でも、この日の「気になるお前」では何と言ってもGRACE姉さんのドラムスについて語らなければなりません。
本当に凄かった。
GRACE姉さんがこんなふうにこの曲を演奏するのを、僕は初めて観ました。

病み上がりでのこの過酷なスケジュール・・・体力的にも相当大変だったかと想像しますが、GRACE姉さんは鉄人バンドの紅一点として誇り高い責任感と矜持を以って、見事な完走。
そして、最後の最後に「加瀬さんのためにもすべてを出しきろう」と特別な気持ちでフォーラムに乗りこんでいらしたのではないでしょうか。
「許されない愛」のフィルで「おっ、姉さん今日は凄いぞ!」と気づいてはいたけど、「気になるお前」ではもう・・・余力を全く残さない、というくらいのドラムスで。

僕は、この曲が始まって最初からドラムスに注目していたわけではないんです。基本ジュリーを観つつ、Aメロ途中の「ずっ、ちゃっ、ちゃ~♪」で下山さんがどんな動きをするか、チェックしていました。
いきなりの”2回転ジャンプ”をキメる下山さん。川越での1回転は近くで観ていて、翌日の松戸では2回転だった、とsaba様のブログで知りました。
ファイナルでも引き続き2回転ジャンプ成功!(いや、ぴょんぴょん跳んで着地を繰り返しながら回っているので、正確には「ジャンプ」ではないんだけど)

で。
下山さんジャンプ箇所(=ジュリーの腰ひねり箇所)の最後のシーン、2番の2回し目も僕は下山さんの動きに注目して見ていたんですが

こっちを振り向く ♪
(だ、だ、だ、だん!どん、どん!)

という、物凄い音量のドラムス・アドリブが来て、飛び上がりました。あまりにビックリして、その瞬間はジュリーも下山さんもどんな動きをしたのかまったく見えていません。「あっ!」と思ってGRACE姉さんに目が行っちゃったからね~。
こんな演奏が聴けて、本当に嬉しい!

曲は続いて、音階楽器がサ~ッと消えてジュリーと一緒に会場みんなで拳を振り上げる「きっと、いつかは♪」の盛り上がり部。
ここでジュリーのヴォーカル以外に鳴っているバンドの音は、「ちゅく、ちゅく、ちゅく・・・」という柴山さんのブラッシングと、GRACE姉さんのエイトビートです。
そのドラムスの音が突然

    渡さ~ない~で ♪
(だん!→3拍無音)

分かります?
「渡さないで♪」の「わ」の手前で強烈なスネア・アクセントを一発、その直後3拍ぶんを無音で通してから、フィルで戻ってきたんです。
この無音で、ジュリーが歌うドスの効いた「わ~た~さ~ない~で~♪」が、どれほど強調されたことでしょうか。GRACE姉さんのドラムスの変化に気づけなくとも、ここでジュリーのヴォーカルを「凄い!」と感じたお客さんはたくさんいらしたはず。
それは、GRACE姉さんのこの日のドラム・アレンジが引き出したヴォーカルなんですよ。

全力で押し、全力で引く・・・GRACE姉さんの爆裂ドラムに、比類なき歌心あり!
「KASE ROCK」にふさわしい、ジュリーのこの日のステージにふさわしい、素晴らしいドラムスを魅せて、聴かせて貰いました。GRACE姉さん、ありがとう!

23曲目「
海にむけて

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ジュリー、泣いてたなぁ・・・。
この曲ではまだ大きく音程を外すようなことは最後まで無かったけど、泣いているのが分かりました。「むせび泣いて泣くよ」のところなんかは、特に。

加瀬さんの突然の旅立ちを知らされた時、この曲のジュリーの歌詞を思った人は多かったのかな。
リリース時に加瀬さん自身が「ジュリーの詞が良いんです」と語ったその歌詞は、当然ジュリーと加瀬さんとの別れを歌ったものではあり得ないわけだけれど。僕には「海にむけて」が加瀬さんの遺作のように思えてきてなりませんでした。
実際には加瀬さんはこの曲をジュリーのために作ったその後にも、ジュリワンでたくさん曲を書いてくれているのにね・・・何故か「海にむけて」が最後の1作であったかのような錯覚。不思議なことです。

ジュリーの歌が進んで、泰輝さんのキラキラしたキーボードが噛んでくると、ステージ全体が厳かな光に包まれていくような感じでした。
最後の「舞わせてあげる♪」では涙で発声もちょっと乱れそうになりながら、すぐ次の「すぐに会おう、きっと♪」を、決意するようなニュアンスで歌ったジュリー。
その姿にピンスポットが当たり、鉄人バンドの姿は暗がりに見えなくなって・・・いつものように柴山さんのフィードバックでピタッと終わる、と思ったら、「キ~ン」という残響音をなかなか切ろうとしない柴山さん・・・この演奏もやはり、前曲「気になるお前」のGRACE姉さんのドラムス同様に、柴山さんの中にこのファイナルに臨んでの強い思いがあり、こんな演奏に至ったに違いありません。

YOKO君が大宮の打ち上げで言ってました。「加瀬さんは本当に凄いギタリストなんだ」と。
これは彼が参加前にジュリワンのDVDを集中して観て一緒にギターを弾いてみたからこその言葉だったんだ、と今なら分かります。僕は今頃になってYOKO君と同じことをして、「加瀬さんのギター、凄い!」と実感しているところですから・・・遅いよねぇ。
YOKO君曰く
「今回の柴山さんのSGV使用は、まずギタリストとしての加瀬さんへのリスペクトだと思う」
と。
「海にむけて」で最後にもう一度SGVに持ち替えた柴山さんは、ピンスポットで遠くを見つめるジュリーの姿に切ないフィードバックの音をいつまでも重ねて、この曲の演奏を終えたのでした。

これで柴山さんとしては「音で加瀬さんを送った」という思いだったかもしれませんが、僕はそのフィードバック音に乗って、逆に加瀬さんがハッキリ出てきちゃったような気がするんですよね・・・。
「ジュリー、もう終わり?」と。
なんとも言えない雰囲気の中、大きな大きな拍手が起こりますが、「これで終わってしまう・・・自分はちゃんと加瀬さんを送ることができたんだろうか?」と考えていたお客さんもいらしたかもしれません。

ジュリーは(この時は)いつものように、長い長いお辞儀をして、鉄人バンドをひとりひとり紹介して、「ジジィでした~!」と手を上げて・・・でも、お客さんの熱狂的な「ジュリ~!」の声援が飛び交う中、じっと遠くを見つめながらその場を動こうとしないのでした。
この日僕は、歌い終わったジュリーがマイクをそっとポケットに しまいこむシーンを見逃しました。今思えばその時、別のポケ ットには携帯が入っていたんだね・・・。

24曲目「
想い出の渚

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この感動のフィナーレについては前回の更新で詳しく書かせて頂きましたきましたので、まずはそちらの記事をご参照ください。
ここでは、少し補足と言うかその後のあれこれを書き足しておきたいと思います。

しょあ様やNasia様がその前回記事についてそれぞれのブログで言及くださり本当に嬉しかったと同時に、自力では辿り着けなかった解釈を教えて頂くこともできました。(ありがとうございます!)

1番の後(音源で言うところの間奏の直前)にジュリーが泰輝さんを振り返って何か声をかけたシーンについて、Nasia様が「サビ!」と言っていたんじゃないか、と書いていらして、僕はまたしても「あぁ、そうか!そんなタイミングだったかもしれない!」と。
このことは、しょあ様も書いていらっしゃるように、「想い出の渚」楽曲構成最大の肝(ということすら僕は長い間気づけずにいたわけですが)である「2番の歌メロはサビから(ミドル・エイトの加瀬さんのソロがそのままAメロの進行になっている)」ということにも深く関わってくると思うんですよ。
なるほど、ジュリーはそうやってぶっつけ本番の泰輝さんをリードしたのかなぁ、と。

あと、僕が「”ボイス・フィルイン”で泰輝さんに譜割を知らせる」と書いたことについてしょあ様が「解説プリーズ」と仰っているのでここで説明いたしますと。
「想い出の渚」のその箇所。オリジナルでは

いつまでも ♪
C7         B7

と進行しますが、この日の泰輝さんは

いつまでも ♪
F#m       B7

と弾きました。
実は泰輝さんが弾いたのは

あの 夏の日 ♪
F#m   B7   E

というキメ部と途中まで同じ進行なんです。
「いつまでも♪」と「あの夏の日♪」を歌い比べて頂ければお分かりのように、この2箇所はその後で引っ張る小節数が違うんですよ。
「いつまでも♪」の後は「B7」で2小節、「あの夏の日♪」の後は「E→C#m→F#m→B7」の4小節です。
ですからあの瞬間、ジュリーと泰輝さんとの頭の中で「次の区切り」までに準備する小節数とコード進行が異なっていたことが考えられます。
ジュリーは瞬時に泰輝さんの「F#m→B7」に合わせて歌のメロディーを変えましたが、その後2小節で(オリジナルと同じ譜割で)Aメロ2回し目に行きたかった。そこで泰輝さんが分かりやすいように、口でフィル・インを繰り出した・・・これが僕の推論でした。

それともうひとつ書いておきたいのが、いつもお世話になっている先輩が仰っていた、この日の「想い出の渚」についての見解。僕のそれとは少し違うんですけど、長年ジュリーを見続けてこられた先輩ならではの説得力のあるお話で・・・感動させられました。
あの時、最初は確かにジュリーは伴奏無しのアカペラで歌う気でいた。でもいざ歌おう、とした時「アカン、歌いだしたら泣いてしまう」と悟ったんじゃないか、と。
伴奏無しで歌っているのに泣き出してしまったら、完全に場が途切れてしまいますからね・・・それで急遽、泰輝さんに暗に助けを求めたんじゃないか、泰輝さんもすぐに察して伴奏を買って出たのではないか、というお話。これまた目からウロコです。

ジュリーという人を客席から観ていた時、さすがみなさん、同じものを観ていても、人それぞれにその人なりのステージへの「思い」から得ている、独自の見解が自然に出てくるものなのですね。

いずれにしても、状況に応じて瞬時に対応するジュリー、それに応える泰輝さん、2人とも凄い!
本当にプロフェッショナルとは凄いものです。
「想い出の渚」がいかに素晴らしい名曲であったかを教わったことも含め、とても良いものを魅せてもらい、聴かせてもらった、と今はただ感謝しかありません。


そして、とうとうこの楽しいツアーも終わってしまう時が来ました。一番名残惜しそうなのは「想い出の渚」を歌い終えたばかりのステージ上のジュリーのようでしたが、ジュリーは自分に言い聞かせるように
「キリがないので・・・シメますよ!」
と。
「5本締めで!」と宣言したジュリーの言葉に「えっ、それ分からない!」と焦っていたのは、どうも僕だけではなかったみたいですけど。
ともかく、5本締めなんてものの存在すら知らなかった僕は「どうしたものか」と困っていましたが、ふと気づくとGRACE姉さんが立ち上がって腕を掲げ、ひとさし指とひとさし指を合わせてスタンバイしてくれていたので、ひと安心。
あとは会場のみなさんについていくだけでした。
「たたたん、たたたん、たたたん、たん!」の手拍子を、最初は両手1本ずつのひとさし指で、次にひとさし指と中指の2本で、といった感じでひとつづつ打つ指を増やしていく・・・これが「5本締め」だったんですね。
指が増えていくに従ってどんどん音が大きくなるので「末広がりで縁起が良い」のだとか・・・。

こうして、ジュリーも鉄人バンドの4人も、楽屋にいた鳥塚さんや島さん、ピー先生・・・そして僕らファンも、みんなで無事、加瀬さんを送ることができたのでした。

心から涙し楽しんだ素晴らしいファイナルでした。
ステージが終わって帰路につくお客さんの、なんとも晴れやかな余韻と笑顔。昨年の同じ日の帰り道は、顔見知りの先輩に出会っても何と声をおかけすれば、という状況だったことを考えると、今年は本当に良かったなぁと思いました。
終演後のフォーラムは、まったく知らない人にも「良かったですねぇ」と話しかけたくなるような暖かい空気に満ちていました。実際僕らは、偶然同じ道のりをお帰りだった車椅子でご参加のお姉さんと行き合わせて少しお話する機会に恵まれたりして。
とにかくみなさん笑顔、笑顔なんです。

加瀬さんのおかげですよね・・・。

この日フォーラムの会場にいた人も、遠くから念を送っていた人も・・・今、たくさんの人の心の中で、加瀬さんは生きています。
誰も加瀬さんを忘れはしません、いつまでも。
加瀬さん、素晴らしい名曲の数々、名演の数々を本当にありがとうございました。

ジュリーはこれからも、加瀬さんの曲を歌い続けてくれるはずです。
そうだ、今ジュリーはお正月のセットリストを考えているところだろうから・・・加瀬さん、何か1曲レアなやつをジュリーにリクエストしてみたら・・・?
ジュリーも「これからも、いつでも出てきていいんだよ」と言ってたじゃないですか。

お正月、また加瀬さんの名曲に逢えるかな・・・?


20151103

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2015年11月 1日 (日)

2015.10.24ウェスタ川越 沢田研二『こっちの水苦いぞ』ちょっと駆け足レポ

お待たせしてしまいました。
ジュリーと鉄人バンドは過酷なスケジュールを元気に乗り越え、いよいよ加瀬さんを送る全国ツアーも残すはファイナル、東京国際フォーラム公演を残すのみとなりました。早いものですね・・・寂しい気持ちです。

僕はと言うと実は先週、ずっと応援していたアマチュア棋士が30才の若さで病気で亡くなってしまって・・・ずいぶん落ち込んでいたのですが、なんとか気をとり直しまして、10・24『こっちの水苦いぞ』川越公演のレポートをお届けいたします。
(やっぱりいつものようなスタイルのレポだとフォーラムまでに書き終えられそうになかったので、簡単な駆け足レポとしてupすることとなりました)

さて今回の川越公演、僕は1階7列目(ここからフロアが1段高くなっています)・・・ちょうど柴山さんのコーラス・マイク真ん前というとても素晴らしい席でした。
ジュリーの動きや鉄人バンドの演奏についても色々と再発見がありました。今回書ききれなかった細かい部分については、フォーラムのレポートを今度こそじっくり書く際に、それぞれの曲目の項で思い出し書き足していければ、と考えています。

それでは。
セットリスト順に楽曲ごとの感想からサクサクと!

危険なふたり

Acollection

今回の松席を報告したらYOKO君が
「柴山さんのリフ1発目の音がビフラートかチョーキングかチェックよろしく!」
と言ってきました。
さすがに初っ端1音目チェックは無理。絶対ジュリーを見ちゃうもの・・・。
でもそれ以降のリフは結構注意して観ていました。1音目はビフラート、2音目から3音目への移行がチョーキングです。後日YOKO君に伝えると、「ギター・ストーリーズ」での堯之さんの演奏と同じだね」とのこと。

ジュリーの
「年上のひと♪美し・・・(イヤイヤイヤイヤ)」
はこの日も炸裂。隣のカミさんはじめ、多くのお客さんが声に出して大ウケしていました。

恋は邪魔もの

Acollection_2

こちらもYOKO君から指令あり。オリジナル音源にある「びよ~ん♪」というシンセサイザーが再現されていたか、という(←大宮では2人して聴き逃していました)。
泰輝さんが上段のキーボードでしっかり出していますね。音が相当長く伸びる設定らしく、手動でボリュームを絞る”神の両手”もしっかり目撃しました。

エンディング、「あっはあ~ん♪」を1個すっ飛ばして「じゃ~、つ、じゃ~、つ、じゃ~♪」の手刀アクションを繰り出してしまったジュリー。
何事もなかったかのように「あっはあ~ん♪」の部分を譜割通りに演奏する鉄人バンドをギョッとした表情で振り返りつつ、改めて正しい箇所で手刀をキメるも、最後の1和音で頭を「ポン!」と叩き「やってもうた!」みたいな表情を見せてくれました。

許されない愛

Julie2

柴山さんの「じゃ~つく、じゃ~つく♪」のバッキング。導入の1小節は「F#m」で4拍、直後に4拍目の裏で「E」のローコードへ一瞬移行してシンコペーションさせます。
ってことは半音キーを下げてるのか~。コード・フォームが見えるとどうしてもそんなことにも気づいてしまいます。あまり考えないようにはしているんですけど。

下山さんのリードギターは粘りのある音色のアドリブ。大宮とはかなり異なったフレージングで、たぶん各会場によって微妙に変わってるんじゃないかな。

死んでもいい

Acollection_3

「愛の、愛の、愛の♪」の箇所は吐息ヴォーカルが封印されていましたか?
ギリギリと絞り出すような発声に変わっていたように感じました。僕はこちらの歌い方も好きですね~。

毎週YOKO君とやりとりしているスコア研究、先週の課題曲がこれ。彼曰く「いざ弾いてみると、ギタリストの作曲として大変な名曲だと分かる」のだそうです。

白い部屋

Acollection_4

大宮ほどハッキリとした感じではなかったけど、やっぱりこの曲の2番Aメロ冒頭の歌詞で何かジュリーの胸に込み上げてくるものがあるようです。
ジュリーはどんなシーンを思い出していたのでしょうか・・・2回し目に入ると気持ちを立て直していました。

追憶

Jeweljulie

イントロ、タオルでゴシゴシゴシ・・・と念入りに顔を拭いてからこちらに向き直るジュリー。
「白い部屋」の涙を拭ったのかなぁ?

演奏は1音下げのニ短調のようです。
伴奏部のキメである「レッレ~、ファッファ、ソッソッソラ~ド♪」は、まず泰輝さんがストリングス系で弾いた後、柴山さんの「Dm→F→G→Am」のコード・プレイのぶっとい音が噛みます。この柴山さんの音がオリジナルのホーン・セクションを代行しているのですね。
それにしても、この箇所ではドミナントが「A7」ではなく「Am」なのか・・・勉強になります。

あなたへの愛

Acollection_5

今度はイントロでジャケットを脱ぎ、丁寧にスタンドにかけるジュリー。それが本当にゆったりとした優雅な動作で、僕などは浅はかにも「歌い出しに間に合わないんじゃ・・・?」などと余計な心配をしてしまったのですが、そこはさすがのジュリー。振り返ってステージ前方に進みマイクを手元に引き寄せると、それがちょうど歌い出しの瞬間という神技です。

Aメロ、柴山さんの演奏に進化が。ベースラインとコード弾きと単音オブリガートの同時プレイです!

胸いっぱいの悲しみ

Julie6

Aメロ出だしのジュリーのアクションに釘付け。この日はあまり大げさに振り降ろさずに軽くスッと動かす感じがとても優しげで、こういうのも良いものですね。
ジュリーはこの曲の途中で一瞬軽く咳き込むシーンがあったりしましたが、歌っていくうちに声に素晴らしい艶が注入されていきます。

おまえがパラダイス

Gsiloveyou

前曲から続いての3連ロッカ・バラードは、ジュリーの声がどんどん良くなってくるのを実感できます。
情熱的な掌、縦にノるアクションが曲の進行につれて
倍増されていくヴォーカルは、タイガース時代に「タイム・オズ・オン・マイ・サイド」など洋楽の3連ナンバーを歌ったことで花開いたジュリーの天性でしょう。

夕なぎ

Singlecollection1

下山さんのアコギが渋過ぎます。「跳ねる」感覚を一手に請負っている感じ。
オーギュメントの箇所は2小節続けて引っ張っているんだなぁ。同じコードなのに1小節ごとに違って聴こえるのは、アンサンブルの魔法ですね。

泣きべそなブラッド・ムーン

Kottinomizunigaizo

下山さんは出番まで仁王立ち状態。Aメロ途中のアルペジオは空間系のエフェクトで噛み、サビ直前でエフェクターを踏むと柴山さんと共にゴリゴリの歪み系に。
一方で、「柴山さん、本当にアンガス・ヤングみたいやな~」とは、AC/DCに詳しいカミさんの感想。この曲から新曲4曲通してSGですからね。

ちなみに、抜き打ちでしょあ様の個展を訪れたYOKO君は、ギャラリーに入るなり「アンカズ・ヤングどれ?」といきなりのひと言だったらしいです(「失礼なことをしてしまった」とは後日の本人談)。

涙まみれFIRE FIGHTER

Kottinomizunigaizo_2

エンディングのディレイが深くて、ジュリーはその音響設定に身体すべてを預けるような魂の咆哮を宙に向けて何度も何度も繰り返しました。鳥肌立ちました。

こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo_3

歌詞を聴いていると、本当にジュリーは今現在も為政者や経済人に言いたいことはたくさんあるだろうな~、と思うけれど、ステージのこの曲は何処までも武骨なロックです。自然に客席の手拍子が起りました。

慕ってますフォーメーション”では、柴山さんの切り替えシーンを初チェック。
おぉ、それまでのバッキング・ストロークのハイコード・ポジションをそのまま利用して移行するのか~。1小節限りの神技、素晴らしい!
下山さんのアコギはCD音源やこれまで参加した2会場とは異なり、最後のDmaj7直前にハッキリとルート音が加えられていました。4弦の開放かな?

限 界 臨 界

Kottinomizunigaizo_4

最後のリフレインのGRACE姉さんのタムが凄い!
「未熟でも若い者」達に惚れこんでしまった僕は、今は今年の新譜の中でこの曲が一番好きです。

ウィンクでさよなら

Acollection_6

イントロ、両ギタリストの前方せり出しあり。

今回の川越で一番嬉しかったのは、大宮参加後「新曲で色々と考えさせられて、その後の加瀬さんの曲に気持ちがついていけなかった」と落ち込んでいたカミさんが、この日は最後まで楽しそうにしていたこと。
新曲直後のこの曲のイントロでもすぐに手拍子していました。近くで見るジュリー、肌に直接ぶつかってくるヴォーカルと、鉄人バンドの演奏。
川越の素晴らしい席を授かった時、近くでジュリーの歌を聴けばきっとカミさんの受け止め方も良い方に変わるだろう、とは確信していたけど、本当に良かった。
新曲も凄く良かったって。嬉しい!ありがとうジュリー!

さて、ジュリーは「I love you♪」「I need you♪」の歌詞部と求愛ポーズのタイミングを少し遅らせることにしたようです。2つを同時に合わせると(体力的にも位置どり的にも)本当に大変ですからね~。

バイバイジェラシー

Stripper

何も言うことはないです・・・ただひたすらジュリーの声と鉄人バンドの演奏にノリました。酔いました。
お客さん、ジュリーが大暴れする例の箇所では大騒ぎ。
柴山さんのリードギターも相変わらず凄い・・・でも川越では僕はそこでGRACE姉さんのドッカンドッカン言わせるドラムスに痺れていました。カッコイイです!

甘いたわむれ

Singlecollection1_2

まるでわざと失敗音を出そうとするかのようなジュリーの指笛連発ですが、これがキレイに鳴って絶好調。しかも歌い出しギリギリまでやってるのは凄い・・・ブレスのコツがあるのでしょうか。
エンディング最後の最後でようやく思惑通りに(?)「スカッ」とやらかして地団太パフォーマンスを魅せてくれるジュリーなのでした。

イントロなどに登場するパーカッション、GRACE姉さんは普通にカウベルでした。何故今までウッドブロックの音に聴こえていたのか・・・(恥)。

恋のバッド・チューニング

Badtuning

これまた、狙ってやってるんじゃないか、というくらい見事な「バッ!バッ!・・・バッ!バッ!」のリピート部の先走り。「あれっ?」みたいな表情で鉄人バンドの演奏を確認する仕草に続いて正しい箇所にすぐさま舞い戻るジュリーに、僕は「千両役者」の貫禄を見た思いがしますが、本気で間違った・・・のかなぁ?

ねじれた祈り

Kitarubeki

柴山さんのベース・イントロでお客さんの「きゃあ~!」が凄いです。
間奏後、いったん出番が無くなる柴山さん、照明が当たっていなくて(ここはジュリーのピンスポット)客席からは影しか見えない状態の中、頭上で手拍子を煽る煽る!後ろの席だとこの柴山さんのシーンは見えないのかもしれないな、と思いました。

きわどい季節

Royal80

開演前にしょあ様にお会いして、「きわどい季節、途中からギターの音になるから、コンソールで変えてるのかエフェクターで変えてるのかチェックして!」と指令を授かったものですから、気合入れ直して臨みましたが・・・あらら、最初から3連のアルペジオ?
柴山さん、普通にギターじゃん!
ビックリ・・・大宮とは違う。
じゃあ、今実際に鳴ってるベース音は一体誰が?と探すと、泰輝さんの下段キーボード、左手のリズムが音と連動していました。

アドリブ部分ならまだしも、ツアー途中でバンド・アレンジを変えることなんてあるのか、それともコンソールのスタッフさんの顔ぶれによって臨機応変にやっているのか・・・本当に謎は尽きません。
YOKO君に報告したら
「どっちもあり得るし、当日の会場リハの時に全体の音響を確認してから決めてるのかもよ」
との返事でした。

転調後の最後のサビからGRACE姉さんが3連の刻みを入れてくるアレンジを確認。
それまでハイハットは淡々と1拍ずつの頭打ちですから、この最後のサビで劇的に全体の印象が変わります。必要最小限の人数、ドラムスのアレンジだけでこれほどの再現力・・・鉄人バンド恐るべし!

TOKIO

Tokio

何度も生で聴いますが、この曲ほど「アンコール」が似合う曲も無いなぁ、と改めて思いました。
ジュリーはブレイク部の片足立ち宇宙遊泳を今ツアー中ずっと通しているようですね。体力的にも相当キツイ動作だと思いますが・・・。
それにしてもここからの2着目の衣装はカッコイイです。細く見える、と言ったら失礼なのかもしれないけど、僕にはそう見えます。ただ、よくみなさまがボタンのチェックをしていらっしゃるようなのですが、僕にはそれが(近い距離で観ていたこの日も)何のことやら分からないという・・・情けない。

気になるお前

Julie6_2

この日の松席で特に楽しみにしていたのがこの曲の間奏シーンを間近で観られること。
注目は下山さんです。まず最初のソロ部では、結構上手側近くまで進出してきて動き回りながらの演奏。一度定位置に戻ったあたりでキーボード・ソロが始まるや、音もなく(いや、ギターの音は出してるけど)ドラムセットの後方に回り込み、そのまま涼しい顔でジュリーと柴山さんに煽られている泰輝さんの背後を通過。
そして上手端から前方に進み出て、ジュリー、柴山さんと3人並びになって盛り上がります。
間奏が終わってゆっくりと定位置に戻ったタイミングがちょうど「ずっ、ちゃっ、ちゃ~♪」の箇所(ジュリーがちょっとツイストみたいな動きをしてくれるところね)。
下山さんはそこまでこの箇所でジュリーに倣うようにして軽く飛び跳ねてはいたんですけど、ソロ直後のここでは1回転ジャンプをキメていました(その後の情報によると、2回転にまで進化しているとか笑)。
さて来年は、下山さんの「ポラG」3回転ジャンプを観ることができるのでしょうか。

海にむけて

Rocknrollmarch

ジュリーは途中嗚咽するような感じはありましたが、全体としては涼やかに歌っていたと思います。
僕はまだこの曲でジュリーがハッキリと「泣いている」シーンを観ていません。会場によっては時々あるみたいですね。でもそんなシーンを「観たい」なんて言うのは不謹慎のような気がします・・・。

演奏直前に下山さんがアコギを構えて「いいよ!」みたいな感じでうなずいてGRACE姉さんに「準備OK」を伝えている様子をバッチリ観ました。
続くイントロでは些細なアクシデントが。ギターをSGVにチェンジした柴山さんですが、「気になるお前」のエフェクト設定が残ったまま最初のソロを演奏し始めてしまい、「やべっ!」と足で何かのエフェクターを踏んでオフにしていました。
その間僅か2秒くらいの早業でしたよ。音色から判断すると、柴山さんがこの時オフにしたのはオートフィルターじゃないかなぁ。いずれにしてもワウ系の鳴りがその瞬間に消えましたね。


・・・と、ホント、駆け足の簡単な感想ですみません。

MCも短めでしたが楽しかったです。
メインは川越フェスタの楽屋のお話、その話にも噛んで、加瀬さんのいたずらのお話です。
なんでも、開演前のBGMに「FRIENDSHIP」をかけると、加瀬さんが「お出ましになって」ジュリーにいたずらをするんですって。

「ワタシの頭から、歌詞を抜き取ってしまうんですよ。(頭を指差して)今ココにあったものを、ス~ッと抜き取ってしまうんです。どうやったらこんなことができるのか・・・あちらの世界に行った人でないと、その方法は分からないんでしょうねぇ・・・」

と面白おかしく話してくれて、見護る加瀬さんも喜んでいたんじゃないかなぁ。
僕は、「FRIENDSHIPをかけると、加瀬さんがお出ましになってジュリーの頭から歌詞を抜き取る」というのは、ツアーについて回っている加瀬さんが、2010年のジュリワン八王子公演での「FRIENDSHIP」の出来事を思い出して、ジュリーにそんないたずらをしたくなるんじゃないかなぁと勝手に思っています。

MCはその後加瀬さんの思い出話へと続き
「加瀬さんが、ある人と会うのに(緊張するので?)どうしても一緒についてきてくれ、と言うのでついて行ったら、相手はよく知ってる人だったので驚いた」
と、とても興味深いエピソードを語り始めてくれたのですが・・・何と
「この続きは国際フォーラムで!」
と焦らしてくれちゃって(笑)。
「(お客さんとしては)今さらそんなこと言われても、もう切符は売れちゃってる、ちゅうのになぁ」
とドSなジュリーでしたが、フォーラムのチケットの売行きが好調と分かり、嬉しいお話でしたね。

全国ツアーのファイナルが11月3日、東京国際フォーラム・・・昨年とまったく同じスケジュールです。どうしても、昨年の出来事を思い出してしまいます。
今年初めてジュリーのLIVEに、というかたもいらっしゃるでしょう。昨年は大変だったんですよ・・・ステージのジュリーに話しかけるような声がけがあって、ジュリーは悲しそうに「今日は気持ちよくステージが終えられない」と話して、会場が静まりかえって。

実は川越公演でも、ギリギリの出来事がありました。
やっぱり、ジュリーに話しかけるような声があって、ジュリーが集中力を取り戻すために(?)いったんステージから姿を消す、ということがあったたのです。
(ジュリーはその時何も言わずに去っていったので、これは個人的な推測です。でも、柴山さんやGRACE姉さんの硬い表情が強く印象に残っています・・・)

僕らファンは2012年のツアー以来、「新曲を聴いた直後の気持ちの切り替えが難しい」ということに常に向き合ってきましたが、ジュリーの立場になってみると、むしろ「新曲の後」ではなく「新曲を歌う前」の気持ちの切り替えがとても大切だと思います。
今ツアーで新曲前にジュリーが「ちょっと待ってね」からうがいをしたり色々と喋ってくれているのは、そうした「間」がこれから新曲に向かおうと気持ちを切り替えるジュリーにとって必要だからではないでしょうか。

新曲前のMC、アンコール前のMCと違いはあるけれど、川越でそんな出来事を体験したばかりなので、どうしても昨年のフォーラムのことをあれこれ思い出す日々。今年また繰り返すわけにはいかないよなぁ・・・。すべては僕らファン次第です。
加瀬さんを送る今年の全国ツアーを、ジュリーや鉄人バンド、お客さん皆が心地よく充実の気持ちで終えることができますように・・・そう願っています。

ということで次回更新は、11・3『こっちの水苦いぞ』東京国際フォーラム公演のレポートです。
今度はじっくりと、いつもの大長文スタイルでネチっこく時間をかけて書きたいと思います。
全文書き上げてからの一気更新とさせて頂きますので、upは11月中旬くらいになりそう。
どうぞ気長にお待ちくださいませ~。

20151024

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2015年9月 8日 (火)

2015.8.29大宮ソニックシティー 沢田研二『こっちの水苦いぞ』セットリスト&完全レポ

それでは、満を持して!
多くのみなさまにとりましては、もう完全に「夏の思い出」状態でありましょうが・・・8月29日大宮公演のレポートをお届けいたします~。

今回は、恒例の「執筆途中でupしてから日々ネチネチと加筆していく」スタイルではなく、全文書き終えてからの一気更新としました。
これを下書きしている間に、ジュリーと鉄人バンドのツアーは西へ西へと・・・大阪フェス、広島、長崎と、それぞれの会場参加までネタバレ我慢、と仰る先輩方を何人か知っておりましたので、頃合や良し、でしょうか(長崎ご参加のみなさま、おかえりなさいませ~)。
中には名古屋公演までネタバレ我慢!という猛者のかたもいらっしゃるのでしょうが、拙ブログでは今日の大宮レポートをもちまして、『こっちの水苦いぞ』ツアー・セットリストのネタバレ解禁とさせて頂きます。

いやぁ、一気更新という書き方は久々(ほとんど初めてか?)だったんですが、いつもの書き方と比べそれぞれの曲やMCについて思い出すことが多かったです。
執筆途中の更新だと、セットリストの進行順に書いていきますでしょ?そうすると、基本書き終えた曲についてはその後振り返ることはしないんですよ。
ところが今回は最初から「全部書き終えた後にupする」と決めていたので、曲をランダムに書いていったのね(一番最初に書いたのは「きわどい季節」)。
で、曲順をあちこちさまよいながら書いているうちに、すでに書いた曲でのジュリーや鉄人バンドの様子を後から思い出すんです。それはMCも然り。
結果、いつもよりしっかりした内容のレポになったかも。

side-Bの方に書く「ツアー初日」のレポは速報的な意味合いもあるので、あのスタイルで良いとは思うけど、今後はこういうやり方でレポを書いた方がいいのかなぁ、と思いました。タイムリーなツアーの流れに乗り遅れた感じにはなりますけどね。

さて、今年の大宮も例年通り、この日まで鋼鉄の意志でセットリストのネタバレを我慢していた盟友・YOKO君と並んでの参加となりました。
彼は毎回、自分の大好きな曲や想定外のレア曲などのイントロが始まるとエキサイトして隣の僕を殴ってくるんですけど、例年であれば完全に「無」の状態で、事前にジュリーの曲を改めて聴き返すということも特別せずにその日を迎える彼が、今年はどうやら世間の「今年のセトリは特別」という雰囲気を察したのでしょうね・・・1週間くらい前から妙にソワソワしていて。
いきなり「無になれ俺!」とメールを寄越してきた(笑)かと思えば、2日前には
「ジュリーのDVD見ながら袈裟斬りチョップの練習中!」
などという、(僕にとっては)脅迫メールが。

「袈裟斬りチョップ」というのは、若くして亡くなってしまったトップ・プロレスラー、故・橋本真也選手の代名詞でもある痛め技です。
橋本選手は僕らにとっては同世代のスーパースターだった人で(ちなみに、橋本選手はジュリーファンとしても有名でした。 そのあたりについては以前、「
勝手にしやがれ」の記事で書いています)、YOKO君は加瀬さんのあまりに早過ぎる旅立ちを、橋本選手の思い出と重ねてしまったみたいですね。
当日大宮で会うなりYOKO君は
「俺、今日は橋本で行くから!」
と宣言。どうやら今年の僕は、グーではなく手刀で殴られる運命らしい・・・。

開演前、そごうの山野楽器さんに寄った後お茶したんですけど、聞けばYOKO君は2日前からずっとジュリワンのDVDを観まくって過ごしていたそうです。
と言うのは・・・。

さすがの彼も今年のツアーではまず加瀬さんのことを考えて、加瀬さんへの個人的な心残りとして
「俺・・・ジュリワンのツアー(彼とは川口公演に共に参加)で”渚でシャララ”をやった時、みんな踊ってんのに1人だけポケットに手を突っ込んでスカし気味で観てたんだよね。今さらながら加瀬さんに申し訳なくてさ・・・」
ということで、何とYOKO君、「2日がかりでシャララ・ダンスの練習をしていた」ことを告白!
でね。
最初、鳥のかぶりものしてるあのPVを観て練習、完全にマスターしたみたいで「さて、おさらいするか」とジュリワンのDVD観たら
踊り、違うじゃね~か?!
と(笑)。

結果、彼は2パターンのシャララ・ダンスを覚えてこの日に臨んでいたという・・・。
結局セトリにYOKO君期待の「渚でシャララ」は無かったわけだけど(その代わり、ダンスは打ち上げで披露してくれました笑)、曰く
「あのYOKOがダンスまで覚えてきやがったんだな、と加瀬さんも思ってくれたと思う」
とのことで、「加瀬さんを送るLIVE」と臨んだ彼の気持ちは、終演後も変わりはなかったようです。

入場後、2人ともテンションが上がり過ぎていたせいか、座席番号を10コ間違えて座るという大変恥ずかしい失態もありましたが、そのおかげで記事にコメントを頂いていた先輩との「はじめまして」もできましたから、まぁ結果オーライということにしましょう(汗)。
で、仕切り直して着席した正しい席が、何とコンソールの真後ろだったのです。
ミックス&音量設定丸見え、ついでにセットリストも何処かにメモがあるはず・・・ということで、YOKO君は興味深々ながらも薄目状態です。
この席に恵まれたおかげで、「ねじれた祈り」では大いに得をしましたが、それはまた後ほど詳しく。

橋本選手モードのYOKO君、セットリストへの期待が一気に膨らんできたようで
「今日(のセトリは)、雪崩式まで行く?」
と。
これは、橋本選手最大の決め技である「雪崩式ブレーンバスター」のこと。「袈裟斬りチョップ」「重爆キック」「DDT」で相手を痛めつけた後の、勝負を決する大技として有名で、つまりYOKO君は
「俺がそこまで大技を繰り出さなきゃならないほどの素晴らしいセットリストなのか?」
と聞いているわけです。
僕は「たぶん行くんじゃない?」と炊きつけておきました。実際は「それ以上」まで行っちゃうんですが・・・。

開演前のBGMは「FRIENDSHIP」でした。
初日にかかった「僕達ほとんどいいんじゃあない」と同じく、新しく短めにミックスし直されたテイクで、曲が進むにに連れて場内の灯りが暗くなってゆく、という演出。
フェスのMC情報によれば、ジュリーは今ツアーのBGMとしてこの2曲を用意し、会場、日程によって使い分けているようです。
僕は早くも2パターンを体験できたことになるけど、いやぁ改めての感激・・・「FRIENDSHIP」はヤバいですよ。初日以上に泣けてきます。
加瀬さんの旅立ちを知った時、2010年のジュリワン八王子公演でのこの曲の加瀬さんの笑顔を何度思い出したことか・・・あの日の「FRIENDSHIP」はこれまで僕の体感してきたジュリーLIVE、それぞれの会場、それぞれの楽曲の中で一番強く思い出に残っています。
1曲だけのLIVEレポートを本編とは別に書いちゃったくらいですからね(こちら)。

でも、「僕達ほとんどいいんじゃあない」が流れた時のYOKO君の反応も見たかったな~。
何と言っても彼はジュリワンのアルバムの中であの曲が一番好き!という珍しい(?)ジュリーファンですから(この件についての詳しい記事がこちら)。
ジュリワン川口公演の打ち上げで、「ジュリワンは紅白に出るんじゃないか?」みたいな話になった時、「渚でシャララ」で出るのか、いや「涙がこぼれちゃう」で出て欲しい、などと皆が話していたらYOKO君が

「僕達ほとんどいいんじゃあない、で出て欲しい」
と言い出して、「ええ~~っ?」とその場にいる全員に退かれていたっけ・・・。

場内に流れる「FRIENDSHIP」を聴きながらYOKO君は
「この曲がかかる、ってことは1曲目はシャララだね?」
とワケの分からないことを言いながら、張り切ってダンス・スタンバイです(笑)。
開演!

1曲目「危険なふたり

Royal

イントロ、早くもYOKO君から激しいアタック。練習してきたシャララ・ダンスこそ叶わなかったものの、いきなり
イエ~!
とか叫んでます。
彼曰く「試合開始早々に袈裟斬りチョップの連打」となった1曲目・・・これは「レアな曲が来てエキサイトした」のでは当然なく(さすがのYOKO君もこの曲は何度も生で聴いてます)、「初っ端からコレかよ!」という喜びの表現だったのですな~。
オープニングBGMが流れた時点で「加瀬さんを送るステージになる」ということはファンなら誰しも分かりますから、1曲目が「危険なふたり」と来れば説得力抜群。
「始まったぞ!」感が凄いですものね。

YOKO君とは常々、「柴山さんは「危険なふたり」のリフの1音目をチョーキングしているかどうか」で議論することがあるんですけど、音だけ聴けば僕には完全にチョーキングに聴こえます。
でもYOKO君は、実際に映像を観たりして「それがどうもチョーキングじゃないみたいなんだよ」と(DVDを観る、と言っても、このリフ部で柴山さんの手元のアップを抜いている映像は現時点では2人とも見つけられていないので、画面の端の小さな1点を凝視する、という粘り強い集中力が必要になります)。
で、ジュリワンのDVDで確認した時もそう見えた、ということで・・・彼はこの日まず柴山さんの手元を注意して見ていたんだって。
「やっぱりチョーキングじゃないよ」
だそうです。
じゃあ、あの「きゃっ、きゃら、きゃらら、きゃらら~♪」というあのリフの最初の「きゃっ♪」はスライド或いはビフラートだけの表現ってこと?
一体どれほどの指圧なんだ、柴山さん・・・。

最後のリフ部でYOKO君が興奮した様子で下手側を指差すので何かと思ったら、下山さんが完全にベースのパートを弾いてる!
この「鉄人バンドがギターでベースラインを弾く」パターンについては、先程少し触れた「コンソールの真後ろ」という今回の座席でしか確認できなかったであろう手法を19曲目「ねじれた祈り」で目の当たりにしましたので、そちらで詳しく書きたいと思います。
いずれにしても、ジュリーに「無理してベースやらなくてもいいよ」と言われたこともあるという鉄人バンドですが、今でも曲によっては「擬似ベース」の手法を泰輝さんのキーボードのみならず柴山さん、下山さんいずれかが受け持つことがあるのだ、ということが今ツアーでハッキリ分かりました。

お馴染み、ジュリーの「年上のひと・物色ヴァージョン」は大宮でも激しく炸裂。
「今日のお客さんは特にアカンわ~」
といった感じで「美し過ぎる♪」と歌いつつ大きなゼスチャーで歌詞を完全否定するジュリー(笑)。
ああいう時、実際にジュリーに物色された前方席のお姉さん達って、「何よ!」と怒っちゃうものですか?
それとも、「それでも愛している」?

2曲目「恋は邪魔もの

Acollection

イントロでは案の定、YOKO君の袈裟斬りチョップが来ました。小声で「そういうことね?」と。
「加瀬さんの曲ばかりをやるってことね」と早くも確信した、と言うのでしょう。鈍感で飲み込みの遅い僕とは、さすがに感性が違います。

さて、この日僕はこの曲でエンディングの「あっはぁ~ん♪」に注目しました。
え、今さら何言ってるのかって?
恥ずかしながらDYNAMITE、「恋は邪魔もの」でのジュリー・ヴォーカル最大の魅力が「あっはぁ~ん♪」にあり!というおそらく全ジュリーファン共通の認識に、つい先日までまったく気づけていなかったというたわけ者なのです(その証拠に、楽曲考察記事ではあれほどの大長文にもかかわらず、「あっはぁ~ん♪」にはひと言も触れていない恥)。

いや、きっかけはね・・・saba様が「この曲をカラオケで歌おうなんて考える男性がいるのかな?」みたいな感じのことを書いていらして、「へ?」と。
僕、これまでに何回も歌ってます。
「あっはぁ~ん♪」も普通にハミング・メロディーとして歌っていて、何の意識もしていませんでした。これがどれほどたわけたことであったか、saba様のお言葉でようやく気づかされたという次第・・・。

「ジュリーほど、雰囲気で歌っているように見えて”歌”を歌っている人はいない」というのは尊敬するJ先輩の名言なんですけど、プロの歌自慢の歌手ですらジュリーの曲をカバーすると「あら?」みたいな感じになるのは、どうもその辺りに起因するんじゃないかと。
ましてや素人のカラオケなんてねぇ・・・(汗)。自分がどんなふうに「あっはぁ~ん♪」を歌っていたのかと思うと、今さらながら青ざめるばかりです。

よくよく考えると、「恋は邪魔もの」がシングル・リリースされるやいなや、目利きの女性ファンや由緒正しいアイドル・メディアが瞬時に「あっはぁ~ん♪」に着目し「この曲はこのジュリーの声がなければ!」と共通の認識を持ったことは、多くの先輩方が残していらっしゃるであろうお宝資料が証明してくれているんですよね。

まずシングル盤の歌詞・・・僕はレコードは持っていませんが、『シングル・コレクション・ボックス』で当時のレイアウトを確認できます。


Koihajamamono1

ハミング部に歌詞表記はありませんね。
これはまぁ当然です。普通に考えればこの「あっはぁ~ん♪」は「歌のノリ」の手管としてハミングであり、特に安井さんの歌詞として書かれてはいないのですから。
明記しようと誰かが考えたとしても、せいぜい英文字で「Ah...Ah...」とする程度に留まったでしょう。

ところが、テレビやラジオで実際に多くの人がこの曲を聴いた後では、ジュリーへの愛が深ければ深いほど、そうはいかなくなってきた・・・らしいのですよ。


Koihajamamono2

↑ 『YOUNG SONG』76年6月号

Koihajamamono4


↑ こちらは出典不明の切り抜き

このように、「あっはぁ~ん」とまでは書かないにせよ、「これはちゃんと明記しないとダメ!」というジュリーファンの念の為せるところでしょうか、いずれの資料も

ああー ああー あはー あはー

という明確な表記があります。

ジュリーは当時このエンディングで、最初の2回を「あっあ~♪」、次の2回を「あっはぁ~ん♪」と歌っていたパターンが多かった・・・ということなのかな?
いずれにせよこれは、ジュリーの魅力を正当に評価できていたメディアやファンの「当然」のジュリー・ヴォーカルへの敬意として、「あっはぁ~ん♪」が市民権を得た、ということだったのではないでしょうか。

ということで、これまでは「何となく」という曲の流れの感じで聴いていた「あっはぁ~ん♪」を大宮では改めて生のジュリー・ヴォーカルで堪能。
やっぱり凄いね~。
初日は気づきませんでしたが、ジュリーが「あっはぁ~ん♪」をキメるごとに、「きゃあ~」と喚声も起こっていました。勉強になります(←ホント気づくの遅過ぎ)。

~MC~

アンコール前のMCは結構色々と思い出せたんですが、この最初のMCの記憶があやふやです。
「少し涼しくなると聞いていたのに・・・蒸し暑い!」と言っていたのはこの時だったのかなぁ。

(ツアーの日程変更を受けて)「この大宮は、なんとか予定通りに行うことができました」と。
大阪フェスの情報なども合わせ考えるとジュリーはどうやら、当初の予定通りに行われた会場と指定振替公演となった会場とで、最初のMCの内容を丁寧に変えているようです。
几帳面で律儀なジュリーらしいですね。

「GRACEも無事復活しました」には会場も大拍手。
僕が覚えてるのはこのくらい(汗)。
他にも何か面白いことを少し喋ってくれていたはずなんですけど・・・すみません~。

3曲目「許されない愛

Julie2

ひょっとしたら3曲連続で袈裟斬りチョップ来るかな?と身構えていましたが、YOKO君はこの曲のイントロで地蔵のように固まっています。
ここから7曲目「あなたへの愛」まで、YOKO君からの激しいアタックはありませんでした。
確か6曲目「追憶」のイントロだったと思うけど
「瀬戸口さんごめん、殴ってる余裕無いわ・・・」
と、ため息みたいな声で彼が言ったんですよ。
いや、分かるなぁ・・・思えば僕も初日はそうでした。
加瀬さん作曲のシングルA面ナンバーが次々に繰り出され、ただただ圧倒されるしかない、という状態。彼もそんな感じだったんじゃないかな。

いやぁ、それにしてもこの曲の下山さんの粘っこいリードギターは良い!正にゴリゴリ系!
一方の柴山さんはルートで低音をカバーしつつ
「じゃ~つく、じゃ~つく♪」
とコードを弾いています。
この「つく♪」が「ブラッシング」というギター弾きにとって基本中の基本テクニックなんですけど、柴山さんがやると味わいが違うと言うのか、金属の擦れるような音までもが何か語りかけているような感じで、これまた素晴らしいですね~。

サビのジュリーの躍動を見ていると(掌をバッ!と前方に突き出す動きとか)、僕は世代的に(「許されない愛」のタイムリーな記憶が無い世代です)西城さんの「ロ~ラ!」のアクションを思い出すのです。
「許されない愛」が無ければこの世に誕生しなかった、ジュリーのこの曲を踏襲した70年代の名曲・名演というのは、本当にたくさんの例があるのでしょう。
そう言えば、西城さんはデビュー当時、「広島のジュリー」と呼ばれていたそうですね。

4曲目「死んでもいい

Acollection_2

終演後のYOKO君曰く、「このあたりはもう、立ち尽くすしかなかったよね」と。
やはりツアー初参加の彼にとって、「初めて生で聴く曲」が降臨した時の感動、戦慄は凄いということなんですね。この曲は特に歌詞も演奏も強烈ですし。
ただしYOKO君
「一瞬、”愛に死す”ってタイトルが頭をよぎった」
とも告白。全然違う曲じゃん・・・と言いたいところだけど何となく分かる気はするなぁ。

初日にはチェックできなかった下山さんの演奏は、割とスタンダードなコード弾きだったなぁ。ということは泰輝さんが左手でベースを弾いているんだろうか・・・。
「死んでもいい」のオリジナル音源にはサイド・ギターのトラックはありませんから、下山さんが「僕のパート」を新しく作っていることは確実。ならばコード・ストローク以外にもっと色々と細かいことをひっそりとやっているかもしれません。次回再度チェックします。

柴山さんのリード・ギターも初日に劣らず凄まじかったです。ただ「凄い」というだけでなく、井上バンド演奏による初のジュリー・シングルであるこの曲のオリジナル音源への、並々ならぬリスペクトを感じました。
今回のこの曲での柴山さんのギターは、60年代後半から70年代前半にかけて確立された、ファズ・ギターを意識した音作りになっていると思うんです。それは井上バンドの時代の音、とも言えますよね。
そのせいか、時々『太陽にほえろ!』のサントラっぽい雰囲気も感じさせたり。

また、オリジナル音源へのリスペクトということで言えばGRACE姉さんのドラムスも。
YOKO君も「とても病み上がりとは思えない」と言っていたように、バシバシと「打つ」ドラムスです。
今回のセットリストで「70年代ロック」を最も感じさせるのは、この曲の演奏ではないでしょうか。

エンディングのリード・ギター部は柴山さんにピンスポットが当たって、その狂おしい表情や腰振りのアクションもバッチリ観てきました。
最後の「じゃっ、じゃ~ん♪」でパッ!と照明がジュリーメインに切り替わる演出も素晴らしい!

ジュリーの「んはぁあいの、はぁあいの、はぁあいの!」は、初日ほど激しくはありませんでしたが、声自体は大宮の方が艶っぽかったですね~。

5曲目「白い部屋

Acollection_3

前日の鎌倉公演でもそうだった、と後になって知りましたが・・・。この日はラストの「海にむけて」でも涙を見せることなく、全体を通して爽やかに明るく加瀬さんの曲を歌い続けていたジュリーが、ただ1曲途中で嗚咽し涙声になってしまったのが、この「白い部屋」。
2番、Aメロの歌いだし部分でした。
ジュリーが歌詞から加瀬さんを思い出してしまったことは明らかですよね・・・。

ジュリーはこの日アンコール前のMCで、加瀬さんの家に遊びにいった思い出話をしてくれたんですけど・・・たぶん「白い部屋」2番の歌詞はジュリーにとって「思い出そのまま」だったのではないでしょうか。
きっと2人で(加瀬さんは椅子に座って)、買ったばかりのレコードを聴きながら、楽しい時間を過ごしていたのでは・・・。そんなふうに想像すると、やっぱりジュリーの歌を聴いていてこちらも泣けてくるんです。
仕方ないよね、加瀬さん。
ただ、加瀬さんの曲はどんなに切ない短調のバラードでも、清潔で爽やかな感じがします。この曲などは正にそうですよね。

僕は今回のセットリストの中で、「生で体感してそれまでとは比べものにならないほど好きになった曲」を挙げるなら、まずこの「白い部屋」です。
下山さんのアコギも素敵でしたから、初日が終わってからよくこの曲を自分でもアコギで弾いています。決して派手ではありませんが、しみじみ名曲です!

6曲目「追憶

Jeweljulie

本当に、何なんでしょうね・・・この曲でのジュリーの神々しいヴォーカルは。
間奏で囁かれる「ニーナ・・・!」も、エンディングのロングトーンによる「ニ~~ナ~~~♪」も・・・どの「ニーナ」も、どうしようもなく「歌」なんですよね。

これもまたジュリーにとっては加瀬さんの思い出と強く結びついている曲に違いありませんが、ここではジュリーは何かが降りてきたように、良い意味で「加瀬さんが作ってくれた大切なヒット曲」を披露する、という感じで無心に歌います。
ツアー前に書いた考察記事で僕は「もしこの曲がツアーで歌われたら、ジュリーもお客さんも泣いてしまうのでは?」と書きましたが、どうやら少し違うようですね。
ジュリーにも長いファンの先輩方にも、「偉大な曲」へのリスペクトがまず大きくあるのでしょう。もちろんそこに加瀬さんへの感謝があることは前提として。
きっと、加瀬さんへの感謝の気持ちがジュリーの悲しみをくるんでくれているんじゃないかなぁ。
それが「誰もが知る大ヒット曲」の醍醐味であり、ある意味宿命なのかもしれません。

YOKO君は「白い部屋」と「追憶」が続いている曲順が興味深かった、と言っていました。
彼も僕ほどではありませんがスコア好きで、よく似た短調の曲想でありながら、「白い部屋」は最後まで短調で通し、「追憶」はサビで長調に転調する、という比較の面白さを堪能したようです。

恥ずかしながらこの日初めて気がついたのが、泰輝さんのキーボード(右手のパート)が完全に「ストリングス」の音色で統一されていたんだなぁ、と。
オリジナル音源で登場するホーン・セクションの音や全体の厚みは、柴山さんか下山さんのギターが複音でフォローしているみたい。これは次回参加の川越公演(渋谷は残念ながら不参加となりました涙)でのチェック・ポイントとなりました。

あと、間奏の「じゃっ、じゃっ♪」では、コード進行に合わせて照明も切り替わっているんですね。

7曲目「あなたへの愛

Royal3

僕が『ROYAL STRAIGHT FLUSH』3枚のリマスター盤を聴いたのを機にジュリーに嵌り(いわゆる、第1次ジュリー堕ち期)、長年の友人であるYOKO君も実はジュリーが好きだった、と初めて知り・・・すっかりジュリー談義が日常となっていった最初の頃に、彼が「イチオシ」と言っていたのがこの「あなたへの愛」。

当時、YOKO君が「『ロイヤル~』に入ってないシングルもイイ曲たくさんあるよ!」と言ってくれて、僕は彼が持っていた『A面コレクション』を借りることになるんですが、受け渡し前にこの「あなたへの愛」だけはメールに添付して先に送ってきてくれて。
僕が、「いや、これロイヤルの『3』に入ってるから知ってるよ」と電話をかけたら、「えっ、なんでこれが『3』なの?」みたいな話になったっけ・・・。

当時僕はヒヨッコもヒヨッコですから、『ロイヤル』の歌詞カードの作曲者クレジットのとんでもない誤植をそのまま鵜呑みにしていて、「あなたへの愛」をジュリーの作曲作品として喋っていて、YOKO君と全然話が噛みあわなかったりしたこともあったなぁ・・・。
あの誤植は、今は(再版などで)修正されているのでしょうか。非常に気になります。

File0507


↑ これです。ちょっと酷いよねぇ・・・加瀬さん?

さて、YOKO君もやはりこの曲での柴山さんの演奏に加瀬さんを感じたそうです。
ちなみに彼は僕と違ってギターモデルにはすぐ目が行くようで、開演前のセッティング段階から「おっ、柴山さんSGじゃないね!暗くてよく見えね~けど、あれ何?」と目ざとく尋ねてきて。
彼がSGVから加瀬さんを連想できることは確信していたので、「始まってのお楽しみ」とその時は言うにとどめました。予想通り、開演早々に「加瀬さんのためのギターだ!」と感激したみたい。

で、打ち上げで僕がしきりに
「作曲家・加瀬邦彦への世間の評価は低過ぎる!」
と力説していたら
「もちろんそれもあるけど、ギタリストとしての加瀬さんの凄さを世間は分かってない。ジュリワンのDVD観ててつくづくそう思った」
のだそうです。
「柴山さんは今回SGVで、まず偉大な先輩ギタリストへの敬意を表したかったんじゃないのかね・・・」
と、しんみり顔のYOKO君なのでした。

またYOKO君は「キー下げてた?この曲(あなたへの愛)はいくらジュリーでももうオリジナル・キーで歌うのは厳しいんじゃない?」とも尋ねてきました。
僕は最近そういうことはなるべく気にしないように心がけてLIVEを楽しむようにしてるんだけど、「あなたへの愛」は下山さんがアコギのコード・ストロークですからね・・・どうしてもフォームが目に入っちゃう。

結論から言えば、下山さんは転調後のサビをGで弾いていましたから、1音ぶん下げての演奏です。
ただね、1音下げただけではメロディーの最高音は高い「ソ」の音なので、67才の男声でこれが楽々歌えるジュリーはそれでもとんでもなく凄いんですよ。
全然無理してる感じを受けません。同じ「ソ」の最高音の曲でも、例えば最近の「カサブランカ・ダンディー」あたりでは苦しげに聴こえる時もあるし、要は「あなたへの愛」のメロディーの流れが、ジュリーの声にピタリと合っているということなのでしょうね。

1番Aメロでの柴山さんのフレット・スクラッチは大宮でも健在。あと、意外とここ、細かい単音の演奏が歌メロの裏で挿し込まれていました。
初日はほとんど気づかずスクラッチにばかり気をとられていましたが、これは今回柴山さんの編み出した新たなアレンジじゃないですか?
そっと、決して出すぎずジュリーのヴォーカルを縫うように弾いているところに、柴山さんの人格を感じさせた、名曲中の名曲での隠れた名演でした。

8曲目「胸いっぱいの悲しみ

Julie6

「あなたへの愛」まではひたすら圧倒されて立ちつくしている状態が続いていたYOKO君、この曲のイントロで反撃の袈裟斬りチョップ復活!
僕は『歌門来福』で体感していたけど、彼は初めて生で聴く曲。大興奮したそうですよ。

ただ初日のレポにも書いたように、『A面コレクション』を借りた頃、彼はこの曲について「俺はこの曲イマイチ・・・演歌みたいでさ」と言っていたんですよね。
打ち上げでそのあたりを突っ込むと
「いや、もちろん(そう言っていたことは)覚えてるよ。でもその後アンタと一緒になってアルバム聴き始めて、『JULIEⅥ』聴いた瞬間にこの曲も大好きになったんだよね・・・「朝焼けへの道」の次にあのイントロが来ると「素晴らしい!」ってなってさ」
だそうです。
その感覚は分かる!それは僕にとっての「許されない愛」のパターンだな~。
『ロイヤル~』や『Aコレ』で聴いてた時には特別な衝撃は無かったのが、『JULIEⅡ』というコンセプト・アルバム・ストーリーの中の1曲として聴いているうちに「凄い!」と思って大好きになったというね。

参考までにご紹介しておきますと、YOKO君のジュリー・アルバムの好みは『Ⅱ』はさほどでもなく、『Ⅵ』『いくつかの場面』『チャコール・グレイの肖像』『LOVE~愛とは不幸をおそれないこと』『BAD TUNING』といったあたりがフェイバリットです。
そうそう、アルバム『ジュリーⅥ ある青春』と言えば・・・打ち上げでは
「”船はインドへ”はこの先歌うことはないのかねぇ、今回無かったからもう無理だよね~」
と語り合いました。これはその場にご一緒したメンバー全員が同じように思っているようでした。

この日の「胸いっぱいの悲しみ」では、ジュリーのしなやか?なめらか?なAメロ冒頭の腕のアクションも一層冴え渡り、ただ見とれるばかりでした。
このアクション、73年当時からやってたんですか?
これは曲中で合計4回も見られますからね~。間違いなく今ツアーでのジュリーのアクションの中、ひときわ目を奪われる大きな見どころのひとつです。
腕を上げる瞬間の仕草もヴォーカルと連動していてカッコイイけど、直後に「スッ」と振り下ろす動きが、なんとも言えず豪快かつ気品がありますね。
ヴォーカルも、この先どんどん凄くなると思う!

9曲目「おまえがパラダイス

Gsiloveyou

ガンガン!と肩にアタックしてくるYOKO君。
橋本選手になり代わった攻撃は、この彼の大好物ナンバーの降臨により「袈裟斬りチョップ」から「重爆キック」へと移行していた、のだそうです。知るか!

いや~、2人で参加した『ジュリー祭り』の東京ドーム2階バルコニー席で殴り合いしてから早7年目・・・ようやくもう一度この曲を生で聴くツアーが来たよね~。
まぁこの曲はこの先LIVEに参加し続けていればいつかはまた聴ける、とは2人とも確信していたけど、今回の加瀬さんを送る特別なセットリストで体感できるというのがまた、格別嬉しいのです。

ジュリーのヴォーカル、圧倒的です。ジュリーが歌うために生まれたようなロッカ・バラード。どんな上手い歌手がカバーしても、ジュリーのようには歌えない曲。
きっと他の人が歌うと余計な力が入っちゃうんだよね。
この曲を歌うジュリーは、無の境地でリズムに入り込んでいて相当情熱的に見えますが、実は凄まじく自然体です。自らの資質を正直に晒しています。
その持って生まれた声とロッカ・バラードへの適性で、一見凄く力んで熱唱しているように感じるんだけど、実は違って・・・それがあの素晴らしいヴォーカルになって、加瀬さんのメロディーに魔法がかかります。

アルバム『G.S.I LOVE YOU』が完成した時、加瀬さんは「シングルはこの曲で間違いない!」と自作曲の「おまえがパラダイス」を推したのだそうですね。
ジュリーの歌で、完全に手応えを得たのでしょう。
こんなジュリーの凄味をすぐ近くで、しかも自作曲でまざまざと体感するってどんな感覚なのかなぁ。

サビの盛り上がりも素晴らしかったですが、「千里を~飛んだ♪」の自然な情感・・・これぞ男・ジュリーのカッコ良さ。メロディーへサラリと同化する声も素敵だなぁ、と思いながら聴いていました。
気がつくと、ジュリーの歌の後ろで鳴っている泰輝さんのオルガンがすごく効いていて。目立たないですが完璧なバックアップです。さすがは音の料理人!

10曲目「夕なぎ

Singlecollection1

YOKO君としては、前曲とこの「夕なぎ」までが「重爆キック」タイムだったみたい。
イントロのコーラスの瞬間、「うわ!」と素早く反応し、バシバシと横腹を突いてきました。

初日のレポで「この曲はYOKO君は即座に反応できないだろう」と失礼なことを書きましたが、直前にジュリワンのDVD観てればねぇ・・・あの時の「セシリア」は柴山さんのソロなどかなり魅力的な演奏を堪能できますから印象は強いですし、当然「ジュリーのソロだと、これ”夕なぎ”なんだよな~」と考え、音源をおさらいしたりもするでしょう。
あと、彼は小学生の頃によく遊びに行っていた叔母さんの部屋で『コバルトの季節の中で』のシングルレコードを何度も聴かせてもらった思い出があり(叔母さんは”みつこ”さんっていう名前らしいですよ)、それで「コバルトの季節の中で」が今でも大好きな曲なのだそうですが、終演後にしみじみと
「よく覚えてないんだけどさ、絶対B面の「夕なぎ」も聴かせてもらったことはあるはずなんだよね・・・」
と。

鎌倉ではこの曲でジュリーが歌い終わった後に、まるで「加瀬さん、どこにいるの?」といった感じで会場を隅々まで見渡すシーンがあった、と聞きました。
ある意味、今回のセットリストの中で一番「加瀬さんのメロディー」のイメージを象徴している(とジュリーが考えている)曲は、この「夕なぎ」かもしれません。

初日、イントロで下山さんがアコギに持ち替えたのを見た記憶があるのに肝心の演奏している姿の記憶が無くて・・・「あれえっ、エレキだったかなぁ」とレポを書きながら自信が無くなっていたんですが、この日はしっかりチェック。やはりアコギでした。
やわらかなストロークで、爽やかモードの下山さんでしたね。でも下山さんって、怪しげモードの曲の演奏の方が記憶には残りやすいですよね・・・。

~MC~

「ちょっと待ってね」
と言ってペットボトルの水を飲むジュリー。

「本当は水分だけでなく塩分もとらなきゃいけない」ということで、色々な人が「あれがいいよ」「これがいいよ」と教えてくれるんだけど、結局
「ワタシは水が一番いい」
とのことです。
「こういうホールではお客さんは飲食禁止ということになってますが・・・みなさんよく我慢できますね?」
と。
いえいえ、ステージ上のジュリー達に比べれば楽過ぎて申し訳ないくらいなのです・・・。

ちゃんとキャップをはめておかないと、ライトに当てられたりとかして化学反応が起こって(?)不純物が混じる、など結構長々と水分の話をしてくれたんですが、最後いつの間にかマイクの左手ではなくペットボトルを持つ右手でしゃべっていたという(笑)。
気づいたジュリーは
「今・・・水に向かって喋っとった!」
とかなり本気の自分ツッコミがあって、場内は大爆笑でございました。その後、この「ペットボトルで喋る」ネタは定番化(?)した模様です(大阪フェス情報)。

いつものように「次は新曲を歌います」と制作経緯を紹介してくれて、「被災地すべてに祈りを込めて歌います!」・・・これ、毎回言ってくれていますが、決して「型通りの挨拶」ではありませんよね。
本気も本気、大本気ですものね。
「祈り」「怒り」「悲しみ」もすべて本気で歌うジュリー。

で、水分の話が面白かったのでついうっかり「新曲前のMCで一瞬姿を消す」と言われている下山さんの動向をチェックし忘れました。気がついたら普通に立っていらっしゃいましたが・・・どうだったのでしょう?
姿を消してる雰囲気は感じなかったんだけどなぁ・・・。

11曲目「泣きべそなブラッド・ムーン

Kottinomizunigaizo

新曲4曲については、YOKO君のネタバレに気を遣うことなく開演前に話ができました(鉄人バンドの具体的な演奏分担についてはさすがに黙っていたけど)。

YOKO君曰く、とにかく「泣きべそなブラッド・ムーン」の採譜は大変だった、と。
僕は右サイドのギターのテンション・コードを教えて欲しくて彼に採譜を頼ったわけなんですが、鍵盤をやらないYOKO君としては、「ピアノだけの箇所はお手上げなんだよね・・・」だそうで、最後に「AonG#」なんて分数コードをひねり出したりしてて。
残念ながら今回も泰輝さんの鍵盤についてはまったく見えず、確認はできませんでした。鍵盤だけは、2階から双眼鏡で見るしかないものね~。

初日の僕はジュリーの歌に圧倒されていたぶん、大宮ではじっくり鉄人バンドの音を聴きました。
この曲、CDではエレキギターだけで4つのトラックがあるんです(おそらく柴山さんと下山さんが2トラックずつを録ったのではないでしょうか)。
考察記事では
「右サイドから聴こえる空間系のエフェクトのサイドギターが、ステージの立ち位置とは逆で下山さんの演奏に聴こえる」
と書いたのですが、LIVEでの再現を踏まえるとどうやらそれは合っていたようです。
Aメロの「優しさじゃ違うから」の箇所でハッキリするのが、柴山さんはパワー・コード、下山さんはテンション・コードという分担。これはどちらもCDで右サイドに振られているトラックの音なのです。
ステージでは、ハーフ・ディミニッシュもシャープ・ナインスも下山さんの演奏でした。きっとCDでもその通りだったのでしょう。

ラストの泰輝さんのピアノの和音は、YOKO君の採譜だと「G#m7(11)」。
最初に見せてもらった時は「ええっ?」と思いましたが、これは音源を聴き直して、合っていると思いました。ギターで弾こうとするととても人間の指では押さえられないようなフォームになりますが、ピアノだと自然に出せる音なんですね。

ジュリーのヴォーカルから受けた印象は、初日と同じでした。確かにジュリーは怒りを歌っている・・・被災地の苦痛を軽んじる人達に、実際に自分の見た南相馬の全部を花束にし手渡したい、と。
それでも僕はジュリーの声に癒される・・・その優しい声に、ジュリーの花束を受け取りたい、と思う。
CDで最初に聴いた時には正体の分からなかった感覚が、生のジュリーの歌声を聴いたことで、徐々に僕のこの鈍感な胸にも降りてきてくれたようです。

12曲目「涙まみれFIRE FIGHTER

Kottinomizunigaizo_2

下山さんがいぶし銀の捌きで一瞬を斬り裂く「振り飛車」とすれば、柴山さんは大局感で厚みを築き押し出す重厚な「本格居飛車」。
・・・って、将棋の戦型に例えてもほとんどのみなさまにはよく分からないかと思いますが、鉄人バンドのギタリスト2人はかなりスタイルが違うんですよね。
そんな2人が同じバンド内で、しかもジュリーのバックバンドとしてここまで磐石にキャリアを継続している不思議な奇跡。でも、タイプが違うからこそお互いの演奏へのリスペクトが、長く続ければ続けるほど強まっていくものなのかな。

「涙まみれFIRE FIGHTER」の柴山さんのリード・ギターでは、もちろん顔を歪めて弾きまくる間奏も素晴らしいけど、僕はイントロなどに登場する「レ#~ド#~シ~ソ#~、レ#~ド#~シ~ソ#~♪」のスローハンドが特にグッときます。
これは譜面表記すると1小節に4分音符が均等に4つ並ぶだけ。でも実際に柴山さんが弾いている4分音符はすべて同じ長さではないわけです。
微妙にシンコペしていたり、遅れて鳴らしたり。
1小節の中に、譜面では表せない起承転結がある感じで、当然ビフラートも1音1音違います。

「最も機械音による再現が困難な楽器」と言われていたギターも、最近はリアルな音色と装飾で打ち込むことができるようになっているけど、今ツアーの「涙まみれFIRE FIGHTER」でのこの4音のリフレインに象徴されるように、打ち込みでは絶対に表現できない、「人の演奏」に限る感動的な演奏というのは断固あるのです。
それと同様に僕は、どんなにコンピューターが強くなろうと、「人間が指す将棋」が見たいよ!・・・ということで先程強引に将棋に例えたわけなんですけど。

柴山さんはこの曲で最後の最後に、「ジェット・サウンド」も披露してくれます。
これこそが、ジュリーの歌う「襲い来る風化」をフランジャーで表現した演奏。ジュリーの歌声だけではない・・・柴山さんのギターも叫んでいます。

あと、この曲は今年の新譜4曲の中で最もヘヴィーな曲想だと思いますが、「涙まみれFIRE FIGHTER~♪」とタイトル・フレーズを歌う箇所でほんの一瞬だけ、明るいブルースのニュアンスが登場します。
この時のジュリーの声が良い!
語尾の「たぁあ~♪」の揺るぎなさは天性です。メロディーにコーラスがかぶってくることで、余計にジュリーの表現が際立っているように感じました。

エンディングでは、この世のすべての欺瞞を切り裂くようなジュリーの咆哮。これもまた正に「人間の声」でしかあり得ない歌であり、感動ではないでしょうか。

13曲目「こっちの水苦いぞ

Kottinomizunigaizo_3

さぁこの曲です。開演前にお茶していた時にこの曲の話になり、YOKO君は
「最後、下山さんはエフェクター踏むと俺は思ってる!」
と言っていました。
もちろん僕はそれ以上話を深めずスルーしましたが、「コイツもこの曲の演奏についてはエンディングが見せ場だと思ってるようだな・・・よしよし」と。

つまりYOKO君は(初日前の僕と同様に)「下山さんは最後までエレキで通す」と当然のように予想していて、コーダ部に入る瞬間にアコギ系のエフェクトをかけるんだろう、と考えているのです。
今ではエレキギターでアコギっぽい音を出すエフェクターは数多くあります。さすがにアコギそのものの音にはなりませんが、結構それっぽい音は出せます。
ですからYOKO君の予想は至極当たり前かつ(それでも)演奏者として難易度の高いもの。
「下山さんならそのくらいやってくれる」
というYOKO君の期待、分かります。
ただ、さすがの彼もそれを凌ぐ神技が用意されているとは夢想だにしていなかったようです。

こりゃ楽しみだ!というので、すみません・・・大宮でも僕は”おいっちに体操”には参加せず、じっとYOKO君の反応を窺っておりました(あ、確かにこれ、「TOKIO」「気になるお前」のような正調の”おいっちに体操”ではなかったですね。ジュリーの気持ちとしてはファイティング・スタイルなのかな、と思いました)。
途中、アコギスタンドのセッティングに気がつくや、案の定激しく僕の肩を揺さぶり、ステージ下手のローディーさんを必死に指差すYOKO君。いや、僕は初日に見てるんだから・・・知ってるって。

で、エンディング。
打ち上げで聞くところによると、下山さんがリフを弾きながらゆっくりとスタンドに向かうのを見てYOKO君は、初日の僕とまったく同じく
「いや・・・それは無理でしょ!」
と思ったんだって。

この曲のリフは4小節でひと塊になっています。
その最後の1小節(塊の中の4分の1)だけを柴山さんが弾くわけですが、その間僅か3秒(YOKO君も「3秒だよね」と後で言ってました)の間隙を縫って、下山さんはアコギをスタンバイ・・・リフのひと塊ぶんならともかく、繋がっているフレーズの途中でいつの間にか演奏者が変わっている、という超絶の手法。
とは言え、みなさまも気をつけてさえいれば、この”慕ってますフォーメーション”は絶対に聴きとることはできます。下山さんと柴山さんのギターの音色設定は、まったく同じではないのですから。
柴山さんとしては最後の2小節を
「がっがっがっがっ、ちゃ~ららら~ら~、らら~♪」
と弾くことになるわけで(「がっ」の箇所は「G7」のダウン・ストローク)、単音に移行した後も音色の設定はそのまま。下山さんの音と比べると空間系のエフェクトが強めで、やや細い鳴りになっていますよ~。

YOKO君は、とにかく唖然としてこのエンディングの一部始終を見ていまして・・・下山さんの美しいアコギのコーダが終わると熱烈な拍手と共に、ひと言。
「まいりました・・・」

ただ、打ち上げではその時の僕の様子について
「俺は下山さんと柴山さんに参っただけで、その場でなんでアンタに”どや顔”されなきゃいけないのかが分かんないよね・・・」
と言ってました。
彼の中ではその時点で、僕はもう重爆キックでヨレヨレになってる設定だったみたいです・・・。

14曲目「限 界 臨 界

Kottinomizunigaizo_4

いつもお世話になっている長野の先輩から有難いお申し出を頂き、日程変更により初日に参加できなかったカミさんも、この日急遽別席で参加していました。
その感想がね・・・。
「とにかく新曲を歌うジュリーが怖いくらいだった、特に「限界臨界」は怖かった」
と。
確かに大宮でのこの曲の最後のシャウトは、初日とは比較にならないほど凄かったんです。YOKO君も「強烈過ぎて言葉にならない」と言っていたくらいで。
終演後カミさんは
「新曲を聴いた後の”光り輝いていた頃”の曲達に気持ちが入っていけなかった。日本もいつか戦争するんやろな、ジュリーがこんな楽しい曲(「ウィンクでさよなら」や「バイバイジェラシー」)を歌ってた平和な時代は二度と来んのかな・・・」
と考えて気が沈んでしまった、と泣きそうになってて。
ちょっとビックリしたけど、その感性は「誠」だと僕は思う・・・あまりに浮かれてLIVE中にそういうことは僕自身は忘れてしまっていたんだけど。

今回のセットリストは、真ん中の新曲4曲が「現実」で、あとは加瀬さんとの思い出、なんですよね。
加瀬さんの曲を乱暴に「過去」「夢」とは言えないけど、そうした構成であることは真実。
でも、帰宅してから色々と話しました。
「ひどい時代にならないように、戦争なんかしないように、と気合を入れてジュリーは今年も新曲を歌ってくれてるんだから」
と。

それに、今はジュリーの歌だけじゃない・・・正直僕は今年の新曲の考察記事を書いていた頃には「どのみち、もう止められない」という諦めの気持ちもありました。
実際止まらないかもしれない。でも「何度でも作り直せばいいんだ」というポジティヴで粘り強い、頼もしい若者達が登場して、今は凄く励まされています。
「馬鹿にした」上から目線の物言いを怖れない彼等の「未熟」こそ、大きな魅力。ジュリー、凄いよ・・・「未熟」は褒め言葉なんですね。
「未熟でも若い者」だからこそ、未来があり可能性があり希望がある、と今は思えます。

2010年(ジュリワンの年なんだよね・・・)にジュリーが歌っていたことが予言であったかのように、2015年、若者は目覚めました。
「君達がボスを選べよ!」
「見護り支えて行くのが、俺達老人!」
・・・って、さすがに僕はまだ老人ではないけど、最近ジュリーの「若者よ」の歌詞が沁みています。
ジュリーも今、「限界臨界」の歌詞を書いていた頃よりずっと前向きな気持ちになっていると思う・・・来年のお正月コンサートでは、「限界臨界」「若者よ」の2曲を続けて聴きたいな~。

15曲目「ウィンクでさよなら

Royal2

初日はここで「新曲から間髪入れずKASESONGSへ」という流れに戸惑いましたが、ツアー2度目の参加で僕は早くも慣れたようです。ステージ上のジュリー達の切り替えが見事過ぎる、というのもあるでしょう。

ただ、ツアー初参加のYOKO君はやっぱり「ええっ?」と思ったみたい。イントロでは暴れることなく一瞬困ったように薄く笑っていましたね。
「新曲の後にすぐにコレ?マジですかジュリー!」
みたいな感覚だったのではないでしょうか。
今までのツアーでは、新曲と続けて歌っても違和感のないテーマであったり、内容の曲が配されてきましたから・・・「溢れる涙」とか「F.A.P.P」とかね。

やっぱりこの「限界臨界」→「ウィンクでさよなら」の流れには、最初は誰でも驚きますか・・・YOKO君、手拍子参加までには少し時間がかかっていたようでした。

さてサビの「求愛ポーズ」ですが、ステージを小走りに駆けて前方に進出し、その場で手を差し出し片膝を立てる、というスタイルに変わっていました。
いや、片膝立ての最終形は変わらないんですけど、初日は完全に「ズズ~」と膝でスライディングしていたんですよ。衣装が痛んじゃったのでやめたのかなぁ?
いずれにせよ今回の「ウィンクでさよなら」は、神席のみなさまにとっては至福の1曲でしょうね・・・。

前日にセットリストのおさらいをしながらチェック・ポイントを頭に入れていた時には覚えていたのに、鉄人バンドがどんな演奏をしているのか確認するのをすっかり忘れていました。泰輝さんがどんなアレンジで臨んでいるのか、リフは誰が弾いているのか・・・。
『ジュリー祭り』と同じである、とは言えないのが鉄人バンドの醍醐味なのでね~。
でも、ピアノの音が鳴っていたのは覚えています。Aメロ直前のグリッサンドが強く印象に残りました。

16曲目「バイバイジェラシー

Stripper

やはりイントロでは隣から激しいアタックが(笑)。
この曲と次の「甘いたわむれ」で僕は「DDT」という大技を食らっている設定だったようです。橋本選手になりきったYOKO君、予想外のレア曲の降臨に興奮し、いよいよ仕上げにかかりました。

初日からそうでしたが、やっぱりジュリーがダメ押しで大暴れする曲後半の盛り上がりが凄いです。会場全体が「きゃあ~っ!」となります。
「バイバイ、ジェラシ~♪」のトコでは、ジュリーに合わせてステージに向かって「バイバイ」のアクションを繰り出すお姉さん達も多数。
で、しょあ様も書いていらしたけど、正にジュリーが大暴れしている時の柴山さんのギターが、とんでもなくカッコイイんですよ~。かなり難易度の高いピッキング&運指をしているはずなんですけど、ほっとんどフレット見ないで笑いながら弾いてますからね。
柴山さんはきっと、モータウン・ビートの演奏が大好きなんだと思います。いつか「Tell Me...blue」も鉄人バンドの演奏で生で聴いてみたいなぁ。
一方で間奏ソロでの柴山さんの動きはね、あれはすごく理に適ってるんですよ。
ネックを胸くらいまで持ち上げる動きとか。これは、「A・C・B」で似た感じのアクションが見られます。
ちなみにビリー・ブレムナー(ロックパイル)もまったく同じ動きしますよ~。

あと、この曲はGRACE姉さんのドラムスも素晴らしい!
みんなが「きゃあ~っ!」と言っている中、タムでドッカンドッカン音量上げる箇所が特に好きです。

17曲目「甘いたわむれ

Singlecollection1_2

YOKO君(=橋本選手)の「おお~~っ!」という雄叫びと共に、「DDT」曲が続きます。これは、まだツアー初日まで日数があった頃に加瀬さんのことを色々と2人で話していた時よく話題に上がっていた曲。
「こんな完璧な曲がシングルのB面なんだもんなぁ」と。
YOKO君も「ひょっとしたら歌ってくれるのでは?」くらいの小さな期待はあったようですが、いざ実現!となれば彼の興奮状態もMAXに。

イントロのGRACE姉さんのエイトの刻みは、やっぱりカウベルではなくウッドブロックの音色のようでした(初日のレポ・・・「ウッドストック」って書いてある汗。そのうちこっそり修正します・・・恥)。

ジュリーはノッケから指笛を鳴らそうとしますが、「ス~」とか「ほぴ~」みたいな抜けた音が多くて、「ありゃっ?」みたいな顔をしながら何度も何度もトライ。
この指笛、最新の広島情報では最後の最後に「やるぞ、やるぞ」とスタンバイしておいて、見事にスカッ!とやらかしてしまい、地団太を踏んでいたとか?
そう考えると、『ワイルドボアの平和』の「俺たち最高」あたりはとんでもない神技が炸裂していたんですねぇ。ちなみに僕は指笛はまったくできません。確かYOKO君は何とか鳴らすくらいはできたはず。この日はそれどころじゃなかったみたいで、やってませんでしたが・・・。

リードギターは柴山さんだったはずだけど、下山さんがどんな演奏をしていたのか初日に引き続きまたしてもチェックし損ねています。
この曲も「死んでもいい」同様に下山さんは「僕のパート」を新たに作っているはずですから、次回はしっかり確認しないと・・・。
ただ、ホーンセクションのパートがキーボードではなくギターだったような記憶があるんですよ。もしかすると柴山さんと下山さんの2人がコード・プレイでバリバリにリフを弾いていたのかもしれないなぁ。

18曲目「恋のバッド・チューニング

Badtuning

YOKO君が橋本選手になりきっているならば、この曲で僕は垂直落下式ブレーン・バスターを食らう覚悟でいたわけですが・・・YOKO君、イントロでいきなりにこやかに握手を求めてきた!(笑)。
後で聴いたら、「期待はしていたけど本当に聴けた」という感動が大きかったとのこと。
もちろん『ジュリー祭り』がLIVEデビューの彼はこの日が初体感となる大ヒット・ナンバーです。

いつもお世話になっている先輩は、初日「はじめから♪」の箇所で無意識に指立て腕上げしちゃって焦ったらしいですが、ステージを見たらジュリーも「あの頃と変わらず」やっていたので嬉しかったと。
そこから「ちょっとずれてる周波数♪」へのあの流れるような掌アクションは、やっぱりカッコイイのひと言です。ジュリーは本当に自然にこういうハッチャけた動きができるんですよね~。

柴山さんがバッキングで、オブリガートの単音は下山さんが担当していたことを確認しました。
初日はそこまで見る余裕が無かったので、すっかり逆だと思い込んでたなぁ・・・。あの単音を弾くがために、下山さんのアクションが激しくなっているようです。
今ツアーは例年にもまして下山さんがゴキゲンに見えるんですけど、「さもありなん」なニュースが飛び込んできました。下山さんもかな~り好きそうな伝説のバンド、テレヴィジョンが来年1月20日の来日公演決定!
その日付、ジュリーのお正月コンサートとバッティングしそうじゃない?とみなさま思われるでしょ?ところがジュリーとのバッティングはあり得ません。
何と何と、日本を代表して彼等と対バン張るのが、あのルースターズですよ!
もちろん下山さんも出演します。下山さん、今から大いに張り切っていると思います。
僕も参加したいけどなぁ・・・ど真ん中の平日か~。

「バッド・チューニング」の話に戻りまして・・・どうやら今ツアーのジュリーはあくまで「ばっ、ちゅにん!ばっ、ちゅにん!」のコーラス部を歌うことに決めてるみたい。
「ばっ、ちゅ~に~~ん♪」の主旋律は、次にこの曲が採り上げられるツアーまでお預けかな~。
この曲は今後これっきり、ということは無いと個人的には思います。いきなり来年のお正月でもう一度聴けるかも、その時には・・・と期待してみます。

19曲目「ねじれた祈り

Kitarubeki

そしてこれです!
何気なくミキシング・コンソールを見ていたら、「恋のバッド・チューニング」が終わった後、ミキサーさんがパッとひとつのトラック出力を切り替えたんですよ。
音量レベル表示から、切り替えられたそのトラックが柴山さんのギターであることは分かりました。それを、まったく別の設定のトラックに切り替えたということは・・・そうか!と。

初日のレポートを書いた後、頂いたコメントをはじめ何人かの先輩方が「”ねじれた祈り”のベース音は柴山さんが弾いてましたよ」と教えてくださったのですが、僕は「それはちょっとあり得ないなぁ」と決めてかかっていたんです。
どんなエフェクターを使ったって、あそこまで「擬似ウッドベース」みたいな音はギターだけでは出せない・・・だから、おそらくイントロなどに登場するベースは泰輝さんのシンセで(お正月からずっと、この曲のレポートではウッドベースは泰輝さんの演奏、と何の疑いもなく書いていました恥)、柴山さんはウッドベース独特のスラップ音をギターで再現していたんだろう、と考えたのでした。
とんでもなかった!

ステージ上の5人以外に、目の前にもう1人のプロフェッショナルがいるんだ、と悟った大宮。

柴山さんのベース(今ツアー・セットリストで今のところ確実に分かっているのは、「ねじれた祈り」の一部と「きわどい季節」全編です)演奏は、ステージ上で鳴っている音を、ミキサーを通して再構築されたものだったのです。
あらかじめベースに近い音色になるようミキサーさんが設定したトラックに、瞬時に柴山さんのギターの出力を切り替えているんですね。

ミキシングによる「音作り」は、ステージ上のエフェクターによるそれとは異なります。
例えば、エコーをどのくらいかけるか、とか、お正月に披露された「僕がせめぎあう」でのジュリー・ヴォーカルの出力を左右に振り分ける(「PAN設定」と言います)等々の役割があります。
そして「ねじれた祈り」の場合は、「音質」の設定。「イコライジング」という作業で、基本的に「HIGH」「MID」「LOW」の3種のEQ(イコライザー)を使って音質のバランスを決定し、ミックス出力します。
ここでは、「HIGH」をほぼ最低まで絞って「LOW」を最大限まで上げる、という設定のトラックを用意していた、ということでしょうね。

加えて、柴山さんのSGVが威力を発揮します。
SGが「ズンズン」な音とすればSGVは「パンパン」な音。SGVを弾くことで、ベース用にミックス設定されたトラックに「パンパンパン!」という反響音が強調され、それがウッドベースさながらのスラップ音に聴こえるという・・・YOKO君の「こっちの水苦いぞ」での感想ではありませんが、本当に参りました。驚きました。

大宮ソニックシティーのミキサーさん(ジュリーのスタッフさん?)は最初から最後までキビキビとした動きで真剣に立ち回っていらして、正しくプロだなぁ、と。
基本右側のモニターで周波数をチェックしつつ、時にはフェーダーを手動で微調整、素早いマーキング。
僕も自分でミキシングやる人ではあるんだけど(そういうことができるのでYOKO君のようなアーティスト肌の男がなついてくれてる)、とてもマネできない・・・。

翌日、YOKO君に出したメールの返信で彼曰く
「ミキサーってさ、どんなに見た目が地味でも瞳の奥に鬼が宿ってるんだよね」
まぁ僕も彼に昔「ミックスの鬼」と呼ばれたことがありますが、当然ながらプロはレベルが違います。
ジュリーのヴォーカルも素晴らしかったし初日に増してお客さんも盛り上がっていましたが、僕はとにかく柴山さんとミキサーさんの連携に感動させられっ放しの大宮の「ねじれた祈り」でした。

あ、イントロではこの日一番の激しいアタックをYOKO君に食らいました(彼もミキサーさんのトラック切り替え作業には気づいていて、「おっ?」と思ったそうですが、それ以上に「ねじれた祈り」の初体感でエキサイトしまくっていたようです)。
打ち上げで彼が言うには
「ここで垂直落下式ブレーンバスターが決まったよね」
と。
まぁ確かにあのベース音の驚愕の手法には、垂直落下級の衝撃を受けたけどね~。

20曲目「きわどい季節

Royal80

コンソールのあたりの席って、やっぱり「ステージ全体を見渡せる」位置みたいで、「ねじれた祈り」が終わってから柴山さんと下山さんが2人ともギターをチェンジする様子が、自然に目に入ってきました。
初日、下山さんがアコギに替えたことは覚えてる・・・でも、ここで柴山さんがギターを替えていたことにはまったく気づいていませんでした。
「万が一記憶違いだったら」と思って、終演後にぴょんた姉さんに「きわどい季節で柴山さん、ギター替えてますよね?」と念のためお尋ねしましたら、さすがですね~「SGに替えてるよ」と即答でございました。

ということで、ここでは前曲に引き続いて柴山さんの演奏を中心に語らなければなりません。
ズバリ言いますと、この曲で柴山さんはベース弾いてます!ええ、ハッキリとベースラインです。

ただし、「ねじれた祈り」とは響きが違います。
これがSGを使った理由でしょう。
音質については、「ねじれた祈り」同様にベース音に限りなく近い設定にイコライジングされたトラックがあり、ミキサーさんがそこから出力しているはずです。
そこで、サスティンが深いため、ロングトーンを多用するバラードのベースラインに適したSGに切り替えた・・・これが僕の辿り着いた結論。
こうなってくると、じゃあお正月の「ねじれた祈り」はどうだったのか、スラップ音があったとしても今回とはずいぶん聴こえ方も違ったんじゃないか?(SGVではなかった・・・ですよね?)という疑問も沸いてきますが、残念ながら映像も音源も残されていませんから、確認の術はありません。
ホント、特に今ツアーなどは何らかの形で作品に残して欲しいんだけどな・・・。

とにかく、今回の「きわどい季節」での柴山さんの演奏は、完全にベースそのものの音とまでは言えませんが、アレンジ・パートとしては普通にベースなんですよ。
初日はまったく気づいていませんでしたし、そもそも柴山さんがこんな役割をしていることがあるなんて、僕は今まで考えたこともありませんでした。驚きました。
楽曲に応じて色々と役割分担のヴァリエーションや進化があるんだなぁ、と改めて鉄人バンドのストイックかつ自然な取り組みに感激します。

今の鉄人バンドのメンバーによるベースレス・スタイル最初期のツアーである『greenboy』(2005年)のDVDでこの曲をおさらいしますと、下山さんのアコギ・ストロークに対して、柴山さんはアルペジオで新たな(原曲とは違う)アレンジを施しているんですよね。
10年後、同じメンバーで、さらに新たなアレンジに練り直された「きわどい季節」・・・本当に新鮮でした。

僕が見逃しているだけで、最近のLIVEでも柴山さんがベースを演奏する曲はあったのでしょう。
例えば、2013年お正月の「静かなまぼろし」は?
あの時、柴山さんがどんな音を出していたのか僕は結局分からずじまいでした。「静かなまぼろし」のオリジナル音源にはエレキギターのパートがありませんから、今回の「きわどい季節」と同じ手法で柴山さんがベース・パートを弾いていた可能性は大きいのです。
これまた、振り返って確認することは叶いませんが・・・。

さて、「きわどい季節」はYOKO君の大好物です。
さすがに泰輝さんの華麗なストリングスの最中に暴れることはありませんでしたが、イントロのほんの一瞬で「ハハッ」と小さく笑ったYOKO君。
これは、『ジュリー祭り』で「コバルトの季節の中で」が始まった時とまったく同じ反応。「嬉しい」時のそれなんですよ。後で聞いたら
「ねじれた祈りの垂直落下式ブレーンバスターでスリーカウントはとれてたけど、きわどい季節がきちゃったら、三角絞めまでいってギブアップとるしかないよね」
と。
この日のYOKO×DYNAMITEの大宮対決は、東京ドームの「橋本-中野戦」(名勝負!)にそっくりだった、とのこと。分かる人、どのくらいいらっしゃるかな(汗)。
でも、この日がセットリスト初体感、ジュリーのヴォーカル、鉄人バンドの演奏に「参った」したのはYOKO君の方なわけで、何故僕が三角絞めでギブアップしたことに話が落ち着いているのかが分からん・・・。

大宮のジュリーのヴォーカルは、この「きわどい季節」が一番素晴らしかったように思いました。
この曲と「胸いっぱいの悲しみ」の「3連バラードの隠れた名曲」(いや、ファンにとっては全然隠れてはいないんだけど)2曲は、ツアー後半には神レベルにまで進化したヴォーカルが聴けるような予感がします。

あと、最後の転調部からGRACE姉さんがハイハットでとても繊細な8分の6の刻みを入れていることに気がつきました。1番、2番のサビでは聴こえていなかった音のように思うのですが、次回要チェックです。


~MC~

アンコールの拍手に応えてジュリーが着替えて登場。
2着目の衣装、1着目と比べて足が長く見えませんか?

ジュリーは、座ってアンコールをしていたお客さんが多かったのを「見てたで~」と言わんばかりに、再登場と同時にお客さんが一斉に立ち上がろうとするのを
「あぁいや、そのまま、そのまま!」
と(笑)。
楽屋でアンコールの拍手を聞きながら衣装替えをしていると、揃ったアンコールの拍手のリズムと着替えの動作が合ってきちゃったんだとか。
「サッ、サッ、サッ」と声を出しながら拍手のリズムでボタンをはめる仕草に続いて、最後に
「サッ!」
と言いながらチャックを上げる仕草を披露した時には、お姉さん達の悲鳴も起こったりして(笑)。

ところどころ寄り道しながらも、やはり加瀬さんの思い出話がメインのMCでした。
「本当はもっと別のもの(セットリスト)を考えていたんですが、今回は新曲4曲以外は全部加瀬さんの曲で行こう!と・・・みなさまには押しつけがましいようですが、なにとぞご容赦頂きたいと思います」
と頭を下げるジュリーに大きな拍手。
みんな同じ気持ちですよね。こんな素敵なセットリストにしてくれて、みんなで加瀬さんを思い出しながらの今ツアー、決して忘れられないものになるでしょう。

「加瀬さんには本当にお世話になってね・・・ワイルドワンズの活動を夏限定にしてまでワタシについてくださって、色々と新しいやり方を考えてくれて、面白いと思ったことは、やっちゃえやっちゃえ!と。まぁワタシも他の人とは違うことをやりたい、という思いは持っていましたから、そういう意味で加瀬さんとは気が合ったんでしょうね」と・・・細かい言い回しなどは違うと思いますが、そんな感じのお話をしてくれました。
加瀬さんのお母さんが食堂(だったかな?)をやっていて、食べにいくと
「今日は邦彦ウチにいるよ!おいでよ!」
と言ってくれて、加瀬さんの家に行くと加瀬さんがいて、「明日は仕事なの?」と聞いてくる。「休みです」と言うと「俺も休み~♪」と。
「じゃあ、どっか遊びに行こうか!ということで釣りに連れていってくれたりしてね・・・」

「ワタシは昔から誰かについていくということが多くて、例えば親父が「研二行くか?」と言ったら「行く~!」と、バイクの後ろにチョコンと座って待ってたりして。
この時「出張り」だか「出べり」だか覚えていないんですけど、地元の方言っぽい言葉で「研二は”出たがり”やな」という意味のことを言われた、と話してくれて、その方言の語感からオヤジギャグを展開。
「出べそ、じゃないですよ。いや、昔はワタシも出べそみたいなモンでした。細かったから!(笑)」
「今は(おへそは)地中深くに埋もれて・・・地中ってことはないか、脂質に埋もれております(笑)」
みたいな感じで脱線もしながら・・・他にもまだまだ加瀬さんのことを話してくれました。

年賀状が来たので返事に「今度飲みましょう!」と書いて送ったんだけど、ずっと連絡が無く(ジュリーは基本、年賀状は”後出し”なんですって)・・・。
「ベッドで横になっている姿を見られたくなかったのか・・・それともワタシのことが嫌いだったのか・・・いや、好きだったと思いますけど!」
と、ユーモラスに話してくれたのが逆に切なかったなぁ。
家族以外で、「この人は自分のことが好きだ!」と躊躇なく言える知人を、みなさまどのくらいお持ちですか?
そうそういないですよね。そう考えると、ジュリーと加瀬さんの関係というのはね・・・本当に特別で、兄と弟のようであり、同志のようでもあり・・・。

訃報は鳥塚さんの電話で。
「その場で2人とも泣いてしまった」
と・・・このことは他の会場でもお話してくれているみたいですね。母親が亡くなった時も泣かなかったのに、年齢のせいでしょうか、と。
例年の大宮と同じくかなり長めのMCではあったのですが、後で前日の鎌倉公演の様子を聞いたりすると、この日は比較的真面目と言うか淡々とした感じの話しっぷりだったのでは、と思われます。

あとどのくらい歌っていられるかな・・・という話も。
残り少ない時間、キチンと計画を立ててやっていかなきゃいけない。でも、計画を立ててもその通りにはいかなくなってくるのが、ワタシの年齢なんですよ、と。
加瀬さんが亡くなった年齢を数えて
「そのトシにはまだ自分、生きてるよな?」「10年後は?今67やから、10年後は喜寿や!」
と、指折り確認。

最後はお客さんの健康も祈ってくれて、いつものように鉄人バンドのメンバー紹介へ。
それぞれ大きな拍手があり
「それではみなさま、よろしゅうございますか?」
「オマケでっす~!」

~アンコール~

21曲目「TOKIO

Tokio

YOKO君が今年の大宮公演で例年よりはるかに盛り上がり、我を忘れるほどのテンションが爆発していたことを具体的に証明したのが、この「TOKIO」でした。

ジュリーの「オマケです~!」に続いて柴山さんのリフが始まり、5小節目の頭でジュリーがジャンプ(一緒にジャンプするお姉さん達も多くて、会場の床が「どん!」と言いました)、さらに4小節経つと・・・おぉ、隣でYOKO君の”おいっちに体操”が炸裂しています。
去年までのYOKO君は、この動きをとても恥ずかしがっていたんですよね。「みんながやってるからしょうがない、一応」という感じでやることはやるんですけど、僕に見られているのを意識しちゃうのか、正調の”おいっちに体操”ではなく、ボクサーのワンツー・ストレートみたいなアクションになってることが多くて(で、照れ隠しにそのまま僕を殴る、というパターンもしばしば)。
ところがこの日は僕の存在などお構いなしに腕を上げ下げするわ、「そ~らを飛ぶ♪」が来たら躊躇なく「チャ、チャ!」とやってましたね。

一方僕はと言うと・・・ブレイク部直前のリフの箇所だったと思いますが、ステージからパ~ッと何やら光がちょうど僕らの席くらいに向かってきて、通り過ぎた、と思ったら光はそのまま2階に駆け登り、左右2つの幾何学模様に形を変えて天井に張りついたのね。
「へぇ~、TOKIOでこんな照明やってたのか~」と見上げていました。最初に光がこちらに真っ直ぐ向かってくる感覚は、傾斜が大きい大宮ソニックど真ん中センター1階後方席ならではだったんじゃないかな~。

ブレイク部ではジュリーがず~~っと左足1本で立ち続けて、時々よろめきながら(わざとかな?)再びリフが来るまでその姿勢を保っていました。
で、そこのリフでもまた先程と同じ光がやってくるという。
コンソールのこともあるし、どんな会場のどんな席でも、それぞれの楽しみ方というのはきっとあるんだろうなぁ、と改めて感じたのでした。

22曲目「気になるお前

Julie6_2

開演前に寄った山野楽器さんでは、YOKO君がギター弦を購入したのを良いことに、図々しく店頭販売用のアコギを試奏させてもらいました(←楽器店あるある)。
そこでYOKO君、いきなり
「じゃっ(A)、じゃっ(Asus4)、じゃ~(A)、じゃっ、ちゃっちゃ(G)、ら~(E)♪」
と、「気になるお前」のコード・リフを弾いてみせ
「これは(今日)やるよね?」
と。
いやまぁ、やるけど・・・答えていいんかい?
で、黙っていると、「何なのその薄ら笑いは?」。

経験あり、のかたも大勢いらっしゃるでしょうけど、みなさまも一度「自分はもうセトリを知ってる、相方はネタバレ我慢してる」という状況で連れ立ってジュリーのLIVEに行ってみましょう。ビフォーとアフター、それぞれに違った楽しい会話ができますよ~。

ジュリワンのDVDでギターを完コピした、というYOKO君、「A」「Asus4」を5フレット、「G」を3フレット、そして「E」を6弦開放のローコードで弾いて得意顔です。
この「E」だけローで弾くコード・リフは、柴山さんだけでなく下山さんも同じフレットで弾くんですよね。

それにしても・・・昨年のツアーまではあれほど”おいっちに体操”を可能な限り拒否っていたYOKO君が、この日は「TOKIO」に引き続いて躊躇することなく腕を上げ下げしているというのは・・・よほど、ですよ。
「想像以上のステージとセットリストだった」と翌日のメールにも書いていましたが、もう無心だったのでしょう。最後の「じゃらっ、ちゃ、ちゃ、どぅるるん!」までジュリーと一緒にやってましたからね。

間奏・・・今のところ下山さんの動きは普通です(笑)。
ただ、オルガン・ソロでジュリーと柴山さんが泰輝さんのキーボードの前に出張している間、自身のソロ時に前方にせり出していた位置にそのまま陣どって、首を激しく振りながらリフを弾き続けていました(その箇所で、下山さんのリフのフォームが柴山さんとまったく同じであることを確認しました)。

あとね、柴山さんのソロ部では、ジュリーと柴山さんが差し向かいになり、ジュリーはヘドバン&エアギター、柴山さんはジュリーを見つめてニッコニコしながらの演奏でした。これは初日には無かったシーンです!

23曲目「海にむけて

Rocknrollmarch

「ジュリーはね、1番で間違って2番の歌詞を歌ってしまった時、2番で律儀に1番の歌詞を入れ替えて歌ってくれることが多いのよ」・・・以前、そんなお話を先輩から伺ったことがあります。
完全に入れ替えてはいなかったけど、大宮の「海にむけて」がそうでした。

この詞は1番では旅立つ人の側から、2番で見送る人の側から、という形になっていて、それが一部入れ替わったことで、セットリスト締めくくりの曲の最後の最後に、加瀬さんが僕らに語りかけてきているような感覚がありました。「僕が満足するまで泣いて欲しい」・・・今、加瀬さんはそう思っているのかなぁ?
でも、この日この曲を歌うジュリーに涙は無くて(表情は席が遠くてハッキリ見えませんから歌声だけでの判断ですが)、初日と同じように爽やかに美しいメロディーを歌ってくれました。

初日の後、いくつかの会場ではジュリーもこの曲を泣きながら歌っていたみたいだけど、何処かで気持ちがまた切り替わったのか・・・ひょっとしたら前日の鎌倉で会場のどこかに加瀬さんの存在を感じたのかもしれない、それで安心しちゃったとか?
・・・などと、ファンとしては勝手にそんなことを考えるわけですが、大宮も初日と変わらぬ素晴らしい歌声、素晴らしい演奏の「海にむけて」でした。
下山さんのアコギは音色は柔らかいんだけど、2拍目の裏に強いアクセントがあって、それで全体のリズムに芯が通る感じがします。

つくづく、不思議な曲だと思います。今自分が立っている場所が曖昧になって、広い野にひとり立ちどまっているような、そうかと思えば海を泳いでいるような。
今はすっかり歌詞に加瀬さんを重ねてこの曲を聴くようになってしまっているけど、詞曲とも普遍性の高い名曲と言えるのではないでしょうか。
喜寿のジュリーが歌っても、しっくりくるんじゃないかな。

「すぐに会おう」・・・ジュリーは加瀬さんに向かって歌っていたと思います。
MCで「残り少ない時間」とジュリーは何度か言ったんですけど、同時に「まだまだ歌う」とも言ってくれました。加瀬さんは今「大きな時間が巡る」世界にいますから、ジュリーが加瀬さんと再会するのがたとえ50年後であっても、それは加瀬さんからすれば「すぐに」なのではないでしょうか・・・。

☆    ☆    ☆

初日以上に素晴らしいステージでした。

YOKO君も大満足の様子で・・・翌日のメールでは
「予想をはるかに超えた素晴らしいLIVEだった。加瀬さんを笑顔で送ることもできたし、ジュリーはもちろん、鉄人バンドは相変わらず凄かった。グレースも元気そうだったし、というか病み上がりとは思えないパフォーマンス!あと、下山さんのエレキからアコギへのチェンジは猿之助の早変わりのようだった
と。
「異常に忙しくしかもアツ~い8月だったけど、最高の夏のシメがジュリーLIVEで言うことなしだね!と夏休みの絵日記に書いておくよ」・・・だそうです。
さらに、「あらためて、音楽やってる男連中に観てもらいたい」と思ったそうで、スケジュールさえ合えば音楽仲間でルースターズ好きの友人(ドラムとベースをやってる奴)を誘って今ツアー2度目の参加も視野に入れてるみたい(その友人の地元である松戸公演が有力とか。僕は前日の川越に行くので一緒には行けないけど)。

つくづく、こういう構成のセットリストはもう二度と無いと思いますし、多くの一般ピープルの方々にも観て欲しいツアーです。YOKO君も言っていました。「半ズボンの俺に最初にジュリーを伝授してくれた叔母さんに是非体感して欲しいLIVE」だと。
ジュリーの現役の凄さは初めてLIVEを観た人にも必ず伝わるでしょうし、楽器をやる人は、鉄人バンドの凄まじさにも驚くと思うしね~。

とにかく、大宮もやっぱりこのひと言。
加瀬さん、ありがとう!


さて、僕は諸事情により残念ながら渋谷公演への参加を断念し、次回の参加は川越です。
かなり間が空くことになりましたが、たっぷり余韻に浸るため、週一でやっているYOKO君とのスコア研究の課題曲を、しばらく今ツアーのセットリストから選ぼうと思っています。先週は「おまえがパラダイス」のスコア(『ス・ト・リ・ッ・パ・-楽譜集』)を採り上げました。「柴山さんのコーラス・パートの高音が出せるものなら出してみろ!」と(原キーだととても無理)。

澤會さんから頂いていた10月3日の渋谷チケットはあまり良い席ではなかったので、代わりに行ってくださるかたが見つかるか不安だったんですけど、SNSで呼びかけてみましたら、あっという間に決まりました。
3日を落選されていた先輩で、本当に喜んで頂けました。良い人に行って頂けることになった、と安心すると同時に、先輩方の今年の渋谷公演への特別な思いというものを強く感じた次第です。
渋谷、きっと素晴らしいステージになるでしょう。参加されるみなさまのご感想が楽しみです。

また、渋谷不参加となった僕はそのぶん、同じ週の火曜日に幕を開けるピー先生のツアー・レポート(初日に参加します)にじっくり取り組むことができそうです。
昨年はポール・マッカートニーの来日公演中止、今年はジュリーの渋谷公演参加断念、というちょっと落ち込んでしまった時期の前後に手元にやってきたピー先生のチケット・・・2年連続で「元気出せよ!」とピー先生が励ましてくれているかのような素晴らしい良席に恵まれてしまいました。
長いピーファン、タイガースファンの先輩方には本当に申し訳ないくらいなのですが、気合の入ったレポートをお届けするお約束はできそうです。

ピー先生については9月22日に発売となる新譜『三日月/時よ行かないで』の予約も完了しました。
ツアーが始まって以降になるとは思いますが、こちら2曲の考察記事ももちろん書くつもりです。
頑張りたいと思います!

それでは次回更新は・・・すみません、おそらくゆる~い旅日記になります(汗)。
かねてより夫婦で話し合っていた東北旅行の第1弾・・・今週末、1泊2日で盛岡近辺を旅してきます~。

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2015年1月29日 (木)

2015.1.20東京国際フォーラムA 沢田研二『昭和90年のVOICE∞』セットリスト&完全レポ

1月29日、無事にレポートを書き終えることができました。
改めて、「あぁ、今年もお正月コンサートが終わってしまったのか~」と寂しい気持ちになりました。
フォーラム当日、開演直前に大変な事件の報道があり、その後も僕らは毎日祈ることしかできません。そんな最中でしたが、不参加だったみなさまにもこの素晴らしかったステージの様子をお伝えしたい、としっかりコンセプトも持って、可能な限り楽しく書けたかなぁと思っています。いや、決して楽しいことばかり書いたわけではないんだけど、そういうこともまた、ジュリーのLIVEに際してこれからもっともっと大切になっていくのかなぁ、と。
例によって更新日付を執筆終了日に移動させて頂いております。長々とおつきあいくださりありがとうございました!

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行ってきました~!
2015年ジュリーお正月LIVE『昭和90年のVOICE∞』が、1月20日東京国際フォーラムでの6公演目をもって無事終了いたしました。

今僕は、今回のフォーラムに参加された多くの敬愛する先輩方や友人達が意外にも、昨年11月ほどではないけれど複雑な思いをもって帰路に着いた、と仰っていることをとても心配しています。
直前に大変な事件の報道があって、確かにジュリーの心は揺れていたに違いありません。「コンサートなんてしてていいのか」は偽らざる本音でしょう。

でも・・・これまで、ジュリーの語ることに意味や理由が無かったことなんてありましたか?
何年か後、いや何十年か後になってようやく「あぁ、あの時ジュリーが言っていたのはこういうことだったんだ」と目からウロコなこと、何度もありましたでしょ?
ファン歴たかだか数年の僕のような者ですら、そういうことはこれまでにあったのですから。

「大人げなく」って、何だと思いますか?
「もう済んだことなんだから」と諭されることなど断じて認めない、そういうことなんじゃないかな?
本来、去年がリミットでした。「大変な年ですよ」と年初めにジュリーが言ったこと。色々と決まってしまって、今年から徐々にそれが形になってゆきます。
「もう決まったこと?もう動き始めたこと?・・・そんなの関係あるかい!NOなものはNOだ!」って・・・見方によってはホント大人げないことかもしれないけど、ジュリーはそれをやりますよね、きっと。

「不言実行」・・・って何だと思いますか?
もうこの国はダメだ・・・今、そう思って諦めや失意に沈んでいる人達。もちろんジュリーファンだけのことではないですよ。多くの、本当に多くのそんな人達に向かって、ジュリーは発信しようと決めたんじゃないかな?
もちろん、「歌」で。

例えばですよ、僕の勝手な夢物語かもしれないけど、また近い将来ドーム級の大きな箱でね、ジュリーが自分達の力だけで、イベンターに頼らず大々的なプロモートも打たず、風刺とかそういうやり方じゃなくてね、真っ向からド直球の志をもって、堂々と平和へのメッセージをコンセプトとしたコンサートをやる、としたらね。
変な野次みたいなかけ声を叱り飛ばすのは、ジュリーにとって正に今、やるべきことだったんじゃないかな。

あ、大それた夢を見過ぎですか。すみません・・・さすがにそれはナイですね(汗)。
でも、ジュリーファンはいつだって、大きな夢を見る力を持っている・・・先輩方、今までずっとずっとそうだったんですよね?
今回、ジュリーが今年のスケジュールを一切語らなかったことを気にされているみなさま、多いですよね。でも、ジュリーがそこに触れなかったからこそ大きな夢を見てしまった僕は、能天気にもホドがある?

まぁ、結局ジュリーがこれからやろうとしていることが何なのかは、僕レベルでは全然分からないというのが正直なところだけれど、下を向いて言葉少なに「俺、やるよ」とお客さんに示してくれたジュリーは、大きな曲がり角を迎えて、限りあるエナジーを静かにチャージしているように僕には見えたけどなぁ。
とにかく、僕らファンはしっかりしなきゃ!

今回のフォーラム当日は、本当に「無事に終了」なのか(失礼極まりない「かけ声」のことを別にして、ということだと思います)・・・と、ジュリーには思うところもあり逡巡もあったようで、最後の1本締め直前の「無事に・・・」という言葉が出るまでに躊躇いの瞬間がありましたが、素晴らしい熱唱と演奏で、大盛況のうちにツアーが幕を閉じたことは間違いありません。
本当に素晴らしいセットリスト、素晴らしいジュリーと鉄人バンドの年明けのステージでした。

渋谷初日より格段に凄い!と思った曲は数知れず。
また、本ツアー2度目の参加となる僕は、事前にセットリスト各曲ごとに「ここを見なければ!」とチェックポイントを自分なりに絞ってこの日に臨みまして、オーラスにして新たな発見もたくさんありました。
一番ビックリしたのはやっぱり4曲目の

青くせめぎあう霊

(と、一部で命名されているようです笑)

かな~。
え?何とことか分からない?・・・まぁ、詳しくはレポ本編をお読みくださいませ~。

あの広いフォーラムAの会場が、ほぼ埋まってましたね。開演前に一般ピーポーのご夫妻と思われるかたが、「沢田研二凄いね、いっぱいだね」とお話されていました。改めて、本当に凄いことなんだなぁ。
久々にお会いする地方在住の先輩方もたくさん駆けつけていらして・・・平日ではあったけど、日付が良かったのかな。むしろ、「年が明けてすぐの渋谷2daysの方が遠征するには厳しかった」というお話も。

フォーラムはとても綺麗な会場ですごく広いんですけど、ステージそれ自体はさほど広い印象を受けなくて、神奈川県民ホールあたりの方がステージは広く見えるけれど・・・錯覚でしょうか。
ステージ左右の巨大なスピーカーの前までギッシリ座席がある感じ。前方端席のお客さんには、柴山さんや下山さんが死角になることもあるんじゃないかな。
僕はと言えば今回のツアー、珍しく渋谷もフォーラムも1階のPAすぐ後方のド真ん中。とても良い席でした。
このあたりのセンターの席って、歌っているジュリーとの差し向かい感覚がありますよね。

さぁ、余計な枕はこのあたりで・・・早速LIVE本編のレポへと進んでまいりましょう。
目に見える1階席のお客さんはもちろん、2階席からも押し寄せるような、降り注ぐような大きな大きな拍手(僕の席の真上が、ちょうど2階席の10列目くらいになるのかな?)をヒシヒシと身体に感じて。
開演です!


1曲目「
LOVE(抱きしめたい)

Love

GRACE姉さんの豪快かつ繊細なフィルから、おそらく将来「いきなりLOVE(抱きしめたい)から始まるセットリストがあったのか!」と、新たなファンにとって垂涎の伝説となるであろう1曲目、真冬のバラードが暖かな歌声で降臨。
この半端ないダメージ・ソングを、今回はとても優しげに、暖かく丁寧に歌うジュリーなのです。

が・・・。
1番でいきなり歌詞が飛んじゃった~。
ジュリーにすれば「ええっ、ここが出てこんのか!」と自分でもビックリしたんじゃないかなぁ、などと僕は思ったんですが、どうやらこれには登場前の控室での出来事からの、明快な伏線があったようです(笑)。詳しくは2曲目後のMCで!

一部の歌詞は飛ばしたまま途中から歌に復帰したジュリー。声はこの段階ではまだ手探りなのでしょうが、良かった!本当に暖かみのある「LOVE(抱きしめたい)」。この曲がこんなふうに歌われる時が来るなんて・・・不思議な感覚です。

この1曲目については、「お客さんを”抱きしめたい”説や、改築前の渋谷公会堂正月コンサートへのお別れ説(←初日の1曲目ってことね)など、みなさまそれぞれに深い考察がありますねぇ。僕なんて、ただホワ~ッと歌声に包まれ呆けるばかりですよ。後から色々と伺って、なるほど~!とね。
ただ、『歌門来福』を思い出して、あの時も「お馴染みのシット曲」が極端に少ないセットリストでしたし(今回もそう言えると思います)、ジュリーの中ではそんな選曲にとり混ぜても違和感の少ない有名シングル曲、というスタンスなのかな、と思ったりはしています。

演奏はまず、「指輪外して♪」からのGRACE姉さんのキックが凄く良かったです。1打1打の存在感がね・・・歌詞世界にも合っていて素晴らしい。
柴山さんのアコギのアルペジオは、渋谷よりハンマリング・オン→プリング・オフのオブリガートが増えていたようです。ヴォーカルに入る前から炸裂してた!
また、渋谷では確認し損ねた下山さんのボリューム・ペダル奏法もしっかりチェック。一番目立つのは、「さよなら♪」の後の「きゅい~~~ん♪」ってヤツね。
新たな発見は泰輝さん。豪快なシンセ・ストリングス以外に、左手でベースを弾いているんですね。GRACE姉さんのキックを耳で追っていて気がつきました。

照明は渋谷初日とは違っていたように思うんですが・・・みなさまどうでした?
渋谷ではね、枯葉っぽい模様の影が会場の左右の壁にパ~ッと映っていたように記憶していたんだけど、フォーラムではそれが無かったような。その代わりに曲の雰囲気が変わる箇所で、それぞれ暗めの赤と青のライトがステージを覆うように切り替わって、素敵でした。
で、この「暗い赤と青のコントラスト」照明ですが・・・後の4曲目でとんでもない使われ方をしますから!

ちなみに、今回はすべて平日公演というスケジュールにより、最初から検討の余地もなく無念の不参加となってしまった失意の盟友・YOKO君から、みなさまへのメッセージがございます。
セットリスト・・・1曲目がいきなり「LOVE(抱きしめたい)」と知るや、驚嘆し無念の涙を堪えて彼が言うには
「新年早々それ観れた人、絶対ご利益あるよ!
だそうですよ。

2曲目「
明日

Ikitetarasiawase

これはフォーラムの前に”セットリストを振り返る”シリーズ第1弾の記事をほぼ書き終えていまして、最終的な詰めとして「間奏リードギター・リレーの小節間隔と、泰輝さんの役割を確認」を自分に課してこの日に臨んでいました。
で、間奏。身を乗り出した瞬間思ったのは

しまった!ここで”おいっちに体操”だったっけ!

道理で初日のこの曲、ギタリスト2人の間奏シーンの記憶が怪しいわけだ・・・。
ということで、僕はこの日、今回のセトリ唯一の”おいっちに体操ナンバー”への参加を断念。

間奏リードギターでは、最後に1小節交代のスリリングな展開がありましたね。何がスリリングって、照明さんがビシッとついていけるか、という(笑)。『秋の大運動会~涙色の空』初日公演みたいなことになったら大変ですから。
その点、フォーラムは完璧でございました(たぶん初日渋谷も完璧だった・・・はず)。
間奏は柴山さんも下山さんも、ずずいとせり出して熱演。一番最後の2小節のフレーズを、定位置に颯爽と駆け戻りながら余裕でブチかます柴山さん・・・神技!
柴山さんはイントロでもせり出していましたね。

そして泰輝さん。イメージではこの曲ではシンセ・ストリングスとピアノを入れ替わり立ち替わりしているのかと思ったんですが、意外やピアノがメイン。ニッキー・ホプキンスみたいでカッコ良かった!

こうして鉄人バンドの演奏に注目していても、ジュリーの歌声と歌詞はビシビシ耳に飛び込んでくるんですよね。くっきりと。本当に凄いです。
「ロックLIVEでは歌詞が聞き取れないもの」と当たり前のように認識していた『ジュリー祭り』以前のあの感覚は、一体何だったんだろう・・・。
「蹴散らした」のキックはステージ上手側で。
うん、やっぱりジュリー、今はかつてない大きなエナジーをチャージ中なんだなぁ。

今回のセットリストは、この2曲目からのオール・スタンディング。周囲のお姉さん達もノリノリでした。
最後の「じゃじゃじゃじゃ~♪」も、みなさんキレイにジュリーと握り拳を揃えていらしゃいましたよ。

~MC~

「まず、紹介します・・・鉄人バンド~!」
「ずっ、じゃ~~~~~~~~ん♪たかどん!」
と、今ツアーお約束の「音だし」アリ。今後、こういう形が定着していくのかなぁ。

さて、今回1着目の衣装。「バーガンディー」って言うんですね・・・僕は渋谷のレポで「赤茶色」と書いてしまいました。つくづく服飾センスも語彙も貧困です。
「紅白初のポップス大トリ」となった時の衣装に色合いが似てる、と仰っていた先輩がいらして。あの時歌われた曲が「LOVE(抱きしめたい)」だったねぇ、と。長いファンのかたは見るところ考えるところが僕などとは全然違います。さすがです!

で、その衣装ですが。
ジュリーの話では、この日出番前に着替えていて、今まで5公演はそんなことはなかったのに、蝶ネクタイがおかしなふうに曲がってしまって1度やり直して、それでもまた曲がってしまって・・・。

「こんなこと(今ツアーで)初めてですよ。その時思いました。あ、今日は間違うな、と」
ここに、「LOVE(抱きしめたい)」のいきなりの歌詞飛びの原因が判明いたしました(笑)。
「こんな日に来てしまったお客様は、運が悪かったのか。それとも良かったのか・・・」
運、良かったですよねぇ。こんなふうにジュリーがお茶目に話してくれるのを聞けたのですから。

お客さんへの感謝を込めて、会場の隅々にまで何度もお辞儀をしてくれたジュリー。
〆は初日と同じく、「みなさまの心の平和が続きますよう、希望!いたします」
からの、「希望」!

3曲目「
希望

Ikitetarasiawase_2

本当に好きだ・・・この曲。
沸き立つなぁ。震えるなぁ。
ジュリーの熱唱。命より重いものなどあるものか!
この先何度でも聴きたい、いやきっと聴ける!と思いながらこの日も「L→V」ポーズにノリノリで参加。

僕はその一方で、演奏面で色々と確認したいこともあったので、暴れまくろうとする心と身体をなだめつつ(笑)、鉄人バンドの様子もじっくりチェックしました。

初日渋谷レポでも書きましたが、この曲のアレンジの肝はAメロ。冒頭の豪快なサビ部から音数がサ~ッと減って(泰輝さんは完全に鍵盤から手を離して、手拍子をしてくれていました)、トリッキーなタイミングでのギター・カッティングが登場するんですよ。
アップ・ピッキングで「じゃっ、じゃっ、じゃっ♪」と、ダウン・ピッキングで「じゃ~♪」と弾きます。

渋谷ではこの曲が歌われたのがあまりに嬉しくて、そのパートを柴山さんと下山さんのどちらが弾いていたのかまったく見ていませんでした。「音のイメージは柴山さんのような・・・」と書いたんですけど。
で、後日DVD『ワイルドボアの平和』(←今こそお勧めの名演映像!)で確認してみたんです。カッティングは下山さんでした。柴山さんの「ガッガッガッ・・・♪」というパワーコードをバックに、下山さんが「じゃっ、じゃっ、じゃっ♪」とキメていました。
そうかぁ下山さんだったのかぁ、と思って楽しみにしつつ、さぁガン見した今回のフォーラム。

あ、あら?逆じゃん!

そう、2人のAメロでのパートが、『ワイルドボアの平和』の時とは丸々入れ替わっていたんですよ!
「じゃっ、じゃっ、じゃっ♪」も「じゃ~♪」も、柴山さんがニコニコしながら弾いていました。

このカッティングって、技術的には何ら難しいことはなくて本当に細かいアレンジの味つけなんですけど、とにかく拍への噛み方が面白いので、演奏者にとってとても気持ちの良い出番なんだと思います。
『ギターマガジン1月号』で、「ギターの担当パートの打ち合わせはほとんどない」と柴山さんが言っていたけど、ジュリーからセットリストが伝えられた時に

「”希望”のあそこ、今回は俺がやるから!」
「分かりました・・・慕ってます!

みたいな、ちょっとしたヒソヒソ話くらいは、もしかしたらあったのかな?
(←ナイナイ)

4曲目「僕がせめぎあう」

Samosutatto

い~~や~~エロい!

その点鈍感な僕ですら圧倒されるくらいに、この日の「僕がせめぎあう」「ねじれた祈り」の2曲は、とてつもなくエロかった・・・と思うけど、みなさまどうでしたか?
どうエロいのか・・・説明し辛いんですが、ジュリーの上下左右の動きがね、神がかってた!

そしてあの声。
実は初日渋谷の記憶に自信が無くなってきていまして・・・レポに書いた通り、渋谷では確か「PAさんのヴォーカル・エフェクトは通常、左右のPAN振りは無し」の設定だったと思うんです。

CD『サーモスタットな夏』を聴いて確認して頂ければ分かるのですが、この曲のミックスは、歌詞に合わせてそれぞれ異なったフェフェクト処理のヴォーカルが左右中央で「せめぎあう」のがポイント。
さらに1997年のアルバム・ツアーでも、PAさんの設定によって、CDのミックスとかなり近いニュアンスでジュリーのヴォーカルがステージ再現されています(DVDでハッキリ確認できます)。
これが今回の渋谷初日では、多少のエフェクトはかけられていたによ、すべてジュリーの地声で歌われていた・・・僕はそう記憶しています。「下手にトリッキーな設定にするより、むしろこちらの方がジュリーの声の表情の変化が駆使されてエロいじゃん、などと思って観ていたんですよ。

ところがフォーラムでは、完璧にCD音源のミックスを再現していたではありませんか。
しかも・・・それがまたエロい。どエロい!
いやぁ参りましたね・・・。

柴山さんとGRACE姉さんの演奏も凄かったです。
僕はこの曲、元々チョコレート・ウォッチ・バンドのようなガレージ感満載の雰囲気だった吉田光さんの作曲作品に、白井さんが遊び心でサーフィン・エレキな趣向を加えてアレンジを完成させたんじゃないかと考えていますが、柴山さんのアプローチは完全にガレージにしてハード・サイケ。しかもジャズマスターで!
いや、「テケテケテケ♪」ももちろんインパクトは強かったんですよ。しか~し!忘れちゃいけないのが「トゥルルルルル♪」(トレモロ)や、「くしゃくしゃくしゃ♪」(ブラッシング)の乱舞。
ギターでしか表現できない破天荒なサウンドが、正にジュリーとせめぎ合います。


GRACE姉さんは、ドッカンドッカンとまるでジュリーを煽るような・・・。この日気がついたのですが、この曲のドラムスのアクセントは、「ジャスト フィット」と同じなんです。こんなところにも、細かいセットリストの「恍惚のリズム」繋がりが見出せるんですねぇ。
女性の演奏ならではの「ジュリーとのせめぎ合い」があったのではないでしょうか。

で、問題は”青くせめぎあう霊”ですよ!

ホント意味不明、いや「狙ってる」としか思えない照明効果。ステージはほぼ暗めの赤系色に染まっていたんですが、何故か下手側端だけ無気味な薄暗い青色がピンスポットで当てられているではありませんか。
真っ赤なステージの下手側僅かのスペースで、そこだけ青く照らされた下山さんがフワリフワリと浮遊するように蠢いています。な、なんなんだこの演出は!

これは・・・「僕がせめぎあう」という良い意味でおどろおどろしい曲想のナンバーを、視覚的に最大表現するために編み出されたアイデアとしか思えませんよ。
だってねぇ・・・それ以外に「敢えて下山さんだけ」青く照らす意味がない。下山さんはこの曲で決して一人だけ特別な演奏をしているわけではないのです。普通にバッキング。リードギターで縦横無尽にかき鳴らすのは柴山さんの担当ですから。

「おどろおどろしい」・・・つまりは「霊」です。
遂にそこまでハッキリ認定されたのか、下山さん!

驚いたのが、僕の知る限りではこの凄まじい光景に気がつき目撃談を語っている人が意外やとても少ない、ということ(saba様はさすがです!)。
う~ん・・・やっぱりアレですかね。見える人にしか見えない、という超常現象だったのかも・・・(違)。

というわけで、歌に演奏に照明に、本当に楽しめた1曲でございました。個人的には、渋谷初日よりかなり良かったように思います。


CD音源とのアレンジ比較で言うと、イントロなどに登場するキメのリフ・・・「じゃじゃっじゃ、じゃじゃっじゃ、じゃじゃっじゃ、じゃ♪」直後の、「ぴ~ぎゃ~!」というラップ音みたいなギターが再現されなかったのは、「一瞬の変な音フェチ」な僕としては少し残念。
パート的にもラップ現象的にも(笑)、この音は下山さんが普通に担当しておかしくないのですが、あまりにも目立って、霊がお客さん全員の目に晒されてしまってはマズいということなのでしょうね(だから違)

註:その後の情報によりますと、正確には「赤くせめぎあうジュリー、橙にせめぎあうカズ、紫にせめぎあうたいき&ぐれ、青くせめぎあう霊」だったらしい、とのことです。細かく色分けしてたのか~。
「下山さんだけ青!」のイメージしか残ってない・・・。

5曲目「YOKOHAMA BAY BLUES

Hello

この曲では、渋谷初日と「違ったなぁ」と思ったのは演奏ではなくジュリーのヴォーカルでした。
サビ最後の「I LOVE YOU♪」の「I」を、溜めを作って粘っこく発音したのです。しかもファルセットを絡めて・・・これはビックリしたなぁ。いかにもJ-POPの「売れてる人」がやるような唱法で、少なくとも僕はジュリーがこういう歌い方をするのを初めて聴きました。
1番の時にはね、「偶然声が裏返ってそんな歌い方になったのかなぁ」と思ったんですけど、ジュリーは2番も3番も同じように歌ったんですよ。

強引に平仮名で表記するとしたら
あは~い、ら~~びゅ~~♪」
ですかね・・・。「あは~」の「は~」が裏声の部分だとお考え頂ければ。

これはおそらく、「おっ、今日はなめらかに声が裏返るぞ!」とジュリーがこの日のファルセット・ヴォーカルに手応えがあって、ノッていたんじゃないかな。
それを実証したのが、後の「生きてる実感」のヴォーカルでした。初日はファルセット部を自由に制御できていなかったけど、この日は違いましたからね。「YOKOHAMA BAY BLUES」では自分の調子の良さに気づいて、ひと足早く試し斬り・・・?

全公演ご覧になっているかたならば、そのあたりの呼吸は分かるかもしれませんが・・・まぁ、僕の場合はあくまでも推測です。ともかく、ジュリーのヴォーカルによって、力感のあるパワフルなロック・バラードに聴こえたこの日の「YOKOHAMA BAY BLUES」なのでした。

CDのアレンジやミックスを聴き直すと、鉄人バンド・スタイルでのLIVE再現は、柴山さんがエレキ、下山さんがアコギを担当する構成がひと目有力に思えます。
でも、実際には下山さんもエレキを弾きました。下山さんはきっとこの曲で、「そのままの君だけ♪」からの曲想の変化を重視したんじゃないかな~。

6曲目「君が嫁いだ景色

Sur

僕は今回のジュリーには、バラードには暖かさを、ロック・ナンバーには冷たさを感じます。「冷たさ」と言うと悪い表現みたいですけど、両方良い意味でね。

ジュリーのヴォーカルの「暖かさ」ということで言えば、渋谷初日もこの日のフォーラムも、「君に嫁いだ景色」がダントツだったように思います。
「し~あわせ~♪」や「い~の~ってる~♪の声の伸ばし方などは本当に優しくて、お客さんにとっても身近な「おじさん」?「お爺ちゃん」?・・・そんな感じがするヴォーカルだったんじゃないかなぁ。

初日の後にこの曲について「千絵さんの結婚がよほど嬉しかったのでは?」と書いて下さった先輩のブロガーさんがいらして、「あぁ、なるほどそうか~!」と、昨年の『三年想いよ』大宮公演での楽しい楽しいジュリーの結婚式出席エピソードMCを思い出しました。
あの時は30分以上おしゃべりしてくれたんじゃなかったかなぁ。ずいぶん昔のように思い出されますが、まだ半年とちょっとしか経っていないんですね。

さて、今回のセットリストで柴山さんがアコギを弾くのが1曲目「LOVE(抱きしめたい)」とこの曲です。
ご存知のみなさまも多いでしょうが、毎回ジュリーのツアーでの泰輝さんとGRACE姉さんの使用楽器とバックステージを紹介してくれているYAMAHAさんのブログ、今回は2人に加えてアコギの柴山さんも登場。
でね、写真を見ると柴山さんのアコギの1フレットにカポタストが着いているんです。渋谷もフォーラムも、僕の席からはそこまで見えなかったな~。
これは、ヘ短調の「LOVE(抱きしめたい)」をホ短調(Em)のフォームで演奏しているか、変ロ長調の「君が嫁いだ景色」をイ長調(A)のフォームで演奏しているか(もしくはその両方)、ということを示しています。
アコギって、「♭」が多いよりも「#」が多いフォームの方が豊かな表現ができるんですよね。

下山さんのスライドギターも当然素晴らしかったですが、間奏では泰輝さんのオルガンも印象に残りました。決して目立たない音だけれど、渋いバックアップでアレンジを支えていたんですね。


7曲目「いい風よ吹け

Iikazeyofuke

前曲「君が嫁いだ景色」は柴山さんがアコギで下山さんがエレキ、続くこの「いい風よ吹け」はその逆。楽曲に応じてそれぞれ適正な役割があるのでしょうね。


この曲のアコギのアルペジオ、僕はFのスケールでしかコピーしたことないんですけど・・・肝は小節の頭のベース音。これをそれぞれの和音の一番高い音(基本的には1弦)と同時弾きする奏法です。
下山さん、その点かなり気を配って演奏していますね。と言うのは・・・多くのファンのみなさまが今回もセットリストのCDを作成して繋げて聴いていらっしゃるかと思いますが、「いい風よ吹け」は他の曲よりベースのミックスが大きいなぁ、と感じませんでしたか?
クリシェする低音は、この曲の美しさ、穏やかさを象徴するパート。下山さんはそれをアコギのアルペジオで最大限に再現しようとしています。

思い出すのは、下山さんがいつかラジオで語った『ジュリー祭り』の思い出。「最後の曲でアコギを弾く指の感覚が無くなっていた」と・・・「最後の曲」と言っていましたがこれは79曲目の「いい風よ吹け」のことですよね(80曲目の「愛まで待てない」はエレキですから)。
今回フォーラムの後に打ち上げをご一緒した先輩に、『ジュリー祭り』京セラドームのお話を少し伺ったのですが、手ぬぐいのセットリストを見るのは我慢してずっと聴いていて、「いい風よ吹け」の後にジュリーが「79曲歌っちゃったか?」と言った時、言葉にならないくらい感動されたのだそうです。
本当に79曲ももう歌い終えたのか、と。

ジュリーはもちろん、鉄人バンドが実際にステージ上で感じる「79曲」の重さが、下山さんの「指の感覚が・・・」という言葉に表れているように思えます。
下山さんは『ジュリー祭り』の後に「いい風よ吹け」のアルペジオを演奏するたび、ドームの79曲目の感覚を思い出しているんじゃないかなぁ、と思ったり・・・。まぁそれは、『ギターマガジン2月号』の下山さんのインタビューを読んですぐに「いい風よ吹け」を生で聴けたことで、自然に思いついたことなんですけどね。

ジュリーのヴォーカルはこの日も素晴らしかったし、優しかったし、切なかった・・・自分だけのことだけではなくて、生ある人すべての身体に赤い血が流れていることの愛おしさを、今こそ感じなければ。

8曲目「嘆きの天使」

Aimadematenai

初日が終わってからフォーラムまでの間(まぁ今もそうですが)、今回のセットリストそれぞれの曲が脳内で流れまくっていて、声に出さずに歌っちゃう、ということが多かった中・・・「嘆きの天使」を歌っているとサビで「さよならを待たせて」に代わり、「さよならを待たせて」を歌っているとサビで「嘆きの天使」に代わってしまう、という情けない状態に(恥)。

オーラスのフォーラムできっちりジュリーに叩き込んでもらう!と勇んでこの曲を待ち構えていました。

いやぁ凄かったなぁ。
下山さんがギターマガジンで「(ジュリーの声は)空間的に違う」と言っていたのが、なんとなくではありますが分かったような気も・・・。

この曲の歌詞に具体的な出来事が関わっていたことを僕はつい最近教えて頂いたばかりですが、今回ジュリーが歌った「嘆きの天使」は、そういう経緯関係なく普遍的な歌として響いてきますよね。

それともうひとつ・・・「音」の面から、「ジュリーが今敢えてこの曲を採り上げた理由」について、個人的に考えていることもありまして。
「嘆きの天使」って、「バンドの生演奏でオリジナル音源のアレンジを完全再現」されたのは、実は今回が初なんですよね。『愛まで待てない』ツアーでは、リズムボックスの打ち込み音とサンプリング演奏をバックに再現する、という手法でしたし、『Love & Peace』ではアレンジが違います。

これは僕の邪推かもしれませんが、ジュリーの中に「かつて、打ち込み音に頼ってステージ再現していたことのあるナンバーを、今の鉄人バンドの素晴らしい再現力で改めて歌っておきたい」という思いがあるのかなぁ、なんて考えています。
ジュリーには”90年代の3大打ち込み曲”というのがあって、その中から昨年お正月に「緑色の部屋」が歌われ、今年はまさかの「嘆きの天使」・・・こりゃ、来年のお正月は遂に「AFTERMATH」来るか~!と、勝手に夢想してニヤニヤしているところ。

ちなみに、「嘆きの天使」のオリジナル音源でのアレンジや打ち込みの特性については、恒例の”セットリストを振り返る”シリーズでたっぷり語る予定です~。

9曲目「ひかり

Ikitetarasiawase

改めて本当に素晴らしい曲・・・名曲です!

ジュリーの歌も、鉄人バンドの演奏も、力強くも瑞々しい。迷いなくこちらに向かってくる感じ。

カミさんに言わせると、この曲こそ柴山さんが「SGとマーシャルでアンガス・ヤングみたいな音を追求している」ことを体現しているんだそうな。

言われてみればそうかなぁ。キュートなルックスと、バリバリ・ゴリゴリ系のギターとのギャップ?
まさかそのうち半ズボンでステージに立ったり・・・なんてことはナイか。たぶん、あまりに似合い過ぎてみんな逆に退くわな~(←AC/DCをよく知らないみなさま、ワケ分かんない話ですみません汗)。

サビの「ひかり射すあの場所へ♪」で、ジュリーは2階席に手をかざしていました。そのあたりにいらしたお客さんは、嬉しかったでしょうね~。

あと、この曲も照明が印象に残っています。
歌詞で言うと、「この空の下のすべては~♪」から続く、泰輝さんのシンセ・ストリングス(オクターブを下げて重々しく弾くのがサイケな肝!)の
「ソ~、ソ~、ファソシ♭ッ・ドシ♭ッソ~♪」
に合わせて、会場がパ~ッと白くなるんですよね。前方席いっぱいのお客さんのおひとりおひとりの背中が確認できてしまうほど、客席も明るくなります。

今回は「どセンター」の席だったこともあって、「この明るさだと、ステージのジュリーからもお客さんの顔がよく見えるんじゃないかなぁ」と妙にドキドキしました。同じように思った人もいらしたのでは・・・?

10曲目「Fridays Voice

Pray

初日も素晴らしかったけれど、この日はよりストレートに響いてきたジュリーのヴォーカル。

低音も高音も、圧倒的な説得力でした。

「何故恐れない?」

「何故感じない?」

初日のレポにも書いたこと・・・ジュリーは今、ギリギリだと思うんです。ギリギリのところで、苦渋の決意をもって、あんなに懸命に、不器用にファンに伝えようとしています。この先自分が行く歌人生を。

初日もそうだったけど、「バラードだから」という理由では(おそらく)なく、この曲が始まるとスッと着席されるお客さんを、何人かお見かけしました。
僕などは、その意図するところを思うと複雑な気持ちはあるのだけれど、そのこと自体は仕方ないかな、とも思うんですよね・・・それもまた「思考している」真剣なファンの姿なのでしょうから。
ジュリーが危ぶんでいるのは、「思考しない」ことについて。それはもうハッキリしています。

今、世の中には、人の社会的思考をストップさせるような音楽ばかりが溢れているように感じます。
テレビの「一億総白痴化」は今さら言い過ぎだと思うけど、明るく華やかな音楽を聴いているはずなのに、心がズッシリ重くなるような、「明るさ」「楽しさ」に潜む空虚のあまり背筋が寒くなるような思いをすることもあって・・・まぁ僕が臆病で過敏なだけかもしれないですけどね。
もちろん音楽とは本来、日々の苦しいことを忘れさせてくれる楽しいものであるべきなのでしょうし、ほとんどの人はそれを求めているわけです。でもジュリーは、違う道をこれから行くんだね・・・。

ジュリーは、人々に「思考させる」音楽をやろうと思っていて(それは当然、ポリティクスでも宗教でもなくて)、今年はいよいよそれをファン以外の大きな「マス」にも拡げて発信しようと決意している・・・僕はジュリーの「不言実行」をそんなふうに捉えましたから、尚更ジュリーが(お正月LIVEで)、何かをグッと堪えているように見えたり、駆けつけたファンに対して「申し訳ない」とすら思っているようにも見えたりします(考え過ぎかな?)。
もしそうなら、ジュリーは今痛いほど感じていると思う・・・「ただ純粋に、楽しいステージを見たいんだ」とLIVEに参加しているファンが実は大半だということ。そんなファンにとって、この先のジュリーのステージがどんどん辛いものになってゆくかもしれない、ということ。ジュリーがやろうと決めたこと・・・それがもしかするとファンに望まれていないかもしれない、ということ。
だからこそジュリーは、少ない言葉でまずファンに真っ先に伝えてくれた・・・「ごめん、でも俺、やるから」と。

「大丈夫だよ!」と応えてあげたい(←偉そう)
これからは、ジュリーが「歌わなきゃ」と思う歌を歌って欲しい。作って欲しい。
ジュリーの歌人生は、ジュリーのものだから。ファンは、そんなジュリーが好きなんだから、と。
「コンサートなんてやってていいのか」と思い迷いながらもジュリーがコンサートをやってくれることが、何より尊いこと。みんなそんなジュリーを応援するし、ジュリーの笑顔が見たい、と思っているはず。

終演後、ご夫婦らしい2人連れのお客さんと階段でお隣になって、(たぶん)旦那さんが奥様に「ジュリーもずいぶん社会派になったんだねぇ・・・」と話しかけていらっしゃいました。今は、お客さんの反応はそれで良いんじゃないかと僕は思うんですよ。
だからジュリーにはこの先、考え方の違いで(?)着席するお客さんに対しても、また初めてジュリーのLIVEに訪れたお客さんに対しても、もちろんジュリーと同じように考え、世界を憂いているお客さんに対しても、何度でも「Fridays Voice」や「希望」や「緑色のkiss kiss kiss」や、(今回は歌われなかったけれど)「我が窮状」を歌っていって欲しいです。
そうやって、ジュリーはこれから自分とは全然違う考え方も含めて、色々な「声」を集めていくんだよね。

『昭和90年のVOICE∞』・・・大きな曲がり角に向かってジュリーが走り始めた、歴史的なLIVE。その曲がり角の先を、きっと見届ける!
「声」はもう既に集まり始めているんじゃないかな。

この日の「Fridays Voice」は、会場が広いフォーラムで、一般のお客さんもたくさんいらっしゃることを考えて事前に打ち合わせがあったのか、最後のサイレント部からGRACE姉さんのフィルまでの間隔が、かなり短くなっていましたね。
それでも一瞬、勇み足の拍手が起こっていたけど、僕はそれはそれで良かったと思っています。

などと、こうして重~い話を書いていても(ごめんなさい)、この後に続く曲が救ってくれるのです。

11曲目「カガヤケイノチ

38

ワルツのリズムが、心を鎮めてくれるのでしょうか。
素晴らしかったなぁ。渋谷より良かった!

今思うと、初日はちょっとテンポ速めだったのかな。
この曲の出だしって、GRACE姉さんはハイハット(クローズ→オープン)とスネアのフィルだけですっけ?その前にカウントもあったのかな?聴き逃しました・・・。

「ぶれ続けても♪」で登場する半端ない最高音をジュリーがあまりに楽々と歌ってくれたので、「キー下げてるのかなぁ」なんて余計なことも一瞬考えてしまった・・・でももういいんだ、そういうことは。
最後のサビでは、上手側に歩きながら指揮をしてくれたジュリー。僕はジュリーと一緒に歌ったけど、みなさまはどうでしたか?後で色々伺うと、歌っている人も多かったようですが、他のお客さんの声まではよく聴き取れませんでした。

ちょっとビックリした再発見は、泰輝さんのベース。
とても小気味よく効いていて、「あれぇ、3年前のツアーでも弾いてたんだっけ?」と思って自分が書いた過去のレポをちょっと読み返してみました。まったく触れてない・・・気づかなかっただけかなぁ。
で、「一応」という感じでCD聴き直してみたら、薄いけど入ってる!ベース音が。
タッチとしては、「一握り人の罪」みたいな感じの音。『3月8日の雲』でシンセベースが入ってるのは「恨まないよ」だけだとこれまで思い込んでいました・・・(恥)。

あと、初日がどうだったか、いや肝心のフォーラムの記憶すらもう怪しいんですが、最後の「トワニトワニト・・・♪」が、ジュリーの声だけじゃなくてギターも小さく鳴ってたように聴こえた・・・と思ったんですけど、どなたか覚えていらっしゃるかな~。
この曲については、ジュリーの最後の声とピンスポットがスッ、と消えてから満を持して万雷の拍手が起こります。3年前のツアーでもそうでしたね。

12曲目「緑色のkiss kiss kiss

Pleasure

未だかつてそんなことは無いしこの先数年もまだ無いだろうと思うけれど、ジュリーのLIVEに毎回参加していたら、いつかは「セットリスト全ての曲の記事を既に書いてしまっている」ツアーを体験する日がやって来るかもしれません。
つまり「”セットリストを振り返る”シリーズで新たに採り上げる未執筆の曲が1曲も無い」状況ね。
そうなったらおそらく、ずいぶん昔に書いた曲で「我ながら考察が浅過ぎる!」と後悔している類の記事を書きなおす、ということをやると思います。毎回ツアーのたびに「あぁ、考察記事書きなおしたいなぁ」と思う曲、たくさんありますから。
今回の『昭和90年のVOICE』では、その筆頭たる曲がこの「緑色のkiss kiss kiss」でしたね(2番手が「遠い夜明け」、3番手が「希望」)。

初日にこの曲を久々に生で聴いてまず大感激したのは、やはりこのところの世界情勢やこの国の状況に自分なりに思うところがあって、それがあまりに「緑色のkiss kiss kiss」という楽曲の内容とリンクしていたからだったのでしょう。

昨年末に「明日は晴れる」の記事を書いた時、たまたま枕でライヴ・エイドの「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」という曲について触れました。


今僕たちはクリスマスだクリスマスだと浮かれているけど、この地球の何処かに、今日がクリスマスだってことすら知る術もない子供達が暮らしている、地獄のような世界が実際にあるんだ

そんな内容の曲。
20代の僕に大きな影響をもたらしたアーティストの一人、ボブ・ゲルドフ(ブームタウン・ラッツ)の作品です。

ジュリーの「緑色のkiss kiss kiss」は、明るい曲想で高らかに平和のメッセージを歌う中に、「ドゥ・ゼイ・ノウ・イッツ・クリスマス」に登場するフレーズにも共通するような、ドキリとさせられる表現があります。
今回ジュリーが、「緑色の風のkiss kiss kissを送りたい」と歌った「悲しみの世界」とは何であるのか。
初日渋谷ではそれを突きつけられたように、僕には思えたのでした。

さらにその後、セットリストのCDを作成して曲をじっくり聴き返して・・・歌詞やヴォーカルだけでなく、なんて素晴らしいメロディーなのか、なんて素晴らしい演奏なのか、と今さらながらに。
名曲だとは思っていたけど改めて・・・「とんでもなく好きなジュリー・ナンバー」になりましたね。

フォーラムでも感じたけど、この曲で魅せてくれる泰輝さんのピアノやシンセ・ストリングスは、もう完全にビリー・ジョエルそのものなんだよな~。
ジュリーの「NO!NO!NO NUKES!」を受けて弾きまくる間奏ももちろん、イントロでの裏からジャジーに噛み込んでくるピアノのタイミングとかね。
泰輝さんがリスペクトしているビリー・ジョエルは、僕も大好きなアーティスト。僕が一番好きなアルバム『ナイロン・カーテン』は、ポップにして、ロックにして、凄まじい社会派の大名盤です。「緑色のkiss kiss kiss」のシンセ・ストリングスの音色とアレンジは、まさにこのアルバムの雰囲気!一方ピアノについては、それより少し前のアルバムに収録されている、ジャズっぽい作品群でのビリーの演奏を思わせます。

この日は下山さんのスライドギターもしっかりチェックできたし、改めてジュリーのメッセージと共に、鉄人バンドの演奏もしっかり身体に浴びてきました。
ジュリーの思いと鉄人バンドの演奏は今、揺るぎなく並び立つものですし、こういう曲を聴くと、「考えさせられること」と「楽しいこと」は並び立つものだ、とも思えるんですけどね・・・。とにかく、大名曲です!

13曲目「ROCK'N ROLL MARCH」

Rocknrollmarch

実はこの「ROCK'N ROLL MARCH」、最高音が高い「ソ」の音(「ス・ト・リ・ッ・パ・-」や「カサブランカ・ダンディー」などの曲でジュリーにもここ数年苦心が見られるようになったほどの、中年以上の男声にとっての高音)で、しかもサビのメロディーは高い「レ」から「ソ」までの4音階のみの高音域で構成されています。
それでもジュリー、この曲はガツン!とジャストな高音が出るんですよね~。
これはやはり相性だと思うんですよ。サビの高音部1音1音に適度な長さがあって、ロックな曲想で、身体の動きと声がリンクしやすそうで。
この曲でジュリーは、ススッと横移動しながら歌い出し、ストップしてシャウトへ、というシーンが多いですよね。あの動きに「高い声を出す」秘密がありそう。

ジュリーのヴォーカルも鉄人バンドの演奏も、この曲についてはもう熟しきった境地なのかもしれないけれど、下山さんのギター、単音が毎回変わってる、と聞いて目からウロコ。そうだったのか!
とりあえず今回のフォーラム・ヴァージョンはなんとなく覚えた!(←これを家でヨタヨタ流で再現して弾いていて、歌メロが意外や高音であることに気づいた)
あとは『ジュリー祭り』のヴァージョンをこれから覚えて、この先再び「ROCK'N ROLL MARCH」がセットリストに採り上げられる日に備えたいと思っています。

14曲目「晴れのちBLUE BOY」

Royal3

よくお邪魔するブログさん達の今ツアー関連の記事を拝見して・・・あぁ、みなさん鋭いなぁ、僕は考えもしなかったなぁ、と思ったのが、「晴れのちBLUE BOY」の歌詞「言いたいことはヤシの実の中♪」を引用することで、ジュリーの今の志や佇まいを暗に表していらっしゃる、というね。
なるほど、「ヤシの実の中」かぁ~。

この日のジャンプは横っ飛びもありましたね。
渋谷初日のレポで「センターで前蹴り」としか書かなかったけれど、たぶん僕が自分の見た瞬間だけを覚えていたのでしょう。渋谷でもセンター、左右と縦横にジャンプしてくれていたのかもしれません。
ジュリーがだいたいの統一の動きを決めてツアーに臨んでいる、というのはここ数年で学んだこと。

と言うのも、改めて驚嘆するのは・・・最後のサビのリフレイン部で、ジュリーはリズムをとりながらステージ左右を歩き回るじゃないですか。でも、足取りをまったく乱すことなく、速くもならず遅くもならず、計ったようにキレイに最後の最後にセンターに戻ってきて、「ヤシの実の、ヤシの実の、中♪」と決めてくれるんですよね。
これが、良い意味で「アイドル」でありつつ歌謡曲のトップを張った歌手こそが表現し得る「ロック」なんですよ。ただ「ノッて」いるだけじゃない・・・歩幅の美しさひとつとっても、ステージ上の所作が、僕がジュリー以前に知っていたロックシンガーとは全然違って、完全に一線を画しているのです。
しかも「晴れのちBLUE BOY」は、2008年の『ジュリー祭り』以来歌っていなかった曲ですから・・・尚更です。

下山さんがメチャクチャ細かく縦に動いてノリノリだったなぁ。この曲では特に、GRACE姉さんのドラムスと波長が合うんじゃないかな。
しかし、ベースレスで「晴れのちBLUE BOY」をここまで再現するとは・・・鉄人バンド恐るべし!

15曲目「ねじれた祈り

Kitarubeki

ネタバレ歓迎なファン、ネタバレしたくないのに我慢できずに調べちゃって頭を抱えるファン、鋼鉄の意志で自分の参加公演までネタバレ我慢を貫き通すファン。
ジュリーファンにも色々あるけれど!

今回も、オーラスのフォーラムのみの参加で、その日までじっとネタバレ我慢されていたJ友さんがいらっしゃいました。まぁそれでもやっぱり気がかりで、あちこちチラ見しては「イカンイカン!」みたいな感じの日々だったようで・・・「LOVE(抱きしめたい)」と「ジャスト フィット」の2曲だけは分かっちゃった、と連絡をくださったりして。

でね・・・J友さん、何処かで「ジリィ、ジリィ」という擬音表記をご覧になったらしいのよ。
既に参加している身には一発で分かるその擬音・・・「ねじれた祈り」のサビ直後、ジュリーがお尻を振って歌ってくれるアレのことですな。客席から思わず「ひゃ~っ!」みたいな嬌声が起こる(渋谷でもフォーラムでもあった)、今セットリスト最大の見せ場とも言えるあの重要なシーンのことです。

で、直前になって
「”ジリィ”って何のこと?」
というメールを頂いたわけです。
僕は「こりゃイカン!この曲のネタバレだけは絶対に防がねば!」と思って

「よく分からないけど、”ジュリー”と”ジジィ”が混ざっちゃったんじゃないですか~?」

と、全力でスッとぼけました(笑)。
その甲斐あってJ友さんは無事、「ねじれた祈り」のあの部分にはまったく思い至らないままフォーラムにご参加と相成ったようです。良かった良かった!

にしても・・・何なんでしょうねこの曲のジュリーは。
凄過ぎます。単に「エロい」とかそういうことだけじゃないですよね。しかももう、「ロック」なんて言葉も超越してるような気もしますし・・・これがジュリーなのか!とひれ伏すしかありません。
僕がこれまで参加してきた『ジュリー祭り』以降のLIVEパフォーマンスの中でも、屈指だったと思います。

いつもお世話になっている先輩が、今回のこの曲について、とても面白くて深いことを仰っています。


この曲ではジュリーの歌う空間に私達は入れない。一方的に侵入してくるジュリーに私達は征服されるだけだ。

なるほど・・・いや、本当にそんな感じでした。
ちなみにその先輩はジュリーと同い年。曰く
「今回のジュリーがどれほど凄かったか・・・それはみなさんが66歳になった時に分かるでしょう」
と。
はは~っ!(平伏)

本当にそうなんだろうと思う・・・僕などには、自分がそこまで生きているのかどうかすら想像がつかないような、66歳という年齢。そんな年齢のジュリーがあれほどのパフォーマンス。あれほどの体現力。
いや、そんな絶賛ですら、ジュリーにかかればあまりに安っぽいのかもしれません。


そう・・・ジュリーは安くないんだよ!
日刊ゲンダイよ、ペンを持って生業とする者ならば、たとえ「沢田研二」の名前に頼って記事を「売る」にしてもだ、もっと他に書くべきことがあるだろう?
「面白く纏められた」とでも思ってる?僕はこの記事の「会場の声」は「架空取材」だと思ってるけどね。
スージー鈴木さんが数年前にこう仰った。
「沢田研二はもう、あなた方マスコミが浮き沈みを論ずる地平にいないのだ。勉強して出直して欲しい」
この言葉、よ~く噛みしめて頂きたい!
ジュリーの大なる志を知り、己の小なるを知るべし。


(この場を借りて言わせて頂きました。ちょっとスッとした・・・みなさま、お目汚しごめんなさい汗)

16曲目「生きてる実感」

Kitarubeki_2

これは、名古屋だったか大阪だったか・・・ネットで目にした「ジュリーとは違うタイミングで下山さんもジャンプしてた」というシーンがフォーラムで再現されるのかどうか、が一番の楽しみでした。
見られましたよ~!

解説しますと・・・下山さんのアレは、2小節にまたがるリフの最初の1拍目で跳んでいるのですな~。
それをリフの2回し目からやったので、ジュリーに遅れて呼応し跳んでるように見えるけど、順序としては下山さんの方が先のタイミングでのジャンプとなります。

ちなみにジュリーが跳ぶのは1小節目の4拍目の裏。リフの最後の音階部ですね。
えっ?何故下山さんは、ジュリーと同じ箇所で跳ばないのか、ですって?
説明しましょう。

ギタリストは基本、アップストロークのタイミングでは跳びません!

例えば・・・柴山さんが「TOKIO」のイントロでぴょんぴょん跳びますよね。あれはすべてダウン・ピッキングの箇所でジャンプしているはずなんです(音の無い表拍では空打ちでの振り下ろしかな)。
みなさま試しに、右手を腰のあたりで曲げて、手先をおヘソのあたりに持ってきてください。それが、ギタリストの演奏時の体勢になります。
そのまま右肘から先を思いっきりサッ!と肩くらいまで上に振り上げながらジャンプしてみて。なんだかとっても情けないことになりませんか?高さも出ないでしょ?
で、今度は逆に思いっきり振り下ろしながらジャンプ。おっ、今度はイイ感じで高く跳べる・・・でしょ~?

ジュリーが跳ぶ箇所は、裏拍のアップ・ストローク部。そこでジュリーと同時にあんな広い歩幅のジャンプなんかしたら、下山さん後ろにひっくり返っちゃうよ~。
あぁいや、下山さんほどの腕前ならそれでも跳べるとは思いますけど、直後の
「ん、ジャジャジャジャジャジャジャ♪」
の最初の何打かを空中で弾くことになりますから、見た目的には相当な超常現象系になるのではないかと・・・え?むしろ見たい?そうですか・・・。

で、何とかアップストロークに合わせて自然に跳べる方法は無いものかと、会社の昼休みに色々試してみたところ(←何をやってる)、ありました。上手い体勢のコツが。それは何と・・・
ジュリーのように思いっきり膝を曲げて跳ぶ!
というもの。
ただし、何も持たずにやると平気なのですが、ギター持った状態だと着地が大変。まぁこれは僕の体力とか運動神経に問題があるのでしょう。

あとね・・・下山さんもエレキじゃなくてアコギだから「跳んじゃえ!」となった部分もあると思うんだ~。アコギって、エレキより全然軽いんですよ。

あぁ・・・長々と余計な話を(汗)。

深く解釈しようと思えばいくらでもできる歌詞だけど、本当にハッピーなポップチューン。この曲も”セットリストを振り返る”シリーズで採り上げる予定です。

この日は、周囲のお姉さん達もジュリーと一緒にジャンプしていました。たぶん会場には同じようにジャンプした方がたくさんいらしたのでしょう。
僕は『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーでフォーラム2階最前席の経験があるから分かるけど、きっと2階前方席は揺れまくっていたでしょうね、この曲。

17曲目「A・C・B

Kitarubeki

僕はこの曲のAメロ「新宿は♪」からの1回し目は基本、柴山さんを見ています。
ギターの出番が2回し目からとなる柴山さんは、この時空いた両手で手拍子を煽ってくれるんですよね。時には胸のあたりで、時には両足を思いっきり拡げて、頭上に両手を上げてド派手に。ボディーの軽いSGが「でろ~ん」とネックの方向にずり下がっていくのを、出番直前にササッと掬って演奏を始める、という神技を目撃したこともありました。
手拍子のパターンは2種類。
CD音源アレンジのハンドクラップ音に忠実に「うん・たん、うん・たん、うん・たんたん!」か、普通に裏拍で「うん・たん、うん・たん、うん・たん・・・」とループさせるか。ここ最近は前者はほとんど見かけなくなり、後者のパターンがほとんどです。渋谷初日もフォーラムもそうでした。そろそろ、以前のパターンも見たいなぁ・・・。

で、過去に1度だけ(だと思うけど)、僕が柴山さんをチェックする機会を完全に失った公演がありました。2013年『Pray』ツアー、和光市公演です。
望外の”地元本神席”を賜り、その時「A・C・B」でジュリーは僕の目の前数10センチで「アシベの道案内」をしてくれたんですよね。その時チラッと思ったのが
「あぁ、この曲はジュリーにとって、”気になるお前”と肩を並べつつあるのかなぁ」
と。
ただただ観る者を吸引する、その歌そして動き。難しい理屈抜きに、誰しもがガキッとジュリーから目を離せなくなる1曲。その権利を「A・C・B」という曲は今、持ち始めているかもしれません。

渋谷ではうっかり聴き逃した、「2015年でもくたばってなかった♪」をこの日はバッチリ聴いてきました。
泰輝さんのオルガンもカッコ良かった!

18曲目「さよならを待たせて

Sur

サビの「あぁ♪」とか、カノンっぽい王道進行とか、イントロのキーボードとか・・・初日の後しばらく脳内再生で「嘆きの天使」とゴッチャになってしまうことのあった僕に、キッチリと、ビシッと歌い諭してくれたこの日のジュリーのヴォーカル。
これまた良かった、渋谷よりかなり良かったと思う!

「別れ」?いや「決意」の歌だと思ったなぁ・・・。
今、ジュリーの心は暴れています。悪い意味でなく、それはみなさん感じとっていらっしゃると思う。ジュリーも一生懸命に伝えようとしてくれてる・・・。
だから(cause)マイ・ラヴなんだと、お客さんに言ってくれてるような気がします。

後奏のギター・ソロ部で、ジュリーが一心に見据えているものは何でしょう?
遠い、遠い夜明けかな?
生きにくい、大変な道を選んだよね・・・ジュリーの方から「さよなら」を言えたらきっと楽だよね・・・。でも、まだまだ僕らを待たせてくれていいよ!
なんてふうに、僕もオーラスのフォーラムにてようやく妄想?の歌詞解釈。

毎回毎回、セットリスト各曲の「繋がり」を感じ考えるのは、ファンの身勝手かもしれません。でもジュリーの選曲はいつもそれを感じさせてくれます。
今回は特にそう。
渋谷初日には、去年のフォーラムのことをそこに重ねました。そして今僕は、この先ジュリーが行こうとしている道を、今回のセットリスト22曲に重ねてしまっています・・・思い込みかもしれないですけど。

ジュリーがこれから具体的に何をやろうとしているか、なんてヒヨッコの僕には分かりっこないのです。
ただ、自分がジュリーファンになって初めての、これまで先輩方が何度か目の当たりにしてきた「10数年に1度のジュリーの大きな転機」が訪れようとしていることだけ・・・それだけが今は分かります。「遂に僕もその機に立ち合うのだ」・・・言葉が適切かどうか、とは思いますが、「ドキドキ」していますよ!

「さよならを待たせて」を、「明日」や「遠い夜明け」と並べて思う今の僕の感性が合っているのか的外れなのか。その答が分かる時・・・「ジュリーはあの時こうだったんだ!」と示してくれるステージでジュリーが歌う時、僕は必ず客席にいるんだ!と、楽しみにしています。

~MC~

「MC」と書きつつ・・・すみません!
フォーラム当日からずいぶんと日が経ち、今さら改まって「ジュリーがこんなことを語ってくれた」なんて書き連ねるのも野暮かなぁ、と思いますし、みなさまもうジュリーが語った言葉の情報は得ているとも思いますので、ここではジュリーのこの日のMCも考え踏まえた上で、ここ数日僕があれこれ考えていたことを少しだけ書いてみようと思います。

最初はね・・・このMCの項でまず始めに「楽しくない話をしちゃうけど、ごめんなさい」と書くつもりでした。
でも、今はもうそんなマイナスの気持ちが和らぎ、とても癒されているのです。
すべて、こちらのブログ様のおかげです。

「沢田研二論」~黙っとれ!の窮状~

情報の早いジュリーファンのみなさまですから、もうお読みななったかたがほとんどでしょうが・・・例の26日付の『日刊ゲンダイ』の最低最悪な記事について、本当に胸がすくような文章で、僕らが言いたかったこと、言いたくてもなかなか表せなかったことすべてを書いてくださっています。
あの軽薄な『日刊ゲンダイ』の記事に充満する、愚かなまでな無知と悪意によるミスリードを、ジュリーの歌人生の歴史、その事実を語ることで完璧に論破。
痛快、とは正にこのことです。
こんなジュリーファンがいらっしゃるんですね。なんと、僕と同世代の男性でいらっしゃいます。参りました。感動に打ちのめされました。僕もこれから、こういう人を見倣っていかねばなりません。

あの最低な記事が出た翌日、実は僕も会社で数人の人に「どういうことなの?」と尋ねられました。
皆僕がジュリーファンだと知っていますし、僕は正にあの記事に書かれたLIVE当日、「ジュリー観に行くから!」と言って仕事を早退していましたからね。
丁寧に事実を語って、「ジュリーが悪い」という誤解を解くことはできましたが、口ですべてを説明するのは本当に大変でした。次回からは、「このブログさんを読んで!」とお勧めしたいと思っています。
そして、ブログ様の方にもそうしたコンタクトが殺到したのでしょうね・・・「ご自由にコピーしてください。ただし切り取らずに全文で」との加筆がございました。
この「文章を切り取らずに」と仰っているのがそのまま、『日刊ゲンダイ』の記事への痛烈な皮肉となっているのですね。いやぁ粋です、カッコイイ!

このブログ様が唯一気にしていらっしゃる「自分は不参加だったので、当日フォーラムに参加した人の声が聞きたい」ということ・・・どれほど素晴らしいLIVEだったか、どれほどお客さんが楽しんでいたか、というのは、ここまで僕が拙い文章で書いてきた通りです。
そして、会場が凍りついたシーンというのは確かにあって、それはゲンダイの記事がミスリードしている「ジュリーが怒った」時ではなく、ジュリーの真剣な話を遮った最低の野次(最早「かけ声」とすら書きたくない)・・・その下品な大声に対してのことだったわけです。

とにかく、このブログ様のおかげでサッパリ気持ちが晴れたところで・・・僕が今回書かなきゃ、と考えていたこと(それは『日刊ゲンダイ』の記事が直接の動機になったんですが)を、ここで少し書きます。

今回の『日刊ゲンダイ』の件は、いかに世の「報道」「情報」が事実と異なりねじ曲げられていることがあり得るか、いかにそれと知らずに追従してしまう一般世間の反応を導くことがあり得るか・・・はからずも実感させられることとなりました。
多くのジュリーファンが怒りの捨て場も無く、悔しさ、やるせなさに震えていた中、先のブログ様のように毅然と、実直な認識をもって態度を示すことがいかに大切であるかも教わりました。

無知であり悪意のあった『日刊ゲンダイ』の記事は、そのレベルの低さ、思慮の浅さ故にむしろ今回、ジュリーファンにとって良い経験、教訓になったのでは、と考えることもできます。
もちろん、ジュリー自身はこのような脚色記事は気にかけるだけアホらしい、と考えているでしょう。しかし僕らファンは・・・それぞれの手だてで反論しつつも、あんな滑稽極まりない記事に対して、ある意味「動揺」してしまったことは確かです。

この機に、肝を据えましょう。
これからだ、と思うのですよ。見当違いかもしれないけど、ジュリーの「不言実行」はこの先、一般世間に様々な波紋を呼ぶのではないかと思っています。
『日刊ゲンダイ』は小物でしたが、この先もっと巨大で、明確な意思をもってジュリーの道を阻もうとする報道を目にすることがあるかもしれません。
これまでとはまったく違った形で、ジュリーが「痛いくらいのまなざし」を浴びる時が来たように思います。

ジュリーは誰に何を言われようが屈しないでしょう。
そんな時、僕らファンがへこたれていてはいけません。ジュリーは「何を余計なことを・・・」と苦笑いするでしょうが、僕らファンがそんな報道に動揺せず、毅然とした態度でいることは、必ずジュリーのエネルギーになると思っています。
もちろん、そんな報道や記事など目にすることが無いことを願ってはいますが・・・。

「ひかりさすあの場所へ♪」と客席に手をかざしてくれたジュリーだけど、やっぱり「ひかり」とはジュリー自身です。この先も様々な視線がステージ上の「ひかり」・・・ジュリーその人に1点、注がれます。

MCのジュリーの言葉をひとつだけ。
「みんなそれぞれが、他人事でなく、自分のこととして考える時が来ましたね・・・」

僕もしっかりしなきゃ、と思っています・・・。

それでは(ジュリー、この日はアンコールに行く前の鉄人バンドの紹介を忘れていたみたい)・・・
大寒、寒中見舞いです!

~アンコール~

19曲目「ジャスト フィット

Miscast

で、2着目のスーツですよ。
僕は渋谷初日のレポで「グレイ」と書きましたが、正しくは淡いブルーだったのですね・・・。
にしても、堂々と間違ったことを書いているのにどなたからもツッコミが入らないという・・・「コイツにヴィジュアルの情報を求めたり語ったりしても無駄だ」と、もうその点は諦められているのでしょう(泣)。

さて、とにかく素晴らしい高音の伸びとねじ伏せるような低音、そしてアクション。存分に堪能しましたが、歌詞はちょっと怪しかった・・・ですか?
実は、当日から時間が経って自分の記憶に自信が無くなってきているのです。1番でも「ん?」と思った箇所があったように思いますが、ハッキリ「あれ?」と感じたことを覚えているのは、間奏のシンセ・ソロ(下山さんが官能的なフレーズを弾きまくるのは、間奏ではなく後奏)の直後。
「知らないうちに知りすぎたけれど~♪」
とジュリーがまず歌い出したので、「えっ?」と。
続けて
「いろんな夜を転がり続けて~♪」
と来たので、「あぁ、出だしを間違ったけど咄嗟の機転でひっくり返したんだな」と思いました。

以前先輩が、ジュリーの几帳面な性格を感じるエピソードとして、「1番で間違って2番の歌詞を歌った時、2番で同じことを歌うのではなく、1番の歌詞を入れ替えてくるのを何度も観た」と仰っていました。
今回は瞬時に前後を入れ替えたんだなぁ、と思って観ていた・・・はずなんですけど、今はちょっと記憶に自信が無い・・・(汗)。

ジュリーの前方席チェックは渋谷初日ほどではなかったように思いました。でも、キレッキレなのは変わらず。

そしてこの曲も鉄人バンドの演奏が本当に素晴らしい。とにかくCDアレンジに近いんです。「晴れのちBLUE BOY」と同じく、「ベースレスでここまで完璧に再現するのか!」と、ただただ驚嘆の1曲ですね。

ともあれ、「ジュリーLIVEの定番曲」として有名なのに、『ジュリー祭り』が初LIVEだった僕がまだ生で聴けていなかった「これぞジュリー!」なナンバーを、今回のツアーでようやく体感できて幸せでした。
あと残ってるのは・・・まず「キャンディー」だな!(僕は『きめコン』不参加だったのです涙)

20曲目「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」

Royal3

僕のジュリーのLIVE参加は『ジュリー祭り』がスタートですから、過去のツアー・セットリストについてまだまだ知らない、把握していないことが多いです。
先に紹介したブログさんの記事を拝読して「そうだったのか~」と今さらながら思ったのは、この「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が、90年代には本当に数えるほどしか歌われていなかった、ということ。
「たまに歌うヒット曲の中では定番」のナンバーとして長年継続して歌われ続けているものとばかり思い込んでいました。『ジュリー祭り』以降のセットリストでは、採り上げられることが多い曲でしたからね。

フォーラムでは、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』びわ湖公演で並んで最前列を共にした年若いJ先輩の青年と、終演後に偶然再会。その時彼がセットリストの感想の言葉の中で、「ジュリーは”ここ10年”の人ですから」と語っていました。
なるほど、それは「ここ10年のアルバム収録曲」以外に、採り上げてくれるヒット曲についても言えるのかもしれません。「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」が今、進行形でその10年の中にいる、と。
ってことは、そろそろ「麗人」の10年も来る?と勝手に期待したりして・・・(どうでもいいけど僕のPC、「れい」の漢字変換1番手が「霊」。一瞬「麗」と字面が似てるから、うっかり見逃しがちです)。

いや、「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」は何度も生で聴いていますが、やっぱり盛り上がりますね。
僕などは、『ジュリー祭り』の時に、あの足の開き方のカッコ良さに「そう言えばこの曲がヒットしていた時、ジュリーってこんなポーズだったっけなぁ」と改めて思い出した、なんてクチですから。まだまだこの曲の「お楽しみ」もこれからですよ!

「ユウウツだよ~~~~~~~~♪」
と、思いっきり声を伸ばすのは、どうやら今年『昭和90年のVOICE』ヴァージョンのこの曲の大きな特徴みたい。初日に「凄かった!」とレポに書いたけど、その後の名古屋、大阪に参加された先輩方も同じように「印象に残った」と話していらっしゃいましたから。もちろんこの日のフォーラムでもね。

この曲については”セットリストを振り返る”シリーズではなく、全国ツアーに向けた”全然当たらないセットリスト予想”シリーズで記事に採り上げる予定です。
お世話になっている先輩方のおかげで、お宝参考資料がメチャクチャ多い曲なんですよ~。記事1回だけではたぶんご紹介しきれない・・・有り難いことです。

21曲目「君をのせて

Acollection

安心する、と言うのか癒される、と言うのか。
これももう何度も生で聴いている曲だけれど、毎回聴こえ方が違うんですよね。今ツアーだけで言っても、渋谷とフォーラムでは違ったんだよなぁ。
渋谷では「ただいま!」みたいに、フォーラムでは「ここだよ!」みたいに聴こえました。えっ、分かりにくい?

今回のお正月LIVEは、ファンはみんな、ステージに穏やかな笑顔のジュリーをずっと探していた・・・そんな感じじゃなかったですか?
特にオーラスのフォーラムはね・・・。

ここまで、曲が終わるたびに黙って掌を振ってくれていたジュリー(この日は、「ありがと~!ありがと~ね!」も確かありましたけど)。でもそこには優しそうな表情はあっても笑顔とまでは言えなくて・・・。『ジュリー祭り』のDVDを観たりすると、1曲歌い終わるごとに笑顔、笑顔じゃないですか。それとは違う感じでしたよね。
それはジュリーの正直さでもあるんだけれど(「コンサートなんかやってていいのか」と思ったりしてたら、そりゃあねぇ・・・)、ファンはジュリーのあの笑顔が観たくて、探すんですよね、そういう瞬間を。
それを観られたのが、今回のセットリストでは「君をのせて」1曲じゃなかったのかな~。

この曲では特に、「寄り添う」という表現がピッタリの鉄人バンドの演奏。
GRACE姉さんのスネアの音の何と優しいことよ!
腕自慢の男性ドラマーが「君をのせて」を演奏すると、何処かロッカ・バラードの匂いがしてくるものです。それがGRACE姉さんには、良い意味でまったく無いんですよね・・・。お客さんの耳にはあのスネアの音は確実に聴こえているんだけど、それがまるでジュリーの歌を「音もなく」支えているような演奏となるのは、やっぱり女性ドラマーならではだと思います。
あと、「泰輝さん、ここでもピアノ弾いてたのか!」と気づいた箇所が確かにあったんですが、思い出せない・・・。

22曲目「遠い夜明け

Kitarubeki

ジュリーがこの楽曲を大切に思い、愛情を注いで歌っていることは間違いありません。
『ジュリー祭り』・・・の時には僕はあまりにヒヨッコ過ぎて、この曲に深く何かを感じる、というレベルにはなかったんですけど、『秋の大運動会~涙色の空』で歌われた時にそれを実感できました。
過去の歌人生への感謝があって、ジュリーは今その矜持を歌っている・・・と、考えていたのですが。
今回の「遠い夜明け」は、ちょっと違うかなぁ。

「今」も過去の歌人生の一部?
あぁ、言葉がややこしいなぁ。
「今」との決別?
それも的外れ。

とにかく、ジュリーがゆく「これから」の道のことを歌っているように僕には聴こえました。初日の段階では、そこまで考えなかったんですけどね・・・。

ジュリーは今再び、「痛いくらいのまなざし」に身を晒そうとしている・・・僕にはそう思えてなりません。
今度の「痛い」は本当に文字通りに「痛み」として、ジュリーの心に突き刺さってくるようなものかもしれない。そう思うと矢も楯もたまらず心配になりますが、きっとどんな痛みを受けようとも、ジュリーは屈しない・・・そして、言葉で反論などはしない。
ただ黙って示すのみ。歌うのみ。
考え過ぎでしょうかね・・・。

ジュリーは今、手放そうとしているのでしょうか。「山あり谷ありだったけど、今は高原にいます」とつい数年前に語ってくれた、幸せなる地を。
手放して、「誰よりも行きにくいルート」を選ぶのでしょうか。真っ正直に歌うために。

明る過ぎない、暗過ぎない、ジュリーの存在感そのもののような照明の中で、「遠い夜明け」を歌うジュリー。
いや、光がジュリーを照らしているんじゃないなぁ。ジュリーが光なのだ、と思います。
あの声こそが光。ステージに立つ一人の人間が、たくさんの視線の集まる先で、生身で光っている・・・それが今回「遠い夜明け」を歌っているジュリーの、僕にとっての視覚的イメージです。

これまでの歌人生で、ジュリーの光に照らされて様々な色に反射した輝きがジュリーを取り巻いて、大きなまばゆい光の塊となって日本の音楽界を鮮やかに照らしたり、時にはその中からひとつ、ふたつ、反射の輝きが離れてゆきまた別のひとつ、ふたつが寄り添ったり・・・色々な変化があったのでしょう。

ジュリーという光は、今現在どんな空間を進んでいるのでしょうか。僕には、漆黒の中で光っているように見えます。漆黒とは言うまでもなく、この地球を覆っている危機、危うい世界の情勢。
『昭和90年のVOICE∞』でのジュリーの光はさほど大きくもなく、ただ切々と光っているように見えました。
飛翔の前のさりげない光。これから先の「遠い夜明け」へと向かって、エネルギーを蓄えている光。

その光は・・・僕ら(客席)から徐々に離れていく、遠ざかっていく、という感覚も正直あります。これまで参加してきたツアーより距離を感じる、というのかな。
でも、いつもお世話になっている先輩が仰るには、「『ジュリー祭り』以降が近くなり過ぎてたのよ」と。
ただ・・・離れていくように見えても、僕らがその光をそのまま見失ってしまうことはありません。きっとファンの皆それぞれがジュリーへの正直な思いをもって、光を視界に繋ぎとめているはずです。
正直な思い・・・僕の場合それは「祈り」、かなぁ。

「いい風よ吹け」を、「嘆きの天使」を、「ひかり」を、「Fridays Voice」を、「カガヤケイノチ」を、「緑色のkiss kiss kiss」を、「さよならを待たせて」を、「君をのせて」を、「遠い夜明け」を、祈るように歌うジュリー。

ジュリーという光がこの先何処へ行くのか、何を目指して進んでいくのか。それが僕にはまだ分からない。「不言実行」でジュリーがこれからやろうとしていることが僕には想像もついていない。
でも、今ジュリーがどんな気持ちで「祈って」いるのか、だけは分かると思っています。
僕は、ジュリーファンになるのはずいぶん遅れたけれど、ポリティクスでも宗教でもない「LOVE & PEACE」と「NO NUKES」は10代の頃から自分なりにずっと持ち続けている自負があるから・・・。
それをもって、僕にはジュリーの光が見えている、この先も見える、と勝手に確信しています。

そして、光の周りで反射する4つの輝きだけは、僕程度のレベルでも今ハッキリ見えています。
目をこらせば、まだまだ見えるのかも・・・。

なんだか、「遠い夜明け」の話をしているのか何なのか、分からなくなっていますね。すみません。
圧倒される歌でした。本当に、今回のセットリストのトリにふさわしい!(初日、「君をのせて」と演奏順を混同していたことなど、どこかへ捨て去った~汗)

☆    ☆    ☆

「無事に・・・終わりました」と言ったジュリーは終始うつむき気味で、やっぱり当日報じられたあの大変なニュースのこともあったでしょうし、「その先」に加速するであろう、ジュリーにとって歓迎などできないこの国の動きのことも予見していたでしょうし(それは僕もそう)、色々な思いがあってそれが正直に表れてしまったのでしょう。でもね・・・そんな「思い」を受け取れて僕はとても嬉しかった。やっぱりジュリーは違う、と思いました。

改めて鉄人バンドの紹介があって(紹介の仕方はごく普通だったけど、ジュリーが何度もお客さんに手を振っている間、ず~~~~っと深く頭を下げたままだった下山さんの姿に妙に感動したなぁ)、最後はジュリーの音頭で「関東1本締め」です。

無事に終わりました・・・。
初日のように、「もう帰る」と見せかけて上手側端で立ち止まってポーズを作ってくれたジュリー。鉄人バンドのメンバーもにこやかに退場して、会場の電気がついた後にダブルアンコールの拍手も起こりましたが、非情な「公演すべて終了」のアナウンスが。
名残惜しいけれど・・・良かった!本当に素晴らしい歌と演奏、セットリストでした。saba様も書いていらしたけど、もう2度と聴けない曲もあるのでしょうね。


短いMCのでお客さんに伝えられたこと・・・「ジュリーが何かを決意した」と、今はそれしか分かりません。
でも、ジュリーの思うままに、ジュリーのやりたいようにして欲しい。僕らはそれを魅せてもらう、感じさせてもらうだけでいいのです。充分なのです。

ひとつだけ、ジュリーにお願いするとすれば。
この先も、「ジュリー」と呼ぶことを許して欲しい・・・。
僕は(おそらくほとんどのファンも)ジュリーがこの国を、この世界を憂いて唇を噛みしめている姿を見ても大丈夫。むしろ、それこそがジュリーだ!と思う。
でも、ジュリーが渋谷でもフォーラムでも「ジジィでした~!」と自己紹介してくれなかった(ですよね?記憶違いだったりして)ことは、とても気になっています。
人間・沢田研二の「ゆずれない人生」を魅せて欲しいけど、やっぱり僕らにとって貴方は「ジュリー」です


新譜と全国ツアー、楽しみにしています!


20150120

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2014年11月 6日 (木)

2014.11.3東京国際フォーラムA 沢田研二『三年想いよ』(ちょっと変則のレポ)

今回はさすがにいつも通りのレポ、とはいきませんでした。ごめんなさい。

全力で歌っているジュリー、全力で演奏している鉄人バンド。そのステージへの最大の敬意をもって鑑賞することがまず一番大事だと僕は思っています。

生のLIVEで、あんなに心を晒してくれるステージを40年以上も続けている歌手が他にいますか?
毎回、普通では観られないステージを観ている、普通では聴くことのできない歌声を聴いている、普通では触れられない感動に触れていると思います。
それがジュリーのLIVE。

開演前に、大阪から遠征された同世代の男性ファンのお友達とお話しました。彼は言っていました。
「自分はよく他のアーティストのLIVEにも行くから分かる。2時間あの歌声が続く人は、そうはいないです」
と。
ジュリーは66歳ですよ。信じられません。


11月4日明け方、いつもはカミさんに叩き起こされないと目覚めない僕が、ハッと早くに目を覚ましてしまいました。前夜フォーラムMCの夢を見ていたのです。
ひと晩経って、思いのほか大きなダメージを受けている自分に気がつきビックリ。夢に出てきたMCのシーンでは、言葉よりもジュリーの表情がとにかくリアルで、いやぁさすがに落ち込みました。
これは・・・ある先輩がご指摘くださったんですけど、LIVEを観た僕ら自身が傷つけられてダメージを負っている、というのではなく、素晴らしい全国ツアーの最後の最後にジュリーが辛い思いをしてしまった・・・そのことへの胸の痛みであったり、人さまざまだとは思いますが、ジュリーという歌手について思う、真剣な気持ちで揺れたわけなんですね。

と・・・分かってはいるけど、やっぱり1日ヘヴィーな気持ちで仕事して帰宅。
本当になんとなく、何故それを選んだの自分でも分からないんですが、PYGのベスト盤を聴いたんですよ。
そうしたら「自由に歩いて愛して」で、やんわりと前向きな気持ちになってきましてね。あれっ、この曲・・・悲しくて、落ち込んでいて、そんな時に聴いてゆっくりと元気をくれる曲だったのか!と今さらながら。
不思議な感覚でした。
そこから僕は何と1日で気持ちを立て直してしまい、バリバリとレポの下書きを始めました。単純と言うのか鈍感と言うのか、みなさまはこんなup&fallエレベーターみたいな未熟者のマネはなさいませんように。

フォーラムでジュリーは、すべての言葉を本気で語っていたと思います。
僕らがひとりひとり胸に手を当てて、ジュリーファンとしての自分のことを考えてみる・・・ジュリーの言葉、あの必死の、一生懸命の表情で不器用に思いを伝えてくれたジュリーを見たら、それは当たり前にしなければいけない、と僕などは思ってしまいます。
ただ、これ以上ジュリーに悲しい思いをさせる・・・と言うのはおこがましいかな。これ以上迷惑をかける、気がかりにさせる、ということはやめなければ。
だから、ゆっくりとで良いから元気を出そう。純粋にね・・・お正月にはまた笑顔で、しっかりと敬意をもってジュリーのLIVEを観に行こう、と思いました。今回は、そうしたことを書かせて頂こうと思っています。

僕は最近になって、若き日のジュリーの貴重な資料を何人かの先輩方からお借りして、雑誌のインタビュー記事などを興味深く読んでいます。
特に72年・・・ファンに対してストレートに思いを語った記事、たくさんありますよね。当時、「アイドル歌手が言うべきことじゃない」と叩かれるような内容のことを、ジュリーは本当に真正直に語り、伝えようとしています。「カッコつけて言うとるんやない、不器用に、一生懸命に言うとるんやないか!」と。
それは、先輩方みなさんの方がずっとずっとご存知のことでしょう。ジュリーは今も変わっていないんですよね?あれこそがジュリーなんですよね?

いや、今のジュリーは少し違う・・・のかなぁ。
あの瞬間は怖かった・・・「あっ、ジュリーがキレた!」と思って。でも今考えると、そんなに怖かったかなぁ。そんなに「怒って」いたのかなぁ。
フォーラムでジュリーはとても切なそうに話していました。66歳の姿をすべて晒して、思いを吐露して、怒ると言うよりまるで懇願するように・・・。決して「俺の言うことを聞けい!」という感じではありませんでした。
それはジュリーの言葉使いやその解釈だけじゃなく、実際にその様子を見ていたから言えること。

最初はこのレポも、ジュリーが口にした様々な言葉について色々と書こうと思って下書きをしていました。MC部から書き始めて、その時点で既に大長文です。
でもすぐに、フォーラムに参加していなかったみなさまにジュリーの言葉だけを文字で書いても、あのジュリーの様子は伝えきれないよなぁ、と考え直して・・・。
だから僕はこの記事で、アンコール前のMC内容についてジュリーが使った言葉を一切文字にはしないことにしました。結果、珍しくタイトな文量(と言うにはやっぱり長いですけどね汗)のレポに・・・という次第。

さてあの日、ジュリーが明らかにいつもとは違う雰囲気で、それでも最後に腕時計を確認する仕草をしてくれて退場して、鉄人バンドのメンバーはいつも通り笑顔で手を振ってくれて・・・でも、何処か硬い感じもありつつ、ステージに誰もいなくなってすぐに客席の電気が点いて、ダブルアンコールの拍手が起こることもなく、そのまま帰路につくお客さん。
あんな会場の雰囲気はジュリーLIVEで初めてのことでした。そりゃあ僕だってとても悲しかったし、みなさまと同じような表情をしていたと思います。
帰りの地下鉄に乗るまでに何人もの先輩方とお会いしました。みなさん一様に肩を落とされていて・・・僕はなるべく明るく「ずっと溜まっていたものがあったんでしょう。ジュリーがそれを皆に話してくれた。ジュリーらしいじゃないですか~」と言うのだけれど、僕の言い方にも無理があるのを感じとられたのかな・・・泣いてしまってお話すらできず、ただただ頷くだけのかたもいらっしゃいました。「こんな終わり方になってしまって・・・」と、終わったばかりのLIVEの楽しさ、素晴らしさを忘れてしまったようなかたも。

でもみなさま、思い出してください。
ジュリーも鉄人バンドも素晴らしかったでしょう。ジュリー、最高にカッコ良かったじゃないですか!

いやいや、この日の「我が窮状」「届かない花々」、2曲続けて、凄い歌声じゃなかったですか?4会場参加した今年の全国ツアーの中で、一番気持ちの入ったヴォーカルだったと僕は感じました。

「海に向けて」も、いつもと何処か感じが違いましたよね。いつも以上に美しい、優しいジュリーの表現が、身近な愛情として込められていたように思います。
あれはね・・・最初のMCの時に
「66歳にもなって地元の友達と会うと、○○屋のアイツが亡くなってね、とかいう話ばっかりですよ」
と、少し冗談めかして話してくれたじゃないですか。
「明日は我が身やな~」
「オマエ、どこが悪いの?」
「うん、頭!」
なんて、皆で軽口を言い合っているんだ、と。
その後、「a.b.c...i love you」を挟んで歌ったこの日の「海に向けて」では、その亡くなってしまったお友達のことを思いながら歌ったのではないでしょうか。

最初の3曲の後のMC、楽しかったですよね。
「これまでやってきた会場で、お医者さんにあれはやったらイカン、これをやったらイカン、と止められている、と言ってたのは・・・あれは全部ウソです(笑)。まぁ、疲れないようにしなさい、とは言われましたが・・・そんなん、どないせぇっちゅうねん!」
と。

いやはやそれにしても、いつもお世話になっている先輩はこのお医者さんのくだりのMC時点で、「今日のMCはツアーの総括になるな。ここまでの会場であったことを踏まえて何を言い出しても不思議じゃないな」と何やら予感があったと仰るのですから凄い。本当に、僕などの及ぶところではありません。

ともあれ、「転調のある曲は転調するな」な~んてお医者さんには全く言われてはいなかった、ということで・・・「鼓動」の最後のサビもスパ~ン!と転調してました。神戸公演のレポートで僕がくどくどと書いていたことはまったくの勘違いだったようで、大変お恥ずかしい。

楽しかったと言えば「危険なふたり」ですよ。
恒例の”年上のひと・物色ヴァージョン”では、とうとう歌詞までイジってしまったジュリー。
イヤイヤをしながら
「年上のひと、美しすぎ~ない♪」
さすがにこれでは物色された前方席のお客さんたちが気の毒だなぁ、と思わなくもないですが(笑)・・・でもそれだけジュリーがノリノリだった証。

そう、ジュリーはあのアンコール前のMCまでは、ノリノリでゴキゲンでしたよ。何より素晴らしい歌声でした。
オープニングの「そのキスが欲しい」・・・何と間奏直後の、いつも会場が「きゃあ~」となるあのタイミングで、ジュリーは一瞬歌詞が飛んでしまいました。歌詞ったってそこは「そのキスが欲しい~♪」ですからね。何故そこが飛ぶの?という話。
僕はジュリーが「千秋楽だし、いっちょ久々に座り込みを見せたろか?いやいや、皆を甘やかしてはイカンな。だいだいワシ、そんなカッコつけるトシじゃないし・・・」な~んてあれこれ考えちゃってて、「あれっ?」とサビの出だしが一瞬飛んじゃったのかな~、とか勝手に妄想していました。

彼女はデリケート」のディレイ遊びも長かった~。
最後は「せん!(せん・・・
せん・・・せん・・・)しゅう!(しゅう・・・しゅう・・・しゅう・・・)らく!(らく・・・らく・・・らく・・・)の一人遊び。そして「おあとがよろしいようで」。

憎みきれないろくでなし」は、唯一無二のカッコ良さ。
ダーリング」は、選ばれしスターだけが演ずることのできる的確さ。
マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」は、歩んできた歌人生の潔さと、この先への鼓舞。
「マンジャーレ!・・・」のイントロ・フィルの直前は、「ダーリング」を歌い終わった後あたりから各国語でズラズラとお礼をシャウトしはじめて、その語呂繋がりでタイトル紹介までしてくれました。この「タイトル紹介」スタイルは、確か南相馬公演で始まったんですよね?
間奏で柴山さんに近づいてくる下山さんは、割と普通だったかな。「割と」というのは、やっぱりどこか動きがカックンカックンしてましたから。

鉄人バンドは、すべての曲で最高の演奏、最高の心意気を見せてくれました。
F.A.P.P」で柴山さんが、「いくつかの場面」で下山さんと泰輝さんが、これまでとは違ったフレーズを弾いてくれたことに気づいたかたも多かったのでは?千秋楽ならではの、渾身のアドリヴだったと思います。
「いくつかの場面」のジュリーのヴォーカル、最高音部の声の出し方が1番と2番では全然違いましたね。1番の声は、ファルセットと言うより「息を吸いながら発声している」感じ。その直前一瞬で発声を切り替えたように見えました。

世紀の片恋」のソロ途中で、ポ~ン!とボトルネックを後方に投げ捨てる下山さん。曲が終わった後にローディーさんが拾いに来るのかな、と思って注意して見てたんですが、そんな気配は無かったなぁ。

「追憶」の最後のサビ前のフィルでは、GRACE姉さんの”鬼姫ロール”が炸裂していました。さらには、溜めを効かせたクラッシュを打つ時に、身体ごと真っ直ぐに上手側のシンバルに向かう瞳の可愛らしさ。

そっとくちづけを」・・・みなさん聴きましたよね?最後のリフレイン、泰輝さん気迫のコーラス。お正月『ひとりぼっちのバラード』初日公演以上の熱唱でした。
柴山さんのギターも素晴らしかった。下山さんは、いつもよりコーラス(エフェクターの方ね)深め、音細めの設定だったかなぁ。柴山さんのスライドの太い音をより生かそうということなのかな。

「ポラロイドGIRL」は、もう無条件でステージも会場も一体となります。
恒例・下山さんのサイド・ギターの見せ場は、ジュリーと柴山さんが上手側端でくんずほぐれつ状態になりながら指差し!柴山さんはもう一丁念押しの指差しも。
それを受けて下山さんはローリング・ソバット一閃。
他の会場ではハイキック・ヴァージョンもあったと聞いていますが・・・。

そして新曲。
もう・・・本当に素晴らしい。
みなさん、きっと同じ感想をお持ちだったのに忘れちゃってませんか?「東京五輪ありがとう」は、少なくとも今ツアー僕が参加した4会場の中では、フォーラムが抜きん出て良かったですよ!
これまでよりテンポをちょっと落として、重厚なハード・ロックとして見事に完成された演奏でした。
ジュリーの低音がバシバシ届く!
柴山さんのソロが唸る!
広い会場に照明も映えていましたね。サビでパ~ッ!と明るくなって、視界が広がってね。

一握り人の罪」・・・ファイナルのお客さん、得したと思うんです。下山さんのアコギに何らかのトラブルがあって、たぶんエフェクターの接続だと思うんですけど。
その影響で、ひとまずの設定復旧後も下山さんは普段よりアタックを強くする必要が生じていたようです。転調して、泰輝さんのオルガン・ソロから最後のサビに向かっていく箇所で、凄まじいストロークが炸裂。ニュアンス的には32分音符まで行ってましたよ、あれは!
あと、下山さんのギターが復旧作業で鳴っていない時に柴山さんのアコギの音がハッキリ聴こえたのも、予期せぬ事態のためだったとはいえ、感動。

櫻舗道」・・・聴いて欲しかった人がいます。
ジュリーの歌声がどれほど無心で素晴らしかったか、下山さんの空色のストラトで奏でられるソロがどれほど気高かったか。泰輝さんのピアノ、鉄人バンドのコーラスがどれほど優しかったか。
お元気でしょうか。ずっとずっと気にかけてる・・・。

三年想いよ」・・・閉演後にお会いした先輩の「ジュリーは自分の目で被災地を見ていたんだ、三年ずっと見ていたんだと思う」と仰った言葉が胸を突きます。
初日からずっと、どの会場で聴いても「一番感動した」のは常にこの曲でした。もちろんこの日も。僕はまだジュリーLIVE参加歴はたかだか5、6年とは言え、そんなツアーは史上初めてです。
LIVEという表現の凄さ。それを知り尽くしているジュリーの凄さ。そんなジュリーのレベルとテンションに堂々と応える鉄人バンドの凄さ。
ツアー最後の最後になって、エンディングの鉄人バンドのコーラスが自然に耳に入ってきました。僕の中で、余計な雑念が無くなっていたのだと思います。
柴山さんのスロー・ハンドとフィードバックに合わせて、必死の表情で駆けたジュリーのスローモーションを僕はずっと忘れることは無いでしょう。イコール、被災地への思いを忘れることは無い、ということです。

アンコールの3曲は・・・みなさまそうだったかと思いますが、僕もさすがに心から楽しんで、という感じでは聴けなかったです。それは鉄人バンドも・・・若干だけど普段通りではない感覚が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」の時点ではまだあったのかな。
あんなに速い「ス・ト・リ・ッ・パ・-」、初めて聴きました。
いや、今ツアーのこの曲は以前よりテンポアップはさせてるんですけど、それにしても速かったです。
でもね、だからなおさら、凄まじくカッコ良い「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でした。サビのジュリーのアクションとか、確かにMCのことも影響していたかもしれないけれど、あの「うぉりゃっ!」ってねじ伏せる感じを出せる歌手って、そうそういない。それが出せる曲というのも、そうそう無い。しかも、ジュリー自身作曲を手がけた大ヒット曲。
GRACE姉さんの3連符連打、そして柴山さんの単音が神技でしたよ。柴山さんレベルになると、テンポが速いが故に逆に運指がスラスラいっちゃうことがあるんだろうなぁ、とただ息を飲んで見つめるばかりでした。なんか、「ドクター・ドクター」の光速ヴァージョンみたいなオブリガートが飛び出したり。

「ス・ト・リ・ッ・パ・-」ももちろんそうだけど、最後に「勝手にしやがれ」「ヤマトより愛をこめて」という大ヒット曲が来る構成で本当に良かったなぁ、と。
ジュリーだってやっぱり、この日のアンコール3曲では心乱れている部分はあったはずなんです。でも、最後の大ヒット曲はジュリーにとって通い慣れた道、歌い慣れた曲。完璧に歌います。
そのヴォーカルと楽曲世界に曇り無し!
こうして、ジュリーが自らの大ヒット曲に助けられたことは、今まで何度もあったのかもしれないなぁ・・・先輩方は、そんなシーンを何度も見てきているのかもしれないなぁ、と思いました。「ヤマトより愛をこめて」なんて、いつも以上に声が伸びているくらいでしたしね。
これからも、幾多の大ヒット曲が色々な場所で、色々な形でジュリーを護ってくれることでしょう。


フォーラムから帰宅したその日はなかなか頭の整理もつかなくて、翌朝はジュリーの夢を見たせいか弱気になって(←乙女かよ、という話なんだけど)、その後あれこれ考えて、LIVEの記憶を辿って落ち着いてきまして・・・いや、ジュリーは素晴らしかったじゃないか、最高にカッコ良かったじゃないか、と。
MCのことも、僕自身が新たな気持ちに立ち返れたのは、個人的には良かったのかなぁと感じています。

この機に、「こういうLIVEの見方はもうやめよう!」と決めたこともいくつかあります。
例えば、僕はどうしてもあれこれ理屈で歌なり演奏なりを聴いてしまう傾向があって、特にツアー参加2会場目などは、前もってセットリストの原曲キーを予習して行って、柴山さん達のギターコードのフォームから歌われている曲の移調を探ろうとしていました。
これはもうやめる!
聴き方として素直じゃないし、目の前で本物のプロフェッショナルが歌い演奏しているのに、ド素人が詮索するような態度は失礼だろう、と思って・・・。
どのみち僕には音だけでそれを判断する能力が無いわけですから、勘違いも多いですしね。だったらもっと自然に、身体に向かってくる音にその場その場で反応すべきなんじゃないかなぁ、と。

あとね、これはどうしても書いておきたいのです。
どうやってジュリー達に敬意を表するのか、感謝を伝えるのか・・・それは当然、LIVE中にステージに向かって喋りかけたりすることでは絶対にありません。
もっと当たり前の、大切なことがあったんだ、と僕自身への自戒も含めて今回改めて気づかされました。

MCで、ジュリーの表情と口調が一変して色々な話が始まった時・・・僕はジュリーが今にも「アンコールも、どうせまた出てくるやろ、と思われてる」と言い出すんじゃないかと思って、怖かった・・・身体を縮めていました。
あの日僕は「いくつかの場面」でセットリスト本割が終わった時、「ちょっと疲れたな~」と思って座ってしまいました。アンコールの拍手も、「一応」という感じでしてしまっていたと思う・・・いえ、決して「どうせまた出てくる」なんて乱暴な言葉では考えていなかったけど、結果としては同じなんですよね。
本割の21曲、素晴らしかったです。でも僕は、その素晴らしいパフォーマンスへの感謝の気持ちを表することを怠った。恥じています・・・僕は間違っていました。

もちろん、疲れているだろうのに、お身体がキツイだろうのに、自然にその感謝を表していた先輩方はたくさんいらしゃいます。そうした先輩方は、それを常に、自然になさっています。
でも残念ながらあの日のフォーラムでは、そんな先輩方は少数派でした。そして今「最後にジュリーを傷つけてしまった」と悲しみに沈んでいるのは、そんな先輩方なのですよ。僕の身近にもいらっしゃいます。

「初めてジュリーのLIVEに来られたお客さんも多いんだから、それは仕方ないんじゃない?」という意見もあるかもしれません。でもそうじゃないと僕は思う。
南相馬公演に参加されたみなさまが口々に「素晴らしいお客さんだった」と仰っていました。それは、その素晴らしいお客さんの空気を作り上げたファンの人の思いが、いつにも増して多かった、熱かったということだと思うんですよ。みなさま方が会場の雰囲気をリードし、作り上げてくださったんですよ、と。
素晴らしいパフォーマンスを目の前で見て、近くの席のあちらこちらでジュリー達の熱演への最大の敬意、感謝を込めてステージに拍手を送っている人が大勢いたら、ジュリーのことを初めて観る人だって、「わたしも!」「俺も!」となります。ジュリーのステージには今、それだけの力が間違いなくあるのですから。

敬意と感謝の気持ちをステージに届けることを怠ってしまった僕は結果的に、フォーラムであのような空気を作ってしまった一人だったのではないだろうか、と今思っています。ジュリー達を、そして当たり前にジュリー達に敬意と感謝を届けていらっしゃる素敵な先輩方を、傷つけてしまいました。
でも、「もう取り返しがつかない」とは思っていません。
またジュリーに教えられました。
人は1夜で変われる。そんなひとりひとりの心がけで、世界すら変わることがある。ジュリーのLIVEの空気だって、より当たり前の、素晴らしいものに何度でもこれから変えられる。そうすれば、ジュリーはきっとこれからも歌い続けてくれる。新しいお客さんも取り込んでね。
「声なき声を集めて」って、そういうことではないでしょうか・・・って、あれ?これは「我が窮状」の記事で書こうとしていたことだなぁ。まぁいいか!

僕は今度こそ、敬愛するジュリーと、敬愛する鉄人バンドと、敬愛する先輩方に最大の感謝をもって、お正月LIVEに臨みます。その気持ちを表します。もちろんキチンとしたタイミングで。
信じられますか?もうあと2ヶ月後にはジュリーのお正月LIVEがあるんですよ。違うセットリストで、ジュリーがまた歌ってくれるのです。これほどの全国ツアーを成し遂げた、そのたった2ヶ月後に。

本当は、2011年の『BALLAD AND ROCK'N ROLL』お正月公演でジュリーがステージ全体の構成を変えてきた時に、こうしたことに気がつくべきでした。
遅い・・・鈍いなぁ僕は。


今回は、こんな感じのレポになってしまい申し訳ありません。個人的な考えばかりを偉そうに書いてしまって、ごめんなさいね。次のお正月LIVEのレポは、いつものスタイルにきっと戻ります。
何と言うのかな・・・いつもは「この素晴らしいLIVEに参加できなかった方々に、ジュリー達の熱演の様子をお伝えしたい、残したい」という気持ちが大きく、まぁそれが却って見るも恐ろしい大長文となり果てて、「なかなかすべてを読みきれないよ~」と言われてしまったりもしていますが・・・今回は、「あの場にいらした、素敵な拍手をステージに送ってくださっていたみなさまに」という気持ちの方が大きいんですよね。もちろんそれだけではないけれど。
だから、相変わらず文章も長いけど、いつものレポほどの怒涛の大長編ではないので、全部読んで頂きたいなぁと。そんなふうに思っています。

それともうひとつ。
今回レポを変則的な形にして早く書き終えたのは・・・実は当初、従来通りいやそれ以上にネチネチじっくりと日々加筆していって、11月中旬くらいにレポを完成させ、次の”セットリストを振り返る”シリーズ第1弾「我が窮状」の記事にさらに時間をかけて集中して取り組み、『ジュリー祭り』6周年の12月3日までしばらく更新のお時間を頂くつもりだったのです。
ただ、さすがに能天気な僕も、今回のフォーラムについて書いたレポの後に続けて「我が窮状」の記事執筆というのは、やっぱり精神的にも大変です。
きっと、お読みくださるみなさまもね。

ですから、”セットリストを振り返る”シリーズ第2弾(今回は2曲を採り上げようと決めていました)として予定していた曲の記事を、先に書くことにしました。
心の底から楽しい曲ですよ。
素晴らしかった、感動した、考えさせられた・・・と同時に、最高に楽しかった今年のジュリーの『三年想いよ』全国ツアーを思い出しましょう!というコンセプトも新たに込められたら良いなぁと考えています。仕事が忙しい時期なので、更新までには1週間から10日ほどかかってしまうかもしれませんが・・・。
「今回のセトリでDYNAMITEがまだ記事を書いていない、心底楽しい曲って言うと・・・はは~んアレだな」と、お題が分かっちゃうかたもいらっしゃるかな?

ジュリーファンでいることって、本当に幸せで楽しいことなのですから。
今回のことでちょっと落ち込んでしまっている、と仰るみなさま・・・とりあえず次の記事で僕についてきて!(←ホント偉そう汗)

20141103

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2014年9月26日 (金)

2014.9.13神戸国際会館こくさいホール 沢田研二『三年想いよ』セットリスト&完全レポ

9月26日、無事にレポを書き終わりました。毎度毎度大長文になってしまいすみません・・・。
いつものように、更新日付を執筆終了の26日へと移動させて頂きます。長々とおつき合いくださりありがとうございました!

(追記)
ちょうどこの神戸レポを書き終えたその日に、朝本浩文さん重篤のニュースを知りました。
『ジュリー祭り』直後、熱病にうなされたように聴きまくった、それまで未聴だったジュリーの名曲群・・・「サーモスタットな夏」「PEARL HARBOR LOVE STORY」「30th Anniversary Club Soda」「緑色の部屋」。朝本さんの作曲作品に、どれほど感動させられたことか。
また素晴らしい曲を作って欲しい・・・なんとかお元気に回復されますよう、お祈り申し上げます。

☆    ☆    ☆

行ってきました、初の神戸こくさいホール!
”関西ジュリー”は『3月8日の雲~カガヤケイノチ』びわ湖公演以来、本当に久々です。

今回は、カミさんの実家での法事も合わせて、ちょっとしたプチ旅行です。その初日の夜がジュリーLIVEというスケジュールでしたが、当日お昼には早々と新幹線で姫路駅に到着。
いつもお世話になっている先輩も合流してくださり、初めて姫路城を見てきました。
以下、レポ本編の前に、ちょこっとだけ旅日記を。
(ホントにちょっとだけですから・・・すみません汗)

大河ドラマの影響で、駅からドド~ン!と直線距離で見える姫路城までの道のりは、すっかり勘兵衛モード。
勘兵衛って、あんなにイケメンな筈はないけどなぁ。光成の扱いも酷いし・・・と僕は今回の大河はイマイチの印象ですが、カミさんのお母さん曰く「不細工が主人公だと誰も見いひんでしょ」とのことで納得です。

Himeji1


姫路駅前。この大通りのつきあたりがお城です。

Img2002

姫路城と好古園のセット入場券。

ランチは好古園内の和食のお店で、盛り蕎麦と穴子天のセットを頂きました。

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明石をはじめ、この近辺は穴子が有名なんですってね。

Himeji5

好古園内。

Himeji3


お城はただいま改装工事中です。真っ白です!


さぁさぁ、余計な話はこのくらいにしましょう。

この日は遠征先の会場ということで、普段なかなかお会いすることのできない先輩とご挨拶できました。わざわざ僕の席まで訪ねてきてくださった方々も・・・。
みなさまお変わりなく、懐かしくて、楽しくて・・・本当にありがとうございました。
そして、今回初めてご挨拶させて頂いた方々・・・みなさま、お会いする前から想像していた通りの印象の素敵なジュリーファンでいらっしゃいました。嬉しかった!これからも、どうぞよろしくお願い申し上げます。そうそう、aiju様、「息子ほどの年齢」とはいくらなんでもサービスし過ぎ、褒め過ぎですよ~(汗)。

広い会場に満員のお客さんで混雑していたにも関わらず、終演後にも偶然が重なって、夏に一般のタイガースファンの先輩のLIVEでお知り合いになったばかりのジュリーファンの先輩と再会が叶ったり、saba様のブログでお馴染みの某Y嬢様にもバッタリ。Y嬢様は、これからバスで高知へ向かうと仰っていました。どうぞこの先も道中お気をつけて・・・いつも各地のジュリーの様子を伝えてくださり、本当に感謝しています。

さて、この神戸遠征で僕ら夫婦はちょっと珍しいお席を澤會さんから頂いていました。
中2階R列の3番と4番。これは1階席と2階席の中間左右に設置されたバルコニー席で、柴山さん側がR、下山さんがLという仕組み。これまで名古屋、確かびわ湖もそうだったかな・・・そんな構造の会場を見てきて、「あの出っ張った席の中で、一番ステージに近い中2階席の最前ブロックって、どんなふうにステージや会場が見渡せるんだろう?」と興味深々だったんですけど、この日の神戸公演でズバリそのお席に恵まれたのです。

僕らの授かったバルコニー・エリアの席は、R列の1番から4番まで。椅子は4つしかありません。着席してみますと、これがまぁちょっとしたVIP待遇気分です。
この特殊な席でまず助かったのは、荷物のこと。
僕らは今回、カミさんの実家帰省も兼ねての2泊3日の遠征。その初日のこの日は、着替えやら何やらを詰め込んだ大きな荷物を2つ抱えて会場入りしてしまいました。
で、会場内のコインロッカーに行ってみたら・・・荷物が大き過ぎて収納できなかったんですよ。
さて困った、とそのまま席に向かうと、座席後ろに広いスペースがあり他のお客さんの邪魔にもならず余裕で大きな荷物が置けるという・・・ステージは近いし、前に誰もいない、後ろにも誰もいない、会場内は一望できる。最高のシチュエーション!

結果、曲によっては泰輝さんの鍵盤を双眼鏡で上から見下ろしてガン見(席が思ったよりも低い位置で、完全に上から見える、という感じではありませんでしたが)したり、会場を埋め尽くしたお客さんの盛り上がりをステージ目線(横からですけどね)で堪能したり・・・いつもとは違う楽しみ方ができました。
長いジュリーファンの先輩方も、まだこの特等のバルコニー席を体験していらっしゃらない方は多いでしょう。この先もしそんなお席のチケットが来たら、大いに期待して良いですよ~。本当に素晴らしい席でした!

今回は、そんな珍しい位置から見た会場の光景なども交えて、張り切ってレポを書いていきたいと思います。
それではいつものように、演奏順にまいります。
開演!

1曲目「そのキスが欲しい」

Reallyloveya

開演前の心構えでは・・・わずか4人でワンブロックという特殊なバルコニー席だったので、自分だけスタンディングというのもなんだか恥ずかしいですし、場合によっては最後まで着席の状態でじっくり楽しむことになるかな、と考えていました。
ところが!
「そのキスが欲しい♪」のS.E.一発で同ブロックのお姉さまがお二人とも立ち上がってくださったので、僕も遠慮なくこの1曲目からスタンディングで飛ばすことに。
ありがたや~。

さて、この日のジュリーの声は、僕の印象ですと1曲目から全開、「憎みきれないろくでなし」までは絶好調。珍しく「我が窮状」でちょっと喉がいがらっぽい、というのか苦しくなってきて、「届かない花々」で復活、新曲は圧巻、その後は高音が登場する曲でかなり苦労していたかな、という感じでした。
でもね。
先日の渋谷に参加したYOKO君の名言を借りますと
「ジュリーってここへきて更にハードル上げてるでしょ?常人じゃ無理。あの鉄人達を従えてるだけのことはあるよ!」と。
その歌声は、唯一無比の存在感を以って、この神戸でも満員のお客さんを魅了したのでした。

この曲の間奏で早々に気づいたんですけど、席が完全に上手側寄りの位置だったせいか、下山さんのギターの音が小さく、聴き取り辛かったのがちょっと残念。
でもジュリーはよく見える!
お馴染みのアクション、比類無きテンション。
ジュリーwith鉄人バンド、今日もカッコイイぞ~。

2曲目「
彼女はデリケート

Gsiloveyou

イントロ、3人の横並びの見え方が最高!
角度が壮観でした。真正面から観るよりもインパクトがあったんじゃないかなぁ。
豪快な短距離走ダッシュのようなジュリー、リズミカルで走り幅跳びの助走のような柴山さん・・・この2人が”その場駆け足”スタイルだったのに対し、下山さんは軽く股を広げて両足着地の”その場跳びトランポリン”状態です。
今まで、てっきり下山さんも駆け足の動きだと思い込んでいましたが、違ったんですね・・・。
(後註:うっかりしていました。下山さん、渋谷初日&大宮では”その場お嬢走り”でしたね)

サビでのジュリーの小動物闊歩アクションと、マイクをお客さんに突き出す「コーラス来い!」のポーズは健在。みなさんそうかと思いますが、今ツアーから始まった(?)この曲のこの動き、僕は本当に好きだなぁ。
嬉々としてコーラスを返していると、泰輝さんがこっちをニコニコしながら見ていたような気がしました。ステージからだと、この辺りの中2階最前席ってちょうど目が行きやすい角度なのかなぁ、と思ったり。

曲が終わっての「デリケイ!」連呼はどんどん濃厚になっていきますね。
楽しげにジュリーにレスポンスする満員のお客さん。
途中で
「ま~だ分かってない人がいる。デ・リ・ケ・イ・ト!」
と念押しした後の「デリケイデリケイデリケイ・・・!」では、自分の声の反響を宙で追いかける仕草も。
散々シャウトしてから「息が、整いました」。

ところで、この曲の作曲者である佐野元春さんについて、ぴょんた様のブログにてBSプレミアムの特番の情報を教えて頂きました(
こちら)。
「行方不明だったマスターテープが発掘された」
この一文だけで、僕はメチャクチャときめきます。
自分が一番多感だった時期に『VISITORS』という凄まじいアルバムに出逢えたことは、本当にラッキーだったと今でも思っています。全8曲すべてがシングルになっている(B面合わせて計4枚)というのが凄い。
アルバムにはジュリーと特に関連する曲の収録はありませんが、ジュリーで言うと後のCO-Colo期までの音作りも含めて、80年代後半へ向かう日本ロック界に大きな指針となった伝説的な名盤ですので、興味のあるかたは是非!

3曲目「
鼓動

Iikazeyofuke

この日はセットリスト中で何と4曲について
「え~~っ?!」
とひっくり返ってしまった新たな発見・・・と言うか驚いたことがありました。ただ、そのうちの1つ目「鼓動」、2つ目「追憶」については、いずれも未だハッキリした「答」を結論づけるに至っておらず・・・という状況です。
まずは「鼓動」。

ジュリーのヴォーカルは、初日、大宮よりも素晴らしかったと思います。「鼓動」に限らず、セットリスト序盤のその伸びやかな声は、まだ耳に残っているくらい。
で、最後のサビに突入した「鼓動」のジュリーの声をうっとりしながら聴いていると・・・
「あれっ、転調が無かった?」
と。
この曲、最後にダメ押しのせり上がり転調があるじゃないですか。それが無く、最初のキーのままで曲の最後まで続けていた・・・僕にはそう聴こえたのです。
後で先輩方にお聞きしますと、月初めの渋谷では転調はあった、と仰るし、まさかツアー途中で転調をやめるアレンジ改変なんてしないんじゃないか、と今では自分の耳に自信を無くしています。
勘違いだったのかなぁ。
でも、最後のサビのリフレインに行く箇所で「え~~っ?!」と思ったことは確かなんだよなぁ・・・どなたか、ハッキリ覚えているかたはいらっしゃいませんか?

しかも直後のMCで、恒例の「お医者さんに止められてる」シリーズでこの日新たに
「転調のある曲は、転調するな、と言われています」
というのが加わったんですよね。
「鼓動」のことかなぁ、と思ったのですが・・・。

いずれにしましても、今ツアーで3度僕が聴いてきた「鼓動」の中で、この日が一番素晴らしいヴォーカルだったということは確かです。
柴山さんのソロも最高。この曲では前方にせり出さずに、定位置で腰をくねらせながら弾いているのですね。

~MC~

歌い終わったジュリー、いつものように「それでは」とスタスタ帰ろうとします。
笑いながら戻ってきて「いやぁ・・・3曲歌っただけで疲れちゃって」と。

ここまでは今ツアーお馴染みのパターンですが、神戸はこの先が長かった~(そのせいか、アンコール前のMCが短めになっていました)。
何故ジュリーが「もう帰ろう」と思ったかと言いますと。
「途中まで見てたんですけどね・・・今日、阪神・・・ボロ負け」とことさら大げさに肩を落とします。
う、嬉しい・・・これぞ関西限定、阪神嘆きネタ!
「17対3ですよ・・・」
には、お客さんが「え~~っ?」と反応。さすが神戸、お客さんもほとんどが阪神ファンというわけですか~。

「解説がね、岡田元監督、金本(元)選手、赤星(元)選手・・・もうあまりにボロ負けなんで、”解説”じゃないんですよ。自分らが優勝した時の話しかせえへん!そんな話をしている中、相手にどんどん点が入るんですよ!」

「(来季は)監督は変えた方がいいね・・・やってることの意味が分からん。”さ”がついてないから、(自分の考えとは)差があるんですよ」
と、これは隣のカミさんあたりはチンプンカンプンだったでしょうが、和田監督に”さ”がついていたら”さわだ”、という昨年来のネタのヴァリエーションですね。

しかし、多くの阪神ファン同様、とうとうジュリーも堪忍袋の緒が切れましたか・・・去年は「Rock 黄 Wind」を歌いながら「さぁ、和田!さぁ、和田!さわだ~!」なんて張り切って絶叫してたのにねぇ。
少し前に、来季は掛布さんがコーチ入閣、なんて情報があったけど、和田さんの下に掛布さん、というのは無理があるよなぁ。シンプルに「掛布監督」じゃダメなのかな。まぁそれも、やってみないとどう転ぶかは分からないですけど・・・。
僕個人は、矢野新監督を中心に一気に若返るのがイイと思いますけどね~。ただ、矢野さんはプロゴルファー転向を目指す勢い、なんて話を去年聞いた記憶がありますが、本当なんですかね?

ジュリーは「ほとほと今年の阪神は・・・」といった悩ましげな顔で「もう・・・本当に帰っていいですか?」と。
もちろん冗談ですから、会場のお客さんはそんなジュリーの言葉に爆笑するばかりです。

恒例の「お医者さんに止められてる」シリーズは、会場ごとにヴァリエーションが広がっているようですね。この日は先述しました通り、「転調するな」が増えました。
ちなみに聞くところによりますと、何ですか、高知公演では遂に、「痩せろと言われている」という重大な告白があったとか・・・(笑)?

神戸でも「この日を楽しみにしてくれてありがとう!」の名台詞が飛び出し、最初の長めのMCは大きな拍手と共に終わりました。
会場の、和やかな中にも客席との阿吽の呼吸がある雰囲気は、いかにも関西ですね。

4曲目「
a. b. c... i love you

Sinpurunaeienn

僕はこの曲からしばしの双眼鏡タイム。ほとんどのお客さんはジュリーと一緒に”おいっちに体操”に参加ですが、個人的にはこの曲にあの動きは合ってないように思うんですよね・・・。いや、ジュリーは完璧ですよ。ちゃんと16ビートのグルーヴで拳を上げ下げしてるんですが、どうも僕は上手くそれに乗りきれなくて。油断してやってると、いつの間にか倍速になってたり(汗)。

ということで鉄人バンド・チェック!
単音は下山さん、裏拍カッティングが柴山さん。
泰輝さんはこのリズムでも余裕だな~。身体を激しく動かすわけでもないのに、しっかり16分音符のニュアンスをサラリと表現してくれます。
GRACE姉さんは意識的に後ノリにしている感じでしょうか。基本はエイトビートの刻みですが、ハイハットとキック・・・両足のペダルの踏み込みで16ビートを体現。オカズで瞬時に跳ねまくります。

鉄人バンドのそれぞれの演奏を見ていると、飛び跳ねるようにしてジュリーが視界に入ってくるシーンが多々。それだけ激しく動き回っている、ということですね。
エンディングでは、今ツアーお馴染みの「C.C.RIDER!」のシャウトもありました。

5曲目「海にむけて」

Rocknrollmarch

ジュリーのヴォーカル、素晴らしかったです。大宮公演では何か「感極まる」感じの歌声でしたが、この日はストレートに、無垢に、伸びやかに歌っていました。
この曲は加瀬さんの曲先で、ジュリーの歌詞が後だったそうです。制作時の思いはまた別にあったのでしょうが、ジュリーは今、歌詞を作った時のことを思い出したりして、現在病気療養中の加瀬さんに伝えたい「思い」が表れているのかなぁ。
その歌声はまるで、僕がこの世で最も愛しているアルバム『JULIEⅡ』のヴォーカルを聴いているみたいなんですよね・・・。

初日渋谷、さらにその後の大宮ではチェックできていなかったGRACE姉さんのドラムスもこの日はじっくり観ることができました。この曲の肝である「スコ~ン!」という刻み・・・大宮のレポで僕は、基本のドラムセットとは別のパーカッションをセッティングしているんじゃないか、なんて書いたんですが、違いました。
GRACE姉さんは、スネアのリム・ショットであの涼やかな音を出しているのです。
これはオリジナル音源が機械音であるだけに、LIVEの刻みが説得力を増しているように感じます。
普通のリムショットでよくあんなに美しい音が出せるなぁ・・・。当たり前ですが、さすがはプロのドラマーです。GRACE姉さん、カッコイイ!

そしてこの神戸で初めて気づいたのは・・・この曲、柴山さんのフィードバックで終わっています!
「三年想いよ」「いくつかの場面」でもエンディングはフィードバックを奏でる柴山さんですが、その2曲では他楽器に合わせてピタッ、と音を切って終わります。でも、「海にむけて」ではただ一人、フィードバックで最後まで音を残しているのです。
その残響は、今回ジュリーがこの曲を採り上げた「思い」に共鳴しているかのようです。さすがは柴山さん・・・これこそ「海にむけた」ギターではないでしょうか。

6曲目「
憎みきれないろくでなし

Omoikirikiza

これまた懺悔・・・大宮のレポで、いかにも柴山さんがこの曲のリフを弾いているような感じで書いてしまっていますが、いわゆる「リフ」(じゃかじゃかじゃんじゃん、じゃんじゃらじゃららん♪ってヤツ)は、下山さんの担当です!あまりにも余裕な表情で弾きまくる下山さんなのでした~。
柴山さんは、歌メロ部は基本コード・バッキング(全っ然フレット見てないです)。この配置は、きっと下山さんがベース・パートをカバーする意味もあるのでしょうね。
ただ、間奏で瞬時に運指を切り替えステージ最前方までカッ飛んできてソロを弾くのは、間違いなく柴山さん。真紅に染まり、うねる腰&ぬおる口。素晴らしい!
GRACE姉さんは、カウベルとハイハットを入れ替え立ち替え熱演。しかもコーラスまで・・・これまた素晴らしい。

隣のお姉さんは、サビでジュリーに合わせて”指グリグリ~”をやってくれました。僕はやらないんですけど、こういう状況はとても嬉しいのです。知らないかたなのに、メチャクチャ親近感が沸いてきます。
思い出すなぁ、東京ドーム『ジュリー祭り』。あの時も隣のお姉さんが同じように「グリグリ~」とやってくれてて、「凄いなぁ。ファンとしての密度が違うなぁ」と感じ入ったものです。あの時のお姉さん、このブログ読んでくださったりはしてないかなぁ。いつか直接お礼を申し上げたい!とても楽しかったです、と。

ジュリーの、オリジナルとは違うニュアンスの歌い方(「憎みきれない~♪」ではなく、「憎みきれなぁ~ぃ♪」と歌います)にも違和感は無くなってきました。
むしろ今の粘っこいブルース風の歌い方の方が、身体の動きとは合ってるんじゃないかな~。

7曲目「追憶」

Julie8

さてさて再び鉄人バンドのガン見だ~・・・イントロのGRACE姉さんのタムはどんな感じかな、と双眼鏡を構えますと、はからずも柴山さんに照準が。「おお~っ」とそのまま指の動きを追いかけ、歌メロに突入。
その瞬間、僕はひっくり返りそうになりましたよ。「鼓動」に続く2曲目のビックリ・タイム。

「え・・・柴山さん、7フレット?」

そう、柴山さんが「じゃら~ん♪」と弾いたのは、間違いなく7フレットでの「Em」のフォームでした。
つまり、原曲キーの演奏ということ。
おかしい・・・大宮ではこれが5フレットの「Dm」だったはず。あの時見間違えたのか、それとも今、見間違っているのか?と、しげしげと柴山さんのフォーム移動を追いかけますが・・・目に飛び込んでくるフォームは「Em」「Am」「D」・・・やはりこれらはオリジナル・キーでしか登場し得ないコード。
キー下げてない・・・のか?
必死で、不完全な脳内絶対音感をフル稼働。僕は才が無いのでまったく自信は持てないんですけど、原曲とは違うキーのように聴こえます。ジュリーの声も、低音にドスが効いているように感じられます。
いやいや、音階については僕の耳を信用してはダメだ・・・にしてもこれは一体どういうこと?

まず聴きながら考えたのは
・ツアー中、何処かのタイミングで原キーに戻した
・ツアーの最初から原キーでの演奏で、僕の大宮公演が完全な見間違いだった
という2つの可能性。

ところが・・・これは実は10曲目「届かない花々」の時にハッと思い当たったことなんですが、第3の可能性もあります。それは
・少なくともこの日は、柴山さんが1音下げの特殊なチューニングで臨んでいた(実際には、押さえているフレットよりも1音低い音が鳴っている)
という考え方。

突拍子もない・・・と思われるかもしれません。しかし僕はこの日の「届かない花々」で、鉄人バンドのギタリスト2人による驚愕の演奏パターンを確認しました。「追憶」のキーについて後からあれこれ考えたのは、その光景を目の当たりにしたからです。
このことについては、後で「届かない花々」の項で詳しく書かせて頂きますね。

神戸以来ずっと考え込んでいるのは、柴山さんや下山さんにとって、曲に応じて、またツアーに応じて「ギターをチェンジする意味」とは何ぞや、と。
もちろん、「ス・ト・リ・ッパ・-」ではアームが必要だからジャズマスターにチェンジする・・・こういうパターンは分かり易いです。でも、ひょっとしたら他にも色々な理由があるのかもしれないなぁ、と。
例えば、SGで良いはずの「ダーリング」が何故今ツアーではジャズマスターなのか。
「ダーリング」はそうではない、と思っていますが、もしも特殊なチューニングによるギター・チェンジというパターンがあるならば、ギターを替えた該当曲のみならず、その前後のセットリストとの関連性まで考える必要があります。

ともあれ、実際にはジュリーが「追憶」を歌っている間はそこまでのことは考えられず、ひたすら「あっれ~?」と首をかしげながら時間が過ぎてしまいました。
おかげで、GRACE姉さんの豪快なタムも確認できませんでしたし、ジュリーの袖から白い鳩が飛び出してくるイメージがこの日は沸かなかった・・・勿体ない!

8曲目「
そっとくちづけを

Ikitetarasiawase

この日、カミさんの「ベスト」はこの曲だったそうです。
本当に、ジュリーのヴォーカルも鉄人バンドの演奏も素晴らしかった・・・ただそれだけ書けば良いんですけど、後から考えれば、この曲の演奏にも色々と謎があるわけです。これまた後の「届かない花々」の項で詳しく書きますけど。
お正月の『ひとりぼっちのバラード』ではTVイエローだった柴山さん、今ツアーではSGじゃないですか。で、先日若い男性ジュリーファンのミュージシャンの方のブログを拝見して初めて知ったんですが、柴山さんはこの曲をカポタストをつけて演奏したこともあるのだそうです。
果たしてカポタストでの演奏の時と、無しの時とでコード・フォームは同じでしょうか。僕からすると、同じである方が考えにくいことなんです。
スライド・ギターを採り入れている曲ならば尚更のこと。オープン・チューニングの可能性だって大いにあります。もしそうだとすれば、イントロから1番の歌メロ部でのアルペジオは神技どころではありませんけどね。

どうやら鉄人バンドの演奏には、僕らファンには知り得ない色々な秘密がありそうです。しかもそれらはすべて、「ジュリーの歌」に合わせてその都度編み出されているのだ、ということも言えると思います。
ジュリーが、鉄人バンドを離さないわけですよ。

神戸では、泰輝さんのコーラスがよく聴こえたなぁ。お正月『ひとりぼっちのバラード』渋谷初日の感動を思い出しました。
「鼓動」の転調については「自分の記憶違いかなぁ」とどうにも結論がハッキリせずモヤモヤが溜まっていますが、この曲は間違いなく最後のサビのリフレインで転調していましたね。泰輝さんは顔色ひとつ変えず熱唱でしたけど、転調の瞬間のコーラス・パートが凄く難易度高そうだ・・・。

9曲目「我が窮状」

Rocknrollmarch

これまで、「我が窮状」のジュリーの歌声は聴くごとに美しくなっていくなぁ、と思っていました。
この日の「我が窮状」は、その意味ではひと味違っていました。荒々しいと言うのか、猛々しいと言うのか・・・僕にはそんなふうに感じられたのです。

この曲では本当に珍しいことなのですが、ジュリーの喉に少し異変が起こっているようでした。声を伸ばすと、引っかかるような、掠れるような感じになり、最初は「あっ!大丈夫かな?」と心配になるほどでした。

しかしさすがは百戦錬磨のジュリーですよ。途中から歌い方を変えたのです。
母音を長く伸ばす際には、まず直前の子音を発声してからいったん力を抜き、母音部は最初は小さく、伸ばすごとに声量を高めていく感じで歌います。さらにロングトーンの最後には、ハッキリと「音を切る」声を出すのです。強引に文字で表記しますと
「宝だぁぁぁあああ、つ♪」
という感じ。伝わるかなぁ・・・。

そんなジュリーの歌い方もあってか、先述のようにこの日の「我が窮状」に僕は”迫力”を感じました。

ツアーが終わったら”セットリストを振り返る”シリーズにてこの曲の考察記事を書くつもりで、今色々と勉強していますが・・・僕の場合は「自分とは真逆の考え方を知る」ことを踏まえてから、しっかりした声を上げたいというのが大きなテーマです。これまで、そうした反対意見に耳を傾けることを避けてきましたから。
そして様々な考え方を知るたびに、その都度行き着く「自分の考え」は、やはり不動です。
どんな理由であれ、戦争はダメだ、と。
例えば、「不戦を掲げた憲法を持つ国は世界にたくさんあって、それらの国はその上で集団的自衛権を認めている。だから日本もそうすべきだ」という考え方があるけれど、僕は日本の9条というのは、たとえ後づけであっても、あの忌まわしい大戦を体験した人達によってこの国独自の”精神”を纏ってここまでに至り、僕らを護ってきてくれたのだろうと思っています。
だからジュリーはそんな精神への敬意を以って「この麗しい国日本に生まれ、誇りも感じている」とまず歌っているのではないでしょうか。

「声なき声よ集え」というフレーズについての僕なりの解釈も、どうやら纏まってきました。
これから「我が窮状」の記事を書くまでの残された時間も、違う考え方も真剣に勉強し耳を傾け、ひとつずつ糧として消化し、精進するつもりです。

10曲目「
届かない花々

Croquemadame

さぁ、この曲の項は長くなりますよ~。
これまで何度も生で聴いてきた「届かない花々」。LIVEで聴いた回数は、”お馴染みのヒット曲”の数々に勝るとも劣らない・・・それほどセットリスト採用率が高い、すなわちジュリーの中で重要な位置を占め、大切な曲のひとつ。
まさかここへきて、驚天動地の再発見があろうとは。

「そっとくちづけを」「我が窮状」ではじっとジュリーの歌声に集中して自然体で聴きましたが、この曲ではジュリーの細かいゼスチャーを見たいと思い、双眼鏡を手にしました。覗きこむと、先程と同じくまず柴山さんにピントが合いました。
ビックリしました。

「え・・・ト長調?」

イントロで柴山さんの押さえていたコードは、3フレット。ハイ・ポジションの「C→G」の循環。
これは、キーが「G」(ト長調)であることを示しています。

この曲は、オリジナル・キーが「B♭」(変ロ長調)。ただ、『ジュリー祭り』以降はずっと半音下げの「A」(イ長調)で演奏されていました。下山さんのアコギをガン見することが多かったですから確かです。僕が生で観たこの曲での下山さんは常に、歌メロからAメロで「D→A」とコード循環させていましたから。
でもこの日、双眼鏡越しに見えた柴山さんの弾くコードは「C→G」。何度確かめても3フレット。
「今回、さらに1音キーを下げてきたのか・・・」
まずその時僕はそう思いました。

「ってことは、下山さんのあのGのローコード・フォームが見られるってことかぁ~」
と、今度は下山さんにピントを合わせますと。
何と、明らかに「D→A」と弾いているではありませんか。
「あれえっ?!」
と、今一度柴山さんガン見。やっぱり「G」。ならば、ともう一度下山さん。やっぱり「A」。
(左隣のカミさんや、右隣のお姉さんからしますと、この時僕は相当不審な動きをしていたと思います汗)
アコギの下山さんは、ローコードで「D→A」。エレキの柴山さんはハイコードで「C→G」。間違いない、そう弾いています。つまりこれは・・・。


柴山さんのSGが1音上げ、もしくは下山さんのアコギが1音下げのチューニングなんだ!


待てよ・・・柴山さんはいつからSGだっけ。
「追憶」がジャズマスターだから、「そっとくちづけを」からだ。「我が窮状」ではギターは弾いていないけど、そのままSGを抱えていたはず。ってことは、「そっとくちづけを」も1音上げのチューニングだったってことになる?
じゃあ、じゃあ・・・「そっとくちづけを」の弾き方は、お正月とは違っているのか。わざわざ1音上げて違うコードでアルペジオ?そんな面倒なことをするものかな・・・いや待て待て、あの曲はスライドギターが出てくるから、オープン・チューニングだとしたらどうだ?あり得る!今まで、スライドバーをあてがったまま弾く後半部のアルペジオが神技だと思ってたけど、こうなると逆だ。前半部の指で弾く方のアルペジオが神技なのか?

そうか・・・「追憶」の演奏中にローディーさんがSGのチューニング設定を直していたのかな。だから「追憶」ではジャズマスターにチェンジしなきゃいけないんだ。
いや、いや、待て待て。となると「追憶」のジャズマスターも通常のチューニングとか決めつけられない。絶対音感をお持ちのNasia様が、「追憶」と共に「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でキーを下げてるように感じた、とブログで書いていらっしゃった。僕は大宮公演で、柴山さんのコードだけを見て「ス・ト・リ・ッ・パ・-は原曲キーでの演奏」だったと断じてしまったけれど、チューニングのことまで考えなかった。
そもそも「ス・ト・リ・ッ・パ・-」のギターは6弦開放が命じゃないか。とすれば、たとえジュリーが歌うキーを下げても、ギターはチューニングを1音下げにして演奏するのがごく自然なセッティングじゃないか。「ス・ト・リ・ッ・パ・-」が1音下げなら、「追憶」だってそうじゃないのか。ひょっとしたら「ダーリング」もそうなのか?

いやいやいや!待て待て待てい!
「届かない花々」の柴山さんのSGが1音上げのチューニングだとすると、この先SGで弾き通す「危険なふたり」までの全曲が1音上げ状態のままの演奏、ってことになるぞ。さすがにそんなことはあり得ない。
ならば今ツアーの「届かない花々」はやっぱり「G」までキーを下げていて、下山さんのアコギの方が1音下げのチューニングなのか。
でも、「届かない花々」はいつもと同じキーに聴こえる。これまで観てきたこの曲で、ジュリーが「A」のキーで苦しそうだった、ってイメージも無かったし。やっぱり柴山さんがチューニングを上げてるのか?

ダメだ・・・絶対音感も持たない僕がいくら考えても結論は出ない。第一、こんなふうに理屈ばかり考えてたら、せっかくのジュリーLIVEに集中できなくなる。
もう、今はキーのことを考えるのはやめよう。LIVEが終わってからあれこれ考えてみよう!

・・・とまぁ、だいたいこのくらいのことを、ジュリーが「届かない花々」の1番を歌い終わる頃までには考え終えていたという・・・人間の脳って不思議ですよねぇ。

ということで、この後の新曲以降は、キーの確認とかまったくしていません。かえって、新曲~セットリスト後半に向けて集中力が高まったから良かったのかな、と振り返ってみれば思いますが、今は色々なことが気にかかっていることも事実。
そこで!
今後の各会場ご参加のみなさま・・・特に柴山さんのファンのみなさまに、可能であれば以下のポイントのチェックをお願いしたいのです。
「届かない花々」の直後、つまり新曲紹介のジュリーの短いMCの間に、SGを持つ柴山さんに「改めてチューニング直し」的な動きがなかったかどうか。もしくは一度ローディーさんがSGを持って舞台袖に引き上げなかったかどうか(「櫻舗道」の時とか)。
もしそのような動きがあれば、「届かない花々」での変則チューニングは柴山さんの方、そんな動きが無ければ下山さんの方、と判断できます。
みなさまのご伝授、お待ちしております。

さて、「届かない花々」。
僕がジュリーの歌に集中したのは2番以降となってしまいましたが、ヴォーカル、素晴らしかったです。「我が窮状」でちょっと掠れてしまっていた喉は、この曲では復活していたみたい。
今ツアーのセットリスト、新曲4曲と共にジュリーの「ひたむきさ」「媚びのなさ」「気取らなさ」「必死さ」が強く感じられる曲・・・たくさんあります。
「海に向けて」「そっとくちづけを」「我が窮状」。そして「届かない花々」も当然そうした1曲ですよね。

(後註:書いた後から気がつきましたが、柴山さん、この曲以降ですと「一握り人の罪」で一度アコギにチェンジしていますね。ということは、「そっとくちづけを」から「東京五輪ありがとう」までがSGの1音上げチューニングとも考えられますが・・・Amの曲をわざわざGmのスケールで弾くかなぁ。やっぱり分からない・・・)

~MC~

「ちょっと待ってね」と、キュートな仕草のジュリー。
こう言ってドラムセットの前まで行き、「よいしょ」と言いながら上着を脱ぐ、というスタイルが、いつの間にか今ツアー恒例のパターンとなっているようですね。
その間ブツブツと何やら独り言を、というのも。
で、神戸ではね。

「今頃、27点くらいとられてるんとちゃうか・・・」
「(和田監督の)やってることの意味が分からん・・・」

とか、阪神ネタで愚痴っておいて、上半身シャツ姿となりお客さんの方に向き直りながら
「あ、何か聞こえましたか?」
と(笑)。

会場を和ませてくれてから、改めて新曲の紹介です。
「鉄人バンドのメンバーに曲を作ってもらって、それに私が詞を載せました」
「被災地すべてのために歌います」

11曲目「東京五輪ありがとう

Sannenomoiyo

シャツ姿となって一層「可愛さ」が増すジュリー。反して、歌うは豪快なメッセージ・ソング。
ここ3年の『PRAY FOR EAST JAPAN』をテーマとした3枚の作品・・・リリース時の年のツアー1度きりのセットリスト入りとなる曲もあれば、その後のツアーでも取り上げられる曲もあるでしょう。
今のところそれは「F.
A.P.P」1曲のみにとどまっていますが、「東京五輪ありがとう」は、数年先のセットリスト入りが考えられる曲だと思います。

「決まったからには被災地のために・・・」
ジュリーがこの歌を歌ってくれたおかげで、僕らは本質を忘れずにいられます。
現在、五輪招致に向けた準備が着々と進んでいますが、世間は今のところはまだ静かです。
これが「あと2年」「あと1年」となった時、五輪招致開催は再び大きなニュースとなり、皆がその話題をするようになるでしょう。
その時、被災地のことを僕らは思いだせるのか。復興は成ったのか。まだまだなのか。
よもや忘れてはいまいか。

ジュリーファンなら、きっとこの曲を思い出すでしょう。被災地のことを忘れてはいないでしょう。
それが、この曲の意義です。
ジュリーも、タイミングを見ていつかまたこの曲をセットリストに採り上げてくれるのではないでしょうか。

これは柴山さんの作曲作品なので、てっきり柴山さんもバリバリにコーラス参加していると思い込んでいましたが、僕の見たコーラス・パートのシーンに限っては、柴山さんはギターの演奏に集中していたみたい。泰輝さんとGRACE姉さんの2人でコーラスを担っているように見えました。

12曲目「一握り人の罪

Sannenomoiyo_2

ということで、現地及び「届かない花々」の項をバ~ッと書いた時にはうっかりしていましたが、この曲で柴山さんはアコギにチェンジしています。
従って、先述しました「櫻舗道」でローディーさんが柴山さんのSGを持って下がるかどうか、のチェックの話は無しです~。その線は完全に消えました。

さてみなさま、『ロックジェット58号』の佐藤睦さんの盛岡公演レポートはお読みになりましたか?
例のアルバムレビューの連載第2回については、初回と比べてずいぶん改善されたとは言え、まだまだ残念な点も残されています。でも佐藤さんの文章は本当に素晴らしい・・・モノクロ写真2ページを加えた佐藤さんのLIVEレポート部だけでも、ジュリーファンはこの本を購入する価値があるのではないでしょうか。
特に、この「一握り人の罪」について書いていらした佐藤さんのピュアな感性には、感動するとともに大いに考えさせられるものがありました。

人々の、地域の明るい未来を照らしたはずの原発。あの震災で過酷な事故を体験した我々日本人。
僕はてっきり、国は「もう原発はこりごりだ」と毅然と舵を取るものとばかり思っていましたが、世の動きはここ数ヵ月、さらにも増して原発再稼働へと向かっています。その先鋒が、僕の故郷・鹿児島県の「せんちゃん」(九州電力川内第一、第二原発)です。
僕も色々とアンテナを巡らし、「再稼働推進派」の考え方も心情的には分かってきました。九州電力にしろ、県にしろ、地元の推進派の人達にしろ、結局はお金と生活の問題があるのです。その境遇を我が身に置き換え考えてみれば、推進意見を持つ方々の気持ち、生活が立ちゆかなくなってしまっている方々の気持ちは、完全否定などできるはずがない、とは思っています。

しかし一方で・・・これが「経済界」という話になると、僕にはどうも分からない。僕は様々なベクトルの意見を知るためできる限り多くの新聞を読みますが、この問題について明確に「推進」であるのは経済系の新聞です。ただ、読んでも「何故再稼働なのか」のハッキリした論調、志が掴めません。
そんな中で、川内原発再稼働について説明責任があるのは九電ばかりの話ではない、と僕は最近思い始めました。九電は、再稼働したいに決まっている。県もそう。その理由も、理解することはできます。
ただし、「経済」を盾にしている国は、未だ「こういうことだから再稼働するべきなのだ」と明確に説明できていませんよね。それをしないと、僕などはどうしても「国の思惑はきっと”一握り人”のための再稼働なんだ」と思ってしまうよ・・・。

例えば、「30キロ圏までの病院、福祉施設の避難計画査定」が国の指針であるのに、鹿児島県の伊藤知事は、「当面は原発の半径10キロ圏で充分」との認識を示しました。この点だけでも国との乖離があり、本来ならば国は再稼働を許すべきではありません。
なのに、再稼働へ向けての話がどんどん進んでいくのは何故なのでしょう。
これは、病院側、福祉施設側が「避難計画を立てたくとも立てられず(車椅子が必要な方、寝たきりの方など、全員を一度に遠距離まで搬送できない)困惑している状態」を受けての「10キロ圏内ならなんとか」という緩和であり実態です。
伊藤知事はハッキリと「30キロ圏の計画査定は現実的ではない」と発言しましたからね。

ところが最近、避難受け入れ先のひとつでもある熊本県水俣にて、水俣病患者のみなさんが正式に「反原発の会」を結成。
「経済優先で大きな被害が出たのは水俣病も東京電力福島第一原発も同じ」だと声を上げました。そして、病人であったり高齢者であったり・・・身体的弱者が「逃げる」ことの大変さ、難しさを訴えています。

避難計画査定を(強引に)通せたとしても、他でもないその避難計画の受け入れ先となっている地でハッキリと「再稼働反対」の声が上がっている状況を、果たして無視できるものなのでしょうか。
もうこうなると、九電の主張がどうの、という話ではなくなっているんですよ。再稼働する、と言うなら、国がキチンと全国民にその理由を説明をしないといけない。
僕は故郷の心配をしながら、そう思っているところ。これは今、現在進行形の話なのです。

長々とこんなことを書いて、ごめんなさいね。
田舎の片隅のニュースなので、全国報道では色々なことが割愛されているものですから、つい・・・。

「我が窮状」の声掠れのこともあって、「ジュリーの喉は今日本調子じゃないのかな・・・」と心配していましたが、「一握り人の罪」のヴォーカルを聴いて「凄い!喉は絶好調じゃないか!」と思いました。
でも、次の「櫻舗道」は「一握り人の罪」以上だと思いましたし、その次の「三年想いよ」は「櫻舗道」以上だと感じました。
結論から言えば、すべてのセットリストを聴き終わって「やっぱり今日は声は本調子というわけではなかったのかな」と僕には思われました。しかし、「一握り人の罪」「櫻舗道」「三年想いよ」の3曲を歌っている間は「絶好調だ!」と感じた・・・これは事実です。
新曲を歌うジュリー、恐るべしなのです。

柴山さんと下山さんのアコギ・アンサンブルも相変わらずの素晴らしさ。柴山さんはハイコードで、ガツン!と刻むような感じ。対して下山さんはローコードで、撫でるような感じのストロークなのですね。

13曲目「櫻舗道

Sannenomoiyo

「一握り人の罪」を聴きながら、「ジュリーの声、今日はこの曲が一番だろうな」と思っていましたが、早くも次に歌われた「櫻舗道」がその上を行きました。先に書きました通り、これはその次の「三年想いよ」まで続いたことなんですけどね。

「櫻舗道」を聴くと僕はまず、富岡町のバリケードに分断された桜並木のネット記事を思い出し、次いでこの先に迫っているジュリーの南相馬公演のことを思います。
富岡町は、事故のあった東京電力福島第一原発の南の町。富岡町から北に向かって大熊町、双葉町、浪江町と帰宅困難区域が連なり、その北が南相馬市です。
開演時間が極端に遅く設定されている南相馬公演。ジュリーと鉄人バンド、スタッフさん達は、当日どのようにして現地へ向かうのでしょうか。

常磐線からの北上が不可能となってしまった今、途中まで新幹線、そこから東へ車で向かう・・・このルートが一番考えやすいことは確かです。
ただ、それとは別の北上ルート・・・去る9月15日に、浜通りを縦断する国道6号線の、富岡町~双葉町間の通行規制が条件付きで解除されました。

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9月18日付『東京新聞』の特集記事より。
国道6号の通行規制解除については、全国的には報道の扱いが小さい(または、報道すらされない)印象が僕にはあります。ご存知なかった方々も多いのではないでしょうか。

南相馬で商売をされている方々は、「今まで南への道が無く陸の孤島のようになっていたが、これで南からお客さんが来てくれる」と喜んでいらっしゃるようです。
条件つき規制解除の「条件」というのは、「徒歩、二輪車は通行できない」「車両は通行できるが途中駐車は許されない」というもの。また、エアコンの内気循環が呼びかけられています。
すなわち、被ばくの怖れがある、ということです。

とにもかくにも車で北上できる、南下できる、というのは南相馬以北の地元の方々にとっては喜ばしい状況。しかし、都心から北上する非・被災地の僕らがそのルートを通った時、窓の外の風景(現実)に慄然とする、ということがあり得るかもしれません。
右手には、福島第一原発を覆い隠すように、延々とバリケードが拡がっている・・・僕はそんな光景を想像しますが、実際にはそんなこともないのかもしれない。自分の目で見て初めて捉えられることなのですね。
僕の場合は、いつその機会が訪れるのか、まだ分かりませんが・・・。

南相馬公演へと向かうジュリーと鉄人バンド、スタッフさん、それを迎える地元のお客さん達、そして遠征参加される方々・・・すべてのみなさまの無事と心の平穏を、改めて強く願わずにいられない・・・。
そんな神戸の「櫻舗道」のジュリーの歌声でした。

ジュリーを照らすライトの他に、少し暗めのもうひとつのライトがピアノの泰輝さんを照らしています。
間奏では下山さんにピンスポットが当たります。
ただ、大宮公演の2階席のみなさまが絶賛していらした、「正に櫻舗道」のような美しいライティングについては、この日の僕の席からはその全容を捉えることはできませんでした・・・残念。

14曲目「三年想いよ

Sannenomoiyo

渋谷初日、大宮、そして神戸と今回のツアーを観てきて、いずれも「一番良かった!」と感じたのはこの「三年想いよ」でした。これまでのツアーでは、観る会場ごとにそう感じる曲は様々だったのに、今回はそれが「三年想いよ」に一極している・・・僕にとっては本当に珍しいことですが、同じように感じていらっしゃるみなさまも多いようです。
新譜CDを初めて聴いた時は「穏やか」とすら感じたこのツアー・タイトルチューン、LIVEで体感すると、その「必死さ」「辛さ」を表現するジュリーwith鉄人バンド入魂のステージに、僕らはただただ「これほどの曲だったのか」と驚嘆させられるのです。

さて、この日4曲目のビックリ・タイム。
柴山さんのギターのアレンジが変わっていました!
その場で確認できませんでしたが、ひょっとしたら下山さんも変わっているのかもしれません。

まずイントロです。
泰輝さんのピアノに始まり、GRACE姉さんのドラムス、次いで「ラレミファ#、ラレミファ#・・・」というアルペジオが噛んできます。何とはなしに聴いていますと、ヴォーカル直前の2小節で、柴山さんが太い設定の音で「D」のパワーコードを弾きました。
ここへきて僕は「あれえっ?!」と、アレンジの変化に気がつきます。

この部分(CDで言うと、まるで人の声のようなシンセが鳴って、初聴時に僕がビクッとしてしまった箇所)のパワーコードの音は、少なくとも大宮公演までは無かったように思います。
と言うより僕は、大宮まではイントロの「ラレミファ#・・・♪」のアルペジオは柴山さんが弾いていたように思うのです。でも柴山さんがパワーコードを(2小節限定で)弾いたということは、すなわち神戸では、そこだけは下山さんがアルペジオ・パートを弾いていたに違いない・・・。
いつの公演からアレンジが変わったのかは分かりませんが、少し前にしょあ様が「下山さんが、柴山さんのアルペジオと同じ弾き方をしているシーンを見たような気がする」と書いていらしたのは、このイントロ部の下山さんの演奏の記憶なのでは?と僕は推測します(違っていたらごめんなさい)。

歌が始まると、パワーコードは下山さんが担当します。柴山さんが2小節だけ弾いたパワーコードよりも細い音色設定なので、「サーッ」と全体の音が後方に退いていくかのような効果があり、緊張感が高まります。

(それにしてもこの1番Aメロの1回し目、下山さんの僅か弦2本のパワーコードのダウン・ピッキングと、GRACE姉さんのエイトビートのドラムス・・・鳴っている楽器はたったのこれだけなんですよ。それであの説得力と美しさ、信じられない!)

そして1番Aメロの2回し目「孫たち」の箇所で早くも柴山さんがアルペジオを披露しました。
ハッキリ自信は持てないけど、大宮まではここで柴山さんは普通のコード・バッキングだったはず。
少なくともあの印象的なディレイ・アルペジオは、後の「いもうと」の部分から噛んでいたことは確かです。「アルペジオの噛みを早くしたのか!」と思いましたが、どうやら単にそれだけではなさそう。というのは、ここではディレイ設定が弱めなんです。「いもうと」からのアルペジオと比べると、音の残響が控え目なんですね。
そうか・・・それで「いもうと」以降の深いディレイのアルペジオが、まるで「2本のギターがダブっている」ような印象になるのか!とまたまた納得。

「D」から「B♭→C」」へとコード移行する転調繋ぎの単音も、柴山さんが弾きました。
これは大宮以前も柴山さんが弾いていたように思いますが、アルペジオから流れるように弾くのを見たせいか、この日はとてもなめらかな音に聴こえました。

このように、ツアー中にも少しずつアレンジを変えてゆく鉄人バンドのアレンジは、正に「ジュリーがどう歌いたいのか」「どうすればジュリーの表現を高められるのか」に基づいての進化だと思います。
実際、僕はこの日の「三年想いよ」は今までで一番良かった、と感じましたし、バンドのアレンジの変化に興奮しつつも、やっぱり目と耳はジュリーのあの入魂の表現に釘づけになっていたんです。

例えば、この日の席がステージを横から見るような特殊な位置だったからでしょうね・・・エンディングのギター・ソロ部で、これまでの参加会場では完全に暗がりに隠れていた柴山さん達の姿が、うっすらと見えてはいたんです。あの泣き叫ぶようなソロを柴山さんがどんな表情で弾いているのか、見ようと思えば見えたはずでした。
でも僕は、ジュリーのスローモーションの疾走から片時も目を離すことはできませんでした。

ジュリーが「必死」の表情で走っている。
僕らはそんなジュリーを見ながら、その後ろで、闇から聴こえてくる素晴らしいギターの音、コーラスワーク、演奏を耳にする・・・それで良いんです。それが「三年想いよ」という曲のあるべき姿、ステージングなのでしょう。

凄い曲です。
僕も、『PRAY FOR EAST JAPAN』をテーマとしたここ3年の計12曲の中で、この「三年想いよ」が一番好きになっています。
CDを聴いただけではそうではなかったのに・・・つくづく、「ジュリーはLIVEだな」と思うばかりです。

15曲目「F.A.P.P

38

新曲4曲では完璧な歌声だったジュリーですが、「F.A.P.P」では再び高音に苦心する様子が窺えました。
この曲の最高音「HAPPINESS LAND」の「HA」の音がうまく出なかったのです。
大宮では、苦しいながらも必死に声を絞り出していたジュリー。神戸ではそれもうまくいかず、「HA」の音が届かなかったために、「HAPPINESS」のフレーズすべてがグシャッとした感じになってしまいました。
前夜の名古屋公演の疲れがあったのかな・・・。
ただ、これだけの高い音を「何とかして出そう!」と必死になるジュリーの志は、この日もしっかり客席に届けられたのではないでしょうか。

ちなみに神戸、そして先日のびわ湖ともに参加された先輩が、びわ湖公演終了直後に「F.A.P.Pの高音が最高でした!」とフンコウのメールをくださいました。
びわ湖公演のジュリーのヴォーカルは、本当にすべての曲が最高だったみたいですね。
反して、神戸では声の調子が今ひとつ、の印象があっただけに、より一層「新曲を歌う際の神がかったジュリー」を実感することができた、と僕は思っています。
さらに、「F.A.P.P」での「高いラの音」というとんでもない高音に、ジュリーが毎回決死のヴォーカルで挑んでいる、立ち向かっているということも改めて分かりました。
このジュリーの気持ちや覚悟は、必ず10月8日の南相馬公演で地元のお客さんに届くと確信しています。

演奏が終わってからジュリーが
「鉄人バンド~!鉄人バンド~!」
の後に
「盗まれた鉄人28号!」
と言って、堂々たるロボット・ポーズを披露してくれたのは、この時でしたっけ・・・?

16曲目「世紀の片恋

Kitarubeki

イントロが始まるか始まらないか、のタイミングで前方にせり出してくる柴山さん。
ここからいよいよ今ツアー・セットリストは、無条件に盛り上がる怒涛のロック・タイムへ突入です。次の大ヒット曲攻めの前に1曲、この「世紀の片恋」のようなナンバーが配されているのがニクイ、と思うんだ~。

さて、この曲だったかどうかはハッキリ断定できないんですけど、また新たなギター・レンジが・・・。

もうそろそろ曲が終わる、という頃に、下山さんがボリューム・ペダル奏法で単音を弾いている曲があったんですよ。
いや、ペダルを踏んでいる動作自体はよく見えませんでした。音圧が吸い込まれるように小さくなったり、吐き出されるように大きくなったり、というボリューム・ペダル特有の音が聴こえたので下山さんを見ると、何となく足が上下に動いていたかな、という程度にしか確認できていません。でも、音は本当にそんな感じの音でした。

それがセットリスト後半の曲だったことは確かで、その中でエンディング間際まで下山さんが単音を弾いている曲となると、まずはガンガンにソロを弾いている「世紀の片恋」、あとは「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」の細かいオブリガート部、さらには「いくつかの場面」・・・この3曲に絞られます(後註:「勝手にしやがれ」も考えられなくはないかな・・・)。
でも「いくつかの場面」はさすがにナイと思うので、「片恋」か「マンジャーレ!」か・・・やっぱり「片恋」が一番可能性は高いのかなぁ、と。
どなたか覚えていらっしゃいませんか?本当に短い時間のことだったので、無理かなぁ。

この下山さんの演奏の変化は、「三年想いよ」の場合とは異なり、「アレンジを変えてきた」というより、「ハタと思いついてやってみた」可能性もあるかもしれません。
そう言えば、大宮レポの「世紀の片恋」の項で「ボトルネックを左ポケットにしまいこんでた」と僕が書いた直後に、一転してボトルネックを「ポ~ンと放り投げだした」という各地会場での目撃情報を拝見しました(神戸ではそのシーンを見逃しました泣)。
「彼女はデリケート」での”お嬢走り”が”その場トランポリン”に変化したこともそうですが、下山さんがツアー中に色々と変化させてくるのは、ギターの演奏だけに限ったことではないようですね。
これから先も、細かい変化が見られるのかな?

17曲目「危険なふたり

Royal

イントロからジュリーが頭上手拍子をリードして、一気に盛り上がるお客さん。
さすがは、誰もが知る大ヒット曲の威力です。

大ヒット曲と言えば・・・つい先日、目からウロコのお話がありまして。
20日の土曜日に、いつもお世話になっている先輩がご自宅にお招き下さり、垂涎の超絶お宝資料など見せて頂きながら色々とお話を伺う機会に恵まれました。

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↑ 見せて頂いた超絶お宝資料のほんの一部

その先輩はジュリーと同い年ですから、やはり年代ごとのタイムリーな逸話などがお話の中心となります。
そんな中(特に70年代ですが)、あれほどの実力を示しながらも、あまりに人気が傑出し過ぎていて、なかなか正当な音楽的評価を得られていなかった時代のジュリーをとりまく、独特の雰囲気をご伝授頂いていたのですが・・・。
ふと先輩が
「でも、今はジュリーもサラッと”シット曲”なんて言えるようになったのよね・・・」
と仰いまして・・・僕は「はて?」と、その話題の繋がりを掴み損ねたのでした。

去年からだったかな・・・華麗な大ヒット曲の数々をジュリーは、「みなさまにも多少は耳馴染みのある”シット曲”」とおどけるように紹介していたじゃないですか。
僕はそれを、ただ単に「舌足らず」な発音でおどけて紹介しているものだとばかり思っていました。
先輩にそうお伝えすると、「とんでもない!」と。

空前絶後の人気絶頂期のジュリー。確かにその音楽性を評価する人も中にはいなかったわけではないらしい・・・でもそれにも増して大きかったのは、ジュリーの人気に対しての露骨な嫉妬の空気だった、と。
それは一般世間のみならず、同業者からもあった(むしろそちらの方が露骨だった、と先輩は感じていらっしゃるようでした)・・・ジュリーは第1線を走り日本の音楽界をリードしながらも、常にそうした周囲の嫉妬に晒され続けていたのだそうです。

「それをようやく自分で冗談にして”シット曲”なんてふうに言えるようになったのよ。70~80年代の”人気”、『ジュリー祭り』以降の”人気”・・・”人気”に敏感なジュリーのステージって、本当に面白いでしょ」
と。

深い・・・深過ぎる!
”シット曲”という言い方について、先輩は「みなさん当然のようにそう捉えていらっしゃるかと思ってた」と、まずは僕の反応にかえって驚かれたようで、「DYさんが気づいていなかったとは・・・」と仰ってくださいましたが、いやいや僕などのレベルでそんな境地に至るのは、今後含めて絶対に無理!
だってねぇ・・・「当時ジュリーが音楽的に評価されていなかった」という点ですら、どうにも実感が沸いてこないくらいなのですから・・・。
これは、ジュリーと共にタイムリーで過ごし、今に至るまでずっと応援してこられた先輩方特権の感覚で、本当にうらやましいと思うのです。ジュリーの長い歴史、共に歩んでこられたファンの先輩方の歴史に、ただリスペクトしかありません。

そんなことを考えますと、ジュリーがLIVEで「お馴染みのシット曲」を歌う際に、ちょっとお茶目なヴァリエーションを加味してくることも、その時代時代でなんだか特別なことのようにも思えてくるんですよね・・・。
そう、「危険なふたり」で言えば、各地公演でのみなさまの情報通り、今ツアー会場が重ねられるに連れて、ジュリーの”年上のひと・物色ヴァージョン”が激しさ、楽しさを増してきているようですね(笑)。

「年上のひと、美しすぎる♪」という歌詞部は曲中2度登場しますが、神戸では1番のそれが激しかったです。
まずは「年上のひと♪」で前方の客席を指差し確認。「美し過ぎる♪」では「アカンわ~!」みたいなウンザリ顔。続く「あ~、あ~♪」は完全に声を変えて・・・え~と、他に表現が思い浮かばないので書いちゃいますが、「げ~」と吐くようなニュアンスで歌っていました・・・。
それでもお客さんは大喜び(のように見えましたが、「アレはイヤ!」と仰る先輩方も多いようで汗)。

この曲、大宮の打ち上げでYOKO君が「下山さんはオリジナル音源のベース・パートをほぼ完コピしてる!」と言っていたので、次は確認しなきゃ、と思っていたのですが・・・すっかり忘れていました。
フォーラムでリベンジ!

18曲目「ダーリング

Konndohakareina

誰もが知る大ヒット・ナンバー、アップテンポの2曲が豪快に続きます。
もう何度もLIVEで体感してきている曲・・・これまで僕はこの曲の演奏で、柴山さんの単音切り替えや泰輝さんのキーボードの音色設定などを注意して聴いてきましたが・・・この日は新たな大注目ポイントに今さらながら気がつきました。
Aメロ部の下山さん・・・メチャクチャ激しいです!

今まで気づけずにいたのか、それとも下山さんが今ツアーでいきなり一線超えちゃったのかは分からないんですが・・・1番で言うと「ここへ座ってくれ♪」から始まる箇所の下山さんの「どうしちゃったの?」と思うくらいの動きを、みなさまにも是非注目して頂きたい!
とにかく、凄まじいアクションで「ガッガッガッ・・・!」とダウン・ピッキングの連打また連打。
気圧された僕は、思わず手拍子が頭打ち4拍になってしまったほどでした。

何度か書いたことがありますが、2005年の『greenboy』ツアー(現在の鉄人バンド・スタイルでの演奏がDVD映像作品で残っている最初期のもの)では、ベースレスを補うアイデアとして、この連打は泰輝さんがピアノの低音で演奏していたんですよね。
鉄人バンドのアレンジにも歴史あり!
僕らは今、その最先端を体感できているのです。今の「ダーリング」は、下山さんの激しい低音弦連打によって、曲のスピード感がより増してきています。

そして・・・ねじ伏せるようなヴォーカルとアクションを繰り出しながら、最後のサビのダメ押し部に突入しても全く息を乱さないジュリーの体力、恐るべしですね。

19曲目「ポラロイドGIRL」

Karehanemurenai

これは今ツアーのセットリストの中で、観るたびにジュリーのテンションが上がっているな、というのが最も感じられる曲。特にジュリーのキレッキレの身体の動きと、それに呼応するお客さんのリアクションがね~。
個人的には『秋の大運動会~涙色の空』ツアーでの「愛まで待てない」にそんな雰囲気を感じたことがありましたが、あの時にも負けないテンション右肩上がり、急上昇の1曲ではないでしょうか。

とにかく、サビ部のジャンプが高い高い!
膝が美しく曲がって、踵がお尻についちゃうくらい。しかも、そんな動きの合間合間での「部屋♪」「ほら♪」のヴォーカルが、やけに艶っぽいんですよ。
66歳・ジュリー渾身のジャンプ・・・そりゃあ、お医者さんも心配になりますわな(違)(いや違わないか)。

で、心得たお客さんもジュリーに合わせて跳ぶ!
神戸では、直下に見下ろせる1階席前方に、そんなお客さんが結構な人数身受けられました。
僕はと言うと、バルコニー席から見える急傾斜にちょっとビビってしまい(若干ですが僕は高所恐怖症の気があります)遠慮したんですけど、隣のお姉さんは果敢にジャンプしていらっしゃいました。素晴らしい!

あと・・・ご参加のみなさまほとんどが目撃していらしたらしい、例のサイド・ギター・ソロ部(?)での下山さんの1回転片足キックを、僕は見逃しています(泣)。
今ツアーのこのシーンでは、1曲目「そのキスが欲しい」の間奏直後のジュリーのヴォーカル部と同じくらいお客さんが「キャ~ッ!」となり、盛り上がりますよね。
今回僕がその肝心なポイントで、他の誰に目を奪われていたのかというと・・・ズバリ柴山さんでした。

この日の柴山さんは、ドラムスのアクセントに合わせて下山さんを何度も指差しする、というスタイル。つまり下山さんが飛ぶシーンでは、GRACE姉さんの4拍頭打ちに合わせて「オラ、オラ、オラ、オラ!」とその都度腕を畳み伸ばしの指差し。これは萌える!
今ツアーの「ポラロイドGIRL」への熱狂的な会場の雰囲気に呼応した、いかにも柴山さんらしいアドリヴだったのではないでしょうか。
今後の会場でもやってくれるかもしれませんから、柴山さんのファンのみなさまは要チェックですよ~。

エンディングでは恒例・ジュリーの豪快な水吹きが炸裂。何度も何度も水しぶきがあがり、そのたびに1列目のお客さんは大盛り上がり・・・うらやましいなぁ。

20曲目「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

Samosutatto

いやいや、素晴らしかった。
もちろんジュリーもバンドも全員素晴らしかったのですが、この日一番の見せ場は、間奏部の下山さんでしたね。オイシイとこを全部持っていっちゃってました。
さすがに僕も、あの何とも言えない下山さんのお茶目な動きには気づきましたよ~(ビックリして釘づけになった、と言った方が良いかも・・・)。

この曲の間奏は、まず柴山さんがせり出してきて8小節のソロを弾き、その後を受けて下山さんのソロに移行します。その時にはジュリーも含めて3人がステージ前方に陣どっているという、これまた今ツアーのステージング、大きな見せ所のひとつですよね。
それが、神戸では・・・。

いざ柴山さんがカッ飛んできて陽気にソロを弾き始めると、何やらドラムセットの前あたりから、ゆっくりと柴山さんに忍び寄ってくる無気味な黒い影が(笑)。
下山さんが、柴山さんのソロに合わせて1小節に1歩(律儀!)、膝を折るようししてカックンカックンとリズムをとりながら、抜き足差し足で歩いてきたんですよ。
僕は位置的に、柴山さんサイドから横に向かってステージが見えるような角度の席でしたから・・・「下山さんが怪しげな動きで徐々にこちらに向かってくる」というおぞましい光景、いや失礼、素敵な光景がバッチリ正面に見えたわけです。
しかも、そんな光景を目にしながら、身体の方はジュリーと一緒に”おいっちに体操”しているんですからね・・・なんとも不思議な体験をさせてもらいました。

ちなみに、いつもお世話になっている長崎の先輩がこの日遠征で1階の下手側最後列にいらしていました。ちょうど僕のいるバルコニー席とは対角線です。
で、柴山さんに忍び寄る下山さんを目で追っていると、柴山さんもろとも”おいっちに体操”をしている僕が一緒に視界に入ってしまっていたんだとか。
どんな絵ですかそれは・・・(滝汗)。

この下山さんのトリッキーな動きは、打ち上げでも大いに話題になりまして。
カミさんが「妖怪かと思った」と言うので、「いや、妖怪じゃなくて霊なんだよ」と訂正しておきました(笑)。

あと、「お祭り騒ぎに手本はないけど♪」のところでジュリーが「本のページをめくる」仕草をしていました。
あの懐かしい「ほぼ虎」ツアーで、ジュリーがMC時にピー先生の本を「手にとるように分かります!」と言いながら紹介してくれた時と同じ動きでしたね。

21曲目「いくつかの場面

Ikutuka

この日は、「離れない♪」の最高音部でジュリーが苦心して声を絞り出すシーンがありました。
この曲の最高音は「F.A.P.P」と同じ高い「ラ」の音なんですけど、これまではジュリーが信じられないほど自然に高音を出しているなぁ、という印象が強くて・・・神戸の苦しげな声には「あれ、珍しいな」と思いました。
でも、そうしたシーンも含めて、ジ~ンとするヴォーカルでした。やっぱりジュリー、この歌詞を歌っていると色々な思いがよぎるのかなぁ、と。

さて、新しい発見は泰輝さんのキーボード。
何度も聴いているのに未だ確認できていなかった、泰輝さんの「ピアノからオルガンにチェンジする瞬間」を、この日は見逃すまいとずっとガン見していたのです。

1番を締めくくる、「抱きしめてほしい♪」と歌うジュリーのロングトーン。豪快に噛みこんでくるGRACE姉さんのフィル・・・その時でした。
下段の鍵盤で優しくピアノを弾いていた泰輝さんの指が、サッと上段高音部に移動。叩きつけるように1音をはじくと、一瞬の後にそのまま低音へと向かって荒々しいグリッサンド。これがこの曲のオルガン・パートの最初のフレーズだったのです。
「静」から「動」へ・・・渾身の演奏!

鍵盤のグリッサンド奏法には、出発音が明確なパターンとそうでないパターンがあるのですが、「いくつかの場面」での泰輝さんのグリッサンド出発音は、「明確」どころか1発入魂で叩きつけておいて、その余韻で繋げられています。これ、「涙色の空」で柴山さんが魅せる「ちゅくぎゅ~ん!」とニュアンス的には近いものがあります。
そしてそれはそのまま、柴山さんと下山さんのハーモニーで奏でられるツイン・リードへの「さぁ行け!」という合図になっているんですね。
泰輝さん、最高です。シビれました!

中2階バルコニー席は予想していたよりもステージに近かったぶん、泰輝さんの鍵盤位置を上からハッキリ見分けることができず、絶対音感を持たない僕にはグリッサンドの出発音が何の音なのかが分かりません。
フォーラムの席が2階最前列あたりなら見えるかもしれないなぁ、と贅沢な期待を持ってしまっていますが、そううまくはいかないでしょうね・・・。

~MC~

神戸はこのアンコール前のMCが比較的短めでしたが、公演からもう10日以上も過ぎてしまって記憶が(汗)。

再登場してのひとことは
「疲れました・・・やってるワタシがこんなに疲れるんですから、見ているみなさまはもっとお疲れでしょう」
だったかな。
座ってアンコールの拍手を送っていたお客さん(僕もです汗)への痛烈な皮肉?

タイガースの話も少し出ました。「(再結成に向けた)最初の年は、かつみがね・・・」というトッポネタのボヤキ節に、以前は感じられた棘がまったく無くなっているように思えるのは、僕だけでしょうか。

あとは主に、自らの体型の歴史(笑)と、食生活の話、そして「この先も可能な限り歌っていく」という決意。
「神戸の会場がいっぱいになっている・・・普通のことだとは思っていません」
と。
「昔はね・・・自分で言うのもナンですが、素敵だったんです!還暦の時は、もうこれで最後、あとはもう、懐メロ歌手になってもエエじゃないか、と思っていたんですが、何故かまた人気が出てきまして・・・こういう風体になったから、また人気が出てきたのでしょうか?」

体型については
「30半ばくらいから、このあたり(お腹)がね・・・」
と。ただ、じゃあ痩せていた(素敵だった)時期に何か体型維持の特別な努力をしていたかというと、そんなことはないんだ、と。常に
「好きなものを、好きな時に、好きなだけ食べる!」
というスタイルでずっと来ているのだとか。

で、「長く歌っていくために」ということで珍しく(?)
「”好きなだけ”という部分については改めようか、と」
これには大きな拍手が起こったのですが(笑)、僕としては、ジュリーは今のスタイルのままの食生活でイイと思うんですよね。ステージがそれを証明しているわけですし・・・やっぱり、色々気を遣ってストレスを感じ始める方が良くないんじゃないかなぁ、と思って。

というのはね。
ジュリー66歳。そんなジュリーよりもさらにずっと年長の「愛すべき”UNCLE DONALD”」・・・90代に入ってもますます元気なドナルド・キーンさんが、『東京新聞』毎月の連載の中で、最近こんなことを語っていました。

20140907

ドナルドおじさんの「長生きの秘訣」・・・自然体の説得力を感じませんか?
ジュリーにも、こうなって欲しいなぁ、いや、きっとキーンさんのように元気に、気骨をもって90代を迎えるんじゃないかなぁと思うのです。88歳のコンサートも、決して夢物語ではありません!
まぁその時に僕自身が果たして生きているのかい?という方がむしろ問題でしょう(ジュリーの18コ下ですが)。独身時代に散々不摂生してきましたからね・・・。

MCの〆は鉄人バンドの紹介・・・なのですが、思いのほかMCが短かったせいでしょうか、最初に紹介しようとしてジュリーが手をかざした下手サイドに、人影は無し(笑)。しばし空白があり、カクカクした動きで下山さんが登場、事なきを得ました。
(なんですか、聞くところによりますと今ツアーはこうして下山さんが遅れて入場してきて会場が笑いに包まれるシーンが頻発しているとか?まさか下山さん、それでウケを狙っているとは思えませんが・・・)

「それでは、オマケです~!」

~アンコール~

22曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

セットリスト後半からは、曲のキー変更については考えないようにしていましたから、僕はこの曲でも柴山さんのフォームをガン見することはしませんでした。
自然に聴いて、今改めて思うことは・・・やっぱりキーを下げていようがいまいが、ギターのチューニングを変えていようがいまいが、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」のギター演奏には「Em」のスケール・フォームが似合うんだろうなぁ、ということです。
ギターという楽器の構成上、一番低い音を出すのは6弦開放。その音なくして「ス・ト・リ・ッ・パ・-」は無い!

こんな最高にカッコ良いロック・ナンバーをジュリー自身が作曲したということ、そして見事大ヒットしたのだ、ということ。弦楽器隊の「横揺れ」含めて、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」はその演奏スタイルまでもが「ジュリー伝説の1曲」なんですよね。
それを後追いファンの僕がもう何度も生のLIVEで体感できている・・・何と幸せなことか、と。

今、『ロックジェット』でジュリーのアルバム解説が連載されているじゃないですか。
連載初回から色々と拙い部分があったりして、最新の58号にもまぁ・・・ありましたよね。でも僕が想像するに、あのライターさんは次号掲載となるであろう80年代のアルバム群の回で真価を発揮される方なんじゃないか、と思っているところです。「ロックなジュリー」ということで言えば、(一般的には)80年代前半のアルバムで語るべきところが多いですしね。
特に『S/T/R/I/P/P/E/R』の解説には期待大。個人的には『愛の逃亡者』にパブ・ロックのエッセンスを見取った解説は面白かったですから、パブ・ロッッカーであるビリー・ブレムナーやポール・キャラックの参加したアルバムをどんなふうに絶賛してくれるのか、楽しみにしています。そしてもちろん、ジュリー作曲のタイトルチューン「ス・ト・リ・ッ・パ・-」についても。

明快なロック・ナンバーとしての「ス・ト・リ・ッ・パ・-」、歌謡界をアッと言わせた大ヒットナンバーとしての「ス・ト・リ・ッ・パ・-」・・・僕はどちらもジュリーの本質であり価値であると思っています。そんな名曲を今も生のLIVEで、しかも最高の演奏で聴けることに、改めてありがたみを感じます。
この先もジュリーが歌い続ける限り、何度でも聴きたい「ヒット曲」ですね。

うつむき加減で華麗に指をすべらせながら横揺れする下山さんのバッキングも、本当にカッコイイ!
「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」で見せてくれた奇妙な動きとのギャップが素晴らし過ぎます・・・。

23曲目「勝手にしやがれ

Omoikirikiza

さぁ、今回の特殊な「中2階最前バルコニー席」で一番「得しちゃったなぁ」と感じたのがこの曲!
これこそ正に「誰もが知る」大ヒット曲。誰もが総立ち、誰もが我を忘れて盛り上がれる曲。

最近ジュリーのLIVEで男性のお客さんが急増している感じがしますが、神戸もそうでした。
昔からジュリーファンだった人もいれば、最近になってハマった人(←僕はまだココ)もいれば、初めて参加された人もいるでしょう。でも、「勝手にしやがれ」という曲を初めて聴いた、あの振付を初めて知った、という人は多分いないでしょうね~。
さて、神戸では最前列下手端の席に、バシッと帽子でキメた男性(カミさんの見立てでは、僕よりも全然若そうだ、と)のお客さんが参加されていました。
カミさんが言うには、開演前に僕らがマクドナルドで休憩していた時、そのかたが偶然隣の席に座っていらしたみたいで、雰囲気だけで「この人、絶対これからジュリー観る人や」と思っていたら最前列かい!だったんだそうな(僕はマクドナルドでは全然気づかなかった)。
その若い男性は終始ノリノリで、ジュリーも嬉しかったのか、吸い寄せられるように下手端っこまで出張するシーンがこの日は多く見られましたが、彼、「勝手にしやがれ」が始まるとそれまで脱いでいた帽子をサッとかぶり直して、一層の大盛り上がり。
楽しそうだったなぁ。

「勝手にしやがれ」って、やっぱりそういう曲なんですよ。圧倒的なパワーとエネルギーがあって、お客さんをイントロ一瞬で惹き付けてしまいます。

で、バルコニー最前席で僕が得をした、というのは。
何度か過去のLIVEレポートで書いたことがあるんですけど、「お客さんが揃って「あ~あ♪」とジュリーと一緒に壁塗りのフリに参加している光景を、ステージ目線で見たらどれほど圧巻なんだろうか」と、僕は常々思っていたのです。
最後列からお客さんの背中を一望した経験はあるけれど、ステージ側から、というのはねぇ・・・。まさか神席のLIVE中に後ろ向くわけにもいきませんし。

しかしこの日は!
極端に言うと、右を見ればステージのジュリー達、左を見れば3階までビッシリのお客さんを一望、という光景が楽しめる席だったのですよ~。
はい、見ましたよ・・・会場を埋めつくしたお客さんが、勢揃いで「あ~あ♪」とやっている圧巻の絵を。
凄かった・・・おそらく2度とこんなチャンスはめぐって来ないでしょうね。
神戸の「勝手にしやがれ」の熱気を映像として目にやきつけられた、ということもありますし、77~78年のコンサートでの「勝手にしやがれ」の雰囲気すら、なんとなく味わえたような、分かったような気がしました。

ジュリー、満員のお客さんを迎えて今歌う「勝手にしやがれ」が大好きになっているんじゃないかなぁ。

エンディングのジュリーがまた、面白かったです。
最後に下手側へ向かって走り出すのが少し遅れて、その時点でもう既に「アカン!普通のスピードじゃ間に合わん!」みたいな表情をしているわけですよ。
全速で走って、全力でタ-ンして、全速でセンターに駆け戻ってきたジュリー。スタンドマイクすぐ後方でのキメポーズにバッチリ間に合いました~。

先述の”シット曲”のお話を伺った先輩に、神戸のジュリーの様子を色々とお伝えしながら
「やっぱりジュリーって、”勝手にしやがれ”のラストのキメポーズはステージ中央でやらなきゃイカン!と思って歌っているんでしょうか?」
とお尋ねしますと
「そりゃあそうよ!」
と。
やっぱりそうなんですねぇ。

となれば、この先に控えております横浜公演・・・「世界で3番目に好きなホールだけど、ステージが横に長いのがね・・・」とジュリーが語ったという神奈川県民ホールでの「勝手にしやがれ」は果たしてどうなる?
参加されるみなさまの、”長距離全力疾走ジュリー”目撃情報を今から楽しみにしております!

24曲目「ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

この曲のジュリーのヴォーカルは、いつ聴いても本当に素晴らしい!声の調子、声掠れ、関係ないですね。
決して男声として「程よい音域」ではないんですよ。僕のような素人が歌うと、最後のサビのリフレインあたりで高音がしんどくなってきます。
でもジュリーにとっては歌いやすいメロディーなのでしょう。1985年リリースの名盤『架空のオペラ』制作では、「相性があるから」と再度大野さんの楽曲を歌うことを望んだジュリー。「ヤマトより愛をこめて」をはじめ、大野さんの作曲作品が「自分の喉に合っていた」感覚がハッキリあったのだと思います。

3度目の参加、体感となる『三年想いよ』ツアー・セットリスト。アンコールは「誰もが知る」大ヒット・ナンバー3連発で正に「アンコール」といった構成ですが、最後の最後はバラードで落とす・・・しかも「ヤマトより愛をこめて」ですから、何か勇気が沸くというのか、最後まで良かった!と感動が増すというのか、しみじみと「素晴らしい曲並びだなぁ」と思えます。

あと、何度も書きますが僕はこの曲のGRACE姉さんのドラムスが大好きなのです(大変遅まきながら、お誕生日おめでとうございます!)。
特に、2番のAメロ部。

別に超絶テクニックを駆使した演奏でもないですし、ジュリーの歌声に自然に身体を委ねて聴いていると、特に目立った音というわけでもありません。
でも、ただただ心地よい。
何故なんでしょうかね・・・。この感覚、僕は人生初のジュリーLIVE参加となった『ジュリー祭り』の時から持っているんです。その時はYOKO君と「ドラマーは女性なんだね」と話したくらい何も知らなかったのですが・・・。
GRACE姉さんはこの曲で最初にドラムスが噛み込むAメロ部、スネアとハイハットの方に身体を向けて、しっかりと打点を見て、口を結んで叩きます。その表情も良いと思うんだなぁ。「歌心」を感じます。
楽曲特化型のドラマーさんなのでしょうね。

エンディング、徐々に音数が減って、最後にピアノが残って、ジュリーの立ち姿が照らされて・・・今セットリストは毎回、充実の余韻をもって終わります。

しみじみ良かった・・・『三年想いよ』神戸公演。
特に今回は、素敵なバルコニー席に恵まれたことにも感謝しなければ。

ジュリーはいつものように、最後に改めて鉄人バンドのメンバーを紹介。丁寧にお辞儀をして、何度も手を振ってくれて、時間を確認する仕草をしながら退場。
柴山さんが、場内の灯りがついてからも手を振ってくれていたのが印象的でした。


演奏について色々と小難しいことも(勘違いも含めて)書いてしまった今回神戸のレポートですが、こうなると一層切望してしまうのが、LIVE音源のリリース。
DVDでなくても良いんです。そりゃあ生で体感するのが一番良い、いやそれがすべてと言って良いのかもしれませんが、これほどのステージが音源記録に残らないというのはねぇ・・・ツアーとの差別化を図るなら、『オリジナル・ライヴ・セレクション』なんてどうかなぁ、とか。

いやいや、この先も可能な限り長く歌いたい、前を向いてLIVEをやっていくんだ、というジュリーにとって、そういうことは頭に無いのかな。よほどのメモリアルイヤーでないとね・・・それは70超えの時?デビュー50周年というのも迫っているけど、どうなのかな?
それでも特別なことはしない、というのがジュリーらしい気もしますけどね。

さて、僕の今ツアー参加は、オーラスの東京国際フォーラムまでお預けです。
まだ1ケ月以上もあるのか・・・。
その間は、いつものようにランダムにジュリー・ナンバーの記事を書きつつ、各地公演のみなさまのご感想を楽しませて頂きたいと思っています。特に気になるのはやはり南相馬公演、そのすぐ後の長崎公演も。
まぁ、結局は全公演が気になるんですけど!


今、暑いのか寒いのかよく分からない気候ではありますが、これからしばらくの間は、秋らしい、涼しげな曲を考察お題に採り上げていくことにしましょうか。
最近は「記事が長過ぎて読めん!」というお話を本当に頻繁に聞くので、なるべくコンパクトに纏めたいと考えてはいますが、どうなりますやら。
引き続き、マイペースで頑張ります!

20140913

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2014年8月 5日 (火)

2014.7.27大宮ソニックシティ 沢田研二『三年想いよ』セットリスト&完全レポ


この記事から、拙ブログではジュリーの『三年想いよ』ツアー・セットリストの豪快なネタバレ・モードに突入しております。

ということで大宮公演レポート、いつものように執筆途中で一旦更新した後、日々加筆してゆく形で、本日8月5日に無事完成いたしました。毎度毎度、長々とおつき合い下さいましてありがとうございました。
更新日は執筆終了の8月5日に移動させて頂きました。
次回からはまた普通にジュリーの様々な年代の楽曲についてランダムに考察記事を書いて参りますが、今後の各会場にご参加のみなさまのご感想コメント、引き続きお待ちしております。9月までジュリーに会えない僕を不憫と思い、各地のジュリーの様子を是非教えてくださいね!

☆    ☆    ☆

さぁ、いよいよ拙ブログでも今回の記事から、2014年ジュリー全国ツアー『三年想いよ』セットリストのネタバレ解禁とさせて頂きますよ~!

大阪フェスティバルホール、京都・宇治公演で、多くの関西のジュリーファンのみなさまが「私の初日」を終えることと思います。当然、この先の各会場にご参加予定のみなさまの中には、まだまだネタバレ我慢を続行中、と仰るファンもいらしゃるでしょう。
今回からここもネタバレ全開モードとなりますので、うっかり目を通してしまわないよう充分お気をつけください。

ネタバレ解禁として執筆するのは、7月27日・『三年想いよ』大宮公演のレポートです。数十年来の音楽仲間の友人にして、ある時期からは「J友」となってしまったYOKO君とともに、無事参加してまいりました~。
いやぁ、この日は気温的にもひっじょ~~に暑かったですが、ジュリーのステージはもっと熱かった!

この日は2人並んで1階の13列目、柴山さん側のブロックという良席。渋谷初日とはうって変わりまして、ジュリーやバンドメンバーの表情、動きなどは肉眼でバッチリ見えました。
今回のツアーは、例年以上にジュリーの「華やかさ」を感じます。衣装の力かもしれないし、ジュリーwith鉄人バンドの気持ちがそう感じさせるのかもしれないし、お客さんの側の気持ちもあるかもしれない・・・とにかく、全国どの会場に行っても終演後には「良かった!」と地元のお客さんが思ってくれるようなステージになっていると思います。

僕は、みなさまにご心配をおかけしていたギックリ腰もすっかり良くなり、おかげさまで全曲スタンディングで楽しむことができました。開演前、閉演後にお会いしたみなさま、ヤワな男の腰の状態にお気遣いの言葉をたくさん頂きまして、ありがとうございました。

さて、毎回YOKO君と参加したLIVEのレポはそうなってしまうのですが・・・今回も、当日まで鋼鉄の意志でセットリストのネタバレを我慢してきたYOKO君の、曲ごとのビビッドな反応をメインに書くことになります。
どうぞよろしくおつき合いくださいませ。

それでは、いつものように演奏順にまいります!


☆    ☆    ☆

1曲目「そのキスが欲しい」

Reallyloveya

イントロS.E.一発で「お~~!」と勇んで立ち上がるYOKO君。ほぼ、初日の僕と反応同じだなぁ・・・。
打ち上げでさかんに「ドーム以来ドーム以来、1曲目からドーム以来!」と興奮してまくし立てていたけど、オマエこれ『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーの大宮で、前から3列目で観てるぞ。
あと、この曲で早速せり出してソロを弾きまくっていた下山さんの黒いストラトを、「遠目の角度によっては茶色みたいにも見える。あれは元の色じゃなくて自分で塗ってるでしょ!」とも言ってました。

ジュリーはちょっと声がかすれ気味ではあったけど、声量自体は渋谷の初っ端よりは出ていたように感じました。会場ごとの設定の違いかもしれませんが。

間奏後の「そのキスが欲しい~♪」の箇所では、初日をも凌ぐ凄まじい歓声が。
このお客さんのテンションがツアー中続けば、そのうちジュリーも何処かの会場で突然ひざまずいてくれる・・・かもしれませんよ!

2曲目「彼女はデリケート

Gsiloveyou

上手側から柴山さん、ジュリー、下山さんがステージ前方で横並びになっての”その場駆け足”揃い踏み。
すっかり腰が良くなった僕も初日のリベンジ!とばかりに動きを合わせますが・・・隣の残念男YOKO君は「えっ?この曲何、何?」と焦りまくっております。
気持ちは分からなくもない。僕も『奇跡元年』の時は一瞬「これは?」と迷ったものです。CDとは鳴りが違うんですよね。CD音源の方はミックス含めてとても凝った音に聴こえるのが、LIVEではまずタテノリ全開のビートが直接ガツン!と迫ってくる感じ。
僕はもうすっかりLIVEヴァージョンに身体が馴染んでいますが、この曲はYOKO君については正真正銘の『ジュリー祭り』以来の生音体感となります。

歌が始まってようやく、「お~!」とビビッドな反応で手拍子参加のYOKO君。「Come On!」からの2・1打ちへの切り替えは、即座にできておりました。

サビ部でのジュリーの両腕・両膝フル回転のキュートな”小動物闊歩”は、どうやらこのツアーで初めて繰り出された新技のようです。で、これは初日にやっていたかどうかは見逃しているんですけど、ジュリーは「She's so delicate♪」と歌った直後にその都度マイクを客席に向けて、ファンの「デリケイ、デリケイ♪」コーラスを煽っているんですね。お客さんはコーラス・パートを歌いながら”拳グルグル”をやれば良いわけです。

それにしてもYOKO君の「デリケイ!」レスポンスは凄かった・・・。メロディー無しのドスの効いた低音シャウトなのです。あわわ、相変わらずよく通る声だなぁ。
彼はカラオケでちあきなおみさんの「喝采」を1オクターブ下のド迫力低音で歌ってしまうほど声が低くて太いんですよね。お姉さま方のキレイなメロ付コーラス斉唱の中で、YOKO君の「デリケイ!」(何故か「デ」がアクセント強め)は、あの大音響の中でも周囲数メートルにはハッキリ聴こえていたと思う・・・お近くのお席のみなさま、申し訳ありません・・・。

3曲目「鼓動

Iikazeyofuke

YOKO君には『ひとりぼっちのバラード』のセットリストは当然伝えていて(彼はお正月コンサートは基本的に不参加)、今回の初日直前に「特にバラードは正月からスライド選曲もあるんじゃないの?」とYOKO君なりに予想をしていました。去年の例もありますからね。
「鼓動」は純然たる”バラード”とは言えませんが(オルタナ系パワー・ポップや、ミクスチャー・ロックの要素が強いと思っています)、正月セトリ音源を作成して最近まで聴いていた、というYOKO君も僕と同様に改めて「鼓動」の”好き度”が上がっていたそうです。イントロから鋭く反応していましたね。

この曲は渋谷よりもこの大宮の方が断然ジュリーのヴォーカルは良かったと思いました。声が前に出てくる感触とか、最後の転調にかかる部分の「お」の母音語尾の艶ですとか。

あと、柴山さんのギター・・・ジャズマスターへのチェンジもこの日はようやく確認。
ソロでは身体を激しくグラインドしながらの熱演です。初日の記憶が曖昧でしたが、ここでは柴山さん、前方へのせり出しは無く、定位置で弾いていました。
やっぱり、ギター・ソロが肉眼でハッキリ見える席は良いですねぇ。嬉しい!

歌い終わったジュリーは
「それではこの辺で・・・!」
と言って袖に向かいサッサと数歩進んだかと思うと笑って立ち止まり、「うそだぴょ~ん!」。
これも今ツアーお約束のジョークのようです。

~MC~

「雨の中、暑い中ですが、この日をずっと楽しみにして来てくださってありがとうございます!」
・・・と、細かい言い回しは違っていたかもしれませんが、初日同様にお客さんへの感謝の言葉が。

「お医者さんに、あんまり疲れることはするな、高い声を出すな、飛んだり跳ねたりするな、腰を振るな(笑)と言われておりますが・・・それらをすべて放棄いたしまして、今日も鉄人バンドと共に、張り切ってまいります~!」

4曲目「a.b.c...i love you

Sinpurunaeienn

これもYOKO君は『ジュリー祭り』以来。
しかも彼としては当時のいわゆる「ポカン曲」だったわけですから特に嬉しかろう!分かるなぁ・・・一方の僕はと言うと「Snow Blind」以外の「ポカン曲」リベンジをもう2009年以降の各ツアーで終えてしまっています(厳密には「花・太陽・雨」と「朝に別れのほほえみを」も含むのかな)。
今は逆に、YOKO君の新鮮な感覚がうらやましくもあり。

ただ、これはたぶんYOKO君も同じ感覚を抱いたかもしれないと思うけど、何故か僕はこの曲の”おいっちに体操”には参加しにくいんですよ(汗)。
頭の中に「1、2、3、4・・・」という表拍の刻みが浮かびにくいんです。どうしても裏ノリの16ビートの感覚でノッてしまうんですよね。それを補うためには、ジュリーのように突き出した腕を丸く回転させるようにして身体でグルーヴを出さないといけないんだけど・・・これが思いのほか難しい!(と言うかなんとなく恥ずかしい)
ということで、腰を入れての横揺れで対応。おかげさまで、ギックリ腰後の身体への影響は皆無です。

最後のアドリヴ・シャウト部(僕は情けないことに気づけなかったのですが、「C.C.RIDER!」とシャウトした箇所があったようですね)では下山さんをガン見しました。
見た目としては定位置で黒子に徹して演奏しているんですが・・・いやぁ、凄まじい16分音符のソロを弾きまくっています。ワンフレーズごとに最後の音をダウン・ピッキングで振り下ろす腕のしなやかさ・・・今ツアーの下山さんは絶好調ですね!
YOKO君曰く
「下山さんは、これまで俺が見てきた中で今年が一番血色が良いと思う!」
だそうですよ。ただ
ソロ弾く時に発するオーラが赤みがかってた
という彼独特の感想は、僕にはよく分からない(笑)。普通の人には見えないものが見えてるのかな。
ちなみにYOKO君はルックスとは真逆で「霊」とかオカルトとかは大の苦手で、極度の怖がり屋です。市川昆監督の横溝映画とか、僕が持ってるDVDのパッケージを彼は正視することすらできません。
そんなキャラだからこそ、下山さんが纏っている神聖な霊気が見えちゃうとか?

5曲目「海にむけて」

Rocknrollmarch

恥ずかしながら初日には気づけなかった、「海に向けて」に込められた(と思う)メッセージ。
やっぱりこの曲は「PRAY FOR EAST JAPAN」というコンセプトで今回採り上げられたんだ、とこの日は思えました。「現在」の解釈を加え、歌詞に入り込んで歌うジュリー。Aメロは「むせび泣いて」いるようなヴォーカルだったと思います。
でも、サビでは何処までもその無心の声が美しく伸びていくようで、今の被災地の現実、世の中の現実に際して、こんな純粋なメッセージをステージから送ることのできる曲・・・ジュリーは本当に、過去にそれができる名曲をたくさんリリースしてきた奇跡の歌手なんだなぁ、と。
自らが生み出してきた「歌」が現在のジュリーの気持ちにそのまま返ってくる、鮮度を増して残されている、というのがね・・・つくづく凄い歌手人生なのですね。

さて、この曲はGRACE姉さんの演奏にも注目したかったんですが、実はジュリーがセンターにいる時には、僕の席からは完全にドラムセットが隠れて見えなかったのでした・・・。
ジュリーはこの曲では、一歩も動かず歌います。ですから僕は、耳だけでドラムスの音に集中しました。4拍目で「カ~ン!」と鳴っているのは、リム・ショットではなさそうだと思いました。おそらく、この曲のためにセッティングしているパーカスがあるんじゃないかなぁ。

6曲目「憎みきれないろくでなし

Omoikirikiza

イントロでギターが「ぎゅ~ん♪」と来ただけで「おお~っ!やってくれるんだ?!」と大興奮のYOKO君。彼はこの曲、『ジュリー祭り』以前から「大好物」と推しまくっていましたしね。

同時期の「勝手にしやがれ」や「サムライ」ももちろんそうなんですけど、「憎みきれないろくでなし」はもう、「ジュリー限定!」の代名詞のような名曲です。その意味では抜きん出ています。
そして、こんな曲を大ヒットさせられるのはジュリーだけ。だってこれ、楽曲としては(特に当時の歌謡曲としては)とびっきりの変化球なんですからね!遊び心も満載で、決して「セールス」を意識した曲作りにはなっていないのです。ジュリーには、周囲にこの曲のシングル・カットを英断させるだけの魅力、実力、カリスマ性が既にあったということですね。

間奏では、ちょうど僕らの席の直線上の位置に柴山さんがせり出してきて、真っ赤に染まり情熱のソロをブチかまします。YOKO君と2人揃って「おお~っ!」と釘付けになり、ソロ部が終わり柴山さんが定位置に戻ってジュリーの歌が始まっても、しばらくはその運指に見とれておりました。
リフ部にしても、単に音階通り、って感じじゃないんですよ。本当に「うねっている」「指が脳と連動している」演奏なんです。もちろん、全っ然フレット見てないし!
横移動が少ないこの曲のリフの場合は、柴山さんの安定した「グー」の拳の形がフレットに重なる見栄えが良くて、「グワシ」に見える下山さんの拳とはまた違ったギタリストならではのカッコ良さがあります。

そうそう、初日渋谷では、柴山さんがステージ前方にせり出してソロを弾き、定位置に戻った時などに、ローディーさんが柴山さんのシールドを整えに入ってくるシーンがとても多かったんですよ。そこに何か問題点を見出したのでしょうか、大宮では柴山さんは一転、ワイアレスのセッティングで臨んでいたようです。
もちろん過去の僕が観ている『ジュリー祭り』以降のツアーでは、柴山さんのギターはシールドの時もあれば、ワイアレスの時もありました(ここ最近はシールド有りでした)。でも、ツアーの途中で切り替える、というのは珍しいパターンなのでは・・・?

ジュリーのヴォーカルは初日と比べると多少のガサガサ感も。しかしそれが良い意味でルーズなブルースっぽい空気を出していて、ブルースマン・YOKO君も大喜び。
何とYOKO君、サビではお姉さま方と一緒にポーズを決め、「グリグリ~」までやってました。演奏が終わると、「素晴らしい!」と言いながら拍手していましたね。

7曲目「追憶」

Julie8

これも当然イントロのギターだけで「おお~っ!」と盛り上がるYOKO君。彼にとって『ジュリー祭り』以来この日久々に生で聴く大ヒット曲が続きます。
しかし、次の瞬間YOKO君は思わず
「ジュリー、大丈夫?」
と。

これ、どういう意味だか分かります?

「憎みきれないろくでなし」「追憶」・・・僕もYOKO君も、このあたりのジュリーの大ヒット曲は、「自分でも歌ったことがある」曲なんですよね。単純にカラオケで歌ったこともあるし、楽器片手に何度も自宅で弾き語ってきている曲なのです。ですから、2曲のその「男声にとってはキツ過ぎる」音階の高さも重々頭に入っているわけで・・・。YOKO君は
「こんなキーの高い曲を続けて歌って大丈夫なの?」
と言ったわけですね。

で、そのYOKO君の言葉で、僕はうかつにもここでようやく思い出したのでした・・・そうだ、Nasia様がブログに「憎みきれないろくでなし」と「追憶」はキーを下げてるかもしれない、と書いてくださっていたんだった!と。
残念ながら前曲「憎みきれないろくでなし」ではすっかりそのこと忘れていたので、キー確認はできませんでした。ならば「追憶」だ、「追憶」はどうなんだ?

結論・・・Nasia様の推察通り、1音下げのニ短調でした(オリジナルはホ短調)。柴山さんの「Dm」(ニ短調のトニック・コード)は5フレットのフォームでしたね。
(ちなみにキーを下げているかどうか、はもう1曲確認していています。アンコールでの「ス・ト・リ・ッ・パ・-」については、移調は無く原曲キーで演奏されていました)

例えば『ジュリー祭り』での「追憶」はオリジナル・キーのホ短調(ギターの音色設定も、『ジュリー祭り』では前曲「あなたへの愛」との繋がりの関係でしょうか・・・柔らかな空間系エフェクトが加えられており、ハードな設定の今ツアーの音とは異なります)
で、柴山さんは7フレットのフォームで「Em」を鳴らしていますが、「Em」って、どんなに高い位置のフォームでも、6弦(一番低い音が出る弦)だけは開放音を使うことができます。6弦の開放は、ベースレスの鉄人バンド・スタイルでは特に意識して演奏されるものと考えられます。
しかし今回はキーがニ短調。トニックの「Dm」或いは転調後のトニック「D」を5フレットで押さえる時、柴山さんは5弦までをセーハし、6弦はミュートさせているでしょうね。柴山さんの指の長さだと、たぶんひとさし指の第1関節より上の「指の腹」を使うことになるのかな。
結果今回の「追憶」では、フォーム移動の際にひとさし指で低音弦をすべらせる、という動きが自然に生まれたのではないでしょうか。閉演後にぴょんた様が「追憶で、ぎゅ~ん!ってやってた~(ハート)」と萌えていらしたスライド奏法(ボトルネックを使うスライドではなく、低音弦を指で高い音から低い音へスライドさせるパターン。「涙色の空」の”ちゅくぎゅ~ん”が代表例)が正にそれ。とっても細かいことなんですけどね。

演奏が終わるとYOKO君は
「い~~や~~、ロックだな~~追憶!」
と言っていました。以前よりギター・サウンド色が強くなった、という意味にとってOK?

イントロでGRACE姉さんのタムに注意していましたが、ジュリーに隠れて演奏するお姿はまったく見えず。
音を聴いた感じでは、スネアとミドルのタムを同時に鳴らしてるのかな?
フロアタムではないように感じましたが、自信は無いなぁ。これは9月の神戸でさらにリベンジ!

ジュリーの歌はもちろん素晴らしかったです。
こんなに素晴らしい歌が聴けるなら、絶対音感の無い僕としては、どんどんキーを下げてでも70年代、80年代の高音メロディーの名曲の数々をこの先歌って欲しいところなのですが・・・。

ちなみに、「大宮が私の初日!」というJ先輩、J友さんが後でお2人揃って「追憶で鳩が見えた!」とはしゃいでおられました。その時の僕の「初日から見えてましたよ~」というひとことは今考えればかなり無粋だったと思います・・・。
どうもすみませんでした!

8曲目「そっとくちづけを

Ikitetarasiawase

今ツアーでYOKO君が「初めて生で聴く」曲は、「鼓動」とこの「そっとくちづけを」2曲だけにとどまりました。
毎年「ひょっとしたら自分の知らない曲が来るのではないか」と怯えていたYOKO君、「今回は全曲バッチリ分かった」とのことで、彼なりのジュリーファンとしてのキャリアの積み重ねを実感できたという意味で、「最高!」のセットリストだったと語っていました。

やはりこの曲のヴォーカルは凄いです。渋谷でも凄いと思いましたが、「海に向けて」と同じように、今ツアーで歌う回数を重ねるごとにジュリーのヴォーカルが凄くなっていく曲かもしれません。
ジュリーの全国ツアー・セットリストには、新曲以外にもそういうバラード・ナンバーが必ず何曲かありますよね。特に『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーからは・・・。あの年は、「約束の地」がそんな感じでした。

それはもちろん、鉄人バンドの演奏も同様。
2番から淡々とアルペジオを奏でてバックアップする下山さん。その2番の直前、究極にシンプルであるが故に身を切るような音で静寂を破るGRACE姉さんのフィル、さらには、自らの全力コーラス直後のエンディングで優しく囁くように奏でられる泰輝さんのフレーズ。
そして何と言ってもこの曲は柴山さんです。1番のアルペジオは2番以降の下山さんのバッキング・アルペジオよりも太い音色設定で、そのまま間奏のスライド・ギター・ソロへと移行します。怖いほどの入魂ビフラート・・・その後はボトルネックを装着したまま、下山さんのパートとは別の重厚なアルペジオが挿入される箇所もあります。


こうした鉄人バンドの素晴らしい演奏があっての、ジュリーのヴォーカルです。
ジュリーは単に「凄いヴォーカリスト」というだけではありませんよね。歌詞に、そして演奏にシンクロする能力が桁外れの、「歌」の申し子なのだと思います。

「何度でも生まれ変わるんだ」
「君を忘れない、僕の命だから」

胸に直接突き刺さってくるようなジュリーの歌を聴いていると、どうしてもこの先の東北ツアーの各会場でこの曲が歌われる様子を想像してしまいます。
盛岡公演に参加される先輩のために申し込んだチケットがとても良い席で、本当に良かったなぁ・・・。

9曲目「我が窮状」

Rocknrollmarch_2

この曲はさすがのYOKO君ももう何度か聴いています。歌われるだろう、と予想はしていたみたい。

ジュリーのヴォーカルも泰輝さんのピアノも鉄人バンドのコーラスも、変わらず素晴らしかった・・・ただ、会場の雰囲気ということで言えば、やっぱり初日の渋谷は特別だったと今でも思います。あの自然発生的な熱烈な拍手は、ずっと心に残っていますね。
この日はいつもの「我が窮状」のように1番の後のピアノ・コード伴奏時に拍手があり、コーダ部前のピアノ・ソロ部は静かな中で進行しました。渋谷では、そこでも熱い大きな拍手がありましたからね。あれは震えました。

これから先の各会場ではどうでしょう。
極端なことを言えば、この曲をお客さんが普通に素晴らしいバラードの名曲として自然に聴ける、楽しめる・・・それだけの状況の方が良いわけですよ。それはきっとジュリーにとっても。
初日の熱烈な拍手が、満員のお客さん達のどういう思いを反映したものであるか、を考えるとね・・・感動すればするほど、複雑な気持ちも沸いてきます。
でも僕は今年、ツアーが終わったらこの曲の記事を書こうと決めた・・・ならば自分が参加する会場で歌われたそれぞれの「我が窮状」を、その時々の世情も合わせて胸に刻んでいかなければ。
それだけでも、今年のツアーはひと味違うんだぞ!と気合を入れて臨んでいます。

今年も、祈りの8月がやってきました。
「我が窮状」「届かない花々」・・・”忘れちゃいけない”日は、2011年3月11日だけではありません。
ジュリーが「3・11」を歌う新譜をリリースし、そのツアーを毎年続けることで、僕らはまだまだ他にも祈りの日があることを、改めて思い出すことができるのです。

10曲目「届かない花々

Croquemadame

YOKO君にとって数度目の体感となる曲が続きますが・・・打ち上げで彼が最も熱く感想を語っていたのがこの「届かない花々」だったんです。
「これまで聴いたことのないような、トーキングに近いニュアンスのヴォーカルにシビれた!」と。
おそらくAメロの、16分音符のメロディーが続く箇所のことじゃないかな。僕も「いつもより言葉を畳みかけるように歌ってるなぁ」と感じましたからね。

セットリストに採り上げられる率が高いことで分かるように、ジュリーはこの曲を相当な思いを込めてリリースし、その思いを今も持ち続けているのでしょう。
ジュリーの平和への思いは、当然ながら全世界各地各国に向けられているわけです。「日本だけの平和」を考えていたら、ジュリーのような作詞、メッセージは生まれてきません。
渋谷初日が終わってすぐに、ウクライナやガザのいたたましいニュースがありました。この日のジュリーは渋谷とは違ってMCで社会的な話は一切しなかったけれど、「我が窮状」「届かない花々」・・・歌で熱いメッセージを伝えてくれた、と思えます。

「眠る神々よ、手をつないでみて」
ジュリーのメッセージに合わせ、何度もジュリーと「手を繋ぐ」お客さん。「魂」を感じるシーンですね。

そしてこの曲もまた、鉄人バンドの演奏が素晴らしいですからねぇ・・・。
ちょっと楽器かじってロッカー気取りのド素人
(←自分)がCD音源をパッと聴きで、「あぁ、あのパターンね!」と思い込んでしまっていた演奏にこそ、生で観るとプロフェッショナルの凄味があり、自分の甘い認識を恥じ入るばかり・・・鉄人バンドには、これまでジュリーのLIVEで何度もそんな体験をさせてもらっています。

~MC~

「次は新曲を歌います」
に、大きな拍手が起こります。
「今年もまた、鉄人バンドのメンバーがそれぞれ曲を作り、私がそれに詞を載せて新曲を作りました。すべての被災地に、祈りを込めて歌います」

11曲目「東京五輪ありがとう

Sannenomoiyo

イントロが始まると、「えっ?おっ、おおっ!」と一瞬戸惑いながらもすぐに盛り上がるYOKO君。
僕の初日とまったく同じ反応(笑)。演奏順を知らない状態でジュリーに「新曲を歌います」と言われたら、そりゃあまず「三年想いよ」のイントロを脳内再生しながら待ち構えることになるわけですからね。

さて、この日は開演前にYOKO君が自力で起こしてきた「東京五輪ありがとう」「一握り人の罪」2曲のコード進行を、僕が考察記事を書いた際の採譜と照らし合わせてLIVE前に疑問点を纏めておく、という打ち合わせをしておりました。
何故新曲の中でこの2曲かと言うと、まず「三年想いよ」は採譜自体は簡単なんです。転調もあるけど、「よくある」パターンなので2人共に疑問点は無し。「櫻舗道」については、YOKO君は鍵盤をやらないので、ギターの音が鳴っていないと採譜ができないということで断念したそうです。

で、「東京五輪ありがとう」。
「イントロは、”サージェント・ペッパーズ”(ビートルズ)のヴァリエーションだよね」
と。
「C7→E」という短いイントロを配したのがこの曲の肝だよなぁ、という考えで一致。

反して激論となったのが、Aメロ「東日本の復興には」と歌った直後のコード進行。
以前執筆した考察記事を読んで頂ければお分かりのように、僕はその部分のコード表記を避けています。一応採譜はしましたが、自信が無かったのです(汗)。
そこでは、「じゃ~ん、じゃ~ん、じゃっ!」と、4分音符で3つの和音が鳴っています。最初の2つが突き放し、最後の1つがカッティング→ミュートのスタッカート。僕は、その3つがそれぞれ違う和音だと思いました。
一番考え易いのは「E→E7→F」。ただ、2和音目を「E7」とするにはあまりにハッキリした鳴りなので、何か分数コードを使っているのではないか、とか。
ところがYOKO君は
「少なくともギターについては、1和音目と2和音目はまったく同じ音を弾いてるんじゃないか」
と主張。つまり「E→E→F」だ、と。
僕は「いやいや、だってそこは「ド→シ」とか「ミ→レ」とか単音の音階移動が載るでしょ。ギターだって何かしらのフォームチェンジはあるよ!」と突っぱね、子供同士のような言い合いになりました(笑)。

そんなことがあったものですから、イントロと同時に2人とも首が完全に上手側に向いてしまって。
実はこの日、前半のステージでは「今日はジュリーは下手側への出張が多いな~」と思って見ていました。
下山さんの立ち位置を越えて、下手側へはステージギリギリのところまで進出するのに、なかなかこっち(上手側)には大きく踏み出してやってきてくれない・・・。
まぁこれ幸いというわけではありませんが、そのぶん僕らはここまで柴山さんの勇姿をじっくりと見て楽しんでいた、とも言えます。YOKO君も言っていたけど、柴山さんとは何度か目が合ったりしてました(閉演後、2階席後方でご参加だったしょあ様から「どぉりで、今日はなかなか白い橋がかからないと思った~!」との苦情が笑)。

ところが、「東京五輪ありがとう」が始まると・・・柴山さんガン見の最中に、ススス、という感じで左の視界からジュリーが現れ、柴山さんを隠してしまうシーンが。
何故この曲でのそんなジュリーの姿が強烈に印象に残っているかというと、僕は最初にジュリーが柴山さんの前に陣どった瞬間に、「あれっ、ジュリー上着脱いでる!」と気づいたからです。
「いつ脱いだ?」と記憶を辿って・・・「届かない花々」を歌うジュリーがいつものように胸をトントン、と拳で叩いたシーンを思い出すと、その時ジュリーはまだ上着を着ていたように思うのですよ(確かな自信はありませんが)。
ということは、「新曲やります」のMC時に脱いだのかなぁ。「東京五輪ありがとう」のイントロで脱ぐ、というのはかなりの早業が求められますから、歌い出しがギリギリになっちゃう気がする・・・。

それはさておき、ジュリーが柴山さんを隠してしまうシーンは、後半のステージで急に目立ち始めまして・・・まぁ単に上手側への進出度が高くなってきた、ということに過ぎないのでしょうが、やっぱりジュリーファンの身としては「おおっ、久々の”俺のカズを見るな”攻撃を食らっているのかな?」と嬉しくなったり。
しかし「東京五輪ありがとう」での僕とYOKO君はそれぞれ、「自分の採譜の方が正しい!」という気持ちで必死に柴山さんの手元をチェックするものですから、ジュリーの「カズを見るな!」の心の声をなかなか聞きわけないという(汗)。

結論は・・・YOKO君が正しかった!
問題の箇所で柴山さんの弾いたコードは「E→E→F」でした。「E」は4フレット・セーハのCフォームで、それを2度突き放しで弾き、そのまま5フレットにすべらせて「F」がスタッカートです。

YOKO君には閉演後に「仰る通りでございます!」とひれ伏しておきました。
やっぱりギター単体の音とりについては、彼の方が僕より一枚上のようですね・・・。そのYOKO君、間奏で目の前にせり出してきてソロを弾きまくっている柴山さんに向かって「イエ~!」と声を上げておりました。

GRACE姉さんの”鬼姫ロール”が激しく炸裂したのは1箇所。CDだと細かいロールがもう2箇所ほどあるのですが、その再現までは無かったように聴こえました。
ロールはタムではなくスネアだった・・・かな?

12曲目「一握り人の罪

Sannenomoiyo_2

この曲の転調部のアコギのコードをYOKO君が執念で書き起こしてきてくれた(ちゃんと紙に清書してきてました。どれだけ気合入ってるんだという話)ので、開演前に確認させてもらいました。
「一握り人の罪」は泰輝さんのオルガン・ソロの音色はもちろんのこと、転調それ自体が美しい曲なんですけど、僕はと言えば、考察記事執筆の際に「うわ、こりゃ手強い!」と転調部の採譜への取り組みを早々にあきらめてしまっていて・・・いざYOKO君の書き起こした進行を見せてもらって、目からウロコ。
本当に「王道」のツー・ファイヴの転調が、幾重にも繰り返されて徐々に下降していく仕組みなのですね。

ちなみにYOKO君は、数年前まではコード採譜も基本的なことしかできなかったんです。ただ、ここ数年でジャズ・ギターの理論書を読んだりして懸命に勉強して、いつの間にかギター・コードの採譜に関してはかなりのレベルに達したみたい。
「昔とった杵柄」に頼りきって進歩していない僕と、現在進行形で勉強しているYOKO君の実力が逆転したのは当然のこと。例えば、ピー先生のアップテンポ・ナンバーでのヴォーカルが以前より格段に上手くなっているのも、積み重ねた日々が実を結んでいるわけで・・・やっぱり努力を続けることが大事ですね。改めて見倣わなければ。

この日もジュリーの「一握りの罪」は渾身も渾身、入魂も入魂の凄まじいヴォーカル。
最後のサビで「原発に狂った未来」の歌詞が一瞬出てこず早口になったりしたけれど、初日のMCにあった通り、「歌詞を見ながらうつむいて歌う」ことなど絶対しないジュリーです。「私くらいになると、お客さんの方が正しく聴いてくれる」なんてことも言っていましたが、僕らからしますと「そう聴かせてくれるのがジュリーだよ」という思いですよね・・・。

アコギは基本、柴山さんがハイコードで下山さんがローコード。柴山さんは下山さんが出していない音階も網羅し、細かく弾きます。対して下山さんは大きなモーションでのストロークで、リズムキープの役割を一手に担っています(この曲は、最後の最後にしかドラムスが登場しませんからね)。
僕が渋谷で見て気になっていた、下山さんが突然高い位置に移動して押さえたコードは、どうやら変ホ長調への転調着地直前に登場する「B♭」を6フレットのローで弾いていたようです。下山さん、「B♭」を6フレットで弾くことが結構多いように思います。

13曲目「櫻舗道

Sannenomoiyo_3

イントロの直前に、一瞬ストリングス系のシンセサイザーの音が鳴って少しびっくりしました。
泰輝さんが「ごめん」みたいなゼスチャーをしたようにも見えましたが、声が聞こえたわけではないので確かなことは言えません。
設定変更の際に音が出ちゃったのかなぁ。

YOKO君は、ここ2年のツアーでのMCをよく聞いていなかったのか・・・『3月8日の雲』以降の3・11をテーマとした楽曲を、「詞先」だとばかり思いこんでいたようです。
開演前、「鉄人バンド、よくああいう詞にあんなキレイな曲をつけるよな~」と言うので、「いや、曲先だよ」と言ったらひどく驚いていました。
「そうか~。もし詞先で、作曲が大野さんだったらさ・・・」と、「想い出をつくるために愛するのではない」のメロディーで「櫻舗道」を歌ってみたり
(←コラコラコラ)

「誇大でない現実」を歌うためのジュリーの作詞。確かに、詞を先に見せられたらどんな作曲家だって暗いメロディーを頭に浮かべてしまうかもしれません。かといって、職業作曲家がいくら素晴らしい曲を先に作っても、ジュリーがそこに思いのままの、「自分が歌いたいこと」をあまりに赤裸々に歌詞として載せるにも躊躇いが生じるでしょう。
その意味で2012年以降のジュリーの新譜は、ジュリーと鉄人バンドの関係でしか生み出せなかった作品だと言えるのではないでしょうか。

この日も涙まじりに歌われた「櫻舗道」。
初日のような歌詞のアクシデントも無く、美しいメロディーを、少し語尾を途切れさせるような感じで切々と、ただひたすらに歌うジュリー。
どうしてこんなに、美しくて悲しいんだろう。この歌を聴いて何も感じない人なんているんだろうか。

奈良公演の素晴らしいレポートを書いてくださったとも様キングスさんが、文中でこの曲を熱烈に推してくれていたのが、とても嬉しかったです。「櫻舗道」は、若い新しい男性ファンの心にも確実に響いているんだなぁ、それこそがジュリーの力なんだ、歌なんだなぁ、と。

ふと見ると、ステージの照明がひらひらとジュリーの身体に降り注ぐような感じになっていて、胸を揺さぶられました。まるでジュリーが、今歌っている風景の中に実際に立っているみたいで・・・。
でもみなさまのお話によるとこの照明、2階席から見た方が本当に凄くて圧倒されるくらいなんですって。渋谷では気づけなかったなぁ。

初日は歌詞のアクシデントでチェックし忘れていた、「非常線の生まれ故郷」の部分のCD音源の幻想的なコーラスは、LIVEでは再現されていませんでした。
個人的に大好きなアレンジなので残念でしたが、そのぶんジュリーの歌に集中できる、ということかな。

下山さんのソロは空色のストラト。この日はCDとは違うフレーズを弾いていたようでしたね。

14曲目「三年想いよ

Sannenomoiyo_4

初日に続いて、僕としてはこの日もやはりセットリストの中で一番心に突き刺さった曲です。
とにかくエンディング・・・どうしても泣いてしまう。

柴山さんのリード・ギター・ソロの長い後奏。普通の歌手なら、また普通の曲なら、歌メロの出番が終わり、ヴォーカリストは静かに宙を見つめて佇んでいればよい・・・しかしジュリーは、「三年想いよ」という曲は、そうではないのです。
歌メロがすべて終わると、ジュリーは左手に持っていたマイクをそっとポケットにしまい込み、「鬼迫」の表情で、スローモーションでの疾走を始めます。
最初の転調部でジュリーが何故、「無力な木偶の坊」と歌う時に自分の胸に掌を当てさし示したのか・・・その答が、エンディングの疾走にすべて表現されているようにこの日は感じられました。「あなたと代われなかったこと」を反芻しているようにも感じました。
初日は双眼鏡でジュリーだけを見ていて気づけませんでしたが、この時の照明は、ジュリーただ一人を照らしているんですね。暗いステージに、疾走するジュリーの姿だけが浮かびあがるのです。

この苦しみから逃れたい。
でも、忘れるわけにはいかない。
何故自分は残されたのか。
何故代われなかったのか。

三年後の今、生かされている人の疾走。

そして、完全な闇の中で奏でられる鉄人バンドの演奏もまた・・・ジュリーと同じスローモーションの疾走のようではないですか。
特に、この曲での柴山さんのスロー・ハンドのリード・ギターは本当に凄い。ハッキリと「思い」があるのです。
しょあ様も書いていらっしゃいましたが、エンディングでソロを弾く柴山さんの姿は闇に隠れ、客席からはまったく見えません。その音だけが、疾走するジュリーとリンクします。

よく「泣きのギター」という言葉を耳にしますよね?
でも僕は、今ツアーの「三年想いよ」の柴山さんのソロを生で聴いて、初めてその言葉の真の意味、真の演奏というものが分かったような気がしています。
スロー・ハンドですから、柴山さんは「三年想いよ」ではひと塊のフレーズごとに音を長く伸ばします。しかし柴山さん、この曲では「鳴りっぱなし」で次フレーズに繋げられるほどまでには、サスティンを深く設定していません(鳴った音を永遠に伸ばす設定のサスティンは、後の「危険なふたり」で楽しむことができます)。

必然生じるのが、入魂のフィードバックですよ!

泣いている、叫んでいる、苦しんでいる、もがいている、走っている・・・。
柴山さんのフィードバックが何度も何度も「声を上げる」たび、ジュリーの疾走とその鬼気迫る表情に、どうしようもなく涙が溢れてきます。

CDではフェイド・アウトとなっているこの曲、鉄人バンドは座りの良い8小節の後に「ジャ~ン!」と終わらせるのではなく、2小節(だったと思う)をつけ加えて演奏を終えます。
ジュリーの疾走表現に合わせた、魂のアレンジだと思います。初日にも書きましたが、これこそ『三年想いよ』ツアー・タイトルにふさわしい、素晴らしい圧巻のLIVEヴァージョンです!

ちなみに柴山さんのディレイ・アルペジオが登場するのは、「いもうと おとうと」と歌われるヴァースから。CDとは異なるアレンジ(ある程度曲が進行してから遅れて噛んでくる)ですが、LIVEではこちらのタイミングの方が良いなぁ、と思いました。
あと・・・ぴょんた様が「この曲は鉄人バンドのコーラスも凄かった」と仰っていました。僕は2回も観ているのに、まだそこまでの気づきに至っていません。
次参加の神戸でリベンジ!
(9月は遠いな~)

15曲目「F.A.P.P

38

「一握り人の罪」からこの「F.
A.P.P」までの4曲の流れ。今ツアー・セットリストの大きなヤマ場です。
ツアー参加2会場目の今回改めて聴くと、この先の東北各地での公演・・・特にこの曲では、10月8日の南相馬公演のことを思います。

地元の方々が、どんなふうにこれらの曲を受け止めるのだろう、という心配もやはりあります。ジュリーのヴォーカルを実際に聴いて「歌や思いは必ず届く」という確信は持てたけど、やっぱりそれでも被災者の方々の心が痛む、というのは避けられないのかなぁ、と。
「F.
A.P.P」については、リリース当時に色々と考えさせられたこともありましたから・・・。

また、現地へ向かうジュリーと鉄人バンドも、精神的にももちろんですが、移動だけでも相当大変そうです。
南相馬公演って、開演時間が凄く遅いですよね。
3年と数ヶ月前なら、当日都心から南相馬に向かうとすれば、常磐線を使って電車で北上していけば良かったわけです。ところが今は、それはできません。路線が途中で不通になっているからです。何故そんなことになっているかは、みなさまご存知の通りです。
ですからあの開演時間にせざるを得ないのですね。

ただ、目の前で「バイバイ原発」と歌うジュリーに思うのは、ひたすらに清々しいその志。
何度も書きますが、「HAPPINESS LAND」の「HA」は高い「ラ」の音。66歳の男性が何の気なしに出せる高さの音ではありません。その音を出すために、ジュリーは顔を歪ませ、必死に高みに突き抜けようとします。
才能だけでは、経験だけではいかんともし難い・・・「出そう」という必死の心なくしては出せない高音。
これこそがジュリーの気持ちなのです。

初日の記憶は曖昧ですが、大宮では「三年想いよ」と「F.
A.P.P」の2曲は文字通り「間髪入れず」という感じでした。セットリストすべての流れの中で、この2曲が一番「曲間」が短かったんじゃないかな。

16曲目「
世紀の片恋

Kitarubeki

いや~、世間は生腹生腹と大変な騒ぎです。
僕の周囲のJ先輩、J友さんも閉演後はそりゃあ大変な騒ぎで。まず「生腹」を称え萌え合うところからこの日のLIVEの振り返りが始まるという(笑)。
で、僕にしろYOKO君にしろ、それがどの曲の話かすらサッパリ分からないわけです。これはジュリーファンとして恥ずべきことなんでしょうか・・・。

ということでジュリーの大宮生腹祭りはこの曲、「世紀の片恋」ということらしいです。

僕ら男2人はそれぞれ全然違うところを見ておりまして、僕はまずGRACE姉さんのカウベルですね~。あとイントロで柴山さんがカッ飛んでくるシーンとか。
そして何と言っても下山さんのソロ・・・見ましたよ見ましたよ、ボトルネックを左のポケットにササッと落としてから指弾きに切り替えて定位置に戻っていく瞬間を。
・・・って、最後定位置に戻りました・・・よね?
と言うのも、YOKO君曰く
「下山さんがステージ中央でソロ弾きまくって終わった曲があった。最後の〆の一音と決めのポーズがめちゃくちゃはまっててイカしてた。その姿が今も脳裏に焼き付いてる。あれは世紀の片恋だよな?」
と。
え~、この曲、下山さん最後までセンターに残ってたっけなぁ。僕、結構ガン見してたから・・・それは違うと思うけどなぁ。でも、他の曲でそんなシーンがあったっけ?

下山さんのソロは、初日には左手をネックの上からあてがってワイルドに弾く箇所もあったのですが、大宮はセクシーなネチネチ・ヴァージョンでしたね。どちらも下山さんらしい演奏です。

渋谷ではギックリ腰のため断念し、この日も4曲目の「a.b.c...i love you」でジュリーのリズムについていけなかった僕は、この大宮での「世紀の片恋」が、今ツアー初の”おいっちに体操”参加です。久々のこの動きがいきなり結構な長丁場のこの曲だったので、最後はちょっと疲れました(汗)。
YOKO君はここ数年のツアー同様、”おいっちに体操”ではなくボクサースタイルでの参加でしたね。

後でYOKO君は「この曲のアレンジって、ストーンズじゃなくてドクター・ジョンとかじゃないの?」と言ってました。むむ・・・僕はそのあたり、不勉強な分野だなぁ・・・。

17曲目「危険なふたり

Royal

本当に開演直前(着席の後)、YOKO君は突然「最近「危険なふたり」のベースをコピーした」と言い始めまして。
ギターの方は何度かLIVE映像を見ながらコピーしたことがあるらしくって、「危険なふたり」のあの代名詞的なギター・リフについて、「柴山さん、ひょっとしてチョーキングじゃなくてスライドじゃね?」と。
以前、「時の過ぎゆくままに」のギターで「堯之さんはチョーキング、柴山さんはスライド」という箇所があって、それは僕も確認していますし、確かプレプレツアーの頃にブログに書いたこともあったと思います。
でも「いや、危険なふたりはさすがにチョーキングでしょ!」と思った僕は、もう少しで「今日やるから見とき!」と言いそうになるのを耐え、適当に話を合わせていたのでした。

イントロが始まると「お、やるのか!」と盛り上がり、「チョーキングだね」と耳打ちしてくるYOKO君。
彼はこの曲、ジュリワン以来となりますね。

ジュリーの”年上のひと・物色ヴァージョン”も久々のように思います。「美しすぎる~♪」で見せるジュリーのウンザリ顔に、前方席の”物色された”お姉さま方は逆に大盛り上がり・・・のように見えましたが。
僕はこうした”みなさまご存知の大ヒット曲”にちょっとおフザけモード(照れ隠し?)を入れてくるジュリーが大好物なんですけど、せっかく柴山さんがワイアレスにチェンジしたのなら、2005年『greenboy』ツアーで見せてくれた”ジュリーのステージ下手側出張に柴山さんがついて回るヴァージョン”を是非生で観てみたいなぁ。

18曲目「ダーリング

Konndohakareina

これもYOKO君の大好物ヒット曲。『秋の大運動会~涙色の空』には不参加(2択でジュリワンの方に参加)だった彼にとっては、これまた『ジュリー祭り』以来となる曲です。
歌い出し前の唾つけは張り切ってマネしたものの、1回目の「ダ~リン♪チャチャチャチャ!」や「ダ~~~~リン♪」の拳突き上げに全くついて行けず慌てまくるYOKO君。2番からはちゃんとやってましたが。

いや~改めて、不朽の昭和歌謡曲、金字塔のナンバーですよ、これは。

先日、はるか様のブログを拝見しまして、「よくぞ書いてくれました!」と思いました。
『ロックジェットVol.57』の新連載、ジュリー・アルバム・レビューは・・・せっかくここまで佐藤睦さんが書いてくださってきたジュリー評が台無しになるくらい酷い内容だったんですけど、その根底にあるのはね、あまりに安易な「ロック>歌謡曲」という、ジュリーを語る上では最も危険な定義じゃないか、と僕は思っているわけです。
そりゃあ天下の『ロックジェット』が「ロックなジュリー」を推すというスタンスをとるのは当然ですけど、「歌謡曲時代だから」と決めてかかって70年代のアルバム群を軽んじていると、後からとんでもない恥をかくことになりますよ、ロッカー・ジュリーの本質を見逃しますよ、ジュリーが「ロック」の頂点を極めたのは今現在であることも理解できなくなりますよ、と。
それは僕自身が後追いのジュリーファンとして通ってきた道ですからね・・・よく分かるんです。分かるんですけど、ジュリーにとって盟友以上の存在である加瀬邦彦さんを加藤和彦さんと混同するような状態のまま、商業誌上でジュリーのアルバムを語ってはいけません。
このままでは、『ロックジェット』が掲げる「ジュリー=ロック」なる旗印は、単なるファッション標榜に終わりますよ、と。次号、全力で巻き返して頂きたい!
次号では、佐藤睦さんの『三年想いよ』ツアー・レポートにも期待しています。

すみません・・・なんだか熱くなってしまいましたが、今ツアーは「ダーリング」をはじめ、日本が誇る昭和の歌謡曲黄金時代にトップ中のトップであったジュリー・ナンバーが多くセットリスト入りしているからこそ、今のタイミングでの『ロックジェット』の連載には、是非ともその時期のジュリーについてのロック誌ならではの切り口を頑張って欲しいのです・・・。

この日もジュリーは初日同様ハンドマイクで、腹太鼓のアクションも無く正調・ダーリングのヴァージョンでした。「危険なふたり」や「勝手にしやがれ」ではあれだけ遊んだのに・・・曲によってその辺りの気分も違うんでしょうかね。

19曲目「ポラロイドGIRL」

Karehanemurenai

これはYOKO君にとって『ジュリー祭り』以来のナンバーの中でも特にダイブ曲に違いないとは思っていました。
予想は当たり、案の定僕はイントロでボコボコと殴られ、その勢いでYOKO君は「フラッ~シュ!」のシャウトにも張り切って参加(でも後で、「あそこは”フラシッュ”で合ってるんだよな?」と不安げに尋ねられましたが笑)。

ところが・・・その後が残念すぎるYOKO君。
まず「Woooh Woh♪」のお客さん揃っての掌ヒラヒラで「えっ?」と。
後で聞いたら、PVのロボットみたいなジュリーの動きの方が印象が強くて「このフリは何?」と戸惑ってしまったんだとか・・・。
さらに「ダーリン、ダーリン♪」の2・1手拍子への切り替え、続く再度の掌ヒラヒラ、演奏部では”おいっちに体操”と一糸乱れぬ会場のノリにYOKO君はただ圧倒されまくります。
打ち上げではひと言
「ポラロイドGIRLって・・・忙しいんだねぇ・・・」
と、ショゲかえっておりました。
まぁ僕も『奇跡元年』の頃は似たようなもんだったからね。この曲についてはこれから何度もリベンジの機会はあるよ、きっと!

「世紀の片恋」の項で書きました、YOKO君の言っていた「下山さんがセンターで弾きまくって終わった曲」というのは、この「ポラロイドGIRL」のことで間違いないようです。と言っても僕はそのシーンをハッキリ覚えていないんですけどね・・・(泣)。
例のサイド・ギターの見せ場で下山さんが左右からジュリーと柴山さんに指さされたのは観てるんですが。あの瞬間、会場が「キャ~ッ!」って凄かったですものね。
「おお~、下山さんオイシイなぁ!」とその時は思いましたが、今考えますと、ジュリーや柴山さんの指差しポーズに萌える方々も多いってことなのか~。

20曲目「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!

Samosutatto

これはYOKO君、常々「何度でも味わいつくしたい」と言うほどのダイブ曲です。
さすがに『3月8日の雲~カガヤケイノチ』の時ほど豪快な反応(あの時はイントロで「これは大好きだ~!」と絶叫してた)ではありませんでしたが、ノッケから完全にシャドー・ボクサーとなってノリノリの様子。
開演前に「夏らしい曲が聴きたい」ということで「サーモスタットな夏」「太陽のひとりごと」を切望ダイブ曲として挙げていたYOKO君ですが、おそらくこの「マンジャーレ!カンターレ!アモーレ!」も彼にとっては「夏」真っ盛りな曲だったはず。

この曲でも、柴山さんからのリレーでキレッキレのソロを弾きまくる下山さん(この曲で下山さんはCDとは違うフレーズを弾くんですけど、毎回ビートルズの「ゲット・バック」のヴァリエーションのようなフレーズが登場。そのあたりもYOKO君にとってはツボなのです)にYOKO君は今回いたく感動したのだとか。
後で言うには
「俺、夏の下山さんって初めて観るんだけど(彼はこれまで、全国ツアーの真夏参加経験はジュリワンのみ。大宮公演ってここ数年はツアー後半の秋でしたし、ジュリワン
の時は下山さん、いなかったからねぇ・・・)、下山さんって1年の中で夏が一番体調良いんじゃないの?」
と。
言われてみれば、そんな気もするなぁ。

さて、この曲は1番のサビ直前「自慢の君がいる~♪」の箇所でお客さんが一斉に「自慢のジュリー」を逆指差しするシーンが恒例なんですが、この日はジュリーがそこで2番の歌詞「女神の君がいる~♪」と歌ってしまい、お客さんが「あれぇ~?」みたいな雰囲気になって、それでも揃って指差ししているのが面白かったです。
こういう時ジュリーは、2番で1番の歌詞を歌って帳尻を合わせることが多いので、心得たお姉さま方は2番でも待ち構えていらした様子でしたが、結局ジュリーは2番は正しく歌い、「自慢の君がいる」という僕個人も大好きな歌詞部はこの大宮ではお預けとなりました。

この曲はコーラスとってる時のGRACE姉さんの表情も良いですねぇ・・・ニコニコしながらも次の瞬間にはほっぺた膨らませて、気合のスティック振り下ろしです。

21曲目「いくつかの場面

Ikutuka

ジュリーのヴォーカルという点に絞れば、この「いくつかの場面」が今回の大宮公演のクライマックス、一番の聴きどころだったんじゃないかなぁ。
ここまで20曲をほぼブッ続けで歌ってきて、そこで更にこんなに素晴らしい声で歌えるなんてね・・・。
まぁジュリーは元々、歌っていくうちにどんどん声が良くなってくるタイプではあるんですが、それにしても凄い。この曲はキー確認し忘れた(ひたすら歌に聴き入ってしまった)のですが、原曲通りのキーだとすれば、最高音は「F.
A.P.P」と同じですから。
あと、ここへ来て見た目も開演直後よりスマートと言うのか、ジュリーの身体の切れが増してきている感覚が、じっと定位置で歌われるこのバラードでも分かるというのが・・・不思議なことですね。

初日もそうでしたが、今ツアーの「いくつかの場面」に慟哭のニュアンスはあまり感じません。
淡々と「歌人生」を振り返っているようでもあり、でも決して無感情ではなくて、むしろ気持ちがほとばしっているように聴こえます。それがまたジュリーの特別さを物語っているようでもあり。

最後に両腕で自分を抱きしめるシーンには、「歌」へのいくつしみのような気持ちを感じてしまいます。「歌」=ジュリーの人生とするならば、自らの人生そのものを抱きしめているジュリー、でしょうか。
『Pleasure Pleasure』ツアーでは、両腕で頭を抱きかかえながらそのまま寝たふり→次曲「時の過ぎゆくままに」のイントロでハッと目を覚ます、なんてゼスチャーもあったっけなぁ、と思い出しながら観ていました。

あと、この日の「いくつかの場面」では、「三年想いよ」と同じくらいに柴山さんのフィードバックが効いていました。下山さんとハモっているから、余計にロングトーンの箇所での「キュイ~ン♪」という音が目立つのです。
お正月の『ひとりぼっちのバラード』の時は間奏、エンディングともギタリスト2人が前方にせり出してのソロでしたが、今回のツアーではどうやら定位置での演奏ということで統一しているようですね。

熱烈な拍手に送られ、ここでジュリーと鉄人バンドは一旦退場します。
「何曲やった?」とYOKO君が聞くので「21曲だよ」と言うと、「うわ~、あっという間だなぁ!」と。
本当にそうですよね。信じられないくらいに、素敵な時間は早く過ぎてゆきます。

~MC~

アンコールの拍手を受け、服飾センスの無い僕が珍しく「カッコイイ!」と積極的に思った今ツアー2着目のイエローのスーツに着替えてジュリーが再登場。
「この衣装カッコイイよな!?」
とYOKO君に同意を求めますと、「いや、そりゃもちろんだけど、衣装っつ~よりジュリーがカッコ良ぇ!」とこちらも珍しく乙女モード全開のようです。

そのカッコ良いジュリーがこの日どんなMCを聞かせてくれたかというと・・・。
抱腹絶倒、楽しい楽しい「おじいちゃんジュリー、ドキドキ結婚式出席ドキュメント」でございました。
いやぁそれにしても長かった~!なんか、大宮って毎回MC長めじゃないですか?

登場して最初に「みなさんお疲れでございましょう・・・だって、座ってたじゃない!」と、着席状態でアンコールの拍手を送っていた「どうせまた出てくるだろう」的なノリのお客さんをチクリと皮肉り、その後少しだけしんみりした話もありましたが・・・そこから先は「先日結婚式に出席しまして・・・」と、おめでたいお話が30分くらいずっと続いたという。
こういう、脱線せずにひとつの話題を延々と語ってくれるMCパターンは、最近では珍しい?

結婚された「お嬢ちゃん」(byジュリー)というのは、森本千絵さん。
ジュリーは最後まで個人名は出しませんでしたけど、「『Cocolo Nooto』という作品でデザインをしてくれて・・・」と話してくれた通り、ジュリーファンにとってはお馴染みの、ジュリーの元マネージャー・森本さんの娘さんとしても有名なかたですね。
と言うか、「ジュリーが千絵さんの結婚式で乾杯の音頭をとったらしい」という話は、大宮公演直前にジュリーファンの間で情報が広まっていました。でもまさか、直後の公演のMCがその話オンリーになるとは、想像もしていませんでしたが・・・いやぁ、本当に得をしたと思いますよ、大宮!

千絵さんは、お父さんと一緒に今ツアーの初日・渋谷公演にいらしていたそうで、「2階の後ろの方で」観ていらしたとのことですから、ひょっとしたら僕は席も近かったのかもしれません。
閉演後に楽屋を訪ねてこられて、そこで乾杯の音頭を正式に依頼されたのだそうです。
「ホンマに、僕でエエの?」と言うと、千絵さんは「お父さんの(結婚式の)時も(乾杯の音頭を)やって頂いたので、私も是非」とのことで、「そぅお?」と引き受けていざ行ってみたら、「業界の凄い人がたくさん集まっていてビックリした」そうです。

後で聞くところによりますと、結婚式の会場は椿山荘だったそうですね。
僕個人的には、通っていた大学から徒歩で行ける場所だったこともあり、椿山荘近辺には馴染みがあります。あの静かな景色の中を
「来賓の中には、「アナタが今日の新郎ですか?」みたいな派手な服装の男性もたくさんいましたが、ワタシは普通にダブルの黒いスーツに、夏モノの白ネクタイでした」
という格好のジュリーが嬉しそうに歩いていたのか~、と想像するとなんだか萌えてきます。

あまりにも豪華な登場人物、それぞれのモノマネも繰り出しつつジュリーが語ってくれた楽しい楽しい結婚式ドキュメントMCの内容については、既に様々なブログさんが書いてくださっていますから、参加されなかったみなさまもすっかりご存知でしょう。
遅れて書く僕は、個人的に印象に残った話をいくつかここに記すにとどめることにいたします。

何と言っても印象に残ったのは、山田洋次監督のお話ですね。
新郎さんが、山田監督の仕事関係のかたなのだそうです。ジュリーとは一緒のテーブルだったとのことで・・・ジュリーは真っ先に監督に挨拶に。

「お久しぶりです!沢田です!と挨拶したら、「ん?お?あ?」みたいなことになってる。(山田監督は)ワタシよりもずっとおじいちゃんですから。そしたら倍賞・・・倍賞・・・あれ?(下の名前が出てこないジュリー。すぐ後ろのお姉さま方が「二人いらしゃるからね~」とお話しているのが聞こえました)・・・千恵子さん!倍賞千恵子さんが、「監督!分かってる?聞こえてる?」と助け舟を出してくださって・・・監督は「最初は分からなかった」。倍賞さんも「お髭だからね~」と」

で、式は山田監督の主賓挨拶からスタート。監督はおもむろにマイクを持って、「20年前・・・」と話し始めますが、マイクが入っていない状態で。

「ワタシのテーブルは前の方だったから、声は聞こえちゃってるんですけどね」
とジュリー。

どうやら用意されたマイクというのが、入力スイッチがあるタイプだったようで、ジュリー曰く
「安いマイクですよ~」
と。
まぁ、一般的にはそれが普通のマイクなんですけどね。僕はたまたま自分でも趣味でレコーディングなどやるので知っているのですが、今はそんなタイプのマイクは(業界では)基本的に使用しないんですよ。音質も性能も良い、ハウらないマイクを使うのが当たり前で、ON・OFFのスイッチなんてものは無いんです。
式に集まった面々はそれこそ業界の大物ばかりですから、スイッチのあるマイクに慣れていなかったのでは。

監督は2度目の「20年前・・・」もOFFで語り始めてしまい、「おっかし~なぁ」といった感じで「トントン!」とスイッチ入力を確認し、3度目の正直の時には
「え~、あれは確か20年前・・・」
と、ちょっとだけ枕をつけていたんだとか(笑)。

そんなこんなで長々と入れ替わり立ち代わりで祝辞は続き、いよいよ乾杯の音頭でジュリーの出番!
そしたら、ジュリーもOFFマイクの状態で1度しゃべり始めてしまったのだそうです。
その切り抜け方が、さすがは百戦錬磨のジュリーですよ~。仕切り直しの第1声で

「誰かスイッチ入れとけっちゅうねん!ねぇ監督?」

と言ったら、会場大ウケだったんですって。
いやぁ、ジュリーファンならばそのシーン、まざまざと目に浮かぶようですね~。

さて、錚々たる登場人物との絡みで次に印象に残ったのが、「ゆず」のお2人のお話。
これまた同じテーブルだったそうで。
「アイツらカワイイねぇ!」と絶賛していました。

ジュリー曰く
「この業界は、何故年上年下、先輩後輩、というのを気にするんかなぁ。挨拶は年下の方から、後輩の方から行かないかん、という空気がある。(自分としては)そんなん気にせんと、こっちからどんどん行ったれや、と。こっちから行って、相手を恐縮させとけばエエんですよ」
とのことで、「2曲作ってくれた」松任谷由実さんにも自分から挨拶に行ったそうで(旦那さんの正隆さんは初対面だったそうですが)、ゆずも行ったろ!と思っていたら
「アイツらは向こうから来よった」
と。

「”ゆず”というのをやっております」
と言うので、心ですかさず
「知っとるがな~!」
と思ったそうで
「雨のち~、ハレルヤ~♪」
と、大宮MCで歌ってくれたんですよ!これは貴重!

で、実際の挨拶の場では歌わなかったそうなんですけど、それは何故かというと
「あの歌、歌おうとすると時々「晴れのち~♪」と歌い出してしまう。そうすると「晴れのち~、また晴れ~♪」みたいなことになってしまいますから、その場では歌いませんでした」
とのことです。
でも、「ゆず」のことは、彼等が横浜でストリートやってた頃から知っていた、と。

千絵さんについては
「お父さんの結婚式で乾杯やった時には、まだ生まれてなかったわけですからねぇ」
と、感慨深げでした。
「まだ小さい頃に、一緒に写真撮ったりしてね。(千絵さんは)ワケも分からず怪我してるふうな格好させられて、ワタシはインテリヤクザみたいなふうでね・・・」
と、2着目の衣装のパナマ帽を目深にかぶり直して、当時の写真のポーズを再現。
話は繋がって
「(自分は)昔は写真集なんて出してたんですよ!あの頃は(と自らの身体を指し示し)見せるところだらけだったんです。今はもう、見せるところはひとつも無くなってしまいましたが・・・」
と、ふんぞり返って体格を誇示しての自虐ネタも飛び出し、大宮のお客さんは大爆笑。

結婚式の〆は、何と千絵さんのリクエストで、お父さんの森本元マネージャーが「勝手にしやがれ」を熱唱することに。
イイですねぇ。娘が嫁ぐ日に父が歌う曲が「勝手にしやがれ」ですよ!洒落てるなぁ。

ジュリー曰く「当時のワタシのヒット曲は、別れの歌ばっかりで(笑)、結婚式にふさわしい曲は「君をのせて」くらいなものですが・・・」とのことでしたけどね。
お父さんは、まだ間奏が続いているのに2番を歌い始めてしまって
「そうやって間違うとね、みんながワタシの方を見るわけですよ。「沢田さん、ちょっとだけでも(歌を)お願いします!」と言ってくる人もいましたが、「この曲はワンマンショーやから!」と」

こうして・・・楽しそうに、嬉しそうに延々と語ってくれたジュリー。千絵さんの結婚がジュリーは心の底から嬉しかったみたい・・・関東圏の公演なのに、いつの間にやらMCが関西弁全開となっていったのが、ジュリーの喜びの証ではないでしょうか。
大宮のお客さん全員が、千絵さん、新郎さん、結婚式に出席されたジュリー達の幸せな気持ちのおすそ分けを賜ったような、とても温かなMCでした。

この愉快なドキュメントMC、登場人物が業界の有名人オンパレードということもあって・・・大宮の様子を知った先輩が、こんなことを仰っていました。
「70年代から80年代にかけて・・・ジュリーは毎年レコード大賞に出て、紅白にも出て、年が明けてのお正月コンサートでは、そんなテレビ番組の舞台裏を、それこそ有名な歌手のみなさん豪華キャストのドキュメント風にMCで語ってくれていた・・・大宮のMCの話を聞いて、その頃のことを思い出した」
と。
なるほど・・・いやぁ改めて、今回の大宮公演は歌ももちろんのこと、MCも素晴らしかったんだなぁ、参加できて幸せだったんだなぁ、と感じました。

いつしゃべり終わるんだろう、というくらい長く楽しいMCでしたが、素敵な時間はここでも早く過ぎゆきます。
頃合を見て入場する鉄人バンド・・・ジュリーはいつものように一人ずつメンバーを紹介すると、ふっ、と姿勢を正しギアを入れ替えて

「それでは、オマケです~!」

~アンコール~

22曲目「ス・ト・リ・ッ・パ・-

Stripper

この曲をアンコールの1曲目に配するのは、『3月8日の雲~カガヤケイノチ』ツアーと同じ構成。
あの年、僕とYOKO君は前から3列目の神席。MCが終わりかけて鉄人バンドが入ってきた時、YOKO君は柴山さんを見て「あっ、ギター変わった」とつぶやいていました。確か、本割はずっとSGで通していたんですっけ?
今回は、全セットリストで柴山さんはここで4曲目のジャズマスターでのスタンバイ。「ス・ト・リ・ッ・パ・-」のイントロが始まると「やっぱりね!」と納得顔のYOKO君です。

しかし、いったん「歌」モードを長いMCで途切れさせ、再度スイッチを切り替えての1曲目が「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でヴォーカル全開というのは凄い。初日はさすがにサビで声がひっくり返っていましたけど、この日はそんなこともなく、ゴキゲンな「ス・ト・リ・ッ・パ・-」でした。
先述しましたが、この曲についてはキーは原曲通りでした。確かにこれまでとちょっと違った感触には聴こえる気はするんですよね。なんだろう・・・下山さんが、より低音を強調するセッティングにしているのかな。それともジュリーの歌い方が何処か変化したのか・・・。

オリジナル音源には登場しない泰輝さんのオルガンも、僕は鉄人バンド・スタイルでもうすっかり馴染んでいるのでしょうか、チェックする間もなく曲が終わってしまった・・・「ス・ト・リ・ッ・パ・-」って、意外と演奏時間は短いですよねぇ。

「おまえのすべてを見たい♪」のキメ部の柴山さん、カッコ良かった!
「D」がローコード、「Bm」が2フレットのハイです。普通のことを涼しい顔でやっているだけのに、何故こんなにカッコ良いのかな。たぶん、運指が忙しい箇所も、普通にコード弾きの箇所も同じように「指が勝手に動く」ほどの状態で演奏しているからでしょうね。ヘッドに近いところで演奏すると、そのぶん動きが大きくなるのでしょう。

23曲目「勝手にしやがれ

Omoikirikiza

MCでタイトルの挙がった大ヒット曲の降臨に「おっ!」と反応するYOKO君。彼もこの曲と次の大トリ「ヤマトより愛をこめて」の2曲は僕らと同様に昨年の『Pray』ツアーから連続して聴くことになったわけですが、さすが1年1度の参加に集中しているだけあって、「またか」みたいな感覚はまったく無かったのだそうです。
それが本来、全国ツアーの醍醐味なんですよね。
YOKO君や、年に一度地元にジュリーが来てくれることを楽しみに待っていらしゃる地方のジュリーファンのみなさまと比べると、僕はやっぱり贅沢をしています。かと言って、もはや年に一度の参加で我慢できる身体には戻れなくなっちゃってるんですけど(汗)。

しかし、「またか」なんて僕らが思うのも、ツアー最初の参加会場でのほんの一瞬ではあるわけで・・・やっぱり「勝手にしやがれ」って、大名曲なんですよね。リリースされた年から何十年も経った今、こうして本物のジュリーが生で歌う、全力で歌う、バンドで歌うのを体感できている、というのが本当に凄いこと。
それは初めてのジュリーLIVE・・・あの東京ドームでこの曲を歌うジュリーを観た時から、ずっと持ち続けている感覚です。

この日は後半、かなりのおふざけヴァージョンの壁塗りが見られました。ワイパーのようになったり、パントマイムをやってるようになったり。
ほとんどのお客さんが悠々とジュリーに追従する中、僕とYOKO君は照れて参加できず。まだまだ未熟者です!

余談になりますが(と言うか、この項書いてて突然思い出しました)、この日ジュリーがMCで自らの楽曲のタイトルを口にしたのは、「勝手にしやがれ」以外では「君をのせて」(これはMCの項で書きましたけど)、あと「静かなまぼろし」「ウインクでさよなら」(この2曲は松任谷由実さんのお話をしてくれた時)、そしてもう1曲が・・・何と、「I am I」!
千絵さんの結婚式で、仲畑貴志さんも同じテーブルにいらしたそうで、「ブルーバードのCMの曲を作詞してくださって」と言ってくれたんですよ。

うぅ・・・「I am I」、聴きたい!
ジュリーがタイトル言った瞬間、みなさんそう思ったでしょ?今のジュリーの声で、あの歌詞、あの曲を生で聴けたらどれほど・・・。ジュリー、いつか歌って~!

24曲目「ヤマトより愛をこめて

Konndohakareina

この日は、ちょうど家を出た直後に雲行きが怪しくなってきまして・・・埼玉には雷雨注意報も出てたらしいです。大宮駅でYOKO君と待ち合わせた頃にちょうどドシャ降りになりまして。まぁ、お茶しながら「東京五輪ありがとう」のギターについて激論してたら、いつの間にか収まってたんですけどね。現地に向かうまでは「大丈夫かなぁ」なんて思ってました。

で・・・ふと思い起こしたのが、昨年の『Pray』ツアー高槻公演のことですよ。
もちろん僕は参加していませんが、停電状態でジュリーと鉄人バンドがアンコールで披露してくれたという、完全アンプラグド・ヴァージョンの「ヤマトより愛をこめて」を聴けた高槻のお客さんがうらやましくてうらやましくて。
「この空模様だとひょっとして今日、可能性あるか?」なんて、不謹慎に楽しみにしてしまったり。
でも、後になって思えば停電なんてことにならずに良かったです(←当たり前だ)。
本当に蒸し暑い1日でしたからね・・・。

「ヤマトより愛をこめて」・・・素晴らしい曲ですね。
多くのかたが仰っているように、今年の全国ツアー大トリにふさわしいナンバーだと思います。
各地公演のお客さんでこの曲を知らない人はほぼいないでしょうし、「ス・ト・リ・ッ・パ・-」「勝手にしやがれ」に続いてバラードで〆る、という構成、歌詞にも「護る」(阿久さんの表記は「守る」ですが)という、近年のジュリーが大切にしているフレーズが登場し、同じフレーズを擁するセットリスト中の他の曲とも気持ちがリンクしやすいのです。もちろんそれは歌っているジュリー自身もそうなんだと思います。
なおかつ、最後の最後に額に皺寄せて考えさせられる、という重い余韻は残さない・・・ただ、ジュリーの歌に洗われるという、これが「誰もが知る大ヒット曲」の強みでもあるのでしょう。

どんな時代でも聴く人の心を揺さぶり、ヒット曲特有の懐かしさと、目の前でジュリーが歌うことで生まれるタイムリーな新鮮さがLIVEの清清しいフィナーレをお客さんに感じさせてくれる、不朽の大名曲です。

☆    ☆    ☆

凄く良いLIVEでした。
ジュリーのヴォーカルや鉄人バンドの演奏ももちろんですが、何か「ウキウキ感」をステージから感じたのは、やっぱりMCの印象が強いからなのかなぁ。

YOKO君は年に1度のジュリーLIVE、しかもセットリストを知らずにマッサラな状態で臨んでいるだけに、その都度の「あっ、ここがポイント!」という気づきが毎回鋭いんですが、今回彼が「イチオシ」したいのは、下山さんのテンション、貢献度だったと言います。

実は、ついさっき受け取ったYOKO君からのメールで僕は恥ずかしながら初めて知ったんですけど・・・下山さん、今回の「危険なふたり」では、オリジナル音源のベース・パートをほぼ完コピしたようなギターを弾いていたんですって。
とすれば、これは是非とも自分の目、耳でもチェックしておかなければならない下山さんの進化です。だって、少なくともジュリワンで出演した『Songs』での「危険なふたり」の時には絶対そんなフレーズは弾いてないもの(ベースの島さんにグイグイ絡まれて恥ずかしそうにしてた絵をよく覚えています)。

僕が自然にジュリーのLIVEを見ていてどうしても目がいくのはまずジュリー、そして「危険なふたり」の場合はやっぱりリード・ギターの柴山さんをジュリーの次に注目してしまいます。
その影で、縁の下で、黒子に徹しているところで進化し、自らも楽しみ、大きくサウンド、アレンジに貢献するプロフェッショナル。それはまた、曲によっては柴山さんであったり、泰輝さんであったり、GRACE姉さんであったりするのでしょう。

ジュリーwith鉄人バンド・・・本当にいいバンドだ!

素晴らしいLIVEの後、打ち上げをご一緒してくださったみなさま・・・また、開演前、閉演後にお声がけくださったみなさま、ありがとうございました。お久しぶりのかたもたくさん、そして「はじめまして」のかたもいらっしゃいました。YOKO君と連れ立って歩いていると正体が分かりやすいようで(汗)、今回は多くの方々からお声がけを頂いての「はじめまして」がありました。
本当に嬉しい限りです。

僕はこの後、『三年想いよ』ツアー参加は遠征の神戸公演までお預けです。
しばらくLIVEの間が空いてしまいますが、各地公演のみなさまのご感想などを伺うことで、なんとか乗り切りたいと思います。
神戸では、とりあえず「危険なふたり」の下山さんのギターに注目だ~!考えてみればこの曲で下山さんの演奏を追いかけたことは今まで無かったなぁ。
楽しみです!

最後になりましたが・・・このレポートを書き終えたちょうどその日の『東京新聞』に、目をひかれる記事があったのでここに添付させて頂きます。
「東北復興日記」と題して、被災地の現状を様々な形で伝えてくれている連載の第102回は、南相馬市にスポットがあてられていました。


20140805_2

『のらとも農園』のみなさんは、「私たちはいつまで被災者なのか?」という辛い思いを持ちつつも、「殻を脱がなければ」と前を向いていらっしゃいますが

「実際現場に来ていただいて、自分の目で見て心で感じていただきたい」
「南相馬市の今を知っていただきたい」

「この思いをどうすれば伝えられるでしょうか?私たちにはそのすべが分かりません」
と結んでいらっしゃる・・・また
「復興も、もう終わったこととして捉えられている。日本中の人たちに忘れられている感じがします」
とのお言葉には、本当に胸が痛みます。

僕も逆にお伝えしたい。
沢田研二さんが10月8日に行きます。みなさんのことを「忘れないために」作った歌を歌いに行きます、と。

こんなところに書いて・・・伝わるでしょうか。
いや、僕などが書かなくても大丈夫・・・秋には南相馬のみなさんの間で「あのジュリーのコンサートがあるんだって!」と町の噂になっているはず。

そう想像すると・・・
うん、やっぱり最高のセットリストだ!

☆    ☆    ☆

それでは、神戸公演までには時間もありますし、次回更新からは再び自由お題にて、通常の楽曲考察記事をボチボチ書いていこうと思います。
まだまだ、まだまだ記事にしていないジュリー・ナンバーはたくさんあるのです。このブログで僕は、もう300曲以上書いてるんですよ・・・それでも先は全然見えてこないのです。
何と幸せなことでしょうか。

各地での台風や大雨の被害が心配される日々・・・こちら関東では先週末から凄まじい暑さで、今日など最低気温が29度という事態になっております。
みなさま、体調を崩さないようご自愛くださいませ。

20140727

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2014年6月19日 (木)

2014.6.13渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール『瞳みのる&二十二世紀バンド エンタテイメント2014 歌うぞ!叩くぞ!奏でるぞ!』セットリスト&完全レポ

はじめに。
この記事はネタバレ全開です!
これから先、ツアー各会場へご参加予定で、参加当日までセットリストなどのネタバレはしたくない、とお考えのみなさまは、うっかり目を通してしまわないようお気をつけください。

また、そんなみなさまにひとつアドバイスもございます。
会場では、パンフレット(1,500円)の販売がありますが、その中にピー先生自らによる演奏曲目解説が掲載されています(全曲ではありませんが)。僕はたまたまLIVEが終わってから読んだのですが、開演前にパンフを読むと、セットリストの半分以上ネタバレをしてしまいます。こちらもお気をつけくださいませ。

それでは、ネタバレ我慢中のみなさまとは、ここでいったんお別れです。グッと堪えてブラウザを閉じてください。
無事ツアーご参加の暁には、是非またいらしてくださいね!

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註:執筆途中で一旦upし、その後少しずつ加筆してまいりましたが、本日6月19日、無事に完全レポートとして完成させることができました(更新日付を、記事完成の本日に移動させて頂きました)。何とか週末の京都公演の前に書き終えられて良かった・・・。
細切れの更新に長々とおつき合い下さったみなさま、ありがとうございました。そして、京都以降のツアー各会場にご参加のみなさまのご来訪、ピーと二十二世紀バンドのその後の進化の様子、各公演のご感想のコメントなど、首を長くしてお待ちしております!

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いやぁ、予想以上に楽しいライヴでした。
二十二世紀バンド・・・若いメンバーですが素晴らしいバンドです。完璧に息が合ってます。出来立てホヤホヤのバンドをツアー初日にここまでの状態に持ってくるには、相当の稽古量が積み重ねられているはずです。ブラボー!
若いメンバーに囲まれたピー先生も絶好調です。御本人によれば「まだまだ梅雨の季節ですが、ひと足早くキンチョーの夏です」とのことでしたが・・・いやいやメチャクチャ元気でした。

さて、畏れ多いことにこの初日、僕はオフィス二十二世紀さんより何と最前列のお席を頂きました。
とは言っても下手側の端でしたから角度があり、ステージ全体を見る、ということは叶わない位置でしたが・・・まぁ、そんなことを言うのは贅沢ですけどね。
開演前には、ピーファン、タイガースファンの先輩方がお声をかけてくださいました。ありがとうございます!

入場すると、早速パンフレットを購入して着席。
さくらホールは、ピーファンの先輩から事前に伺っていた通り、渋谷公会堂をひと回り小さくした感じの会場でした。ちょうど僕の目の前やや左にスピーカーがあり、演奏開始後しばらくは左耳だけにベース音が飛び込んでくるような偏った感覚もありましたが、次第に慣れました。
奥行きは勾配がかなり急傾斜な感じ。ただ、前から10列くらいまではフラットでしたから、最前列の僕は立つわけにはいかないな、と腹を決めました。ジュリーLIVE以上に女性率が高く、身長の低いお客さんも近くに多く見かけたのです。

ステージの見え方として残念だったのは、ピーの顔が完全にシンバル(タムの前の低い位置にセッティングされてるやつ)に覆い隠され、ドラムセットに着いている時には、その表情が全く見えなかったこと・・・。
でも、右腕と右足は細かい動きまでバッチリ見えました。
右腕の振り下ろしは豪快で、「ピー先生、あんなに腕が逞しかったっけ?」と思いました。積み重ねた稽古で、ドラマー復帰直後と比べて筋肉がついたのかもしれません。
右足は、演奏で言いますとキック担当です。バスンバスンと踏み込むモーションは大きく、ピーが上半身だけでなく足の動きについても「身体が小さいので、大きなアクションを心がけた」と語っていたタイガース時代のスタイルを今も継続しているんだなぁ、と感じさせました。

僕などは、還暦を越えて今も元気に走り回っているジュリーのステージをいつも見ていますから、ピーの溌剌としたステージもふとそれが当然のように思えてしまいがちですが、よく考えればこれは普通ではあり得ない奇跡的なことなんですよね。
しかもピーの場合は、40年ものブランクがあり、なおかつバンドの中で最も体力勝負となるドラマーというポジションで、進化し続けている・・・ピーは「ステージで倒れたら本望」なんて冗談めかして言っているくらいですけど、本当にそのくらいの気持ちで立ち向かわなければできないことなんじゃないか、と思います。サラッと凄いことをやってのけているのです。

そして、素晴らしいのは二十二世紀バンドも同じです。想像以上に素敵なバンドでした。
まずフロントマンのピーへのリスペクトがあり、その上でどのように演奏すべきか、ということを本当に時間をかけて打ち合わせ、練り込んでツアーを迎えているんだなぁと実感できました。
具体的にどういう点でそれを感じたか・・・それはレポ本編で追々触れていきますが、ここではまず、初日のステージから受けた二十二世紀バンド各メンバーの印象を書いておきますね。

22centuryband


↑ パンフレット表紙より

JEFFさん(ベース、ヴォーカル)・・・立ち位置は下手側センター寄り。もう、ハッキリとバンマス!若いメンバーを束ねる、頼り甲斐のある兄貴、といった感じです。
ヴァイオリン・ベースをピックで弾くスタイル。そう、ポール・マッカートニーやサリーと同じです。特にブリティッシュ・ビート系が得意とお見受けしました。
何より、復活後のピーとサリーの”ザ・タイガースのリズム隊”を身近に観ている人ですから、サリーのベースに最大のリスペクトを持って臨んでいることが大きいですよね。
ピー先生からの信頼も厚いようで、MCでは時にピーとの楽しげなやりとりもあります。

NELOさん(ギター、ヴォーカル)・・・上手側センター寄り。小柄ですが立ち姿には安定感があり、バンド・アンサンブルのバランサーを担う職人タイプのリード・ギタリストです。
僕の席からは角度があって、フレット使いなど細かい点は確認できませんでしたが、バリバリ、ゴリゴリ系のカッコイイ音を出してくれます。キュートにしてパンキッシュ、という個性も感じます。

なおこさん(キーボード、ヴォーカル)・・・上手端からセンターを向くセッティング。
残念ながらキーボード演奏の細かい動きはまったく見えませんでしたが、とにかく歌が上手い!
後世に歌い継がれるべき名曲をキチンと歌う「歌のお姉さん」という感じです。”誰もが知るジュリーの大ヒット曲”をセットリストに採り上げるにあたっては、なおこさんの存在が不可欠だったのでは、と思います。
MCでは、お茶目な一面も見せてくれます。

Ichirohさん(ドラムス、パーカッション、ヴォーカル)・・・下手端から心持ちセンター向きのセッティングで、完璧なドラムス・サポートを魅せてくれる達人です。
静かに闘志、情熱を燃やすタイプであると同時に、ピー先生への気遣いは並々ならぬものがあります。ピーのドラムスが少し走ったりつまずいたりすると、すぐにピーの手元を確認し、ピーが一番気持ち良いテンポで演奏できるように、そっとペースを上げたり、JEFFさんとピーの演奏の間をとりもったりします。
位置的にはちょうど僕の席の正面でしたから、バンドメンバーの中で一番細かいところまで観ることができたのもIchirohさんでした。
ちなみにIchirohさん、かなりのイケメンです!

ALICEさん(キーボード、パーカッション、ヴォーカル)・・・センターのピーのドラムスの前、やや上手寄り。
メンバーの中では最も若いとのことで、ルックスはいかにもいまどきの可愛い女の子、といった感じですが、元気な中に大人びた落ち着きも感じました。しっかりとバンドとお客さんの呼吸を計り、確かな音感、リズム感で機転をきかせてくれます。
常に「今ステージで起きていること」に心を配り、笑顔を絶やさず、お客さんの手拍子をリードするなど二十二世紀バンドの雰囲気作りを一手に担っています。
若い個性のまま自然にピーの世界に溶けこんでいるのが素晴らしいと思います。

といったところで・・・。
さぁそれでは、記念すべき瞳みのる&二十二世紀バンドの初ステージの様子を、演奏曲順にレポートしていきましょう。
開演です!


~オープニング~

”瞳みのる&二十二世紀バンド”初ステージは、数分間に及ぶピーのドラム・ソロからスタート!
ノッケからいきなりの”鬼神ロール””左右シンバル鬼連打””X攻撃”など、ザ・タイガースというトップ・アイドル・グループにあって”魅せるドラマー”を宿命づけられていたピーが編み出した数々の必殺技を、惜しげもなく繰り出すオープニングとなりました。

パッと場内が暗くなってからピーのドラムスが聴こえるまで、そう時間はかかっていないと思います。
最前列だったのに、メンバー入場の気配もハッキリとは感じませんでした。僕の方が少し緊張していたのかな。

ピンスポットを浴び熱演するピー。
この時点では周囲のバンドメンバーはまだその姿を客席から観ることはできません。完全なるドラマー・ピーの、挨拶代わりのソロ・タイムです。
この日満員のさくらホールを埋めつくしたすべてのお客さんが、「あぁ、これから始まるLIVEはこの人が主役なんだな」と分かる・・・そんな導入部、渾身のドラム・ソロでしたね。

1曲目「ロック・アラウンド・ザ・クロック」

Peelive1

刺激的なドラム・ソロから引き続いて、まずは「ロックンロールのルーツ」とピー先生から後のMCでも紹介のあった、基本中の基本となるスタンダード・ナンバーが本編1曲目を飾ります。
激しいリズムと共にステージ全体に照明が当たり、いよいよ二十二世紀バンド、見参!

ピーが新聞記事で語っていた「僕にしかできないことを」・・・その言葉とも併せ、「瞳みのるの音楽的歴史探求」というテーマが、今回のツアー・コンセプトには盛り込まれているようです。
ここから始まる本編セットリストは、表現者であると共に研究者でもあるピーらしい構成。
「ロックンロールからポップス、民謡、唱歌」・・・その”普遍なる大衆音楽”を一緒に楽しみながら勉強していきましょう、という2時間に及ぶピー先生のスペシャル・レクチャーが、いよいよ幕を開けました!

(ちなみにピーは「ドラマー」としてだけでなく、「先生」としても2014年4月に復帰を果たしていたようです。凄いバイタリティーですね・・・。詳しくは、パンフ記載のプロフィールをチェック!)

ピーのリード・ヴォーカルは太く、気合がほとばしっています。そしてドラムスも絶好調。「これは稽古充分だ!」と思わせる演奏で、観ていて本当に嬉しくなります。
「歌いながら叩く」状況に多少のハンデを感じさせた2012年のタローとのジョイント・コンサート(中野サンプラザホール)と比べ、何という進歩でしょうか!

2曲目「ルーキー・ルーキー

Soundsincolosseum

2011~12年のジュリーのツアー(ピー、サリー、タローがゲストで参加)、そして2013年のザ・タイガース再結成時・・・ピーのヴォーカル担当曲として多くのピーファンのみなさま同様に僕も期待していたナンバー。
2014年、ようやく聴けた!
それがファン共通の思いでしょう。しかも、予想に反してドラム叩き語りのスタイル。素晴らしい!
この日全体を通して感じたことは、声量、音程共にピーはバラードよりもロックンロールやポップスの方が安定していたなぁ、と。ヴォーカルもドラムスもとても良かった・・・歌につられてリズムが走るようなシーンも無かったですしね。

タイガース・ヴァージョンではサリーが歌うあの印象的なコーラス・パートは、Ichirohさんが担当。JEFFさんの指差しを受けつつ、陽気なコーラス・パートを歌いながらスティックをクルクル回してくれます。

この後、短いMCが入りました。
最初の2曲の紹介などしてくれたんですが、ひっきりなしのお客さんの嬌声が凄かったです。
「ルーキー・ルーキー」については
「タイガースの頃よく歌ってたんですけど、すっかり忘れていて、今回はまた1から覚えたという感じ」
だそうです。いやいや、完璧でしたよ!
それにしてもこの曲、タイガース時代にピーが「ドラム叩きながら歌う」ことってあったんですか?

3曲目「ツイスト・アンド・シャウト」

Peelive2

演奏は完全なビートルズ・ヴァージョン。加えて6人体制の二十二世紀バンドならでは、のコーラスの楽しさを押し出したメンバー全員が歌って攻めてくる感じのアレンジとなっています。
そういえば、この曲はザ・タイガース再結成のセットリストとして最後まで候補に挙がっていながら、ドタン場で演奏が見送られたのでしたね。

JEFFさんのヴォーカルが、ジョンのドスとポールの高音を合わせたような独特のブリティッシュ系です。僕はとても好みの声ですね~。
ヴォーカルやベース、ファッションのスタイルから想像すると、たぶんJEFFさんはモッズ・サウンドが好きなんじゃないかな。普段ベスパとか乗ってそうな感じ!
NELOさんのリード・ギターも素晴らしかったです。もちろんピーのドラムスもね!

4曲目「朝日のあたる家」

Peelive3

代わってリード・ヴォーカルはNELOさん。ハスキーで甘い声です。ハードな短調で、歌詞もとても暗い内容のトラディショナル・フォークなんですけど、タローとスーパースターの遠山さんによく似たNELOさんの声質が、曲想にピタリと合って
います。
この日NELOさんがメイン・ヴォーカルを務めた2曲(もう1曲は「僕のマリー」)は共に、その声質を生かす短調のナンバーでした。

アレンジは当然アニマルズのヴァージョンです。タイガースも当時よく歌われていたんでしたっけ?

5曲目「あの素晴しい愛をもう一度」

Peelive4

これは意外な選曲でした。
フォーク・クルセダーズ不朽の名曲。でも思い返してみると、復帰後のピーはこれまで何度かフォークルについて語ったり、書いたりしてくれていたんですよね(タイガースの5人で出演した『オールナイトニッポン・ゴールド』など)。
デビュー当時のザ・タイガースの思い出と彼等の存在とは、ピーの中で強くリンクしているのでしょうか。

リード・ヴォーカルはALICEさんだった・・・と思うけど、なおこさんだったかも。ピーも交代で歌ったようにも・・・。ハッキリ覚えていなくてごめんなさい。
あの有名なサビ部はステージ上のメンバー全員で押し出すようにして歌っていました。

6曲目「月が証しよ」

歌う前にピー先生の短いMCがありました。
会場に入る際に配られた”歌唱指導用中国語歌詞”(そう書いてあります)があるんですけど
「お手元にB4サイズの紙が配られていると思いますが・・・いや、A4か。B4で
はないな!
と一人でオチをつけるあたり、「あぁ、ピー先生の授業ってこんな感じだったのかなぁ」と思いました。入場者全員の手元に配られた「月が証しよ」の歌詞は、さしずめ”授業プリント”といったところでしょう。

(後註:タイガース・ファンの先輩から「ピーは最初、A3と言い間違えたんじゃなかったかしら?」とご指摘頂きました。そうだったかも・・・と言うか、話としてはその方が全然面白いですし、おそらくそうだったと思います。確かにA3のプリントはナイな!もしそんな先生がいたらイヤだ・・・笑)

ピーはドラムセットから離れ、センターステージ最前まで来てスタンドマイクで歌ってくれました。この日初めてピーの顔がハッキリ見えた曲です。ちなみにピー先生も生徒(?)と一緒にプリントを見ながらの熱唱でした。

二胡のチェン・ミンさんの「月亮心」というタイトルを知っていますが、この曲も「月亮」のフレーズが原タイトルに登場します(「月亮代表我的心」)。スタンダードの同じ曲なのかな?


7曲目「寂しい季節」

「月が証しよ」に続き、中国のポップス・ナンバー。
この中国ポップス・コーナー2曲にはピーの日本語訳詞パートと原語パートがあり、ピー、なおこさん、ALICEさんの三人がリード・ヴォーカルを分担していたんじゃないかな。記憶が・・・。

前曲「月が証しよ」と違い、この曲ではピーはドラムを叩いていたように記憶していますが・・・これまた自信がありません。情けない・・・。

8曲目「マイ・ボニー」

Peelive5

この曲の前に、JEFFさんのMCがありました。ピー先生とのやりとりも楽しい、和気藹々の雰囲気です。
最後にピー先生が「次の曲も民謡ですね。今度はイギリスの民謡」とつけくわえるとJEFFさんは、「昔、ビートルズもやったことがある曲ですね」と紹介してくれました。

始まった曲は「マイ・ボニー」。
ファンでないとなかなか知らないことですが、これは純粋な意味でビートルズのレコード・デビュー曲です。町のレコード屋さんだったブライアン・エプスタイン(ビートルズの初代マネージャー。タイガースにとっての中井さんのような存在です)は、女の子のお客さんがこのレコードを求めに店を訪ねてきたのに自分が「ビートルズ」というグループをまったく知らなかったのが悔しくて・・・というところから、ブライアンの献身的な売り込みによるビートルズのメジャー・デビューへと繋がっていったわけです。

JEFFさんのスマートなフレーズの流れが素晴らしく、今回のセットリストの中で二十二世紀バンドのイメージに特に合った選曲かな、と思いました。

9曲目「ジャスティン」

Live201112

颯爽とドラムセットを離れ、スタンドマイクをセッティングするピー先生。この日はスタッフさんがスタンドマイクの配置換えで登場するシーンもあれば、ピー自ら行うシーンもありました。
自らセッティングする際には、きまって駆け足でぴょんぴょん飛び跳ねるようにマイクスタンドを運ぶピー。そんな仕草もまた、ドラムを叩く時と同じようにモーションが大きい!魅せてくれます・・・本当に元気な67歳のアイドルなのです。

ということで、さすがにこの曲は「ルーキー・ルーキー」のようにドラム叩き語りとはいきませんでしたが、2011~12年のジュリーと一緒のツアー、2012年タローとのジョイントと同様、ピー先生がスタンディングでオチャメにロックする「ジャスティン」がセットリスト前半の〆に採り上げられました。
不思議な”クネクネ・ピー・ダンス”も健在。でも、お馴染みのコール&レスポンスは無かった・・・初日だったからかな。この先の各会場ではどうでしょうか。

あと、バンド・メンバーそれぞれのソロがあります。
Ichirohさんのソロは凝ってましたね・・・リズム感に劣る僕などは、途中で手拍子の表裏を見失ってしまうほどの複雑なアドリヴ演奏でしたが、ALICEさんがちゃんと先導してくれるのでお客さんも安心です。
また、JEFFさんのソロはビートルズの「タックスマン」のようなカッコイイ16ビートのフレーズでした。こういうフレージングはロックンロール・ベースの醍醐味です!

~休憩~

「ジャスティン」の余韻の中、15分間の休憩があります。
僕はこの時間を利用して、ロックを語れる年長の友人でもあり、ザ・タイガースの男性ファンとしてリスペクトする大先輩でもあるYOUさんご夫妻の元へご挨拶に伺いました。さくらホールの車椅子席は高い位置にありとても見やすそうでした。良かった良かった!

開演前、そしてこの休憩時間には、洋楽のBGMが場内に流れていました。おそらく「タイガースでカバーしたことのある曲」というコンセプトで選曲されていたのではないでしょうか。
ビートルズの「今日の誓い」、ローリング・ストーンズの「テル・ミー」などがかけられていたのですが、音量は小さめ。僕はスピーカーの真ん前だからよく聴こえたけど、後方席のお客さんはどうだったのかな・・・。

10曲目「Long Good-by」(インストゥルメンタル)

Rocknrollmarch

セットリスト後半は静かにスタートしました。

会場のほとんどのお客さんが、この曲が演奏された意味をご存知のはず。
メインの旋律は、キーボードのなおこさんが奏でます。インストですのでオリジナルより全体の尺は短く、ピーもここではまだ登場しません。
ステージ後半のイントロダクションとして、また次曲「道」への伏線として、お客さんに「ピーが音楽界に、タイガースに戻ってきたきっかけとなった曲」を静かに提示する、という趣向のようです。

そんな中、エンディングのNELOさんのリード・ギターがかなり「ロックして」いましたね。

11曲目「

Theroad

「Long Good-by」が流れている間、ほとんどのお客さんが次曲「道」を予想し、ピーが入場してくるシーンまで頭に描けたと思います。進行は正にその通り・・・「道」のイントロが始まると、スーツに着替えたピーがステージ下手からゆっくりと登場しました。

「初日ならではのシーン」という貴重さも含めて、個人的にはこの日最も印象に残った曲。いやぁ感動しました。
と言うのも・・・「キンチョーの夏」状態のピー先生、思いいれのある曲だけに・・・というのもあったでしょう。歌詞や譜割の間違いがあったんです。ところが、その瞬間瞬間での、二十二世紀バンドの対応の素晴らしさよ!とにかくこの日の「道」はその点抜きには語れません。

まずはメンバーの中、ピーのリード・ヴォーカルに字ハモのコーラスをとるシーンの多いALICEさん。
ピーが歌いながら「あっ、歌詞間違った!」と微妙に動揺した瞬間、ピーが歌っている誤ったヴァースの歌詞にコーラスを合わせたのです。ピー先生、どれほど心強かったことでしょう。

また、曲の最後の最後、一瞬歌詞が出てこなくて焦ったのか・・・ピーは遅れて出てきた歌詞のタイミングで歌ってしまい、オリジナルとは1小節ズレた譜割となってしまいました。
すかさずALICEさんがJEFFさんに目で合図。JEFFさんは「合点承知!」とばかりに即興で譜割を組み替え、何とバンドメンバー全員が難なくそれに合わせたのです。
これは本当に凄い!だって、何度も稽古している曲の譜割を、全員が瞬時にその場で組み替えたんですよ。逆に言えば、稽古を積み重ねてバンドメンバーに阿吽の呼吸が生まれているからこそ、それができたということなのです。
その切り替えはあまりにもなめらかで自然で、背中に電気が走りました。もしかするとピーは、自分のヴォーカルが譜割を崩したことすらまったく気づかず「道」を歌い終えたかもしれません。

これがジュリーと鉄人バンドの場合ですと、ジュリーが歌詞や譜割を間違った際には、バンドはあくまで正しい進行を崩さず、ジュリーが何処かのタイミングで正規箇所、歌詞に舞い戻ってくるのを待つ、という決め事があるようです。ですから、例えばジュリーのヴォーカルと柴山さん達のコーラスの歌詞が違ったまま曲が進む、というシーンをこれまで何度か僕も体感してきました。

しかし、ヴォーカリストとしては経験の浅いピーに磐石のフォローをすべく、二十二世紀バンドの場合は、すべてをピーに合わせるのです。充分な稽古とバンドの一体感が無ければできないことで、「道」で彼等はそれを証明したと言えます。
この日の打ち上げの席でJEFFさん達が
「ヒヤッとしたけど、うまくいったね!」
と語り合っているのが目に浮かぶようです。

そんな素晴らしいバンドに支えられ、ピーの歌う「道」は本当に胸に沁みました。やっぱりこれは、単に上手くソツなく歌う、というのでは意味が無い・・・曲のテーマに向き合って、ピー自身が歌ってこそ意義のある名曲なのです。
「友よ♪」でトニックに戻る、手作り感溢れる斬新なコード進行にも改めて感動させられました。


12曲目「晩秋」(原曲「旅愁」)
13曲目「同学」(原曲「仰げば尊し」)
14曲目「浮雲」(原曲「埴生の宿」)

「道」の後に、なおこさんのMCがありました。
これから歌われる唱歌3曲の原題、ピーがその曲にどのような解釈を加えていったのか・・・丁寧に説明してくれたのですが、どのタイミングだったでしょうか、ひとしきり真面目にお話された言葉の最後に「・・・という、なおこです!」と自己紹介オチをつけたものですから、メンバーが「なにそれ!」と総ツッコミ。JEFFさん達が次々に便乗して「JEFFです!」「ALICEで~す!」と自己紹介を始めてしまい、場内は大爆笑でした。
これ、ひょっとしたらこの部分のMCのお約束なのかもしれません。でもそこは初日ならでは。愉快なハプニング、といった感じの和やかなワンシーンでしたね。

さて・・・この唱歌3曲については、纏めての記述となってしまいごめんなさい。
白状しますと、僕はピーの『道/老虎再来』『一枚の写真/楽しいときは歌おうよ』のCDは購入しましたが、『晩秋/同学』は購入していないのです。この日歌われた「浮雲」がそのCDに収録されているのがどうかも分かりません。LIVE終演後、まずはこの3曲のタイトルを調べるところから、このレポートの下書き作業が始まったほどでした(すぐにピーファンの先輩が「パンフに載ってるよ!」と教えてくださいました)。
ただ、CDを聴いていなかったが故に「LIVE会場で初めて体感する曲」の贅沢感があり、新鮮でした。

当然、3曲すべて原曲は知っています。
あの曲がこんなふうになるのか!と、そのアレンジに驚きの連続。特に「仰げば尊し」をモータウン・ビートに変貌させた「同学」は、演奏も素晴らしかったです。


15曲目「一枚の写真

Apictureofmymother

この日、セットリスト中盤のこのあたりから、さすがのピー先生にも若干の疲労の色が見えました。MCでも息が上がり、「キンチョーの夏」だけではない、明らかに体力消耗の気配。
当たり前のことなのです。67歳にして初めての、完全に自らが主を張る全国ツアーの初日。長丁場のセットリストの中で、手を緩めることなくドラムを叩き続け、歌を歌う・・・これを涼しい顔でずっとこなしていたなら、それはもうこの世の人じゃない・・・。
心配になりましたが、結論から言うと、セットリスト後半でピーは見事に体力を巻き返してきました。この中盤は、マラソンで言う折り返し地点を過ぎてしばらくした頃の状態。一番苦しい時間帯だったのでしょう。

疲れに勇躍立ち向かい、ここで披露された名曲こそ「一枚の写真」。2012年の中野サンプラザ公演と大きく違うのは、この入魂のバラードをピーがドラムを叩きながら歌った、ということです。
LIVE後、いつもお世話になっているピーファンの先輩が「この曲でピーのドラムスが聴けないの?と思った曲が2曲ありました」と仰っていました。ザ・タイガースの名曲「シー・シー・シー」と「ラヴ・ラヴ・ラヴ」のことで間違いないでしょう。それはもちろん僕も同感。
でも僕はこうお返事しました。
「その代わり、この曲をドラム叩きながら歌うのか!と驚かせてくれた曲が2曲あったじゃないですか」
と。
「ルーキー・ルーキー」と、そしてこの「一枚の写真」のことです。中野の時は、ハンドマイクで歌い、歌い終わると「ハンカチを用意してきたんですけど」とおどけるシーンもあった「一枚の写真」。今回はドラマー・瞳みのるとして亡きお母さんにこの歌を捧げたのでした。

まぁ、「歌詞を覚えるのが本当に苦手で」と語るように、ピーとしてはこの大切な曲の歌詞を、ドラムセットでカンペ見ながら完璧に・・・という考えもあったのかもしれません。ドラムを叩きつつ、左横の紙を見ながら歌うシーンがこの曲では何度も見られました。その紙に歌詞が書いてあったのかどうかまでは見えませんでしたが、たぶんそうだったんじゃないかなぁ。

疲れからか、または歌に集中していたせいか、2度ほどオカズが突っ込むシーンもありました。右手の振り下ろしの後、左手の溜めが効かずに「ダダッ」と両手連続でタムを打つような感じになっていたのです。それでもピーは、テンポそのものを乱すことはありませんでした。

そんな時、Ichirohさんがブラシでスネアを優しくポン、ポン、と叩いてリズムをサポートします。Ichrohさんの視線はピーの一挙手一投足に鋭く注がれ、どんな不測の事態が起こっても自分がサポートするんだ、という静かな気合に満ちているようでした。
この日はそんな事態が起こることはありませんでしたが、長いツアーの中で、ひょっとしたら今後ピーのドラムスにも大きなミスが出ないとは限りません。しかし、Ichirohさんがいれば大丈夫!と、初日のステージを観ていて僕は確信したのでした。


16曲目「花の首飾り」(中国語Ver.)

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ピーの疲労が見えたシーンは、この曲まで続きます。
「一枚の写真」が終わると、誰もが知るあのアルペジオ・イントロが鳴り響きました。
ドラムセットを離れ、急いでステージ前方へ駆けてくるピーですが、マイクのセッティングもあり、歌い出しにギリギリ間に合いません。「おっとっと!」という感じの苦笑を浮かべながら、ピーが中国語で歌う「花の首飾り」が始まったのですが・・・。
うまく声が出ません。
慣れないリード・ヴォーカル、妥協をせずここまで全開で歌ってきたピー。これまでにない喉の酷使。
アマチュアの僕にも経験があります。LIVEの途中でいきなり声帯がおかしくなる感じ。思いっきり声を出す激しい曲は平気なのに、抑えた声でバラードを歌おうとすると喉が言う事を聞かず、音程を合わせようとすればするほど声がガサガサと掠れて音を失っていくあの事態が、この「花の首飾り」でピーにも訪れてしまったようでした。

ピーは気力を振り絞り歌いました。その姿は、むしろ上手く歌うよりも感動的だったのではないでしょうか。
サビでは、ALICEさんがオクターブ上の高音で主メロをサポート。ALICEさんはとても美しい3度、5度のハーモニーをここまで聴かせてくれていましたから、オクターブとはいえユニゾンのコーラスには良い意味で意表を突かれました。
もしかしたら、本当はアルトでハモる予定だったパートを、ピーの喉の異変を察知して急遽オクターブの歌メロに切り替えたのかもしれません。というのは、この曲の直後、ピーがALICEさんを振り返って照れ笑いのような表情を投げかけたのです。ALICEさんはニッコリ笑ってそれに応えていました。
そんな2人の雰囲気から、僕はこの曲中でALICEさんの何かしらの機転があったのでは、と推測したのですが・・・。

また、喉の疲労以外に、ピーには特にこの曲では大きな緊張があった、とも考えられます。
後から先輩に伺ったお話では、この日客席にすぎやまこういちさんの姿があったのだそうですね。そりゃ緊張もしますよ!「歌」について、かつてザ・タイガースをしごいてくれた先生なのですからね・・・。

(後註:このレポを読んでくださったピーファンの先輩が、すぎやま先生だけでなく橋本淳さんも同席していらした、と教えてくださいました。この曲でのピーの緊張には、かつての恩師お2人が観にきてくれたことへの感動と、若干の照れくささもあったのかもしれませんね)

17曲目「シー・シー・シー

Tigersred_2

実は、「花の首飾り」とこの「シー・シー・シー」の曲順にいまひとつ自信が持てません。前後逆だったようにも思えるし・・・。でも、「花の首飾り」のイントロで「おっ、ようやくタイガースの曲来た!」と自分が思った記憶があるので、この順序で書きました。もし間違っていたら、ごめんなさい。

(後註:この曲順で正しいようです!)

「シー・シー・シー」の前には、ALICEさんのMCがありました。客席に語りかけるように
「みなさん!次の曲では・・・」
と言った後、唇にひとさし指を当てて
「し~~~~~っ」
囁くやいなや、間髪入れず鳴り出すベース。
おおっ、正調・ザ・タイガースの「シー・シー・シー」の音だ。サリーの音だ!と感激。
同じ音階をアップテンポのエイト・ビートで弾くというシンプルなベース・ラインであるだけに、あの独特の「ヴァイオリン・ベースをピックでタテノリに弾く」音が際立つのです。例えば、ジュリー1994年のLIVE『ZU ZU SONGS』で吉田建さんが弾いたこの曲のイントロは、サリーのイメージではありません(もちろん、それが悪いわけではありませんが)。でもこのJEFFさんの「シー・シー・シー」は、タイガースの音に限りなく近いです!

リード・ヴォーカルは、スタンドマイクでピーが担当。
「シー・シー・シー」は、タイガース・ナンバーとしてピーのドラムスが重要な曲のひとつです。
2011~12年のジュリーとのツアーで魅せてくれた、ブレイク部のあのお茶目なフレージング・・・残念ながら再結成のステージでは「シー・シー・シー」自体がセットリストから外れたことで、今回のセトリ入りへの期待がファンの間で大きくなっていた曲かと思いますが、ピーはドラムを叩かずヴォーカルに専念する方法を選びました。
確かに、この曲でピーのドラムスが聴けないというのは僕も残念です。
でも・・・イイですよ!ピー先生がアクションを交えて歌う「シー・シー・シー」。
喉の変調も、こうしたアップテンポで声を張り上げる曲想ならば大丈夫。

「I'm so high♪」で万歳!(とは言っても、腕を真上に突き上げるのではなく、「君の魅力にマイッタ!」的な万歳です。「お手上げポーズみたいな感じ」と言って伝わるでしょうか・・・)
「I'm so down♪」では肩をすぼめて両手を下に。
「I'm so blue♪」では、イヤイヤをするように胸に手を当て、「ブルーな気分」を面白おかしく表現してくれたピー。これには、訪れたすべてのファンが目を奪われたと思います。
この先の会場にご参加のみなさまも、キュートなピー先生のアクションに心してヤラれちゃって下さい!

18曲目「時の過ぎゆくままに」

Ikutuka

この初日を迎えるにあたって僕は、「本家タイガースではジュリーが歌う曲を、ピー或いはバンドメンバーが歌うことになるだろう」という心構えをしてきました。
僕はそれを楽しめる自信がありましたし、むしろ「せっかくだからアッと驚くマニアックなタイガース・ナンバーをやってくれないかな~」と期待していたほどです。

ただ、まさかソロになってからのジュリー・ナンバーが飛び出すとは、まったく考えもしていませんでした。
しかも、「超」がつく大ヒット曲ですからね。イントロの瞬間はもうビックリ仰天。
予想していなかったことだけに、もしもこの曲をピーまたはバンドの男性陣が歌っていたら、果たして普通に受け入れられていたかどうか・・・僕自身分かりません。

でも、意外や女性のなおこさんが歌い始めて、「あぁ、良い感じだな・・・」と。
先に、なおこさんの印象について「歌のお姉さん」と書きました。古今東西、後々にまで歌い継がれていくであろうあらゆるジャンルの名曲の数々。それを、メロディーに忠実にハキハキと、しかも情感を以て素直に歌う、ということ・・・それは、資質に恵まれた女性こそが適任なのです。
今回ピーが「時の過ぎゆくままに」を採り上げるにあたって、なおこさんの存在は天恵だったと思います。

ジュリーファンも少なからず訪れるであろう、今回の全国ツアー各会場。この曲を歌うなおこさんには、とんでもなく大きなプレッシャーがのしかかっているかもしれません。でも、初日のような歌声を聴かせてくれたらきっと大丈夫。僕はそう感じました。
頑張って欲しいです。ツアー参加はこの初日が最初で最後となる僕ですが、この先も自然体で「時の過ぎゆくままに」を丁寧な情感を込めて歌っていくなおこさんを応援します。

さて、そんな今回の「時の過ぎゆくままに」・・・何と言っても一番の見所は、ピーのドラムスですよ!
基本的にバンド・アンサンブルは原曲レコーディング音源の忠実なカバー。もちろんピー先生もそうなのですが、各パーツへの打点、強調箇所が、井上バンドとも鉄人バンドとも楽曲解釈が変わってくるのです。こういうところが、ピーのドラムスの魔力です。

この曲はやはり、イントロ、1番と2番の繋ぎ目、そしてアウトロに登場する、堯之さん考案のあのギター・リフのフレーズが強く印象に残りますよね?
これからツアーご参加のみなさまは、正にそのギター・リフの箇所でのピーのハイハット(客席から向かって右端にセッティングされている、二重になっている小ぶりのシンバル)を叩く様子に是非是非注目して下さい。ギターのワンフレーズごとに、「しゃしゃしゃしゃ!」とスネアやタムよりも遥かに強いアクセントで、ハーフ・オープンにしたハイハットを打つシーンがあります。
これまで何度も「時の過ぎゆくままに」はジュリーのLIVEで聴いてきた、と仰る方も多いと思いますが、ピーのドラムスに括目すれば、これまでにない新しい感覚で聴けるはずですよ。
個人的に、今回のセットリストの中でピーのドラムスの一番の見せ場はこの曲だと思っています。

ちなみにこの曲の後ピーのMCがありましたが(最初、ゼ~ハ~しながら「・・・諸々、聴いて頂きました」と身も蓋もないことを言って笑わせてくれました)、「なんとか沢田研二のこの曲を広めたい」とのことでした。
なんでも、「時の過ぎゆくままに」は中国でも台湾でも現地の歌手が歌って有名な曲なのに
「沢田研二があまり知られていないのが私は悔しい!」
のだそうです。
「本家は違うんだよ」と教えてあげたいんだとか。


勝手な思い込みかもしれませんが、今回この曲が採り上げられたことで、ちょっとピーの意外な面を見た気がしました。先生時代、ジュリーのソロ活動には全く興味が無かったのかな、と思っていましたから。
少なくとも
「沢田が歌って大ヒットした曲です」
ということは、当時から知っていたようですね!


そしてMCは
「それでは、ここからはザ・タイガースのヒット曲の数々をお送りします!」
と続いたのでした。


19曲目「僕のマリー

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この「僕のマリー」から「都会」までの4曲は、いわゆる「メドレーサイズ」の演奏形態で披露されました。それぞれの曲の前後で音が完全に繋がっているわけではありませんが、フルサイズの演奏ではなく、短めにアレンジされているのです。
タイガース当時も、そんな形で数曲を一気に演奏する「タイガース・オリジナル・メドレー」のコーナーがあったのでしたね。ここからの4曲は、それを踏襲したセットリストだったのでしょう。

まずはザ・タイガースのデビュー曲「僕のマリー」。リード・ヴォーカルはNELOさんです。
甘やかで、それでいて男性らしい艶のある声。違和感はありません。今回のセットリストの二十二世紀バンドのヴォーカル分担は、本当によく考えられ割り当てられていると思います。

イントロから登場する印象的な「ずっ、ちゃ~ん、どこどこどこ♪」というドラムスのキメ部は、ピーとIchirohさんが同時に叩きました。これ、呼吸を合わせるのは相当難しいんじゃないかなぁ・・・ピタリと揃ったのは、積み重ねた稽古の成果ですね。

20曲目「モナリザの微笑

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リード・ヴォーカルはALICEさん。
いやぁ、女性が歌う「モナリザの微笑」って、独特の雰囲気が生まれて良いですね。Aメロの歌詞で「僕は・・・♪」と男性1人称で歌うじゃないですか。それが女性のあどけない声に、意外と合うんですよ。

この日ようやくここで登場したのが、ピーの得意技”トップシンバル剣舞”。Ichirohさんと2人揃っての6つ打ちヴァージョンでした。

21曲目「落葉の物語

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リード・ヴォーカルは代わってIchirohさん。
Ichirohさんが全編リード・ヴォーカルを担当するのはこの1曲だけのようですが、いやいやこんな美声を隠し持っていらしたとは。「コートに、包んだ♪」なかなかの「ショコラテ」なヴォーカルでしたよ。

「ふたりで、見つけた♪」からの横揺れも、スタンディング3人のメンバーで。
オリジナルではトッポが歌う追っかけコーラス・パートは、ALICEさんがよく通る声で再現してくれました。
ピーのドラムスのメリハリも、2011年の復帰後ずっと変わらず素晴らしい演奏です。

22曲目「都会

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リード・ヴォカールはなおこさん・・・だったと思いますが自信がありません。とにかくこの曲で僕は、ずっとピーのドラムスを観ていました。
まずイントロで「おおっ!」と。これは多くのファンも同様だったのではないでしょうか。ここまでのタイガース・ナンバーは「想定内」の選曲ばかりでしたからね。
僕は「意外な選曲」として「あわて者のサンタ」あたりを予想していたんですけど(今になって考えますと、それはさすがに季節感無さすぎですか・・・恥)、「都会」とは渋い!
いや、ピーにとっては自然な選択だったのかな。タイガース最後の半年間の思い出の1曲、音楽に復帰した今、もう一度やっておかねばならない曲・・・そんな曲だったのでは。

タイムリーなタイガース・ファンの先輩方に、解散に向かっていった当時のタイガースのお話を伺っていると、「大好きな曲なのに、悲しい気持ちがとりついている」曲としてよく挙げられるのが、「誓いの明日」「散りゆく青春」、そして「都会」の3曲です。
「誓いの明日」「散りゆく青春」2曲は、2011~12年ジュリーとのツアーで採り上げられ、ピーが笑顔でドラムを叩いたこともあり、ファンの悲しみはある程度洗い流されたようです(特に「誓いの明日」)。
そんな中、微妙なスタンスで置き去りにされていた曲が「都会」。『サウンズ・イン・コロシアム』で、ドラムセットに就いて「ドスン!」と一打してから始まるあの頃のピーの「都会」の演奏は、今聴くとどうしてもその胸に秘めた「悲壮な決意」を感じさせ、荒んだ心をそのまま音に映しているかのようです。

しかしこの日は・・・「さぁ叩くぞ!」という「陽」のパワーをピーのドラムスに感じました。
フレージング自体は、ここぞという時に”鬼神ロール”が炸裂するなど、『サウンズ・イン・コロシアム』とそれほど大きな違いは無いのです。それでも、聴こえてくる音は全然違う、と思ったんですよ。もちろんそれは、後追いながらタイガースの歴史を知っているが故の自分の受け取り方、気持ちの問題もあるのでしょうが・・・。
メドレー・サイズの4曲の締めくくりとして、ピー初のソロ・ツアーにふさわしい選曲だったと思います。

23曲目「美しき愛の掟

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この曲の前にMCがあったと思うのですが・・・これも
よく覚えていません。ごめんなさい。
ここから先のタイガース・ナンバーは、オリジナル通りのフルサイズでの演奏となりました。

お馴染み、ピーのハイハット→オープン・ハイハットの2打によるシンプルながら鋭いフィルから始まったのは、「美しき愛の掟」。イントロのNELOさんのリード・ギターもイカしてましたね。

歌が始まって、「お、この曲はJEFFさんが歌うのか~」と思ったその瞬間
「え?ちょっと待てよ・・・」
と、固まりましたよ僕は。
「こ、この曲をベーシストが歌うの?!」

まだまだ記憶に新しい、2011~12年のツアー、そして再結成の『THE TIGERS 2013』ツアー。サリーが激しく体躯を揺らし魅せてくれた、狂乱・情熱の16ビート・・・「本物」を体感してしまった以上、「美しき愛の掟」はあのベース・フレーズ抜きでは成立しない、という域にまで耳に馴染んでいます。
あの手数、あのフレット移動を、歌いながら弾くことができるのだろうか・・・そもそも「やってやろう!」と心決められるものだろうか・・・それともJEFFさんは、難易度の高いその2番のフレーズを、1番の繰り返しでシンプルなフレーズ演奏に変えて切り抜けるつもりなのだろうか。
でも、それは僕としては受け入れられない!

などと失礼千万が過ぎる思考を素人の僕がめぐらせてしまっているうち、曲はあっという間に進行して、さぁ問題の箇所・・・2番Aメロへ。
JEFFさん、凄かった!
あのフレーズを、まったくフレットを見ずに演奏しながら歌ったのです!

すぐ後に続く展開部は、シンプルなルート・トーンの下降フレーズに切り替わるのですが、JEFFさん、そこではフレットをチラッと確認しながら弾くんです。
つまり、曲中最も難易度の高い箇所だけをソラで弾いてしまうという状況・・・これは、「歌も演奏も妥協せずに必ずやり遂げる!」というJEFFさんの、想像を絶する反復個人練習の証に他なりません。素晴らしい!

この曲はピーのドラムスも相変わらず凄くて、”鬼神ロール”も連発されていたけど・・・僕はJEFFさんの熱演・熱唱からずっと目を離すことはできませんでした。
これぞ本気のプロフェッショナル。JEFFさんはじめ二十二世紀バンドのメンバーが、どれほどの志で今回のツアーに臨んでいるか・・・それを象徴するような「美しき愛の掟」でした。

24曲目「シーサイド・バウンド

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ピー先生の
「ここで、ジュリーならこう言うでしょう・・・もうひと盛り上がりするぞ~!」
のシャウトから、いよいよ「シーサイド・バウンド」。
イントロが始まってふとセンターブロックを見ると、お客さんは1列目から総立ちとなっています。

リード・ヴォーカルが誰だったか、これがまたよく覚えていないんですよ(泣)。ほぼ全員歌っていたような記憶があります・・・。
ピーも歌っていましたが、どちらかと言うとシャウト部に全力を注いでいた感じでした。ドラム叩きながら、途中でマイクを口元に近づけたりなんかして。「ひゃっは~!」みたいなシャウトもあったような・・・。

間奏のステップも、スタンディング3人のメンバーは全員がやってくれました。特に動きがしなやかだったのはNELOさん。リード・ギター弾きながらも余裕のステップです。
ティンバレスのパートは、Ichirohさんが小ぶりのタムを叩いてくれます。「シーサイド・バウンド」用に、チューニングが高い音に設定されていたようですね。


25曲目「君だけに愛を

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続けざまにこれ!
イントロでテンポアップするまでのドラムスのフィルは、ピーの単独演奏です。この曲のドラムスをピーが叩く、となれば一番の見せ場ですからね。

リード・ヴォーカルはJEFFさん。
この曲も「美しき愛の掟」同様、ベース弾きながら歌うのは相当凄いことなんですよ~。一番大変なのは、「僕の胸のつぶやきを♪」のところ。ここもJEFFさん、勝手に指が動く状態にまでバッチリ仕上げてきています。
そして「あたたかいハートに♪」で、じりじりと上昇するベースライン、痺れました!

この曲に欠かせない指差しアクションは・・・さすがのピーもドラム叩きながらでは無理、ということでALICEさんが元気に頑張っていましたが(僕の席からは確認できませんでしたが、アレンジから判断するとなおこさんもやってくれていたのでは、と思います。いかがでしたか?)、ふと見ると控え目ながらIchirohさんの”スティックごと指差し”が炸裂しまくっていました。
確かIchirohさんはこの曲で、タンバリンをスティックで打っていたんじゃなかったかな。とすれば、ドラムスはほとんどピー単独で曲全編を担っている、ということでもあります。
で、Ichirohさんの指差しはそっと差し出すような感じだっただけに、指す方角はその都度変えていたけど、距離的に近いお客さんに狙いが集中していました。最前列でしかもIchirohさんの真ん前の席にいた僕は、2度ほどジャストで狙い撃たれたのでありました。ありがとうございますありがとうございます!


26曲目「悲しき叫び~蛍の光」

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次曲「ラヴ・ラヴ・ラヴ」との繋がりなどから考えれば、タイガース的に「アイ・アンダスタンド」と書いた方が通りが良さそうですが、ヴァージョンが明らかに違うため、「蛍の光」と表記しました。
「悲しき叫び」との合体ヴァージョン元については、パンフにピー先生の解説が掲載されています。そこで少しだけ触れられているように、「悲しき叫び」は、ビートルズ解散後、それぞれがソロになってからのジョン・レノンとポール・マッカートニーが二人ともカバーで採り上げた、という珍しい曲でもあります。

『THE TIGERS 2013』の時の進行と同様、曲の途中でピー先生からの挨拶並びにバンドメンバー紹介がありました。
二十二世紀バンドの紹介順は、ALICEさんから始まってなおこさんがトリでした。ふと「年齢順なのかな?」と考えてしまった僕は、とても失礼な奴です。レディー・ファーストに始まり、最後もレディーで締めくくるというジェントルマン・ピー先生の気遣いでしょう。きっと!

そして曲が終わると同時に、会場誰しもが予想した通り、ピーがあの名曲のフィルを力強く叩きました。

27曲目「ラヴ・ラヴ・ラヴ

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イントロのフィルを叩いたピーはサッとスティックを置き、そこから先のドラムスはIchirohさんに任せて、ステージ最前のスタンドマイクに駆けてきました。
後半「僕のマリー」以降の怒涛のタイガース・コーナーで、ずっとヴォーカルをバンドメンバーに託していましたからね。それに、この曲が来たということはどう考えてもこれでセットリスト本編は幕となりましょう。あの素晴らしいピーのドラムスが聴けないのは寂しいけれど(特に、エンディングの”鬼のキック288連打”)、最後に主役のピー自らがフロントで歌う構成は必然と言えます。

「愛の世界♪」の箇所、ジュリーと同じタイミングでLの字を作るピー先生。サビはもちろん、ステージ、場内が一体となっての「L」揺れとなります。
NELOさんのギター・ソロが躍動する間、ピーはマイクから少し下がった位置で”クネクネ・ピー・ダンス”まで披露。このダンス、ワルツにも応用可能なのか・・・(笑)。

ピーがドラムスを叩いていない分、エンディングは先の再結成ステージと比べると尺が短めとなっています。それでも、最後の最後まで力いっぱい高音を張り上げて熱唱するピーの姿に、「ラヴ・ラヴ・ラヴ」の真髄はしかと見てとれました。

演奏が終わると全員でお客さんの声援に応え、メンバーは一度退場。やはりこの曲の余韻を以って、セットリスト本編は締めくくりとなったのでした。

~アンコール~

28曲目「老虎再来

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大きな拍手に迎えられて、6人が再登場。
最高の雰囲気に乗ってか、ここまでのステージの手応えあってか、全力疾走で駆けてきたメンバーも。

アンコールに残された曲は、ファンならばこの時点で容易く想像できたことでしょう。
まずは「老虎再来」です!

さて、今となってはどのタイミングだったか忘れましたが、ピーはセットリスト後半に着替えてきたスーツの上着を脱ぎ、さらに数曲後にはサスペンダーも肩から外して「完全大暴れモード」になっていました。
このアンコール部は、その状態のままでの登場。
で、この「老虎再来」ではとにかくピーがステージ狭しと動き回ってくれた(アンコール2曲とも、ドラムはIchirohさんに任せてリード・ヴォーカルに専念)のですが、ちょうど下手側(目の前!)から上手側へと移動する後姿が・・・何とも言えずキュートでした。外したサスペンダーがちょうどお尻のあたりに張り付いている感じなんですよ。その状態で、ジリッ、ジリッと歩を進めていくピー先生・・・ちょっとみなさまも想像してみてください。萌えてきませんか?

最後の1回しでは、ピーが「何所までも天(そら)の果て、行ってみよう海の果て♪」と歌うヴァースに、JEFFさん達が「ろ~こ、ろ~こ、ろこさいらい、再来!再来!老虎再来♪」のメロディーを重ねての対位法コーラスも導入され、大盛り上がり。
やっぱりこの曲はLIVE向きだ、と思いましたし、若いメンバー全力のコーラスが、曲に大きな力を加えるのです。ピーはこの曲を中井さんの打診もあり「新生タイガースのキャッチ・ナンバー」として作曲したわけですが、今は”瞳みのる&二十二世紀バンド”の看板ナンバーとしてさらなる高みに到達したのかもしれない、と感じさせました。
「老虎再来」、名演でしたよ。この先の全国ツアー各会場でも、盛り上がること間違いなし!

29曲目「楽しいときは歌おうよ

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いよいよ大トリです。
初日から全開、ステージ上の全員が持てる力を尽くし、考えうる限りのレパートリーを惜しみなくつぎ込んだセットリスト・・・オープニングのドラム・ソロを加えれば、何と全30曲。
ここまでの素晴らしい時間、その感動に包まれながら、会場はこのラスト・ナンバーに大団円を感じとり高揚したことでしょう。ほとんどのお客さんが立ち上がってのフィナーレとなりました。

「最後のひと暴れ!」とばかりにピーは激しいアクションを繰り出し動き回ります。
作曲当時、盟友タローに「この曲、何かが足りないよ」とアドバイスされ、仕上げ段階で考案したというキャッチ・コーラス・・・ピーはその「ランラン、ランラン、ラランラン♪」のパートを歌いながら掌をグッと手前に引き寄せるポーズで、「みんなも一緒に来いよ!」の合図。もちろん心得たお客さんは、声を合わせて歌います。

最後のコーラス・リフレインで、ハンドマイクのピーが踊りながら僕の正面まで進出してきました。
その場でクルリと背中を向けたので「えっ?」と思ったら、ピーは背中を伸ばし、持っていたマイクをタムの上からIchirohさんに向けました。Ichirohさんはちょっと照れくさそうにしながらも、ドラムを叩きながら首を前に出してコーラスに参加。声、バッチリ拾えてましたよ!


☆    ☆    ☆

こうして、記念すべきピーの全国ツアー初日のステージは、大成功に終わりました。

ピーとメンバーが別れを惜しみ退場した後、再度の拍手に応えてピーが1人で最後の挨拶に登場。
その際も、2012年日本武道館にてジュリーが思わず命名した「瞳オチャメ」なキャラが炸裂・・・1度引っ込むと見せかけて「おっと、大事なことを忘れてた!」といった感じでステージ中央に舞い戻り、お馴染み”片膝つきの投げキッス”でめでたく〆となったのでした。

とても良かった、とにかく楽しかった・・・もう、すべてが「予想以上」のステージでした。
贅沢なセットリスト、お客さんの雰囲気、ピー先生の人柄が滲む構成・・・色々ありますが、良い意味で予想を裏切られ最も感銘を受けたのは、やっぱりコーラス・ワークや個々のリード・ヴォーカルも含めた「バンド・サウンド」の魅力でしたね。

「ピーが若いメンバーとバンドを結成して全国ツアーをやるらしい」ということは、ジュリーが今年のお正月LIVE『ひとりぼっちのバラード』のMCで教えてくれました。
正直僕はその時、「年代の離れたバンドとうまくいくのかなぁ」と心配したものです。
まったくの杞憂でした。
考えてみれば、ピーはこれまで長年、先生として様々なタイプの若者と共に学を志し過ごしてきたのです。
今回の二十二世紀バンドの若いメンバーの集結は、それぞれ個性の違う若者たちと時代ごとに身近に接してきたピーだからこそ編み出し、為しえたアイデアであり英断だったのだ、と思えます。

ピーは今、「優れた音楽を次の世代に残す」ことを考えているようです。
自ら作り上げてきたタイガースの名曲群にとどまらず、各国の民謡、唱歌、中国のポップス、そして昭和の大ヒットした日本の歌謡曲(「時の過ぎゆくままに」)・・・それを、この先の新しい音楽を作っていく、担っていく世代のメンバーと共に表現し、ステージに立つということは、ピーにとって自然な発想だったのではないでしょうか。

若者の貪欲な向上心、情熱は大きなエネルギーとなりピーを一層奮い立たせ、また若いメンバーはピーから得難い経験、伝達力を吸収する・・・ピー理想の音楽観がここにあります。
その明快な相乗効果。結成間もないバンドが初めてのステージでここまでの一体感を見せるには、並々ならぬ努力、稽古、意志疎通があったはずです。そして、それをやり遂げるだけの体力も。

僕としては「初日ならでは」のバンドのハプニングなどがあっても、それはそれとして楽しもうと考え臨みましたが、二十二世紀バンドの演奏については、何とほぼノーミス!熟練のバンドですら見受けられる、ツアー初日特有のぎこちなさや手探り感は、一切感じることがありませんでした。
しかもその上で、遥か年長のピーの緊張を完璧にサポート。本当に素晴らしいバンドですよ。
これから長いツアーが続く中で、疲労が溜まってくる時期もあると思います。でも、この初日に見せてくれた情熱、気遣い、チームワークをもってすれば、必ず乗り越えられると思います。
これからの各会場にご参加のみなさまは、バンドメンバーにも大きな声援、拍手を送り続けて欲しいです。それが大きければ大きいほど、今回のピーのツアーはますます素晴らしいものになります!

僕はこんな初日のステージを特等の席で観ることができ、身に余る光栄でした。
おぼろげな記憶を辿りながら書いたレポートですが、この日のピーと二十二世紀バンドの素晴らしさが少しでもみなさまに伝えられていれば幸いです。
拙ブログ恒例の大長文レポにおつき合い頂き、ありがとうございました~。

20140613


☆    ☆    ☆

さて!
僕はずっと前から、「ピーの初日が終わったら、そのひと月後にはジュリーのツアーが開幕だ!」と思って日常を過ごしてきました。
いよいよ次回更新からは、『三年想いよ』全国ツアーに向けて、”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズを開始いたします。

毎度のことですが、一応僕としては「当てに行って」ます。先輩方からしますと「それはナイでしょ~」みたいな曲も採り上げるかもしれませんが・・・渋谷公会堂の初日までに、3、4曲ほどの楽曲考察記事を書けたら良いな、と考えております。
よろしくお願い申し上げます!

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