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2023年12月

2023年12月31日 (日)

沢田研二 「Rock 黄 Wind」

from『明日は晴れる』、2003

Asitahahareru_20231231150901

1. 明日は晴れる
2. 違いのわかる男
3. 睡蓮
4. Rock 黄 Wind
5. 甘い印象
6. Silence Love
7. Hot!Spring
8. ひぃ・ふぅ・みぃ・よ
9. 100倍の愛しさ
10. 夢見る時間が過ぎたら

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あっという間に大晦日。
僕もようやくゆっくり冬休み、ということで、今年中に絶対書いておかねばならないお題「Rock 黄 Wind」の記事更新で2023年を締めくくりたいと思います。
下書きナシの一気書きとなりますが、よろしくおつき合いください。


12歳からずっと阪神ファンの僕は、以前よりこのブログ内で「阪神が優勝したら「Rock 黄 Wind」のお題記事を書く!」と宣言していたものの、正直「一生その機会は来ないのではないか」と思うこともありました。
名将・岡田監督が再任となった今年、それでもシーズン優勝の期待などしていませんでした。
「新外国人野手が当たればなんとかAクラスには」という程度でね。

弱気な僕の予想を覆し圧倒的なリーグ制覇、さらには日本一、見事という他ありません。

僕は今年とても忙しかったので、テレビでの試合観戦はまったくできませんでした(唯一観たのがリーグ優勝を決めたジャイアンツ戦)。
ただ昔から統計フェチでもあり新聞で細かい戦績、数字は追っていました。
チームの防御率、打率、本塁打数、得点数、失策数・・・等々。そして正直に言いましょう。快調に首位をひた走った夏の時期になっても僕は「なんでこの数字で首位なんだ?」と首を捻っていたのです。
数字を見れば投手力が素晴らしいことは分かる、でも「守りの野球」と言われている割には失策が多いし(優勝決定時でリーグワースト2位だったんじゃないかな)、本塁打の少なさはため息が出るほどでしたから。

それが、リーグ優勝を決めたジャイアンツ戦の1試合をテレビ観戦しただけで、今年の阪神の強さがなんとなく分かったという。
いやぁ、数字だけでは把握できない強さってあるんですねぇ・・・。考えてみれば、エラー数はカウントできるけどファインプレーは観ていなければ分かりませんから。

中盤、先発の才木投手最後の踏ん張りどころで木浪選手が処理したショートライナー。
僅差の大詰め終盤、抜けていれば完全に流れを変えられていたであろう、中野選手が処理したセカンドゴロ。

大事な試合でこういうプレーが普通にできる、これが今年の阪神の強さだったようですね。「岡田阪神、守りの野球」の看板に大納得の試合でした。

僕は6月のさいたまアリーナ以来ジュリーのLIVEに行けていませんが、MCで阪神タイガース関連の話はきっとあったのでしょうね。
久しぶりの優勝、そしてさらに久しぶりの日本一に、ジュリーも盛り上がっていたことでしょう。


さて、ジュリーの「Rock 黄 Wind」は言うまでもなく「六甲おろし」のカバー。
キーボードレス時代の武骨なロック期にこの選曲、しかもリリースがあの2003年(星野阪神ブッチギリ優勝の年)で、収録アルバム『明日は晴れる』ツアーのDVDはそんな意味でも必見の1枚です。

僕が阪神ファンを公言していたこともあり、ここまで記事を書いていなかった曲にも関わらず、「Rock 黄 Wind」 は拙ブログでは時々話題に採り上げていました。
特に「ジュリー本格堕ち」間もない時期にコメント欄にて先輩方からこの曲にまつわる逸話を色々と教えて頂いたことは、阪神タイガースの成績が振るわない時期だからこそ身に染みる、楽しい思い出となっています。

中でも「痛快!さすがジュリー!」と手を打ったのがキー設定のお話。
原曲「六甲おろし」のキーは「G」(ト長調)らしいのですが、ジュリーはこれを「A」(イ長調)に移調しカバーしています。
なんでも当時ジュリーは「ジャイアンツのGなんぞで歌うか!」と話していたそうで、この曲のイントロ部などで聴けるシャウトを僕は当初「ヘイ!」もしくは「
エイ、エイ、オー」の「エイ」だとばかり思っていたのが実は

「A!A!」

と、「ワシはGじゃなくてAで歌っているんやで」というキーの主張だったという。
ブログをやっていなければ絶対に教えて頂く機会は無かった貴重なお話だと有難く思っています。

「A」というキーは「G」より1音高い、つまりタイガースはジャイアンツより上や!とのジュリーらしい遊び心があったわけですね。

もうひとつ、「これはしたり!」と新規ファン僕が恥じ入った逸話があります。

僕はこの曲をアルバム『明日は晴れる』購入時(『ジュリー祭り』直後の未聴アルバム怒涛の大人買い期)に初めて聴いた認識でいたのを、たぶんメイ様(阪神ファンとしても先輩でいらっしゃいます)だったと思いますが、
「『ジュリー祭り』の会場BGMでかかっていた曲なのに、「六甲おろし」のメロディーをスルーとは阪神ファンとしていかがなものか」
と愉快にツッコんでくださいまして。
「え~っ?!」と。
未だに記憶は曖昧なのですが、人生初のジュリーLIVEに相当舞い上がっていたのか何なのか・・・。

今ではそんな先輩方とのやりとりも懐かしい1曲。これ、お正月LIVEのセトリ入り、あるんじゃないですか?
楽しみにしたいと思います。


そんなわけで。
今年2023年は、記事更新のみならず頂いたコメントへのお返事もなかなかできずに本当にすみませんでした。
そして、この状況は来年も続きます。
更新頻度は今年並みになるかと思われますが、たまの更新を気長にお待ち頂ければ幸いです。

今年も大変お世話になりました。
それではみなさま、よいお年をお迎えください。

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2023年12月 3日 (日)

ザ・タイガース 「青い鳥」

from『ヒューマン・ルネッサンス』、1968

Human

1. 光ある世界
2. 生命のカンタータ
3. 730日目の朝
4. 青い鳥
5. 緑の丘
6. リラの祭り
7. 帆のない小舟
8. 朝に別れのほほえみを
9. 忘れかけた子守唄
10. 雨のレクイエム
11. 割れた地球
12. 廃虚の鳩

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(※ このお題曲は2011年にも記事を書いています)

大変、大変長らくのご無沙汰でした。

業績不振が続く勤務先では遂に僕の直部署でも大幅な人員削減リストラがあり、ちょうどピーさんの左門町LIVEが終わった翌日、つまり5月下旬から少人数による新体制に。
以来、怒涛に多忙な日々が続いています。
そしてこの先、今のような状況が「落ち着く」という時はおそらく来ないでしょう。
僕自身は会社には、自分のような者を活躍させて貰えた恩義があると思っていますので、身体が動く限りは全力で恩返しをしてゆくつもりです。

そんなわけで、とにかくブログ更新の時間がありません(と言うかネットを見る余裕がそもそも無い)。
たまに時間はあるのですが、肉体労働の負担が激増したので毎日疲れちゃってるんですよねぇ。
こうしてたまに更新があっても、以前のような長文は書けないと思います。ごめんなさい。

さて、今日この日ばかりは頑張って更新。
12月3日は、あの『ジュリー祭り』参加により僕が本格ジュリー堕ちを果たした記念日で、毎年『ジュリー祭り』セットリストからお題を選んで書くことにしています。

今年はザ・タイガースの「青い鳥」にしました。
『ジュリー祭り』で初体感してから、ザ・タイガース復活までの道程で何度も各地LIVEで聴き、今年のジュリー・さいたまスーパーアリーナ公演でもセットリスト入りした名曲です。
そして実はそのさいたまスーパーアリーナ公演のひと月ほど前、ピーさんの左門町LIVEでも「青い鳥」はセットリスト1曲目に配されていました。
今年は多忙のため左門町LIVEのレポすら書けませんでしたから、この機会に少しその時のことなど併せて少し書いておこうと思います。よろしくお願い申し上げます。

まず、さいたまスーパーアリーナでのタイガースのステージを振り返ってみましょう。
残念ながらトッポさんは不参加でしたが、名だたる著名プレイヤーにも「推し」が多いサリーさんのグルーヴ感溢れるピックベース。七福神(仮)のギタリスト2人にソロを譲ることなく「タイガース・オリジナル」を魅せてくれたタローさんのギター。素晴らしい老虎魂のステージでした。

そんな中もしあの会場に、初めてのタイガース・ステージを観にきてみた、というプレイヤー畑の音楽関係者がいたとして、どのメンバーの演奏に感銘を受けたかと彼等が問われたら、8割は「ドラムス」と答えるでしょうね。
もちろん平石さんの的確なサポートも見逃せませんが、ピーさんの演奏は2011年のいわゆる「老虎ツアー」から2013年の完全再結成時のそれと比べて驚異的に進化しているのですよ(と言うか、齢70代に入ってから音がどんどんデカくなっていくのが実は一番凄いこと)。
稽古量と踏んだ場数は裏切らない、というわけですな。

こと「青い鳥」について言えば、左門町LIVEでピーさんは「ドラム叩き語り」をみっちり稽古し演じた直後です。
さいたまアリーナに向けてのタイガース3人リハで、ジュリー不在の中、ドラムスのみならず「仮ヴォーカル」(バンドのリハでは必要不可欠なことです)までピーさんが買って出た、との話も頷けます。


作曲家としてのタローさんの「青い鳥」のコード進行は、この出世作の時点で既に凄い。
ホ短調のメロディーがサビでロ短調に転調するのですが、スタジオアルディの中村社長に伺ったお話では、当時この進行を「おかしい」と難癖をつけた石頭の批評家がいたそうです。
それまでに無かったパターンを受け入れられない、という時点でその人の音楽的器量は窺い知れますが、まぁ理屈よりもむしろタイガース人気への嫉妬だったのでしょうな。メンバーが作曲なぞ生意気だ、程度のやっかみ&イチャモンでしょう。

タローさんのアイデアで斬新なのは転調繋ぎ目のコード使いです。

小 さな幸福を 僕の手にのせたのに ♪
D7  G    C   B7  D7   G      C       F#7

の「F#7」と

青 い鳥  青 い鳥  行かないで ♪
Bm A  F#7  Bm A  F#7  G    A    B

の「B」。
いずれも、直後の転調先のドミナントとして配していて、調号はこの時点で変わるのです。

一方、タローさんの詞まで含んだ楽曲としての「青い鳥」についての僕の印象は、後追いのファンにありがちなように『ジュリー祭り』から十数年の間にずいぶん変わってきました。
「ほのぼのとした朴訥な良い曲」→「後期タイガースへのバンド志向を象徴するような野心作」と来て、今では、コンセプト・アルバム『ヒューマン・ルネッサンス』の看板曲というイメージです。

瑞々しい詞曲に、タローさん本人が作曲時点では意識しなかったかもしれないメッセージ性を感じます。
ごく当たり前の小さな幸せを、抗い難い理不尽により失ってしまった人々の哀しみ・・・コロナ禍ひいては現在の世界情勢がそう思わせるのかもしれませんが、それもまたタイガース・マジックでしょうし、こうして色々な解釈ができるのは、やはり名曲!の証です。


ということで、駆け足の更新ですみませんでした。

本当にあっという間に師走がやって来ました。
年内ですが、毎年恒例の「自分で自分の誕生日を祝う」12月20日の更新は今年は無理そうです。

ただ、どうしても今年中に書いておかねばならないお題曲が1曲ありますので、年末ギリギリにはなりますが、冬休みに入ったら書く予定です。今度はザ・タイガースではない方のタイガースのお話をね。

多忙のため、先の東京国際フォーラム公演参加も断念・・・今僕の精神的支えとなっているのは、お正月LIVE『甲辰 静かなる岩』渋谷公演になんとか参加できそうだということ。
年末に書くお題は、そのセットリスト予想の1曲、とも言えましょうか。

それでは年の瀬にまた。

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