投票を終えて
未曽有の凶悪事件から2日、参院選は予定通り行われ、夫婦で投票を済ませてきた。
僕は護憲派である。
だから、特に2010年代中盤の安全保障、武器輸出等の法解釈変更や改正にあたり、当時首相の安倍さんに反発する文章をこのブログでも時折書いてきた。中でも「un democratic love」の考察記事では相当突っ込んだことも書いた。
読む人が読めば、そのような僕の文章は「左」に見えているのだろう。そうならそれでも構わない、と思っていた。
しかし。
2日前の銃撃により亡くなった安倍さんについて、とても人が凶悪な事件で命を落としてしまった時に発信する類のものとは思えない、信じられない酷い発言をする人達が少なからずいた。
不条理な暴力の犠牲となった安倍さんと、ご家族や周囲の人達のやり場のない悲憤を何と心得るのか。人の痛みが分からないのか。
僕は、そのような輩と一緒にされたくはない。
最も愕然とさせられたのは、立憲民主党の重鎮、小沢一郎氏の発言である。
今回の事件についてコメントを求められた小沢さんは、こんな時であるのに、まるで自業自得とばかりに故人を批判し、「安倍さんの災難は、参院選で自民党有利に働く」という下衆な「票読み」まで口にした。
たとえ理念は違っても、同じ政治家ではないのか。
志半ばで凶弾に斃れた憂国の士の最期に際して、言わなければならない言葉であったのか、それは。
実は僕は経世会時代から小沢さんを応援していた。自民党を割って新生党を作った時も支持した。
その後、大下英治さん一連のノンフィクション小説を読み、登場する政治家達の中で特に小沢さんの剛腕に改めて惹かれ、リスペクトを持った。所属の党は次々に変わっていったが、政治家個人としてずっと応援してきた。
だが、今現在の小沢さんには「人の苦しみ、悲しみに寄り添う」政治を掲げる器を持ち得ないことが、この発言により露呈した。
即刻、政界から身を退いて頂きたい。
そんな小沢さんに対して「注意」などという対応しかできない党に、僕は今回投票するわけにはいかなくなった。
生涯僅か2度目となる、党名の記入をし帰宅した。
安倍さんのご冥福をお祈り申し上げます。
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