沢田研二 「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」
from『明日は晴れる』、2003
1. 明日は晴れる
2. 違いのわかる男
3. 睡蓮
4. Rock 黄 Wind
5. 甘い印象
6. Silence Love
7. Hot!Spring
8. ひぃ・ふぅ・みぃ・よ
9. 100倍の愛しさ
10. 夢見る時間が過ぎたら
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ジュリーから遅れること数ヶ月(?)、この度遂にガラケーを卒業しスマホデビューいたしました。
どのみち来年3月にはガラケーのサービスは終了するので「やむなし」と言えばそうなのですが、僕の場合も変更に至った経緯はほぼジュリーと同じ。
2日ほどブラックアウト期間がありまして、その間にご連絡頂いた方にはお返事無しの状態になっているかと思います。申し訳ありません。
au→auの機種変でしたから旧アドレス、旧電話番号ともそのまま生きております。今後ともよろしくお願い申し上げます(と、いうことで引き続き、渋谷のチケット3枚探し中でございます汗)。
いやしかし、僕のようなアナログ人間に初めてのスマホは扱いが難しい。
「はじめてスマホ」というプランにしたのですがそれでも勝手が分かりません。
あくまで先方の尽力により、家族やYOKO君をはじめとする友人数人とはLINEも通じたものの、他のみなさまにこちらからどのようにコンタクトすればいのか皆目・・・という状況で困っています。
まぁ、そのうち慣れるでしょう。
さて本日12月20日は僕の誕生日。
55歳になってしまいました。
無事に生きれば還暦までもうあと5年というところまで来て、そりゃあ身体も色々出てくるわけだ・・・。
そんな時「自分と同い年のジュリーはこんなに元気だったんだ」と実感することはとても励みになります。
ですから毎年この日は「現在の僕の年齢の年にジュリーはどんな歌を歌っていたか」というテーマで楽曲お題を選び更新することにしています。
ジュリーが55歳の年にリリースしたアルバムは、『明日は晴れる』。
2002年から06年まで続いた変則パッケージ作品の中でも特にゴツくて(盾型)、収納場所が悩ましい1枚。
中身もパッケージに劣らずゴツいパワー・ポップ系ながら、優しい詞の歌が多くメッセージ性の強い名盤だと思います。
今日は収録曲の中から記事未執筆だった「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」を採り上げての更新・・・日々スマホと格闘していたため下書きの時間が無くほぼ一気書きです。あちこち脱線しながらいつもよりライトな内容となりますが、よろしくおつき合いくださいませ。
①タイガース(阪神の方)はいつ優勝するのか(泣)
のっけから脱線話です。
例年は本当に近くなってから考えることなのですが、「今年の誕生日更新はアルバム『明日は晴れる』からのお題だな」という意識が僕には5月くらいからあって。楽しみで楽しみでね。
と言うのも今年のプロ野球、セ・リーグは開幕から阪神タイガースがまさかまさかの絶好調。
以前から僕は
「Rock 黄 Wind」は、阪神が優勝した年に書く!
と宣言しておりましたから、遂に来た!と。
どちらかと言うと弱気な阪神ファンを自覚する僕が、梅雨くらいまでは「今年は間違いない!ブッちぎりで優勝DA~!」と確信するほどの強さでした。
拙ブログ的には話として出来過ぎ、運命的なんですよ。だって、「Rock 黄 Wind」をアンコールに配したジュリー55歳のツアー『明日は晴れる』は、日程が進むたびにそのセットリストに呼応するかのごとく阪神がどんどん勝っていって、最後にはジュリー・ツアーも阪神もお祭り騒ぎ、圧倒的な優勝を飾りお祝いした年なのですから(まぁ、遅れてきたジュリーファンの僕はリアルタイムで当時のツアーを体感できていませんが、DVDはしょっちゅう観ます。レビュー記事はこちら!)
そうか、僕が55歳になって『明日は晴れる』からお題記事を書く年まで待っていてくれたのか、我が愛するタイガースよ・・・。
などと早々に「その気」になるのも無理ない展開。
だから本当は今日の更新は「Rock 黄 Wind」がお題になるはず・・・だったのです。
ところが、夏くらいからかなぁ。雲行きが怪しくなってきて、ジャイアンツと競りはじめたなと思っていたらスルスルとスワローズが上昇してきてね。
この3チームが終盤優勝を争うパターンになると阪神は優勝できない、そして最後に優勝を攫うのは何故かヤクルト、というトラウマが過去の体験上僕には染み付いているのですが、正に今年もその通りとなりました。
それにしたって今年は・・・ゲーム差ゼロですよ。勝ち数だけなら阪神の方が上なんですよ。
悔しいじゃあありませんか・・・。
果たして僕がこうして元気にブログを続けられているうちに、阪神は優勝するのでしょうか。「Rock 黄 Wind」の記事を書く日は来るのでしょうか。
優勝できる力はここ数年で整ってきている、とは思うのですが。
いずれにしても、イケイケな確信からあっという間に「弱気な阪神ファン」へと逆戻りした・・・僕にとってはそんな2021年後半でしたな~。
②「数字がつくジュリー・ナンバー」CDを作ってみた
ジュリーほどの長いキャリア、しかも基本的に毎年新譜をリリースし続けるというスタンスの歌手になると当然ながらその楽曲数は厖大です。シャッフルで全曲一気聴きするとなると何日かかることやら。
ですから基本アルバム単位で聴くことになりますが、それとは別に個人的に自分用の編集盤CDを何枚も作って聴く、という楽しみ方ができるのもジュリーのキャリア、持ち歌の多さならではです。
みなさまも「LIVEセトリCD」はよく作成されているのではないですか?
僕がよく作るのは、何らかのテーマを決めて通勤時間に合わせた15曲入りの編集盤(15曲にすると、通勤時間BGMとしてちょうど良い長さになります)。
例えば「歌詞に人名が出てくる歌」「同じく地名が出てくる歌」果ては「アルバムのラスト収録曲ばかりを集めた」CDなどを作ったことがあります。
で、今日の更新に備えて先週作ったのが「タイトルに数字の入っている歌」特集でした(いつもなら更新に向けてお題曲収録のアルバムを聴くのですが、今回は「Rock 黄 Wind」を聴くのが悔しかった笑)。
どんなテーマで作るにせよジュリー・ナンバーには相当な該当曲が見つかりますから、15曲におさめるとなれば泣く泣く外す曲もあって、その時の気分で「聴きたい!」と考えた厳選集CDとなります。各年代からバランス良く選曲、ただし僕の場合はシャッフル感覚が好きなので敢えて曲順は年代ランダムに作ります。
結果、このようになりました。
1.「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」
2.「十年ロマンス」(ザ・タイガース)
3.「15の時」
4.「三年想いよ」
5.「1989」
6.「6番目のユ・ウ・ウ・ツ」
7.「SPLEEN~六月の風にゆれて」
8.「ゼロになれ」
9.「24時間のバラード」
10.「目抜き通りの6月」
11.「背中まで45分」(シングル・ヴァージョン)
12.「午前三時のエレベーター」
13.「君にだけの感情(第六感)」
14.「8月のリグレット」
15.「100倍の愛しさ」
なかなか盛り上がる編集盤でしたよ~。
アルバム『明日は晴れる』にはちょうど記事未執筆の該当曲が2曲あり、CDの最初と最後に配しました。
毎日の通勤中にこれをBGMとしながら「さて、どちらにしようか」と考えていたわけです。
「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」「100倍の愛しさ」いずれもこの時期のジュリー・ナンバーらしいメッセージ性、パワー・ポップの要素があり「名曲」を再確認した上で、今回はGRACE姉さんの詞とカースケさんのドラムスが印象的な「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」を選んだ次第です。
③「ひぃ、ふぅ、みぃ、よ」と数えるのはどんな時?
やっとお題曲の話です(汗)。
僕は(ジュリーと同じく)GRACE姉さんの詞が大好きですが、曲によっては時に「え~とこれは、ジュリーの詞だっけGRACE姉さんだっけ?」と分からなくなり再確認することもしばしば。
特に「平穏な日常」を描いた作品でそのパターンが多いみたいです。
対して「これはGRACE姉さん!」と迷うことなく明快に系統だてられる歌達もあって。僕の中で「星・宇宙系」と分類されているGRACE姉さん一連の名作群を2000年から時代順に並べていくと
「アルシオネ」
「心の宇宙(ソラ)」
「不死鳥の調べ」
「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」
と、見事に1本の線で繋がります。
「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」は夜空の星を数える歌。
ここで考えるのは、僕らが何かをカウントしようとする時「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ、いつ、む・・・」と数えるのはどんな時だろう?という。
僕の場合は仕事なんかで本とかペラとかを数える際には、普通は「1、2、3、4・・・」か、或いは2つ跳びで「にぃ、し、ろ、ぱ・・・」とやります。いずれにしてもスピード重視ですな。
さっさと数え終わりたいな、と気持ちが焦って却って躓きやすいんですけど。
一方「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ・・・」の数え方には、ゆったりした時間の感覚があります。
どう考えても最後まで数えきれないもの、数の答が出なさそうなものを漠然とカウントする、数えること自体が目的ではないと言うか、「結果が知れない」ものに対しての数え方なんじゃないかと。
ゆっくりと、ひとつずつ・・・そんな感じです。
対象が良いことあれ悪いことであれ、ハッキリとは分からないもの。例えば、このコロナ禍終息までの日数。いつかその日が来る、と信じて日々指を折る「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」であったり、世界の危機を憂う学者が「終末時計」の秒針がじりじりと進んでゆくのを見つめる「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」であったり。
僕にはそんなふうに思えます。
GRACE姉さんの「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」は決してハッピーな内容とは言えません。
星を数える時に都会の明かりが邪魔になったり、自然、地球、宇宙を脅かす何者かへの糾弾ともとれるメッセージ・ソング。それでも歌詞全体に豊かさや癒しがあるのは、あくせくした日常の「時間」からの脱却が感じられるからじゃないかなぁ。
「時間は最大のミステリーだ。それが分かれば宇宙の謎もすべて解ける」
と言ったのは誰でしたっけ?
でも科学者ならざる僕ら凡人ならば、時間を解明するでもなく「忘れる」ことで「謎」(解決できないこと)から解放されているのかもしれません。
それが「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」と星を数えてみる時。勝手な解釈ですけど、そんな歌なのかな。
白井さんの作曲はかなりの変化球です。
ホ長調のメロディーを「Cmaj7」に着地させるとは・・・五線譜だと臨時のナチュラルが満載となりそう。
進行の理屈としては短調寄りなのです。
でもこの曲での白井さんは理屈関係なく、ギター独特の「鳴り」を生かしたフォーメーションのクリシェ移行でコード展開させているようで、作曲手法は「ISONOMIA」に近いのではないでしょうか。
あと、僕はこのレコーディング音源でのカースケさんのドラムがとても気に入っています。
タムの噛ませ方が60年代ロック幾多のドラマーの名演を連想させるんですよ。リンゴ・スターっぽくもあり、キース・ムーンっぽくもあり。
他ジュリー・ナンバーでGRACE姉さんの「限 界 臨 界」や、オータコージさんの「揺るぎない優しさ」にも同じような感触を僕は持っています。
僕が現時点でアルバム『明日は晴れる』からLIVE体感できているのは、「明日は晴れる」「睡蓮」「Rock 黄 Wind」の3曲のみ。
開幕まで3週間ほどに迫った初詣ライブでは「睡蓮」のセトリ入りが堅いと考えていますが、まだ未体感でアルバムでも特に好きな「違いのわかる男」「夢見る時間が過ぎたら」にも期待しています。
「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」はちょっと難しいかなぁ。まぁ、僕のセトリ予想なんていざ蓋を開けたら毎回ピントが外れまくっているんですけどね。
それでは、オマケです!
今日は2003年『音楽専科』のインタビュー記事。
これは当時50代のジュリーにそれぞれ20代、30代、40代のインタビュアーが話を聞く3部構成の記事で、30代、40代のインタビュアー部は過去記事にて添付済(こちらとこちら)。
残っていた20代のインタビュアー部をどうぞ~。
記事中で『OLD GUYS ROCK』ツアーから始まった柴山さんとのギター1本体制を予感させるようなジュリーの言葉があったり、なかなか興味深い内容ですよね。
それでは次回、年内にあと1本更新の予定です。
昨年の最後の記事は、シローさんの追悼で「野生の馬」を書きましたが、今年も追悼の記事で1年の更新を締めくくることになります。
お題はザ・タイガースのナンバーで。
よろしくお願い申し上げます。
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コメント
「四月の雪」を是非是非追加お願いします。
若いジュリーの素晴らしい高音です。四月になって訪れる寒い日に必ず聴きたくなります。
投稿: 澤會佐賀県支部支部長(自称) | 2021年12月23日 (木) 14時28分
澤會佐賀県支部支部長(自称)様
ありがとうございます!
そうだ・・・「四月の雪」が抜けていました!
CDを作る時、「何月」って歌がまだあったような・・・とは考えたのですが、この名曲をうっかりしていたとは。
僕も大好きな1曲です。
投稿: DYNAMITE | 2021年12月24日 (金) 09時41分
DY様 こんばんは。
好きです、この歌。
不思議系の歌詞もぽわんぽわんとしたメロディーも。
「ありのままの自由を持て余す天使たち 束縛に甘える天使」
の部分がわかるようなわからないような、だったのですが、定年退職した時
(悠々自適・晴耕雨読、もう好きに生きるぞー)
・・・一か月で持て余しました、ハイ。
人間何をやっても何らかの対価か他者からの評価が無ければモチベーションなんて保てないもんです。
というわけで短時間の仕事を多少の収入を対価にやり、毎日行っても月1でも会費が同じスイミングクラブはもちろん可能な限り行くにきまってる。
そんな時この歌を聴いたら、
(あれ、天使たちも私と同じじゃん。)
と妙にうれしくなりました。
投稿: nekomodoki | 2021年12月26日 (日) 22時20分
nekomodoki様
ありがとうございます!
なるほど、「ありのままの自由を持て余す天使たち」・・・目からウロコの解釈です。
単に不思議な情景描写というものだけではなく、「天使」を作詞者視点、聴き手視点に引き寄せる解釈は僕にはできていませんでした。
55歳になってしまった、などと言いつつ、僕の人生経験などまだまだ修行途上ということですかね~。
おかげさまでフォーラムには参加確定し、バンド復活もあってこれほど胸踊る年末も久しぶりです。
初詣ライブ開幕までの日数を、指折り「ひぃ・ふぅ・みぃ・よ」と数えている、正にそんな心境です~。
投稿: DYNAMITE | 2021年12月27日 (月) 09時09分