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2021年3月

2021年3月26日 (金)

沢田研二 「熱いまなざし」

from『沢田研二/LIVE SELECTION』

Liveselection

1. マイ・ラヴ・イズ・ユア・ラヴ
2. 熱いまなざし
3. この炎は燃えつきず
4. 夜汽車の中で
5. 愛の出帆
6. WE ALL FALL DOWN
7. 美しすぎて
8. ウィザウト・ユー
9. ヘイ・ジュテーム
10. ジェラス・ガイ
11. ユア・レディ
12. 悪い予感
13. アモール・ミオ

-----------------

久々に、短い間隔での更新ですよ~。
引き続き『BEST OF NHK!』カテゴリー、今日はdisc-1からの選曲です。
お題は「熱いまなざし」。

やはり長いファンの先輩方はこのDVDの中でdisc-1が特にお気に入りではないか、と想像しています。
強烈な青春の想い出とともに記憶に残る映像、先輩方のその体験値には、僕のような後追いファンは到底敵わない・・・ですから今日の「熱いまなざし」の記事は「新規ファンがどのように遡って当時のジュリーを勉強していったのか」、その過程を紹介させて頂くような内容になります。
よろしくおつき合いください。

Atuimanazasi1

「熱いまなざし」は「レコーディング音源こそ無いけれど、若き日のジュリー入魂の自作曲で、かつてステージの定番であった」との意味で、僕のような後追いファンにとっては「上級篇」のスタンスです。
熱心なジュリーファン以外はまず知らない曲であろう、というね。
にも関わらずこの曲、市販のスコアが存在するんです。

他でもない、僕の勤務先から78年11月に発売されていた(もちろん僕自身は入社前。当時の僕はまだ小学生!)『ギター弾き語り●沢田研二/イン・コンサート』。

Julieguitarscore

「最新シングル」として「LOVE(抱きしめたい)」を大きくフィーチャーしたこのスコアに、「熱いまなざし」も収載されています。

Atsuimanazasi

発行からちょうど30年というタイミングで僕は『ジュリー祭り』参加を機に本格ジュリー堕ち。
会社に1冊だけ残っていた貴重な資料を手にした時は、なにせ新規ファンで「じゅり勉」最初期段階だったものですから、そのスコアの選曲に「???」と思ってしまったものでした。ポリドール期のアルバムは全部聴いているのに、「熱いまなざし」「叫び」「二人なら翔べるのに」・・・全然知らん曲が入ってるぞ!と。
お恥ずかしい次第です。

78年と言うともちろんレコードの時代。スコアは「ベストに近いものを」との狙いがあったらしく、LP『沢田研二大全集』から重点的に選曲されていたようです。
僕はまだまだあの時代のジュリーのオリジナル・アルバム以外のレコードを把握しきれておらず、このスコアが『沢田研二大全集』をメインに製作されたことに気づくのも時間を要しました。
そうそう、「熱いまなざし」が歌われた76年の武道館公演もそれ単体でレコードがあったんですよね・・・セットリストが気になります。

ともあれ僕の大先輩の編集者さん達、本当に素晴らしいスコアを残してくださいました。

さて本題。
今日はこの機会に、僕が「熱いまなざし」という名曲を遅れて知ってから少しずつ学んでいった「気づき」について書いていきたいと思います。
長いジュリーファンの先輩方が「当然」のように受けとめていらっしゃることも、新規ファンには「あぁっ、そうだったのか!」と感じるケースがとても多い・・・そんな例ということで。

まず、曲中で大きくフィーチャーされている合唱(コーラス・パート)にまつわる話から。

『BEST OF NHK』収録の『ひるのプレゼント/ジュリーの5日間』の映像では、男声で法政大学男声合唱団のみなさん、女声で実践女子大学合唱団のみなさんが参加されています。

Atuimanazasi2

この「コーラス隊をフィーチャーしたステージ構成」を観ると改めて連想するのは、僕が初めてジュリーLIVEの洗礼を受けたあの『ジュリー祭り』の光景なんです。
前半部トリの「ラヴ・ラヴ・ラヴ」のサビで、それまでは暗かったステージに近い客席の一部にサ~ッと照明が当たり、大人数のコーラス隊が浮かび上がる演出。未だ忘れ難い、強烈に脳裏に残るシーンです。
後日そのコーラス隊の中で、声楽をやっている勤務先の後輩女子がさるルートから声がかかって歌っていたことを知るわけですが、「ジュリーと一緒に歌えるコーラスのみなさんが羨ましい!」というのはLIVEの最中からそう思っていました。

僕は『ジュリー祭り』参加直前にアルバム『ROCK'N ROLL MARCH』を購入しています。
タイトルチューンの「ROCK'N ROLL MARCH」、そして「我が窮状」にコーラス隊が導入されていることはもちろんその時点で気づいていましたが、ジュリーが楽曲に込めたコンセプト含め、その重みを知ったのはずっと後になってから。
恥ずかしいことに『ジュリー祭り』の段階では
「なるほど、新譜の2曲で採り入れられたコーラス隊のアイデアを、お祭り的に「ラヴ・ラヴ・ラヴ」や「あなたに今夜はワインをふりかけ」でも応用したんだな」
との感想に留まっていました。

かつてジュリーが同じようなスタイルでステージで歌った「熱いまなざし」。ジュリー自身が最初から「コーラスありき」のコンセプトで作詞・作曲した名曲があった・・・知る由もありませんでした。
先輩方は『ジュリー祭り』であのコーラス隊を体感した時、きっと意識せずとも70年代からのジュリー史が脳内で繋がっていらしたでしょうね。

ジュリーは明らかに「コーラス隊」を「お客さんの声」に見立てたコンセプトを持っています。
「君たちの声の力も貸してくれ!」と、「熱いまなざし」って正にそういう歌じゃないですか。
「ROCK'N ROLL MARCH」も「我が窮状」も、さらには憎きコロナ禍のため僕らが未だLIVE体感できていない「Help!Help!Help!Help!」「頑張んべぇよ」も、ジュリーが持つコンセプトはそこにあるのでしょう。

僕は「熱いまなざし」の音源を記事冒頭に記したアルバム『LIVE SELECTION』(正規品ではなく、先輩から音源だけ授かって持っています)で知りました。
これは76年12月、日本武道館のステージのヴァージョン。一方『BEST OF NHK』収録の『ひるのプレゼント』ヴァージョンは78年です。
「映像あり」の威力は大きいなぁと思いつつも、じゃあ純粋に「音」だけで比較した時にどちらのヴァージョンが胸に突き刺さるかと言えば、76年の方なんですよ。
これまた後追いファンの「気づき」があってのこと。

2つのヴァージョンのタイムラグはたったの2年。しかしそれぞれのステージでジュリーやファンが置かれていた状況はまったく違うのだ、ということは新規ファンの僕にも少しずつ分かってきました。
そのあたりは本当に色々な資料で勉強していったのだけど、今日はその中でも「特にこれ!」と思える資料を添付しておきましょう。
福岡の先輩からお預かりしている『ヤング』のバックナンバー、76年11月号に、12月に控えた武道館公演の告知特集記事が組まれています。

761101

761102

761103

現在のコロナ禍と単純な比較はできないまでも、76年のジュリーにも「LIVEができない」時期があり、ジュリー自身も会場に駆けつけたファンも溜めに溜めたパワーをようやく解放できたステージ。それがこの武道館だったのかなぁ。
そんな舞台で歌われた「熱いまなざし」。

なぐさめの言葉より 熱いまなざし
C                  F          G7       C

ふりむくな 思い出に涙  くれるな
      F               Am  Dm   G7    C

燃えてみろよ お前
        Am            Em

心閉じてないで ♪
   Dm          G7

歌うジュリーの気持ち、受け取るお客さんの気持ちを想像するだけでね、この武道館ヴァージョンが胸を打たないはずがありません。

技巧的には、ジュリーのヴォーカル、井上バンドの演奏とも完成度の軍配は78年に上がります。
レゲエ調のアレンジを採り入れたり、何よりメンバー全員堂々として余裕がある印象ですし、当時の活動の充実が映像から伝わってきます。
一方76年武道館の方はとても荒々しい。リード・ギター(78年と同じ担当であれば速水さん)のピッキング・ハーモニックスひとつとっても、何か閉塞されていた状況を一気に抉ってこじ開けるような・・・言葉が適当かどうか分かりませんが、「攻め」の姿勢を感じます。
ジュリーの歌も同様。これは「対世間」への決意表明でもあったのかな、とそんなふうに捉えてしまうのは僕の浅慮なのでしょうか。

もしこの記事をお読みの先輩方の中に「76年武道館を生で観た!」と仰る先輩がいらっしゃったら、是非この時の「熱いまなざし」のお話を伺いたいです。

もちろん、78年『ひるのプレゼント』の「熱いまなざし」も素敵ですよ。
後追いファンとしては「そうか、ジュリーは「ダーリング」の頃に「熱いまなざし」や「アイ・ビリーブ・イン・ミュージック」を歌っていたんだなぁ」と、今回の『BEST OF NHK』で改めて把握し、アルバム『今度は、華麗な宴にどうぞ。』の歌詞カードに何故「アイ・ビリーブ・イン・ミュージック」のジュリーによる日本語詞の一節が添えられていたのか・・・これで完全に理解できました。

そうそう、映像を観ると女声コーラスのみなさんの目が総じてハートになっている・・・ような気がするのは僕だけかなぁ?
いやいやもしその通りだったとして、それは無理もないこと。だって

Atuimanazasi3

Atuimanazasi4

こんなジュリーをあれだけ間近に見ているのですから、そりゃあねぇ。


今、ジュリーと僕らファンは1年以上もLIVEでの逢瀬から遠ざかっていて、この状況はこれからもまだしばらく続きそうです。
溜めこんだパワーは76年を凌ぐかもしれません。

いざLIVE再開となった時、ジュリーが再び「みんなの声を貸して!」と言わんばかりのセットリストを用意してくれることを、僕は妄想中。
今日の「熱いまなざし」の記事は、ちょっと気の早い”恒例・全然当たらないセットリスト予想”シリーズの1曲ということで、期待したいと思います!


さぁ、3月も残り僅か。
4月に入ると、いよいよ『PEEが奏でる「四谷左門町LIVE」2021』(5月16日開催)に向けてのスタジオ・リハーサルが始まり、忙しくなりそうです。
僕は演奏側ではありませんが、裏方としてスタジオ入り当日だけでなく事前準備として今からからやっておかなければならないことが山積み。
ブログ執筆に当てる時間がとれるかどうか・・・それでも4月は「毎年必ずワイルドワンズの記事を書く」と決めた加瀬さんの命日がありますし、少なくともその日だけは何としても更新します。


ひとまずこちら関東でも緊急事態宣言は解除されましたが、まったく油断はできません。
引き続き気をつけて過ごしていきましょう。

それでは、更新を終えて僕はこの後、毎週楽しみに観ていたドラマ『俺の家の話』最終回を観ます。
登場人物の相関関係やここまでのストーリー展開から、最終話で『犬神家の一族』へのオマージュネタが飛び出すのではないか、と勝手に想像していますが、さてどんな結末となるのか・・・楽しみ楽しみ。

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2021年3月21日 (日)

沢田研二 「DOWN」

from『彼は眠れない』、1989

Karehanemurenai_20210321104901

1. ポラロイドGIRL
2. 彼は眠れない
3. 噂のモニター
4. KI・MA・GU・RE
5. 僕は泣く
6. 堕天使の羽音
7. 静かなまぼろし
8. むくわれない水曜日
9. 君がいる窓
10. Tell Me...blue
11. DOWN
12. DAYS
13. ルナ

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こちら関東では、今週は暖かい日が多かったです。
通勤途中に通る公園の桜も咲きはじめました。みなさまお住まいの地はいかがでしょうか。

改めて3月11日のジュリーのメッセージを胸に、10年目の春に思いを寄せ過ごしています。
延期となっていた映画『キネマの神様』の公開も改めて決定しました。暑い時期に観るのは内容的にも合っているかも・・・楽しみに待ちたいですね。


さて、『BEST OF NHK!』カテゴリーでの記事更新が続きます。
実は前回更新後に他のお題曲で少しずつ下書きをしていたところ・・・先日のポンタさん旅立ちの報を受け、今日は急遽お題を変えての一気書き更新。
走り書きのようになってしまいますが、若い頃から僕のヒーローの1人であったポンタさんに捧げる記事をここに残しておきたかったのです。

採り上げるお題は「DOWN」。

ポンタさんがかつて、自身の誇れるレコーディング・パフォーマンス作品としてジュリーのアルバム『彼は眠れない』を挙げていらした・・・この話は誰かジュリーファンの先輩に伺ったのだったか、何かの記事で読んだのだったか・・・。
とにかくその『彼は眠れない』収録曲の中でも、「DOWN」はポンタさんを送るお題にふさわしい1曲。ボ・ディドリー調ジャングル・ビートを取り入れた楽曲のロック・バンド演奏の主役は、ドラムスなのですから。

DVD『BEST OF NHK』で「DOWN」はdisc-3とdisc-5にそれぞれ収載されています。
当然ドラムスはいずれもポンタさんです。

Down02

↑ 猛るジュリー・ヴォーカルのバックで密かに豪快なハイタム連打を繰り出すポンタさん。disc-3収載、『歌謡パレード』より。

Down13

↑ 89年大晦日に降臨したジュリーとJAZZ MASTER。大黒柱・ポンタさんの熱演は、お茶の間ばかりか共演歌手のみなさんのド肝をも抜いたに違いありません。disc-5収載、『紅白歌合戦』より。


今日は追悼記事ということで、ポンタさんのことを中心に書いていきます。

僕が初めて、と言うか生涯唯一ポンタさんの演奏を生体感したのは、20歳の時に観にいった泉谷しげるさんのLIVEでした。
ちょうどLOSERが結成され、泉谷さんの新譜(僕は『80'sのバラッド』からリアルタイムで購入していました)の雰囲気がガラリとハード志向に変貌したタイミング。高校時代からバンドをやり、「ミュージシャン志望」の色気があった大学生の僕を、「ダメだ。プロはレベルが全然違う」と打ちのめし身の丈を知らされるには充分過ぎる圧巻のステージでした。

仲井戸麗市、下山淳、吉田建。
そして村上”ポンタ”秀一。

その後、LOSERのこのメンバーというのはプロの中でも格別凄いのだ、と学んでいきます。

空前のバンド・ブームを巻き起こした『イカ天』では建さんとポンタさんが審査員として登場。
ポンタさんの方はレギュラーではなくゲスト審査員のスタンスでしたが登場回数は多く、BEGINの比嘉さんのヴォーカルを大いに評価し「彼には電話番号教えたから。何かあったらブラシでも何でも俺がやる、と伝えたから」とテンション高く話して司会の三宅さんに「そっちの気があるの?」とイジられたり、バンド名は忘れましたがいぶし銀の素晴らしい演奏を見せてくれたドラマーさんに「いいドラマーは腰からやられるんだよな」とその身体を気遣ったり、一見コワモテなのに気に入ったバンドに声をかける時には「ロック少年」のような笑顔になるポンタさんに、とても癒されたのを覚えています(出演バンドの身になって想像すると、本当にコワイのはポンタさんではなく建さんですね笑)。

吉田建と村上”ポンタ”秀一は邦楽ロック最強のリズム隊。そしてそれを率いていたのは泉谷しげる。
絶対王者、泉谷しげる with LOSER。

と、今なお、日本のロック・リスナーの多くがそう認識しているでしょう。若い頃の僕もそうでした。
しかし僕は随分遅れてジュリーのファンとなりその歴史を後追いで学び、かつてJAZZ MASTERというバンドが存在していたことを知ります。

Down12

↑ 老若男女のロック信者よ、見よ!ヴォーカル含め、これが日本のロック・バンド最強のセンターラインだ!(disc-5より)

さらにポンタさんはJAZZ MASTER解散後も数年間、ジュリーのツアー・バンドとして帯同していた・・・早くにジュリーファンになっていたら、僕はもっとポンタさんの演奏を体感できていたのに、と思います。

ポンタさんは間違いなくパワー型ドラマーの最高峰。ところがパワー一辺倒でもない、というのがまた凄い。
例えば湊雅史さんのようにガッチガチのチューニングで「音を聴けばその人だと分かる」タイプではなく(まぁこれは僕自身の耳のレベルが低いこともありましょうが)、変幻自在の仕事人。それがポンタさんの真の凄さであり、長きに渡る日本の音楽シーンへの貢献の証ではないでしょうか。
例えば松任谷由美さんのアルバム・クレジットを見て「えっ、これポンタさん?!」と驚かされた経験も。
考えてみれば、アルバム『彼は眠れない』の音源だけでも「僕は泣く」も「堕天使の羽音」も「静かなまぼろし」もポンタさんのドラムなのですからねぇ。

さて、『BEST OF NHK』の「DOWN」。
収載された2ステージはメンバー構成こそ違えど(『紅白』の方はギター2本)アレンジはほぼ同じで、演奏の印象は似ています(つまり、ギター1本体制時の柴山さんが凄すぎる、とも言えます)。
ただ、レコーディング音源との比較となるとやはり生演奏の映像は随分違う、と感じます。
そうそう、「DOWN」レコーディング音源にもアルバムとシングル2つのヴァージョンがありますね。音の厚みやエンディング等、シングルの方がLIVE感の強い仕上がりです。
後追いの僕は詳しい経緯まで把握できていませんが、「ポラロイドGIRL」の「ポラロイド」が商品名ということでNHKでの演奏がNGとなり(やむを得ないとは言え、ジュリー久々のシングル・ヒットに水を差したような感じで、勿体無い!と多くのファンが残念に思ったことでしょう)、紅白の演目は「DOWN」を抜擢、そのままアルバムからの第2弾シングルとして新ヴァージョン製作、という流れで合ってるのかな?

いずれにしても2つのレコーディング音源はもちろん素晴らしい。
それでも『BEST OF NHK』の映像の方が「ロックバンド」のインパクトは強いのです。

ポンタさんのドラムスは、まずタムのステレオ感がステージ映像ならでは。
加えてブリッジ部でのスネアとキックのコンビネーションが圧巻です。

すれ違う夢が
E           F#m7

重なり合っていく    Oh ♪
E                  F#m7   C#7

ここだけジャングル・ビートのリフを離れ、スラッシュ・メタルのような疾走感、倍速感覚が味わえます。

他パートだと、スライド・ギターがメチャクチャ前に出てるんですよね~。

Down05

↑ このキャプチャーはスライドのシーンではないけど、JAZZ MASTERの斬り込み隊長・柴山さんのアップも今回は載せておきませんとね

ジュリーについては、disc-5の方が個人的には好み(disc-3もクールでカッコ良いですが)。
歌も動きもテンションが高く、バンドメンバーもジュリーに引っ張られて大暴れしています。
建さんがここまで派手に動き回る映像は珍しい、と改めて思いました。
89年の紅白ではジュリーはタイガース名義での出演もあり、準備段階から相当気合が入っていたのかな。

Down11 


最後に、お題曲からは離れますが、ジュリー関連映像の中で僕が個人的にイチオシするポンタさんのベスト・パフォーマンス・シーンを紹介させてください。
ズバリ『サーモスタットな夏』ツアーDVDから、バンドのインストです!

みなさまご存知の通り2010年までのジュリー・ツアーでは、セットリストを大きく前半、後半に分けたジュリーの着替えタイムがあり、その間バンドがインストを演奏してくれます。
演目はツアーによって柴山さんのオリジナル曲だったり、洋楽カバーだったり、井上バンド時代には『太陽にほえろ!』挿入曲であったり様々ですが、97年『サーモスタットな夏』ツアーでは、「PEARL HARBOR LOVE STORY~プログレッシブ・ヴァージョン」とも言うべき名演が披露されています。

セトリ前半のラストが「PEARL HARBOR LOVE STORY」で、ジュリーがいったん退場したと思ったら間髪入れずに始まるのがこのインスト。
「PEARL HARBOR LOVE STORY」は余韻が重要な曲ですから、このインスト・アイデアはステージ全体のバランスや完成度を高めている意味でも、本当に素晴らしい!
特にエンディングで全パートがビシ~ッ!とフレーズを合わせる時にカメラがポンタさんを抜くシーンに痺れます。直後にジュリーがカッ飛んできて、後半1曲目「時計~夏がいく」が始まるという・・・絵的にも音的にも最高にカッコ良いので、DVDをお持ちの方は是非観返してみてください。

僕が『ジュリー祭り』で本格ジュリー堕ちを果たし最初に購入したDVD作品が『サーモスタットな夏』でした。
アルバム自体が大好きなこともありますが、ツアーDVDとしても一連の作品の中で今でもトップクラスに好きな映像です(盟友・YOKO君もお気に入りらしく、「風邪をひいたらサーモのDVD観て治す!」とよく言ってます)。

翌98年の『ROCKAN' TOUR』ではドラムスがGRACE姉さんにチェンジ(ポンタさんの推薦だった、とじゅり勉過程で聞いたことがあります)しています。大好きな『サーモスタットな夏』は、ポンタさん最後の帯同となるジュリー全国ツアーだったのですね。

心より、ポンタさんのご冥福をお祈り申し上げます。


さて次回も『BEST OF NHK!』カテゴリーの更新を予定しています。
disc-1から70年代の名曲がお題。下書きは結構進んでいるので、さほど間を空けずに更新できると思います。

最近の僕は会社の定期健康診断で腎臓が引っかかり病院のお世話になったりしていますが(初めて肉体をスキャンされました・・・)、とにかくこのコロナ禍です。
みなさまもどうぞお身体ご自愛ください。

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2021年3月 5日 (金)

沢田研二 「DAYS」

from『彼は眠れない』、1989

Karehanemurenai_20210228103301

1. ポラロイドGIRL
2. 彼は眠れない
3. 噂のモニター
4. KI・MA・GU・RE
5. 僕は泣く
6. 堕天使の羽音
7. 静かなまぼろし
8. むくわれない水曜日
9. 君がいる窓
10. Tell Me...blue
11. DOWN
12. DAYS
13. ルナ

-----------------

先日は嬉しいお知らせが届きましたね。
『沢田研二 TBS PREMIUM COLLECTION』遂に発売!

Official

ジュリーがステージから「TBSの映像集の発売予定がある」と教えてくれたのはいつのLIVEだったかな。
コロナ禍のせいで久しく生ジュリーに会えておらず、自分の中の「リアタイ・ジュリー年表」が曖昧になってきているな、と感じます。イカンイカン!
それにしてもこのオフィシャル発売告知、「音信不通」などと報じた三文フェイク記事が最初に出回った直後、という痛快のタイミングでしたな~。
セブンスターショー、ザ・ベストテン、全員集合・・・今から発売が楽しみです。


さて拙ブログは今日も『BEST OF NHK』カテゴリーでの更新で、採り上げるお題は「DAYS」。
前回に引き続き、5枚のDVDの中で個人的に最もリピート率の高いdisc-2からの選曲となります。

後追いファンの僕でも『BEST OF NHK』収載の映像は、先輩方に授かった貴重な録画編集盤やYou Tube等で「一度は観たことがある」ものが多いのですが、この「DAYS」は初見だったんです。
食い入るように観ましたよ~。
本当に良いものを商品化して頂き感謝感謝。楽曲についての新たな発見もありました。
では今日もキャプチャーを交えて参りましょう!

Days02

オリジナル音源は、大名盤『彼は眠れない』のラス前収録。このアルバムは終盤に大沢誉志幸さん提供曲(「君がいる窓」「Tell Me...blue」)と徳永英明さん提供曲(「DAYS」「ルナ」)が2曲ずつ連続するターンがあって、面白い曲並びだなぁと常々思っていました。
特に徳永さんの2曲はラストに固まっていて、ビートルズのホワイト・アルバムじゃないけど「タイプの違う多めの収録曲の中から、独立性が強く後に次の曲が続く感じがしない曲をレコード面の終盤に配置する(ホワイト・アルバムは2枚組なのでA~D面という4つの「終盤」があります)という編集作業があったかもしれません。
徳永さんのジュリーへの楽曲提供は、製作側からすると良い意味で異彩を放っていたのではないでしょうか。

ただ、後追いの僕はまず「DAYS」をこうして『彼は眠れない』収録曲として考えてしまうけれど、DVDの映像は『歌謡パレード』1989年9月27日のステージからの収載。アルバム『彼は眠れない』のリリースは翌月ですから、リアルタイムでこのステージを観た先輩方は、先行リリースのシングル盤『ポラロイドGIRL』のカップリング曲として当時この放送を楽しまれていたものと想像します。

Polaroidgirl

ちなみに「DAYS」はシングルとアルバムでミックスが異ります。
シングルの方は以前先輩から授かった音源を持っていて、個人的には「音の輪郭はアルバムの方が好みかな」とは思うものの、「ポラロイドGIRL」ほどそれぞれのヴァージョンで聴こえ方が大きく変わってくる、という感覚まではありません。

では、そのレコーディング音源と『BEST OF NHK』生演奏ヴァージョンとの比較となるとどうでしょうか。

映像の演奏はもちろんJAZZ MASTER。
ジュリーの新バンドをこの放送で初めて知った、という先輩方も当時多くいらしたのかな。

Days08

アレンジはオリジナル音源とほぼ同じ。それでも聴こえ方はまったく違うんですよね。

CDで聴くとキーボードとサンプリングの印象が強く、いかにもこの時代特有の「制御されたバラード」(もちろんそれはそれでクールで素晴らしいのですが)という感じ。
しかしDVDだと特に建さんとポンタさんのグルーヴが凄い!何と言ってもCDと比べベースの音量が大きく聴き取り易いです。
エキゾティックなシンセ・フレーズのループの裏に、とてつもなくポップなコード進行が隠されていたことがよく分かります。

カメラがバンドメンバーのアップを抜かないのが残念・・・と言うのも、建さんの右手がどう見てもダウン・ピッキングの動きなんですよ。
建さんは基本「指弾きの鬼」で、これまで僕が建さんのピック奏法に気がついたのは、20歳の時に生で観た泉谷しげるさんのLIVE(with LOSER)の1曲だけです。
ただ、「DAYS」のフレージングならピック弾きでもおかしくはないのです(この曲はアレンジも建さんですね)。

ポンタさんがヘッドホン・モニターで演奏していているので、このステージでもサンプリングは導入されているのでしょうが、腕利きの各メンバーにそんな硬さは微塵も無くて。
柴山さんはもちろん、ポンタさんと朝本さんも身体の動きが激しいし、それが音に乗っている感じがしてグイグイ引き込まれます。
朝本さんはCDと同じサックスの音色も弾いていますが、この音の導入をはじめとする建さんのアレンジは、当時ソロで世界的ヒットを連発していたスティングの音作りにあやかったんじゃないかなぁ。

JAZZ MASATERのグルーヴは楽曲後半がより素晴らしく、これはメンバーの技量もさることながら、ジュリーのヴォーカルが引き出している面もあるでしょう。
お客さんいっぱいのホール、生演奏で歌うジュリーは歌が進むに連れて熱量が増す、ということは前回記事でも書いた通りです。

Days05

↑ ステージ上からホールいっぱいの客席を望む光景は、選ばれた者しか観ることができません。僕らはこうしてDVD映像等のカメラワークで補完鑑賞し、ただただ陶酔するのみ。

で、先輩方には「今さら?」と怒られそうですが、遅まきながら気づきました。
「DAYS」って、相当エロい歌ですね!

今回映像を観て、徐々にジュリーの熱が増してきた2番。歌詞で言うと、ピアスをつけてあげてからのサビまでの流れは本当にヤバイ。
「遠くへ♪」を官能のフレーズとして深読みしてしまいそうになります。
センスの無い僕はCDで聴いている時には「エロさ」まで感じられずにいたのですが、そんな僕でもDVD鑑賞の今にしてそう思えるのは、やはり生演奏のステージで歌うジュリーの凄味でしょう。

「DAYS」と言えば、キンクスに僕の大好きな同一タイトル曲があります。
離ればなれになってしまった人と共にいた過去の日々にリスペクトを捧げ、特別な関係の人間同士が互いに影響し合った体験は、2人が離れても記憶で継続してゆくんだ、という内容の歌です。
作詞(&作曲)をしたキンクスのリーダー、レイ・デイヴィスは、60年代半ばから「ごくごく普通の人間の日常生活、その苦悩や希望、ちょっとした気づきをテーマにした曲を量産します。「DAYS」もその1曲。
ロックがサイケデリックだドラッグだと非日常の世界観を推し勧めた時期にそんなことを始めたので、どうしても「地味なバンド」との評価がつきまとわざるを得なかったキンクス。
しかし時を経た今こそ、その普遍性を世界は広く再評価すべきです。

松井五郎さん作詞の「DAYS」は、「またド派手路線で攻めるぞ!」という89年のジュリー・ナンバーとしては(詞については)キンクスのような「地味」な立ち位置かもしれません。でも『BEST OF NHK』でのジュリーのヴォーカルを聴けば、これは歌手・ジュリーが「長く歌っていきたい」とその慧眼と俯瞰力をして求めた歌ではなかったか、と思えます。
当時シングルのカップリングにこの曲を推したのは、ジュリー自身じゃないのかなぁ。


最後に、もしお分かりになる方がいらっしゃったら教えて頂きたいことが2つほど。

まず第一。
この曲、Aメロの9小節目と13小節目、それぞれの2拍目に「かけ声」(シャウト)があるじゃないですか。
同一の伴奏に異なるメロディーを配した徳永さんの作曲の素晴らしさがあって(1小節目~と9小節目~は同じコード進行)、それを際立たせるためのシャウト・アレンジを建さんが考案したと僕は推測しています。
初聴時からこの箇所がとても好きなのです。
ただ、その「シャウト」フレーズが僕にはこんなふうに聴こえているんですよ。

きみを襲う 寒い声
F       Gm

せいっ
今夜は
Dm

腕のなかでみつけたもの
      C             

せいっ!)夢と名前 つけた ♪
F                    Gm   A7

絶妙なタイミングで差し込まれるスリリングなシャウトに痺れる・・・でも「せいっ!」はちょっと変だ、もしかして「DAYS!」と叫んでるのかな?

そう考えましたが、「で」とは言ってないですよねぇ。
みなさまには、どう聴こえていますか?

そして第二。
ちょうど上記歌詞部、映像のジュリーは「腕のなかで」を「胸のなかで♪」と変えて歌います(テロップの歌詞は音源通り「腕」となっています)。

Days03

これは、このステージの時だけなのかな?
いや、僕もファン歴は浅いですが、ジュリーが本来の歌詞を「自分でしっくりくるように」一部変更して歌い、それをツアー中ずっと継続することがある、というのは学んでいます。
例えば2009年、「Pleasure Pleasure」の「ルート」を「コース」に変えたりね。
「DAYS」の場合はどうだったのかなぁ?

先輩方からの御伝授をお待ちしております。


さて次回更新・・・例年ならば日付的には3月11日リリースの新曲の考察に取り組む時期です。
でもまだリリース情報が無いですよね・・・。

もし今年リリースが無かったとしてもコロナ禍の状況を考えれば致し方なし、『BEST OF NHK!』のカテゴリーをさらに進めていきますが、新譜リリースへの期待もまだ断てません。
現時点では次回お題は「未定」とさせてください。

では(たぶん)また2週間後くらいに!

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